地域生態系学講座セミナー 2003.06.02 (月) 13:00

研究計画セミナー
「花序内におけるマルハナバチの訪花パターン(仮)」

平林結実 yuimi-hi@ees.hokudai.ac.jp

自家不和合性植物における花序内でのマルハナバチ訪花パターンは、 隣花受粉や個体間の花粉輸送に大きく関係します。 総状に花をつけるエゾエンゴサク (Corydalis ambigua)においては、 多くの場合マルハナバチは花序内を下方から上方に向かって訪花し、 一度訪れた花に再び訪花することはほとんどありません。 これは、 花序の上方に向けて蜜資源が少なくなることに対する マルハナバチの適応的行動と考えられています。 このような花序内におけるマルハナバチ訪花パターン(下方→上方)は、 花序内再訪花に伴う隣花受粉を防ぎ、 花の性型にも影響を及ぼしています。 つまり、 花序における蜜資源分配は植物の繁殖戦略の一つと考えられます。

上述は総状花序の場合ですが、 植物個体の繁殖に最適な花序内資源分配は花型、 花序形態によって様々なバリエーションがあると予想されます。

本研究では、 花型と花序の形態、 花序内における蜜資源分配さらには花密度の違い等によってエゾオオマルハナバチ (Bombus hypocrita sapporoensis) の行動にどのような変化が現れるのか、 人工花を使って検証していきたいと思います。


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