地球環境科学研究科 植物生態学セミナー 2006.06.27 (火) 10:30

樹高の違いが当年枝構造に与える影響

宮田理恵

 樹木では高さ成長に伴って、幹や枝が肥大成長する。増大する非同化部を維持し、さらに樹木個体を成長させるには、それに見合うだけの十分な同化部をつくることが必要となる。樹木において、成長の基本的な単位である当年枝は新たに同化部をつくり、樹冠構造を構築する役割をもつ。そのため、当年枝構造は個体が今後成長し、生存することができるのかを決定する上で重要であり、樹高成長に伴ってその構造を変える必要があると考えられる。

 これまで、当年枝や樹冠の構造については、稚樹から成木に至るまでの様々なサイズの個体を対象に、光環境や樹高の違いにおいて調べられてきた。光環境の違いを対称軸に調べた研究例は多く、枝の長さや葉のサイズなどが光環境に対して可塑的に変化することが知られているが、葉の構造は光とは独立に樹高によって変化すると示した例もある。一方、樹高の違いが当年枝や樹冠の構造にどのような影響を与えるかを調べた例もあるが、個体間での光環境の差を十分に取り除き、樹高のみの影響を見たものは少ない。

 本研究では、苫小牧研究林の落葉広葉樹と屋久島の常緑広葉樹を対象に、開所において、当年枝の構造(茎と葉へのバイオマス配分比など)が、樹高の違いによってどのように変化するのかを調べ、その変化が樹木個体の成長と生存に対してどのように効いているのかを明らかにすることを目的とする。


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