地球環境科学研究科 植物生態学セミナー 2006.10.10 (火) 10:30

小スケールでみたシウリザクラの結実に開花期の報酬とディスプレイ効果は関係ない??

森洋佑

種子による有性繁殖と根萌芽によるクローン繁殖を行うシウリザクラ (Prunus ssiori Fr. Schmidt) は本州の中部以北と北海道の冷温帯を中心に分布している落葉高木種で、6月に総状花序をつけ部分的な自家不和合性を持つ。苫小牧のクレーンサイト(240mx260m)で行われた先行研究から、結実数は花序長が長いほど増え、種子親周辺にある同ジェネットの花密度は負の効果を及ぼしたが、他ジェネットの花密度の効果は検出できなかった。本年は札幌で植栽されたシウリザクラ12本を用いて、花序の樹冠内位置など小スケールに注目して結実数を決める要因を検討した。結実数に与える要因として、開花期の蜜量と糖度と花序あたり空花率から求めた報酬とターゲット花序から距離rにある花序密度をディスプレイ効果として解析した結果、報酬もディスプレイ効果も結実数に負の影響があることが示された。この生態的な解釈は現時点では思いつかず、ポリネータの行動や個体差、解析手法の誤りなどが考えられるが今後検討していく必要がある。


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