地球環境科学研究科 植物生態学セミナー 2006.10.17 (火) 10:30

高山性のイワタケ科2種における地衣体の成長と子器生産
Thallus growth and apothecia production of two highland umbilicate lichens(A preliminary report)

志水顕

 地衣類は、藻類と菌類からなる共生生物で、有性生殖の手段として子器で胞子を生 産する他、粉芽や裂芽などでも無性的に増殖する。一般に子器の数と地衣体のサイズ の間には強い相関が見られ、この関係が直線的な場合には資源が生殖へ一定に配分さ れていると言える (Ramstad & Hestmark 2001)。一方、地衣体のサイズは生殖努力 を示す指標として不十分であり、子器数のばらつきが標高などのmesohabitatや微気 候などのmicrohabitatに起因するという指摘がある (Jackson et al. 2006)。

 これに関して、2004年から、高山性の岩上地衣類でイワタケ科の Umbilicaria cylindrica(タカネコゲノリ)及び Lasallia pensylvanica (オオイワブスマ)を用 いて、大雪山系の広い範囲で合計63地点のサイトを設け、各地点の標高、地衣体の付 着していた岩の方位、傾斜、地上高を記録するとともに、採集した618の地衣体につ いて、乾燥重量、表面積、子器数を調べた。

References:
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