地球環境科学研究科 植物生態学セミナー 2007-02-13 (火) 10:30

Tree architecture diversity in tropical rain forest
熱帯林における樹冠の三次元構造の多様性

矢澤佳子

熱帯林では、垂直方向に高く、構造的に複雑な林冠が形成されている。林内では、垂直分布の樹木種の多様性は、林床から林冠にかけての相対的な明るさの変化に関係していると言われている。樹木の樹冠形は種特異的であり、熱帯林では水平方向にも垂直方向にも多様な樹冠がみられる。 樹冠は光合成器官である葉の集まりであり、樹冠を展開することにより、樹木は光を効率的に獲得し、成長、生存率、繁殖などを向上することができる。つまり、樹木にとって、樹冠形は光獲得と密接に関連する形質であると考えられる。従って、多くの樹種で構成されている熱帯林の構造を把握するためには、そこに生育する樹木の樹冠形を定量的に把握する必要がある。本研究では、樹木の各部位のサイズから樹冠形を推定するパラメータを樹種ごとに算出し、樹木の樹冠形の特徴を把握することを目的とする。

調査は西マレーシアPasoh森林保護区の 50ha plotで行った。定年調査によりマークされている胸高直径1cm以上の全樹木個体(約33万本)の中から50種20個体、計1000個体を選択し胸高直径、樹高、最下葉群高、樹冠幅を測定した。 1 種あたり12から19個体のデータが得られた。これらのデータから、胸高直径と樹高、樹高と最下葉群高、樹高と樹冠面積の関係を調べ、樹種ごとの傾向を明らかにする。

今回のセミナーでは、データの概要と、胸高直径と樹高の関係について発表します。


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