地球環境科学研究科 植物生態学セミナー   2009-06-30 (Tue) 10:30
(場所: A804 )

土壌動物を利用した石炭灰と植物性有機廃棄物の混合による森林土壌生成

小川洋平
背景および目的

現在わが国では主に火力発電所から約1,200万トンもの石炭焼却灰が排出されている。埋め立て量は年々減少しているが依然約370万トンが埋め立てられ、その埋め立て地も残り少ないのが現状である。また、オカラやオガクズ、コメヌカなどの産業廃棄物の処理も課題である。 そこで私は、石炭灰やオカラ、オガクズなどの産業廃棄物は自然由来の物質である事に着目し、森林土壌として生成し自然循環システムに還元することに取り組みたい。

 土壌を生成し、理化学性を高める上で欠かせないのが土壌動物や土壌微生物などの分解者である。中でもミミズによる土壌生成は いくつかの報告がある(P.Kaushik et al 2003,C.Elvira et al 1997)。また、ミミズと同様に土壌動物で腐食性昆虫であるワラジ ムシもC,N,PやK,Mg,Caなどの多量養分元素を高める(G.Kautz et al,2000)ことから、私はミミズとワラジムシの2種の土壌動物を利 用することで、より効率的で理化学性に富む土壌が生成されることを期待している。

 最終的な目標は石炭灰や種々の産業廃棄物から生成された土壌で植物や土壌生物が生育し生物循環が行われる森林生態系を構築す ることである。その基礎として土壌動物が初期生成される土壌にどのようなプロセスで理化学的変化を与えるのかを検討する。ま た、生成された初期土壌の理化学性の向上および実際に植物が生育可能かどうかを明らかにするために植物の栽培試験を行う。


セミナー index | A 棟 7-8F の研究室