地球環境科学研究科 植物生態学セミナー   2009-11-09 (Mon) 10:30
(場所: 工学部 N304 )

年輪解析を中心とした放棄スキー場における木本植物の侵入・生長過程に関する調査

吉田智明

 日本では、1960年代以降スキー場には適さない急傾斜地や緩傾斜地にもスキー場が造成されるようになり、バブル期のリゾート地開発の時期には全国に多くのスキー場が造設された。その結果、現在では全国のスキー場数は700弱にものぼり、南は九州の宮崎県にまでスキー場が存在するにいたった。 

 しかし、バブル崩壊とスキーブーム衰退による経営不振のため閉鎖に追い込まれたスキー場は多い。また、地球温暖化に起因すると思われる近年の暖冬傾向は、比較的温暖な地域や標高の低い地域にあるスキー場を中心に深刻な影響を引き起こしている。もちろん温暖化による影響は日本だけでなく世界中で懸念されており、今後世界中で多くのスキー場が深刻な雪不足に陥ると言われている。その中でも、最も危機に瀕しているのはドイツであり、気温が1度上がれば約6割のスキー場が積雪不足に陥るという。

 以上より、今後放棄スキー場やスキー場閉鎖後の森林回復の取り組みが多くなると予測される。そこで本研究では、放棄スキー場における植生回復に焦点を当て、その植生遷移が環境因子(土壌傾斜、林縁との距離、土壌粒径等)とどのように関連しているのかについて、年輪解析を中心的手法として検討していく。また、最終的には、スキー場の植生回復段階における炭素固定についても言及していきたい。

因みに、本研究は1999年以降放棄されている札幌市手稲区にあるオリンピアスキー場内の千尺コースで調査を進めている。


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