地球環境科学研究科 植物生態学セミナー   2009-11-30 (Mon) 10:30
(場所: 工学部 N304 )

人工的な土壌温暖化に対する林床植物のフェノロジーと成長パターンの反応

石岡亮

近年の地球上の急激な気温上昇は、CO2やCH4などの温室効果ガスによるものだと考えられ、このままのペースで温暖化が進むと今後100年の間に1.1~6.4℃の気温上昇が生じると予測されている(IPCC 2007)。気温上昇が植物の生態に与える影響について考察することは、将来的な環境変異を予測する上で重要であると考える。本研究では北海道苫小牧研究林内において人為的に土壌の温度を上げたプロットを設置し、それによる林床植物の成長・フェノロジーの影響を観察した.

仮説としては、夏期や秋期よりも、植物が出現する春期において顕著な影響が見られると考えた。また、常緑・冬緑・夏緑(一斉開葉、順次開葉)というleaf habitごとで異なる影響が見られると考えた。

主な7種(ナニワズ,フッキソウ,オシダ,エンレイソウ,ユキザサ,ハエドクソウ,ミミコウモリ)の植物高・フェノロジーの測定を,温暖区・コントロール区でそれぞれ今年の4月から10月まで,計21回行った.また,それぞれのプロットの土壌水分量,主要種の光合成速度を計測した.

まだデータ処理の途中であるが,現段階で分かったこととして,ナニワズの新葉の枚数が温暖区で減少していること,落葉時期が温暖区で早まっていること,開花時期は温暖区で早まっていることが挙げられる.


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