地球環境科学研究科 植物生態学セミナー   2009-12-21 (Mon) 10:30
(場所: 工学部 N304 )

有珠山新旧火口の土壌化学性ついて

山東豪

(仮 後で直す  世界の陸地の0.25%を占めるに留まる日本は環太平洋造山帯に属しており、37.8万k?というとても狭い面積に108もの火山が密集し火山大国ともいわれている。日本では多くの人が火口や火口原等、火山に因って形成された土地に何らかの関わりを持ちながら暮らしていると言っても過言ではない。 こうした地理的特性から日本人は古来より、限られた土地を最大限に活かすため、火口や火口原を牧場として使用してきたほか田園畑としても活用しており、地域住民の経済的源になっているといえる。国の策定する火山ハザードマップにも記されているように、噴火に伴って発生する熱やガス、噴出物(スコリアや火山灰)は、爆発的エネルギーによって非常に広大な地域に直接的・間接的影響を与えることが今までの調査からわかっている。噴火による撹乱は地域住民にとって、牧場や畑作地の継続的使用を困難にし、結果的に経済的源を失うことにつながる。近年噴火を起した有珠山・三宅島・雲仙岳等での噴火後の国や自治体の諸指針からも、火山噴火にあたっては、噴火によってダメージを受けた被災地域の一日も早い復旧が、 噴火によって停滞した被災地域の発展を促すものであるといえる。その為にも噴火跡地で植林・農業等の様々な土地利用の適性などを考えるにあたっては、噴火によって撹乱された地域の土壌特性と噴火に伴う植生への影響を重要な指標とし、十分に検討した上で一日も早く噴火前の状態に戻せるよう効率的に施行することが非常に重要だと考える。しかし、日本は世界有数の火山大国でありながら、火山についてはあまり調査されておらず良くわかっていない所も多い。さらに今まで火山で行われてきた調査研究は火口原での調査が主だったもので、火口での調査はほとんど例をみないといえる。火山跡地を訪れる中で、私は噴火に由る撹乱で更地になった場所に植生が回復していくに際して、火口が草本・樹木の種の供給源(母樹林) に成り得るのではないかと考えた。噴火年度が異なる各火口は今まで人によって調べられたこともなく、土壌が季節的に変化しているのかどうかもわかっていない。そこで火口が現在どのような植生で、どのような後継樹になっているのか、土壌化は進んでいるのかを調べ、火口の役割を明らかにすることを目的に、北海道を代表する火山で、現在もなお数十年周期で活動を続ける有珠山に於いて調査研究を行った。なお有珠山の火口は人為的影響が少なく自然状態で植生が推移しており,植生回復の過程を観察するのに適した場所であるといえる。


セミナー index | A 棟 7-8F の研究室