地球環境科学研究科 植物生態学セミナー   2010-01-18 (Mon) 10:30
(場所: 工学部 N302 )

石炭灰と植物性有機廃棄物からの土壌生成ー土壌動物を用いてー

小川洋平

石炭焼却灰は主に火力発電所から排出され、その多くは産業廃棄物として処理されている。当分石炭の需要は減少の見通しはなく、また処分場は不足してきている。その他に、オガクズやコメヌカなどの農林業生産に伴う植物性有機廃棄物も二酸化炭素排出が問題となって焼却処分が困難となってきている。これらの有効利用や大量処理のための基礎的研究は急務といえるが、その研究はまだ十分ではない。そこで、演者らは石炭灰やオガクズ、コメヌカなどの産業廃棄物は自然由来の物質であることに着目し、これらを森林土壌として生成することで自然循環システムの中に還元したいと考えた。土壌を生成する上で欠かせないのが土壌動物である。特にミミズは土壌中を動き回り、土壌中の有機物を食べて糞をすることによって土壌の理化学性を高める働きがあることから、その影響は計り知れない。また、ミミズと同じ土壌動物であるワラジムシは朽木などのリグニンを多く含む木質も好み1)、またC,N,Pなどの土壌養分を高めることや土壌内の微生物の活動を活発化させることが知られている。既存の研究ではミミズを用いて石炭灰と植物性有機廃棄物の混合物から初期土壌の生成を報告しているが、演者らはミミズだけでなく、ワラジムシも組み合わせることで様々な植物性有機廃棄物から効率的で理化学性に富む初期土壌が生成されるのではないかと考えた。そこで、今回は生成された初期土壌の理化学性変化のプロセスを明らかにすることを目的とした。


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