Trendy セミナー   2004.12.17 (金) 13:30   北大・大学院地球環境・A804 号室

[特別セミナー]
森にCO2を運ぶ風(乱流)の姿

渡辺 力 (森林総合研究所 気象環境研究領域)

唐突に聞こえるかも知れないが、もし風が全くなければ、森の木々がCO2を吸収することはできないし、蒸散を行って養分を吸い上げることもできない。風がないと、森の中の空気中のCO2がなくなってしまったり、水蒸気が飽和してしまうからである。しかし、実際にそうならないのは、風の働きによって上空の空気と森林付近の空気とが絶えず入れ替えられているためである。

森の上を風が吹くと、木々の葉や枝が風を遮り、風に対して大きな抵抗力を及ぼす。そのため、森林上の風速は上空ほど大きく、樹冠に近づくにつれて小さくなっている。このように、風速の分布が上下方向に大きな勾配をもつところは、空気の流れが不安定になりやすく、強い渦(乱流)が次々に発生する。実は、こうして作られる渦が、森の中にCO2を運んだり、森から水蒸気を運び出したりする役割を果たしている。

では、それらの渦は一体どんな姿をしているのか。本セミナーでは、流体力学的な数値シミュレーション(Large Eddy Simulation: LES)を用いて、葉面積が完全に一様に分布するとした理想的な群落付近の流れを再現した結果を紹介し、その中からCO2や水蒸気の輸送を司る渦の平均像を抽出した結果を見る。


Trendy Seminar http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~trendy/2004/
世話役:森洋祐・西村愛子
email:yomori*ees.hokudai.ac.jp(もり)
 aiai*ees.hokudai.ac.jp (にしむら)
Phone:011-706-2264
Facsimile:011-706-4954
北海道大学大学院地球環境科学研究科 地域生態系学講座