チャランケ-TRENDY合同セミナー

日時:12月14日(月)15:00-
場所:北大地球環境2F講堂

落葉の質が破砕落葉食者の摂食、成長、コロナイゼーションに与える影響
 本守 香陽子 (奈良女子大 、理)
森林と河川の相互作用 −河川食物網における陸生昆虫の重要性−
 河口 洋一 (新潟大・自然科学研)
総合討論
 中野 繁 (北大・農・苫小牧演習林)


落葉の質が破砕落葉食者の摂食、成長、
コロナイゼーションに与える影響

本守 香陽子 (奈良女子大 、理)

森林内を流れる小河川では、林冠による光の遮断のため藻類などによる一次生産が低 い。このため陸上から供給された落葉が河川の食物網の基盤となる。河川に入った落 葉を最初に利用できるのは破砕食の水生無脊椎動物であるが、その成長や副産物(微 細粒子状有機物)は後の食物連鎖に連なる。そのため破砕食者の機能は系外のエネル ギーを持ち込むうえで重要だといえる。これまで落葉の除去や供給速度の操作が破砕 食者に与える影響が評価されてきた。しかし、落葉は樹種によって、また時間経過に よってもその化学的、物理的性質が大きく異なり、その違いは破砕食者の摂食、成長 、コロナイゼーションに影響を与えると予想される。そこで今回、4種の落葉(ミズ ナラ、イタヤカエデ、ケヤマハンノキ、ヤチダモ)のリターバックを用いて移入を調 べる野外実験、さらに3種の破砕食者(トビモンエグリトビケラ、サトウカクツツト ビケラ、エゾヨコエビ)を使って、落葉の質(C/N比、硬さ)が破砕食者の摂食、成 長率に与える影響を調べる室内実験を行った。野外実験の結果、トビモンエグリトビ ケラはケヤマハンノキで、エゾヨコエビはイタヤカエデで高密度だったが、サトウカ クツツトビケラには樹種による差異はなかった.室内実験の結果,トビモンエグリト ビケラの摂食率はC/N比と硬さに、エゾヨコエビの摂食率は硬さのみに影響されたが 、サトウカクツツトビケラのそれは質に影響を受けなかった。成長率はトビモンエグ リトビケラとサトウカクツツトビケラはC/N比に影響されたが、エゾヨコエビの成長 率は質に影響されなかった。これらの結果は野外でそれぞれの破砕食者が好んだ落葉 の質に対応していた。以上より、河川に供給される落葉の質が破砕食者の振る舞いを 規定して水生生物の群集構造が変化する可能性が考えられる。

森林と河川の相互作用

−河川食物網における陸生昆虫の重要性−

河口 洋一 (新潟大・自然科学研)

河川は陸域と水域のインタ−フェ−スとして捉えられ、河川の生物群集は河畔域(陸 域)との密接な関係のもとに成立している。森林地帯を流れる河川の上流域では、河 川の1次生産量は陸上のそれに比べて小さく、河川生物群集の栄養基盤としては陸上 から供給される有機物が相対的に重要となる。陸上起源の有機物は植物のリタ−と陸 生昆虫(陸生無脊椎動物)に分けられ、前者は水生昆虫の後者は魚類の餌資源として 重要と考えられる。森林−河川エコト−ンにおけるエネルギ−の流れをリタ−に注目 した研究は多いが、陸生昆虫に注目したものは少なく、陸生昆虫の供給量や魚類に よる消費量の季節動態、その河川食物網の中での重要性は明らかにされていない。そ こで今回はこれまでやってきた以下の事について発表します。
1)陸生昆虫の河川への落下量と魚類による消費量の季節動態
2)魚類が選択的に陸生昆虫を採餌するのはなぜか?
3)河畔域の植生タイプ(落葉広葉樹林・スギ人工林・草地)による陸生昆虫の供給 量の比較
4)自然河川で落下陸生昆虫の除去実験を行うことにより陸生昆虫の供給が魚類の河 川内分布に及ぼす影響
私の発表は、陸上から河川に落下する陸生昆虫に注目した話です。興味のある方ぜ ひ聞きに来て下さい。

総合討論

中野 繁 (北大・農・苫小牧演習林)



ふるってご参加ください

問い合わせ先
北海道大学大学院地球環境科学研究科地域生態系学講座
鈴木静男・鈴木牧・加藤悦史
Email:shizuo@ees.hokudai.ac.jp
URL:http://noah.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/seminar/
Tel: 011-706-2267