Kubo, T. and Ida, T. Sustainability of an isolated beech-dwarf bamboo stand: analysis of forest dynamics with individual based model. Ecological Modelling 111 (1998) 223-235
西南日本・十方山のブナ(Fagus crenata) 林は過去の人為活動の影響で小さく 分断化されている.その林床は密度の高いササに覆われおり,それによってブ ナの更新が疎外されている.このササの生態学的特質として,数十年おきに大 面積にわたって一斉に枯死することが知られている.このようなササに影響さ れる断片化したブナ林床の動態を解析する個体ベイスモデルを開発した.この モデルはブナ個体の挙動を三つに分解している:成長,死亡そして新規加入で ある.これらのサブモデルのパラメーターは実際の野外調査データーに基づい て推定された.このシミュレイションから,ひとつのブナ林分が500年間にわ たって存続する確率に,ササの動態がどのような影響を及ぼすか評価を行った. モンテカルロシミュレイションから以下のような結果が得られた:(1) ササは ブナ林床の存続確率を大きく減少させた (2) ササのふたつの生活史パラメー ターである「寿命」と「一斉枯死からの回復時間」はそれぞれほぼ独立に上の 確率に影響を与えていた (3) ブナの生活史パラメーターの中では成長率より むしろ死亡率を決めるパラメーター感受性が重要であった.
野外調査をもっぱらとする研究室にあって唯一の数理モデル専門屋です.野外 調査データーに基づく森林動態のモデリングが研究の中心です.趣味も計算機 いじりで,安い部品を集めてLinux マシンを作りIP-Masquarade を走らせて, 研究科の計算機網にぶら下がるLAN (通称「闇ネット」) をいくつか構築して 楽しんでいます.1998年3月,九州大学理学部で学位取得.現在は地域生態系 学講座の学術振興会のPD 特別研究員です.その他の個人情報に関しては http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/ を参照してください.