さて, 小川における全天写真解析に用いられた 方眼が推定できた ので (できたことにして), 今回はその全天写真から計算された開空度と 森林三次元モデルによって推定された開空度の値を 比較してみます.
まず, 観測点の位置は上の図の黄色のマークで示されています. これらの点が配置されている 1.2 ha の領域は コアプロットと呼ばれています. 全天写真はこれらの観測点のすべてで撮影されました (葉が展開し終わった時期, 地標高 1 m).
さて, 小川三次元モデルでも同じように, 観測点を設置して, だいたい同じになるようにして 開空度を計算してみました.
調整しなければならないパラメーターは, 樹冠の密度や樹冠の形状に関連するものです. 今回はそれらを系統的に調べるのではなく, いきあたりばったりで いろいろなパラメーターセットを与えたときの 挙動を概観してみました.
そこでひとつ判明したのは, 樹冠の密度は上の図のようにかなり高くなければならない, ということでした. 地表付近で測定された開空度の値はかなり低いためです. なお, 計算するときには上の図のような 6ha プロットの 4 つの鏡像をくっつけた 24 ha 状態で計算しています (プロットのへりがあまり明るくならないようにするため). 観測点は 263 点のままですが.
開空度の観測は 1988 年に実施されたのですが, その年には毎木調査がなされなかったので, その前年の 1987 年の毎木調査の結果に基づいて モデル森林は構築してみました.
パラメーターセットをいろいろと取り換えて, 開空度を計算し観測値と比較してみました. 一番マシな例でも上のような結果となりました. これでもあまりよく合致してるとは 言えないものです.
観測値と計算値の対応が良くない 理由のひとつはモデルが良くないためです. モデル樹木個体の形状や各サイズにおける 樹冠の密度などを再検討する必要があるでしょう. さらに, 開空度計算の手法も再検討したほうがよいかもしれません.
モデルが良くない, という要因の他に考えられるのは, このようにして計算された「開空度」という指標は かなり変わりやすいものである, ということです.
上の図は 1988 年と 1990 年の観測値を比較したものです. ここに示されているように, 同じ位置で観測された開空度も観測年度によって, いくらかの幅をもってばらつくことがわかります.
とはいえ, この観測値どうしの比較では 計算値-観測値の比較に比べて タテヨコの相関が高いように見えます. 三次元モデルを使った開空度計算でも この程度の相関は出るように改善しなくては ……