環境と人間「生物の多様性」 (全学教育科目)
[ 授業全体の目標 |授業内容( 2003 , 2002 , 2001 )| 評価 | 参考文献 ]
授業全体の目標: シラバスより抜粋
地球レベルでの環境破壊が深刻な問題となっている今日、環境保全とはとりもなおさず生物多様性の保全に他ならないことが理解されつつある。では、生物はどの程度多様なのだろうか? 生物多様性研究とは具体的には何をどのようにやるのだろうか? そしてそれらの知見を環境や生物多様性の保全にどのように活かしていけばよいのだろうか? 生物多様性研究の重要性は理解できても,具体的にはどのようなことが行われているのかイメージ出来る人が少ないのも現実であろう。この講義では様々な視点から生物多様性研究に携わっている本学の教官が,各自の研究の方法論・成果を交えながらそれぞれの分野の概要をオムニバス形式で紹介する。
生物多様性の保全のためには,生物の種多様性,生存戦略の多様性,多様化のメカニズム等々,様々なレベルからの研究が不可欠である。本講義ではそれらに実際に携わっている研究者の話を通して,生物多様性研究の実際を具体的なイメージをもって理解して貰うことを目標とする。オムニバス形式であることから,各回に提示できる情報量は限られてくるが,講義の中で興味をもった分野については担当教官のアドバイスを受けて,参考文献などによりさらなる理解を深めることが期待される。講義全体を通して,環境保全や生物多様性保全といった問題を身近な問題として考えるきっかけとして欲しい。そして何よりも,生物多様性の研究そのものが面白い学問であることを感じてもらえればと考えている。
この講義での目標
植物群集多様性維持機構について、空間的・時間的特性の観点から調べられた例を紹介し、環境保全や生態系修復への応用可能性について考える。
授業内容: 植物群集の多様性維持機構
2003年6月4日講義
群集動態の複雑性
空間軸と時間軸を考える
群集 は、時間と空間に沿って変化する
空間軸 (例: 山の斜面)
時間軸 (例: 山火事)
地球レベルの群集( バイオーム ) - 温度と降水量
北海道レベルでの群集
さらに、様々なスケールで、それに応じた群集単位を考えることもできる
調査風景: 永久調査区による追跡調査 [参考: 火山活動が生態系に与える影響を知るには?]
写真: 駒ケ岳調査風景、北大構内キャンパスで
面積と種数(種数-面積曲線)
植物群集と動物群集の関係
中規模撹乱仮説 - 種数はどこで高いか?
撹乱とは: 規模・頻度・強度
競争排除則から撹乱-共存関係
自然撹乱: 火山噴火、山火事、洪水など
撹乱維持型群集
ゾーネーション - 河川氾濫
山の背腹構造 - 山火事
北大構内でも見られる中規模撹乱 - 踏圧
動物による撹乱 - ポケットゴッファー
倒木更新 - ギャップ
撹乱によって維持される生態系もある!
パッチダイナミクス
時間軸と空間軸をうまく組み合わせて群集動態を説明することができるだろうか
人為撹乱の性質は自然撹乱と異なることが多い
在来植物と帰化植物における撹乱対応性の違い
2002年5月29日講義
群集動態の複雑性
空間軸と時間軸を考える
群集は、時間と空間に沿って変化する
空間軸 (例: 山の斜面)
時間軸 (例: 山火事)
地球レベルの群集
北海道レベルでの群集
様々なスケールで、それに応じた群集単位を考えることもできる
調査風景: 永久調査区による追跡調査
写真: 駒ケ岳調査風景、北大構内キャンパスで
面積と種数(種数-面積曲線)
植物群集と動物群集の関係
中規模撹乱仮説 - 種数はどこで高いか?
撹乱とは: 規模・頻度・強度
競争排除則から撹乱-共存関係
自然撹乱: 火山噴火、山火事、洪水など
撹乱維持型群集
ゾーネーション - 氾濫
山の背腹構造 - 山火事
北大構内でも見られる中規模撹乱 - 踏圧
動物による撹乱 - ポケットゴッファー
倒木更新 - ギャップ
撹乱によって維持される生態系もある!
パッチダイナミクス
時間軸と空間軸をうまく組み合わせて群集動態を説明することができるだろうか
人為撹乱の性質は自然撹乱と異なることが多い
2001年5月30日講義
植物群集
地球レベル: ツンドラ、熱帯雨林
地域レベル: 森、草原
さらに、様々なスケールで、それに応じた群集単位を考えることもできる
空間軸と時間軸を考える
群集は、時間と空間に沿って変化する
調査風景: 永久調査区による追跡調査
写真: 有珠山、駒ケ岳の調査地
調査方法は?
野帳に何を書いてるか。そして野帳以外に何が必要か
面積と種数(種数-面積曲線)
中規模撹乱仮説 - 種数はどこで高いか?
撹乱とは
自然撹乱と人為撹乱
自然撹乱: 火山噴火、山火事、洪水
背腹構造 - 山火事を例として
人為撹乱の性質は自然撹乱と異なることが多い
北大構内でも見られる中規模撹乱
遷移軸に沿った多様性の変化
ニッチ(生態的地位)
ニッチ幅とニッチ重複
資源分割
放牧地における事例
島の生態学 (講義できませんでしたが、向井先生の講義内容を参考にして下さい)
島とは?
島のサイズと種数 - 絶滅確率
母島からの距離と種数 - 移入確率
サイズと距離の組み合わせ
回廊
パッチダイナミクス
撹乱によって維持される生態系もある!
倒木更新
保護・保全・管理
復元生態学
復元の目標
評価
講義の最後に20分程度の小試験を行なう
試験内容
2001年
今日の講義内容から一部分を選び、その内容をどのように応用すると生態系の多様性保全(保護・誘導を含む)に役立てることができるだろうか。
1) 選んだ部分を簡潔にまとめ、2) (あなたが考える)その応用方法(できれば予測される結果を含めて)に分け、本用紙に入りきるようにして説明せよ。
講義時には罫線が25行程度入ったA4用紙1枚を配布しました。
試験解答を読んで
多様性が高い群集が貴重であって、多様性が低い群集は貴重ではないということは全くありません。講義の中でも触れましたが、撹乱が厳しく多様性の低い群集中でしか出現しない種もあります。その意味では、多様性の低い群集も多様性の高い群集と同じように貴重です。
2002年
今日の講義内容に関連する内容を選び、その内容をどのように応用すると生態系保全(保護・誘導を含む)に役立てることができるだろうか。
1) 選んだ部分を簡潔にまとめ、2) (あなたが考える)その応用方法(できれば予測される結果を含めて)に分け、本用紙に入りきるようにして説明せよ。
講義時には罫線が25行程度入ったA4用紙1枚を配布しました。
試験解答を読んで
「人は、自然な生態系には何も手をつけないのが一番よい。」という解答者がいましたが、これでは設問の答えにはなっていません。現実的には、何もしていないつもりでも、温暖化・オゾンホール・酸性雨というように、人は、何らかの働きを自然に及ぼしています。さすがに、原始時代の人の生活に戻るという人はいませんでしたが、現実をもっと直視して欲しいと思います。
2003年
今日の講義の内容から、身近な生態系保全(保護・誘導を含む)に役立てることができそうな部分を選び、以下の問1), 2)に答えよ。
1) 選んだ部分を簡潔にまとめ、2) (あなたが考える)その応用方法(できれば予測される結果を含めて)に分け、本用紙に入りきるようにして説明せよ。
講義時には罫線が25行程度入ったA4用紙1枚を配布しました。
試験解答を読んで
撹乱を人為的に操作できるか否かについて、賛否両論の意見が見られました。100%自然撹乱と同じにできれば何も問題ないのは確かですが、それは不可能というのも現状でしょう。確かに今後の研究の発展が待たれます。2001年、2002年のコメントも参考にして下さい。
レポート中で、「混合林」と言う言葉を高校の時に習ったが、それとは違うのかという質問が書かれていたので気になって調べてみました。「大辞泉(1998)」によると、同じ意味とされていました。