生態系論 B
[ 特に冬季休業中に学習しておいて欲しいこと | 期末試験 | 参考文献 ]
シラバス
平成14年度経済学部『履修のてびき』
科目名: 生態系論B
単位: 2単位
担当教員:
学年: 3-4年
[講義概要]
生態系変化に関する基礎的理論を身に付け、様々なスケールでの人間活動と環境との関わりを考える。
[授業運営方針]
液晶プロジェクターを用いた講義形式にて行う。
[講義計画]
| 第1回 | はじめに(個体群生態学と群集生態学) |
| 第2回-第3回 | 個体群推定と個体群動態 |
| 第4回-第5回 | 生物多様性 |
| 第6回-第7回 | 物質・エネルギー循環 |
| 第8回-第9回 | 生態系モデル |
| 第10回-第11回 | 生態系保全 |
| 第12回-第13回 | 修復生態学(復元生態学) |
| 第14回-第15回 | 生物多様性の保全 |
[成績評価]
1. 毎回の出席を重視する。
2. 学期末試験(100点満点)
1, 2を踏まえ、総合的に評価する。
[過去の学期末試験問題]
公開できない (過去に担当していないので過去の試験問題は存在しない)
参考になるホームページ
- 環境経済学: 早稲田大学政治経済学部 栗山浩一研究室
特に冬季休業中に学習しておいて欲しいこと
(当然全てではあるが)
論理学logic
個体群動態population dynamics - 特に1種系および2種系
埋土種子buried seeds or seedbank
競争competition - 特に地上部競争と地下部競争
地球温暖化と生態系変化global warming an ecosystem change
生態系変化 - トポシークエンスとクロノシークエンスtoposequence and chronosequence
有珠山の生態系の特徴
生態系モデルecological modelの作り方 - 基礎的な部分
中規模仮説intermediate hypothesis (中規模撹乱仮説intermediate disturbance hypothesis)
島の生物地理学island biogeographyとその応用
生態系論B 試験問題 (1/21 16:20より実施)
問. 以下の文を読み問に答えよ。
瀬戸口明久氏の卒業論文(1999年)冒頭部分を引用(一部改変)
一学年下の学生が読んでも、論理的に通じるよう、かつ簡潔に答えよ
解答は表(おもて)面のみを使い、裏には書かないこと。
解答用紙が足りない場合には挙手せよ。2枚目を配る。その際には、全ての解答用紙に名前を忘れないこと。
問1. 次の問A-Cに答えよ。
問A. あなたは今、ある国の既存の国立公園管理官となり、その国立公園内の管理計画を作らねばならない。SLOSSについては、Single Largeと、Several Smallで、国立公園の目的は異なる。北海道に新たな国立公園を作る場合には、どちらの立場が重要と考えるか、まず、どちらの立場をとるかを述べ、ついで、その理由を講義で紹介された内容に関連する範囲のものを材料に説明せよ。
解答には、以下の言葉のうち少なくとも2つを入れ、その部分に下線をつけよ。「個体群動態 population dynamics」、「緩衝帯 buffer zone」、「クラスター分析 cluster」、「中規模撹乱仮説 intermediate disturbance hypothesis」、「遷移 succession」、「ビオトープ biotope」
問B. 集団遺伝学にもとづき最小生存可能個体群サイズ(minimum viable population, MVP)は推定される。北海道全域におけるヒグマのMVPを求めたい。ただし、調査期間は3年以内という条件があるが、調査にかかる予算は億単位でもよい。自分なら、どのように調査を行うか。そのプラン(方法)と予測される結果を書け。
問C. 1枚目の文章は1999年に書かれ、内容は当然、それ以前のまとめである。それから4年が経過した現在、これらの研究の応用が試みられつつある。その例について述べよ。
問2. 遷移(succession)について、次の問A-Cに答えよ。
問A. 遷移の調査方法について整理し述べよ。
問B. 有珠山における遷移の特徴について説明せよ。
問C. 有珠山の植物群集においては、植物の地上部競争と地下部競争では、どちらが重要と考えられるかを、その根拠とともに述べよ。
問3.
生態系は、時間とともに変化する。これから50年後に、札大演習林(前期の講義で歩いたところ)がどのように変化するかを予測したい。森林に対する人為干渉は現状のまま維持されると仮定し、予測に必要な調査と解析の方法を述べよ。なお、調査は5年間以内に終わらせなければならない。
[注意] 「○○を調査することにより△△が分かる」というように、なぜそれを調べるのか、その理由が分かるように書くこと。
問4.
この試験のために学習した部分で、これは満点に値すると確信できる内容を、問1から問3と解答がオーバーラップしないように、まず「仮想問題」を作り、それに対する「答え」という形式で書け。
- As a bonus -
問1-4が終わった人、あるいは完璧にギブアップした人は解きなさい。(まず問1-4を答えなさい!) 以下に対する解答は、問1-4の結果次第で、加点の対象とする可能性はあるが、こちらばかり答えてはいけない。
問5.
講義中に紹介した本(生態系論Aの方のものでも構わない)で読んだものがあれば、その題目、著者、そしてその本への感想・意見を述べよ。ただし、前期と同じ解答を書いてはいけない。
解答例
試験解答をもとに作っている - 決して満点というい意味ではないので誤解なきよう
問1. (A)
私はSingle largeの立場で行うべきだと思います。
なぜならseveral smallは、多種多様の生物を保護するもので、single largeは希少種や特定の個体 (解答は固体となっていた。結構、この間違いが多いので注意)を守るものです。ここで考えるべlきは、北海道で新たな国立公園を作る場合なので、私は少なくなってきた高山植物やエゾリスなどを考えると、single largeの方が良いと考えます。
また、緩衝帯がまだ、どの位の幅を持つのかがはっきりしないことを考えると面積を大きくとるべきです。
問1. (B)
MVPを調べるには、その生き物が生きるのにの必要とする面積と、結婚相手をみつけることがどの位でいるかが大事です。そこで、私なら、まずテレメトリーを♂♀両方にできるだけたくさんつけて、これらがどの位のところを動いているかを調べます。つぎに、多摩湖でみられたように、♂と♀がどのくらい同じところで動いているかを調べます。おそらく、道路とかのせいでMVPは昔より大きくとらないとダメだと思います。
問1. (C)
1つの大きな保護区の周りに小さな保護区を作り、そこに回廊をつけるような、小集団化を防ぐ保護区の作り方や、ビオトープへの応用が試みられている。しかし、失敗例も多い。
問2. (A)
クロノーシークエンスか永久調査。クロノシークエンスは、氷河が減っているところで、何年前に氷河がなくなったかが分かれば、それを順番に並べて、生態系の変化を知る。永久調査は、同じ場所を何年間も調べて、変化を知る。
問2. (B)
例1. 普通の遷移では、コケ-一年生植物-多年生植物-低木-森林と変化するが、有珠山では、コケや一年生植物がない。 その理由も書いて欲しかった
例2. 有珠山では、一次遷移と二次遷移が見られる点。その違いは、生物がどこからきたか、移入・埋土種子・栄養繁殖により決まっている。
問2. (C)
有珠山は、噴火によって大きな木があまりなくl、日光をさえぎるものが少ない。そして、火山灰によって土までの距離が遠いので (火山灰中に栄養が少ないと言う意味に解釈しておいた) 地下部競争の方が激しい。
問3.
札大演習林の今後を予測するならば、まず現在の土の様子や植物の様子を調べたい。そして、その結果を、人為干渉の少ない森の植物と比較するのだ。これにより人為的な行動がどの程度植物に影響を与えるかが分かるのである。そして札大演習林内の植物が人為的に大きな影響を確実に受けているのなら、人為的行動に強い植物が残ると予測できる。また、結果が反対であれば、今後も現在のように植物は成長していくと考えられる。
このような調査がどの位かかるか分からないが (これなら、1年あればできます) 、札大演習林は人の影響を受けやすい環境にあるので、人為的な影響を調べる事が重要だと思う。
問4.
問. 地球温暖化問題は場合によって良い結果(砂漠の減少等)をもたらすので良いのではないかと考える人がいる。それについてどう思うか。
答. たしかに温暖化によって砂漠が減少したら、その土地は有効に使用することができるだろう。しかし、温暖化によって海面が上昇してしまい、その結果沈んでしまう土地もあるのである。この様な例もあるので、一概に土地が増加するとは言えない。また、温暖化の原因となっている排気ガス等は、空気汚染や酸性雨の原因にもなっている。こうした理由を考えると、温暖化の進行はメリットよりもデメリットの方が多いという結果になる。その為、温暖化は進行させるべきではないのである。
問5.
ミミズと土
ミミズがいる畑はよく作物が育つというので、自分も畑にミミズを持っていき、実験してみる。もしそれでだめだったら俺が違う仮説を立てようと思った。ミミズには目がないこともわかった。