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露崎 史朗 (Shiro TSUYUZAKI)
植物群集生態学・環境保全学

有珠山/サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ
(2009年2月16日更新. 2010年6月25日追加)

生物学的侵入 (biological invasion)

目次

生物学的侵入 biological invasion
帰化植物 ( 一次帰化と二次帰化 )
侵略的外来種(特定外来種)
参考

帰化植物

 自然の営力によらず、人為的営力によって意識的または無意識的に移入された外来植物が野生の状態で見出されるもの (s.s.)
 完全に日本に定着し密度も高く広がり得る範囲内には広がり尽くしたもの ex. ヒメムカシヨモギ・アレチノギク・オオアレチノギク・ムラサキカタバミ・ヒメコバンソウ

帰化植物であるための3つの条件

  1. 人間が他所から持ち込んだものである
  2. 意識的な移入-人間が自分の生活に役立つ植物を意識的に運ぶ ex. アサ・イチビ・イネ・ムギ・フジバカマ・アサガオ
    無意識的な移入-目的の有用植物に混じって入ったもの(随伴植物) ex. ヒエ・メヒシバ(イネの随伴植物)。人間の身体、貨物などに付着して移入したもの - 明治以後増大

  3. 野生の状態で見出せる
  4. "外来植物"であること
反論(牧野)

 国境とは人間が勝手に決めたもので時間とともに変化。植物には関係がない。北海道の植物が人力で本州に広がった場合本質的には帰化植物と変わりがない(在来帰化植物)。
 日本は島国であるため帰化植物という言葉が使用しやすい

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帰化植物時代区分
  1. 史前帰化植物
    有史以前の人々の移住に伴う帰化植物。主に弥生時代(BC 2-3 c)にイネの随伴植物として入ってきた植物群 ex. イヌタデ・ミチヤナギ・オオイヌタデ・スベリヒユ・イヌホオズキ・オナモミ・イヌビエ・エノコログサ・カヤツリグサ・アキノノゲシ・メナモミ
    縄文時代に大陸から移住民に伴って入った植物 ex. ヒバンバナ
  2. 旧帰化植物
    大陸との国交開始から江戸時代にかけて渡来したもの ex. コアカザ・スイバ・ハコベ・ナズナ・タネツケバナ・ミヤコグサカタバミ・ノゲシ・チドメグサ・キュウリグサ・ハハコグサ・キツネアザミ・スズメノカタビラ・カラスムギ
    中世・近世 ex. レンゲソウ・アサガオ・フジバカマ
  3. 1, 2は畑や耕作地帯を中心として生育するものが多い。

  4. 新帰化植物
    江戸時代末期から現代にかけて入ったもの(狭義の帰化植物)
    都会的環境に向いた帰化植物 ex. セイタカアワダチソウ・ヒメムカシヨモギ・オオアレチノギク・ブタクサ

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一次帰化と二次帰化

帰化センター: 無意識的に移入させた植物がはじめに根をおろす場所。港・飛行場・税関(植物防疫場)・農事および園芸試験場・植物園・薬用植物試験場など。諸外国と直接あるいは間接に交渉のある場所
化生(一時仮着)帰化植物: 渡来しても長く帰化生育分布することができずに半年から一年のうちに自然に消滅する存在。渡来した外来植物の大部分はこれである。渡来は時と場所を変え何回も繰り返されるうちに定着の機会がやってくることもある。

生え出した外来植物が定着するための条件

 植物自体の持つ遺伝的形質-その植物が日本の風土・気候に耐えうるかどうか
 受入体制の問題-その植物が定着し広がっていく場所が用意されているかどうか
 "むしろひ弱い植物": その風土に適応している在来植物がいわばスクラムを組んで占領している場所へ外来のものが入り込むことは普通にはできない。赤裸の埋め立て地に生え出した外来植物は結局その外には広がれず逆に在来のものが進入して外来のものを圧倒してしまう。

帰化植物増加の原因

  • 特に新帰化植物には欧米の草原を本拠とするものが多い。
  • 人は元来森野国であった日本に草原めいた環境を作り出した → 外来の草本はそこに入り込む(一次帰化)
  • 戦後の日本経済の高度成長期に新しい裸地が次々と作り出され一次帰化した植物は二次、三次帰化することができた
  • そのうちにこれらの植物の中から先住者と肩を並べて日本に定着するものが出てきた
  • 近代の都市化した地域 = 土壌がアルカリ性-酸性土壌に適応した日本の植物を拒み外来植物の繁殖を助長

帰化植物の広がり方

帰化植物の分布図と在来種の分布図の違い
在来種の分布図: 産地に応じ黒点を印す。年代は問わない
帰化植物分布図: 常にある時点の状態を示すものであり、時代の違う標本を資料に用いることはできない "映画の一齣"

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侵略的外来種 (特定外来種)

 「特定外来生種(または生物)」という言葉を、invasive alien speciesと対応させている本が多いようだが明らかに日本語と英語は対応していない。同様に、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)は、Invasive Alien Species Actと訳されている。しかし、環境省発行のパンフレット「侵略的外来種 生物多様性への脅威」では、invasive alien speciesは侵略的外来種と訳されている。
 自然共生系ゼミで紹介されたものでは特定外来生物となっていたり。それでも良いのかも知れないけれど、なんだかね。

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参考

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