有珠山における植物群集動態
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はじめに
これまで、有珠山の1977-78年噴火後の植物群集の変化を、主として永久調査区を用いて調べてきた。世界的に見れば、噴火規模はそれほど大きいとも思えないが、逆にそのせいか独特の植物群集変化が見られる。さて、あと何年調査できるのか!
2000年火口の周辺の調査を開始した。 確認している植物 については、随時更新予定である。調査について、快く許可を下さった関係者の皆様に感謝したい。かなり、1977-78年火口とは違った点も認められている。ここも継続調査地としたいものだが、2003年からは観光コースの中に取り込まれるらしく、2003年は調査を行えたが、今後どうなるかは分からない ...(2007年夏までは経年調査できた)
有珠山とはどのようなところか
メインの調査地周辺は、私が高校生の時に噴火した場所である。研究自体は大学の卒論の時から始めたので、その間のギャップが自分自身にもある。これを補う論文は皆無に等しく、報告書も適当なのは少ない。
リンクページ で、当時の様子と最近の噴火の様子(ついでに観光ガイド)を見て欲しい。実は、有珠山は、行政区分上、頂上を境に3つの市町が管轄し、どの町にもお世話になっている(今後ともよろしくお願いします)。
何を調べているのか
永久調査区による群集変化
1983年(卒論)から現在まで毎年、同じ調査区の中を調べている。 有珠 紹介に、調査地ではないが、大有珠を1986年と1998年に同じ場所から撮った写真を載せている。比べて欲しい。写真は1986年以前は、ほとんど何も生えてなかった!
長期野外研究サイト
有珠山フローラリスト: 2000年火口周辺部分作成
前回の噴火ではなく1977-78年噴火に関しての要点は、
- 山頂部は壊滅的打撃を受けた(ほぼ無植被となった)。
- 噴火規模の小ささから(地球レベルで見れば)、従来言われているような、ゆっくりとした遷移ではなく、比較的早く森林が回復した部分もある。
- 高校教科書に出てくるような、遷移初期に見られる、コケ期や一年生草本期はない。
- 3に出てくる植物に変わって、大型多年生草本( オオイタドリ ・ オオブキ )が、堆積した火山灰の下から出てきて再生するのが植物の回復の中心となっている。
- 火山灰の下に埋まっていた土の中で生きていた種子が回復に関係する場所もある。
図. 日本の高校教科書でよく扱われる火山を代表とする乾生一次遷移の様式。植物群集の高さは時間の経過につれ大きくなる。しかし、有珠山の1977-78年噴火後の遷移では、コケ期・一年生草本期は欠落し、多年生草本が初期に優占する。(Succession on Mount Usu after the 1977-78 eruptions)
参考: 高校生物関連のホームページ
生態系って何? 藤塾提供
火山灰下に埋もれた埋土種子集団
噴火20年後も、まだまだ元気な種子(後藤真咲撮影)
有珠山噴火20年後における旧表土中の埋土種子集団の検出 (2000年 日本植物学会要旨)
(希望的)お願い
これらは立派な人為撹乱
山菜とりに来ている人を見ることがあるけど... ウドが減りつつある要因のようでもある。砂防ダム結構。植林結構。でも私の調査地の上に作るのはどうも... なんでアカエゾマツなんだろう? 2001年8月... ついに20年間調べてた調査区が2つほどアカエゾマツ植林施行により消失... 黙祷するしかない。
北海道の火山群が「世界遺産」に登録されることはないのだろうか