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(2016年9月25更新) [ 日本語 | English ]

気候 (climate)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[温度, 植物季節観測用標本, 酸性雨, 電磁スペクトル, 気象]

気候学 (climatology)

気象の長期的変化を分析・研究
= 1年間(周期)で出現確率の高い大気状態の場所差に注目し気象を総合値として評価

気候 (climate)

地域を特徴づける気候因子全般
[植生や人間の産業活動 ↔ 気候] 相互作用 → 地域と気候は深く関わる
平年: 過去30年間の平均(平年値は10年毎に直前30年間の平均をとる) Ex. 現在平年値 = 1981-2010

気候分類

自然条件を長期観測(数10年, 通常30年間) → 平均的傾向を分析・分類 Ex. ケッペンの気候区分

気候: 地域周辺の海陸の分布・地形・植生・生物に影響され、恒久的に同じ気候とは限らない
気候変動 climatic variation: ある平均的な気候(平年状態)に比較した、年度ごとの上下のばらつき → 地球温暖化 (global warming)
気候変化 climatic change: 平年状態が徐々に変化する場合

索引
バタフライ効果 (butterfly effect)
Lorenz EN 1963 (論文), 1972 (講演) - 用語としてはない)
予測可能性: ブラジルで一匹の蝶がはばたくとテキサスで大竜巻 tornado が起こるか
カオス chaos: 決定論的法則でも、初期条件の僅かな差が挙動に大差を生み予測困難化する現象

気候スケール


気候学の方法論的方向 → 気候概念の定義の違いに起因
  1. 静気候学的
  2. 動気候学的
気候区分方法論: これら2方法論 + 経験論的方法論 = 3分類(河村 1970)
  1. 静気候学的区分: 個々の気候要素に対し地域区分 → 重ね合わせ気候区分 → 平年値 + 年次変動
  2. 動気候学的区分: 気候区分指標に気候成因を表す気団・前線分布や季節的移動を用い区分

    中気候以下の区分困難 → 小区分において地域性を把握できる指標・方法を用いる必要性

  3. 経験論的区分: 元来欧州・米国等大陸気候区分を植生分布指標で行った大気候を対象
    Ex. Köppen, Thornthwaite: ケッぺン気候区分を中気候に適用 = 植生分布図
    日本レベル: 中気候区分すべき裏表日本地域が同一地域に区分等、適合性低 → 影響気候条件が明らかにされた植生指標必要
天候: 階級 = 平年以下、平年並み、平年以上 → カテゴリ区分

表. 気候スケール区分

  気候   水平的広がり 垂直的広がり 気候現象の例
  大気候 200-40000 km 1 m-120 km   季節風、東アジアの雨期
  中気候 1-200 km     1 m-6 km     盆地の気候、関東平野の風
  小気候 10 m-10 km   10 cm-1 km   斜面の温暖帯、霜道
  微気候 1 cm-100 m   1 cm-10 m    水田の気候、温室内の気候

温度 (temperature)


(吉良 1948)

温量指数 (warmth index)

= 暖かさの指数 (warmth index, WI) ↔ 寒さの指数 (coldness index, CI)
植物成長指標: 経験的閾値として植物成長が5°C以下で停止と仮定
→ 植物分布温度指標: 月平均気温5°C以上の月の平均気温から5を引いた値の合計

WI = Σ12i=1 (ti > 5): 但しti > +5°Cの月平均気温
CI = Σ12i=1 (ti < 5): 但しti > +5°Cの月平均気温

例. 北海道十勝士幌町


    月  平均気温  暖かさの指数  寒さの指数

     1    -6.3                     -11.3
     2    -5.3                     -10.3
     3    -1.6                      -6.6
     4     5.3         0.3
     5    10.5         5.5
     6    14.9         9.9
     7    19.3        14.3
     8    21.0        16.0
     9    16.3        11.3
    10     9.8         4.8
    11     3.2                      -1.8
    12    -3.4                      -8.4
    計                62.1         -83.4

温量指数分布と日本の植物分布帯
山岳における温量指数推定法 → 気温の標高増加に伴う減衰率利用(昔の話)

垂直: 全世界平均 = 0.55°C/100 m

(日本の海抜1500 mまでの減衰率 = 0.61°C/100 m)

水平: 南北平均 = 5°C/1000 km → 無視できる規模なら使わなくてよい

表. 日本、アラスカ、シベリヤ各地の年平均気温と暖かさの指数
                           平均気温(℃)  暖かさの指数

    青森                        9.6            77
    宮古                       10.4            80
    秋田                       10.9            87
    仙台                       11.6            91
    静岡                       15.7           121
    高知                       16.1           133
    鹿児島                     17.0           144
    那覇                       22.3           208
    アンカレッジ(アラスカ)      1.8            31
    ノーム(アラスカ)           -3.3            12
    ベルホヤンスク(シベリア)  -15.2            25

自生ツバキ北限が日本海側は秋田付近、太平洋側は三陸海岸で温量指数と一致し、北海道で釧路より東の太平洋岸で平地にもトドマツが生えることもうなづける。世界で一番寒い都市といわれるベルホヤンスク(1月平均気温-46.8°C)も夏暑く(7月平均気温15.7°C)、WIは25もあり針葉樹林となるが、ベルホヤンスクより平均気温が高いノームは夏気温が低く(7月平均気温9.7°C)針葉樹は育たずツンドラ地帯である(1月平均気温-15.3°C)。降水量も植物分布に大きな影響をもつ。更に、地誌的出来事も生物分布を規定する。

植物季節観測用標本

原則として気象官署構内の植物季節観測用標本を対象に
発芽日: 葉芽の約20%が発芽した最初の日
開花日: 花が数輪(多数の花が咲く種は5-6輪、それ以外の種は2-3輪)以上開いた最初の日
満開日: 花が約80%以上咲いた最初の日
紅(黄)葉日: 葉の色が大部分紅(黄)色系統の色に変り、緑色系統の色がほとんど認められなくなった最初の日
落葉日: 葉の約80%が落葉した最初の日

+ それらの不時現象

不時現象
 生物季節現象がその平年の起日と著しくかけ離れた時期に起きること。
 各観測官署におけるその種の最早または最晩の期日から概ね1ヶ月以上早いまたは遅いことを一つの目安とする
函館気象台: ススキ・イチョウ(発芽も)・キアゲハ・ツバメ
帯広測候所にある植物季節観測用標本 (2013年6月28日)
tree tree tree
エゾヤマザクラ Prunus sargentii Rehder ヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi ムラサキハシドイ (ライラック) Syringa vulgaris L.

測器


釧路気象台

precipitation
ウィンドプロファイラ
レーダーの一種。風の鉛直分布が分かる(英語のまんま)
地上から上空に向け電波を発射 → 風の乱れ等で散乱され戻ってくる電波を受信(ドップラー効果) → 上空の風向・風速を測定
→ 局地的気象監視システム(ウィンダス WINDAS, WInd profiler Network and Data Acquisition System)
tool
感雨器 (precipitation detector)
微量の雨滴を検知 → 霧の測定に使えないか?
4本の角は鳥よけ (2014年7月2日)
浦河特別地域気象観測所
浦河特別地域気象観測所は、私たちの郷土を気象災害から守るために設置しています。
ここでは、降水量、風向、風速、気温、湿度、気圧、日照時間、積雪の深さなどを観測しています
観測所は大切な施設ですからフェンスの中に入ったり、いたずらをしないでください。
もし、施設を壊したりすると気象業務法によって罰せられます。
管理者: 室蘭地方気象台 電話 0143-22-3227

アメダス (AMeDAS)

道内173 (2014.7現在), 225 (2017.10現在)
気象庁のlocalは2 kmメッシュ
位置
森 大沼
___________________________大沼

大気循環 (atmospheric circulation)


circulation 1) ハドレー循環(直接循環) Hadley cell, Hadley circulation (1735): 大気中で最も強い循環

熱帯収束帯: 激しく上昇し上空北上 → 北緯30°付近で下降(亜熱帯高圧帯)
→ そこから偏東風(北東貿易風)とし赤道へ戻る 南北熱輸送: エネルギー収支(温度差) → 低緯度 > 高緯度

エネルギー輸送発生 → 水平対流 [原因 = 浮力] → ハドレー循環

1a) フェレル循環 (中緯度循環, 間接循環) Ferrel cell, Ferrel circulation

熱帯収束帯(intertropical convergence zone , ITCZ): 緯度10°

間接循環(低緯度 = 下降  高緯度 = 上昇) → フェレル循環

→ 三細胞循環: 極から赤道にかけて並ぶハドレー、フェレル、極の循環構造

2) ロスビー循環 Rossby circulation (1938)

亜熱帯高圧帯(緯度20-30°): 地球自転 → コリオリ力(進行の直角方向にでる見かけの力) → 大気に作用

赤道低圧帯形成(↔ 高圧部 anticyclone)
北半球: 右方向向く → 北東貿易風 trade wind, (the) Trades

熱帯無風地帯 Doldrums

南半球: 左方向向く → 南東貿易風
中緯度(40°N, 対流圏界面): 偏西風帯 → ジェット気流 (寒冷ジェット気流 + 亜熱帯ジェット気流)

ローリングフォーティ(吠える40°線) Roaring Forties

2a) 偏西風 (ジェット気流)

寒帯前線帯-亜熱帯高圧帯: 赤道からの暖気と極地方からの寒気が出会う。蛇行する偏西風が南側で熱を受け取り、北側で捨てる → 偏西風の蛇行がつくる渦が、地上の温帯低気圧や移動性高気圧にあたる
Def. ジェット気流 jet stream: 偏西風の特に強い部分(高度10 km付近) = 対流圏上層幅数100 km

寒帯前線ジェット気流 polar front jet stream
亜熱帯ジェット気流 subtropical jet stream
赤道ジェット気流

トランスバースライン: ジェット気流に伴う雲 → ジェット気流方向に直角に櫛歯様の小巻雲列

2b) 極循環 polar cell, polar circulation

北極-60°N (寒帯前線帯): 極で下降した気流が極偏東風とし南下し、寒帯前線帯で蛇行する偏西風から熱を受け取る

circulation
赤道波: 赤道付近の大気波動の総称 Ex. ロスビー波、ケルビン波

プラネタリー波(ロスビー波Rossby wave): λ > 10000 km
⇔ 日々の天気変化(温帯低気圧の発生・発達)をもたらすのは波長数千kmの波 = 傾圧不安定波

渦 + 平行流 → 波
気圧の谷の軸(渦管)は上層に行くほど西傾

ケルビン波 Kelvin wave (ウォレル・コウスキー波): λ ≈ 4万 km (超長波)

赤道上で最大気圧震動をもつ重力波 → 熱帯大気高度18-25 kmの下層大気に発生
赤道上空の準2年周期運動に重要な役割

傾圧不安定波: 傾圧大気 ⇔ 順圧大気

温帯低気圧発達 = 対流有効位置エネルギー(CAPE)の運動エネルギーへの変換

低気圧前面: 暖気移流及び後面における寒気移流 ↔ 上昇流及び後面における下降流

熱帯低気圧のエネルギー源 = 水蒸気凝結時の潜熱

大気環境システム


Def. 大気 atmosphere: 地球を取り巻く気体の層 = 厚さ> 1000 km (取り巻く大気ambient air) → 気圏
大気環境を決める2つの物理量
1. 物質循環システム → 大気組成決定 → 閉鎖系

表. 空気の主成分とその各気体の平均滞留時間。*: 乾燥空気を100とする(ユンゲ 1972)

成分__________体積%*__滞留時間
分子状窒素N2___78.084___106 yr
分子状酸素O2___20.946___104 yr
アルゴンA______0.93_____109 yr
水蒸気H2O_____平均 0.39_10 days
二酸化炭素CO2_0.0315___15 yr

大気成分比はCO2を除くと、ここ100年間は殆んど変化ない
海洋を含む地球表面に約43,000 × 109 tの炭素がCO2, CH4、炭酸塩、有機物等化合物として分布

約93%が海、約5%が陸地、約2%が大気中に蓄積

→ 循環しているが、人間活動による大気中放出CO2やCH4量増え地球温暖化

2. エネルギー循環システム → 大気運動決定 → 解放系(= 太陽エネルギー)

気温 = 熱エネルギー
気圧 = 大気質量
水蒸気量(相対湿度、混合比、比湿) ↔ 雲量、降水量、水相変化 → 降水量と海洋分布が支配 → 変動大
風向・風速・運動量

circulation
成層: 密度・気温・気圧等変化から大気層を鉛直構造(高度)に沿い4区分 ≈ 温度の高度分布による区分
circulation 外気圏 exosphere = 熱圏の外

500 km
300 kmで1200°C, 2 × 10-7 mb

熱圏 thermosphere

500-2000°C
80 km = 中間圏界面 mesopause (= 中間止面)

中間圏 mesosphere

温度190-180 K
50 (55) km = 成層圏界面 stratopause (= 成層止面)

成層圏 stratosphere

(= 高温層: 地上50 km付近で0°C)
10 (18) km = 対流圏界面 tropopause (= 対流止面)

対流圏 troposphere

→ 0.5-0.66°C/100 m↑, 垂直方向対流(攪拌)盛ん

対流圏

地球表面付近 ≈ 厚さ10 km (緯度や高・低気圧により変化 – 低緯度ほど厚い) → 日々の気象変化
→ 地表面輻射熱で暖気(軽い)が下、冷気(重い)が上 → 対流発生

→ 上は約-55°Cで最も重い空気層 → それより上は高温度の安定した大気層

2つの圏の境界領域で大気分子の振る舞いを支配する物理過程変化
定常性擾乱(定常波): 対流圏における超長波のように波長が長く移動しない大気震動波

対流圏の定常波の影響で、成層圏にも存在(成層圏にも伝搬)

→ 乱流圏解面turbopause、均一圏界面homopause等
40日周期震動(マッデン・ジュリアン振動): 低緯度対流圏に発生する周期30-60日の低周波震動

波長は地球規模となり、高度は対流圏全体に及ぶ

成層圏

6.5°C↓/km (下層は温度ほぼ一定 = 高度変化ない)
突発昇温 outbreak: 対流圏と異なり成層圏には激しい運動はないと考えられてきた → 否定

1952.2.23: ベルリン上空15 hPaの温度が前日と比べ約40K上昇

→ 局地的現象でなく、北半球全域を覆う成層圏循環大変動 = 原因: プラネタリー波の上方伝播

高いところで早く始まり、次第に弱まりながら下層に移動

準2年振動 quasi-biennial oscillation, QBO (26ヶ月周期振動): 赤道域特有

赤道の下部成層圏: 偏東風と偏西風が交代(周期 = 26ヶ月) → 高度40-50 kmまで(最大振幅25 km)

東風も西風も上層に始まり時間が経つにつれ下層に下りてくる
1風系が18kmまで下がる頃に、次の風系が上層で形成

極成層圏雲 polar stratospheric cloud, PSC (真珠母雲nacreous clouds・真珠層雲)

極域下部成層圏の冬季に、極冷領域で観測される雲
雲中の粒径分布一様 → 入射太陽光の散乱に波長依存性 → 色彩に富む(真珠に例える) 粒子形成・成長過程: 2つの成長段階 (霜点, Tf)

  1. Tf + 2 - 6K → 非球形固相粒子(Ex. 硝酸三水和物) + 球形液相粒子 (Ex. 三成分系液滴エアロゾル)
  2. Tf > → 半径 > 1 μmの氷晶

成層圏-中間圏

注目理由
1. 実用面: 旅客機が成層圏内を飛ぶ
2. オゾン層形成・輸送観測技術進歩

高度:_________成層圏・中間圏構造
地表-10 km:___低緯度が高温で、極に向けて温度下がる
10-25 km:_____冬の極域除き、赤道上で温度最低 → 対流圏界面高さ
> 25km (上層): 夏極で最高、冬極で最低 → オゾンの紫外線吸収量
> 65 km:______夏極で最低、冬極で最高

風の分布

成層圏と中間圏: 風系はひとつなぎ = 夏半球は全域東風、冬半球は全域西風
熱圏: 風系別個(中間圏界面付近で風速 ≈ 0) (観測不十分)
対流圏、成層圏・中間圏、熱圏の3種の風系 → 3エネルギー源(可視光、紫外線、極短紫外線・X線)

温度風の関係

温度が極向きに下がっているところでは、上層に行くにつれ西風強くなる
逆に極向きに温度が上がっていると、西風弱まる(または東風強まる)

温度分布と、風系を見比べると、温度風の関係がよく満たされていることがわかる

電離層 ionospheric layer (電離圏ionosphere)

主に紫外線で多分子がイオン化(電離)した層
紫外線により大気中原子が電離[= 電波よく反射] → 電離層形成
温度が高度とともに減少 → 紫外線に支配される
電離層電流: 電離圏を流れる電流 (電波は電離層で反射 = 長距離移動可)

シンチレーション: 電離圏プラズマが乱れて起こる電波障害
電離圏嵐: プラズマの異常変動 → 正 = 電子密度増加 ↔ 負 = 減少

→ 太陽の影響: イオン濃度の日・年変化著しい Ex. 日食時にE層消失

デリンジャー現象: 太陽面で爆発(フレア)が起こり、放出されたX線により電離層が乱される現象

→ 地表から電波反射や太陽光を測定することで状態推定可能

表. 電離層の区分 → 電離を起こす紫外線波長が異なる
__________D________E____F (F1)__F (F2)
高度(km) 地上-70(80) 100-120 170-230 200-500

スポラディックE層: 電子密度が急に高くなる層 → 異常があると通信障害
プラズマバブル: F層にできる巨大な泡 → 電子密度減少
極冠域プラズマパッチ現象: 極冠域(北極・南極上空)にできるプラズマの塊

中規模伝播性電離圏撹乱 medium-scale traveling ionospheric disturbance, MSTID: 中緯度上空の電離圏にできる縞状の波 - 原因未詳
大規模伝搬性電離圏撹乱 LSTID: オーロラ帯から中低緯度に向けできる巨大な津波のような波

バンアレン帯van Allen zone: 赤道上方の著しく強放射能部分 = 地上10000 km, 30000 km → ドーナツ状
オーロラ(極光) aurora [光彩iridescence]: 太陽から荷電粒子飛来 → オーロラジェット電流: 強電離層電流

高度60 km-900 km → プラズマ豊富時 (+ 原子が励起状態となる大気濃度)

→ オーロラ帯: オーロラ良く発生する極を中心に緯度70°位の帯状部分

大気光(星明り, 俗): オーロラの10-2-10-3の明るさ Ex. 夜山の稜線がくっきり見える

→ 赤道異常帯: 大気光が顕著な緯度10o位のところの帯状部分

イオンアウトフロー: 酸素原子がイオン化し地球外へ出て行く現象 → 極地上空に見られる

説: オーロラによる電気的力による

夜光雲 noctilucent cloud: 夏宵闇頃の中・高緯度地方(55-65°N)の高度75-90 kmに表れる巻雲に似た雲

高度80 km前後(中間圏)に氷粒発生により形成 → 通常の雲 < 15 km a.s.l.
中間圏の温度が低い証拠 → 温暖化により夜光雲増加予測

大気境界層 boundary layer

地表-高度1 or 2 km
上部境界層 (外部境界層、エクマン境界層): 下部境界層の上から2 km程度まで
下部境界層 (接地層、コンスタント・フラックス層): 地表面に近い方(高度0-500 m程度)
地表の役割
  1. 太陽光を吸収し熱を大気へ与える
  2. 摩擦により地表面に接する空気の動きを止めようとする
  3. 摩擦により水平面上の渦の姿勢や内部の流れを変える
キャノピーフロー canopy flow: 植物群落内部の流れ – 植物からの水分の行方を決める
自由大気: 大気境界層の上で地表面摩擦の影響が直接及ばない領域

測定方法

冷却CCDカメラ (charge-coupled-device camera): 感度高く大気光イメージ取得化
レーザーレーダ(ライダー) = アメダス + 気象レーダー Ex. 流星レーダ: ライダーの1種で流星観測専用
リオメータ: 電波の来る方向を測定するアンテナ
GPS → リモートセンシング

気候区分 (climate classification)


温度(気温)

放射乾燥度 (乾湿度) (wet-dry ratio, W/R ratio, WR)
WR= Rn/(λR)

Rn: 水分蒸発に使われる利用放射量
R: 雨量
λ: 水の気化潜熱

< 1: 森林成立条件 (Ex. 瀬戸内海 0.8)

(川喜田・吉良 1945)

乾湿(度)指数 (aridity-humidity index, K)
= P/(WI + 20) (W < 100)
= P/(WI + 140) (W > 100)

WI: 温量指数 warmth index

(Thornthwaite)

ソーンスウェイトの最大可能蒸発散量 (E)
十分に水を供給した際の最大可能蒸発散量 → 農耕栽培可能地域判定
PE ratio (precipitation-evaporation ratio) = 年降水量/年蒸発量
PE percent = 月降水量/月蒸発量
PE index = Σn=112(10 × PE percent)
E = 1.6(10·T/I)a (cm/month)

E: 月別最大蒸発散量 (T: 0-26.0°Cで成立)

I = Σi=112(Ti/5)1.514

Ti: 月平均気温

a = (0.675I3 - 77.1I2 + 17920I + 492390) × 10-6

a: 実験によって得られた関数値

真の最大可能蒸発散量, E' = E·f

f: 緯度別日長時間を考慮した係数

TE percent (temperature-evaporation percent) = (T - 32)/4

T (華氏, °F): -32は0°Cを基準とするため(凍らない温度)

TE index = Σn=112(10 × TE percent)
平均年生物温度 (MABT)
日本の気候区分に合う
Cf. 不快指数, F
= 気温(T)と湿度(U)の組合わせ → 幾つか式あるが「理科年表」は下式

F = 0.81T + 0.01U(0.99T – 14.3) + 46.3

F____= 75______= 80______≥ 80_________≥ 85
感覚 半数が不快 全員が不快 暑くて汗が出る 暑くてたまらない

雨量

P: 年間降水量
Pmax: 最大月降水量
Pmin: 最小月降水量
PTmax: 最暖月降水量
ラングの雨量因子
R = P//T (T > 0)

0°C以下では蒸散transpirationが起らないとする

ド・マルトンヌの乾燥度指数
I = P/(T + 10)
ソーンスウェイトの降水効果指数 (precipitation effectiveness)
Ep = Σi=1120.17{Pi/(ti + 12.1)} = 11.5P(T – 10)10/9
湿潤指数, Im
Im = (P/E – 1) × 100

年最大可能蒸発散に対する年降雨量と年最大可能蒸発散量の差の百分率

> 100__100~20__20~0__-0~-33__-33~-67__-67~-100
過湿潤_湿潤____亜湿潤_亜乾燥__乾燥____過乾燥

更に実際には地下水や積雪等の過剰水分のある場合その考慮が必要

気候ダイアグラム

気候型区分 → 月平均気温・降水量データのみで可 →
温度-雨量関係を表す図の総称 → 視覚的理解
1) 温雨図(雨温図) climograph: 気温を折線、降水量を棒グラフで示す
2) ハイサーグラフ (hythergraph): 縦軸 = 気温、横軸 = 降水量 → 各月データプロット

α ≥ 90° 日本海型気候 ↔ α < 90° 太平洋側気候

3) ウォルター気候ダイアグラム Walter's climate diagram

大気候区分 (macroclimate classification)


温度 + 降水量

ケッペンの気候区分 (Köppen climate classification)

1884以降改変多
温度-乾湿度による環境区分 (経験則)
3変数(月平均気温 + 月平均降水量 + 年間降水量)をもとに区分
その他の変量(風、異常温度、雲量等)は無視する
1) ケッペン乾燥度指数 (乾燥限界値), K
最初に乾燥 aridity 性判定 → 乾燥限界
樹木生育必要最低降水量 → 降雨パターンで異
Ex. 降水: 高気温期 = 蒸発

→ 低気温期 = 少雨で土壌保湿可

K算出法: T = 年平均気温(°C)、K (乾燥度指数, mm)

夏多雨地域, w: K = 20 × (T + 14)
年中多雨地域, f: K = 20 20 × (T + 7
冬多雨地域, s: K = 20 20 × T

P < KB 乾燥帯

P < K/2 → BW 砂漠気候
K/2 < P < KBS ステップ気候

P > K → 湿潤気候
2) 気温条件
Bを除きA-Eまで気候を区分

Tmax ≡ 最暖月平均気温, Tmin ≡ 最寒月平均気温

A 熱帯 tropics, tropical zone: Tmin ≥ 18°C (= ヤシ生育可)

熱帯雨林気候, f: Pmin ≥ 60 mm
サバナ気候, w: Pmin < 100 - 0.04 × P
熱帯モンスーン気候, m: Pmin = Af-Aw中間

C 温帯: -3°C ≤ Tmin < 18°C (ADの中間)

Cfa 温暖湿潤気候: Tmax ≥ 22°C (米育つ)
Cfb, Cfc 西岸海洋性気候: Tmax < 22°C

+ [夏雨 → Pmax/Pmin < 10, 冬雨 → Pmax/Pmin < 3]
Σi=112(Ti ≥ 10°C) ≥ → Cfc

Cw 温暖冬季少雨気候: Pmax/Pmin > 10
Cs 地中海性気候: Pmax/Pmin > 3 [Cf. 亜熱帯 subtropical zone]

D 亜寒帯 subpolar zone (冷帯): Tmin < -3°C, Tmax ≥ 10°C (冬根雪だが樹木生育化)

Df 亜寒帯湿潤気候(冷帯湿潤気候): 夏雨 → Pmax/Pmin < 10, 冬雨 → Pmax/Pmin < 3
Dw 亜寒帯冬季少雨気候(冷帯冬季少雨気候): 夏降水量あるが冬降水量(積雪)極少

E 寒帯: Tmax < 10°C (樹木生育不可)

ET ツンドラ気候: 0°C → Tmax < 10°C (夏だけコケ・地衣類生育可)
EF 氷雪気候: Tmax < 0°C (植物生育不可)

H 高山気候 (原典のケッペン気候区分にはない)

→ 中緯度地域 標高 > 2000 m、低緯度地域 > 3000m


乾燥 ←                                               → 湿潤

        氷雪                                                0 極帯
         ツンドラ                                          15 寒帯
         (Dd)
砂漠(Dd) ステップ   落葉針葉樹林 常針葉樹林                45 冷温帯
         (Hs)                    (Lc)
                    サバンナ(Ht) 暖帯落葉樹林   照葉樹林   85 暖温帯
                                 (Ls)           (Ll)
         ----------                             硬葉樹林  180
                                                (Lw)
         トゲ低木林              亜熱帯雨緑林   亜熱帯
                                                多雨林    240 亜熱帯
                                                (Lt')

過乾燥  乾燥         半乾燥     半湿潤        湿潤

水分軸(乾湿度)に沿った群落の種類
[湿潤] 熱帯多雨林 ↔ モンスーン林 ↔ サバンナ ↔ 温帯草原(ステップ) ↔ 砂漠 [乾燥]

湿性モンスーン林 ↔ 熱帯湿性落葉樹林
乾性モンスーン林 ↔ 熱帯乾性落葉樹林

草原 grassland: 温度が低すぎるあるいは降水量が少なすぎるために木本があまり生育せず草本が中心となる
荒原 arable land: 温度、降水量のどちらかがかなり厳しい限定要因となり地表を覆う植物は50%以下となる

海岸荒原: 植物疎生。塩生植物。コウボウムギ、アッケシソウ

別分類
降雨パターンによる分類
冬乾燥/夏雨, w: Pmax = 夏, Pmax/Pmin > 10
夏乾燥/冬雨, s: Pmax = 冬, Pmax/Pmin > 3
年中多雨, f: Case Pmax = 夏 → Pmax/Pmin < 10, Case Pmax = 冬, Pmax/Pmin < 3

気候変動 (climate change)


現在の気候変動は「温暖化」と大きく関連
太陽活動
太陽黒点 → 太陽黒点数が太陽活動度を表す? → 黒点数は約11年周期変動
火山噴火
火山活動 → 噴煙・水蒸気・亜硫酸ガス・硫化水素ガス → 気候影響
Ex. 成層圏滞留エアロゾル → 日射散乱され気温低下(冷蔵庫効果)
海洋の影響とエル・ニーニョ
中高緯度のみならず赤道域海面水温が変化しても、中高緯度気候に変化生じる

南方振動(サザン・オシレーション) southern oscillation, SO

気圧: 南太平洋東部 = 高(低) ⇔ インドネシア付近 = 低(高)
エルニーニョ南方振動 El Nino Southern Oscillation , ENSO

テレコネクション: 大気の一部に起こった変化が遠隔の場所に伝達される現象

Ex. エル・ニーニョ El Nino: 本来、南米エクアドル・ペルー沖の12月下旬に海面水温一時的上昇現象

Def. (海洋学): 南米ペルーやエクアドル沖合1000 km桁の広がり(= 太平洋東部熱帯区域, 4°N-4°S, 90-150°W)での海面水温異常高温化現象 → 数年に1度、半年-1年半続く
赤道海域上昇気流活発化 → 地球規模の大気の変動 → 世界的異常気象
→ 影響不明の点多(北東貿易風が何らかの原因で弱まり、西太平洋の暖水が東部に移動)

Ex. ラニーニャ: 赤道太平洋東部(ペルー沖)の海水面温度が低く(> 0.5°C)なる現象

エルニーニョとは逆に、暖水を運ぶ北東貿易風が強くなると発生

Ex. ダイポールモード現象dipole mode: インド洋熱帯域西部海水温上昇し、東部海水温下降する現象

≈ エルニーニョ・ラニーニャ
→ 降水量: インド洋西岸(Ex. ケニア)増加、インドネシア周辺減少
原因: スマトラ島沖東インド洋で南東貿易風強まり、暖水が西インド洋に押しやられ、西インド洋では深層にある冷水上昇せず海面温度上昇 → 東インド洋では、深層冷水が上昇し海面温度下降
山形俊男グループ(1999, 東大)発見 → エルニーニョと並び日本の異常猛暑の原因等で注目

沿岸湧昇 coastal upwelling

CO2効果 CO2 effect
他に地球軌道変化 + 熱帯雨林伐採 + ··· + オゾン層破壊 + 酸性雨

酸性雨 (acid rain)


純粋雨(一般雨): 平均pH 5.6
炭酸ガスを大気中から取り込む、火山ガスが酸性等の影響 → 弱酸性化
酸性雨 < pH 5.6 (石井 1992)
日本1967年pH 3 (食酢同値)の雨を関東で観察 → 人害発生
工業地帯周辺で特にpH低 → 大気中排出SOx, NOxが移流・拡散中酸化 → 雨水に取り込まれ発生

Ex. 欧州: 他国の硫酸化合物影響 ≈ 90%

[影響] 初期降雨による目・皮膚への刺激作用
合州国湖沼 = pH↓ → 魚類孵化不可能 = 死滅
ヨーロッパ土壌: アルカリ土中和 → 土壌栄養分流出

→ 戦前に比べ森林生産力7-18%低下

日本: 農耕地は化学肥料で土壌調節 → 影響不明瞭
森林は酸性雨影響累積的 → 継続調査必要
酸性霧 acid fog: 酸性化された霧
酸性雨: 雨水により洗い流される ↔
酸性霧: 植物に付着すると作用時間長い → 生態系影響は酸性雨より大
酸性雪 acid snow
国際森林年
1985年を国際森林年とFAO(国連食糧農業機関)が決議 → [背景] 砂漠拡大、熱帯林減少及び酸性雨被害による森林資源枯渇や環境悪化が懸念される
→ 世界各国: 森林造成・保全啓蒙事業実施。日本(+国都道府県): 趣旨に沿う各種記念事業

[海洋気象]

海洋気候 (ocean climate)


深層水
太陽光線の届かない深層の海水 ↔ 表層水
(s.s.) 光合成に必要な光がなくなる深さ、つまり大陸棚より沖合の水深 200 mより深い無光層のもの

陸水や大気からの化学物資による汚染にさらされることが少ないうえ、低温安定性、富栄養性、清浄性等の多特性を持ち、水産・農業分野をはじめ、食品、医薬品、美容等、多分野での活用研究中
深層水生成海域は北大西洋グリーンランド近海と南極大陸周辺のみ

→ 地球温暖化で深層水生成に支障発生予測

海洋循環

コンベアベルト conveyor belt (深層循環、熱塩循環 thermohaline circulation)
ウォーカー循環 Walker cell, Walker circulation (東西循環): 太平洋赤道域大気の東西循環

ラニーニャ → 循環強 ↔ エルニーニョ → 循環弱

温度躍層(水温躍層) thermocline: [海洋] 水温 → 深度に沿い減少(一様ではない)

海面近く: 日射による高温海水溜まる → その下で急激に水温低下 → さらに低温の海水に連なる

Def. 温度躍層: 暖水-冷水境界をなす水温の深度傾度が大きい層 → 温度躍層深い海域の海面水温高い

Ex (図). 赤道太平洋東部(海面水温低) = 温度躍層深さ数10 m ↔ 赤道太平洋西部(高)= 150-200 m
→ 西向きに吹く貿易風に暖水が吹き寄せられ西太平洋に溜まる + 赤道湧昇が東部太平洋より弱い

エルニーニョ時: 暖水が東側に広がる → 東部太平洋で温度躍層深くなり、西部太平洋で逆に浅くなる ocean
図1. 太平洋赤道域に沿った表層水温の深度-経度断面図 cross section diagram. (a) 1997.1, (b) 1997.11 (エルニーニョ最盛期)。等温線 isotherm (等温のisothermal, adj)間隔1°Cで、陰部分は水温 ≥ 28°C領域、黄色の等温線の混む領域が温度躍層
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