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(2024年1月8日更新) [ 日本語 | English ]

種間相互作用 (interspecific interaction)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

. 二種個体群間の相互関係分類。(a/b = 種a, bの利益) (Pianka 1978)

競争 = -/-    中立 0/0    双利共生 +/+

片利共生 +/0    片害作用 -/0     食う-食われる(+ ベーツ擬態) +/-

異種個体間相互作用 (interspecific interaction)

拮抗作用(敵対作用) [-/-, -/0 or -/+] 生活上少なくとも一方は害を受ける
寄生 parasitism: (+ parasite, – host)
宿主(ホスト) hostと寄生者(ゲスト、パラサイト) parasite間で寄生者が食物や空間を一方的に受けている場合

利害関係は一方的だが寄生者は宿主と平衡な生存期間があるので持続的搾取でもある
一般に寄生者は宿主に対し極めて小型だが、中には数個体の鞭毛虫に同時に寄生するカビの1種のように寄生者の大きさが宿主を上回る例もある。扁形動物幼生は中間宿主を1つ以上持ち最終宿主に至るものがある。宿主を変えるには、運動性の型に変態する例が多い
同種寄生(兄弟寄生) adelphoparasite

• 外部寄生 ectoparasite (+, –): 宿主体外に寄生 = 搾取作用
労働寄生 labor parasite: PolyergusFormica幼虫・蛹取上げ育て奴隷化
託卵寄生 blood parasite: ホトトギスがウグイスの巣に産卵 - 育てる
• 内部寄生 endoparasite: 宿主内部に寄生

半内部寄生 semi-endoparasite: 一部のみ内部寄生 Ex. 寄生菌

. ヒトに寄生する主な内部寄生虫

寄生虫名: 侵入経路-部位(中間宿主. ①第1中間宿主. ②第2中間宿主)
扁形動物門
    肝臓ジストマ: 口-肝臓 ← (①マメタニシ. ②タナド・モロコ)
    肺ジストマ: 口-肺 (①カワニナ. ②淡水産カニ)
    日本住血吸虫: 皮膚・口粘膜-血管 (片山貝 = 宮入貝)
    ミゾサナダムシ(広節裂頭条虫): 口-腸 (①ケンミジンコ. ②サケ・マス)
    カギサナダムシ(有鉤条虫): 口-腸 (ブタ)
    カギナシサナダムシ(無鉤条虫): 口-腸 (ウシ)
円形動物門
    回虫: 口・鼻- 腸 (なし)
    コウチュウ(十二指腸虫): 口・皮膚-腸 (なし 寄生部位は主に空腸)
    ギョウチュウ: 腸 ← 口 (なし)                                                              

半寄生 semi-parasitism

ヤドリギ: 自身も葉緑体を持ち光合成を行なう – 宿主完全依存ではない

共生 symbiosis (+, + or +, 0)

地衣類共生の様に2種を分離すると独立生活困難となる段階から、共生関係が見られないで生活している方が多いヤドカリとイソギンチャクの例まである。一時的なものと、一生続くもの、生育のある時期にだけ見られるものがある。生物の助け合う関係は全体的には共同作用と呼ばれ、共生作用はその内異種間のものを指す
双利共生 mutualism (+, +)
双方の関係がなければ生きていけない
結合共生: 個体間が常時接しているもの = ほとんどが双利共生

一方が他方の養分獲得上必要なある過程を補い、その物質交代を助け、他方はその養分や生活場所を得ている関係が多い
Ex. 根粒菌-マメ科植物、腸内細菌 intestinal bacteria と動物、地衣類、シロアリ-トリコンファ(鞭毛虫類)

分離共生: 個体間が分離しているもの。生育や繁殖時点での関係が多い

Ex. アリ植物-アリ(アリ共生myrmecophilous)、虫媒花-花粉媒介昆虫 アリ植物には熱帯産のアリノストリデのようにアリに棲家を提供し、植物はアリによって他の昆虫の害を免れる例と、シクラメン-スミレのように種子分散にあずかる例がある。Ex. アリ-アリマキ

原共同作用 (+, +): 片方が存在しなくても生存可能

Ex. ヤドカリ-イソギンチャク: ヤドカリは体に合わせ殻を変える。抜殻となった巻貝殻中にゴカイ類が住み込み、ヤドカリ分泌物を得るとともに、殻掃除の役目をし3者共生とも見れる。イソギンチャクはヤドカリに運ばれ、ヤドカリはイソギンチャクを恐れる海産動物から身を守ることができる
Ex. ワニ-ワニチドリ

片利共生commensalism (+, 0)
一方の生活規模が大きく他方の寄生により影響を受けない例があり、寄生との区別が難しい (区別する必要はあるのか?)

Ex. サメ-腹部着生コバンイタダキ、フジナマコ-直腸に住むカクレウオ、ケトプテルス(ゴカイの1種)の穴を利用し住むカニ

中立作用
Ex. 草食動物 = 食草十分な時に見られる種間関係
索引
Ex. 一つの花で、ハナムグリ・ハナバチ・ミツバチ等が平衡して花粉や蜜を集める (アフリカ草原のジラフ・シマウマ・ダチョウは相互に敵発見に対する能力の増加と逃避信号となりあう点で原共同作用というべき性格持つが、中立作用の例にあげられる)
捕食作用 predation (+, –)
自然界の構成上最も重要な食物連鎖の基礎をなす。他の拮抗作用とは異なり、一方の生存のために他方の生存を許さない関係。一般に被食者は捕食者からの逃避活動を行うための機能が、また捕食者は被食者の発見と捕食活動を行うための機能が著しく発達している
侵害作用
抗生物質生産生物と、それにより生育停止する微生物の関係 - 一方的競争作用に近い

抗生物質生産が目立つのは放線菌だがカビにも多くの例:
ペニシリン: A. Fleming発見。グラム陽性菌発育阻止効果のある抗生物質。現在はPenicillium chrysogenum培養液から抽出精製し薬用化
ストレプトマイシン: S Waksman (1944)が放線菌Streptomyces griseusから得る。グラム陽性菌のみならず、陰性菌や抗酸性菌にも発育阻止効果がある。クロラムフェニコール・クロロマイセチン等も放線菌が生産

すみわけ

複数種(品種・同種間でも)の個体群が時/空間的に生活の場を分ける現象

近縁種でも、棲息地のすみわけ、食物の食いわけ等で競争回避・共存

a. 環境要因に対する適合の相違による

小麦の入った同じ容器中にコクヌストモドキ属甲虫2種(a, b)を同数ずつ入れ、6つの異なる温度・湿度条件下で飼育する。a種は湿度高く温度高い条件下で、b種は湿度低く温度低い条件下で競争に勝ち残る割合高い。種間競争力は環境条件に左右されることが多く、環境条件が周期的に変動する場合は生活要求の似た近縁種の共存も可能なことを示す

b. 個体群間相互作用による

Ex. アパラチア山脈におけるサンショウウオ (Hairstone 1951)
A (Plethodon glutinosus)は山麓近くに、B (P. jodani等3種)は高所に住む。Bが存在しない時、Aは山頂まで住み場所広がる。Bの下限が温度で決定され、AはBとの相互関係(競争)により上限が決定されると考えられる。Bの別亜種 (P. melaveniris 等2亜種)はAと混ざり生活する
Ex. イワナとヤマメ: サンショウウオABの関係に似る。渓谷では、イワナが上流側にヤマメが下流側にすみわけるが、一方だけしか住んでいないときは上流から下流にわたって生息する
Ex. モンシロチョウとスジグロチョウ: サンショウウオの例に似て、モンシロチョウは食相によって生活場所が限定し、スジグロチョウは相互作用により、すみわけを行っていると見ることができる
Ex. アマゴ-イワナ、アカネズミ-ヒメネズミ、オイカワ-カワムツ

c. 移動が妨げられたことによる: 生息地域の地形が重要な要因となって起こる

Ex. コロラド川大峡谷を挟んでネバダ側にハタリスCitellus eucurus、アリゾナ側にC. parrisiiがいて、環境要因の差というより地域の機械的境界が生活場所を区別する要因となる(Hall 1946)

くいわけ: 同一場所でとる餌を変えることにより共存する場合
Ex. ヒメウとカワウ
Ex. フナとカワムツ
Ex. 北海道標津川: 水生昆虫や水面落下昆虫等を食べるサケ科魚類3種 = オショロコマ、イワナ(アメマス)、ヤマメ(サクラマス)

3種が好む水温多少異なり、オショロコマは知床山系水源域、イワナは山地渓流から本流上流域、ヤマメは本流の中下流域を主な生息域とするが、しばしば共存する水域もある。共存域で3種食性を調べると、互いに異なった内容の食物を食べている

共進化 coevolution

密接な生態的関係を持つか、遺伝子相互交流のない2(以上)の集団(分類群)の共同進化(Ehrlich & Raven 1964)。相互に働く淘汰圧により一方が他方の進化に一部依存して進化している (s.l.)
植物と動物(植食動物 herbivore, 花粉媒介動物 pollinator)の相互依存的進化関係 (s.s. 一般的)

捕食 (predation)


捕食者 predator (= 天敵 natural enemy): 他方を攻撃し生命を奪う側の種

↔ 餌 prey: 生命を奪われる側の種
捕食寄生者 parasitoid: 寄主 host に固着し栄養を搾取する

predation
スイッチする捕食者
スイッチングの要因

1. 餌個体の隠れ場所の確率
2. 捕食者にとってのコスト

捕食者(generalist)の代用食への切り替え (Mardock 1969)

2種の餌 N1, N2
1種の摂食量 k(N1), k(N2)

齢を考慮した捕食
幼体と成体youngs (eggs) and adults: 幼体の方が捕食されやすい
Population: young = X, adults = Y

________βY
__[ X ] ⇆⇆⇆⇆⇆⇆ [ Y ]
_______αX____
(d + lX)X____(d' + I'Y)Y
dX/dt = bY – (d + lX)XaX
dY/dt = aX – (d' + l'Y)Y

(d + a)b > a/d'___(d + a)b < a/d'___dY/dt = aX – (d' + X'Y) – c
predation

相互作用には他に共生があるが、数学モデルはあまり導入されていない(寺本1984)
Saturation = unstability
Switching = stability
2種相互作用の和

_______u(r12)
__1__________2
u(r13) ↖↘___↗↙ u(r23)
________3

食う-食われる関係 (predator-prey interactions)

捕食の進化的帰結 ⇒ 共進化 = 捕食効率↑ vs 捕食回避効率↑

軍拡競争
トレードオフ

防衛戦略 (defense strategy)

一次防衛戦略(間接防衛)
近くの捕食者有無に関わらず絶えず防衛 Ex. 隠遁、カムフラージュ、警告
擬態 (= mimicry + mimesis)
= 対象(捕食者や被捕食者)を騙すこと
隠蔽型擬態(カムフラージュ) mimesis: 隠れるための擬態

保護色(隠蔽色) protective or cryptic coloration: 背景と似た色彩 (捕食者や被捕食者両方に見られる)
Ex. コノハムシ、ナナフシ、ヒラメ
Ex. Biston betularisの工業暗化 (Kettlewell 1956)

標識型擬態 mimicry: 目立つための擬態
警戒色 warning coloration: 毒・臭・武器等有する動物 - 目立つ色彩・斑紋等
ベーツ型擬態 Batesian mimicry: 無害種が有害(不味)種に似る(含行動様式)

モデル model = 似られる方の種 ⇔ ミミック mimic = 似る方の種
Ex. ジャコウアゲハ(有毒) = モデル ⇔ オナガアゲハ = ミミック
捕食者には認識できていない擬態もある

ミューラー型擬態 Müllerian mimicry: 有毒(不味)な数種が互いに似た形態

近縁種間の収斂現象に限定し使用 Ex. 南米ドクチョウ群(有毒)

メルテンス型擬態 Emsleyan or Mertensian mimicry

サンゴヘビ種群(南アメリカ): 18属約75種(有毒なのは1属のみ)
→ 無毒種-微毒種-猛毒種まで様々
微毒種への警戒のため捕食者がこの仲間全てを避ける

ペッカム型擬態

捕食効率を高める擬態 – 捕食者からの防御機構ではない
Ex. チョウチンアンコウ、ワニガメ

→ 複数の擬態様式を有する種もいる
表. ブラジル産サンゴヘビにおけるモデルと擬態者の割合(Wickler 1968)       
                                 捕獲数 モデル仮定(捕獲個体中モデル比率)                
型                                          猛毒種          弱毒種                                       
猛毒性 Micrurus            214  17% モデル  17% メルテンス型擬態者
弱毒性 Erythrolamprus 906   83% 擬態者 74% モデル(ミューラー型擬態者)
無毒性 Lampropeltis     107   ┛                  9% ベーツ型擬態者                  
広い意味では以下のような特性も擬態に含める

化学擬態 Ex. ナゲナワグモ – 餌種(ガ)フェロモン擬似物質出し獲物誘因
音声擬態 Ex. オオモズ – 餌となる他の小鳥の鳴き声をまねる

擬装: 昆虫等がフンや植物片などを体に付け、ゴミのように装う
二次防衛戦略(直接防衛)
Ex. 隠れ家への退却、逃走、威嚇、擬死、攻撃のはぐらかし、反撃
集団防衛: 集団生活生物は、その集団生活そのものが防衛目的に適うこと多
同盟防衛: 2種以上の生物が防衛関係を作る。利益は一方の種のみでもよい
植物
生息地の石や土壌に色・形を似せ捕食から逃れる
Ex. Avonia (Portulacaceae): A. papyracea - 色や模様が石英岩に似る
Ex. Lithops (Aizoaceae): 生息地の石に似る
Ex. Pulmonaria officinalis (Boraginaceae)

葉の白い斑模様が鳥の糞に似る (Farmer 2014)

種間競争 (interspecific competition)


競争 competition

Solomon (1949)

機能的反応 functional response
数の反応 numerical response – 餌の量に対する反応

Rosenzweig & MacArthur (1963), MacArthur & Connell (1966)

効率良い捕食は個体群維持には賢い捕食ではない(分別ある捕食が重要) → 餌再生産を最大にする捕食
実験的証明: 野外での捕食(食物連鎖)機構を知る方法 – 単純系(Ex. 実験系)では個体群振動は起らない。ただし、餌の逃げ場を作った系ではうまくいく例がある
→ 捕食者を取り除く → その後の他生物の個体群変動を調べる

競争作用: 両方共に害を受ける
競争(的)排除則 competitive exclusion principle (Gauseの定理): 同じ生態をもつ2種は共存できない

すみわけ、くいわけ等を行えば共存可

種内競争と種間競争の均衡

Ex. Palamecium caudatum vs. P. aurelia (Gauze 1934), センモウチュウ類, ショウジョウバエ, コクヌスト等, 害虫
天敵と害虫の個体数の変動関係(高橋・瀬川 1983)
competition

_____: 害虫侵入とその後の個体数変動. _ _ _: 天敵侵入とその後の個体数変動

A, B, C: 侵入の時間間隔がA-B-Cと長くなる。D: 天敵の侵入数が多いとき。E: 安定した群集への害虫の侵入(害虫がその群集に応じる)。F: 天敵不在で薬剤防除を行う → 防除

(Mutsaers 1989, 1991)

植物競争(相互作用)モデル

d2Wi/dt = (d2Wi/dt)max(1 – Σjn(dWj/dt)/A)

(d2Wi/dt)max: 単一植物個体の成長率の可能性のある最大変化(つまり競争のない状態)
dWi/dt: 単位面積あたりn個体の植物の近縁にある個体iの成長率(植物あたりのg/d)
A: 単位面積あたりの可能性のある最大成長率を導く資源量(g/m2/d)
n: 単位面積あたりの植物個体数(/m2)
光、水、栄養のような制限資源は、変数Aを通し式に入力される。非資源的な要因(温度、土壌組成など)および植物の内性的な成長パターンはもし競争が突然除去されたならば起こるだろう変化として定義される成長率の最大の可能性のある変化として影響する

改変式 (Mutsaers 1991)
d2W/dt2 = (1/Ru·dRu/dtdW/dt + Ru2W(1 – n/A·dW/dt)

Ru: その生活を通じて(d - 1)競争を除外して成長しているときの同齢植物の相対成長率
個体群中の一個体の現在のWdW/dtの、そして同齢の制限を受けずに成長している植物の相対成長率の関数として表せる

2種系数理モデル

種間競争動態 intra-specific competitive dynamics
ロトカ・ボルテラ式 Lotoka & Volterra(捕食方程式): 古典だが重要な式
dN1/dt = r1N1(1 – (N1 + αN2)/k1)

餌種の増加率: logistic成長から餌-捕食者接触の度合いを引いたもの

dN2/dt = r2N2(1 – (N2 + βN1)/k2)

N1: 餌動物の密度    N2: 捕食者動物の密度
r1: 被捕食者(餌個体)瞬間増殖率
r2: エサがない時の捕食者の減少率(捕食者の個体あたり死亡率)

N2 = 0 (第2種不在) → 第1種時間変化はr1, k1を変数とするロジスティック式
Def. 力学系dynamics,dynamical system: 2つの微分方程式を連立 ⇒ 変形
dN1/dt = (r1λ1N1μ2N2)N1     dN2/dt = (r2μ1N1λ2N2)N2

λ1, 2: intra-specific       μ1, 2: inter-sepcific
r1λ1N1μ2N2 = 0    r2μ1N1λ2N2 = 0

  1. r1/μ2 > r2/λ2, r1/λ1 > r2/μ1 ⇒ 種1生存。種2滅亡
  2. r1/μ2 < r2/λ2, r1/λ1 < r2/μ1 ⇒ 種2生存。種1滅亡
  3. r1/μ2 < r2/λ2, r1/λ1 > r2/μ1 ⇒ 初期状態により2種個体群変動の結末異なり、どちらかが滅亡
  4. r1/μ2 > r2/λ2, r1/λ1 < r2/μ1 ⇒ 共存
model

共存条件: r1 = r2λ1 > μ1, λ2 > μ2 ⇒ 種内競争 > 種間競争 (この意味付けはできていない)
α1 = μ1/λ1·r1/r2, α2 = μ2/λ2·r2/r1
model

ニコルソン-ベイリーモデル Nicholson-Bailey model (1935)

L-V式: 連続繁殖仮定(= 微分可能) ⇒

昆虫等では世代が不連続 ⇒ 差分方程式の方がよい

x0(g + 1) = R{x0(g) - x0(g)(1 - e-ay)} = Rx0(g)e-ay

有効面積 ≡ 1 - e-ay → 捕食率(または捕食寄生率)

y0(g + 1) = Rx0(g) - Rx0(g + 1)

R: 世代間増加率
x0(g): 餌種初期密度    x0(g + 1): g: 餌種のg + 1代目の密度

If y = 0 → x0(g + 1) = Rx0(g)
平衡状態 ⇒ X = 1/(R - 1)·Y
                    Y = 1/a·lnR    (X, Y: 各種の安定密度)

a ≡ 寄主発見面積 area of discovery

ホリングモデル Holling model (Holling 1959)

n = axts

n: 捕食した餌数
x: 餌発見率 ∝ 餌密度
ts: 餌探索時間
h: ハンドリング時間 handling time = 次の探察に移るまでの時間

t = ts + hn

t: 全捕食時間
hn: n個体を捕食するに要する時間

n = (axt)/(1 + ahx) ⇒ ホリングモデル

捕食数上限, n: x := ∞ (1/x → 0) → n

[修正(拡張)式] 餌密度 x = constant → x ≠ constant

LV改変モデル (Simazu et al. 1972)

LV: 餌種の密度効果がない → 組込む
dx/dt = rx(1 - x/K) - axy/(1 + ahx)
dy/dt = r'y(1 - y/K'x)

密度変化方法 (Solomon 1949)

= 機能反応 functional response + 数的反応 numerical response

エスケープ仮説 escape hypothesis
Ex. 周期ゼミ(≈ 17年ゼミ): 合州国北部17年、南部13年(ズレない)

17: Magicicada septendecimM. tredecim: 13
17: M. cassiniM. trecassini: 13
17: M. septendeculaM. tredecula: 13
特定地域では複数種が同時に羽化

1966 Lloyd & Dybas: 捕食からのエスケープ仮説 (おそらく未実証)

素数であることが重要か - 複数種の天敵発生の同調を回避

環境収容力の比 (k2/k1)
model
_______資源利用の距離 (z)
図. 2種の共存の結果を示すパラメー
ター領域。横軸は2種の環境収容力
の比k2/k1を表わす

種が共存できる類似限界

2種間競争の強さはそれらが利用する資源がどれだけ重なっているかによって大きく左右される。共通資源を利用することによって競争が生じている場合には似たものを利用する種ほど共存が難しくなる。2種の資源利用の違いをZで表わし、競争係数μ1μ2とがzの減少関数α(z)だとする
捕食圧のあるもとでの共存 coexistence under predation pressure
●Predator Y

○ Sp. 1 ⇔ ○ Sp.2___k(N1) = kN1
dN1/dt = [(r1P) – λ1N1μ2N2]N1
dN2/dt = (r2μ1N1λ2N2)N2

Case 1. λ1 = λ2 = 1, μ1 = μ2 = 1/2, r1 = 3, r2 = 1
model

捕食者-被捕食者系 prey-predator system
competition 2種のprey
dN1/dt = r1N1k(N1N2
dN2/dt = -r2N2 + k'(N1N2

k(N1) = kN1: Lotka-Volterra

dN1/dt = (r1kN2)N1
dN2/dt = (-r2 + k'N1)N2

competition

中立安定(な系) = 構造不安定structural instability: 周期性は外部からの要因で簡単に崩れ、回復性に乏しい
⇔ limit cycle: 変動が回復しやすい(Goodwin 1951, 1967) – この系の存在が個体群維持上必要となるはず competition
種内競争
dN1/dt = (r1λ1N1kN2)N1
dN2/dt = (-r1 + k'N1λ2N2)N2
N1 = 0 → r1λ1N1kN2 = 0
N2 = 0 → -r2 + k'N1λ2N2 = 0
種内競争 ⇒ 安定化
共存
k(N1) = kN1/(1 + N1)
dN1/dt = [r1λ1N1kN2/(1 + N1)]N1
dN2/dt = [-r2 + k'N1/(1 + N1) – λ2N2]N2
competition

アイソクライン法

変数xの増減から平衡状態とその安定性を求めることをせず、変数が2つあるので数直線の代わりにxyを記した数平面を考えた解法。xの増加速度dx/dtの2つの領域をわける直線は:

competition

競争系の軌道。2本の直線および両軸がアイソクラインを表す。交点が平衡点である。(a)第1種が必ず勝ち残る。(b)両種が共存する。(c)初期値によっていずれかが勝ち、他方を排除する (b, c: 省略)
競争実験と地理的分布
陸上植物は個体サイズが大きく変動するが、xyとして個体数ではなくバイオマスを用いることがある
標高や緯度・降水量・土壌成分などが、場所によって連続的に変化する勾配(もしくはクライン)を考える。即ち、2種の動態はそれぞれの地点で競争方程式(2.1)に従い、2種の環境収容力Kとの比率、競争係数abなどが場所ごとに変化する。観察される種の組成はそれぞれ平衡状態にある。第1種が生息している地点から第2種がだけが生息している地点に移り変わるときに、中間地点での力学系が図のようになるならば、2種は共存を経て移り変わる

3種系

1) Two-prey + One predator

___N3_______predator
____
N1____N2____prey

k1(N1), k2(N2)
Volterra: k1N1, k2N2, …, k1(N1, N2), k2(N1, N2)
Switching: k1(N1, N2) = k1N1/(N1 + N2N1, k2(N1, N2)

= k2N2/(N1 + N2N2

k2(N1, N2)/k1(N1, N2) = k2/k1·N2/N1
k2(N1, N2)/k1(N1, N2) = k2/k1·(N2/N1)2
dN1/dt = (r1k1N1N3/(N1 + N2))N1
dN2/dt = (r2k2N2N3/(N1 + N2))N2
dN3/dt = (–r3 – (k'1N12 + k'2N22) /(N1 + N2))N3

competition

Volterraの場合: N1N3(あるいはN2N3)で周期解
Switchingの場合: 3種共存の実現 – 種間の競争のみを入れたときswitchingによって3種共存が可能になる
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