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(2015年2月25更新) [ 日本語 | English ]

生活型 (lifeform)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

(Billings 1957)

生理生態学 physiological ecology (or ecophysiology)

生態的及び進化論的観点から植物の生理を考察 (Fitter 1981)

生態学 ecology + 生理学 physiology: 生体作用ないし機能を研究対象とする科学
生理生態学はこの両分野の橋渡し

生活型 life form
ラウンケア

生活型 life form
世界標準生活型スペクトル life form spectrum in the world
ラウンケア Raunkiaer, Christen Christensen

沼田の生活型 Numata's life form
クリンカの生活型 Klinka's life form
休眠芽と生活型 bud dormancy and lifeform
索引

顕在性

. 植物の顕在性について予測される相互関係
  • 顕在性植物 vs
    非顕在性植物
  • 普通種で通常目立つ vs
    稀少種で通常短命
  • 木本性多年生植物 vs
    草本生1年生植物
  • 成長が遅く競争に強い vs
    成長早くしばしばその場限りの種
  • 植食動物に見つかりやすい(時間的、空間的にエスケープできない) vs
    時間的、空間的に植食動物から保護されている(それでも広域に分布する多食性食動物には発見される)
  • よりエネルギー消費多い相対的な抗植食動物防衛物質(堅葉、タンニン)生産 vs
    エネルギー消費少ない絶対的な化学的防衛物質(毒素等)生産
  • 量的防衛は、植食動物に対し有効な生態的障壁をなすが、多分、質的防衛が追加されない限り進化的な隔離機構としては弱い vs
    質的防衛も植食動物が有効な解毒機構を共進化させることで、進化史的時間の間には破られて行く(結果として寄主植物に特異的な植食動物生まれる)

生活型 (life or growth form as phytometre)


生活様式 life mode

各種が備える生態的形質ecological characteristicsを組合せ個体維持する方法(林 1975)
生態的形質
種子重・種子生産数・散布型・発芽行動・耐陰性・地上部地下部重量比(T/R ratio)、葉茎重量比、全重量に対する種子重量の比、等のように個体レベルで計測可能な属性
→ 生態的様式 ecological schemes
仮定: 生活型様式は鍵となる淘汰圧に反応し適応した単位となるCertain aspects of growth forms represent a set of adaptation evolved in response to key evolutionary pressures
Ex. ラウンケア生活型 → adaptation to their unfavorable season

生活型

生活様式を生物の形態や構造を手掛かりとして類型的にとらえたもの。野外調査で形態・構造はとらえやすく、同時に生理的な機能と外部に現れた形態・構造とは切り離せない関係にあるためでもある。広義の生活型には、代謝型とか立地型なども含まれてよい。
→ 生活環境条件(温度、降水量等)と生活型を結び付けて考案されたRaunkiaer分類が普及しているが、古くはAristoteles時代から生活型分類は試みられている。
生活型life formと生育型growth formは意味を分けて用いる人もいる。

生活型: その植物が成長している場所での形態
生育型: その植物の潜在的な成長および形態の能力

→ 形態学的定義

草本と木本
  • 二次成長の有無
  • 葉と茎でどちらが優勢か
草本系: 生きた非光合成系を持った植物
1年生草本(植物) annuals: 1年内に生活環完結。生殖成長(種子形成)後に光合成系・非光合成系全て枯死

2年生草本(植物) biennials: 葉をつけたまま劣悪期を越しその後実を結び枯死する。1年生草本の1種

多年生草本(植物) perennials: 生育期が過ぎると光合成系・非光合成系枯れるが、地下茎・塊根等で次代へ同化産物を渡すことができる

永年生草本: 常緑性草本

木本系: 非光合成系が地下に残るが、その大部分は死んだ組織からなる植物

ラウンケア (Raunkiaer)


 大気候macro-climateを取り上げ、気候条件がいかに生活様式に反映しているかを見るため試みた生活型区分。植物の生活(生存)にとって悪条件の重なる季節をどのような形ですごすか、すなわち冬芽がこの時期にどの位置にあるかに着目し整理を行い生態地理学に新分野を開いた。世界各地から1000種の植物を選び生活形標準表を作り、この標準表と各地の生活形組成を比較し、その地方の特徴を表わした。
不利な時期: 寒冷 - temperature / 乾燥 - water (precipitation)
  1. 生態的振幅ecological amplitude - tolerance
  2. plant life form
  3. morphology and function
Raunkiaerのlife formの特徴
  1. 生活の中で重要な形態的特徴を示す適応性 → 種の環境に対する適応の相対的な強さが表れる
  2. わかりやすいシステム
  3. life formは集まって1つのhomogenous systemとなる

 欠点はあるがこれらの基本的なguidelineを行使したRaunkiaer大系は実用価値が高く広く用いられる。

→ 分類 (Raunkiaer's life form)
地上植物 Phanerophytes

大型地上植物 Megaphanerophytes
中型地上植物 Mesophanerophytes
小型地上植物 Nanophanerophytes)

地表植物 Chamaephytes
半地中植物 Hemicryptophytes
地中植物 Geophytes
水生(沼沢)植物 Helophytes
一年生植物 Therophytes

着生植物 (epiphyte): 土壌から離れた樹上(や岩盤等)に根を張り生育する植物種 → 熱帯に多い
硬葉植物 (sclerophyte): 厚く硬い葉を作り乾季に耐えることができる常緑樹

→ 種々の地域のフロラ life form spectrum in the world
高緯度地方・高山地方: 地中・半地中性木本、地中植物、多年生植物*と長日植物の割合増す

多(越)年生植物は冬期間に葉(ロゼット葉)を地表に出し植物体形成準備ができており、一年生植物が種子から植物体を形成する前に成長した体を作り物質生産を行える。
*: 一年生草本より多年生草本の方が生存に有利 → 多年生草本は種子から植物体を形成するのに比べ短時間で成長した植物体を作り上げる(あくまで傾向)

沼田


散布器官型 disseminule form (Numata 1947, 1950)
= 繁殖型 migrule form
種子が分散器官を有するか否か、有する場合にはその機能による種子分散型の分類 → 種子散布 seed dispersal
散布器官を有さない(D4)

落下散布種子(重力散布種子) gravity-dispersal: 単純落下

*: 隠匿散布 cache: 真の重力散布は存在するのか? 重力散布で分布域が変化する可能性は低い

散布器官を有する

風散布種子 wind-dispersal: 冠毛や羽根を持つか、風で飛ぶ微細な種子(D1)
水散布種子 water-dispersal: ヤシなど水により移動する種子(D1)
自発(自動)散布種子 sefl-dispersal: 朔果のように朔の展開等により飛ばされるもの(D3)

自動運搬型 autochoares, transporteurs
自動放出型 autochores, physiologigues
機械的放出型 balochores
自動匍匐型 autochores, rampantes
Ex. カタバミ・ムギクサ・スミレ・カモジグサ・フウロソウ

動物散布種子 animal-dispersal, zoochore: 動物への付着・食用等による(D2)

内動物散布種子endozoochore: 動物食料となり散布(奬果など)
外動物散布種子epizoochore: 動物の毛等に付着して散布されるもの

人為散布種子 brotochore, brotochory: ヒトを仲介とする種子(多くの帰化植物) (D2)

むかごなどの栄養繁殖体を生じて広がる散布 (D5)
もう使う人はいないと思うが、(日本の)古い文献だと目にすることもあるかと
生育型 growth form
ラウンケア休眠型はマクロな環境レベルで有効だが、局地的条件を表現するときは必ずしも有効ではない。地上部生育形態の外形的特徴を類型化したもので、樹木でいう樹相もこれに含まれ、群落立地条件との関連を考えるのに有効な生活型分類である。繁殖型も同目的で作られた
植物はこれらの生育型一つだけを有するとは限らない
  • 記号 (生育型): 状態
  • e (直立型): 地上部の主軸のはっきりした直立性のもの
  • pr (部分ロゼット型): はじめロゼット型で、後に直立型となる
  • ps (偽ロゼット型): ロゼット葉をつけたまま葉をつけた直立茎がのびる
  • p (匍匐型): 匍匐茎をのばし地上を這うもの
  • t (叢生型): 根元から多くの茎が叢生する Ex. Poaceae, Cyperaceae
  • b (分枝型): 地上部の主軸のはっきりしないもの
  • r (ロゼット型): ロゼット葉で過ごし、花茎には葉のつかないもの
  • l (つる型): つるを伸ばし、巻きついたり寄りかかったりするもの
  • sp (棘型): 棘をつけるもの
地下器官型 radicoid form
根・地下茎・匍匐型などによる広がり方を類型化
母体から見てどの範囲まで地下器官を広げ連絡体を作るかによって区分
  • 記号 (広がり), 名称
  • R1 (d > 100 l), 根茎植物
  • R2 (100 l > d > 10 l), 根茎植物
  • R3 (10 l > d), 根茎植物
  • R4 (匍匐型や不定根によって栄養茎を作る), 匍匐茎植物
  • R5 (根茎や匍匐茎によって連絡体を作らない), 単立植物

lは根型の広がりを直径で表したもの(cm), dは地上茎-母体の高さの平均(cm)

クリンカ Klinka


クリンカの生活型 life form (Klinka et al. 1989):
生活型-生息地の結びつき重視 + 常緑・落葉性の違いに重点

針葉樹 coniferous trees (CNTR)
落葉樹 broad-leaved trees (BLTR)
常緑低木 evergreen shrubs (EGSH)
落葉低木 deciduous shrubs
羊歯 ferns and allies (horsetails, clubmosses, and selaginellas) (FERN)

禾本草本植物 graminoides (grasses, sedgges, and rushes) (GRAM)
広葉草本植物 forbs (non-graminoid herbs) (FORB)
寄生および着性植物 parasites and saprophytes (PASA)
コケ mosses (MOSS)
着性コケ liverworts (LVRT)
地衣 lichens (Lchn)
(寄生植物 / 半寄生植物: 緑葉を持ち、寄生植物であるが自身で光合成も行なう)

指標種 (indicator species)


生物指標 biotic indicator (指標生物 indicator organisms, indicator species, or index species): ある環境の指標となりうる生物(垰田 1974)。環境条件に対し狭い幅をもつ生物種(狭適応種)など環境条件を示す種。個体の成長差や変化等により、生理学的な指標化も可能だが個体群全体を通した変化を把握し指標生物を考えることが多い
指標植物 indicator plant

湿沼 Ex. Typha latifolia, Phragmites australis
森林外部内部指標種 incicator species、pHを示す植物指標もある
公害指標(植物) Ex. 大気汚染 - アサガオ。水質汚濁 - チトセバイカモ

林業: 主に造林地指標として造林樹種と環境との関係を示す植物

指標植物計 phytometre、指標生物計 biometre という用語を指標計(単位)として提案している(沼田1969) Indicator
生物指標を求める方法と手順
  1. 植生の抽出 sample the vegetation
  2. 重要ではない種を除く omit indifferent species (usually common species)
  3. スペクトラムアプローチ spectrum approach
    Frequency species (j) in attribute category (k) (e.g., moisture 1 → 6)
    F = [sum of species (i)j, k]/[total of all cover(ΣiΣjCi, j, k)] × 100, sum of species (i)j, k = Cijk
  4. 指標インデックス(indicator index II) ... weighting factor analysis
    weight = Zj ... この重み付けの仕方に様々なものがある
    IIk = Σ(each species weight)/Σ(all species weight) × 10
帰化植物 (exotic plants)
帰化率(種による帰化率) = (帰化植物種類数)/(植物全種類数) × 100 (%)
帰化率は侵入余地を作った地域で高くなる

都市化指標: Taraxacum officinale, Plantago lanceolata, Achillea millefilium

樹木活力
蘚苔類地衣類 (mosses and lichens)
一般に高等植物に比べて公害の良い指標となる(Barkman, 1969; 垰田 1976)
  1. 体表面にクチクラ層や調節可能な気孔持たない → ガス変化を体全表面で行う
  2. これらに対する大気公害効果は雨水に溶けた形で影響が出るが、そのような雨水を体全表面で直接受け取る ↔ 高等植物は土壌を通した間接的影響が表れる
  3. 高等植物の多くは主に夏活動するが、夏の大気公害レベルは低下しており汚染物質は拡散され影響の少ない時期となる。秋-冬は最も敏感な器官である葉を落とし種子や地下茎の形で地下等で休眠している。針葉樹等常緑植物は一般に大気汚染に強く指標に適さない。コケや地衣は夏にしばしば乾燥
大気清浄指数
= index of atmospheric purity (IAP)
= Σi=1nQf × 1/10

n: 地点の着生植物種数
f: その種の優占度
Q: 生態指数(ある種と共存する種類の平均)

→ SO2の着地濃度と良く一致

「一般的に」ということであって、必ずしも成り立つものではない

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