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(2019年1月21更新) [ 日本語 | English ]

気象学 (meteorology)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

気象学 (meteorology)

≈ 大気科学 (atmospheric science)
気象 = 大気状態を物理化学的に記述

→ 地球内または惑星内の大気中における個々の流体現象を研究する自然科学の一分野

気象力学: 大気中の力学的現象を流体力学の法則に基づき研究
大気電気学: 大気中に起きる電気現象と光電現象を研究
超高層大気物理学: 主に熱圏以上の超高層大気に起こる物理現象を研究
総観気象学: 気象観測結果を基に大気現象の構造 fashion を解析・予想
航空気象学: 航空機の安全運行のために大気現象を研究
気象化学: 化学に基づき大気現象と、その性質を研究
水文気象学: 大気中の水文学的現象を研究 (+ 他 Ex. 気候学を気象学の一部と捉える人もいる)

植物生育は気象に強く依存 → 地域特産物は気候と関係 (気象と気候は違う)

eclipse
2014年10月8日の月食

[ 気候学 | 災害 ]

索引

日射 (solar radiation, insolation)


太陽放射 solar radiation, s.l.: 太陽から地球に注がれる放射
放射(輻射) radiation, emission: 空間中のエネルギー伝播現象

→ 温度 > 0 Kの物体が放出する電磁波(W/m²)

放射熱 radiating heat (放射エネルギーradiant energy): 放射が物体に吸収され熱に変わる時のエネルギー

→ 放射吸収による昇温 absorption warming (adiative warming)発生
放射熱伝達: 表面温度が違う2物体相対時に放射で高温物体から低温物体へ熱エネルギー移動
放射計 radiometer

地球の放射平衡温度
理論式: S0(1 - A)πre2 = 4πre2σTe4, Te = (S0(1 - A)/4σ)1/4 = 255K

→ 大気による温室効果無考慮

観測地: 288K 日射 (solar radiation), (St)
昼間太陽から地球に伝達される放射 = 波長300-3000 nmの短波放射

地球: [昼] 放射吸収による昇温 ⇔ [夜] 放射による冷却

短波放射 shortwave radiation (= 太陽放射 solar radiation)

全天日射, St = S0 + Sd

S0: 直達日射(直射)
Sd: 散乱日射, = 340 W/m²

散乱日射: 大気圏に入る所での日射強度, Sd = d = D + G

D: 散乱放射
G: 大気放射

Sd/St → 50% (曇天)-100% (雨天) / 晴天

太陽高度h0に応じ10% (h0 = 90°)-100% (h0 = 0°)

長波放射 longwave radiation

低温度物体(地球, 地球表面物体, ガス)が射出する3000-50000 nm電磁波

= 赤外放射 infrared radiation ≈ 地球放射 terrestrial radiation

Law. プランクの法則: 地球放射の大部分が赤外線領域
⇔ 地上から出る放射, Su = Rk + Rl + A

Rk: Stに対する反射放射
Rl: G(大気放射)に対する反射放射
A: 地表面温度に対する長波放射

純放射, S = St - Su = αK(S0 + D) + αL(G - sT04)

夜の日射 = 0 → S = αL(G - sT04)

日射計

日射量 (W/m2, MJ/m2): 熱量(J)換算 (1W = 1J/s) ある時間の積算値

全天日射計: 直射(直達日射計) + 散乱日射(散乱日射計) → 積算日射計
波長別日射計(Ex. 400-700nmの電磁波だけに感応する光合成有効日射計等)

日照時間 duration of sunshine
直達日射計2分間隔計測値で ≥ 120 (W/m2)を日照ありの時間 sunlit hour としカウントした1日合計時間 → 雨天・曇天日は短くなる

光合成に影響 + 農作物虫害病害発生に関係し病虫害予察上も重要
日照計 heliograph, solarimeterにより測定

日長時間
日出-日没間(または、薄暮考慮し0.5時間加えた時間数で緯度に依存) → 短日植物、長日植物
吸収
地球大気による吸収
放射量: 大気上端観測 > 地表面観測 ⇒ 大気中にある雲やエアロゾル・気体分子で吸収・散乱

赤外線領域 → H2Oによる吸収が主
紫外線領域(< 0.3 μm)の吸収 → オゾンや酸素による

地球放射の吸収の主役: 水蒸気と炭酸ガス → 温室効果
窓領域: 大気による吸収弱い領域 → 領域内の放射は宇宙空間に到達(仮定: 地球放射 = 黒体放射)

Def. 輝度温度(相当黒体温度): 宇宙空間でこの波長域の放射強度測定 → 表面温度推定可能
= 気象衛星観測の原理(海面温度分布や雲頂高度)

散乱 sky radiation (diffuse)
電磁波がエアロゾルや気体分子に衝突 → 様々な方向に反射
電磁波波長(λ)と粒子半径(φ)との関係により散乱のされ方異なる
  1. λφ: レイリー散乱Rayleigh scattering = 散乱光の強さは電磁波波長の4乗に反比例 Ex. 青空
  2. λφ: ミー散乱Mie scattering: 散乱の強さは殆ど波長によらない Ex. 雲や汚れた空が白い
  3. λφ: 幾何光学散乱 Ex. 虹
Def. アルベド(反射能) albedo: 日射が物質面に当たり反射 ⇒ 反射/下向(日射量) → 1日でも太陽高度で変化
  地表面     地球 森林    各種    砂地  土壌  水面   海   雪面
  アルベド   全体         畑

                  常緑樹- 暗黒湿              天頂   波   古-
                  落葉樹  潤/明乾             角          新雪

  アルベド(%) 31  10-20   15-25   18-40  5-40 3-100 30-45 40-95

スノーボールアース(雪球地球、全(地)球凍結) snowball earth: 地球全体が赤道も含め氷床に覆われた状態

表面が氷雪に覆われる → アルベド ≈ 80% → 寒冷化加速 ⇔ 温暖化

1) 惑星アルベドplanetary albedo: 時間と空間の関数

大気上限に於けるアルベド 雲と地上被覆の特性に特に依存
地球全体に対する長期間の平均惑星アルベドは約0.31

2) 地表面アルベドsurface albedo (観測アルベドobserved albedo):

大気下限におけるアルベド
= 反射短波放射フラックス密度/入射短波放射フラックス密度 [人工衛星軌道上で測定される]

太陽定数 solar constant: 気圏に達する太陽に垂直面が受ける輻射量(エネルギー) → 太陽出力 solar power

⇒ 1.37 × 103 J/m2/s ≈ 2 cal/cm2/min ≈ 1.37 kW/m2
快晴南中 culmination 時は50%が地表に到達 = 10万 lux (cf. 太陽光集光装置 solar collector 開発)

再輻射: 植物: 吸収 = 400-500 nm (青), 600-700 nm (赤) + 遠赤外光(1500-10000 nm)

↔ 近赤外光(700-1500 nm)殆ど吸収しない → 再輻射
太陽光エネルギーの相当部分は近赤外光

蒸散 (通発) transpiration: 水 = 潜熱大 ⇒ 蒸散大 → 気温より葉温低くなる

蒸発と関係密接
立木・森林からの蒸散量測定困難 → 葉蒸散量測定し林分葉量から森林蒸散量推定

葉の太陽輻射吸収
直接光 direct light: 直接に注ぐ太陽光
散乱光 sky-light: 空中微粒子により散乱し葉に達する光
反射光 cloud-light: 雲・他周囲の物体により反射された後に葉に達する光
1枚の葉の熱収支 (Qa) = Qr + Qe + Qc + Qm + Qs

Qa: 吸収された全投入輻射
Qr: 赤外線として葉から再輻射されるエネルギー
Qe: 蒸発散による潜熱
Qc: 葉-空気間で伝導・対流により交換されるエネルギー
Qm: 吸熱反応(光合成)・発熱反応(呼吸)間のエネルギー
Qs: 貯蔵されるエネルギー。0の時に葉温安定

群落内光環境の影響 Ex.

開花期日射強弱 → 開花 + 果実着色状態
直接効果: 光合成上不可欠 + 間接効果: 温度上昇

群落熱収支
heat
図7. 日中と夜間における地表面のエネルギー収支 (Tanner & Lemon 1962)

植生: 日中 → 土壌の熱吸収を減少させる。夜間 → 放熱を減少させる
+ 蒸散

温度 temperature


T = f(緯度, 標高, 雲, 地表特性)
仮温度 virtual temperature: 空気中に水蒸気が含まれている効果を表現

T, 測定気温
Tv: 仮温度 = 測定気温を含まれる水蒸気量に応じ更正した温度

利点: 乾燥空気諸法則を湿潤空気に適用できる = 式上は、湿潤空気が乾燥空気と同じに振舞う

Def.仮温度, Tv = T{1 + (1/0.622)nw/nd}/(1 + nw/nd)

nw/nd: 水蒸気質量(nw)と乾燥空気質量(nd)の比 → Tv > T (明らか)
nw/nd = q/(1000 - q) = x/1000

q: 比湿, x: 混合比, p: 気圧 (hPa), e: 水蒸気圧 (hPa)

q = 622e/(p - 0.378e), x = 622e/(p - e)

標高と温度

温度↑ → 膨張 ⇒ 熱エネルギーが体積膨張に使われる → 温度変化しない

断熱圧縮: 圧縮 → エネルギーが熱に変わり温度上昇 → 断熱昇温 adiabatic warming
断熱膨張: 膨張 → エネルギー失い温度低下 ⇒ 断熱冷却 adiabatic cooling → 露点になると雲形成

体感温度: 強風 → 気温が下るわけではないが低く感じる ≈ 1°C↓/(風速1 m/s)
乾燥空気気体定数: 乾燥空気平均分子量 = 乾燥空気中の成分の分子量と存在比(分子数比)の積の総和

Md = 28 × 0.78088 (N2) + 32 × 0.20949 (O2) + 40 × 0.0093 (Ar) + 44 × 0.0003 (CO2) = 28.95
→ 1 kgの乾燥空気に対する気体定数, R = 8314.3/28.95 = 287 [JK-1kg-1]

気温減率environmental lapse rate, ELR (温度減率temperature lapse rate): 標高当り気温低下率 = 5-10°C/km

乾燥断熱減率dry adiabatic lapse rate, DALR, Γd

断熱冷却 → 上昇高度に対し温度の減少する割合 ⇒ 対流圏: ca 10°C/km (elevation)

湿潤断熱減率 saturated adiabatic lapse rate (moist adiabatic lapse rate), SALR, Γm

断熱冷却 → 水蒸気飽和 → 潜熱発生 → 温度減率変化(温度下がりにくくなる)
この時の高度に対する温度の減少割合 → 対流圏: ca 4°C/km

heat フェーン現象: DALRとSALRの差により生じる

だし: 春にオホーツク海上・三陸沖に高気圧 → 日本海沿岸に南東風(フェーン現象)

Def. 乾燥断熱減率, Γd ≡ -ΔTz = g/Cp

ΔQ = CpΔT – gΔz(α = ρ – 1)
断熱変化: ΔQ = 0 ⇒ -ΔTz = g/Cp

空気塊が断熱的上昇 → [周囲気圧低下(静力学の式より)] → 空気塊膨張(= ΔW)
→ ΔWは気体自身の温度を下げる(内部エネルギーを消費する)

熱力学の第1法則より ΔQ = 0
温度が高さとともに減る割合 = Γd → 地球大気について計算

Γd = 0.00976 [K/m] = 9.76 [K/km] ⇒ 大気が断熱的に上昇した場合1 km上昇毎に気温は約10 K減少

乾燥した空気塊が断熱変化 → 温位(θ)が保存される>

Def. 温位 potential temperature, θ: 空気塊を乾燥断熱的に基準気圧(1000 hPa)に移した時の空気塊の温度

θ = T(p0/p)R/Cp, p0: 基準気圧

Ex. 空気塊の温度比較

2空気塊, A, B

A. 地表面(1013 hPa), TA0 = 30°C
B = 10 km (265 hPa), TB10 = -50°C

θA = (273 + 30)(1000/1013)(287/1004) ≈ 302.03K = 28.88°C
θB = (273 - 50)(1000/265)(287/1004) ≈ 326.12K = 52.97°C
⇒ Bの空気塊の方が暖かい

Ex. 温位の保存: 温位は断熱変化では保存

= 空気塊が断熱変化する限り空気塊の温位は変化しない

この性質利用し、空気塊運動解析

等温位面解析 isentropic analysis: 断熱変化 → 空気塊は一定温位面内を運動 ⇒ 運動追跡

Def. 湿潤断熱減率, Γm = Γd((1 + (Lws/RdT))/(1 + ((εL/Cpp)(ΔesT)))

水蒸気飽和状態の空気塊が断熱変化 →
Def. 相当温位 equivalent potential temperature, θe): 気塊に含まれる水蒸気エネルギーを入れた温位

Def. 相当温位, θe = θ·exp(Lws/CpT) ≈ 近似式: 2.8w + θ

w: 混合比, θ: 温位
飽和した空気塊を断熱上昇させ、含んでいた水蒸気を全て凝結させ潜熱を全て放出
→ 仮定: 潜熱の全てが乾燥空気の温度上昇に使われた → 次に乾燥断熱的に1000 hPaにしたときの温度
θθe ⇒ 空気塊乾燥

エマグラム(断熱図) energy per unit mass diagram: 温位・相当温位を求めるための図

→ 大気の単位質量あたりエネルギー状態を圧力・温度・水蒸気量で図化

対流有効位置エネルギー convective available potential energy, CAPE: 対流の立ちやすさを表す1指標

⇒ 状態曲線: 実際にある時刻に測定された気温の鉛直分布(高度分布) → 気温-高度関係

乾燥断熱線: 未飽和空気塊が断熱的に上昇する際、高度と共に空気塊の温度が低下する関係
湿潤断熱線: 空気塊が飽和している場合

heat
図. 自由対流高度 level of free
convection, LFC
太実線: 状態曲線
細実線: 乾燥断熱線
破線: 湿潤断熱線
CAPE = 暖色部面積

Ex. 地上の空気塊(温度軸上)の空気塊が断熱的に上昇 →

1. 空気塊が水蒸気で飽和する前は乾燥断熱的(細い実線)に温度減少
2. 飽和に達した後は湿潤断熱的(破線)に減少

Def. 持ち上げ凝結高度lifted condensation level, LCL: 上昇する空気塊が飽和に達する高度
Def. 自由対流高度: 大気成層状態条件付不安定 → 上昇空気塊と周囲空気温度等しくなる高度

上昇空気塊がこの高度に到達 → それより上では湿潤断熱的に減少 → 周囲大気の温度減率はそれより大 → 空気塊の温度は常に周囲の気温より高く、空気塊は水中のコルク栓のように浮力により自力上昇

大気下層 = 凝結高度低・自由対流高度低 → 条件付不安定を解消し対流雲発生(図: 暖色領域増加) = CAPE値が大きいほど対流活発

LFCより下の寒色領域: 上昇空気塊温度は常に周りの気温より低く浮力は下向きに働く = 対流抑制方向に働く ⇒

Def. 対流抑制 convective inhabition, CIN: 寒色領域

積雲対流発生を考えるにはCAPEとCINの両方を考慮
→ Ex. 大気上層で気温減率が湿潤断熱減率より小: ある高度で温度は周囲の気温と再び等しくなる。この高度から上では、浮力は逆に下向きで空気塊上昇止まる = 雲頂高度

放射冷却 radiation cooling, radiative cooling
夜の長い冬の方が良く起こる = 昼間太陽に温められた地面が夜に急激に温度を逃がす
→ 空が晴れた方が熱は逃げる = 晴れた方が気温低下大

大気 (atmosphere)


重力によってとどめられている空気の層
生態系での機能
1) 太陽エネルギー透過
2) 昼夜の温度差緩和
3) 光合成材料であるCO2供給(自然界における炭素循環の媒体)
4) 呼吸に必要なO2供給

鉛直構造

仮定:

地球大気 = 理想気体
流体に働く外力 Κ は重力のみ → Κ = −gκ

流体静止時の力の釣合い ~ 運動方程式 → 気圧傾度力と外力が釣合う状態

(1/ρp = −gκ
dp(z)/dz = -ρg

測高公式
Def. ジオポテンシャル geopotential, Φ: 平均海水面から高度zまで単位質量あたりの空気塊を上昇させたときにする仕事
Def. ジオポテンシャル高度 geopotential height, Z:

ZΦ/g0
Φ(z) ≡ 0zgdz

g0 = 9.81m/s2 → 平均海水面における全球平均重力加速度

伝導と対流

熱伝達形態: 1. 放射, 2. 伝導, 3. 高温エネルギー → 低温部に移動 Def. 伝導: 分子-分子の衝突により起こるエネルギー移動

植物: 伝導する熱量は葉と空気の境界面における温度勾配と熱伝導度により決まる

Def. 安定大気: 上層と下層の大気の交換がない状態
Def. 対流 convection: 圧勾配に沿って物質(分子)が移動する際に運ぶエネルギー(熱 = 熱対流dry convection)
ベナール型対流: 最も簡単な対流形態

温度の鉛直変化形成 → 温度勾配がある限界に達したときだけ対流発生(粘性が原因)
対流運動は規則正しく上昇運動と下降運動が細胞(セル)状に配列

安定度の違い → オープンセル型/クローズドセル型
オープンセル型の方がより不安定時に現れる(傾圧不安定波と似る, 運動方向の違い)

臨界温度差を越えてさらに強く加熱 → 異なる形の対流
流れの中における対流  ロール状 (冬の日本海に見られる)

放射平衡にある大気温度高度分布: 放射平衡にある大気の高度分布を、大気を多層に分け分析

オゾンによる紫外線吸収の効果を考慮 → 成層圏存在確認
放射平衡にある大気の対流圏での気温減率は観測値6.5°C/kmよりかなり大 → 大気不安定 → 対流発生

放射対流平衡: 対流の影響(+ 水蒸気潜熱放出等)を考慮し計算されたもの → 観測結果と一致

対流混合層 convective mixed layer

気圧 (air) pressure

風特性を決める = 気圧変化pressure change

大気圧 atmospheric pressure → 大気圧(1気圧) normal atmospheric pressure
標準大気圧 standard (atmospheric) pressure: 1013.25 hPa (気圧単位は、他にbar, Torrがある)

気圧計(圧力計)barometer
Ex. アネロイド気圧計 aneroid barometer, 水銀気圧計
高度計規正値 altimeter setting: ある基準高度面からの気圧高度を求めるよう原点を合わせる(= 規正)気圧

Ex. 海面更正 reduction to mean sea level (海面更正気圧 mean-sea-level barometric pressure)
Ex. QNH (日本採用), QFE, QNE → QNH: 滑走路着陸航空機気圧高度計が滑走路標高となるよう気圧高度計原点を平均海面上3 mの高さに合わせる

air
静水圧平衡(静水圧力学平衡)
Ex. [状態] 重力による下向きの力 = 鉛直方向の圧力傾度 ⇒ 釣り合っている
S: 大気柱底面積 (気柱 air column, 空気柱 column of air)
z: 高度, p: 圧力 → z + Δz, p + Δpとの関係
Δz部分の空気塊を考える → 外力は大気圧と重力
釣り合えば: (上向きの力の大きさ) = (下向きの力の大きさ)

pS [上向きの圧力] = (p + Δp)S [下向きの圧力] + ρSΔz·g [重力]

(重力) = m (空気塊質量) × g (重力加速度) [g = 9.81 m/s2, 地表]

m = ρ (密度) × V (体積) = ρ × S × Δ
Δp = -ρgΔzDef.d 静水圧の式

右辺: 負(-)符号 ⇒ 上に行くほど(Δz > 0)気圧低下(Δp < 0)
静力学平衡式に乾燥空気状態方程式(p = ρRT)代入しρ消去

Δpz = -pg/RdT … (1) 良く使う
Ex. 地上天気図: 気圧海面補正・(大気)層厚 thickness 求まる
Ex. 台風等 → 気圧低下に伴う高潮

静水圧の式 → 高度と気圧は対応よい → 航空機高度計は気圧測り高度表示

p(z) = p(0)·exp(-gz/RdT) [(1)式を積分]

p(z): 高度zでの気圧
T: 高度0からzまでの平均の絶対温度

→ 気圧は高度ともに指数関数的に低下(高度がRdT/g上昇するごとに気圧が1/e変化)
Def. スケールハイト, H = RdT/g: 大気の厚さの目安

Ex. 対流圏内スケールハイト ≈ 7 km
高層天気図: ジオポテンシャル高度(単位, gpm)使用 → 海面高度と実用上は同じと考えてよい

大気の鉛直安定度: 大気の鉛直方向の安定度 → 鉛直断面 vertical profile

安定: ある空気塊が周囲温度差(気圧差)により下降 ↔ 不安定: 強制上昇forced ascent, 中立 = 動かない


_________乾燥空気____________________湿潤空気
温度減率__Γ < Γd___Γ = Γd____ Γ > Γd_____Γ > Γm_______Γ < Γm
温位_____dθ/dz > 0_/dz = 0_ /dz < 0
安定性___ 安定____ 中立_____ 絶対不安定_ 条件付不安定_絶対安定

条件付不安定 = 飽和した空気塊では不安定

[Case] Γm < Γd → Γm < Γ < Γd ⇒ 飽和空気塊に対し不安定 ↔ 未飽和空気塊に対し安定

対流不安定: 相当温位(θe)が高さと共に減少する空気は外力により凝結高度まで持ち上がると不安定化
逆転層 inversion layer: 上空ほど気温が高い層 → 必然的に大気安定

接地逆転層: 晴れて弱風の夜間から明方に、地面の放射冷却により冷やされた気層。霧の原因
沈降性逆転層 subsidence inversion layer: 沈降性逆転 subsidence inversion

高気圧内の大気沈降subsidenceにより発生 → 太平洋高気圧東側上空でしばしば観測

Def. 鉛直速度 vertical velocity (鉛直P速度omega): 対流の程度 = 上昇流・下降流の大きさ, ω = ΔPt (hPa/h)
Q. 12 hr, 3000 m → 3060 m
A. ω = ΔPt = -ρgΔzt = -1.0·9.8·(60/12)

= -49 (kg/m)·(m/s)·(m/hr) = -0.49 hPa/hr

風 wind

太陽放射に伴う気圧傾度 pressure gradient ⇒ 気流 → 流体力学(空気塊に働く力 – 流れ・波・渦)

気圧傾度: 気圧の立体的な変化率 Ex. 地上天気図: 等圧線isobarの混み方 (高層天気図: 等高線)
集中帯 tightly packed solid contour: 等温線等の集中する部分

気象学: スケール大きくない現象 → デカルト座標系(直交座標系): 東向 = x軸, 北向 = y軸, 鉛直上方 = z

風ベクトル = x, y, z成分 → 普通記号(u, v, w)で表す(風の大きさ: 鉛直方向 << 水平方向)
風向・風速解析 → ベクトル A = A(t, x)

1) 重力 gravity force

⇒ 重力流 gravity current: 流体の密度差による重力作用で生じる流れ
大気重力波: 数時間程度のスケールの大気振動

        Ex. 大気:
        [大気上昇] →減圧→気温 → [大気下降] →加圧→温度
                     膨張  低下                 収縮  上昇
                      ↑                              ↓
                       ←←←←← [ 振動 ] ←←←←←←

対流圏で顕著に発生 → 熱圏まで伝播

2) 気圧傾度力 pressure gradient force, Fp = -(1/ρ)(Δpn)

場所により気圧が異なることにより生じる力
= 空気移動 ⇒ 気圧高 → 低

3) 転向力 deflecting force (コリオリ力 Coriolis' force):

地球自転(角速度 = 7.292·19-5 s-1)
空気に働くみかけの力: 遠心力(Ω2Rcosφ) + コリオリ力(2Ωu), f: 緯度(北緯+, 南緯-)
コリオリ力の水平分力(水平成分) horizontal component: 2ΩVsinφ

  1. 緯度φにあって、水平速度 horizontal velocity (V)で動く空気塊はコリオリ力を受ける
  2. コリオリ力が働く向きは、水平速度ベクトルの向きに直角で、北[南]半球では右[左]の方へ向く

→ 空気塊移動方向に対し常に直角に働く = 空気塊加速させない(W = 0)

= 運動方向を変えるだけの力

鉛直方向の運動によるコリオリ力は微小 ⇒ 通常、無視

決定3因子: 万有引力 + 回転楕円体(= 地球)表面 + 回転
高気圧・低気圧の渦直径 = (風速)/(コリオリ力)

deflecting force Def. 渦度 vorticity, V: 空気の回転の方向・強さを表す量 → 面積と関係ない微視的にみた空気の回転

P点を囲む4点 → 4つの速度を与えた時の点Pにおける渦度

V = (V2 - V1)/Δx – (U2U1)/Δy

反時計回り(低気圧性循環)を正、時計回り(高気圧性循環)を負
その絶対値が大きい程回転の強さが大きい

4) 地衡風: 等圧線 // 北[南]半球は低[高]圧部を左側に見るよう風が吹く

Def. 速さ = Vg
仮定: > 地上 1 km → 地表との摩擦無視
⇒ 等圧線に垂直な方向に運動の第2法則適用

圧力傾度とコリオリ力がつり合った流れ → 南北に蛇行する循環
等圧線に直角な方向の加速度 = コリオリ力 + 気圧傾度力 = -2ΩVsinφ – (1/ρ)(Δpn)
vg = -(1/2)·ρΩsinφ·(Δpn)

Def. コリオリパラメータ(因子), f = 2Ωsinφvg = -ρ·fpn)
5) 摩擦力 frictional force ⇒ 大気: 粘性体 → 地表面との摩擦 → 風速 = 地面付近弱・高所強

地表付近: 摩擦力(風速と逆向き) + コリオリ力 [合力] = 気圧傾度力 [+ 地表障害物による乱流]

→ 風向・風速決まる

⇒ 地上風(地表風) ≡ 地衡風のように等圧線と平行にならず低気圧側へ向かう

風向が等圧線となす角度は摩擦力強いほど大 Ex. 海上(摩擦弱) = 15°-30°、陸上(強) = 30°-45°

Def. 傾度風: [遠心力 + コリオリ力 = 気圧傾度力]の状態で吹く風

高気圧: 地衡風より強  低気圧: 地衡風より弱
Ex. 台風: 空気塊カーブを描き運動 → 向心加速度大(遠心力強) → 遠心力 + コリオリ力 = 気圧傾度力

Def. 旋衡風: [遠心力 = 気圧傾度力]の状態で吹く風 → 小さな円状に強く吹く

特徴: 低気圧 = 遠心力外側、気圧傾度力内側を必ず向く → 風の回転方向に制約が無い
Ex. 竜巻: コリオリ力の影響を受けない → 遠心力 = 気圧傾度力 ⇒ 風向きは時計回り、反時計回り両方

地衡風や傾度風: コリオリ力の向きに制約 = 風回転方向一定 Ex. 北半球の低気圧風向は反時計回り

低気圧性循環 cyclonic flow into a depression: 気圧を上から見下ろす → 北[南]半球では左[右]回りに回転 ↔ 高気圧性循環

Def. 海陸風: 境界層内の気圧日変化: 陸上 > 海上 (海と陸との比熱差による) ⇒ 1日の中で風の吹く向き変化

昼 = 海 → 陸 [海風] ⇔ 夜 = 陸 → 海 [陸風]

一般に、海風の方が陸風より強い(+ 海陸風の強さは地形や日射量の強さに大きく影響される)

凪(なぎ): 海風と陸風が朝夕風向きを変えるときの無風状態

Def. 温度風: 大気層温度勾配と、その大気層上下での風の鉛直シアーshearとの関係による風

北半球: 高温部を右側に見るよう吹く = 南側が高温部となる北半球中緯度帯では温度風は西風となり、高度が高くなればなるほど西風が強くなる → 西風ジェット気流の極大は対流圏界面付近
暖気移流場: 上空に行くに従い風向時計回りに変化(順転) ↔ 寒気移流場: 風向反時計回りに変化(逆転)

風向・風力・風速

Def. 風シアー wind shear: 風の立体的な変化率

水平方向変化率 = 水平シアー ⇔ 鉛直方向変化率 = 鉛直シアー

Def. 風速: 風として空気が移動する速さ

単位: 気象庁 = m/s、国際 = ノットkt, 1 kt ≈ 0.514 m/s
地上気象観測: 地上約10 mの高さで10分間平均風速 → 風速計 anemometerで測定
瞬間風速 instantaneous (momentary) wind speed (velocity): 0.25秒毎(気象庁基準)観測瞬間的風速
→ 最大瞬間風速maximum instantenious wind, peak gust: 瞬間風速最大値
最大風速 maximum sustained wind, maximum wind speed

風力: 風が物体に与える力を定義したもの
1806 フランシス・ビューフォート(1774-1857, 英海軍提督): 風力階級提唱

風力0-12 (13段階) → 対応した海上の様相に関する表作成 (後、より客観的風速・風力階級対応付)

1964 世界気象機関: 風力標準表現法に採択 = ビューフォート風力階級

= 気象庁風力階級 (翻訳版)

地上高と風速の関係: 森林環境把握・風力発電等で重要

v(z) = (z/z0)1/n·v(z0) [経験式]

v(z): 地上高z (m)における風速(m/s)
v(z0): 基準地上高z0における風速
n: 地形・季節性等に応じた定数

v(z) = (v*/k)·ln(z/z0) [流体力学境界層理論から導かれる対数法則式]

z: 地上高
v(z): zにおける風速
v*: 摩擦係数
k: カルマン定数
z0: 地表面粗度

風圧 (wind pressure, P): 風に曝された物体表面が受ける圧力

(台風害)

正の圧力 - 風上側に加わる ↔ 負の圧力 - 風下側
風上側: P = (1/2)ρV2
風下側: P = (1/2)V2
ρ: 空気の密度 C: 表面の形や状態により決まる抵抗係数

気流 air current, atmospheric current

大気の流れ
上昇気流 ascending current: 上に向かい吹く風 = 大気の鉛直方向運動 → 雲生成の鍵 ⇔ 下降気流
要因:
  1. 前線 (Ex. 寒冷前線、温暖前線)
    暖気流 warmer fluid (暖かい空気)が寒気流cooler fluid (冷たい気流)に押し上げられ上昇気流発生
    暖気 the warm = 多くの水蒸気を持つ[上昇温暖気流thermal] → 上昇すると雲生成 Ex. 梅雨前線
  2. 低気圧: 付近は雲多く雨等降りやすい Ex. 台風, 大型低気圧
    低気圧中心付近 → 上昇気流存在 ⇒ 雲形成
  3. 日射 = 対流性上昇気流: 強日射を地表面受ける
    → 局所的低気圧発生 ≡ 熱的低気圧(ヒート・ロウ) heat low → 上昇気流発生
    Ex. 夏の晴れた暑い日 = 高湿度空気(= 水蒸気water vaporを多く含む) → 積乱雲
  4. 地形(山) = 地形性上昇orographic uplift: 平地風  障害物(Ex. 山)に衝突 → 風は斜面を駆け上がる
    山の天気変化大: 低気温 + 地形複雑 → 上昇気流・下降気流よく発生 = 空気中水蒸気量の変動大
    地形性雲 orographic cloud Ex. 地形性巻雲 orographic cirrus
竜巻 spout, tornado
積乱雲発達に伴い地上から雲まで延びる上昇気流を伴う高速の渦巻き
1971 Fujita (藤田哲也): Fujita-Pearson Tornado Scale (F-Scale)

= 藤田スケール: 竜巻の規模を表す数値
被害状況 → おおよその最大風速推定
F1-F12: F6以上の竜巻は地球上で発生しないとされていた (F12風速 = マッハ1 = 343 m/s)

  • 階級 (風速, mph, m/s), 発生率 (%): 被害状況
  • F0 (< 73, < 32), 29:
    軽微。煙突損傷、木枝折れる、浅根木傾く、道路標識等に損傷等
  • F1 (73–112, 33–49), 40:
    被害中程度。屋根が飛ぶ、自動車で引く移動住宅等は壊れたり横転する。移動中の自動車は道から押し出される
  • F2 (113–157, 50–69), 24:
    被害重大。家の壁ごと屋根が飛ぶ、移動住宅等は破壊、貨車は脱線や横転し、大木も折れたり根から倒れる。軽いものは舞うように飛び、車が転がる
  • F3 (158–206, 70–92) 6:
    被害深刻。建て付けの良い家でも屋根と壁が飛ぶ。列車は脱線転覆、森の大半の木は倒れ、重量車も地面から浮き飛ぶ
  • F4 (207–260, 93–116) 2:
    壊滅的被害。家も基礎が弱いものは飛びうる。車は飛ぶ
  • F5 (261–318, 117–141) < 1:
    尋常ではない破滅的被害(大惨事)。強固な建造物吹き飛び、自動車大の物が100 mを超過し空を飛び交う。樹木も飛ぶ
  • F6 (319–379, 142–169) < 10-3:
    あり得ない被害。F6階級竜巻非公式発生報告はある(Ex. 1999, オクラホマ州ムーア)。F6以上の竜巻は、F6に達する前に被害を被るためF5と区別不可

移流 advection

基礎方程式 (P, ある任意地点)
  1. 水平方向運動方程式(流体力学のナビエ・ストークス方程式):
    ∂vH/∂t = -v·∇v – 2Ω × vH – (1/ρ)∇p + Fr
  2. 鉛直方向運動方程式: (P 風速時間変化) = (移流効果) + (コリオリ力) + (気圧傾度力) + (摩擦力)等
    0 = -(1/ρ)(∂p/∂z) – g
  3. 0 = (気圧傾度力) + (重力): 気圧傾度力と重力がつりあう(静力学平衡近似)連続の式(質量保存則)
    ∂ρ/∂t = -v·∇ρρ∇·v
  4. (P 密度の時間変化) = (移流効果) + (発散効果) 熱力学方程式(熱エネルギー保存の法則)
    ∂θ/∂t = -v·∇θ + Q
  5. (P 温位の時間変化) = (移流効果) + (非断熱加熱) 連続の式(水蒸気保存の法則)
    ∂q/∂t = -v·∇q + M
  6. (P 比湿の時間変化)=(移流効果) + (非断熱過程に伴う加湿) 気体の状態方程式
    p = ρRT

vH: 水平風速
Ω: 地球自転角速度ベクトル
Fr: 摩擦力
R: 気体定数
g: 重力加速度
θ = T(p0/p)R/Cp):温位
Cp:定圧比熱
p0:標準気圧(= 1000 hPa)
Q: 非断熱過程に伴う加熱
M: 非断熱過程に伴う加湿

気団 (air mass)


発生源特性に決められる
性質の異なる空気は簡単に交じり合わない → 同性質空気は塊化 = 気団 ≈ 大規模空気塊 extensive air mass

停滞性高気圧: 低緯度・高緯度地域発生 ↔ 中緯度地域は大気撹乱で移動性高気圧 = 気団存在しない
複数気団接触 → 前線生成 (→ 低気圧発達)

表. 気団分類 = (発生場所 × 温度) の組み合わせ
    発生場所        大陸                 海洋性気団
                    continental          maritime air mass

    北極 arctic     北極大陸性気団 (cA)  北極海洋性気団(mA)
    南極 antarctic  南極大陸性気団 (cA)
    寒帯 polar      寒帯大陸性気団 (cP)  寒帯海洋性気団(mP)
    熱帯 tropical   熱帯大陸性気団 (cT)  熱帯海洋性気団(mT)*
    赤道            赤道大陸性気団 (cE)  赤道海洋性気団(mE)

* tropical maritime

日本周辺の気団
4気団 → 日本が大陸の端に位置しているのが原因
  • 気団名/, 湿気
    発達時期 → 影響時期 (特徴)
  • オホーツク海気団: 冷 (mP), 湿潤
    春と秋 → (冬)、梅雨 (梅雨前線、秋雨前線発生の一因)
  • シベリア(寒)気団: 冷 (cP), 乾燥
    秋から冬 → 冬 (西高東低気圧配置一因 → 裏日本大雪、表日本空っ風
  • 小笠原気団: 暖 (mT), 湿潤
    春から秋 → 梅雨、夏 (日本特有な蒸し暑い夏の主要因, 夏の南高北低気圧配置一因)
  • 揚子江気団 暖 (cT), 乾燥
    中国中東部 → 春・秋 (→ 晴天, 春・夏: 移動性高気圧)
  • 赤道気団

air mass
図. 水平気圧配置 horizontal pattern of pressure
暖気団 warm air mass → 寒気団

低気圧 low (atmospheric) pressure, cyclone

1. 温帯低気圧 extratropical cyclone
前線両側: 気圧差 → 風速差発生 → 前線振動

→ 寒気中に暖気が入り込んだ部分で気圧低下

温帯低気圧

発達条件: 気団温度差大 + 前線に暖気が入れる
Ex. 日本周辺低気圧の移動

→ 中国・東シナ海で発生
→ 日本列島を西南西から東北東方向に横切る
→ アリューシャン列島付近で消滅

中緯度低気圧 midlatitude cyclone
熱帯外低気圧 extratropical cyclone
サイクロン cyclone
1' ポーラー・ロー (寒気内小低気圧、寒帯気団低気圧)
高緯度-中緯度海域に発生多
寒気団中に発生する前線を伴わない低気圧

Case: ポーラー・トラフ(寒帯気団低気圧, 寒気低気圧, サーマル低気圧 thermal trough) = 中心持たない気圧の谷

1'' 熱帯低気圧北上し前線生じ温帯低気圧に変化

熱帯低気圧東側に温暖前線、西側に寒冷前線生じたもの(× 温帯低気圧 → 熱帯低気圧)

2. 熱帯低気圧(熱低) tropical depression, tropical storm
熱帯海洋上発生 → 成因・構造が温帯低気圧と異なる
(a) 海水面温度高 (26-27°C): 蒸発↑ = 上昇気流発生 → 上昇部分気圧低下
(b) 転向力大きい北(南)緯5-25°: 周囲から空気流れ込み、転向力で渦状の流れとなる

→ 積雲や積乱雲発達 → 上昇気流により上空空気温度上昇すればサイクル加速 = 低気圧発達

ウォーム・コア: 熱低(Ex. 台風)で中心付近の上昇気流により水蒸気凝結し大量の潜熱発生

→ 気温が中心部に行くほど高い(筒状に分布)

Def. 台風: 熱低最大風速 > 17.2 m/s (34 KT) = 熱帯のクラスターか小複数クラスターまとまり発生

シスク: 規模の異なる2つの大気擾乱がお互いに影響し共に不安定になる現象 Ex. 台風発達
台風 typhoon: 南シナ海-太平洋(180oEより西)で発生 = インド洋: サイクロン = カリブ海: ハリケーン

上陸landfall (上陸するmake landfall) → 小さくなる

発生域 = 海面水温 sea surface temperature, SST ≥ 26.5°C → SST ≥ 28°Cの海域通過 = さらに発達

熱帯地方で発達している限り前線伴わない → 中心に対しほぼ軸対称の構造
緯度 ≤ 5°: 台風ほとんど発生しない → 地球の自転の影響が効かない = コリオリ力働かない

風分布: 中心付近で風強い → 中心付近高温度(ウォームコア) + 絶対角運動量保存則(rv = const.)
サフィール・シンプトン・スケール(台風尺度) Saffir-Simpton scale

air mass
3. 熱的低気圧 thermal low
大陸は海洋に比べ暖まりやすい = 低気圧作りやすい

小規模(局地的 localized) = 夜になると消えること多 → 海陸風原動力
大陸規模 → モンスーン(季節風 monsoon)原動力

4. 地形性低気圧
西風が山脈を越えると下流側に低気圧発生

Ex. 偏西風チベット高原通過 → アリューシャン低気圧
Ex. ロッキー山脈通過 → アイスランド低気圧
前線低気圧 frontal depression
寒冷低気圧 cold low (切離低気圧 cut-off low, 寒冷渦 cold pool, cold vortex, ブロッキング低気圧)

上層の中緯度偏西風の蛇行大 → 切離 cut-off
→ 北上した暖気が高緯度に温暖高気圧形成 = 切離高気圧
→ 南下した寒気が低緯度に寒冷低気圧形成 = 切離低気圧
インデックス・サイクル: 中緯度偏西風帯大気流が、東西流型と南北流型を4-6週間の周期で繰り返す

ドライスロット dry slot: 低気圧等の中心に向かい溝状に延びる雲の少ない領域

高気圧 high pressure

移動性高気圧 traveling anticyclone, traveling high: 大陸性高気圧が弱くなり移動性となる
切離高気圧(カットオフ・ハイ、ブロッキング高気圧)

前線 (weather) front

気圧の尾根 (pressure) ridge ↔ 気圧の谷(トラフ) (pressure) trough [鞍部col: 尾根で中窪みになる部分]
前線 (Def. 気象学): 2つの気団が接触時に生しる不連続面(前面)が地上と交わる線

前線発生・発達(前線発達過程) frontgenesis ↔ 前線衰弱・消滅(前線消滅過程) frontlysis
前線通過地点 → 気温・風(風向・風速)・気圧等急変

日本付近の前線
(通常) 偏西風 → 西から東へ移動 (例外: 停滞前線)
1. 寒冷前線: 冷たい気団が暖かい気団に向かい移動する際の接触面で発生 cold

寒気 the coldと地表の間に抵抗 → 寒気が上空に張り出した形で気団移動 → 短時間で強い雨

fronts
図. 寒冷前線と温暖前線
2. 温暖前線: 暖かい気団が冷たい気団に向かい移動する際の接触面で発生 warm

暖気が寒気に乗り上げる → 一様に傾斜した境界面 → 連続した弱い雨

3. 停滞前線 stationary front stationary Ex. 梅雨前線、秋雨前線

寒冷前線と温暖前線の中間的状態で、暖気団と冷気団が接触し殆ど移動しない = 長く連続した雨
湿舌: 湿大気が舌状に延びた部分 Ex. 梅雨(東シナ海地方から日本上空に延びること多 = 大雨)

4. 閉塞前線 occluded front occluded: 温暖前線の後ろから寒冷前線が追いついた状態

温暖前線と寒冷前線の寒気 → 温度差 → 寒気同士接触 → 上空に暖気が押し上げられる
寒冷型閉塞前線: 追いついた空気 = 冷 → 寒冷前線の特徴
温暖型閉塞前線: 追いついた空気 = 暖 → 温暖前線の特徴

(cloud)


大気中の水蒸気が浮遊ダストを中心に凝結し水滴(droplet)となり浮いているもの

形成過程

水滴形成: 清浄空気 → 水の表面張力 → 相対湿度が100%を越えても水滴できない
水蒸気を含む空気 → 冷却

凝結核 cloud condensation nucleus (塵等肉眼で見えない程度の大きさの浮遊物 suspension)に水滴がつく

エアロゾル: 大気中浮遊微粒子 → 起源: 土壌粒子・海塩粒子・火山噴火・人為汚染粒子・微量ガス

エイトケン核(半径0.005 μm-0.2 μm) < 大核(0.2 μm-1 μm) < 巨大核(> 1 μm)

靄・霧・雲の発生から見て重要なのが吸湿性および水溶性エアロゾル

吸湿性のよいエアロゾル = 水滴半径を大きくし、低過飽和度でも水滴できる = 凝結核
水溶性のエアロゾル = 化学物質が溶けた水の飽和水蒸気圧は純粋な水よりも小さくなる

→ 雲粒cloud droplet形成: 微小な水滴 → 上昇気流により空気中に浮遊可能
発達 → 雲形成(過冷却雲 supercooled cloud)
雲分布 = 毎時間 + 3, 9, 15, 21 h(= 高層気象観測)は30分後も観測し雲移動から上空風向・風速推定

氷晶生成: 大気温度 < 0°C + 水蒸気量が氷面に対し過飽和 → 大気中に小さい氷の結晶できてもよい

氷粒子成長過程: 水蒸気昇華(温度・密度により形状異なる) + 過冷却雲粒補足 + 凝集
Case. 過冷却水supercooled water (過冷却の水滴)がある種の微粒子と接触し凍結

純粋過冷却水: -33~-41°Cで自発的に凍結 → -40°C以下雲中: 過冷却水非存在 = 雲は氷晶で構成

Case. 過冷却水滴に含まれる微粒子が核となって凍結

ある種の微粒子に直接水蒸気が昇華してエンブリオ(氷晶の芽)embryoをつくる

氷晶核 (s.l.): 氷晶の芽の生成を促す微粒子

冷たい雲: 雲粒凍結し氷晶となる雲 → 冷たい雨(日本付近の降水の8割) ⇔ 暖かい雲

寒冷地帯の雲や、気塊が激しい上昇気流により急冷されてできた雲

混合雲
  1. 雲粒 = 水 + 氷晶
  2. 暖気と冷気の混ざった雲
Clouds Clouds
Clouds Clouds

雲の分類

→ 層(Ex. 上層雲) + 形状(巻雲) + 高度(m) + 特性

雲列 cloud street: 雲の列そのもの

雲底 cloud base: (積乱雲等の)雲の一番低い所

層状雲: 上層雲 + 中層雲 + 下層雲 → 層状性 stratiform

雲形(雲級)

雲をその形状により分類
十種雲形: 世界気象機関発行「国際雲図帳」で雲を大まかな形から10の「類」に分類したもの

類 > 種 (形の特徴や雲塊組成等) > 変種 (雲塊配列、雲不透明度 opacity) > 副変種 (部分的特徴や付随する雲)

対流雲 (垂直発達雲) convective cloud
雲底は、普通、下層にあるが、雲頂は中層・上層まで発達していることが多い。ただし、これらも下層雲に分類される
積乱雲(俗, 雷雲、入道雲) cumulonimbus, Cb: 高度 最大 12000 m

強日射 → 上空冷気と強い上下対流混合 → 対流圏下-上層に鉛直成長した対流性雲
→ 頂上部分が氷結晶となり絹雲・絹層雲を作ることがある
→ 驟雨(強いにわか雨) (通り雨 scud)
組織化された対流 organized convection: 積乱雲による雨が長時間続く場合の要因

金床雲(かなとこぐも) anvil: 成長した積乱雲 → 頂上部分広がり平らになる

積雲 cumulus, Cu: 高度 600-6000 m

晴れた日に表れる。上面ドーム形、下面水平
雲粒直径小さく高密度なため白く見える → 発達 = 雄大積雲 cumulus congestus

ショワルター安定指数 Showalter's Stability Index, SSI: 示数対流雲発達予報資料に使用

850 Paの空気を断熱的に上昇 → 500 hPa時点での周りとの温度差を1°C単位で表す

最初は乾燥断熱線に沿い上昇させ、凝固高度に達したら湿潤断熱線に沿い上昇させる

SSI = 正(+) = 温度周囲より低 → 浮力は押さえられ大気は安定
SSI = 負(-) = 温度周囲より高 → 大気不安定で雷雲等発生しやすい(-3°C以下の時は、雷雨に注意)

下層雲
対流圏下層に生じた雲 – 海面に接し空気が霧を作り、持ち上げられ雲となったもの


温帯 地面付近
熱帯

層雲(霧雲) stratus, St: 高度 300-600 m

霧が地面と間を置き生じる → (灰色-薄墨色の雲)霧雨原因
→ 霧 fog: 雲が地表にある Ex. 山地

層積雲 stratocumulus, Sc: 高度 < 2000 m, > -5°C

団塊状。小型積雲が浮力失い水平に棚引き、次の積雲がそれより少し高くまで頭を持ち上げる

(低層)乱層雲 altostratus, nimbostratus, Ns

= 雨雲・雪雲。連続した雨・雪伴う

中層雲
低気圧近づき(比較的広範囲のゆっくりとした)上昇気流の一番強い層にできる雲
高層雲(おぼろ雲) altostrarus, As: 高度 2000-6000 m

層状に一面に広がった雲。氷-水
普通、中層に見られ、上層まで広がっていることが多い

(中層)乱層雲 nimbostratus, Ns

高層雲が上下2-3層生じ、その隙間を対流性の雲がつないだ状態
普通、中層に見られ、上層・下層にも広がっていることが多い

高積雲 (羊雲) altocumulus, Ac: 高度 極 2-4 km ↔ 温帯 2-7 ↔ 熱帯 2-8

高層雲上空に他の雲がない場合にブロック化したもの

上層雲
対流圏上端に発生した雲 Ex. 飛行機雲
極 3-8 km ↔ 温帯 5-13 ↔ 熱帯 7-18
巻雲* cirrus (Mares' tails), Ci: 高度 > 6000 m, < -25°C

* 以前は絹雲と称した: 「巻」の当用漢字読みから「けん」が除外された頃に「絹」を当てた → どちらでも良いが、巻雲が望ましい
氷結晶成長し落下し筋(縞) streakを作る

巻層雲 cirrostratus, Cs

一面が氷結晶で埋まった状態

氷のプリズム作用 → 太陽を中心に(11°), 22°, 46°にハロー(光輪)
うす雲、太陽や月の暈の原因 (幻日 parhelion, Sun Dog: 日暈に現われる光点)

巻積雲(鱗雲, 鰯雲, 鯖雲) cirrocumulus, CC: 高度 5000-13000 m

絹層雲が時間経過につれ対流セル発生(ブロック化した)状態 = 小白色の斑雲


基本形 類         種                変種

上層雲 巻雲a   Ci 毛状雲, 鉤状雲,   もつれ雲, 放射状雲,
                  濃密雲, 塔状雲    肋骨雲, 二重雲
                  房状雲
       巻積雲b Cc 層状雲, レンズ雲, 波状雲, 蜂巣状雲
                  塔状雲, 房状雲    二重雲, 波状雲
       巻層雲  Cs 毛状雲, 霧状雲
中層雲 高績雲c Ac 層状雲, レンズ雲, 半透明雲, 隙間雲, 不透明雲,
                  塔状雲, 房状雲    二重雲, 波状雲, 放射状雲,
                                    蜂巣状雲
       高層雲d As                   半透明雲, 不透明雲, 二重雲,
                                    波状雲, 放射状雲
       乱層雲e Ns
下層雲 層積雲f Sc 層状雲, レンズ雲, 半透明雲, 隙間雲, 不透明雲,
                  塔状雲            波状雲, 放射状雲, 蜂巣状雲
       層雲g   St 霧状雲, 断片雲    不透明雲, 半透明雲, 波状雲
対流雲 積雲h   Cu 扁平雲, 並雲,     放射状雲
                  雄大雲, 断片雲
       積乱雲i CB 無毛雲, 多毛雲

副変種: a) 乳房雲. b) 尾流雲, 乳房雲. c) 尾流雲, 乳房雲. d) 尾流雲, 降水雲, ちぎれ雲, 乳房雲. e) 降水雲, 尾流雲, ちぎれ雲. f) 乳房雲, 尾流雲, 降水雲. g) 降水雲. h) 頭巾雲, ベール雲, 尾流雲, 降水雲, アーチ雲, ちぎれ雲, 漏斗雲. i) 降水雲, 尾流雲, ちぎれ雲, かなとこ雲, 乳房雲, 頭巾雲, ベール雲, アーチ雲, 漏斗雲
乱層雲は下層雲に分類される場合もある
バースト burst
積雲・積乱雲 = 強上昇気流で形成 → 時間経過 → 逆に下降気流が観測されることがある

ダウンバースト downburst: 下降気流中、地上に災害を起こす極端に強いもの Ex. 90 m/s

地上付近に吹き降ろした後、地面に衝突し水平方向に広がる
マイクロバースト microburst: 小型, 広がり < 4 km
マクロバースト macroburst: 大型, 広がり ≥ 4 km

発生原因
  1. 積乱雲中膨大な水滴落下 → 空気下方に押される
    + 水滴周辺空気に摩擦 → 水滴から余り離れない
  2. 蒸発熱による冷却 evaporating cooling: 落下中の水滴が乾燥空気層を通過時に急激に蒸発 → 蒸発熱奪われ、さらに温度低下 → 水滴およびその周辺の密度増加 → 下降気流速度増加 If. 雹や霰が混じっていたら氷が一気に蒸発する際の昇華熱が奪われ、さらに下降気流強まる
風下波(山岳波) lee wave
山越え気流中に、山岳の影響で発生する定常波
強風が山脈吹き越える → 山脈風下側で強い下降気流 + 反動の上昇気流が波状につらなり定常波形成

cloud

  • レンズ雲 lenticular cloud (abbrev. len.): 輪郭明瞭なレンズ型。巻積雲、層積雲に現れる。山の近くや風の影響でできる雲で、風が吹き始める前兆 precursor (前触れ harbinger)なことも多い
  • つるし雲 = ロータ雲 + レンズ雲 → ぎれ雲 pannus, a rag of cloud, ragged low clouds, scud cloud
  • 波状雲 (畝雲) ribbed cloud, undulatus, wave cloud: 波のような模様がある雲
  • コンマ型雲 comma cloud: ","の形をした雲組織
  • 目の壁雲 (壁雲) eyewall cloud: 巨大な積乱雲の群れが台風の目を取り巻いた状態
  • 尾流雲 (降水条) falls streaks, virga: 高度に関わらず雲から大量の雲粒が落下 → 地上に達しないうちに蒸発・昇華 → 発生
  • 片層雲 fractostratus: 層雲からちぎれた雲

エアロゾル (aerosol)


= エアゾール
化学: 分散相 = 固体か液体またはその両方 + 連続相 = 気体(通常は空気)であるゾル

降水 (precipitation)


大気中水分

Def. 飽和: 水面から出る分子数 = 入る分子数 (≡ 平衡状態) → 平衡水蒸気圧 equilibrium vapor pressure

Def. 飽和水蒸気圧: 飽和時の水蒸気分圧 → Tのみで決まる → 水の沸点決める

Def. 湿度 humidity: 空気中に含まれる水蒸気量

飽和水蒸気量 saturated vapor conten, vmax: 空気1 m3が含められる最大水蒸気量(g) → 温度関数
Tetens (1930)の式: 温度(t, °C)での飽和水蒸気圧(E(t), hPa)-水蒸気量関係式, E(t) = 6.11 × 10(7.5t/(t + 237.3)

Def. 水蒸気密度 water vapor concentration, ρ ≡ 単位体積あたりの水蒸気量 water vapor content
Def. 絶対湿度 absolute humidity: 1 m3に存在する水蒸気質量(g), a = 217 × e/(t + 273.15)

気温により上限決まる → 一般に冬小、夏大
Def. 飽和水蒸気密度: 飽和時の水蒸気密度
→ 過飽和: 飽和水蒸気密度を越えた状態 → 小さい水滴ほど過飽和度高くないと平衡状態維持できない

Def. 露点 dew point (露点温度 dew point temperature, Td): 飽和水蒸気が形成される上限温度

Def. 露(しずく) dew: 地面・地物等に水蒸気が凝固し水滴となり付着(草木の葉のみにできたものを除く)

Def. 氷点 frost point, ice point: 水の凝固点

Def. 結露 dewfall: 空気中の水蒸気が露になる現象 → 湿気 damp(ness)

Def. 湿数 = TTd → 湿数↓ = 湿度↑ → 高層天気図で用いる (通常TTd ≤ 3°C → 存在)
Def. (相対)湿度 relative humidity = (露点飽和水蒸気量/その温度での飽和水蒸気量) × 100 (%)

→ 水蒸気量そのものではなく、空気の湿り具合示す
湿度測定法 hygrometry: 湿球温度計使用

Def. 混合比 mixing ratio, w = ρd

ρd: 乾燥空気密度 → 気体の状態方程式 → w ≈ 0.622ρ/p
p » ρwq: 空気塊移動し温度・圧力変化しても混合比は変化しない → 気象学でよく用いる

Def. 比湿 specific humidity, q = r/rw

rw: 湿潤空気密度

Def. 凝結高度 lifted condensation level: 空気塊断熱過程上昇 → 温度下降し相対湿度100%時の高度
雲粒(雨粒)成長 = 拡散過程 + 併合過程 coalescence

拡散過程: 水蒸気過飽和空気中で、水蒸気分子が水滴に向かい拡散し水滴上に凝結していく過程

質量m増加割合 = dm/dt ∝ 水滴半径 r, ∝ 過飽和度
半径r増加割合 = dr/dt ∝ 過飽和度, 水滴半径rには反比例
Def. 暖かい雲: 半径小さいほど半径増加割合は大きい。雲中がどこも0°Cよりも高く氷晶を含む雲
このような雲から降る雨を暖かい雨と呼ぶ(熱帯地方でよく降る)

→ 雨粒 = 1000 μm (1 mm) ↔ 雲粒 = 10 μm
この大きさの雲粒は拡散過程のみでは10分間で14 μmまでしか成長できない
↔ 熱帯地方では雲発生から30分-1時間程度で雨が降り出す → 拡散過程のみで雨粒を作るのは無理
→ 暖かい雲の中で少数の雲粒だけが急速成長し、雨粒となる過程を考える
空気 = 粘性体 → 水滴が空気中を落下する速度は水滴の大きさにより異なる

r (or v)小(= Re小) → 物体の受ける抵抗力 = 6πηrv (η: 粘性係数)
Re → ∞: 粘性ない ⇔ Re → 0: 粘性大

始め、速度小さいため速度増しつつ落下 → 速度大きくなり抵抗力が重力と釣り合い落下速度一定 →
Def. 落下の終末速度 terminal velocity: 速度一定となったときの速度
6πηrVt = mg, 水滴を球形とするとm = (4/3)·πρwr3Vt = 2ρwr2g/9η
→ 水滴半径大きいほど落下の終末速度大
∴ 他水滴より大きくなると落下速度増し、次々と小水滴に衝突し取り込み加速しつつ落下(併合過程)

Def. 雪snow: 空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の降水
降雪様式: 結晶大きさ、形は雪の成長・形成過程の状況で変化

吹雪 snow storm: 横なぐりに降る雪 < 暴風雪(ブリザード) blizzard: 激しい風を伴った降雪
驟雪 snow shower: にわか雪
霧雪 snow grains: ごく小さな白色で不透明な氷の粒が降る現象

結晶形状: 星状、角柱状、板状 + それらの組み合せ + 不規則 → 気温 > -5°C: 結晶は一般に雪片化
雪片snow flakes: 雪結晶が多数ついた状態で降る → 多くの雪
単独結晶: 結晶が個々離れ離れの状態で降る
rain 第1段階形成期 第2段階成熟初期 第3段階成熟後期 第4段階消滅期

図2. 雷雨に伴うガスフロント生涯段階
(Wakimoto 1982)。点は降水粒子存在
を示す

雨雲: 基本的には全ての雲が潜在的に降雨可能

クラウドクラスター: (対流)雲集合体 → 水平規模数100 km
氷雪圏 cryosphere: 地表・地中・大気で0°Cより低い場所

降水セル(対流セル): 周囲より降水多く、内部では概ね一様な地域 = その降水をもたらす塊の積雲

水平範囲 = 2-20 km, 寿命 = 数十分
雷雲セル: 雷雨をもたらす対流セル
メソ高気圧(雷雲高気圧): 発達積乱雲下にできる小規模高気圧

降水バンド(雲バンド) rain band: 長く連なる降水地域 → 降水セルが帯状に連なること多

スコールラインsquall line: 降水バンド長が100 km以上並んだ状態

温帯低気圧の寒冷前線の前方100 km付近に現れること多く、激しい雨や、雷雨、突風gustを伴う

ガストフロント(突風前線, 陣風前線) gust front: 突風gust吹く先端結ぶ線 Case. 積乱雲発生 → 数10 km進行
  • 冷気外出流 cold outflow: 積乱雲成熟期-衰退期に発生した冷下降気流が地表面に当り放射状に流出
  • 第1段階(形成期): 成熟期の積乱雲の雲底から雨粒とともに冷たい下降気流が降りてくる
  • 第2段階(成熟初期): 下降気流は勢いよく地表面にぶつかり水平に広がっていく。ガストフロント渦巻く
  • 第3段階(成熟後期): ガストフロントは衰弱期の積乱雲から遠ざかりつつある
  • 第4段階(消滅期, 時に): 母体積乱雲は消滅後でも冷たい空気からなるガストフロントだけは遠方まで伝わる

降水量 (amount of) precipitation


潜熱latent heat移動
Def. 雨・雪・霰・雹等、雲から降った水の量 → 雪・霰・雹等は溶かし雨とまとめて水深をmm単位で表す

水に換算した体積を単位面積で除した値をmmで表す
1時間降水量/日降水量/月降水量 → 測定期間(時間)を示し表す
気象庁: 1967年までは0.1 mm、現在0.5 mm単位で記録 (UTC基準 = 00, 03, 06, ···)

Def. 雨量: 雨量のみ (Def. 降雪量: 雪の量のみ)
観測機器
= 雨量計(雨量計測器 rain gauge (gage), raingage): 貯水型雨量計、転倒升型雨量計等

雨量計観測降水量 = 一定時間中に雨量計に入った雨、雪、霰、雹等を水にした体積合計
= 降った(物質としての「水」)の量が降水量 = 液体 + 固体(融解し加える)
気象庁の雨量計の受け皿の直径は20 cm、HOBO WSは15.4 cm

雪: 降雪量は降水量とし雨量計で観測 + 積もった量は積雪量とし積雪計(超音波積雪深計・雪尺)で観測

積雪は気温や地表の温度に左右され、また雪と雨では密度が異なるため

Def. 積雪 snow cover(age): 固形降水が、観測場所周辺の地面の半ば以上を覆う現象
日本: 降雪・積雪多 → 西高東低気圧配置: 日本海側 = 降雪 ↔ 太平洋側 = 晴天強風

森林への影響: 最深積雪、雪害の形で現れる負の影響大

林内積雪: 林型、樹種、粗密度、樹高等の林分状態に左右される

林外に比べ少: 針葉樹林 = 積雪最盛時60%程度。落葉広葉樹林 = 90%

針葉樹林では日射遮られ、融けにくく林外より遅れ融雪 snowmelt

日本海寒気団収束帯 Japan Sea polar airmass convergence zone, JPCZ

日本海上で寒気の強い吹き出し → 北西季節風は朝鮮半島北東端の白頭山(> 2000 m)により2分 → 風下側日本海で再び合流 = 「収束 convergence する」
大気収束 = 行き場失い上昇気流発生 → JPCZ形成 = 日本海に1000 kmの対流雲列形成
JPCZに沿い形成された対流雲は上空の風に流され日本海側(北陸・山陰地方)にぶつかり大雪発生

里雪: 日本海側沿岸平野地方多雪現象 → 気圧傾度緩み日本海沿岸にメソ低気圧生じると発生し易い

強い山雪型の季節風が吹く前段階で、日本海を低気圧が通過 → 等圧(高)線袋状 = 袋状雲・渦状雲
→ 里雪 Ex. 山陰沖メソ低気圧, 輪島沖メソ低気圧 → 寒冷渦

霧氷 rime = 樹霜 + 粗氷

樹霜: 水蒸気昇華 → 針状・板状・樹枝状の結晶
粗氷: 気温零度に近い時出来る、半透明-透明な結晶で、樹木以外の地物等にも付着

雷雨 (lightning storm)


雷雲 thunder cloud (= 雷を発生する雲) → 積乱雲主 → 条件付不安定な成層で安定確保過程で発達
一般場の風: 直接雷雨に関連した運動を除く大規模スケールの場の風
鉛直シア: 風向・風速を含めた一般場の風の高度での変化割合
気団性雷雨: 一般場の風の鉛直シア弱 → 広地域や平野のあちこちに発生
個々の対流セルは発生・発達・衰弱という特有サイクル

[発達期: 雲全体上昇気流 = 雲上方発達] → [成熟期: 発達した降水粒子落下で下層に下降流発生] → [消滅期: 雲全体下降気流]

巨大雷雨

マルチセル型 multi-cell: 複数の組織化した対流セル(発達段階の異なる複数セル)で構成
スーパーセル supercell型: 近定常状態1巨大雲塊 → マルチセル同様、強鉛直シア状況で発達

ストームに伴う流れは3次元的性格
フックエコー

気団性雷雨の対流セルの寿命が30分-1時間に対し、巨大雷雨のストームは数時間に及ぶ
→ 風の鉛直シア強 → 上昇域と下降域が分かれるため
種類 types of thunder
古語・方言 = いかづち、ごろつき、かんなり、らいさま
(稲妻): (自然現象)上空-地上間に電位差 → 放電により閃光や轟音 = 雷 → 雨だと発生しやすい

稲光(雷光): 雷によって発生する光

雲間放電 cloud to cloud lightning, CC; inter cloud lightning, IC; cloud flash, CF: 雲内での放電
対地雷 cloud to ground lightning, CG: 雷雲から地面への放電

上向きと下向き、正極性(+CG)と負極性(-CG)あるため対地雷は4種類となる

中間圏発光現象: レッドスプライト等の雷雲上空の発光現象
落雷 cloud-to-grand discharge
→ 落雷地点ground stroke

熱雷: 積乱雲が発達し発生。好天の午後に発生する雷は2-3日続く
界雷: 発達した低気圧や寒冷前線通過 時に発生(季節・昼夜差ない)。2時間以下多く、注意すれば回避可
熱界雷: 熱雷・界雷混合型(1夏2-3回) → 大雷雨が長時間続く危険な雷で、一番警戒必要

雷サイン
早朝から日差し強く下界の雲海の流れが早くから始まり、午前中に3000 m級稜線までガスがかかると注意
山の山腹や山麓(山間部)で、午前中から水蒸気が多くなって、視界がぼやけてきたら注意
盛夏期に、早朝から秋空のように青く澄みきった空の状態となる時は注意 → 上空に冷気が入ってきている
各地の天気予報で「雷雨」という天気予報が出ていたら一応注意
ラジオチェック = 携帯ラジオにノイズが入るようになったら注意(FMバンド除く)

→ 雷発生予想・接近予報発令 → スイッチ入れ空電有無チェック → ノイズ間隔で雷の近さも判断可

異常気象 (abnormal weather)


偏差(例外) anomaly

平均値からの差 → 極端にずれているものを指すことが多い
Def 1. 過去30年間の気候に対し著しく偏りを示した天候 (気象庁)
Def 2. 気候因子が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象 (WMO)
原因
外的( Ex. 火山噴火) + 内的 (ブロッキング現象、エルニーニョ、ラニーニャ)
北極振動 arctic oscillation, AO
北半球で最顕著な半球規模の大気の偏差構造(Thompson & Wallace1998)

= 北半球環状モード northern hemisphere annular mode, NAM
11月-4月間(冬季)の海面気圧偏差の月別平均中で最も卓越するモードを抽出した時の形状
近年その偏差構造が顕著な長期的傾向示す
Def. 北極振動指数 (AO index): 北半球(≥ 20°N)の海面気圧の第1経験的直交関数(EOF)

各点の主成分分析(= 経験的直交関数empirical orthogonal function, EOF)における第一主成分得点

+ 北大西洋振動north Atlantic oscillaiton, NAO → AO/NAOパターン

天気 (weather)


ある場所における、ある時刻か一定期間の大気状態
天候
1) 天気と気候との中間的概念
2) ≈ 天気: ある程度の広さのある地方や、そこの季節も含めた意味

総観気象学 synoptic meteorology

総観的見方 synoptic view = 天気図 (総観図 syonoptic chart)から天気把握

GMS (geostationary meteorological satellite 静止気象衛星 Ex. ひまわり
VIS (visible 可視光), IR (infra-red 赤外光) IRにより雲の温度分かる
天気図と気象の本 国際気象協会

気象衛星観測: 静止気象衛星数5 → 日本付近観測 = GMS (geostationary meteorological satellite) ひまわり

2003.5.22 (9:00JST): ひまわり5号(GMS5)観測装置不具合 → 観測終了
→ 15:00JST: 155°E-赤道上移動する米国静止気象衛星GOES9 (パシフィックゴーズ)観測引き継ぐ → 2005.7まで担当
→ MTSAT (運輸多目的衛星)

MTSAT-1R: (2003年打上予定だった) → 2005.2.26 打上 → 3.8 静止軌道に入る → 愛称 = ひまわり6号

ひまわり: 姿勢制御に100回転/min → 回転利用し西-東へ走査観測(25分で北端-南端走査完了 = 1画像)

センサ部 visible and infrared spin scan radiometer, VISSR: 各波長エネルギー量測定
可視画像 VIS: 0.55-0.90 μm

水平解像度 (km): 直下点(赤道、東経140°) 1.25, 日本付近 南北約1.7

赤外画像 IR: 10.5-11.5 μm, 11.5-12.5 μm (窓領域)
___________6.5-7.0 μm (水蒸気吸収帯)

水平解像度 (km) 5, 日本付近 南北約 7

取得可能情報
  1. 雲分布(厚さ・高さ等の雲特性含む)
  2. 雲の場所の海面水温分布(IRによる)
  3. 雪氷、特にオホーツク海海氷分布
  4. 上層風(雲移動から)
  5. 気温・水蒸気量鉛直分布(NOAA-TOVSによる)
  6. 低気圧・前線・台風の中心位置・発達段階・程度(雲分布から)

気象庁

1875 (M 8): 東京気象台(内務省地理寮量地課)とし発足
1887 (M 20): 中央気象台, 改称 (M28, 文部省付属機関移管)
1939 (S 14): 県に属す官署を国所属にする(S18, 運輸通信省移管)
1956 (S 31): 気象庁として運輸省外局に昇格
2001 (H 13.1): 国土交通省外局(中央省庁再編) – 現時

任務: 大雨や暴風、地震と津波、火山噴火等の自然現象と、それに伴う災害を監視 → 予報・警報を行い、災害予防、交通安全確保、産業興隆等に寄与

気象庁 (現組織) = 気象台(管区気象台 + 地方気象台 + 航空気象台 + 海洋気象台) + 測候所(測候所 + 航空測候所) + その他施設

その他施設 = 気象研究所、気象衛星センタ、高層気象台、地磁気観測所、気象大学校

気象庁観測

1. 地上気象観測: 測候所(観測地点station) → 気象庁へ送信 → 気象庁で全国観測結果まとめる

a) 測器: 風向風速、気圧変化傾向 pressure tendency、気温、露点温度、降水量、日照時間、日射量等

百葉箱 (instrument) screen: 観測用鎧戸つき白木箱 → 直射日光を避けた気温 screen temperature

b) 目視: 大気現象(気象特性発現時刻、強さ・状態、終了時刻)、視程、雲(雲形、雲量、雲高)等

2. アメダス(地域気象観測システム) automated meteorological data acquisition system, AMeDAS

利点: 高観測密度 + 近リアルタイム
1時間毎測定 → 気象観測センターへ送信
全国約1300ヶ所 (間隔平均17 km)

4要素(風向・風速、気温、雨量、日照量) = 840ヶ所(平均間隔21 km) + 雨量のみ(460ヶ所)
多積雪地方では積雪も観測 (約200カ所)

3. 海上気象観測: 海上特有 → 海面水温、波浪、海氷や船舶への着氷状態等

海面水温: 海面から1-2 mの深さまでのよく混合した海水の温度
波浪計: 船舶取りつけ → 数分間に観測された波の高さと周期を統計処理し有義波高や平均周期計算

欠点: 風浪とうねり区別できず、波向は不明

4. 航空気象観測: 航空機離着陸安全確保目的 → 迅速対応必要

観測結果: 直ちに空港内の航空管制機関や航空会社等に通報 + 気象庁を通じ他空港に送信
風: 滑走路付近で観測(10分間平均) + 風変動大な時は10分間最大・最小瞬間風速や風向変動範囲も観測 + 2分間平均風も常時記録監視 (→ 航空機離着陸に微細風変動も影響) 視程: 空港周辺目視観測 + 滑走路視距離観測装置により滑走路視距離(パイロットが滑走路標識や灯火を見える距離)観測
通常気象観測要素(Ex. 気温、大気現象)も視程・滑走路状態に関係 Ex. 雲量・雲形の他に、雲底高さを目視及びシーロメータ(真上発射光パルスが雲底で反射され戻る時間を測り高さを求める装置)で観測
航空気象上の現地気圧 = 滑走路上3 m換算値 Cf. 海面上3 m換算値 → 高度計規正値(QNH)

5. 高層気象観測: WMO勧告 = 観測間隔 → 陸上300 km、海上1000 km

高層気象観測官署 = 国内18ヶ所 (全世界約850ヶ所, 海洋上(特に南半球)不足)

結果 → 直ちに気象庁本庁通報(指定気圧面値(高さ、気温、湿数、風向・風速)と特異点値を分け通報)
指定気圧面: 1000, 925, 850, 700, 500, 400, 300, 250, 200, 150, 100, 70, 50, 30, 20,10 hPaになる面
特異点: 指定気圧面の値だけで表現しきれないような急な鉛直方向の変化を示す点

Ex. 上下隣接指定気圧面間: 気温逆転temperature inversion点。風向・風速変動点

観測直後の通報には湿度の代わりに湿数(気温 – 露点温度 = T - Td)を使用

風に流される気球位置追跡 → 風向・風速求める

a) 気球観測: 観測気球 balloon-borne instrument は1時間程度かけ高度30km位まで上昇する過程で観測

レーウィンゾンデ観測: 00, 12 UTC (9,21 JPN)に観測(気圧、温度、湿度計)

高度: 静水圧式を用い地上気圧、観測データから計算
風向風速: 時間毎の気球位置のずれから計算

レーウィン観測: 06, 18 UTCに観測(風向・風速)

b) 気象ロケット観測: 高度30-60 km中層大気観測 (2001.3月末打切)

週1回(原則水曜日)観測 → 日本: 岩手県気仙郡三陸町綾里観測所で観測

c) 航空機機上観測: パイロット報告 + 自動的報告
d) 電波高層観測(プロファイラ)

気象庁はウインドプロファイラ全国配備(WINDAS, wind profiler network data accuisition system)

風(音波観測)のみだが、10分毎の高密度データ → レーウィン観測(6時間毎)補完
→ 空のアメダス機能期待

6. レーダー観測 RAdio DitEction and Ranging, rader: 電磁波発射し目標位置を測定する装置

レーダ探知範囲 = 数100 km → 目視でも天気図でも把握しにくい「メソスケール現象」観測に適
気象レーダー方程式: レーダー仕様定数, c, ε, τ等の常数をまとめCと表すと簡単

平均受信電力, Pr = (CL2/r2Z (Zを求めたい)

Z: レーダー反射因子(降水粒子特性関連項) = ΣD6 (D: 単位体積中の降水粒子直径)

Z-R関係式: Z (mm6/m3)-降雨強度 R (mm/hr)間の統計的関係式

Z = BRβ (B, β: constant → 降水種類により異なるが B = 200と β = 1.6が代表的)

a) レーダー・アメダス rader AMeDAS

解析雨量図(レーダー・アメダス観測図): レーダー測定全誤差をアメダス雨量計測定値と比較し補正

レーダーで測定されるのは降雨強度 → 1時間積算し雨量計の毎時雨量と比較補正

→ レーダー・アメダス解析雨量図: 補正により作成される

前1時間降水量が5 km格子毎(2001.3より2.5 km)に記号図示 (2003.6.2より30分毎作成発表)
アメダス捕捉できない局地的豪雨 localized burst (土砂降りdownpour)も捕らえ、見逃し減った

レーダー: (利点) 空間分解能↑ (日本海上カバー) ↔ (欠点) 観測誤差↑
AMeDAS: (利点) 直接観測 → 誤差↓ ↔ (欠点) 低分解能/観測点陸上のみ

2観測法の欠点を相互補完し、利点を生かすためレーダーアメダス解析雨量を作成

レーダーエコー(多くはノイズ)

地形エコー: 山岳等からの反射エコー → パルス変調除去
エンゼルエコー(晴天エコー) clear air echo, CAE: 大気屈折率の乱れからの反射
海面エコーsea clutter: 波や飛沫からの反射 → 海が荒れるほど強
スパイラルバンド: 台風等の熱帯性低気圧を観測したときに見られる螺旋状のレーダーエコー
ブライト・バンド(融雪層): 氷晶雲(冷雲)中で落下する雪結晶が融け雨滴に変化 → レーダー波を良く反射するため強いエコーが観測されるその層のこと
海面反射 sea clutter

b) 気象ドップラーレーダー: ドップラー効果利用し、降水粒子速度のレーダー方向の成分測定

ドップラー効果: 降水粒子のレーダービーム方向速度成分 → 送信電波周波数と反射電波の周波数変化

+ 3箇所以上のドップラーレーダー観測 → 速度3成分(xyz)分かる → 降水範囲の移動速度測定

動径速度: 正負(風向が観測点に近づく(遠ざかる)向き)分布から空気の発散divergenceや渦を見出せる

天気予報 (forecast)


予報

誤差を伴う情報 → 予測可能性 predictability: 「意味ある予測が可能」な時間的限界(コスト-ロスモデル)
Def. ガイダンス: 予報官の「天気への翻訳」を助けるための資料
「古い」資料の計算結果(最新も5時間前)  予報者: 常に数時間以上新しい実況資料持つ(はず)
→ ガイダンス: 平均値的予報になりやすく、顕著な現象の量的予想不十分
→ 予報者: 定量的予報に弱点持つが、パターン認識や現象の層別化の判断優れ、実況に即応可
ガイダンスに囚われすぎずガイダンス出力と実況とを常に照らし合わせ考える
連続図 successive chart: 気温、気圧、気圧の谷、低気圧中心位置を東西方向に数日に亘ってプロット

全体的変化、移動状況把握 → 将来予想
+ 他の等値線(等風速線isotach、等温線、逆転層、圏界面等)、物理量分布解析 → 天気予想

MOS (most output statistics)手法: 数値予報モデルの出力outputを統計処理した資料
気象要素(予測因子, 説明変数) → 天気要素(被予測因子, 被説明変数) → 重相関式

客観解析で得た解析値(形式: 格子点値grid point value, GPV) → 数値予報初期値に使用
イニシャリゼーション(初期値化) → 数値積分の立上がりノイズを減らすため実施
長所: 系統誤差は自動的修正(数値予報位相誤差は修正されない) → 天気翻訳精度高
短所: モデル更新時に1-2年のデータ蓄積必要(予報モデル更新時に対応遅れる)

1996.3: カルマンフィルターとニューラルネットワークを利用したMOS手法によるガイダンス作成開始
PPM (perfect prognostic method)手法: 実況値(あるいは数値予報初期値) → 天気要素

長所: 数値モデル更新不要
短所: 精度MOSより低

KLM + NRN: (カルマンフィルター, KLM) + (ニューラルネットワーク, NRN): 重相関式とほぼ同精度
カルマンフィルター(KLM): 線形関係式(重相関回帰式)
ニューラルネットワーク(NRN): 未知関数(数値予報モデルと実況とを結ぶ関数関係)に漸近 →

実況と数値予報結果との統計的関係式を逐次解析、学習しながら日々最適な予報値を見出す
長期間の数値予報結果の蓄積を待つ必要ない (数値予報モデル変更に柔軟対応可能)
大雨確率・量的予想等の非線形式が重要要素でも精度向上期待

1. 短時間予報(ナウキャスト): 短期予報より短く、地域的にも小スケール = 数値予報図判読難しい

降水短時間予報図: 初期時刻の細かい1時間雨量分布図の外挿が基本 → 1時間毎に3時間先まで作成

気象庁計算機更新され、降水短時間予報は5 kmメッシュで6時間先まで行う

2. 短期予報

地点確率: Pr(1 mm ≤ 降水) → 地域確率: Pr(30 mm ≤ 大雨for 3 hr)
局地現象: 水平範囲 = 数 km-100 km × 垂直範囲 = 数 m-数 km

寿命数分-半日程度の局地的な気象現象

Ex. 局地風、竜巻、雷雨、ヒートアイランド、集中豪雨

おろし: 強風をもたらす山から吹き下りる局地風

Ex. 空っ風(関東), やまじ(愛知), 六甲おろし(関西)

山背(やませ): 初夏-夏に北日本太平洋側で吹くオホーツク高気圧からの北東風

= 低温多湿 → 雲多くなり日射量不足(冷害や凶作)

3. 中期予報 (週間天気予報)
4. 長期予報 (季節予報)

Ex. アンサンブル予報ensemble forecast
1例数値予報は高気圧・低気圧位置、天気の時間的推移予測不可 → 初期値に僅かなバラツキ与え複数例数値予測 → 平均(アンサンブル平均)化 → 個々例中の誤差同士打ち消しあい平均大気状態予測可能

→ 長期予報(1ヶ月程度)に用いた
→ 気象庁NAPS(数値解析予報システム)更新 → 週間予報もアンサンブル予報導入

数値予報

予報確率: 現象発生確率を数値で示した予報
主観解析 ≈ 経験則
客観解析: 大気運動 = 物理法則成立 → 観測値 = 初期条件 → コンピュータ数値解法(時間積分)

理論的に大気状態を予報化 → 数値予報
品質管理: 誤差(測器 + 人為 + 伝達) → 誤差除去・修正データを格子点grid point上に内挿

手順
  1. 気象観測データの品質管理と客観解析 = 初期値作成
  2. 大気の数値モデルを用いた時間的数値積分
  3. 天気への翻訳等各種予測製品 (予想天気図、ガイダンス等)作成 = 二次的加工
数値モデル Ex. GPV, 波動関数, スペクトルモデル, σ座標系(σ = p/ps)

改良点: 数値予報 - 5日以上先になると誤差大きくなる
→ 1. 解像度(分解能)高める + 2. 物理過程表現を現実に近づける + 3. 初期値精度高める

数値予報モデル (気象庁使用, 2001.3以降) (mo: month)
forecast
予報精度評価
1) 量的予報 (Ex. 日最高・最低気温、日最大風速、日最小湿度)

→ 予報誤差 = 予報値 - 実況値

平均予報誤差(偏差, 平均誤差) = Σ(FiAi)/n
平均2乗平方根誤差 root mean square error, RMSE = √(Σ(FiAi)2/n)

Fi: 予報値, Ai: 対応する実況値, n: 予報回数

ブライアスコア Brier score = Σ(FiAi)2/n = RMSE2

→ 確率予報精度評価によく利用 (Ex. 降水確率)
Fi: 予想確率, Ai: 現象生起 = 1,
不生起 = 0 → 0に近いほど予報精度高

2) 質的予報(カテゴリー予報) (Ex. 降水有無、各種警報)

→ 分割表による評価

  Ex.  降水 予報
            あり 無し 合計  的中率 = (a + d)/n
  実況 あり  a    b     n1  見逃し率 = b/n
       無し  c    d     n2  空振り率 = c/n
       合計  m1   m2    n   スレット・スコア = a/(a + b + c)

スレット・スコア critical success index, CSI: トルネード等、稀にしか発生しない現象の予報精度評価に有用


天気図 (synoptic) weather chart

1919 ビャークネス J (ノルウェー, 当時21歳): 現在の地上天気図基本型作る
1939- 第二次世界大戦 - 高層気象観測: 航空技術発達に伴い必要となる
1970- 大気運動を流体力学方程式として表せる – コンピュータ発達

地上天気図(等高度面天気図)

ある等高度面(通常0 m)における気圧分布を元に作成
速報天気図, SPAS: 解析前に作成され高低気圧・等圧線・前線のみ記述
地上解析図, ASAS: SPAS + 各観測地の気象状況、霧域、強風域を記述
地上予想天気図, FSAS: 実況天気図・高層天気図を元に解析
風力
ビューフォート風力階級 (Beaufort scale of wind force) = 気象庁風力階級 (ビューフォート風力階級を翻訳したもの)

wind speed
風力階級記
号(
気象庁)

旋風(つむじ風) vortex: 突発的に起こる風 → 柱の直径小さく、軸は大体鉛直で、高さは変動

地面近くの空気が非常に不安定で、地面が日射で強く加熱されたりすると発生

塵旋風: dust whirl, sand whirl, dust devil: 地面から吹き上げた塵・砂が、柱状に時にまき散らし旋回する現象
風向 wind direction
風が吹いてくる方位 ⇒ 10 min平均 (航空 2 min平均) - 風向計(wind) vane, anemoscope
国際式風向: 真北(基準) = 0° → E = 90°, S = 180° [時計回り360方位] + 無風状態(方位不定) = 0

時計回り veering (-に向きを変える veer) ⇔ 反時計回りbacking (-に向きを変える back)

方位関連用語: 北(東・南・西)風方向 northerly/easterly/southerly/westerly, 南西方向southwestward

天気予報 weather report, weather forecast

high surf warning
2018年10月29日留萌管内強風
波浪警報発令中 (苫前)

現在天気 present weather → 予測 (天気を良く当てるweatherwise, adj)
警報: 重大な災害が起こる恐れのある気象状態時に警戒呼びかけ – 気象業務法
注意報: 災害が起こる恐れのある気象状態時に注意呼びかけ – 気象業務施行令
大雨洪水 (大水spate)・風雪・大雪・強風・波浪・高潮・雷・乾燥・濃霧・着雪・着氷 – 各地域毎に基準値設定

Ex. 大雨洪水基準値: 過去被害データを元とした基準時間と基準雨量からなる

東京地方(除, 多摩西部地区): 大雨洪水注意報 = 雨量/h(予想) > 30 mm → 警報 = 雨量/h > 50

表現
落ち着いた天気 settled weather ↔ 悪天 hazardous weather, significant weather
hoar-frost (氷結frost): 大気中水蒸気が昇華し、地面・地物に付着した氷晶(氷結晶) ice crystal

一般に鱗状、針状・羽状・扇子状

霜柱 ice columns: 地中の水分が柱状の氷の結晶となり、地中か地面に析出したもの
結氷 freezing: 屋外にある水が凍る現象
黄砂 yellow sand: 主に大陸黄土地帯で吹き上げた多量の砂塵が空中飛揚し、天空一面を覆い、徐々に降下する現象。甚だしい時は天空黄褐色となり、太陽光輝を失い、雪面色づき、地物の面に砂塵が積もる

高層天気図(等圧面天気図)

高層 altiform, upper-air 気象観測(レーウィンゾンデ)データから作成
地上天気図と異なり、ある等圧面(Ex. 500 hPa)における気象要素を書き込み天気図作成
等圧線の代わりに、等圧面の等高度線を引くことで圧力分布を表現(高度高 = 高気圧)

表. 等圧面(hPa)とその高さ(km): 天気予報は500, 700, 850 hPa面多用

    等圧面 100    200    300    500   700    850
    高度    15     12     10      5.5   3  1-1.5

850 hPa → 寒冷前線発達予測
500 hPa → 低気圧(トラフ、リッジ)発達予測

特徴
単位 kt
  1. 高度は極に行くにつれ低 → 極は低圧部
  2. 風は等高度線にほぼ平行
  3. 等高度線間隔狭 = 風速強 → 地衡風の関係成立

天気(気象庁)

15種類 → 大気の異なる様相捕らえる → (晴れ + 雨)ありうる → 下記のより後ろの種類採用

雲量 cloud cover: 空面積に対し雲面積が占める割合 → 0(無雲)-10(青空なし) + 不明 obscured = 11段階

天気種類 状態 (記号)
不明 obscured (O)
快晴 fair: 雲量 0-1 (F)
晴れ fine: 雲量 2-8 (F)

薄曇 slightly overcast: 雲量 9 + 巻雲、巻積雲または巻層雲が多い

曇り cloudy: 雲量 9-10で上記以外 (曇天 overcast: 雲量 10) (C)
煙霧 haze: 肉眼不可視な乾いた微粒子(Ex. 黄砂・煙)が大気中に浮遊する現象 (C)

視程 visibility < 1 kmか全天が覆われる

砂塵嵐 dust storm: 砂塵嵐のため視程 < 1 km (D)

ハブーブ haboob: サハラ砂漠の砂嵐 sand storm

地吹雪 snow drifting: 地吹雪のため視程 < 1 km (S)
霧 fog: 霧か氷霧のため視程 < 1 km (F)
霧雨 drizzle: 細い水滴(φ < 0.5 mm)のみ(一様に)降る – 粒浮遊見える (D)
雨 rain: 水滴(φ ≥ 0.5 mm)が降る (F)

F: にわか雨(驟雨) (rain) shower, R: 雨強し

霙 (みぞれ) sleet; 雨と雪が混ざった降水 rain and snow mixed (S)
雪 snow: 結晶状態の氷滴が降る (S)

S: 雪強し

霰(あられ) graupel: φ < 5 mmの氷滴が降る(graupel = graupel pellet) (G)
雹(ひょう) hail: φ ≥ 5 mmの氷滴が降る (H)

雹粒子(ひょうの粒) hailstone → 雷電と関連

雷 thunder: 過去10分以内に雷光lightningか雷鳴thunderがあった (T)

T: 雷強し
雷電thunderstorm: 電光が見え、雷鳴が聞こえる急激な放電

霧 fog

微小水滴が大気中に浮遊する現象(冷湿, 相対湿度 ≈ 100%) = 凝結核多
→ 水平視程 < 1 km
低い霧 low fog: 視程 < 1 km、天空は微かに見える薄い霧
地霧 shallow fog: 視程 > 1 km、地面近くに霧
氷霧 ice fog: 水蒸気が凍り細かい氷結晶となったもの → 空気中の水滴が凍り霧のように見えるもの
種類
移流霧 advection fog: 暖湿空気warm moisture-laden airが地表・海面上移動 → 下層部冷却 = 霧

モンスーン霧: 安定風卓越predominant期間に湿暖気が冷地表上に移動 Ex. 沿岸(6-8月釧路)
海霧 sea fog: 海上にできる
熱帯気団霧: 海洋性熱帯気団中にできる

放射霧 (輻射霧) radiation fog: 地表に接する空気が(放射冷却で)冷却し形成
混合霧: 気温の違う2つの湿空気塊の混合により形成
逆転霧 逆転層下にできた層雲等の雲底が下がり地上に達し形成
蒸発霧: 暖水面上の冷・安定空気塊が、水面蒸発で水蒸気補給を受け飽和し形成

蒸気霧 steam fog: 冷空気塊 → 低温度地表上で強冷却 → 安定気層になり水面上移動時に形成

Ex. 極地方で定常的に発生しやすい

前線霧 rontal fog (s.s.): 前線に沿い2つの空気塊が混合して形成 - (s.l.)は以下の2つを含める

温暖前線霧: 温暖前線通過に先だち冷空気が雨の蒸発による水蒸気の補給を受け形成
放射霧: 前線の通過後、雨で湿った地表上に形成

滑昇霧 (上昇霧) upslope fog: 山腹を吹き上げる空気の断熱過程での膨張による冷却で形成

靄 (もや) mist

微小な水滴か湿った吸湿性粒子が大気中に浮遊する現象 → 水平視程 ≥ 1 km

靄中相対湿度 < 100% (霧より小)。靄は一般に多少とも灰色がかる

スモッグ smog
霧と煙が混じったもの (塵煙霧: 記号 = S)
氷霰 small hail
驟雨性降水で発生 = 半透明氷の球状粒(時に円錐状の尖り)の降水

φ = 5 mm (稀 φ < 5 mm)
粒簡単につぶれず、堅い地面にあたると音をたて弾む
全体(部分)的に隙間が、氷(氷と水)で満たされた単に薄い殻が凍結したような雪霰でできる
= 雪霰と雹の中間状態 → 比較的高密度 = 0.8g/cm³ (稀0.99g/cm³)
区別: 部分的に滑らかな表面と高密度で雪霰と区別/粒小さいことから雹と区別


観望天気

周囲の気象状況(雲・風向・風速等)を眺め天気を予想すること
  • 夏の朝、赤雲が出ると夕立が降る → 大気中に湿気多く、雄大積雲や積乱雲が発生しやすい
  • 太陽や月に暈がかかると雨 → 太陽や月に暈がかかる時は巻層雲が出現していて、低気圧の接近が多い
  • 月の色が薄白いのは雨 → 既に上層雲が発生したか、上空水蒸気が多くなっている
  • 北から曇れば雨 → 寒冷前線接近中
  • 米櫃に飯が付くと晴れ → 空気乾燥してきている
  • 雷3日 → 熱雷発生すると3日位続くことが多い
  • 虹が川をまたぐと雨 → 周辺で降雨
天気と諺 lore
利用不適なものある(殆どは諺が使われる地方でのみ通用する特殊なもの)

= 経験則: 高信頼度の諺は天候判断補助に使える → 観天望気を諺だけに頼るのは危険

観天望気に利用できる諺
  • 北風が南風に変わると雨 → 気圧の谷の接近にともない、谷の前面に入る
  • 早朝暖かい時は雨 → 天気悪化し放射冷却で夜間の冷え込み弱い。低気圧暖域に入る

[ 海洋気候 , 水害 ]

海洋気象 (ocean weather)


海洋気象学 marine meteorology

海面よりも上の大気現象と大気現象が海洋の表層水と深層水に及ぼす影響、海洋表面が大気に与える影響を研究

大気 ⇐ 相互作用 ⇒ 海洋 → 大気-海洋系 → 気象学 + 海洋学 + α

[過去] 航海・漁業の安全と経済に貢献する応用科学 → 天気予報 + 海況予報
1959 世界気象機関(WMO): 基礎科学として重要

海洋-大気間熱収支、水(水蒸気)収支、運動量収支、海流・波・潮汐・潮流

水圏 hydrosphere

水の分布と組成: 水の量の98% = 海洋(海洋面積は地球全表面の70.8%)

天然水 = 純粋(H2Oのみ) + 他の物質
Ex. 海水 – 世界の海は互いにつながり組成はほぼ一定

水の変体と移動: 基本的には水 → 氷(極) → 蒸気

海水の動き: 海流ocean currents, 潮流tidal currents, 潮汐tide
表. 海洋と陸地における降水量と蒸発evaporation量 → 水の海洋-陸地間循環のもと

                降水量(103 km3)  蒸発量(103 km3)
        海洋       297              334
        陸地        99               62

→ 差の37 × 103 km3は河川水として海へ移動

ocean 海洋: 海水(塩分) ← (流入) ← 河川

海水塩分と河川塩分量(/年): (海水塩分量)/(河川塩分量) = 海の年数 → 海からは水だけ蒸発し塩分残る
計算から海の成立年代は数千万年

→ 化石等から求める海年代と矛盾
⇒ 物質循環を考慮していない

密度流(浮力流) density current: 海水密度の差によって生じる海流

季節によって水面の加熱・冷却が異なり、水温差が生じることによって起こる流れ = 密度に起因

夏季: 水面加熱し上層水温が下層より高くなり成層状態
冬季: 水面冷却し上層水温が下層より低 → 上層の浮力が重くなり下層へ潜ろうとする力働く = 鉛直混合

月齢

朔(新月)時刻 = 0.0 → 起算した各日正午までの経過日数

朔(= 1日, ついたち)から次の朔までの周期は29.530589日

朔(新月) new moon: 月の黄経が太陽の黄経に等しい時 ⇒: 旧暦(陰暦)の朔
望(満月) full moon: 旧暦で朔から約15日後 = 満月

大潮(俗): 朔期間同様、この頃に極大の満潮high astronomical tideと干潮の潮位差

ocean

潮汐 (sea) tide

海面の昇降現象 = 潮 [潮 = 朝のしお, 汐 = 夕方のしお]
起潮力 tide-generating force , tide-producing force (= 潮汐力tide force)

潮力エネルギーtidal energy: 月・太陽等の引力が地球上の各地点で異なるため生じる潮汐を起こす力

潮力の出力 tidal power

分潮 component tide, constituent: 起潮力を三角関数の和とし表わした時の個々の周期変動

4大分潮: 実用上重要 (気象庁推算潮位計算は、60の分潮を使用)

主太陰半日周潮 M2 + 主太陽半日周潮 S2 + 日月合成日周潮 K1 + 主太陰日周潮 O1

波浪 waves (うねった wavy, adj): 風により起こる波 → 風浪 + うねり ⇒ それぞれの波向、周期、波高により表現

1. 風浪: 場(海域 ocean basin)で吹く風で起こる波 → 波長 = 数m-数10 m

漣(さざなみ) wavelet: 風が吹き立つ小波

2. うねり(大波 surge): 他海域発生波 → 伝播 = その海域が無風でも残る波 → 波長 = 数10 m-数100 m

風浪の向きはほぼ風向と一致 ↔ うねりの向きはその海域の風向と一致するとは限らない
波向: 波の来る方向(風向同様)
周期: 波の山から山(谷から谷)までの時間(平均値)
波高: 波の底(谷)から山(山から底)までの高さ(平均値) = 副振動の最大全振幅
有義波高: 波浪計でn個の波(≈ 100)観測 → 波高の高いほうからn/3個の波高を平均した値
平均波高: 有義波高の約0.6倍、1000波に1波は有義波高の2倍近い波が現れる

潮位(潮高) height of tide: 波浪等の短周期変動を平滑し除いた海面高を、各種基準面から測った値

気象庁: 潮位観測基準面から測定した値公表
天文潮astronomical tide: 潮汐分類の1つで主に月や太陽の起潮力による潮汐

気象庁では推算潮位として、潮汐予報値を計算し、「潮位表」として発刊

推算潮位: 天文潮を予報した潮位(気象庁発刊「潮位表」掲載)

潮汐予報(推算) prediction of tide: 観測値から調和分析で潮汐定数求める → 潮汐予測計算
潮位表 tide tables: 海岸における満潮と干潮の時刻および潮位の予報値を1年分記載した表

日本国内各地点の推算潮位値等を記載
1931 気象庁「潮汐表」とし発刊 → 1942 「潮位表」と改めた(海上保安庁発行「潮汐表」と区別)

潮位偏差: 平滑潮位(実測潮位)と推算潮位との差 = 天文潮以外のあまり周期的ではない潮位変動を示す

気象庁式: 潮位偏差 = 実測潮位 – (推算潮位 + D)

D = 最近5ヵ年年平均潮位 – 潮位表基準面(年平均潮位下)

高極潮位 H.H.W.L: 統計期間中最高潮位中の最高潮位 ⇔ 低極潮位 L.L.W.L.: 最も低い潮位

処理方法により平滑値と瞬間値がある

日潮不等 diurnal inequality: 普通1日に2回ずつ現れる満潮(干潮)潮位が一致せず、著しく異なる現象

Ex. [極端] 1日1回しか満潮と干潮が現れなくなる
月公転軌道面と地球赤道面とが一致せず、ある角度を持つため発生

高潮: 低気圧の影響で海水面高くなる現象 = 発生機構: 吸い上げ効果 + 吹き寄せ効果

吸い上げ効果inverse barometer effect: 気圧勾配(海水流動) → 低圧部 = 海面上昇 → 高圧部 = 低下

海面が吸い上げられるよう変動
海水流動の終わった状態(静的状態) → 1 hPaの気圧低下で0.99 cmの海面上昇

吹き寄せ効果: 強風による海面でのせん断応力作用により海水が流動することで生じる水位上昇

流れが陸地等の固定境界で堰止められ起こる海水面上昇 = 強風で海水が陸に吹き寄せられ発生
[釣り合い] せん断応力 = 水面勾配 → 海水流動静止(定常状態)
⇒ 海面上昇量は風速の2乗、海域の長さに比例、水深に反比例

測定所
検潮所(験潮場、験潮所、水位観測所) tidal station

= 検潮小屋 + 検潮井戸 + 導水管 + 検潮儀 + 水準標石等で構成

検潮儀(検潮器、験潮器、験潮儀、水位計): 潮位測定のために用いる測器

気象庁: フース型(浮き式)検潮儀使用 → 長期巻式(LFT) + デジタル式(DFT)

潮流 tidal current, tidal stream

潮汐の干満に伴い水平方向に周期的に運動する海水の流動
潮汐波: 2つの側面 = 海水上下運動 + 海水流(横運動)
  • 月に関連する潮の呼称: (旧暦日 目安)
  • 大潮high (spring) tide: 朔か望の前後で、Max(D)が現れる時期 (14-17, 29-2)
  • 中潮: 大潮と小潮の中間にあたる潮 (3-6, 12-13, 18-21, 27-28)
  • 小潮neap tide: 上弦か下弦の前後でMin(D)が現れる時期 (7-9, 22-24)
  • 長潮: 干満の間隔長く、潮の動きが非常に緩やかな潮 (10, 25)
  • 若潮: 長潮の翌日にあたり干満差が次第に大きくなる潮 (11, 26)

D = 満潮-干潮の潮位差
望潮位: 望の前2日後4日の期間に満潮(か干潮)中から選んだ最高(か最低)潮位
⇔ 朔潮位: 朔の前2日後4日の期間に満潮(か干潮)の中から選んだ最高(か最低)の潮位

水面波 (波浪waves・波wave)

(海等の)水面の上下運動やうねりが伝わること = 水面運動伝える波動の一種

⇒ 物理学上の波動理論成立 = [屈折、回折、反射、透過、減衰等の性質] + [海の波特有の性質]
波パラメータ:
波速 C = L/T

波長 = L, 周期 = T, 水深 h, 水面波形 η
振幅 a = H/2, 波高 = H

微小振幅波: 水面変動の振幅が水深に対し十分小さい波

→ 微小振幅波理論: その仮定における理論

⇔ 有限振幅波: 波高がそれほど小さくない波 ⇒ 有限振幅波理論

水深による波の分類

深海波(沖波) deep water wave
浅海波 wave in transitional depth
極浅海波(長波) shallow water wave, long wave

津波 tsunami: 地震に伴う海底地形変化や火山爆発により発生する海の長周期波 → 気象庁「津波記録整理表」

周期, 波高 → 波浪に順ずる
高さ: 平滑曲線か推算潮位から山までの高さ(谷は関係ない) [気象庁  (谷から山の差/2)を速報値]

防波堤 brealwater, seawall (土手levee): 外海からの波を防ぎ、港の中の災害を防ぐために築く堤
フッター