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(2013年2月10更新) [ 日本語 | English ]

調査区 (plot)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

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調査区設定 plot establishment

時間・空間的変化 (spatio-temporal change)に伴う植物群落・個体群の変化が明らかにできるよう設定 → 場所・サイズ
→ 調査区サイズ(plot size)は解析・解釈に大きく影響
  1. 地形的連続 toposequence
    空間上の植生変化: 時間の流れは模倣的に成立と仮定 Vegetation changes over space - assumed to mimic time。この仮定が成り立つことの検証に困難が伴い、成り立たないことも多い,br /> Ex. glacier, riverside, bogs, sand dunes, etc.
  2. 時間的連続 chronosequence
    異なる(と推定される)年代の生息地の連続(Sample in habitats of different ages or inferred ages)
    array data by ages
    array data by species composition - 間接環境勾配分析 (indirect ordination)
    array data by other methods (e.g., environmental conditions)
    同じ生息地で非撹乱的に繰り返し調査を行う (repeatedly sample same habitat by non-disturbance methods)
索引
設置個所
  1. ランダムに抽出点を決め方形区設定 - 客観的方法
  2. 規則的に抽出点を決め方形区設定
  3. 自らの判断で最も必要な所に方形区設定 - 主観的方法 = 調査目的、データー処理法等に応じ採用
方形区数も、実験計画法に従うサンプル数を得る方法はあるが確定した基準存在しない
測定項目による調査区区分
  1. リスト: 植物種リストを記録
  2. 数度: 植物種記録と同時に数も測定
  3. チャート: 個体の分布様式、大きさ、広がりなどを測定
    森林: 個体ごとに樹冠直径・樹高などを測定 → 樹高・基底面積分布
    草原: 各種個体数、草丈等を測定 → 個体現存量など
  4. 永久: 方形区を一定の場所に固定したもの。継続観察が可能であり直接証明ができる

調査区サイズ (plot size)


 種組成を知る上での調査では、調査区はその植物群集を代表させるのであるから、調べる群集の主構成種が含まれる最小面積(minimum area)以上の大きさを必要とする。

最小面積決定法

均質群集中に小方形区をとり、その中の植物出現種数記載 →

現実には、均質群集などあるわけはないが

面積を2倍4倍と段々増やし、新たに現れた植物種数を面積別に書き加え、種数面積曲線作成 →
曲線が水平に近い直線に変わる所から垂線を下ろし調査面積軸とぶつかった点 = 最小面積
経験的には目的とする植物の最大高よりも大きなサイズにする (植物社会学)
植物社会学調査における経験的な方形区サイズ (北大式)
    植物層          高さ     調査区サイズ
    コケ            < 5 cm   10 × 10 cm²
    一年生草本      < 1 m    1 × 1 m²
    多年生草本      < 2 m    2 × 2 m²
    低木            < 4 m    5 × 5 m²
    亜高木          < 8 m    10 × 10 m²
    高木(含亜高木)  > 8 m    20 × 20 m²

方形区 (quadrat)


= 方形枠
正方形の他に短形のもや円形のものも指す(s.l.) → 形状や面積は、調査対象に応じ決定される

山腹斜面で等高線に沿い方形区を設け調査する場合は、正方形より等高線に沿う一辺を長辺とする短形の方が適切な場合がある

植生研究で広く用いられる

チャート方形区

本質的には帯状区法において帯が正方形となっただけ
Chart
チャート式方形区による空沼岳山頂部ハイマツ群集記載

接線法 (線状区法)

1群集内に唯1本の線を設定し、この線に触れた植物のみを記録 1) 単に線に触れたか触れないかだけの記録
2) 線に触れている部分の長さを記録。測定結果に基き頻度と被度は次のようにして求められる

(1) 頻度 = (その植物の種類が触れた回数)/(触れた植物の総回数) × 100
(2) 被度 = (その植物の接線の長さの総和)/(全線状区の長さ) × 100

線状区: 異なった植生間や群集間に連続して一本の測定線を設定したもの
接線法や線状区法による被度算出: 森林調査では余り有効性を持たない → 方形区法や帯状区法が適切

帯状区 (belt transect)


帯状区法

帯状区は1あるいは複数の群集立地を横断し設けられる帯である。植生差が明瞭な2地点間で、立地条件や環境要因の変化と関連して植生変化が明らかな場合には方形区を撒布するより具体性と有用性に富む。

Ex 1: 海岸砂丘植生で海浜から砂丘ハマナス植生そして内陸カシワ林へと変化するような所で海浜からカシワ林へ帯状区を設定。
Ex. 2: 山岳地帯で植生の垂直分布をみるには、頂部から麓部へ帯状区を設定
海岸植生では5-10 m幅帯状区を用いても森林植生では50 m × 10 mでなければ効力がないように、サイズは目的により適宜変えるが、経験的には5 m幅以上の帯状区設定は実行困難

バイセクト法

帯状区内にみられる樹木の側面と、平面投影図を固持に表現する方法である群落同志間あるいは群落タイプ間の比較を行なったり、群落の構造を解決する場合有用な方法である。森林植生調査において最も有効性を発揮する。側面像表示には、スケッチ風に表示する方法と模式的に表示する方法とがある。

 北大原始林ベルトトランゼクト (80 m × 10 m) 1984年8月28日
 1984年ということは4年生の時ですか。明らかな同定ミスもあるけど、そのままにしておこう。半日かかっただろうか。

belt transect ag: Acer ginnala var. aidzuense (カラコギカエデ), am: Acer mono (エゾイタヤ), eo: Euonymus oxyphyllus (ツリバナ), fm: Fraxinus mandshurica (ヤチダモ), kp: Kalopanax pictus(ハリギリ), mb: Morus bombycis (ヤマグワ), mk: Magnolia kobus var. borealis (キタコブシ), pa: Phellodendron amurense (ヒロハノキハダ), qm: Quercus mongolica var. grosseserrata (ミズナラ), sr: Sambucus racemosa ssp. kamtschatica (エゾニワトコ), ud: Ulmus davidiana (ハルニレ), vw: Viburnum wrightii (ミヤマガマズミ)

帯状方形区法

帯状区法の変形。一定面積の方形区を一本の線に沿い規則的間隔(100 m毎等)で設定し、そこで記録をとる。広大な地域の植生調査や植生図作成の際には有用な方法

永久調査区 (permanent plot)


 時間的変化を追跡調査するために設けたれた継続調査を行うための調査区。ただし、調査区デザイン・項目や調査間隔は様々である。 ⇔ クロノシークエンス (chronosequence)

追跡中の永久調査区 (permanent plots under survey)

サイト期間調査形態参考
有珠山山頂部1977-78年噴火跡地 1983- 2 m × 5 m方形区. 1994年以降は5 m × 5 m方形区に拡張 Tsuyuzaki 2009
有珠山山麓2000年噴火跡地 2000- ライントランゼクト法. 総長470 m
渡島駒ケ岳山頂部1996年噴火跡地 1996- 400 50 cm × 50 cm方形区 Tsuyuzaki & Hase 2005
渡島駒ケ岳南西斜面カラマツ 1997- 16 20 m × 20 m方形区 (3年間隔), 樹高30 cm以上の全高木の毎木 Akasaka & Tsuyuzaki 2009
内陸アラスカ2004年森林火災跡地 2005- 16 10 m × 10 m方形区内に各6 1 m × 1 m方形区 Tsuyuzaki et al. 2014

連絡先

P

長期生態学研究 (Long-term ecological research, LTER)


1980年: 合州国で長期生態学研究プログラム設立 (種生物学会 2006)
1993年: ILTER(国際長期生態学研究プログラム)設立
2006年: 日本長期生態学研究ネットワーク (JaLTER)設立 → 日本の長期生態学研究サイト

目的
  1. 長期間調査データベース構築の必要性
  2. 蓄積されたデータの交流の必要性
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