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(2017年6月8日更新) [ 日本語 | English ]

火山学 (volcanology)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[研究史, 分布, 噴火噴出物 (テフラ , 溶岩), 火山地形, 各火山, 遷移]

火山学 volcanology: 火山、溶岩、マグマ等の地質学的現象を研究

火山 volcano: 地殻深部にあったマグマが水中を含む地表(近く)に移動しできる地形

火成活動: マグマ発生や移動を伴う現象全般 → マグマが地表に表れないもの含む(火山活動 ⊂ 火成活動)
火山活動 volcanic activity: 地下マグマや火山ガスが地表に達し、地上に放出される際に生じる動的作用

噴火現象 volcanic phenomenon: マグマが地表か地表近くに達し引き起こす全現象
噴火活動(火山灰噴出、溶岩流出等)、火山体形成(火砕物堆積含む)、噴気活動が噴火現象の中心

+ 温泉作用、変質作用、鉱化作用、火成岩体貫入

噴気作用 (噴気孔 fumarole: 火山ガスを噴出する孔 → 噴気孔ガスfumarolic gas → 火山ガス)

火山性地震 volcanic earthquake: 火山体か周辺に発生。震源深 < 10 km

前駆(先駆)地震: 活動噴火活動に先立って発生する地震活動

火山性地殻変動
索引
火山活動状態
  1. 非噴火期 non-eruptive
  2. 噴火前駆期 pre-eruptive
  3. 臨界状態 critical - 多くは臨界状態を経て噴火する(Kamo & Ishihara 1988)
  4. 噴火期 eruptive

Vesvio
Vesvio Volcano (Rittmann, 1936)

研究史 (history)


世界
哲学も関連したりする
欧州: ギリシア・ローマ時代-19世紀 (from Greek and Rome to 19th century in Europe) Plutonic theory

水成説(論) vs 火成説(論), 隆起火口説 vs 堆積説
Hulton: 火成論 plutonic theory

岩石学進歩: 偏光顕微鏡の発達。分類(Lowinson-Lessinp, 1897): e.g., ultra-basic, basic, neutral, acidic
火山学誕生 - 国際火山学協会(IAVCEI) 1919年発足

日本
1868:_____三原山・磐梯山等の噴火調査
1892-1925: 濃美地震 - 震災予防調査会 小藤文次郎 - 日本の主火山調査
1926-1945: 各地の大学が開設
1946-:____ 昭和新山・三原山の大噴火 - 火山学会再建

こういうのは徐々に作るもの

マグマ (magma)


マグマの起源と物理的特性 origin and physical characteristics of magma
Def. マグマ(岩漿) magma: 溶けた岩石 = [液相 + 固相 + 気相] の混合物 → マグマ溜りの存在推定

珪酸塩溶融体(45-75% SiO2) = 粘性 → 噴火現象・火山体の形決定 → 噴出時温度 = 900-1200°C (流体)

地質学的方法
包有物の熱変成の受け方

低圧変成である
Triassicが最も大きな熱変成を受ける

噴火活動 = 間欠的 + 規則性

揮発性ガス噴出 → 軽い成分とガスの混合物噴出 → 重い成分のマグマ噴出
→ マグマが溜まっている空間があると説明できる = 軽いものが上に重いものが下にある

地球物理学的方法
傾動観察 → 地殻変動
Magma
図4.14. ハワイ火山観測所(HVO)における傾動変化 (Decker & Kinoshita 1971)。傾斜1 μrad(マイクロラジアン)の増加は山頂部の隆起約8 mmに相当する。● 山頂噴火、○ 山腹噴火
(人工)地震観測
Magma
アラスカ半島Katmai Volcanoでの観測 - P波減衰
Magma
アラスカ、カトマイ火山地域で地震波の解析から推定されたマグマ溜り(窪田・ベルグ 1967)
火山構造
種々の火山モデル
magma
ハワイ火山の推定断面図
マントル上部で生じたマグマが地下深所の通路に供給される。上昇したマグマは、地下数kmのマグマ溜りを充たし、山頂カルデラおよびリフトゾーンから流出する。数字は、地震波(P波)の速度 (km/sec)。
model
図2.1. 地震波速度からみた内部構造とマグマの移動経路をもとにしたマグマの移動・上昇過程概念図

マグマ粘性 velocity of magma

粘性 viscocity: 流体の流動性の程度 ↔ 流動性
1) シリカ(SiO2): 主にシリカ(SiO2)の割合により粘性は決まる

粘性: 玄武岩質マグマ < 安山岩質マグマ < デイサイトマグマ・流紋岩質マグマ
SiO2含有率↑ → 粘性↑ (SiO42-イオン重合による) → 流れにくい

slope

粘性測定法
1) 棒を入れトルク計る radiation viscometer
2) v0 = ρgsinαh2/2μ

ハワイの溶岩は温度下がっても粘性余りあがらない
→ H2O加えると粘性大きく低下(特に酸性マグマほどH2Oの影響大)

2) 温度

magma 昭和新山 (SiO2 70%)
桜島 (59-61%)
三宅島 (54%)
三原山 (52%)
ハワイ (50%)
100 bar: 流紋岩質黒曜石(SiO2 72%)に水を加えた高温高加圧実験, 100気圧H2O 4.3%
200 bar: 流紋岩質黒曜石(SiO2 72%)に水を加えた高温高加圧実験, 100気圧H2O 6.2%
図. 溶岩の温度と粘性。()内は各溶岩珪酸量、破線は室内実験結果。(水上、マクトナルド、ショーら)
→ 温度が高いと粘性低い = 流れやすい

分布 (distribution)


マグマの主な上昇地域とその原動力
岩石の融点: 融点の異なる鉱物の混合物 ? 融点に幅

ソリダス: 溶け始める温度 → [数百Kの幅] → リギダス: 溶けきる温度

hotspot

日本の火山分布

活動中の火山: 現在800余(宇井1997) → 中新世 (Miocene) 以降で最も活発な活動は中央海嶺
1. ホットスポット hotspot
熱源 + 岩石組成 → 低密度岩石上昇流(マントルプルーム) → 火山活動(玄武岩質マグマ)

表7.3. 地域別爆発指数(morphologic
explosion index) (鈴木 1975)
地域___________鈴木 Rittman
島孤___________97___95-97
アルプス造山帯__77___41-83
大陸内部_______82_____-
大洋内部_______41___3-16
海嶺・リフト系___38___39-40
平均__________ 85____84

2. 島弧 island arc (ark)
活動的大陸線 = 環太平洋域に世界の62%の火山(地震エネルギーの8割)

島弧は爆発指数高い

沈降帯・島弧: 圧力解放 → 粘性摩擦発熱, → 揮発性成分供給(= 岩質多様) → 対流上昇

大陸地殻 = 沈降帯の火山活動による
火山フロント: 島弧火山帯の海溝側境界線 → 地下で水が放出される位置で決まる
2.9-8.6 km³/yr

マントルプルーム = 頭部 + 茎部
頭部: 地表に到達すると短時間(数百万年)で大量(106-7 km3)の玄武岩噴出 Ex .デカン高原
茎部: 数千万年にわたって継続的にマグマ噴出 Ex. ハワイ列島(ホットスポットトラック)

3. 大地溝帯 great rift valley
(中央)海嶺: プレート拡大(= 圧力解放) → 補償( = 対流上昇) → 橄欖岩が減圧融解 → 玄武岩質マグマ
海洋地殻 = 玄武岩質マグマ → 海水と反応し変性(含水鉱物を含む様になる)
プレート拡大速度によらず海洋地殻は組成・厚さ一定 → マントル温度・組成が定な証拠
総マグマ生成率 = 21 km³/yr hotspot
図4.14. 弧状列島の地震学的横断面。○: 震源、▽: 地震観測点、Qs: S波によるQの値。横線部は推定される液体の薄い層。ScS, ScSpはいずれも地震波の種類を示す(岡田 1977)

噴火 (eruption)


噴火タイプと規模 (types and scales of volcanoes)


噴火活動: 火山噴火原動力 = マグマ中に溶け込む揮発性成分

マグマ性噴火 (magmatic eruption)

炭酸飲料の栓を開けた時と同じ現象 = 地下深く高圧下でマグマに溶けた揮発成分が上昇に伴う圧力低下で解離 → 急激な体積膨張 → 噴火
高流動性マグマ
気泡移動しやすくマグマから容易に抜け出られ、マグマが爆発的に噴出することは稀
scale
高粘性マグマ
気泡移動しにくく、特に地表付近で気泡濃集しマグマ液体部分を裁断する。この過程が連鎖的に進行すると爆発的噴火となり、爆発に伴い粉砕されたマグマ片が噴出する
scale

マグマ水蒸気爆発 (phreatomagmatic explosion)

高温のマグマが地下水や浅海の海水に接触し、急激に気化し爆発

常温常圧下の水1 cm³は、1000°Cで約4500 cm³ → 急激に膨張
Ex. 1983年の伊豆諸島・三宅島噴火: 島南端でマグマが海水と接し爆発

水蒸気爆発 (phreatic explosion)

地下マグマ中水蒸気か地下水が熱せられ生じた水蒸気が蓄積し圧力を増し、水蒸気等の気体と火山体破片を爆発的に放出する現象 = 火山灰にマグマ本体の物質含まない

→ マグマを地表に放出する通常噴火と異なり、激烈な爆発で山体崩壊を起こす可能性

scale
図98. 重力場における流紋岩質マグマ中の水の平衡曲線。実線は水の飽和曲線、破線はそれぞれマグマ中の等水蒸気圧曲線を示す。ゴランソン(1937)の曹長石溶触媒体1000°Cの実験に基づいて(ケネディ 1955)

分類 (classification)


陸上噴火

火山地形
火山地形
図. 火山地形
0. 現在の地形で定義 (Schneider K 1911)
→ 成因を考慮しない (死語化, 日本の観光地で見ることがある)
トロイデ(鐘状火山), コニーデ(成層火山), アスピーテ(楯状火山), ホマーテ(臼状火山), ベロニーテ(火山岩尖), マール, カルデラ, ペジオニーテ(溶岩台地), ラピリ台地(火砕岩台地)
→ 形成過程異なるが侵食等により類似地形となることがある

Ex. 成層火山だが侵食で平坦化した偽アスピーテ

1. 過去に噴火した火山名をつける
理解し易いが人により注目項目異なる = 分類様々 (→ Table)
2. 噴火の高さ・軽石等で分類
a) 噴出物サイズ・物性等の組み合わせ
b) 噴出物の物性
i) 噴出物の物性
ii) 噴火の高さ
type
表6.1. 陸上火山の分類(体) (中村 1975 加筆)
単成火山(1輪廻火山): 一度の噴火で活動停止複成火山(多輪廻火山): 活動・休止繰り返す
中心火山 爆裂火口 explosion crater
マールmaar (scoria cone in maar)
火(山)砕(屑)丘 pyroclastic cone

火山灰丘ash cone (tuff cone)
軽石丘 pumice cone
スコリア丘2 scoria cone (噴石丘cinder cone)

溶岩流 lava flow, coulee
溶岩円頂丘 lava dome (lava dome in ash, pumice cone)
火山岩尖(尖塔) volcanic spine
アイスランド型盾状火山 shield volcano of Icelandic type
成層火山stratovolcano (composite volcano of Macdonald 1972)





火砕流台地1 pyroclastic flow plateau


ハワイ型盾状火山shield volcano of Hawaiian type
割目火山等 地割れ火口 eruption fissure
スパターランパート spatter rampart
火口列crater row
双子山twin domes
溶岩台地1 lava plateau

単成火山群cluster of monogenetic volcanoes

1: 単成あり。 2: 複成火山山頂に生じる場合はピットクレーターを通例持つ。Ex. エトナ火山東北クレーター、伊豆大島三原山

主な噴火形式
Iceland
アイスランド式 Icelandic
= 玄武岩流 basaltic flood, basaltic flow
割目噴火: 玄武岩質マグマが直線状の割目の群から勢いよく短時間に大量噴出する 噴火 → 溶岩台地

Ex. デカン高原

→ 氷床, 後氷期火山地帯, 広域割目火山, 中心噴火の火山(盾状火山・成層火山等)が見られる

アイスランド後氷期火山(トラリンソン 1960): 中心火口余りなく割目噴

Hawaii
ハワイ式 (盾状火山)
ハワイ島火山と歴史時代に流出した溶岩流が典型(マクドナルド 1955)

Ex. ハワイ: 中心火口からNE-SW方向と割目火口を通り麓から噴火する特徴

Three types
プリニー式_________________ブルカノ式______ストロンボリ式
→ 成層火山、砕屑丘等
ブルカノ式 vulcanian: 火口に塞がる既存岩体を水蒸気圧で吹き飛ばす → マグマが直接噴火(非溶岩)。andesite等。1回の噴出量多く休止期長い

熱雲 glowing cloud (nuee ardente): 700-1000°C, 7-10 m/sec, 火山ガス、ガラス、岩石片等混合物。噴出物余り出現しない(Pelee, s.s.)
プリニー式 (軽石噴火) Plinian: 一般にイメージする火山噴火。噴出物高、噴出物量共にvulcanianより大規模。最初出るのは分化の進んだpumiceで後basicになる。火砕流や、大規模噴火ではカルデラ形成を伴う

Anak Krakatau
Fig. クラカトア火山変遷(エッシャー 1928)。A: 1883噴火直前、B: 1883噴火直後、C: 1927以降現在。点線の円(直径約10 km)は古期カルデラ陥没前にあった旧山体の裾

カルデラ caldera
径 > 1 kmの火山性陥没地形 → 通常、爆発活動のみで形成不可 ↔ 火口 craterと区別

侵食カルデラ: 普通の火山体 → 風化浸食で火口が大きく広がる Ex. 湯河原カルデラ(伊豆) 陥没カルデラ: 溶岩等大量噴出 → マグマ溜まり埋める形で地表山体陥没 Ex. 箱根カルデラ, 芦ノ湖 爆裂カルデラ(≈ 大火口): 山体の一部が吹き飛ばされU字型の窪地形成 Ex. 磐梯山

外輪山 caldera rim, somma: カルデラを縁取る環状の尾根
中央火口丘: カルデラ内側に生じた新しい火山体
火口原 crater basin, caldera basin: 大火口やカルデラ内部が平坦になった所
水中噴火
Marine

火砕流 (火山砕屑流) (pyroclastic flow)


(s.l.) 火砕物(pyloclastic matrial)が一団となり、主に重力により駆動され高速で地表を流下する現象
(s.s.) 高温の本質火砕物質とガスの混合物の高速流 → 火山灰流、軽石流、岩滓流、熱雲を含む

pyroclastic flow

火山灰流(灰流) ash flow: 固形物質の50%以上が火山灰
軽石流 pumice flow: 軽石塊多。石英安山岩-流紋岩質のも多く、中-大規模火砕流であることが多い
岩滓流 scoria flow: 岩滓多。安山岩-石英安山岩質のもの多く,中規模火砕流であることが多い
熱雲 glowing cloud, glowing avalanche, nuee ardente: 比較的低発泡度の本質火山物質からなる小規模火砕流

Ex. 浅間山1783年(天明3年)噴出物: 熱雲 + 他の火砕流 → 溶岩流 (荒牧 1968)

Ex. フィリピンピナツボ山1991.6.15: 12 km離れたモラザとビラール集落 → 火砕流(+ 泥流)で完全に埋まる

火砕サージ surge: 火砕流流送に伴なう活発な乱流により発生

火砕流本体から離れ先端部の本体表面を包む

→ より気体に富み見かけ密度と粘性の低い流れ

火砕流本体より広がり薄く細粒の火砕物を堆積

火砕流のタイプ
プレー型熱雲________________________スフリエール型熱雲
Serge
大規模な軽石流・火山灰流
Serge

泥流 (mudflow)


山体崩壊と岩屑雪崩

山体崩壊
Ex. セントヘレンズ山1980: 大規模地滑りで山頂部を含む3 km³崩れ落ちる = 岩屑雪崩
Ex. 雲仙普賢岳1792: マグニチュード5クラスの直下型地震が引き金となり眉山溶岩ドームの一部崩落
Ex. 磐梯山

Bandai
図. 磐梯山1888年山体崩壊部(櫛形模様)と流下物(網目模様)分布(Nakamura 1978)。・: 流れ山

岩屑雪崩堆積物
従来、泥流堆積物と識別できなかったが、以下の2岩相から構成されることで識別可能

岩屑ブロック: 山体崩壊により供給源から地滑り運動によって運ばれてきた火山体の破片
岩屑雪崩基質: 直径100 mを超え、流れ山を作る。溶岩や火砕物の積み重なりなど原構造を残す

= mud avalanche, or lahar, = 土石流(砂防用語)
水分を含んだ泥物質または火砕物が斜面を流下する現象
火山泥流: 火砕物流下現象 (laharはJava火山帯で呼ばれる言葉)
. 火山泥流発生原因 (Modified after Blong 1984)
A. 火山活動に伴って発生する一次泥流
  1. 火口湖内での噴火による火口縁の決壊 (ケルート 1979, ルアペフ 1969)
  2. 高温噴出物による雪や氷河の急速な融解 (十勝 1926: 泥流は粘性低いため高速で60 km/h程度で進む → 原生林被害大、シラカンバ再生)
  3. 火砕流・岩屑なだれの水系への流入 (浅間 1783, セントヘレンズ 1980)
B. 火山活動が直接の原因ではない二次泥流
  1. 火砕物堆積後の大量の降雨 (サンタマリア 1902, 有珠 1977-78)
  2. 気温上昇による雪や氷河の急速な融解 (レニア 1947)
  3. 火口湖への火口壁の崩落 (ルアペフ 1953)
  4. 地震 (マウナロア 1868)
水蒸気爆発と火山泥流
Phreatic

噴火階級 (eruption scale)


噴火階級 eruption scale = 強度 intensityと規模 magnitude
規模 magnitude: 噴出マグマの体積(重量)
火山爆発指数 volcanic explosivity index, VEI: レベル = 0-8に区分

→ 噴出テフラ総量(m³)、噴煙柱高(km)、記載等データ(噴火タイプや継続時間等)を総合し決定
Case. 最近起こった噴火 → テフラ総量、噴煙柱高等の定量的なデータで求める
Case. 過去の噴火 → 「激しい violent」とか「おとなしい gentle」と言った記録中記述から推定

噴火マグニチュード (Hayakawa 1993), M = log10W - 7, W = 噴出マグマ質量(kg)

噴出マグマ総重量による区分 → VEIを溶岩噴出にも拡張したもの
Ex. 1 km3 = 2.3 × 1012 kg → M = 5.36
噴火放出エネルギー, E → log10E = M + 13.2

強度 intensity: 単位時間あたりに噴出したマグマ量
激度 violence: 爆発時の圧力、または噴出物の初速
散布力 dispersal: 噴出物が飛散した面積
破壊力 destructibility: 破壊された面積
死者数 body count

→ 独立のパラメータではない = 互いに関係をもつ
独立性が強い規模と強度で噴火の大きさを表現すると整理しやすく広く使われている

火山噴出物 (volcanic ejecta)


1. 火山ガス(噴火口ガス) volcanic gas

地表に噴出されるマグマ中の揮発成分
二次的に空気の混入のある場合を除くと、火山ガス中にはO2、SO3は検出されない

2. 溶岩 lava

溶岩化学組成。主にシリカ(SiO2)の割合により粘性は決まる。粘性は左から右に向かって高くなる
    -------------------------------------------------------
    岩石名 玄武岩*  玄武岩  安山岩   石英安山岩  流紋岩
    -------------------------------------------------------
    産地   ハワイ   三原山  桜島     昭和新山    新島向山
           キラウエ 1950-51 大正溶岩 円頂丘溶岩  円頂丘溶岩
           ア溶岩   年溶岩
    -------------------------------------------------------
    SiO2   50.52    52.45   59.01    68.89       76.02
    TiO2    3.63     1.47    0.72     0.47        0.12
    Al2O3  13.85    15.41   17.35    14.92       12.44
    Fe2O3   0.98     3.38    1.01     3.01        0.84
    FeO     9.77    10.03    6.14     1.78        0.22
    MnO     0.14     0.11    0.10     0.16        0.07
    MgO     7.07     4.62    3.57     0.90        0.17
    CaO    11.33     9.73    7.99     4.10        0.87
    Na2O    1.51     1.64    2.77     4.00        4.31
    K2O     0.47     0.34    1.51     1.03        2.88
    P2O5    0.22     0.12    0.22     0.24        trivial
    H2O+    0.04     0.51    0.12     0.12        1.66
    H2O-       -     0.15    0.16     0.32        0.11
    -------------------------------------------------------
    総計   99.53    99.96  100.67    99.94       99.74
    -------------------------------------------------------
a. パホイホイ溶岩 pahoehoe lava
= 縄状溶岩 ropy lava
溶岩流中粘性最低
溶岩気泡殆ど球状
= 表面が太い縄を束ねた様な形で固まっている溶岩 Ex. 富士山、大島三原山
溶岩トンネル
→ プレッシャーリッジ: 溶岩流表面殻が周りより1-5 m押し上げられできた丘。割目から2次的溶岩流出が見られることもある(パホイホイ溶岩に多)
Pahoehoe
b. アア溶岩 aa lava
クリンカ(溶岩破片) clinker: 噴泉時に流れ出る溶岩は気化熱奪われ、冷却しその表面から固化臨界温度に達するが、溶岩運動継続中だと、半固結した表皮に剪断応力が働き表面に多刺を持つクリンカが作られる
クリンカで表面を覆われた玄武岩溶岩。揮発性成分を多く持つマグマが噴出する噴火初期に作られること多
Aa
→ 溶岩ローブlava lobe: アア溶岩から派生した樹枝状地形。特徴的構造を持った沢山の割目が見られる
c. 塊状溶岩 block lava
噴出時の粘性はアアより大 → 表面は早く固結するが内部はしばらく流動 塊状溶岩(比較的連続性に富むもの)
Block
塊状溶岩(破砕度の大きいもの)
Block
図5.5. 溶岩流の内部構造を示す模式図(Macdonald 1972)
溶岩流中の気泡流: 溶岩流の流れる方向に向く = 溶岩の通過路が分かる

ビスコス溶岩流 viscus lavaflow: 流理構造や含まれる岩飼塊の流れた方向が分かる

水中溶岩 (枕状溶岩 pillow lava): 陸上との形状差に注目 周辺にある水の冷却効果 → 独特の構造発達
急冷却が顕著 = 放射状接合存在
ハイアロクラスタイト: ガラス質の細片 → 楕円体と楕円体の間
水中自破砕溶岩: 割目に水侵入 → 爆発的破砕 Lava
図5.7. 水中溶岩流模式図

Lava

d. 円頂丘 dome (lava dome)

3. 火山砕屑物(火砕物) (pyroclastic materials)

火山活動により地表に放出された破片状の全ての固体物質 (火山学, pyroclastic material, pyroclastics)
砕屑物質が火山活動によるもの (一般的な意味, volcanoclastic material)
テフラ tephra
噴火により空中を飛行し地表に堆積した全ての火山砕屑物

(Wentworth et al. 1932)

分類

volcanic ejecta
図1.6 火砕岩(pyroclastic rock)の分類 (Modified after Fisher 1966)

a) 固結した溶岩放出による火砕物 = 特定の外形持たない → 粒径による

火山岩塊 block________> 64 mm d (or > 32)
火山礫 lapilli__________64-2 (or 32-4) pyroclastic sediment
火山砂 volcanic sand___4-1_________(不使用)
火山灰 volcanic ash____< 2 (or 4)

b) 多孔質火砕物 =見かけ比重小 scoria

軽石(浮石) pumice: シリカ・ガス成分多 = 発泡・淡色
岩滓 (スコリア) scoria: ガラス成分多 = 黒色-暗褐色 (マグマから火山ガスが分離し発泡しながら固まるが泡量が少なく水に沈む)

c) 特定の外形を持つ火砕物
火山弾 volcanic bomb: マグマの飛沫が跳ね飛ばされ落下したもの

bomb
渡島大島の紡錘状火山弾
1979年9月採取 (2015年
6月17日函館気象台)

紡錘状火山弾: 空中で冷え紡錘状となる

牛糞状火山弾: 固結せず落下し衝撃で潰れた
パン皮状火山弾: 破片で飛散し内部発泡し表皮割り膨らむ

Ex. 有珠山: 大型低気圧通過に伴う噴出物堆積パターン変化 → 上空と地上で風向異なる
case
Ex. 十勝岳: 偏西風 → 空中分化作用(aerial differentiation)起こる

テフラ (tephra)


テフロクロノロジー(火山灰編年学) tephrochronology

テフラ → 短時間に広範囲分布。個々に特徴もち識別同定比較的容易。直接・間接に年代測定対象となる

過去の時間・空間の良い指標(遺物、遺構、地層、地形等の新旧関係や年代同定に応用)

示標テフラ: 既に噴出年代が明らかにされたテフラ

火山ガラス・遊離結晶等のテフラ粒子特徴、鉱物組成、屈折率等 → 露頭・遺跡土層断面テフラを比較同定

1971 Smith W: Low of superposition
1944 Thorarinsson S: テフロクロノロジー提唱

火山砕屑物、特に降下火山砕屑に基づく編年のこと
野外でのテフラ層序区分と追跡・同定が第一ステップ

北海道
Hokkaido

支笏火山噴出物 + 美々貝塚
曲隆運動
氷床
氷床粘土

日本: 第四紀後期テフラ層は数百枚ある

広域テフラ: 日本列島の大部分(各地方)を覆うテフラ。10層以上
Hokkaido
図4.6 数万-6000年前に噴火した広域火山砕屑物分布(町田 1977加筆)。Ah: アカホヤ火山灰, Ky: 幸屋火山灰, AT:姶良-Tn火山灰, Ito: 入戸火砕流, Osp: 大隈降下軽石, Aso-4: 阿蘇-4火砕流, DKP: 倉吉軽石, Pm-1: 御岳第1軽石, TP: 東京軽石, KP: 鹿沼軽石, Hp: 八戸軽石, Hpfl: 八戸火砕流, Spfa1: 支笏降下軽石-1, Spfl: 支笏軽石流, Opfa: 御鉢平降下軽石, Opfl: 同軽石流, Kpfl: 屈斜路軽石流, Ma-g-I: 摩周降下軽石, Ma-f: 摩周軽石流

北海道のテフラ

北海道の地表を覆うテフラとその特徴 (奥村 1991)
  • テフラ名: 分布区域 (特徴)
  • 渡島大島a統: 松前町,上ノ国町方面 (灰白色の細粒火山灰, 腐植層有り)
  • 恵山a統: 南茅部町,椴法華村,戸井町,尻岸内町方面 (淡灰褐-灰色の細粒火山灰, 腐植層有り)
  • 駒ヶ岳a統: 鹿部村方面 (軽石礫,上部灰色,細粒火山灰薄層に覆われる。鹿部100 cm内外(粒径2-4 cm) 磯谷60 cm (2-3 cm) 尾札部10 cm (4 cm))
  • 駒ヶ岳b統: 森町土橋方面 (泥流)
  • 駒ヶ岳c統: 砂原町沼尻方面 (軽石礫(粒径2-3 cm-10 cm。下層に岩片混入多)
  • 駒ヶ岳d統: 七飯町,大野町一部,森町,八雲町山越方面 (2つに分かれd1は細粒火山灰, d2は軽石砂礫, 姫川200 cm, 蝦谷100 cm, 落部60 cm, 八雲30 cm, 国縫10 cm)
  • 駒ヶ岳e統: 函館市,上磯町,知内町方面 (黄褐色, 細粒火山灰, 腐植層有り, 森10-15 cm, 知内10 cm)
  • 乙部層: 江差町,乙部町,熊石町方面 (白黄灰色の細粒火山灰)
  • 羊蹄a統: 倶知安町,ニセコ町,京極町,喜茂別町,留寿都町,真狩村方面 (軽石礫,溶岩礫,岩片,火山灰累積するaI, ローム様火山灰風化物に上記小礫,黒色砂層混入するaII,礫含量少ない黒色砂層を殆ど伴わないaIII)
  • 有珠a統: 有珠山周辺 (1977-78年爆発で東方、北西方2方向に堆積(これを別)。それ以前の昭和新山形成時, 四十三山形成時, 更にそれ以前の3テフラ合計5テフラをIa-Vaに分ける。灰褐色灰状物と灰状物に石質岩片を交えたものがある
  • 有珠b統: 伊達市,壮瞥町,大滝村,喜茂別町方面 (青灰褐色の細粒火山灰に1-2 mm内外の軽石砂を混ずる)
  • 有珠c統: 登別市,壮瞥町,大滝村,喜茂別町方面 (灰白色の軽石礫)
  • 樽前a統: 苫小牧市,千歳市,早来町,厚真町,追分町,夕張市,長沼町,栗山町,広島町方面 (灰黄褐の軽石砂礫, 樽前山より南南東方向, 樽前山周辺, 北北東方向の3種が有り, 北北東方向のもが最も層厚が大。腐植層有り)
  • 樽前b統: 穂別町,厚真町,鵡川町,富川町,門別町,新冠町,帯広市,中札内村方面 (下部灰白-黄褐色等角礫状岩片, 上部は同色の軽石から成る。腐植層有)
  • 樽前c統: 穂別町,占冠村,日高町方面 (灰色, 黄褐色の軽石及び角礫状岩層よりなる。腐植層有)
  • 十勝a統: 美瑛町,富良野市,中富良野村,上富良野町方面 (灰色-黄灰色火山灰, 美瑛川, 富良野川に沿い流下した1926年度泥流火山灰, 強酸性)
  • 十勝b統: 富良野市方面 (灰色-黄褐の細粒火山灰, 腐植層有り)
  • 十勝c統: 新得町,清水町,鹿追町,音更町,芽室町,帯広市,幕別町,池田町方面 (褐色-黄褐色細粒火山灰, 2層に別れそれぞれ腐植持つ)
  • 雌阿寒a統: 阿寒町,鶴居村,標茶町方面 (黄灰色-灰白色軽石質細粒火山灰。従来摩周統と呼ぶもの含む
  • 雌阿寒b統: 主に山地に降灰
  • 雌阿寒c統: 足寄町,浦幌町,釧路支庁,根室支庁方面 (黄褐色細粒火山灰)
  • 神威a統: 弟子屈町,標茶町,中標津町,斜里町,小清水町方面 (淡黄灰軽石,灰褐色細粒火山灰,溶岩片等から成る神威1a-5aに分かれる。アトサ火山灰,摩周b火山灰,摩周c火山灰, m, n, y火山灰等と呼ばれたもの)
  • 摩周f統: 阿寒郡,白糠郡,釧路村,釧路市,厚岸郡,弟子屈町,中標津町,標津町,別海町,根室市方面 (発泡余り良くない軽石礫を交えた火山灰熱雲的噴出物, 溶結している所あり)
  • 豊徳火山灰層: 天塩町,稚内市,浜頓別町,枝幸町 (黒粒色火山細砂, 黄褐色細粒軽石含む褐色ローム主体)
支笏湖火山噴出物の層序(Minato et al. 1972)。砂質ローム: 雑多な性質を示すが、火山噴出物のように風化すると思われず、むしろ広義のレス(黄土)型地層。風成岩の一種
新期段丘礫層
Sh3支笏軽石砂礫層
Sh2支笏軽石流< 200 m31.900 ± 17,00 (14C)
Sh1 I支笏降下軽石堆積物 (角閃石流紋岩)4 m (+)32,000 ± 2,000 (14C)
Sh1 lh砂質ローム0.2 m
Sh1 h
Sh1 lg
Sh1 g
Sh1 lf
Sh1 f
Sh1 le
Sh1 e
Sh1 ld
Sh1 d
Sh1 lc
Sh1 c
Sh1 lb
Sh1 b
Sh1 la
Sh1 a
支笏降下軽石堆積物 (角閃石、石英山山岩) 層厚
砂質ローム
支笏降下軽石堆積物 (含角閃石、両輝石、石英安山岩)
砂質ローム
支笏降下軽石堆積物 (両輝石、石英安山岩)
砂質ローム
支笏降下軽石堆積物 (両輝石、安山岩)
砂質ローム
支笏降下軽石堆積物 (両輝石、安山岩)
砂質ローム
支笏スコリア (含オリビン、安山岩)
砂質ローム
支笏スコリア (両輝石、安山岩)
砂質ローム
支笏降下軽石堆積物 (両輝石、安山岩)
1.0 m
0.2 m
0.1 m
0.01 m
0.2 m
0.03 m
0.2 m
0.05 m
0.2 m
0.02 m
3.4 m
0.01 m
0.3 m
0.03 m
1.0 m

地形 (geography)

火山地形学 (volcanic geomorphology)


陸上噴火

爆裂火口 explosion crater: 爆発的火山活動によって生じた火口
成層火山 stratovolcano: 山頂火口からの溶岩流出と火山砕屑物の放出が交互に行われ、積み重なり形成
溶岩ドーム (溶岩円頂丘) lava dome, tholoid: 高粘性溶岩マグマが地表付近まで上昇 → 急傾斜側面持つ丘状地形形成

溶岩が地表に出現 → 溶岩流

潜在溶岩ドーム(潜在溶岩円頂丘): 溶岩自体は地表に現れていない
楯状火山 shield volcano: 低粘性溶岩

→ 緩やかな傾斜の火山 Ex. ハワイのマウナロア

溶岩台地 lava plateau: 極流動性(極低粘性)溶岩流出のみ

→ 平坦な台地形成 Ex. インド、デカン高原

マール maar: 水蒸気爆発による火口 → 噴出物火口周辺に堆積(丘形成に至らない)
砕屑丘(火砕丘): 爆発噴出物が火口周辺に多量に堆積

→ スコリア丘、軽石丘、火山灰丘 Ex. 向山(伊豆新島)

火山性湖
火口湖 crater lake: 火口に水がたまる
カルデラ湖 caldera lake: カルデラに水がたまる Ex. 摩周湖・洞爺湖
火口原湖: カルデラの一部に水がたまる
マール湖: マールに水がたまる
堰止湖: 噴出溶岩や山体崩壊により河川等が堰き止められ形成

Ex .中善寺湖

[ 溶岩地形 | 三島溶岩 ]

溶岩(熔岩) (lava)


マグマが地表面へ出たもの → 主に溶岩流として放出
地塁と地溝
地溝 (地溝帯, リフト) graben, rift: ほぼ平行に位置する断層に区切られ、峡谷の形状をなす地塊および地形 → 正断層
地塁 horst: 沈降せず山地・台地となった部分

溶岩流 (lava flow)

マグマが火口から粘性流体とし噴出し固結した時、その最大厚さ(T)を長さ(l)で割った比(アスペクト比, T/l) < 1/8となるもの

噴出時溶岩温度 = 800-1200°C程度

溶岩ドーム(溶岩円頂丘): アスペクト比 > 1/8

溶岩地形 (lava topography)

溶岩トンネル (溶岩洞/洞窟、溶岩チューブ) lava tunnel (風穴, wind cave, s.l.)
溶岩表面冷却 = 固結溶岩 → (内部)玄武岩性溶岩: 低熱伝導伝 → 下は長時間溶融状態溶岩が流動
固結表皮残し内部溶岩流れ去る → 跡に空洞生じ溶岩流(lava flow)に沿いトンネル形成 (パホイホイ溶岩に多)
トンネル天井溶岩崩れると深竪穴(天窓, スカイライト)ができたりする

風穴氷穴等は、溶岩トンネルに成因を持ち、トンネル内の状態でそれぞれに呼ばれる。ただし、風穴の成因が火山活動とは限らない。

古くから、作物種子、蚕卵の貯蔵に使用
青木ヶ原溶岩に21 → 富士山溶岩中最多
地学的観点から国指定天然記念物となっている風穴が多い

富士風穴、富岳風穴、竜宮風穴、万野風穴、本栖風穴、駒門風穴

累石風穴 (風穴 ふうけつ, s.s.)
溶岩岩塊や岩屑が堆積し、岩塊や岩屑の小さな隙間から夏季でも冷風噴き出す。地形的には崖錐末端にあたる斜面脚部(山裾)、特に日射量が少ない北-東斜面脚部に発達する。これに応じ植物群集が局所的に特殊になる。道外では、福島県中山風穴、秋田県長走風穴の国指定天然記念物を筆頭に、大半が貴重な「風穴植生」として保護される
  • 熔岩岩塊(安山岩): 漁入ハイデ、東ヌプカウシ山
  • 平板状岩砕(流紋岩質熔結凝灰岩など): 十勝三股、暖根湯、富良野
溶岩鍾乳石 lava stalactite
低粘性(=高流動性)玄武岩質溶岩に空洞でき天井から滴って溶岩の氷柱できたもの
溶岩石筍 lava stalagmite: 滴った溶岩が空洞の床に積み重なりできたもの。綺麗に重なると塔のように見える
スパイラクル(水蒸気噴気孔) spiracle
岩中に上に向かって開いたラッパ状の竪穴型爆発孔
[樹林帯等に溶岩流流れる → 噴気孔を形成したスパイラクル]
溶岩が生木を包み込み急冷し、非結晶ガラス質を含む細結晶の緻密な固殻(クラスト)・急冷周縁相(チルドマージン)を作り、樹型殻に囲まれ形が残る

  • ”胎内”(形から): 横臥/傾斜型溶岩樹型に空気(酸素)入り再溶融 → 溶岩が壁流下し肋骨状側壁
  • 急冷によりガラス状の玻璃光沢を側壁や天井部に有する
  • 天井部等から、氷柱のように垂れ下がる溶岩鍾乳石、カーテンのように垂れ下がる幕状溶岩鍾乳石

溶岩樹型型溶岩水蒸気噴気孔tree mold lava spiracle: 樹型殻部30%未満
スパイラクル型溶岩樹型: 30-70%未満
溶岩樹型lava tree mold: 樹型殻部が全体の70%以上 = 溶岩中に保存された樹木の鋳型明瞭

溶岩樹型分類: 井戸型・石柱型・傾斜型・横臥型・流木型・不動岩型・管状型等様々

スパッターコーン(ホルニト) sputtered-cone
溶岩流内部の溶融状態溶岩が火山ガスと共にちぎれ噴出 → 破片堆積し生じた丘
溶岩塚 lava tumulus: (パホイホイ)溶岩流表面部分が固まっても、内部はパイプ状になっており、末端付近の表面が押し上げられる作用により楕円状やドーム状の形を示す小丘となったもの。溶岩流がゆっくりと流れる時、溶岩が次から次へと殻の下に流込み、表面の殻を持ち上げたりすることで形成される

三島溶岩

三島: 玄武岩 → 石材利用(昔) = 三島石 (小浜石)
楽寿園内至るところに見られる岩 → 14000年前の富士山噴火により流出した溶岩

富士山から南へ流下した溶岩流は流動性高く約40 km下の三島まで到達し固結
→ 流れた形状が、溶岩塚、縄状・餅状溶岩に残る

楽寿園 (国指定天然記念物・名勝)
 6万m²におよぶ楽寿園は、小浜池を中心とする富士山の基底溶岩流の末端にあるという熔岩地形と、その溶岩中から数ヶ所にわたって地下水が湧出している現象が天然記念物として指定されいてる。また、それとあわせて特殊な地形・地質に人工を加えて生み出された固有の美観が、名勝として指定されている。
 しかし、昭和30年代から環境変化の激しい国土の中で湧水現象が変化しつつあり、現在その方策を検討中である。
 明治23年(1890)に小松宮彰仁王の別邸がここに築かれ、その後明治44年李王世殿下の別邸、昭和に入って個人の所有となったが、昭和27年(1952)三島市立公園「楽寿園」として市民に公開された。

平成9年11月 三島市教育委員会


lantern
鞍馬燈籠
 鞍馬岩石で出来ており、鉄分を多く含むため酸化が激しい。鞍馬石の燈籠では日本でも最大級のもので昭和27 (1952)年当時、このあたりの土地1300坪100万円相当の価格に評価されたらしい
愛染院跡の溶岩塚 lava tumulus
 三島溶岩は粘性の低い玄武岩質溶岩で、富士山から約40 km流下してきたものである。愛染院跡には、この繰り返しによって、溶岩堆積がいっそう強まり、小高い溶岩塚が形成された。
 この溶岩塚は三島溶岩流の末端であること、また岩石や火山活動の研究に貴重であることから指定して保存を図ることになった。
 愛染院は、室町時代に三島神社別当職を勤めたことがあるともいわれている旧市内随一の大寺院であると推定され、当時はその愛染院の庭園の一部ではないかといわれているが、確証はない

平成8年2月 三島市教育委員会 (市指定天然記念物)
(09-11-18 楽寿園)

参考


  • 荒牧重雄. 1979. 噴火の様式, 溶岩. 岩波講座地球科学7 火山 (横山泉・荒牧重雄・中村一明編), 72-78, 132-141
  • 荒牧重雄. 1997. もし雲仙でピナツボ級の噴火が起きたら. 月刊地球(号外) 15: 168-178
  • 宇井忠英 (編). 1997. 火山噴火と災害, 東京大学出版会, pp. 219 [テキスト]
  • 勝井義雄 1968. 日本の火山および火山岩の研究. 日本の地質学, 地質学会75周年記念
  • 勝井義雄 1979. 噴火災害と噴火予知. 岩波講座地球科学7 火山. 岩波書店. pp 83-99
  • 国土庁防災局. 1992. 火山噴火災害危険区域予測図作成指針. 154(本文) + 49(巻末資料)
  • 小坂丈予. 1974. 小笠原西之島新島火山の活動とその経過. 地学雑誌 83: 125-133 [資料]
  • 中村一明. 1975. 火山の構造および噴火と地震の関係. 火山20周年特集号: 229-240
  • 奥村晃史. 1991. 北海道地方の第四紀テフラ研究. 第四紀研究 30: 379-390
  • 横山 泉他(編) 1979. 火山, 岩波講座*
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