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(2017年2月5日更新) [ 日本語 | English ]

水 (water)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[pH, 栄養]

生物構成中心元素は炭素carbon。ついでH2Oが重要

水は物質交代の媒体であり生物の生活は水と切り離すことはできない
CO2を良く溶かすので水中生産者(藻類)の生活の場として重要
酸素は比較的溶けにくいので呼吸に必要な酸素は欠乏しやすい
光吸収率が高いので生産者は深い場所では生活不可 ↔ 分解者は深い所でも生活可

原形質の65-90%を占める(休眠状態の原形質に少 Ex. 花粉6-12%, 種子5-15%)。水は水素化合物と考えてよい
. 原形質構成物質: ムラサキホコリカビ等変形菌の変形体は細胞壁がなく原形質成分を調べるのに適

原形質成分 水 タンパク質 脂質 核酸 無機物質
重量%_____75___12_____5____3____2
成分元素 O___C___H__N _Ca
%______64 __19__10__3__2

索引
地殻構成元素(%): O 46.6, Si 27.2, Al 8.1, Fe 5.0, Ca 3.6, Na 2.8, K 2.6, Mg 2.1 (地球上存在元素 = 103種)
生物体に多い元素 = C, N, H, S, P, 生物体に少ない元素 = Si, Al

物理化学的特性


1. 熱力学的特性

環境への適合性には水が関与 → 光合成 photosynthesis

Ex. 飲料水
Ex. 川、湖、海: 地球表面の3/4は水に覆われる ⇒ [循環] → 雲・雨・雪

(a) 生活する温度領域

T: -20°C < T < 40°C

水の3態: 氷 / 水 / 蒸気

酸素: 我々は気体と意識: T < -183°C = 液体, T < -218.4°C = 結晶
鉄: 固体と意識: T > 1535°C = 液体, T > 3000°C = 気体

相 (phase)
_________________密度 剛性 原子・分子配列
水蒸気 = 気相_____________無秩序
____= 液相_____________無秩序
____= 固相(結晶相)______無秩序(非結晶、アモルファス) 秩序(結晶)
融点 (melting point), MP
沸点 (boiling point), BP
常温で液体であるのはH2Oのみといってよい。同族では一般に原子番号の低い方が沸点は低い。n-heptane(C7H16)はMW (molecular weight) 100.2であるがBP98.4°Cで水に近い。水はMWが18でありながら100.2に相当する分子間力を持つ。水分子間の分子間力を考えると上記の数値が理解できる。水は比熱が大きくmild environment solvent は小さい。

表. 水とそれに関連する化合物の特性

    原子番号  原子数 MP(°C)  BP(°C)  蒸発熱(cal/deg/g)
    5 B
    6 C   CH4   5      -184    -161.6    2.2     低(沸点)
    7 N   NH3   4       -75     -33.4    5.6     ↑BPの法則
    8 H   H2O   3         0    +100      9.8      |
          H2S                   -60.2             |
          H2Se                  -41.3             |
          H2Te                   -1.8             |
    9 F   HF    2       -92     +18.8    7.2     ↓
   10 Ne  Ne    1      -249    -246      0.9     高
(b) 密度, ρ
ρwater > ρice (例外的、他にSi, Ge, Bi) ⇔ 多くの物質 ρliquid < ρcrystal
効用: 水面から凍る。害: 水道管破裂
(c) 熱容量, C
水: 熱容量大 Ex. 砂漠は温度変化が他の気候域に比べ激しい

Csand ≈ 1/5·Cwater
ΔTsand = ΔQ/Csand ≈ 5·ΔQ/CwaterQ > 0 ⇔ ΔT > 0)
液体比熱は一般に0.2-0.5
[液体比熱] ≈ [固体比熱] × 1.2という関係が成り立つことが多い → 水の比熱は極めて大きく特異な性質

(d) 表面張力
植物毛管現象のように大きな表面張力を発生させる
(e) 潜熱 latent heat
水は融解や気化の潜熱が大きい
latent heat

温度を一定に保ち生物の安定した内部活動に役立っている(= 外部環境への適応性を高めている)
Ex 1 kgの水 → 2 gの水蒸発で998 g H2Oの温度が変化しない → 少量の水の蒸発だけで体温安定
Ex 潜熱と生活: 打ち水、多孔性の水瓶や皮袋に水を入れる、汗と湿度


2. 構造的特性

(a) 水素結合 hydrogen bond

4.5 kcal/mol (H-O共有結合 110 kcal/mol)

静電的にHとOが引き合うことによる → みかけ上大きな分子となる
DNA基間結合、ポリペプチド鎖間結合、多くの双極子との結合
氷 H2O → 2H + O: 220.3 kcal/mol/2 = 110.2 kcal ≫ 4.5 kcal/mol (水素結合)

(b) 分子構造

電気陰性度が高いことに基づく双極子dipoleの移動

氷の規則 ice rule (Barnal-Fowler rule): 氷結晶中の水素原子の位置

ほぼ正四面体 → 構造上安定: エネルギー的に安定な状態
水分子の完全性: 1個のO原子の近くに2個のHがある
水素結合の完全性: O-O間に1個のHがある

氷の規則のみでH位置は決定しない
配列には自由度が残る。点欠陥が一定確率で発生し、この確率は温度が高いほど高く、それに伴いイオン形成が起こる → 電場をかけると電子の動きが見られる

bond
水素原子(H)
酸素原子(O)
------ 共有結合, 0.99 Å, 結合力強い
- - - - 水素結合, 1.77 Å, 結合力弱い
+ 正電荷を帯びている
- 負電荷を帯びている


3. 化学的特性

(a) 誘電率 (ε, permittivity, dielectric constant
水誘電率大 → イオン間斥力・引力を減らす → 溶解質(特に電解質)の解離を促し溶解度が増すため生体内での電解質移動を促しやすい

Benzene________2.28
CH4______ε-90___2.07___ε70____1.85
H2O______ε0___87.74___ε100__56.38

NaClをH2Oに溶かすとBenzeneの約40倍の誘電率 → 容易にNa+ + Cl-という解離状態で存在
NaClはBenzene中では沈殿
r2 = c1c2/DF
MKSA有理系 9 × 109 (N·m2/c2) = 1/4πε0 (ε0: 真空状態誘電率)
クーロンの法則, F = 1/4πε0·(c1c2/r2) [真空中] →

1/εs·(1/4πε0)·(c1c2/r2) = (1/4πε)·(c1c2/r2) [物質中]

(b) 緩衝液
緩衝作用の大きな溶液 Ex. 乳酸-酢酸塩、塩酸-クエン酸ナトリウム
一般に弱酸または弱塩基との組み合わせによる塩等の適当な混合によりpHの様々な値となる緩衝液を作る
体内は中性に近い(Ex. 筋肉pHは常に7.2程度) → 乳酸がたまり引き付けを起こした時などは6.5まで下がる
→ ホメオスタシスの働きで正常値に戻そうとする

乳酸発酵: C6H12O6 → 2C3H6O3 (lactic acid) + 47kcal

glucose + lactic acid + O2 → H2O + CO2 + ATP

              滴定曲線    Ka                pK
  1 H3PO4  ⇔ H+ + HPO4-   7.5 × 10-3 mol   2.12
  2 H2PO4  ⇔ H+ + HPO42-  6.23 × 10-8 mol  7.21
  3 HPO42- ⇔ H+ + PO43-   4.8 × 10-13 mol  12.32

water
体内では2の形で存在
glycine: NH2-CH2-COOH
NH3CH2COO- + H+ ⇔ NH3CH2COOH __ 2.3
CH3COO- + H+ ⇔ CH3COOH _________ 4.74
強酸: -COO-を-NH3+が吸引するのでHを放出しやすい

指示薬

滴定で当量点検知に加えられる試薬
色変化、沈殿・濁り生成、蛍光消滅など肉眼で直接観察できる急激な変化 → 当量点を指示(一般的)
試薬に要求される事項
  1. 反応の鋭敏性
  2. 色彩
  3. 再酸化に対する安定性
  4. 脂質不溶性
  5. 粒子大きさ及び再結晶傾向 (tetrazoliumの難点)
  6. 入手の安易さと値段
化学反応による分類

pH指示薬(酸塩基指示薬): 陽子の授受反応に応答
酸化還元指示薬: 電子の授受反応に応答
吸着指示薬: 特定の沈殿反応に応答
金属指示薬(キレート指示薬): キレート生成や解離反応に応答

水移動 (water transportation)


拡散 diffusion: 溶質分子と溶媒分子が分子運動により均等に交じり合うこと
膜を通した水移動: 生体内の水移動には膜が存在

異なる溶液接する → 自由移動分子移動 → 互いに利用可能空間を均一に使用と仮定
⇒ 水ポテンシャル発生 (拡散速度 ∝ √分子量)

Def. 浸透圧 osmotic pressure: 溶媒分子を移動させる力の大きさ
transport Law. 浸透圧の法則 (van't Hoff式): pv = nRT

p: 浸透圧(圧力)

1 atom =
76.00 cm × 13.595 g/cm3 × 98.0665 cm/sec2 =
1.0130 (g·cm/sec2, or dyn/cm2)

v: 溶液体積
n: 溶質モルmol数
R: (モル)気体定数(ガス定数) (molar) gas constant

= 0.082 (l·atm)/(K·mol)
= 82.057 (cm3·atom/K·mol)
= 8.3144598 J/(K·mol)
= 1.987 (cal/K·mol)

T: 絶対温度 = 273 + x (°C)

If T = constant → 浸透圧は溶質の種類に関係なくモル濃度に比例
Hypertonic (高張) > Isotonic (等張) > Hypotonic(低張)

ψ = ψπ(in) + ψπ(out) 平衡状態
ψ(in) = ψπ(in) + ψp(in) = ψ(out)
1 atom → ψ(out) = ψπ(out), ψp(out) = 0
ψπ(in) = ψπ(out) - ψp(in)z

Ex. A: ψp = 5 bars. ψπ = -12 ⇔ B: ψp = 3. ψπ = -6

ここでAとBは隣り合っている
ψA = ψp(A) + ψπ(A) = 5 - 12 = -7,
ψB = ψp(B) + ψπ(B) = 3 - 6 = -3,
ψA - ψB = -7-(-3) = -4
∴ Δψ (水ポテンシャル) = -4
水は水ポテンシャルの高い方から低い方へ移動 → B → A という水の動きがみられるはず

一般に、[草本 < 潅木 < 樹木]、[表皮 < 海綿組織 < 柵状組織]

Ex. 海岸植物・乾生植物の浸透圧は大きい

Def. 自由エネルギー free energy, Δ: 外部から熱(エネルギー)を与えずに一定条件下で行う仕事として利用可能なエネルギー
Def. 化学ポテンシャル chemical potential: Δ/化合物1mol
→ この大きさにより水の移動力は決まる

J = P·ΔC

J: 透過できる粒子の数
P: 透過性係数 permeability coefficient
C: 内外の濃度差

J = D/x·ΔC

D: 拡散係数
x: 膜の厚さ

Def. 電子化学ポテンシャル electrochemical potential
ネルンスト式 Nernst equation: Δε = -2.3RT/ZF·log(ai/ao)

→ 受動輸送の計算
i: 膜内部 inner, o: 外部 outer → ai/ao:

(膜内外の)化学ポテンシャル差

PV = RT

R: 気体定数, F: ファラデー定数, Z: イオンチャージ, T = K

Δε = -Klog(内側の濃度/外側の濃度) (イオン濃度)

Def. 全ポテンシャル total potential: 植物の給水に関する全てのポテンシャル

= 単位量あたりのエネルギー
Fs = -(∂Ψ/∂s) (dyne/g)

Fs: 特定方向sに単位質量の水に作用する力
負号は力がψの減少方向であることを示すため

Def. Ψ: ポテンシャル(ポテンシャル関数)
⇒ 成分に分解 (国際土壌科学学会ISSS定義)

重力ポテンシャル gravimetric potential, Z
浸水ポテンシャル submerged potential (ISSS定義せず), S

特定点が自由水面下に沈んでいればその点の土壌中の圧力は大気圧より大きい → これによるポテンシャル

毛管ポテンシャル capillary potential, M

= マトリックポテンシャル matric potential
SMはどちらか一方が必ず0

空気ポテンシャル pneumatic potential, G
圧力ポテンシャル pressure potentiqal, P = M (or S) + G

土壌水のポテンシャルに対する全ての圧力変化を合計したもの

浸透ポテンシャル osmotic potential, O: OV = -π(dyne/cm2)

Ψ = Z + P + O
重力ポテンシャル Z

W = ρ(dV)gz
Zm = W/(ρdV) = gz (erg/g)

dV: 基準点からzの間における微小容積(輸送される水の微小容積)
z: 基準点からの高さ
g: 重力
Zm: 単位質量あたりの重力ポテンシャル

Zv = W/dV = ρgz ≡ 単位容積あたり重力ポテンシャル
Zw = W/ρg(dV) &equv; 単位重量あたり重力ポテンシャル

浸水ポテンシャル (ピエゾメトリックポテンシャル) S

p (水面から深さhにおける壌水圧力) = ρgh (dyne/cm2)
仕事量 W = pdAl = pdV (erg)

dA: 断面積 (cm2), l: 長さ (cm)

SV = p (dyne/cm2) ≡ 単位面積あたりの浸水ポテンシャル
Sm = W/ρdV = p/ρ ≡ 単位質量あたりの浸水ポテンシャル
Sw = WρgdV = p/ρg = h (cm) ≡ 単位重量あたりの浸水ポテンシャル
Def. ピエゾメトリックヘッド piezometric head ≡ h

→ ピエゾメータ piezometerで測定

毛管ポテンシャル M (Buckingham 1907, Ψ)

τ = (2σ)/r

τ : 負圧(圧力欠損)
σ : 水表面張力
r: (土壌間隙の有効)半径

MV = p (dyne/cm2) ≡ 単位面積あたりの毛管ポテンシャル
Mm = p/ρ ≡ 単位質量あたりの毛管ポテンシャル
Mw = p/ρg (cm) ≡ 単位重量あたりの毛管ポテンシャル

→ テンシオメータtensiometer (pF)で測定

土壌水分特性
Def. コンシステンシー: 水分状態により土壌の力学的挙動が変化

Ex. 土壌の液状化
→ 収縮性 shrinking
→ 吸水 absorbtion, 脱水 desorption

空気ポテンシャル G

W = dV(A'0A0) = dVp0

p0: 標準大気圧(p)を基準とした外部気体圧 = A'0A0
A0: 標準大気圧におけるプール → A'0: 移動点

GV = W/dV = A'0A0 = p0 ≡ 単位容積あたり空気ポテンシャル

A'0 = ρgh'0, A0 = ρgh0

GW = W/ρg(dV) = h'0 - h0 (cm)

Def. 絶対圧 aboslute pressure, pW: 土壌水に作用する気体圧A'0を基準として測定される圧

p = pWA'0 (dyne/cm2)
GV + MV = p + p0 = pWA0

圧力ポテンシャル P

Gと土壌水圧力pが0より大きいか小さいかによるS (or M)との総和

水理ポテンシャル φ (Φ) = Z + P = Z + (M or S) + G

ΦW = H (cm)

Def. 水理水頭, H = z + h + (h'0h0)
z: 基準点より上の考慮中の高さ
h'0h0: 問題にしている点における土壌水面上の来た威圧と標準大気圧との差

Law. ダルシーの法則 (Darcy's law) (Darcy 1856)
地下水流速 = 透水係数 × 動水勾配 →

J = -K·(dh/ds) (m3/m2s = m/s)

Law. ハーゲン・ポアズイユの法則 Hagen-Poiseuille law
同一流下条件下 → 毛細管内を流れる水量は半径の4乗、流速は2乗に比例
Def. 水ポテンシャル water potential (ψ): Δを水特性について使用する用語

= 水の化学ポテンシャル chemical potential on water

Δψ = ψA - ψB : A-B間のwater potentialの差 ⇒ 純水: ψ = 0
⇒ ある系のψから純水のそれを引き、水の部分モルで割った量

水ポテンシャル(ψ)は電磁力、吸着力、表面張力、重力、弾性力等により変化するが、これらの影響する系のψは純水のψより低いことが普通なので純水のψを0 Mpaとすれば負値をとる(ψ = -吸水力)
単位: ψ atom, bar, dynes/cm²

1 bar = 10 dynes/cm² = 750 mmHg = 0.995 atom,
1 atom = 1032.8 g/cm² = 1.01 bar,
Mpa: 1 bar = 0.987 atm = 0.1 Mpa

Def. 浸透ポテンシャル osmotic potential, ψπ (or π): 溶質の電磁力あるいは分子間力によって生じたψ

Ex 砂糖溶液中に移動するポテンシャル

Def. 圧ポテンシャル, ψp: 中に生じたポテンシャル
Def. マトリックポテンシャル matric potential, τ: = 土壌の給水力。土壌中の水の表面張力によって生じたψ
Def. 溶液ポテンシャル, ψ ≡= ψπ + ψp

平衡状態では、ψ(inside) = ψ(outside)

測定原理

水移動測定: 拡散圧・拡散圧不足・浸透圧・吸水力等を使用し測定 → 熱力学的に不十分な測定
water potential Pfeffer (生理学, 独): 溶液浸透ポテンシャル測定(図)

生じる圧力は溶液濃度に比例
p = k1·1/V … (1)

Van't Hoff

生じる圧力は絶対温度に比例
p = k2·T … (2)

(1), (2)式でk1, k2を気体定数Rとおく(→ 仮定: 溶質がガス様に自由に動く)

p = RT/V, φ = -RT/V
1 mol気体 → 1 atom 0°C 22.4 l/mol
1 mol溶液(液体) → 溶質1molが1 l中に存在
→ 1mol溶液の浸透ポテンシャルはψπ = 22.4 atm
実際には希釈溶液で成立する公式 (電解質で解離を起こすとイオンが別々の溶質粒子として働くため浸透圧は大きくなる) → 解離する場合には別な方法で測定する必要

water potential
RH: 相対湿度 relative humidity

浸透圧ポテンシャル測定
1. 蒸発平衡法 (空気中と液中のポテンシャルは等しい)

-ψπ = RT/V·ln(P0/P)

R: 気体定数, T: 絶対温度, V: 水偏比容 partial molecular weight of water, P0: T0時水蒸気圧, P: 空気中水蒸気圧
-ψ: 10.7log10(100/RH) bars

2. 氷点降下法: 凝固点降下を利用

1 M溶液 22.4 atom 純水よりも1.86°C下がる
-ψπ = 22.4 × (氷点降下温度[測定値]/1.86)

膜透過性

全透性: あらゆる分子を通過させる Ex. 細胞壁
半透性: 溶媒は通すが溶質は通さない Ex. 細胞膜、セロハン膜
不透性: あらゆる分子も透過させない Ex. ビニール膜

液胞膜 tonoplast、表面膜 plasmalemma → 選択的透過性 differential permeability 有
transport
water potential = 0__________浸透圧ポンプ

a) 半透性膜 semi-permeable membrane: 水は通すが他の分子は通さない

水は純水 → 砂糖水へと移動し水ポテンシャルor濃度勾配を小さくする(オスモシス osmosis)
transport
semi-permeable membrane + sugar solution

b) 半透性膜内に水移動し水ポテンシャルを小さくし、半透性膜は膨らんだ状態となる(膨圧 turgor pressure)

土壌からの吸水

根毛 root hair におけるH2Oと水に溶けた無機物質の取りこみ
地中水分・無機物質・塩類: 植物はイオンでないと養分吸収できない
↓ … 吸水力 → イオンが外から内へ移動する要因

1) 浸透圧
2) 能動輸送

根毛 → 根(内皮・仮導管) → 茎(導管・仮導管) → 葉(導管・仮導管)
[→ 葉脈(柵状組織・海綿状組織) → (水穴 → 水液) or (気孔 → 蒸散 → 水蒸気)]
root: 水吸収に対し適応した構造
根内部の水・栄養分移動には3様式が知られる
1. アポプラスト apoplast: 土壌中溶液がまず始め拡散により自由に広がるもので、この際はイオンが含まれる

内側apoplastの方がイオン濃度高く、内部ψπは十分大 → 外側apoplastから内側apoplastへ水移動
水移動は主にapoplast部分で行われる + イオンは能動輸送により細胞内に取込まれる
細胞間空間、不連続(内皮の外側と内側でcasparian stripにより不連続 (note discontinuity at casparian strip)

2. シンプラストsymplast 外側 → O2濃度勾配 → 内側

O2濃度: 外側 > 内側 → 呼吸によりエネルギーを得る
内側はO2不足となるがイオンを留めエネルギーがなくなるとイオンを放出する
→ 土壌コロイド中の吸着イオンを放出させ吸収する機能
細胞内原形質: plasmodesmata有し連続(connections from cell to cell are via plasmodesmata)

プラスモデスム (plasmodesmata, sg. plasmodesma): 細胞を連結する小さな穴

外側のsymplastによって内側のsymplastに取込まれる → その後導管部に送り込み取り込み過程終了

3. 移送細胞 transcellular

アクアポリン (aquaporins, AQP)による移動

cf. お化け小麦: 還流法による栽培結果

還流法: 水耕液をゆっくり還流 → 非還流(通常)水耕法・畑栽培と比べ面積で2-3倍、個体で10倍の収量
通常法: 根から吸収された養分は拡散のみで移動 vs 還流法: 養分が拡散のみ以上に移動できる

植物における水 water for plant


乾性植物: 砂漠、海岸、高山等の礫地に多い

葉: 針状に変化し裏側に巻く。裏に皺ができ多毛。蒸散防ぐ貯水組織発達
茎: 低い。貯水組織あり
根: 大きく発達

湿性植物: 池、湖、沼、川等

葉: 通気組織は水中のため未発達、表面に気孔、水中葉は細裂-帯状で流れに耐える
茎: 通導組織が発達しない
根: 発達が悪い。吸気根を持つものがある


欠乏・蒸散

水不足: 乾燥した部屋に葉を置き葉中の水を蒸発させる。水中に葉をつけると蒸散は止まる。水は1割位apoplastを通り徐々にゆっくりと蒸散が落ちる
吸水力
= 浸透圧 (動物細胞)
= 浸透圧 – 膨圧 (植物細胞)

水ポテンシャルの差に沿い移動 → 植物体内での移動 (水ポテンシャル差生じる)

原形質分離 (限界濃度)
(液胞発達した)植物細胞を高張液に浸した時、原形質体が収縮し細胞壁から分離する現象。細胞膜と液胞膜の半透性のために高張液中では細胞液が脱水されて膨圧を減じ、やがて限界原形質分離の状態(この時の膨圧0)になる。更に脱水が進めば原形質体は収縮し細胞壁から離れ、細胞液の浸透圧が外液と等しくなったとき収縮は止む

原形質分離剤: 細胞膜がその溶質に対し半透性を持つことが必要で、分子量の比較的大きい非電界質(Ex 糖)や、溶解度の高い中性塩を良く用いる

半透膜 semi-permeable membraneを介し片方に溶媒(水)、他方に溶液 → 水は半透膜を通り溶液側へ浸透

→ Def. 浸透圧: 水移動を止めるために溶液側に加わる圧
→ Def. 膨圧: 細胞の内圧と外圧の差

Def. 限界原形質分離: 原形質分離開始直前に近い状態
植物組織を様々な浸透圧を持つ溶液に浸す

water potential
a: 浸透圧, b: 膨圧, c: 吸水力 = a – b

→ 限界原形質分離点での外液(等張液)臨界濃度が求まる
= その植物組織の持つ固有の浸透価を知ることができる

(田崎 1985)

旱魃 drought
高温空気が広範囲を覆う熱波に伴う自然現象
(s.l.) 通常降水量よりも雨量著しく少なくなり水が涸れる現象
(s.s.) 農業に必要な降水足りず、収穫に多大な影響を及ぼすこと

人為: 気候変動に伴う乾燥地での降水量減少 + 保水力のある森林伐採

  1. 永続的: 生育を許さない砂漠、あるいは強耐旱性droguht tolerance植物が生育する乾草原にみられる
  2. 季節的seasonal: 夏期に降雨の集中する雨緑林・サバンナ・ステップ地方、あるいは冬期に降雨の集中する硬葉樹林が発達する地中海機構などに見られる
  3. 偶発的: 熱帯・亜熱帯の降雨林および暖帯・温帯・寒帯の照葉樹林・夏緑林・常緑針葉樹林が分布し、降雨が多くしかも季節的に偏らない地域で起こる
被害
  1. 致死的被害 lethal injury: 日本では砂丘等で見られる
  2. 収量低減的被害yield diminishing injury: 旱魃時の気孔閉鎖、水不足による光合成速度減少が原因

植物の水輸送

水受動輸送 passive transport
蒸散 transpiration → 大気中への水の放出
ガス交換: CO2 ⇔ H2O → このガス交換の際に水が失われる → 水ポテンシャル変化

気孔 stomata開閉による: 気孔大きさ = 一般 16-12 μm、最大 100 μm

         葉        リンゴ トウモロコシ オレンジ カボチャ
         表 (/cm²)      0         6047        0     2791
         裏 (/cm²)  38760         9922    44961    27132

(Dounan FG 1911)

ドナンの膜平衡 Dounan equilibrium
移動できないイオンを持つ場合の膜平衡式
半透膜片側にAB ⇔ A+ + B-, RB ⇔ R+B-のように解離するイオンを入れR+のみがこの膜を通らないとすると、A+およびB-膜を通して他方に移るがRの存在によって膜の両側においてA+, B-の濃度に不均衡が生じつつ膜平衡に達する → 式, λ ≡ 平衡定数

λ = (膜内部の正電荷を持つイオン)/(膜外部の正電荷を持つイオン)

= (膜内部の負電荷を持つイオン)/(膜外部の負電荷を持つイオン)

λ: 濃度に無関係で温度と圧力のみによって変わる関数

Ex: KCl: [Ki+]/[Ko+] = [Cli-]/[Clo-] = 2/1 × n/n (参考: ゴールドマン式)

水能動輸送 active transport
→ Δψに逆らった水の移動 (エネルギー代謝により促進)

受動輸送と異なる点: エネルギー消費。細胞膜透過性を利用
水補給: 水を失うと大部分の水は根から供給される

みかけ上自由な空間 apparent free space, AFS: ある溶液につけた時、その溶液がすぐ内部へ移動できる空間。拡散に関与

AFS = (組織中溶液量)/(外液の溶液量)

= 6-10% (根)
= 7-10% (細胞壁・細胞内空間 → 拡散の場所)

根圧 root pressure: 根から水が上昇する圧力 (2-3 bars)

↓ 高木では根圧だけで水移動は説明できない

凝集力説: 根圧に代わる水の移動力の源として有力な説

頂部で蒸散を行うと水の結合力 cohesive force によって水が水柱状となり上部へ移動する
Ex. RH (relative humidity) 50% → ψ = -10.7log(100/RT) = -1000 bars (water potential) - 水は切れない

                            土壌水  根  茎   葉  空気中
        ψ (水ポテンシャル)  -0.5   -2  -5  -15   -1000
        Δψ (lower-upper)         1.5   3   10     985

water potential
······ water uptake
------ transpiration

water potential water potential
ベルト: 幹が大きくなると緩み、小さくなると縮む
→ 上部(頂部)から強い力で引かれると幹が縮む
= 夕方から朝方までにかけては幹が延び昼には縮む

孔辺細胞の
膨圧変化
water potential
膨圧小
孔辺細胞は
上下細胞壁が
厚く、左右細胞
壁が薄くなって
いる
water potential
膨圧大
気孔が直線的
になって隙間
ができる(= 開く)

水分調節

蒸散作用 transpiration: 植物体から水分が蒸発すること = クチクラ蒸散(少量) + 気孔蒸散(大部分)
気孔開閉

↓ 孔辺細胞は葉緑体持ち光が当たると光合成をする
↓ 光合成によりCO2減少
↓ CO2減少の結果、細胞内pHが変化する
↓ pH変化 → デンプン分解酵素働きやすくなる
↓ デンプンが分解され糖量が増す
↓ 糖(溶質分子)増加 → 孔辺細胞浸透圧⇑
↓ 浸透圧⇑ → 孔辺細胞への水吸収すすむ
↓ 水吸収の結果膨圧が大きくなる
↓ 気孔が開く
↓ 気孔が開き蒸散が促進される

[水耕法 (water culture), 作物のpH (pH for crops)]

pH (potential of hydrogen, pH)


水素イオン指数 (hydrogen-ion exponent or pH) と言う人は少なかろう
→ ピーエッチ/ペーハー (自分が学生の頃は後者の読み方が普通だったけど)
活量 (アクティビティ/活動度, activity, a or A): 実質的効果を及ぼす濃度

イオン濃度高 → 量に見合った効果発揮しない
→ 活量 < 濃度 → 濃度希薄: 活量 ≈ 濃度
ai = exp(Δμi/RT)

μi: i成分の化学ポテンシャル, R:気体定数, T:熱力学的温度

活量係数 activity coefficient, γ

理想的な効果からの実質的効果のずれ
ai = γiχi

ai: i成分の活量
χi: i成分のモル分率

pH計算: Henderson-Hasslhoch式

A-: 塩基濃度
HA: 酸濃度
pK: 解離定数
K = 定数 constant

1: H2O ↔ H+ + OH-

K = [H+][OH-]/[H2O] = constant
pH = -log[H+] = log(1/[H+])

2: AH ↔ H+ + A-

Ka = [H+][A-]/[HA]
-logKa = -log[H+] + log[A-]/[AH]
pH = pKa + log[A-][HA]

3: K = ([H3O+][A-])/([H2O][HA])H2O

Ka = ([H3O+][A-])/[HA], H3O+ = H+
[H+] = K·[HA]/[A-]
∴ -log[H+] = -logKa - log([HA]/[A-])
pH = pKa + log([A-]/[HA])

Ex 1. 0.1M CH3COOHと0.2M CH3COONaの混合液のpH

CH3COOH ↔ H+ + CHCOO-
K = ([H+][CH3COO-])/[CH3COOH]

= 1.8 × 10-5 M = -log(1.8 × 10-5) = 4.74

4.74 + log(0.2/0.1) = 5.04 ∴ pH = 5.04

Ex 2. 1M CH3COOHのpH

K = ([H+][CH3COO-])/[CH3COOH] = a2/(1 - a) = 1.8 × 10-5
a = 0.0043 M
-log(4.3 × 10-3) = 2.4 ∴ pH = 2.4

Def. 酸塩基指示薬 = 溶液pHにより変色する試薬
  指示薬                        略号  変色域    色
  メチルバイオレット            MV    0.1-3.2   黄-青緑
     methyl violet
  チモールブルー                CR    1.2- 2.8  赤
    thymol blue                       8.0- 9.6  青
  メチルオレンジ methyl orange  MO    3.1- 4.4  赤-橙黄
  メチルレッド methyl red       MR    4.2- 6.3  橙
  リトマス litmus                     4.5- 8.3  赤-青
  ブロムチモールブルー          BTB   6.0- 7.6  黄-青
    bromothymol blue
  フェノールレッド phenol red   PR    6.8- 8.4  黄-赤
  フェノールフタレイン          PP    8.3-10.0  無-紅
    phenolphthalein

[土壌, 水圏, 土壌圏 (pedosphere), 水文学]

土壌水分 (soil water)


土壌水の状態: 様々なイオン有機物が溶けている

水の流束qに対する抵抗 rq = Δψ/r

水の移動性を決める

  1. 表面張力・凝集力大: 孔隙中に保持され土壌中での移動も容易 → イオン移送により植物必要養分の供給
  2. 比熱大: 高温時に蒸発により熱を奪う ↔ 低温時に氷結により熱放出し地温急変防止
  3. 土壌中動植物・微生物生態系構造を決める

遮水壁:
土壌水分垂直分布 →深さ数cm以上 = 常時結構湿る – 遮水壁による
蒸発量 > 土壌下方からの供給 ⇒

地表面乾燥極端に進む → 抵抗増大(負圧増大)し水は水蒸気体としてしか移動できない – 遮水壁形成

water
降雨後数日で遮水壁が形成され土壌からの水分蒸発を防ぐ

a. 粒度特性: 砂質土は毛管保水が中心で、高い吸引圧に対し弱くいため急激に含水率が低下するが、粘質土では比表面積が広く表面保水が卓越し、ある程度高い吸引圧に対しても含水率を維持できる

[比表面積] = [表面積/重量] – 物質が細分化されるたび、新しい表面積が増え大きくなる
Ex. モンモリロナイト: 茶匙1杯で500畳近い表面積 – 多量の物質を保持できる

        粘土鉱物          陽イオン交換容量  比表面積
                          (meq./100 g)      (m2/g)
        カオリナイト         2-   10          10- 55
        ハロイサイト        60-1100            5-100
        モンモリロナイト    60- 100          770
        アロフェン          30- 135         1050
b. 土粒子特性: 粘土粒子が水中に入ると平坦な表面は負電荷を持ち極性のある水分子は土粒子表面に吸着し吸着水膜ができる。厚ければ粒子間反発力は大となり水を給水し体積を増大させようとし、さらに保水性高くなる。薄いと今度は吸着力が大きくなり、綿毛化しやすく保水性も高い
c. 間隙特性: 土壌水分特性曲線が描くよう、砂質土のような粗い間隙では吸引圧は小さく保水性は低いが、粘質土のような微細な間隙では吸引圧が大きいため保水性は高い = 水もち、水はけ
soil water
土壌水分測定法 |-------砂柱法-------||--------加圧板法--------|________|------蒸気圧法------|
_____________|-----------水柱吸引法-----------|___|-圧膜法・遠心法-|
__________________________|-吸引法(減圧法)-|
_____________|-------------テンシオメーター-------------|
_____________|---------ナイロンブロック---------||---石膏ブロック---|
_____________|------------------------熱伝導度法-----------------------|
_____________|---------乾熱法・実容積法・中性子法・誘電体法・サイクロメーター---------|

土壌水分区分と水ポテンシャル・水分恒数 → 水ストレス (water stress)
容水量 water holding capacity
土壌の降雨直後の含水量(比) – 保水性 water-holding capacity, whc (= 水移動力) → 植物成長

water
濾紙とガーゼで塞ぐ___シャーレに水を1 cm入れ、この缶をつける
→ 上部の土が湿ってから24 hr放置 → 上下の缶の含水量(比)を求める = 容水量(%): 一般の畑は60%位
テンシオメーター tensiometer

水分恒数 water constant
  • 最大容水量 (≈ 飽和容水量): 全土壌間隙が水で満たされた時の水分量 ≈ 土壌の全空隙量 → 土壌から水を取り去る力が働いてない状態

    Ex. 湛水状態の水田 → pF = 0

    (湿原): 停滞水面と接する直上部にある土壌の水分
  • 重力水 (過剰水): 粒子との間に結合力がない水 = 自然落下
    土壌保水力を越える過剰な水 → 植物は一般に利用不可 + 滞留すると根腐れ等の障害
  • 圃場容水量 (≈ 最少容水量 minimum whc): 重力水が排除され、水の下方移動が無くなった状態の水分量

    = 土壌が重力に反し保持できる最大水分量 → pF 1.5-1.7

    (湿原): 停滞水面から離れ地下水groundwaterと連絡する毛管水が切れた(毛管作用消失)時に保持する水分量
  • 有効水: 植物が利用可能な水 ≈ 毛管水
    = 團場容水量 - 萎凋点 ⇒ 植物成長の水分上の決め手
  • 毛管水: 毛細管現象(表面張力)により土壌粗孔隙内に保持される水
    植物が主に利用する → pF 1.5-4.2の範囲の水
    soil water h = 2σ/rg

    h: 水柱高
    σ: 水表面張力
    r: 毛細管(土壌間隙)半径
    g: 重力加速度

    毛細管半径と水柱高は反比例 → 半径3ミクロン毛細管では5 mの水柱にまでなれる
    小さな間隙は凹面形成し、水はその両端の毛管力により引っ張られる
    = 負圧: 液体内部圧が大気圧より低い場合 (シャボン玉の逆)

    土壌水で飽和時以外は常に負圧が発生
    → 水分減少につれ負圧は大きくなる

  • 萎凋点(萎凋係数) wilting point (wp)
    • 一時萎凋点 teporary wp: 植物萎れるが水を与えると回復する最少土壌含水量
    • 永久萎凋点 permanent wp: 飽和湿度に戻しても萎れ回復がない時の含水量 ≈ pF 4.2
      • 永久萎れ permanent wilt: 根周囲水分を全て使い切った状態 (ψ = 0)
      • 永久萎れ率 permanent wilting percentage: その土壌水分量
  • 吸湿水: 分子間力により粒子に吸着保持されている水
    植物は利用不可 = 有効水ではない
  • 萎れ点: 土壌水分を減少させたとき植物が萎れ始める点を指しpF = 3.8程度あり、更に減少し萎れた植物を100%湿度内に置いても回復しない状態になった時の水分を永久萎れ点という
pF測定器具にテンションメーターがあるが、土壌との密着性が悪いと直ぐ空気が入り正確測定は実際は難しく、TDR土壌水分計など水分率を測定表示する取扱の楽な機器も普及し始めている
水分比 (%)
含水率 = 水分重量/湿土重量 × 100 (%), 農学分野
含水比 = 水分重量/乾土重量 × 100 (%), 農業土木分野
体積含水率 (水分率) = 水分容積/土壌容積 × 100 (%) = 含水比 × 仮比重 → TDR

水分張力

植物と土壌水との関係および土壌粒子と水の吸着保持力の関係を表わす指数

(Schofield 1935)

pF・含水率
pF = logh (h: 水柱の高さ)

結合水: 原形質内の構造と結合してその構成成分となっている水
自由水: 他の物質と結合しないで溶媒的役割を果たす
pF pF

含水比(重量含水率) moisture content (m, %) : mc

= (WwetWdry)/Wdry) = (W1W2)/(W2W0) × 100

W0: 容器重量
W1: (容器 + 分析試料)重量
W2: (容器 + 乾土)重量

mc' = (WwetWdry)/Wwet) ⇒ mc = mc' × (mwet/mdry)

体積水分率(体積含水率) (v, %): v

= (W1W2)/Vt × 100

Vt: 採取容器体積

実験


水を不要とする実験は少ない

純水 purified water

物理/化学処理 → 不純物除去 → 純水 ≈ 蒸留水 distilled water (DW) + イオン交換水
= 主に塩類や残留塩素が殆ど全て除去された水
→ 単にフィルター・活性炭等で濾過しただけでは純水と呼ばない

除去方法: 長所短所
蒸留: 精製簡単揮発性不純物は除去できない
イオン交換(樹脂): イオン性物質除去非イオン性物質除去できない
濾過

UF(限外濾過)膜: コロイドや高分子の除去 → ミリポア・ミリQ (Milli-Q) (商標名, 超純水)
RO(逆浸透): 低分子除去も可能, 大量精製向膜特性により完全な不純物除去は不可 → 狭義のRO (広義にはUFも逆浸透)

超純水 ultra-pure water: 純水製造対象外となる有機物・微粒子・気体等も取り除かれた水

オートスチル(商標名): イオン交換法 → 蒸留法

基本操作

ピペット

pipette
(a) 先端目盛
(b) 中間目盛

1. メスピペット: 目盛を先端まで刻んだものと途中で終わるものがある
先端目盛: 一定目盛まで吸い上げた液を全て落とす
中間目盛: 一定目盛まで吸い上げた液を最後の目盛まで落とし止める

(a) メスピペット混用避ける(ビンに入れたままにしておく。各液専用ピペットを決める)
(b) 試験管は使用後、洗浄し試験管立てに逆さに立てておく

→ 誤差は習熟度等による個人差大 = 習熟必要
2. マイクロピペット
Ex. ピペットマン, ギルソン社商標: 誤差の個人差はピペットより小
微量ならマイクロピペットの方が誤差減る(ピペット誤差を無視できる大容量ならメスピペットが早い)
手順
  1. 目盛調節ネジを回し目盛を目的の体積に合わせる(指定範囲以上に目盛調節ネジを回さない)
  2. 先端にチップ付ける (隙間ないようチップラックチップに直接しっかり付ける, チップを素手で触らない)
  3. 空気中でプッシュロッドを第一ストップまで押し下げる(溶液中で押し下げると気泡で不正確となる)
  4. チップ先を液に浸す(深く差し込まない。特に高粘度溶液, 基本はチップ先端3 mm 位を垂直に)
  5. スムーズにプッシュロッドを元位置まで戻す(勢いあると液を本体に吸い込み誤差大かつ故障の原因)
    ペットマン本体に溶液を吸い込んだ場合は分解洗浄必要 = そのまま使い続けない
  6. 吸引完了を待つため、プッシュロッドを戻し終えてからチップ先端を溶液につけたまま数秒静止
  7. チップ外側に付いた液を容器縁でしごき落とすようにしてチップを出す(チップ外側に付く液は誤差要因)
  8. 液入れる容器壁面にチップ先を付け、ゆっくりプッシュロッドを第一ストップまで押し下げる
    同チップで同溶液を再び測るときは、壁面に他液が付着していればチップ先は壁面に付けない
    = 毎回チップを代える実験も多い
  9. 第一ストップ状態で押したままで液が流れ落ちなくなったら、プッシュロッドを第二ストップまで押し下げチップの先に残った液を押し出す(高粘度溶液は特に念入りに)
  10. ゆっくりプッシュロッドを元位置まで戻す(1回吐き出し操作で定量できる → ロッドを何度も上下させない)
    チップを溶液につけていなくても、一度溶液をはき出した後にピペット操作を繰り返すと、チップに残った微量の溶液がピペットマン本体(白いフォルダ部分)に入り故障と汚染の原因となる
  11. イジェクターボタンを押しチップをはずす(適切なゴミ処理を)
3. オートクレーブ(加圧蒸気滅菌) autoclave
約2気圧下の飽和蒸気圧下で121°C で15-20分間滅菌する方法
  1. 排水バルブ閉め、規定量の水を底部に入れる(敷板のレベルまで)
  2. 金属製カゴに滅菌する培地や器具を入れ、オートクレーブ内に入れる
  3. 蓋や排気弁をしっかり閉じ電源を入れる
  4. 温度を121°C、時間(タイマー)を15分にセットしスタートボタン押す
  5. 滅菌終了し圧力0を確認し排気弁開ける
  6. 静かに蓋を開け滅菌した器具等を取り出し、電源を切る

濾過 (filteration)


固体・液体混合物を固体を通さない網目の膜を通過させ分離する操作

準備

フィルター(濾紙)
漏斗 → 濾紙の畳み方で濾過効率は大きく変化

漏斗
脚長漏斗
グラスフィルター
ぶふなー漏斗
桐山漏斗

受器: 液体を受ける器具
必要に応じ、減圧器・加圧器
吸引濾過
アスピレータ・減圧器等により減圧し吸引
濾過鐘
濾紙 filter paper
グラスファイバーフィルタGF/F: 水質分析用水の濾過に一般に使用

珪酸イオンコンタミに注意

メンブランフィルタ

セルロースアセテートメンブランフィルター: 孔径0.2 nm水質分析標準 (Advantec Toyo)

水質分析


全項目分析に必要なサンプル量は、最低100ml(理想250ml)。冷凍保存

サロベツでは、測定項目絞って50 ml → クアトロ

全窒素, 全リン

ペルオキシ2硫酸カリウムで酸化分解後、220 nmか880 nm吸光度測定し定量か、全窒素・全リン分析計を使用。全窒素・全リン分析計では、溶存態(0.5ミクロンフィルター通過するもの)に限られる

NH4+, NO2-, Cl-, SO42-, K+, Na+, Ca2+, Mg2+: イオンクロマトグラフで分析
Fen+, SiO2: ICPで分析する(鉄は、2価と3価を分け測定するなら機器分析では不可能)

(Wetzel & Likens 2000)

イオンクロマトグラフ(IC)

HPLCの1種。水溶液中イオン成分を分離し分析する装置

溶離液(移動相)に電解質水溶液を用い、固定相にイオン交換樹脂充填カラム使用

溶離液に注入された試料溶液中の各イオン成分は、カラムに入りイオン交換樹脂への親和力強弱、イオン価数、イオン半径等により分離される。分離イオン成分は溶離液と共にサプレッサー、検出器に入り、イオンクロマトグラムとし記録される。多くの場合、検出器に電気伝導度検出器を用いるが、ICの溶離液は高電気伝導性を持つため、サプレッサー(= バックグラウンド低減装置)を併用し、イオン成分を高感度検出
IC感度: ループ(容量数10 μl)注入法 = 数10 ppb → 濃縮カラムを用いた濃縮注入法 = ppb-pptレベル

試料前処理
液体試料: 純水抽出、希釈と濾過操作を行い、試料中主成分と微量不純物成分測定
固体試料: 熱水、超音波等による純水抽出で表面付着汚染成分、並びに加水分解等による生成成分測定
他に、有機化合物中のハロゲン、リン・イオウ等の含有量分析に燃焼ガスサンプリング法等がある

Ex. ダイオネックス, DX-120

溶存酸素 dissolved oxygen, DO
溶存酸素計(酸素センサー) = ガルバニ電池式かポーラログラフ式
フッター