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(露崎担当分 2017年4月26日更新) [ 日本語 | English ]

公開講座「北海道の自然環境再考: その危機的現象をとらえる」
湿原の保全と復元 -サロベツ湿原を事例として-




有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[2010年度 シラバス] [ 2002年度: 緑のない山が緑になるまで ]

2010(平成22)年度 北海道大学大学院環境科学研究院 「公開講座」

《北海道の自然環境再考: その危機的現象をとらえる》

湿原の保全と復元 -サロベツ湿原を事例として-

Conservation and restoration of wetlands - in the case of Sarobetsu mire -


概要

 サロベツ湿原は、原生花園とも呼ばれるように、様々な植物が生育している。また、ラムサール条約に登録され、水鳥保護上も貴重な湿原である。しかし、世界の至るところで、主に人為により湿原は減少の一途を辿っており、地球温暖化が、その減少に追い討ちをかけている。ここでは、サロベツ湿原の中でも大規模な撹乱を受けた泥炭採掘跡地の遷移過程を、水、埋土種子リター定着促進効果絶滅危惧種というキーワードでまとめ、保全と復元について考えたい。

Poster
「撹乱」に対する湿原植物の応答 P

Poster
湿原の植物と保全 P

内容


2010年9月7日(18:30-20:00)

レジュメ 湿原の保全と復元 -サロベツ湿原を事例として- P

スライドタイトル
  1. 湿原の保全と復元 -サロベツ湿原を事例として- (はじめに)
  2. I have a dream today ... P
  3. 湿原とは what is wetland?
  4. (泥炭)湿原を脅かすもの threat to peatland
  5. サロベツ湿原 Sarobetsu mire
  6. 泥炭採掘跡地 post-mined peatland
  7. サロベツ湿原の絶滅危惧種 endangered species in Sarobetsu mire
  8. モウセンゴケ属2種の分布 distribution of two Drosera species (Hoyo & Tsuyuzaki 2013)
  9. 温度と種子発芽 seed germination temperature and seed germination
  10. 水と種子発芽 water and seed germination
  11. 種子繁殖と栄養繁殖 sexual and vegetative reproduction
  12. 植物植被面積(被度)・種数の変化 temporal changes in species richness and plant cover
  13. 優占種の被度変化 changes in dominance on dominant species (Nishimura & Tsuyuzaki 2014)
  14. 優占種の変化 changes in dominant species
  15. リターと泥炭 litter and peat
  16. リター初期成分と堆積量 chemical components in the initial litter and litter accumulation
  17. リター分解速度litter decomposition rate

summary

  1. 微生物分解過程は植生よりもリターで異なる litter determines microbial decomposition more than vegetation
  2. 植生と埋土種子の関係 relationship between vegetation and seedbank (Egawa et al. 2009)
  3. 埋土種子の分布 distribution of seedbank
  4. 発芽と生存 seed germination and survival
  5. 実生成長 (播種2年後) seedling growth (for two yeares) (Egawa & Tsuyuzaki 2011)
  6. 定着促進効果 (ファシリテーション facilitation) (Koyama & Tsuyuzaki 2010)
  7. 谷地坊主の実生への効果 effects of tussocks on seedlings (Koyama & Tsuyuzaki 2012)
  8. 地下水の物理・化学特性 physical and chemical properties of groundwater
  9. スケール依存性環境要因 scale-dependent environmental factors (Nishimura et al. 2009)
  10. 富栄養化 eutrophication
  11. 施肥によるバイオマス(植物の重さ)変化 effects of fertilization on biomass (Nishimura & Tsuyuzaki 2015)
  12. 遷移(回復)機構は見えてきた (おわりに) light for understanding the mechanisms of succession (or revegetation)
講座で紹介できなかった研究・講座後に発表された研究

2000年 - 2010年 面積 (ha) (2011/ 3/15 さっぽろ自然調査館)


泥炭掘削跡地における植被分布


31 【ホロムイスゲ-イボミズゴケ群落】0.8 - 0.8

植生の定着が最も進行している群落である。イボミズゴケが高い被度で生育し、ホロムイスゲ、ヌマガヤ等の草本が優占している.初期に採掘・埋塞されたエリアでまとまってみられる。

32 【ホロムイスゲ-ヌマガヤ群落】 27.2 - 33.3

植生の定着が比較的進行し、ヌマガヤ、ホロムイスゲ等が優占する群落である。

33 【ミカヅキグサ群落】

ミカヅキグサが優占し、その他の生育種が少ない単調な群落である。ペースト状の泥炭で形成れた浮島上に分布する。

34 【ミカヅキグサ-ヨシ群落】 17.9 - 20.9

ミカヅキグザ群落と類似しているが、優占するミカヅキグサに加えてヨシが比較的高い被度で生育する。ミカヅキグサ群落と同様な立地に分布する。

35 【ミカヅキグサ-イボミズゴケ群落】 23.8 - 27.0

ミカヅキグサが優占する単調な群落であるが、イボミズゴケの生育がみられる群落である。ベースト状の泥炭で形成された浮島上でやや湿性状態が保たれた場所にみられる。

36 【ヨシ-スゲ群落】 6.8 - 5.4

浮島が浅く冠水している場所にみられる抽水植物群落である。優占するヨシ、スゲ頼をはじめカキツバタ等の抽ホ植物、沈水の植物ヒメタヌキモ等もみられる。

37 【ヨシ-ミズゴケ群落】 9.8 - 10.0

ヨシが優占し、地表にはミズゴケが密生している群落である。冠水はしないながらも過湿状態が保たれた浮島上にみられる。

19 開放水面___52.6 - 51.5 ▲ 1.1
21 裸地_______36.3 - 26.2 ▲ 10.1
____________175.1 - 175.1

利尻礼文サロベツ国立公園


Sarotetsu
利尻礼文サロベツ国立公園線引

稚咲内の砂丘列と砂丘林

海岸砂丘列模式図

稚咲内

海岸砂丘の植物分布模式図
稚咲内

稚咲内園地

稚咲内海岸砂丘列
 目の前に広がる日本海に沿って、40数kmの長大な自然海岸とこれに平行して数列の砂丘が形成されています。
 砂丘上には針葉樹や広葉樹の砂丘林が発達し、砂丘と砂丘の間には大小多くの沼と湿地帯が点在し、多様な動植物と美しい景観が見られます。
稚咲内と海岸草原
エゾスカシユリ  このあたりの川は赤さび色をしています。泥炭層から流れる強い酸性の水分が鉄分を酸化させたためです。
 稚咲内(わかさかない)の地名の語源は、アイヌ語の「ワッカ・サク・ナイ = 飲み水がない川」で、この赤い川に由来します。
ハマナス  海に面した砂丘斜面は、塩分を含んだ風と飛砂の影響を強く受け、植物にとって厳しい環境の場所ですが、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマナス、エゾスカシユリなどが砂地に深く根を張って海岸草原を形成しています。
自然を楽しむためのルールとマナー
  • 動植物を採取したり傷つけたり、驚かせたりしないで。
  • ゴミを投げ捨てないで - ゴミはすべて持ち帰ろう。
  • 湿原は弱い自然です - 決められたコースを歩こう。
  • 野生動物にエサを与えないで。

砂丘林がないとどうなるの?

- 町の暮らしと砂丘林の関係 -
  • 海からの強い風を防ぐ
  • 吹雪や竜巻などの自然災害から守る
  • 飛砂や塩害を防ぐ
砂丘林がないと町が大変なことになってしまいますね。砂丘林は生き物の住みかになるだけでなく、暮らしにとっても大切なものです。

サロベツビジターセンター (2017年4月22日)

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