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(2017年1月1日更新) [ 日本語 | English ]

スキー場 (裏版)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

⇒ スキー場 環境問題, 景観, 関連法規

表版 西武関連スキー場一覧


 2005年: 西武再建計画に伴いスキー場経営母体の大陸大移動が起こるのでは?

西武再建、売却候補18都道府県に 改革委リスト判明: 朝日 2005年4月13日
朝日新聞 西武株問題特集
西武関連スキー場リスト: 今後大きく変化するが。これら以外に西武関連会社が経営してる(た)スキー場もある (プリンスホテル)

西武 12リゾート廃業(11リゾートがスキー場)
表. 廃業が決まった11スキー場 (朝日 2007年3月24日)
スキー場 (地域)
津別 (今季限り) 北海道津別町
深川 (今季限り) (北海道深川市)
札幌北広島プリンスファミリー (北海道北広島市)
真駒内 (北海道札幌市)
森吉 (秋田県北秋田市)
千畑 (秋田県美郷市)
小千谷山本山 (新潟県小千谷市)
三国 (新潟県湯沢町)
燕温泉 (新潟県妙高市)
日光菖蒲ヶ浜 (栃木県日光市)
湯田中渋温泉ごりん高原 (長野県山ノ内町)
 ただし、現時点で譲渡先がなかっただけなので、今後、幾つかのスキー場は残るかもしれない。
表. (過去の)西武関連スキー場 (2005年4月現在)
北海道

函館七飯スキー場
ニセコ東山スキー場
真駒内スキー場
札幌北広島プリンスホテルスノーランド
富良野スキー場
深川スキー場
糠平温泉スキー場
津別スキー場

東北

雫石スキー場
千畑スキー場
阿仁スキー場
森吉スキー場
鯵ヶ沢スキー場

関越

苗場スキー場
三国スキー場
田代・かぐら・みつまたスキー場
湯沢中里スキー場
土樽スキー場

六日町八海山スキー場
小千谷山本山高原スキー場 *

* 中越地震 → 05年3月まで休止

水上高原スキー場
日光菖蒲ヶ浜スキー場
狭山スキー場

上信越

万座温泉スキー場
表万座スキー場
軽井沢プリンスホテルスキー場
志賀高原焼額山スキー場
ごりん高原スキー場
妙高杉ノ原スキー場
燕温泉スキー場

近畿福井

伊吹山スキー場
箱館山スキー場
国境スキー場
福井和泉スキー場 スノーボード

苗場スキー場浅貝ゲレンデ
軽井沢スケートセンタースノーボードパーク
箱根ピクニックガーデンスノーボードパーク
西武園ゆうえんちスノーボードパーク

[ 美瑛富士 | 西野(王子緑化) | 室蘭岳 | 八甲田山 | 岩手 | 森吉山 | 月山 | 新潟 ]

裏版


美瑛富士


美瑛富士スキー場開発計画

 本計画の実施にあたっては、美瑛富士の持つすぐれた自然景観をそこなうことなく、需要予測に基づく適正な規模の開発に心がけると共に地域の持つ自然特性を生かし、近年の多様化した施設利用者のニーズに充分対応したコース設定、さらに開発に伴う環境の保全には万全の配慮、をするものとする。 1. 施設概要
  1. ゴンドラ (スカイキャビン)
  2. J. バーリフト
  3. ロマンスリフト (ペアリフト)
  4. ロマンスリフト (ペアリフト)
  5. 終点駅舎

    緊急避難施設
    サンステーション

  6. 起点駅舎
  7. レストラシ
  8. 駐車場
  9. 展望レストラシ
  10. 取付道路
施設位置図
Map
スキー場施設概要
(1) コース
 事業種目     面積      摘要
 コース整備    132.5 ha    巾 100 m 4コース
(2) 索道
事業種目      面積      摘要
 コース以外の索道 14.9 ha
 ゴンドラ駅舎           (スカイキャビン分)

事業種目      延長      摘要
 ロマンスリフト C 1,600 m²
 ロマンスリフト D 1,440 m²
 J バーリフト   1,600 m²
 スカイキャビン  2,850 m²
(3) レストラシ
事業績目      席数      摘要
 レストラン    260席 (500 m²) ゴンドラ起点
 展望レストラシ  100席 (250 m²) 第1リフト終点
(4) 駐車場
事業種目      台数      摘要
 駐車場      2,000 台    75,000 m²
(5) 道路
事業種目      延長      摘要
 白金美瑛線より  3,500 m²    W = 6.5 m
 駐車場循環線           上り最急勾配 6%
                  舗装厚 0,80
(6) その他 (再掲)
事業種目面積    面積      摘要
 緊急避難室    25 m²      スカイキャビン終点
 休憩室      100 m²
 トイレ      25 m²      (終点駅舎を含む)
公園利用面積
  リフト
特別地域
  施設名           面積 m²
  J バーリフト L = 1,000 m  20,000
         W =    20 m  
  ゴンドラ   L = 2,000 m  40,000
         W =    20 m  
  小計            60,000
普通地域
  第一ロマンス L = 1,600 m  32,000
         W =    20 m
  第二ロマンス L = 1,440 m  28,800
         W =    20 m
  J バーリフト L =   600 m  12,000
         W =    20 m
  ゴンドラ   L =   850 m  17,000
         W =    20 m
  小計            89,800
  合計            149,800
  スキーコース
特別地域
  Aコース          64,375
  Bコース          100,275
  Cコース          96.875
  Dコース          117,675
  小計            379,200
普通地域
  Aコース          203,300
  Bコース          278,650
  Cコース          299.825
  Dコース          70,625
  A~B連絡         60,780
  C~B連絡         33,225
  小計            946,405
  合計           1,325,605
  その他
特別地域
  終点駅舎           1,416
普通地域
  終点駅舎           2,244
  レストラン1          500
  レストラン2          250
  駐車場           75,000
  取付道路    L = 3,500 m 22,750
          W =   6.5 m 
  小計            100,744
  合計            102,160
特別地域   440,616 m² ( 44 ha)
普通地域 1,136,949 m² (113 ha)
            157 ha
計画における特別地域利用の方策
 美瑛富士スキー場計画区域には特別地域の利用が見込まれ、地域の利用に際しては寒帯、高山自然植生に対する保護、影響を十分に考慮すると共に、必要最小限の利用に止めるため、次の方策による利用を計画する。
1. スキーコースとしての利用
  • 積雪によりハイ松高山自然植生に影響を与えない状況を見極めてスキーコースとしての利用をする。
  • コース予定区域内にあっても、保護が必要とされル区域には、保護柵、テープ表示等により未利用保護区域を設定する。
2. 施設としての利用
  • 施設建築にかかる資材運搬等に関しては、ヘリコプターを活用する。
  • ゴンドラ、リフト施設に要する鉄塔、駅舎の敷地に関しては必要最小限に止める。
  • ゴンドラ、リフト敷に存するハイ松等に関しては、基礎の施設部を除いて、現況の保護を図る。
3. その他
  • 各施設に関する景観上の問題等に関しては、各関係機関と十分協議の上、問題の解決を図る。
(公園地域区分図)
Biei

西野スキー場計画


という印鑑がついてあった

王子緑化KK手稲山西野スキー場計画概容説明書

王子緑化テイネハイランド事業部

I. はじめに
1. 王子緑化所有手稲山林は、その面積2,951 ha、人口150万人の大都市札幌の近郊に位置し、近年益々市民生活と関わりが深くなり、当山林に対する市民の要望、期待が非常に強くなって来た現状にあります。此の為、当社が道内に所有している他山林に比較し、所謂本来の林業経営を遂行し難くなって居り、「都市近郊林業の特殊性」に基いた山林経営に方向転換を迫られている実態です。
即ち、こうした経営環境の変化と、当山林の特色、立地条件との適合性を種々検討した結果
  1. 山林を守り、緑の保全を図る林業経営の推進。
  2. 札幌市民の保健、体育に貢献し、且つ林業経営を補完して自然保護を増強するスキー場経営。
 の2本柱を経営の基本としています。尚夏季の利用は現在の処考えていません。
2. 特にスキー場の開発に就きましては、「保護と利用の両立」を図る観点より、第1次現テイネハイランドスキー場開設時(52年11月19日)に制定した事業理念
  1. 自然保護と開発の調和を図る
  2. 健康産業の担手となる
  3. 国際親善交流スキー場を目指す
 に則り、今回の第2次西野スキー場の開発に当っても同様事業を運営し「公益への寄与」に努力する考えであります。
II. 手稲山山林経営計画
1. 林業経営計画
  1. 沿革
     手稲山林は昭和12年4月、北海道造林合資会社より買収したものであります。当時の記録より推定すると、薪炭材を採取した山で、それ迄数回の山火事もあり、奥地沢止り、急斜面の伐採困難地を除いて、無立木地に近い処が可也りの面積を占めていました。
     即ち、当社取得時30m³/ha、想定蓄積87000m³の裸山であったが、以後50年近くに渉り撫育に努力して来た結果67m3/ha、蓄積172000m³に回復して来ました。
     又此の間にあって47年には総面積の80%に相当する2371haを自然景観保護地区に、此の外水源涵養保安林として254haの指定を受け、時代の要請に応えてきた経過にあります。
  2. 現況
    人工林   304 ha          蓄積       成長量
    天然林  2403     針葉樹   36632 m³
    除地     247     広葉樹  135805
    計      2951     計      172437     4716
    
  3. 施業計画(林野庁認定) *
     長期計画(20年)では、重点山林計画として第IV期末(1分期: 5年)にはha当蓄積90m3を目標として居り、伐採を極力抑制して保育に努める内容の施行を実施する予定であります。即ち、手稲山林は若齢林分が多く、平均蓄積も67 m³/haと低く、蓄積の回復に鋭意努力中であり、昭和58年スタートの施業計画ではI分期の伐採目標は0とし、第II分期以降も保育伐採に重点を置いて、成長量の10%に止め、第III分期に於ても成長量の50%と低く計画し、30ヶ年計画ではha当蓄積を100m³として居ります。更に最終的には林業計画可能なha当蓄積150-200m³を目標に第II分期以降天然林補植等も計画しています。尚当山林は現有人工林300ha以外は天然択伐施業を主体とし皆伐は極力避ける事で計画しています。
     換言しますと当山林は、今尚育成過程にあり大面積皆伐して自然を破壊する事なく択伐による景観の保全と計画的撫育管理による緑の増強を図り乍ら、林業経営を進め「自らの手で山を守り」市民の要請に応えてゆきたいと考えています。
    長期計画 期首     成長量  蓄積量  伐採量 天然林
             蓄積(m³) (m³/年) (m³/ha) (m³)   補植 (ha)
    I分期    167197    4716     67        0      0
    II分期   190805    5358     76     2945      6
    III分期  214747    6022     85    16743     52
    IV分期   228060    6443     91    32306     64
    
2. 林業経営(緑の保全)を進める上で果すスキー場の役割と機能
  1. 林業経営を取り巻く環境は極めて厳しく此の10年間に於ける木材価格の上昇2.5倍に対し、コストである造搬費外労賃アップは5倍と云うアンバランスにある傾向より、今後此の開差は益々拡大することが予想されます。前項の林野庁認定を受けている4分期間(20年)の施業計画収支を、現状で試算すると約2億円の持出しとなり、当手稲山林を長期にわたって保持してゆく事は非常に困難な状況にあります。以前は他部門の収益で充当して居りました。
  2. 然し、当社は此の負担を軽減する為、安易な増伐策はとらず、前記施業計画を遵守し、都市近郊林として、市民の自然保護と山林利用のニーズに応える様、自然保護団体の皆様方の御承認も得て、52年11月オリンピックコースを利用した現スキー場(40.2ha)を開設し営業中であります。
plan
III. 西野スキー場の開発計画
1. 計画の由来
 西野スキー場計画は突然浮上したものではなく、47-49年にかけて調査立案した手稲山パラダイス計画に包含されておりまして、現スキー場はその内の第1次計画であります。此の全体計画は一部関係先に非公式に御説明した事があります。
 現スキー場の開設に当っては関係官庁並自然保護団体の皆様以外の御指導御承認により52年11月にオープンしたもので自然保護との調和に努めて参りましたが、其後8年を経て前述の様な事情の変化進展により、第2次分として西野スキー場の開発計画を進め様としているのであります。地区的にも隣接して居り、長年に亘り温めて来た当初からの延長線上の計画である事を御理解願いたいのであります。
2. 計画概要(案)
リフト
  新設
    高速3人乗デタッチャブル4本  総延長6700 m
    高速2人乗デタッチャブル1本  750 m
  更新
    高速3人乗デタッチャブル1本  1500 m
                                (内新規500 m延長)
ゴンドラリフト
  新設 6人乗1本                 3000 m
コース面積                      74.4 ha*
駐車場  金山地区 0.9 ha         250 台
        西野地区 8 ha           3000 台
進入路  幅20m 延長3.1 km
レストハウス 3棟                1000席

* 区域面積でコース内に立木を集団的に残置する予定

3. 実施計画(案)
 実施に当っては西区勤労協外の皆様方の合意を得た上I-III期に分けて実施の予定であります。
  1. 第1期工事(60年度着工予定)
    リフト 新設 第2手稲山より中の川沿リフト3人乗 1800 m
           新設 第2手稲山より台地リフト3人乗     1800 m
           更新 パノラマ1号リフト 3人乗          1500 m
                                      (内新規500 m延長)
    コース面積                                   42.0 ha
    レストハウス (中間)                          300席
    駐車場 金山地区 0.9 ha                       250台
    
  2. 第2期工事
    リフト
      新設 パノラマ1号終点より
             第2手稲山頂リフト3人乗              1300 m
      新設 山麓より中間迄のリフト3人乗           1800 m
    ナイター設備 1式 西野地区中
    
     此の様に当社は「林業を中心にその一環としてスキー場を経営」して来た訳でありますが、其後8年を経過し、増大変化する市民の要望に沿う為、第2次として西野スキー場(74.4ha)の開発を計画した次第であります。
  3. 即ち、札幌市のスキー人口は尚増え続けていると予想されますが、その中で現在の当社テイネハイランドスキー場のコース面積は40.2haで、最高入込時(59-1-3) 6400人/日に対し、1人当りの占有面積は63 m²/人でります。札幌市内及近郊スキー場に於けるそれの119 m²/人(札幌市58年度シーズン調査平均値)に比較し累々1/2の狭さであり、それ相当の混雑振りを示す数字と考えています。
     矢張り「市民のスキー場選択性向が当社スキー場に向けられ」、こうした現実になっていると推察され、58年メーンの北壁リフトを3人乗として輸送能力アップを図りましたが尚20-30分待つ現状にあります。
     一方当スキー場の難度別のコース面積割合は上級用64.9%、中級用21.2%、初級用13.9%で此の構成でスキーヤーの入込みがあるとすると、1人当りの必要面積は126.9 m²/人(日本観光協会基準: 上級150 m²/人、中級100 m²/人、初級60 m²/人)となります。然し入込みの実態は今の仮定通りになっていませんが、中級者以上向きのスキー場としては可成り狭隘な事情にあると考えて居り、西野拡張によって難易度の平準化を図り、テイネハイランド指向の強い市民の要望緩和を策さねばならぬと思っています。
     更に各シーズン共そうでありましたが、当社の制止を振切って西野を滑降する人が非情に多く、市民スキーヤーの西野斜面への根強い愛着と期待の大きさが察せられます。而も毎シーズン5-6件の遭難騒ぎが起きて安全対策に悩んでいる事、並現スキー場の混雑度より惹起される事故の防止対策と併せて入込客の安全確保面よりも西野開発の必要性に迫られている事を御理解賜り度いと願っています。
  4. 現スキー場と西野スキー場のコース合計面積は114.6 ha(対総面積3.9%)で、此の開発に対する措置として当然乍らスキー場収益を手稲山に還元して緑の保全増強並コース内の緑の維持に努める所存であります。又山林経営上の拘束が一層強くなりますが、札幌市が緑の基本計画の一環として予定している「風致地区の設定」にも協力してゆく考えであります。
  5. スキー場の経営は、健康産業の担い手を事業理念として手稲山への要望の強い市民の保健・休養に資してゆく事は従前と変りありませんが、特に西野開発に当っては「新しいスキー人口を掘起し、市民の冬季に於ける健康作りの不足分を補う事」を目的と致します。
4. 以上を要約致しますと、育成途上の手稲山の森林を自力で活性化し周辺の自然を積極的に保護し、緑を保全する為、一部面積をスキー場に利用して林業経営の中に取込むと同時に市民のレジャー・体力作りのニーズにマッチさせる事を基本に手稲の経営を進める考えであります。

テイネハイランド西野地区スキー場開発計画

昭和61年1月
王子緑化株式
§1 開発の目的
 テイネハイランドスキー場は、昭和52年11月営業を開始して8年間を経過しました。
 スキー場開発に当たっては北海道庁、札幌市、手稲山の緑を守る市民会議他の御指導により、全国に先がけて、自然保護を旨とする開発協定書を締結し、開発と自然保護の調和を図った建設と運営を推進して参りました。
 最近、特に札幌市民を中心とするスキーヤーの新規参入が著増し、当テイネハイランドスキー場も過密状態が続いており、優良なスキー場資源の開発に対する要望が高まって参りましたが、就中、当西野地区は最も近距離、かつ、理想的な地形を持っておりますので、多大な期待が集まっています。
 しかし、一方では自然の保存と、その効用を享受する要望も依然として強く、水源涵養保安林並びに自然景観保護地区の指定を受けると共に、更に風致地区指定協力の強い要望を受けております。このようなことから、当社本来の事業である山林経営については著しい制約が加せられていますが、当社は保育経営を続ける方針でもありますので、その保育経営費の捻出に苦慮しているところであります。
 以上の状況を踏まえて西野地区スキー場の開発を進めて、大方の期待にこたえるとともに、当社にあたってはスキー場経営によって林業の経営基盤を確立し、更には緑の保全に努めて市民の期待に沿いたいと念ずるものであります。
§2 開発区域の概要
 本開発区域は、札幌市北西に位置する標高839.1 mの第二手稲山山頂付近より、二級河川新川水系「永峰沢」「中の川」「宮の沢川」の流域界(尾根筋)にスキー・コースを設けるものであり、この造成面積は、約50 haである。また、駐車場造成区域は中の川流域に含まれ、造成面積は約12 haである。
 開発区域は、山間部の中にあて極めて緩やかな地形をなしている。地質は安山岩系で構成され、林相はマツ類、広葉樹林から成っている。
 また、当該区域の森林蓄積は43,700 m³あり、毎年約1,260 m³まで成長しており、今回の伐採量は2,730 m³に過ぎず、過去10年間を顧みる時、保水力は著しく増加している。
§3 開発計画の概要
 スキーコースの設置に当たっては、防災、環境保全、及び森林資源保護の立場から必要最小限の伐採のみで済むように配慮しています。従って、比較的疎林である区域にコースが設置されています。開発計画の概要を表1に示します。また、実施計画(予定)は表2のように考えています。
表1. 計画概要
リフト

新設

高速3人乗 4本 総延長7400 m

(1800 m 3本, 2000 m 1本)

高速2人乗 1本 総延長 750 m

更新

高速3人乗 1本 総延長 1500 m (内新規 500 m延長)

ゴンドラリフト

新設

6人乗 1本 総延長 3000 m

コース区域面積

74.0 ha (コース区域面積でコース内に約33%の立木を集団的に残置立木伐出 2010 m³)

駐車場

西野地区 12 ha (法面を含) (3000台) (立木 720 m³)

進入路

幅 7.5-20 m 延長 2.9 km (トンネル 200 m 橋梁 80 m含)

レストハウス

3棟 1500席 6584 m²

調整池

4ヵ所 6890 m² 容量 12600 m²

表2. 計画概要 第I期計画 61年度以降予定

リフト

新設 西野ゲート-中間台地 3人乗 2000 m
新設 中の川中間-第2テイネ 3人乗 1800 m

ナイター設備 一式(西野地区山麓)
コース面積 39.89 ha 立木伐採 1590 m³
レストハウス 一棟 800席(山麓) 西野山麓レスト 5000 m²
進入路 幅 7.5-20 m 延長 2.9 km (トンネル橋梁含)
駐車場 西野地区 6.0 ha (50%) (1500台) 立木伐出 360 m²
調整池 4ヵ所 6890 m² 容量 12600 m²

第II期計画 63年度以降予定

リフト

更新 Jバー架替 3人乗 1500 m
(内新規 500 m延長)
新設 パノラマ2号架替 3人乗 1800 m
新設 第2手稲山頂-中間台地 3人乗 1800 m

コース面積 10.14 ha 立木伐出 420 m³
レストハウス 1棟 500席(中間) 1056 m²
駐車場 西野地区 6.0 ha (50%) (1500台) 立木伐出 360 m³

第III期計画 66年度以降予定

リフト 新設 第2テイネ-中間沢 2人乗 750 m
ゴンドラリフト 新設 西野ゲート-第2テイネ 6人乗 3000 m
レストハウス 1棟 200席(第2手稲山頂) 528 m²

§4 防災計画の概要
 森林は、雨水の地下浸透、地表の不陸、及び流路の蛇行等による自然の雨水流出抑制機能を有しています。また、植物による地表面の被覆は表土の流出を防止し、樹木、笹などの根は表土を固定しており、土砂流出抑制機能も有しています。
 土工事により地表面を改変する宅地開発等が行われれば、このような自然の防災機能は低下し、開発区域の下滅の災害の危険度は増大します。具体的には、不浸透面(家屋、道路等)の増大、地盤のかく乱、締め固め等による透水性の低下、あるいは高密度の排水路の整備により、流出量は増大し、かつ出水が速くなってきます。また工事中の土砂移動作業、裸地化等によって土砂流出の危険性が増大します。
 このような自然の防災機能を考慮し、また、環境保全、及び森林資源保護も考えあわせて、スキーコース予定地については、土工事は一切行わないものとしています。(一部、橋梁工事は有る。)
 スキーコースとして利用するための、必要最小限の伐採は行いますが、抜根も行わず表土を保全するようにします。また、スキーコースは既述のように比較的に疎林である区域にかかるように設定していますが、土砂移動の危険性の少ない緩斜面をできるだけ利用するようにも配慮しています。
 なお、伐採方式により作られたスキーコースでずから、かなりの積雪奮がなげれば供用でさません。従って地盤の締め固めによる透水性の低下(イコール流出量の増大)も考えられません。
 以上のような開発の形態を考えて防災施段(雨水洗出抑制施設、及び土砂流出抑制施設については、次のように計画するものとしました。
 先ず、雨水流出出抑制施設についてですが、伐採のみの開発であるスキーコースについては、流出増はほとんどないものと考えられます。当該区域の森林の伐採については、造林地等において保育伐採基準内で日常的に行われている行為であり、これに伴って雨水や土砂の流出が増大したという記録はない様であります。従って防災対策も義務付けられてはいません。
 しかし、伐採される樹木の葉や幹の部分の保水性(雨水の付着対流、樹木自体の保水)も全くないとは言えません。特に当開発区域の下流には札幌の市街地が広がっており、たとえわずかの雨水流出量の増大であても、その抑制については万全な対策を施すものと考えております。「林地開発許可申請の手引き」、「防災調節池技術基準(案)」等の技術指針を参考にすると、本ケースのような開発の形態では流出係数の増加分(Δf)をΔf = 0.1まで考えておけば十分であるようです。(開発前の流出係数を0.7とすれば開発後は0.8)。この流出係数の増加に伴う、流出増を抑制すべく、雨水流出抑制施設(たとえば防災調整池)を設けるものとします。なお本開発の一部には、駐車場、道路等の造成も含まれています。これらの開発形態は、宅地開発等と同様なことから、上述の技術指針等を参考に流出係数の増加分をΔf = 0.2として考え、それに対応するように雨水流出抑制施設を設けるものとします。
 次に土砂流出抑制施設についてですが、樹根や地表付近の植生は残存するものであり、土砂流出を増大させる要素はありません。開発予定区域をみてみると、比較的疎林である区域には、ササ等が密生しており、表土を固く守っています。伐採後はこのような植生分布になるものと予測されます。従って、スキーコース予定地については、土砂流出抑制施設の必要はないと考えるものですが、駐車場、道路等の造成については土砂流出が十分考えられますので、以下の基準値に従い、土砂留め柵等の土砂流出抑制施設を設けるものとします。
  • 造成中: 造成面積1 haについて造成期間1年当り400 m³の土砂を貯留できる施設(各技術基準中の上限値)
  • 造成後: 造成面積1 haについて造成期間1年当り1.5 m³の土砂を貯留できる施設(各技術基準中の上限値)

(なお造成後5年程度は表土が安定しない状態が考えられますので、造成中の施設を残置します。)


1985年6月15日

札幌市長 板垣 武四 殿

手稲山の緑を守る市民会議
会長 皆川 洋一
札幌地区労働組合協議会
議長 越智 喜代秋

王子緑化「西野スキー場」に関する申し入れ書

 市民の生活環境改善に努力されている貴職に敬意を表します。
 既にご存知のように、王子緑化(株)は、手稲山の西野側に大規模なスキー場建設を計画しています。
 この計画が実施されますと、手稲山の「緑」の減少、景観上大きな問題です。
 また、計画地域が住宅地に近いことから防災、交通混雑など市民生活にあたえる影響も大きく、住民の間から不安の声がでています。
1  さらに札幌市の「緑の基本計画」の中では、手稲山を、"緑の拠点"として位置付けており、市の環境行政の立場からも問題のある計画だと考えます。
 私たちは、自然保護、住民環境を守るために、札幌市として以下の点について対策されますよう強く要望致します。
  1. 王子緑化(株)が西野側に計画しているスキー場計画について、自然保護、景観上の問題、さらに市民生活にあたえる環境の重大性の観点からも、計画の撤回を王子緑化に求めること。
  2. 「緑の基本計画」の中で、手稲山を"緑の拠点"として位置付けているが、手稲山全体の保全計画を明らかにすること。
     合せて手稲山の民有林の「買い取り」を含めた保護対策を講ずること。
  3. 今回のスキー場計画が実施されると道路混雑・防災上の問題など市民生活への影響が心配されるが、市はどのように受け止めているか、考え方を明らかにされたい。
  4. スキー人口は年々増えているが、それを受け入れるためにスキー場建設を認めていっては、都市の貴重な「緑」は破壊されてしまいます。
     市内ばかりでなく近郊や道内スキー場の利用をまとめた総合的な対策が必要と思うが、市の考え方を明らかにされたい。

手稲山のスキー場新増設計画の中止を

指導することを求める要請書

昭和60年11月25日

札幌市長 板垣 武四 殿

札幌市北区北10条西1丁目
北海道道央地区勤労者山岳連盟
会長 五十嵐 勇

 去る11月9日、10日の両日、北海道青年会館(札幌市中央区北6条西6丁目)において、勤労者山岳連盟北海道地方協議会(北海道々央地区勤労者山岳連盟)主催による第14回全道登山研究集会が開催され、別添資料のとうり、「手稲山の自然を守るアピール」が採択されました。
 同上アピールに基づき、王子緑化株式会社による手稲山南東斜面でのスキー場新増設計画に反対し、札幌市に対し、同スキー場計画を中止するように同社を指導することを要請します。

以上

「手稲山の自然を守るアッピール」

- 手稲山のスキー場新増設計画を中止させよう! -
 札幌の近郊に残された手稲山の豊かな自然を守るために、王子緑化株式会社による手稲山南東斜面でのスキー場の新増設計画に反対します。
 手稲山はこれまで、自然を愛する多くの市民、道民に親しまれてきました。また、私たち登山者にとってはハイキング、沢登り、あるいは山スキーのコースとして、初心者から楽しめる身近な山です。それも、広い森林をはじめとする手稲山の豊かな自然環境があったからです。しかし近年は、スキー場やゴルフ場の集中的開発をうけた北斜面に典型的に見られるように、自然環境は著しく損なわれてきています。このような状況にある手稲山でのこれ以上の開発行為を、私たちは許せません。
 王子緑化株式会社による、このスキー場計画は

第一に、都市のすぐ傍に残された貴重な自然を破壊するものです。

第二に、札幌市街をとりまく山岳自然の景観を著しく損なうものです。

第三に、登山者やハイカー、自然に親しもうとする多くの市民から最も身近で貴重な場所を奪うものです。

 私たちは、王子緑化株式会社に同スキー場計画の中止を求めるとともに、札幌市及び北海道に対し、同スキー場計画を中止するよう同社を指導する事を要請します。
 私たちは、自然を愛する全ての人々、とりわけ山岳愛好者にむかって、同スキー場計画を中止される運動に私たちとともに立ち上がり、手稲山の自然を守りぬく事を呼びかけます。

第十四回全道登山研究集会 1985年11月10日

(主催 勤労者山岳連盟北海道地方協議会)


陳情第148号

手稲山の自然環境の保全を求める陳情

昭和61年2月15日 受理
昭和61年2月17日 付託 環境消防委員会
提出者

(要旨)
 手稲山のスキー場新増設計画をとりやめさせ、同山の森林等を育成し、保全していただきたい。
(理由)
 札幌市の自然環境保全に重要な役割を果たしている手稲山の北西斜面にはすでに数カ所のスキー場が設けられていますが、近年南東斜面においても大規模スキー場および道路など関連施設の建設が同地を所有する王子緑化株式会社により計画されています。
 しかし、ごれ以上手稲山の森林を焼失させることは、計画地の至近にある西区住宅地の生活環境を直接に損ねるのは、もちろん、豊かな自然環境を求めている札幌市民全体の利益を後代にわたって損ねることは明らかであります。
 このため、札幌市は、新規のスキー場建設計画を撤回させるのはもちろん、進んで.手稲山および札幌南西部山地の森林の育成に努め、森林による空気と水質の浄化、自然景観の保全を促進する諸施策を実行し、もって札幌市民の真の利益を達成せしめるよう陳情いたします。

1986年3月9日

「手稲山西野スキー場計画に反対する連絡協議会」結成集会

プログラム
  1. 開会のあいさつ
  2. 経過と今後の方向について
    右近 優 (手稲山を守る市民の会)
  3. 各団体挨拶 • 西区市民の会 • 手稲山の自然を守る会 • 北海道自然保護団体連合 • 道央地区勤労者山岳連盟 • 都市空間とシマリス・自然友の会 • 札幌市職員組合本庁第二支部
  4. 討論
  5. 討論のまとめ
  6. 「手稲山西野スキー場計画に反対する連絡協議会」
    採択
  7. 閉会のあいさつ

「手稲山西野スキー場計画に反対する連絡協議会」 (案)
  1. 目的
    ① 手稲山のスキー場新増設に反対する
    ② 将来的に手稲山の公立公園化を実現する
  2. 性格
    • 上記目的で一致する団体であれば、すべての団体の参加を積極的に呼びかけていきます。
    • 各会、団体の連絡と交流、各団体の一致出来るところでの共同の運動を行っていきます。
  3. 代表と運営
     構成団体の各代表をもって、それぞれが本連絡協議会の代表とし、その運営は、各団体の一致をもって運営します。
  4. 構成団体
    • 「手稲山の自然を守る西区市民の会」 代表 右近 優
    • 「手稲山の自然を守る会」 代表 前田 重和
    • 「北海道自然保護団体連合」 代表 寺島 一男
    • 「道央地区勤労者山岳連盟」 代表 五十嵐 勇
    • 「支笏湖の自然を考える会」 代表 綱島 正人

「手稲山西野スキー場反対運動の主な経過」

1985.4.16 道新,王子縁化が手稲山南東斜面でスキー場建騒を計画してい事とを報道報道。直ちに市民有志、自拐環境関係者、反対運動を準備。

____ 4.25 「手穂山の自然を守る会J (前田和重代表、以下「守る会」)発足。

____ 5. 7 板垣札幌市長、「新スキー場計画は地元合意が必要。既設スキー場を調査のうえ身長に対処する」と表明。

____ 5. 8 王子緑化の高橋常務、60年度着工断念を表明。

____ 5.10 「守る会J、王子緑化、道、札幌市に対しそれぞれ計画の撤回、中止の指導をめる要望書を提出。

____ 5.26 「守る会」、スキー場予定地の調査登山を実施。予定地の測定、樹木伐採のための毎木調査の跡発見。

____ 6.12 共産党の山根泰子市議、第2回定例市櫨会で手稲山新スキー場問題を質問。「市は王子に反対を申し入れるベき」と主張。

____ 6.18 「手稲山の緑を守る市民会議」(皆川洋一会長、以下「市民会議」)と「札幌地区労」(越智喜代秋代表)、王子緑化と札幌市に対し、計画撤回を求める申し入れ書を組出。

____ 6.18 「守る会」、市舗会、道議会に陳情書を提出。

____ 6.20 「市民会議」「地区労」、道に申し入れ書を提出。道、「札幌市の判断がカギ」と述べる。

____ 7.13 市議会環境消防委、「守る会」の陳情を初審査

____ 7.15 市議会環境消防委、藻岩、真駒内スキー場視察。

____ 8.21 地元ン西野で「西野スキー場問題を考える住民の集い」(呼び掛け人 右近氏ら)を開催。地元住民の反対組織の結成を決める。

____ 8.27 市議会環境消防委、2度目の審査。市、計画把握に及び腰。

____ 9.28 地元住民、「手稲山を守る西区市民の会」(右近優世話人ほか、以下「西区市民の会」)を結成。

____11.10 日本勤労者山岳連盟道地方協議会(長水洋代表)、全道集会で手稲山スキー場計画に反対するアピールを採択。

____11.25 「道央勤労者山岳連盟」(五十嵐勇代表)、全道集会で手稲山スキー場建設計画反対の要望書を提出。

____11.26 「道自然保護協会」(八木健三会長)、知事、市長、道営林局、環境庁長官に対しスキー場の規制と環境保全を求める要望書を提出。

____11.29 「西区市民の会」、市に対し住民の生活を守る立場からスキー場建設を止めさせることを求めた要望書を提出。リフト工事に伴う過伐疑惑表面化。

____11.29 札幌市職員組合本庁第二支部(浅井良雄支部長)、環境局長に対し、スキー場開発阻止を求める申し入れ書を提出。

1986. 1xx 手稲山スキー同好会(細川忍代表)、手稲山西野スキー場造成促進に関する陳情書を市議会に提出。

____ 1.18 北林アルペンスキー同好会(山本欣二代表)と市議会に同スキー場造成促進の陳情書を提出。

____ 1.22 「西区市民の会」前出市長宛要望書に基づき札幌市と第一回交渉。

____ 1.26 「北海道のスキー場を考えるシンポジウム」(北海道自然保護団体連合主催)で「西区市民の会」がスキー場建設反対の連携運動を呼びかける。

____ 1.28 市議会環境消防委員会で市の姿勢に批判の声出される。

____ 2.15 「西区市民の会」、手稲山の自然環境の保全などを求める陳情書を札幌市議会に提出。

____ 2.17 「新日本婦人の会札幌西支部」(会長大槻きい子)、「手稲山西野スキー場の建設に係る開発行為の許可申請に対する不許可要請方に関する請願」を200余名の署名とともに提出。

____ 2.20 市議会環境消防委員会で、札幌市が王子緑化(株)から初の計画説明を受けた旨報告。

____ 2.26 「手稲山西野スキー場計画に反対する合同集会」(「西区市民の会」、「守る会」、「道央地区勤労者山岳連盟」、「北海道自然保護団体連合」共催)で「連絡協議会」を作ることを決める。

____ 3. 2 「連絡協議会」結成準備会を開き3月9日に結成集会を開くことを決める。

手稲山のスキー場新増設計画を撤回し
森林として保全することを求める要望書
王子緑化株式式会社
竹橋欣司社長殿
 貴社は札幌市西区の手稲山斜面に大規模スキー場を建設する計画を立てている。しかし森林のスキー場化はいかなる方策をとるにせよ、山岳地に残された森林の空気浄化、貯水、水浄化、動植物保護、土砂流出防止など環境を保全する機能を著しく低下させる。
 北海道の平地部森林の多くが失われた現在、山岳地の森林は今後、環境保全および住民の年間を通じた保健休養の場として育成につとめるべきである。スキーについては現存施設の活用および代替えスポーツの振興をはかるべきで山岳地へのこれ以上の新増設は認められない時代に到達している。
 貴社は昭和十二年手稲山を林業地として北海道造林会社より購入した歴史を有するが、操業の精神にもとづき手稲山全地域において環境保全と両立できる林業を行なうことによって社会に寄与し、スキー場新増設計画については撤回されることを要望する。

「手稲山の自然を守る会」
代表 前田 重和
事務局 札幌市西区西野八条二丁目 鈴木方


昭和60年11月29日

札幌市長
板垣武四 殿

手稲山を守る西区市民の会
世話人代表 右近 優

手稲山(西野側)のスキー場建設計画に
反対し同山の環境保全を求める要望書
 手稲山の南方部分を所有する王子緑化株式会社は、私たちの住む西区に隣接する低ね山南東斜面(西野倒)で大規模なスキー場の建設を計画しております。このようなスキー場が建設されますと都市近郊の貴重な森林が損われるばかりでなく、当面、考えられるだけでも次のような生活環境の悪化が生じます。
  1. 森林の大面積伐採により、大量の水が山岳から平地に流出し土石流の危険が増大し、麓住民の生命と財産が脅かきれる。
  2. スキーリフト利用者の自動車により住宅地内において車の渋滞、排気ガス公害、交通事故が増大する。また、建設予定の大駐車場・道路は夏期間における暴走族の集中など無用な諸問題の多発を予想させる。
  3. スキー場のスピーカーによる騒音、夜間照明などにより静寂な住宅地の環境が損なわれる。等

-132-

 これらの理由により私たちは,住民福祉に反するこのような営利目的の大規模スキー場建設には反対であります。
 よって、市は住民生活を守る立場から王子緑化株式会社に対し、スキー場建設を取り止めさせるべく必要な措置を講じるよう要望いたします。
 手稲山の同地域は、もともと林業経営を目的に明治40年北海道造林会社が払い下げをうけ、昭和12年からは王子造林会社(現・王子緑化株式会社)が取得し現在にいたったところであります。この創業の精神を受けつぎ王子緑化株式会社は、その西野スキー場建設計画書において林業経営低迷によ保育経費捻出のため、スキー場を経営したいとの意向を明らかにしております。
 この状況にかんがみ市は同社から同地の所有権を取得するか、ないしは考えられる政策的手段を講じて手稲山を良好な都市近郊林として緑化し保全して、後代にわたる住民の福祉を達成させるよう要望いたします。
 また、第二手稲山の頂上部分には現在、札幌市の出資する財団管理のスキーリフトがありますが、最近拡張工事が行われその周辺の森林が伐採されました。この地点は上述の王子緑化スキー場計画地と隣接する地点であり、既設スキー場の拡大によって実質的な同計画スキー場の工事着手と受けとらざるを得ません。
 ついては,この件と手稲山保全の市の考えをうかがいたく、できるだけ早い時期に当市民の会と話合うことを要望いたします。

-133-

Teine

開コン (60年10月)

§3. 防災計繭の概要

 森林は、雨水の地下浸透、地表の不陸、及び流路の蛇行等による自然の雨水流出抑制機能を有しています。また、植物による地表面の被覆は表土の流出を防止し、樹木、笹などの根は表土を固定しており、土砂流出抑制機能も有しています。
 土工事により地表面を改変する宅地開発等が行われれば、このような自然の防災機能は低下し、開発区域の下流の災害の危険度は増大します。具体的には、不浸透面(家屋、道路等)の増大、地盤のかく乱、締め固め等による透水性の低下、あるいは高密度の排水路の整備により、洗出量は増大し、かつ出水が速くなってきます。また工事中の土砂移動作業、裸地化等によって土砂流出の危険性が増大します。
 このような自然の防災機能を考慮し、また、環境保全、及び森林資源保護も考えあわせて、スキーコース予定地については、土工事は一切行わないものとしています。(一部、橋梁工事は有る。)
 スキーコースとして利用するための、必要最小限の伐採は行いますが、抜根も行わず表土を保全するようにします。また、スキーコースは既述のように比較的に疎林である区域にかかるように設定していますが、土砂移動の危険性の少ない緩斜面をできるだけ利用するようにも配慮しています。
 なお、伐採方式により作られたスキーコースですから、かなりの積雪がなければ供用できません。従って地盤の締め固めによる透水性の低下(イコール抗出量の増大)も考えられません。
 以上のような開発の形態を考えて防災施設(雨水流出抑制施設、及び土砂流出抑制施設)については、次のように計画するものとしました。
 先ず、雨水流出抑制施設についてですが、伐採のみの開発であるスキーコースについては、流出増はほとんどないものと考えられます.当該区域の森林の伐採については、造林地等において保育伐採基準内で日常的に行われている行為であり、これに伴って雨水や土砂の流出が増大したという記録はない様であります。従って防災対策等も義務付けられてはいません。
 しかし、伐採される樹木の葉や幹の部分の保水性(雨水の付着滞留、樹木自体の保水)も全くないとは言えません。特に当開発区域の下流には札幌の市街地が広がっており、たとえわずかの雨水流出量の増大であっても、その抑制については万全な対策を施すものと考えております。「林地開発許可申請の手ぴき」、「防災調節池技術基準(案)」等の技術指針を参考にすると、本ケースのような開発の形態では流出係数の増加分(Δf)をΔf = 0.1まで考えておけば十分であるようです。(開発前の流出係数を0.7とすれば開発後は0.8)。この流出係数の増加に伴う、流出増を抑制すべく、雨水洗出抑制施設(たとえば防災調整池)を設けるものとします。なお本開発の一部には、駐車場、道路等の造成も含まれています。これらの開発形態は、宅地開発等と同様なことから、上述の技術指針等を参考に涜出係数の増加分をΔf = 0.2として考え、それに対応するように雨水流出抑制施設を設けるものとします。
 次に土砂流出抑制施設についてですが、樹根や地表付近の植生は残存するものであり、土砂涜出を増大させる要棄はありません。開発予定区域をみてみると、比較的疎林である区域には、ササ等が密生しており、表土を固く守っています。伐採後はこのような植生分布になるものと予想されます。従って、スキーコース予定地については、土砂流出抑制施設の必要はないと考えるものですが、駐車場、道路等の造成については土砂流出が十分考えられますので、以下の基準値に従い、土砂留め棚等の土砂流出抑制施設を設けるものとします。
  • 造成中造成面積1 haについて造成期間1年当り40Q m²の土砂を貯留できる施設(各技術基準中の上限値)
  • 造成後: 造成面積1 haについて造成期間1年当り1.5 m²の土砂を貯留できる施設(各技術基準中の上限値)
(なお造成後5年程度は表土が安定しない状態が考えられますので、造成中の施設を残置します。)

§4 雨水流出抑制計画

1.開発区域の概要
 本開発区域は、札幌市北西に位置する標高839.1 mの第二手稲山山頂付近より、二級河川新川水系「永峰沢」「中の川」「宮の沢川」の流域界(尾根筋)にスキー・コースを設けるものであり、この造成面積は、約50 haである。また、駐車場造成区域は中の川及び上追川流域に含まれ、造成面積は約12 haである。
 開発区域は、山間部の中にあって極めて緩やかな地形をなしている。地質は安山岩系で構成され、林相はマツ類、広葉樹林から成っている。
 また、当該区域の森林蓄積は約43,700 m²あり、毎年約1,260 m²まで成長しており、今回の伐採量は2,730 m² (約6%) に過ぎず、過去10年間を顧みる時、保水力は著しく増加している。 2. 洪水調節解析 1) 平均流出係数一覧表  各河川の河川特性及び開発前後の平均流出係数を表-10に示す。
 開発後平均流出係数の求め方は、面積荷重平均法により求めるものとし、永峰沢を例にとると以下のとおりである。 2) 洪水調節解析結果
 以上の計算条件に基づき検討し、各河川の開発前後のピーク流出量及び調節池規模(洪水調節容量)を表-11に示す。
 これによると、防災調整池を設置する事により、開発に伴うピーク流出量増分は処理されており、下流地域へ悪影響を及ぼしていない事がわかる。
 なお、図-12から16には開発前後のハイドログラフ及び洪水調節前後のハイドログラフを示した。
表-10 平均流出係数一覧表
teine
表-11 洪水調節解析結果一覧表
teine
30年に1回のピークとして

§5 土砂流出抑制計画

1.計画の概要
 切土、盛土等の大規模な土工事を伴う宅地開発等においては、裸地化に起因する土砂流出を抑制するために、貯砂池、土留棚工等の対策を爵ずる必要がある。
 スキーコース予定地域については、土砂抗出の防止と、自然環境の改変を最小限に抑えることを目的として、土工事は一切行なわないものとしている。(一部橋梁工事はある。)スキーコースとして利用するために必要最小限の伐採は行なうが、抜根は行なわず地表を保全し、従前の森林のもつ土砂流出抑制機能を阻害しないようにする。またコースの設定自体も、その大部分が、土砂移動の危険性の少ない尾根等の比較的緩い斜面となるように考慮している。
 森林の伐採については、造林地等において保育伐採基準内で日常的に行なわれている行為である。この行為に伴って土砂洗出が増大したという事例はない様であり、土砂流出抑止対策等も義務付けられてはいない。
 このようなことから、スキーコースについては伐採のみという開発方式をもって、土砂流出を抑制するものとした。
 なお、万が一土砂流出の兆候が発生した場合は、スキーコースとしても支障が生じるので山腹工等により速やかに対応するものである。
 土工事を伴う駐車場、建物、道路、及び鉄塔等については、種々の技術基準等を参考として、計画土砂量を算定し、それに対応する施設を設けるものとする。これについて以下に述べる。
2. 造成中の土砂流出抑制計画
 造成工事に伴う流出土砂量の算出に当たって原単位(単位面積当たりの流出土砂量)は、特定開発行為事務関係(規定)集,林地開発許可申請の手引き、及び防災調節池技術基準に準じるものとする。

特定開発行為事務関係(規定)集
300-400 m³/ha/年
林地開発許可申請の手引き
200-400 m³/ha/年
防災調節池技術基準(案)
70-240 m³/ha/年

となる。
 本計画においては、これらの流出土砂量の基準値の上限、400 m³/ha/年を用いるものとした。年間の(土砂流出期間、積雪のない期間 ≈ 工事期間)を6ヶ月とすると造成面積当たりの設計流出土砂量(V) は、

V = 400 × (6/12) = 200 m³/ha

 この流出土砂量に対応する施設として、図-17に示す土砂留棚(金網マット棚工)等を設置するものとする。堆砂勾配を現地盤勾配の1/2とすると、この土砂留棚単位延長当たりの土砂抑制量は次により算定される。
plan
図-17 土砂留棚 (金網マット)

Ve = 1/2 × h × L = n·h2

= 0.36 n

 ここに、n: 現地盤勾配の分母
 造成区域の平均的な現地盤勾配を

l = 1/5 とすると

 土砂の留棚の1 ha当りの必要延長は

l = V/Ve = 200/(0.36 × 5) ≈ 110 m/haとなる。

 詳細については造成計画、及び、施工計画を勘案して、適時、効率的な配置となる様に計画、設計を行うものとする。
 なお造成後3-5年間は造成面の土砂が安定しないものと考えられているので、造成後5年間は土砂留棚等の施設を残置するものとした。
3. 造成後の土砂流出抑制計画
 造成区域の地被状態は.アスファルト舗装,植栽等により被覆されるため、造成中の裸地化した状態に比べて土砂流出量は極めて少なくなると考えられる。表-__の実例では植栽地でO.15 m³/ha/年と極めてわずかである。
 造成後の土砂流出量については,表-__より以下の織な基準値が示されている. ここに、n : 現地毘造成後の土砂抗出量については,表ーより以下の様な基準値が示されている。
  • 特定開発行為事務関係(規定)集
    1 m³/ha/年 (普通林地準用)
  • 防災調節技術基準(案)
    1.5 m³/ha/年
 本計画では1.5 ha/年を用いるものとして、5年分の流出土砂量に見合う施設を設けるものとした。すなわち5年に1回浚渫する計画である。
 従って、造成面積当たりの設計流出土砂量は、

V = 1.5 × (6/12) × 5 = 3.75 m³/ha

 これに基づき、区域ごとに必要量を決め、それに対応する施設を設ける。
 雨水流出抑制施設の位置により貯砂池を併用可能なものは併設する事とし、不可能なものは貯砂池を設けるものとする。

表-12 天神川支流猫岩試験地の斜面年間流出量 (m³/ha/年)

  年    裸地   植栽地
  1962   91.80  O.54
  1963   45.01  0.14
  1964   52.44  0.10
  1965    -    -
  1966  104.74  0.31
  1967   28.13  0.93
  1968   24.94  0.10
  1969   28.94  0.20
  1970   60.15  0.10
  1971   29.21  0.13
  1972   41.23  0.10
  1973   12.99  0.11
  1974   8.42  0.11
  1975   30.43  0.I4
  1976   71.09  0.17
  平均   45.00  0.15

参考


環状夢のグリーンベルト構想の推進 (保全・整備の方策)

  • 手稲山緑地群 4,800 ha
    札幌の景観を代表する山岳 (民有林)
    札幌オリンピック冬季大会の会場、スキー場、ゴルフ場、遊園地がある。
    森林保全の方策として風致地区指定を図り、主要部については都市緑地として計画することにおり構想を推進する。
  • 藻岩山緑地群 1,900
    文化財(天然記念物)である藻岩、円山の国有林を含む山岳系緑地群。札幌のまちの背山。
    連続する山並みと森林の保全等を強化するために、風致地区を指定し、枢要な地域の公園化、緑地化を図り構想を推進する。
  • 石山緑地群 2,400
    豊平川扇状地の上流域に位置する一部農地の介在する森林地域。
    地域振興策の一環として、観光農業計画を立案するとともに、枢要な緑地、森林資源の公園化、更に周辺環境保全のための風致地区の指定を推進する。
  • 西岡緑地群 5,200
    本市南東部、月寒台地上に拡がる丘陵系の大緑地群。
    国営公園、市有林、保安林、国立農業試験場などを含む地域。環境、景観、レクリエーションなどの面で本市でも最大の緑地資源。
    当面、大型レク基地の整備を進めながら、様々な誘導・規制策を駆使し、全体的な保全と活用の推進を図る。
  • 野幌緑地群 (2,000)
    本市東部の市域に隣接する森林地域で、S43年5月道立自然公園に指定されており、グリーンベルト構想に組み込んでいる。
    西岡緑地群とのネットワークの中間地点として、平岡公園を造成している。
  • 米里緑地群 200
    本市の豊平川最下流域の低地地域。
    不燃性のゴミ埋立地として取得し、埋立後公園として造成する計画。今年より山本処分場へのゴミ搬入を開始する予定。又、グリーンベルト記念の森を造成。
  • 北部緑地群 1,000
    伏籠川最下流域の低地地域。
    この緑地群は公園緑地系、農業緑地系、将来に必要となる公共用地の先行的確保などの組合せにより構想を推進する。
    モエレ沼公園の造成、市街地内酪農家の移転による酪農団地の誘致構想が現在進められている。
  • 手稲緑地群 500
    新川水系最下流域の低地地域。
    北部緑地群と同様に、構想の成熟化を図っている。
    現在、前田森林公園、埋立場の造成と跡地の緑化にとりくみつつ、農業との調査による構想全体の具体案を作成中である。
  • 計 (2,000) 16,000
環状夢のグリーンベルト構想図
plan
(注)
  1. 風致地区の指定 ··· 都市計画法上の地区制度。今日、大規模地域の緑の保全策として、現実的に選択しうる規制・誘導策である。
    風致地区に合わせ公園・緑地計画と組み合わせ効果をあげる必要がある。(S57年より指定作業中)
  2. 国営滝野すずらん丘陵公園 ··· 面積 400 ha (S54年より15年計画で事業中)
  3. 西山ふれあいの森林(もり) ··· 面積 120 ha (S59, 60年施行)
    林野庁の新制度事業 (S59)。西山市有林 1,200 haの区域
  4. 平岡公園 ··· 面積 60 ha (S57より造成中 ··· 5千本の梅林など)
  5. 山本処理場 ··· 面積 80 ha (S59よりゴミ搬入)
    20万t/年のゴミ搬入。引き続きブロック毎に公園化を図る。
  6. モエレ沼公園 ··· 面積 170 ha (S57都市計画決定、同年より公園事業開始 ··· 1万本の桜林など)
    S54からゴミ搬入 250万t, ブロック毎に公園化を進めている。
  7. 前田森林公園 ··· 面積 42 ha (S57より公園事業中)
    600 mのカナール(水路)とポプラ並木など

スキー場の滑走斜面の適正収容面積例

東大造園学教室

上級者 150-200 m²/人
中級車 100-150 m²/人
初級者 60-100 m²/人
スキー場にしめる割合、上級:中級:初級 1:6:3

「国有林内スキー場の設置及び運営に関する調査報告書」
「観光計画の手法 - 日本観光協会」

日本観光協会

200 m²/人

「観光レクリエーション地区及び観光施設の基準に
関する調査研究 II 観光施設の基準」

道スキーパトロール赤十字奉仕団連絡協理事 芹田 馨

過密ゲレンデに起因する事故を防ぐには
160-180 m²/人 程度必要

談話

国際スキー教師連盟副会長 フランツ・ホビヒラー

500 m²人
インスブルグの心理学研究調査

リフト待ち限度 5分
ロープウェイ待ち限度 12分

季刊スノービジネス (日本ケーブル社)
インタビュー

室蘭岳


『室蘭岳スキー場開発計画』および『室蘭岳の自然を守る会』の経過
61.10.17 室蘭岳スキー場開発計画が新聞紙上に報道される。
61.12___室蘭市議会第4固定例会(12.5-12.18) において、次の議案が審議可決される。

(1) 室蘭岳スキー場開発計画実現のため、室蘭リゾート開発棟式会

社設立出資金として500万円を支出すること

(2) 室蘭岳スキー場に至る道路を市道と認定すること

62. 2.12 室蘭リゾート開発株式会社の創立総会開催される。

設立発起人ら関係者15人出席
室蘭市長挨拶
函館営林支局管理課長、胆振支庁長が祝辞
資本金創立時2,500万円、7月までに1億円とする
出資比率 ばんけい観光6割、4割地元 (うち室蘭市500万円)
事業内容 スキー場開発、その他レクリェーション事業
7月工事着工、12月オープン予定
等が明らかにされる。

62. 2.17 室蘭リゾート開発株式会社設立される。

役員取絹役4名、監査役1名
(代表取締役我満嘉明ばんけい観光(株)社長)

62. 3. 9 『室蘭岳の自然を守る会』発足、代表二井田高敏を選出

「計画発表から工事着手まで短期間であり急ぎ過ぎ、室蘭岳はスキー場に向かないのでは、環境影響調査はどうなっているのか、市民の水はどうなるのか」等の発言があいついだ。

62. 3.16 『室蘭岳の自然を守る会』が室蘭市に対し、要望書を提出

(1) スキー場建設予定地の樹木伐採計画、連絡道路の拡幅計画の即時中止
(2) 環境アセスメントの一般公開、市政便り等での趣旨徹底
(3) スキー場建設予定地の気候状況の検討について
(要望の趣旨)
『水源涵養保安林が伐採され、水源の確保に不安があり、洪水等の恐れもある』
『市民生活に密接に係わることなのに、結論を急ぎ過ぎている。説明会を開き、十分検討してからでも遅くない』
『雪質、積雪、強風などの条件を考えると経営上無理がある』
これに対し、加藤木助役は、「皆さんとは十分に話し合っていきたい。環境影響調査は、専門業者がいま行なっている。」 旨回答。

62. 4.17 『室蘭岳の自然を守る会』主催の「室蘭の自然を語る集い」開催。

室蘭市、ばんけい観光(株)、室蘭営林署の関係者の出席を求め、室蘭岳スキー場開発計画の概要について説明を受けた後、賛成、反対それぞれの立場からの意見交換がなされた。
 時聞が延長されるほどの熱心な討論となったが、スキー場建設が自然を破壊しない調和のとれたものか否かは、環境影響調査の結果が出てから判断されるべきであるとして、次の機会に討論が持ちこされることになった。

62. 5.10 『室蘭岳の自然を守る会』主催の「スキー場建設予定地見学登山会」開催。

一般市民約80人が樹木の伐採が予定されるゲレンデ計画コース等を見て歩いた。

62.5.19 室商市主催の「環境影響調査の説明会J開催。

十分な質問の機会、答弁がなされないまま、時間切れを理由に、室薗市は一方的に説明会を終了。

《62. 6. 3 現在の会員数1,240名》


室蘭岳開発計画

1. 開発尾基本的方向
 室蘭市が位置している西胆振国は、道内で最も気候が温暖な地域に属し、また、多くの潜在的レジャー資源を有している。このため、今後のレジャー需要の増大と交通網の整備拡充などから、道央圏(札幌地域)と道南圏(函館地域)にまたがる地域として、新たな観光都市圏に発展する可能性がある。
 このような情勢のなかで、本市では現在まで海を核とした海洋型レジャーに視点を置さ施設整備を進めてきたが、新たに図1に示す室蘭岳山麓を中心とする山岳型レジャー基地を開発することにより、野外スポーツレクリエーション施設の充実と、地域振興の発展に寄与することを基本的方向とする。
2. 室蘭市の現状とレジャー活動の現況
 室蘭市は絵柄半島による天然の良港と、鉄鋼・石油・セメント・造船などの重化学工業により、北海道開発の先導的役割を果たし今日の発展を遂げてきた。
 近年、経済情努の急激な変動はさまざまな形で地域社会に影響を与え、特に本市では、長びく構造不況から基幹産業が低迷し厳しい社会経済環境に置かれている。
 しかし、昭和60年3月には北関東大洗港との間にフェリー航路が開設され、また、建設に着手した北海道縦貫自動車道や白鳥大橋が完成することにより、圏域の交通体系は大きく変革し、加えて昭和64年には第44回国民体育大会秋季大会の北海道開催に伴い、本市ではサッカー競技が決定するなど本市経済社会を取りまく情努は著しい変化と好転の兆しがみえてきている。
 このような情勢の中で本市におけるレジャー活動の動向は他面的な変化がみられ、特に戸外でのレジャー活動が活発になっている。
 戸外でのレジャー活動には、水泳・ヨット・ボート・サーフィン・スキンダイビングや釣りなど海を対象とする海洋型のレジャー需要と、自然観賞・登山・ハイキング・スキーなどの山岳型のレジャー需要がある。
 海洋型の施設としてはイタンキ浜海水浴場や祝津に水族館があり、このほか室蘭港港湾計画の中でマリーナを核とするレジャー基地化の検討が進められている。
 山岳型の施設の現況は、室蘭岳の登山や望洋台の小規模なスキー場があるのみであり、今後山岳型のレジャー需要の増加が予想される中でこれらの胞設整備が急がれる。
3. レクリエーション施設の現況
 室蘭市内での主なレクリエーション活動は、表1に示すように各地域のテニスコートや公園・公共広場・少年野球場などを利用しての球技、各種スポーツ、望洋台スキー場でのゲレンデスキーや室蘭岳登山、イタンキ浜海水浴場などの海水浴や各学校での水泳・スケートなどがある。
 しかし、これらは室蘭市内の主要な施設のみであり、野外レクリエーション活動のすべてを表しているものではないが、利用者は年々増加の傾向にあり、昭和60年で延べ利用者は約85万人と、室蘭市民一人当り年約6回のレクリエーショシ活動になっている。
 また、これ以外に観光施設として親しまれている測量山、地球岬灯台などのハイキング、大黒島や海岸での磯遊びなどが主だったものである。
 このほか、室蘭市から日帰り圏にある主なレクリエーションエリアには表2に示すように洞爺湖・登別温泉・支笥湖・ニセコなどがあり、これらのエリアは大規模な宿泊施設を持ち道内はもとより道外からの利用客も多い滞在型の観光レクリエーションエリアである。

表1. レクリエーション施設および利用状況
旋訟名                  開設期間     利用者数
                                     60年度  59年度  58年度
 1. テニスコート(4箇所〉4中旬-11初旬 38,092  43,410  40,630
 2. 中島公園野球場      5初旬-10末   15,854  16,110  14,955
 3. 室蘭少年野球場      5初旬-10末   16,424   9,638  11,320
 4. 市民・公園グランド  5中旬-10末   31,630  36.694  34,506
 5. 中島公園水泳プール  6下旬-9末    10,60D  11,911   7,577
 6. 海水浴場(2箇所)     7下旬-8中旬 198,620 205,790 207,770
 7. 室蘭市体育館        通年        116,396 124,954 129,264
 8. ボクシング練習場    通年            921   1,591   1,390
 9. アーチェリー練習場  通年          5,134   5,984   4,227
10. 室蘭市弓道場        通年         12,647   7,146   7,620
11. 望洋台スキー場      1中旬-3中旬  23,294  16,971  26,948
12. 室蘭岳登山          通年         14,771  13,989  13,437
13. 学校スケートリンク  1中旬-2下旬 165,820 131,164 164,106
14. 学校開放(プール)    6下旬-9末    67,570  79,208  54,324
15. 学校開放(体育館)    通年        115,032 102,597 102,603
16. その他                           17,143   4,517     420
合計                                849,956 811,674 821,097

表2. 日帰圏にあるレクリエーションエリア
  • エリア名: 主なレクリエーション活動
  • 洞爺湖温泉: 温泉浴・動物観賞・自然探勝
  • 登別温泉: 温泉浴・動物観賞・自然探勝・釣り・ポート・キャンプ・スキー
  • 支窃湖: 温泉浴・湖上遊覧・自然探勝・釣り・登山・サイクリング・スキー・キャンプ
  • ニセコ: 温泉浴・スキー・登山・自然探勝

4. レクリエーション需要の想定
 室蘭都市圏内の室蘭市・登別市・伊達市の市民によるレクリエーション活動の潜在需要を推計したのが表3である。
 なお、需要の推計はレクリエーション活動の種類を登山・ハイキング・山採狩り・自然探索・スキーとし、それぞれの活動への参加率・参加回数などは、本市独自の資料が不十分なため、札幌市が調査した「市民の観光レクリエーション」の結果を舎考とした。
 この結果、夏季期間の登山・ハイキングなどの活動需要量は、室蘭市民だけで約20万人、室蘭都市圏で約33万人と推計される。
 同じくスキー需要量は室蘭都市圏で約24万人と推計され、年間を通した登山・ハイキング・スキーなどの野外レクリエーション活動の潜在需要量は、約56万人と推計される。
 しかし、これらの需要はすべて当エリアへの需要ということでなく、他の地域との競合の中で当エリアへの入込みとして潜在化しているものである。

表3. 野外レクリエーション活動の潜在需要量
種別 都市名                 室蘭市  登別市  伊達市    合計
     60年人口              136,209  58,372  34,852 229,406
夏季
  登山・      参加率(%)       12.5    12.5    12.5     -
  ハイキング  参加回数(回)     2.2     2.2     2.2     -
              需要量(人)    37,457  16,052   9,577  63,086
  山菜狩り    参加率(%)       21.5    21.5    21.5     -
              参加回数(回)     3.0     3.0     3.0     -
              需要量(人)    87,854  37.650  22,462 147,966
  自然散策    参加率(%)       15.2    15.2    15.2     -
              参加回数(回)     3.3     3.3     3.3     -
              需要量(人)    68,322  29,279  17,468 115,069
冬季
  スキー      参加率(%)       25.9    25.9    25.9     -
              参加回数(回)     4.0     4.0     4.0     -
              需要量(人)   141,112  60,473  36,079 237,664
合計                       334,745 143,454  85,586 563,785

* 参考 日帰りレクリエーシヨンの程類別参加率と平均回数
     レクリエーションの種類 参加率(%)       参加回数(回)
                            52年 54年 58年  52年 54年 58年
   * 登山・ハイキング       15.1 11.0 11.5   2,2  2,1  2,4
     ドライブ               36.4 40.4 39.7   5,4  5,9  6,8
     海水浴・潮干狩り       35.7 41.9 36.7   2,1  2,3  2,4
     レジャーランド         26.3 31.0 29.7   2,3  2,4  2,3
     動・植物園・水族館     30.0 31.0 26.9   1,8  1,7  1,6
   * スキー                 20.2 27.9 29.5   4,1  3,7  4,5
     スケート               10.8 13.4 10.8   2,7  2,8  2,4
     水泳(プール)           10.5 14.5 12.7   2,8  4,5  4,7
   * 山菜狩り               21.8 21.1 21.6   3,0  2,9  3,0
     ゴルフ                  6.3  6.3  8.9  10.5 11.2 10.7
     ボウリング             12.8 18.4 24.5   2.9  3.1  4.7
   * 自然散策               13.6 16.6 15.3   3.0  3.5  3.3
     温泉(日帰)             17.2 18.9 13.9   1.8  1.7  2.2

5. 室蘭市の気象状況
 室蘭市は冬期間内浦湾肉の海流の影響などから道内では温暖な地域に属し、夏涼しく冬は暖かく雪も比設的少ない海洋性気候の土地である。
 雪が本格的に積もるのは12月末又は1月になってからであり秋季期間が非常に長い、年間の気象概況は表4の通りである。
 しかし、室蘭気象台は市街地にあるため室蘭岳山麓の気象データーについては、60年12月-61年4月にかけて現地に風向風速計を設置し積雪・気温についても現地観測をしたのが表5に示すデーターである。なお、風向風速については、頂上に設置した観測箇所で瞬間風速が15m以上を記録した日は12月1日から4月10日迄131日間で、12月が16回、1月が15回、2月が6回、3月が5回、4月が7回合計49回であったが、ゲレンデコースは林間であり直授の影響は少ない。
 また、この期間の風向はほとんど西か北西の風である。

表4. 室蘭市気象概況(昭和60年)
        月       1   2   3   4   5   6   7   8   9  10  11  12
平均    最適   -67 -34 -20  31  74 107 161 203 151  96  33 -33
気温    最高   -28   0  15  82 140 160 209 246 199 144  74   3
(/10C)  月     -47 -18  -2  53 105 136 182 222 175 120  55 -15
               -69 -22   0  76 124 155 202 246 171 109  41 -35
風向    月最大 130 130  90 100 100  70 120 100  90 100  90 140
風速(m) 月平均  39  34  28  29  26  27  37  35  18  25  22  58
(m)     最多   WNW wNW WNW ENW WNW ENE ENE ENE ENE ENE NNW  NW
        風向 
降水量  月計    91  92  41  83  33  16 175  49 148 190  70  56
(mm)           156  99  39  55  14   8 107  43 164 173  68 125
積雪    月最大  32  46  37                               2  18
降雪    積雪深  97 111  92                               8  62
(cm)    月計    56  47  25                               2  41
        降雪深 154  87  28                              22 116

備考 下段数字は札幌管区気象台データー


表5. 室蘭岳気象状況(観測箇所標高900 m)
  調査年月日  積雪 (m)               気温 (°C)
              牧草地 ヒュッテ 頂上   市役所 ヒュッテ 頂上
  60.12. 2    0.05   0.10     0.30   +3     +2       -4
  60.12.27    0.20   0.35     0.60   +1     -1       -5
  61. 1.12    0.30   0.60     0.80   -2     -4       -8
  61. 2. 6    0.30   0.60     1.00
  61. 2.20    0.40   0.60     1.00   +2      0       -5
  61. 2.27    0.60   0.80     1.20   +2     -2       -5
  61. 3.27    0.80   1.00     1.20

6. 室蘭岳山麓の土地利用状況
 室蘭岳周辺は図2のとおり室蘭岳(標高911 m)となだらかな台地で形成し、大部分が森林と牧草地からなっている。森林は山岳部の国有林と市有林(市水道部)からなる自然林で、一部を除き水源涵養保安林に指定されている。
 牧草地は香川町牧野組合(組合員7名. 面積107 ha)が所有する採草放牧地で、その一部を市民ハイキングやピクニック、冬期間はスノーモービル広場として開放している。室蘭岳は市街地に近い(東室蘭駅から約10 km)ので市民グループや家族単位の登山コースとして古くから親しまれ、山麓のハイキングコースとともに年間14000人余の利用がある。また、望洋台スキー場も小規模なスキー場(面積約1.0 ha)としては利用度が高く、年間23000人以上の市民が本市唯一のウインタースポーツの場として利用している。このほか、近年急激に増加してきた歩くスキーコースとしの利用も顕著である。

7. 室蘭岳山麓レクリエーション事業の開発構想
(1) 開発の基本方針
 室蘭岳は本市の北部に位置し、山頂からの360°展望は別名えぞ富士と呼ばれる羊蹄山、噴煙たなびく有珠山・昭和新山と内浦湾(噴火湾)が一望できる景勝地であり、この大自然をバックとして市民の余暇活動のニーズに対応した土地利用を図るため、郊外立地型のレクリエーションエリアとして室蘭市街地内で充足不能なレクリエーシヨンを満たし幼児からお年寄りまで幅広く利用でき、また、個人・家族・グループなど終日楽しめる日帰り型のレクリエーション活動を主体の場とすることを基本とする。
 このことは、61年6月に策定された室蘭市総合基本計画基本構想でも室蘭岳とその周辺に「自然を生かしたレクリエーション基地」の建設構想、を指向してをり、この構想実現のため61年10月に関係官庁・地権者・スポーツ団体などで構成する「室蘭岳山麓レクリエーション事業推進協議会」を設立し具体的な計画の策定を進めている。
 この事業の実現により次のような利点をもつ観光都市づくりが期待できる。
  1. 活動的な新しいレジャー分野を開発することにより、従来広域観光として不足している広域流動を吸引し、洞誌・登別観光圏との連動化が強化される。
  2. オールシーズン自然の中でのレジャー活動の場を提供することにより夏季20万人、冬季10万人の利用入込みが見込まれるとともに、市民の健康増進の一助となる。
  3. 民間資本の積極的導入により、地域の経済活性化と雇用の場の確保が期待される。
  4. 近郊農家とのタイアップにより近代的な農業振興と経営の安定化が助長される。
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図2. 室蘭岳山麓土地利用現況図

(2) 整備計画の方針
 室蘭岳山麓の開発に当たっては、市民のニーズの多様化に対応し、整備計画の方針を次の通りとする。
  1. 市民の利用を主体とし、当地域の自然環境を生かした健全な野外レクリエーションの場を創造する。
  2. この地域で余暇を過ごすことにより、市民が様々な体験や発見・多くの人との出会い・触れ合が出来る場を創造する。
  3. 室蘭市から日帰り圏にある観光レクリエーションエリアとも競存ずる中で、本市独自の機能や個性を有するレクリエーションの場を創造する。
(3) ゾーニング及び整備
 当エリアの骨格的なゾーニングは図3のように計画し、夫々のゾーンの整備方針を次の通りとする。
  1. 山岳アドベンチャーゾーン
    <特徴> ・室蘭岳の登山ルートがあり、オールシーズンの登山活動がある。・山スキー(林間スキー)の場として一部の愛好家に親しまれている。
    <整備の方針> * 室蘭岳の登山及びスキーを主体とする活動空間とする。
  2. ファミリープレイゾーン
    <特徴> ・地形は小高い丘と緩やかな斜面の原野であり、一部森林地帯がある。西側の森林(市水道部)と計画されている道路に図まれた空間である。
    <並慌の方針> * 当地域の拠点となるゾーンとして位置づける。 * 市民経営とも関連するが、最も早く整備が可能なゾーンであるため他のゾーンの整備が具体化するまでの間、当ゾーンの中で市民要望が充足される空間として整備する。
  3. 大草原の牧場(まきば)ゾーン
    <特徴> ・当地域のシンボルともいえる広々とした大草原。・沢が入組んだ変化に富む地形と豆かな森林。
    <整備の方針> * 広々としたスペースを有効に利用し、草原・樹林・緩斜面・沢・水溜りなど自然の素材を活用した活動空間とする。
    * 市民が自から参加し体験し発見する事の出来る場所を提供する。
  4. 自然と憩いのゾーン
    <特徴> ・ゾーン全体が森林地帯であるが市の水源涵養保安林であり、この保全が基調となる。
    ・ 当地域の中でも最も水量の豊富なペトトル川があるが、上水道用水源のため水質の保全が貴重となる。
    <整備の方針> * 保安林の保全と水質の保全を基本とするため開発は極力避け、既存の散策が可能な林道による自然とのふれあいの場とする。
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図3. 室蘭岳山麓土地利用構想図

(4) ゾーン別整備計画 1. 山岳アドベンチャーゾーン
  • 既存の室蘭岳登山道や計画しているスキー場を利用して登山・ゲレンデスキー・林間スキーなど四季におおじた活動を提供する空間として整備する。
  • スキー場の建設にさいしては、登山者の快適性を損なわないよう配慮する必要がある。
    * 登山・ゲレンデスキー・ソリ遊び(冬期)

* 登山道(既存)
* 白鳥ヒュッテ(既存)
* スキー場・リフト ◎
* ロッジ・駐車場 ◎

2. ファミリープレイゾーン
  • 当地域のシンボル的サービスを提供するとともに来訪者の中心的な機能を果たす場とする。
  • 既に造成されている平坦地を利用し球技など気怪に遊べる広場とする。
  • 家族やグループ・学校単位での滞在ゾーンとしてキャンプ場を整備して青少年に自然の中で生活体験を通した社会教育の場とする。
  • 野外レクリエーション活動の主流であるピクニックに伴うサービス施設を整備する。
    * 遊戯・軽球技・その他スポーツ・催し場(お祭り・バザール・アトラクション)
    * キャンプ場・野外学習・自然の中での生活空間

* 芝生広場・展望台 〇
* キャンプ広場・炊事場 〇
* バンガロー・テント 〇
* ファイヤーサークル 〇

3. 大草原の牧場ゾーン
  • 大草原から遠くに室蘭市街地・港・海を眺望しながら自由に遊び、一日を過ごせる空間とする。
  • 複雑な地形・森林・沢などを利用して子供の冒険心・好奇心を満足させる空間を整備する。
  • 体験学習の一環として市民が参加し体験できる市民農園の場を提供する。
    * ピクニック広場・憩い・散策・イベント・ハンググライダー・軽気球・冒険・木登り・探索
    * 市民農園・観光牧場(夏期)・スノーモービル・歩くスキー(冬期)

* 米草原の整備と開放 △
* 市民農園・観光牧場 △
* スノーモービル広場 ◎
* 歩くスキー広場 ◎
* ソリ遊び広場 ◎

4. 自然と憩いのゾーン
  • 保安林の保全と水質の保全を維持する中で、既存の散策が可能な林道の有効活用により、渓涜ルート・樹林ルートなど散策路のネットワーク化を図り、変化に富んだハイキング・バードウオッチング・山採取りなどの自然探勝が行える空間とする。
    * 渓流沿い・樹林の間のハイキング・バードウオッチング
    * 山採取り・自然学習・森林浴

* ペトトル川沿いの散策路 △
* 樹林の中の散策路 △

整備目標: ◎ 短期, 〇 中期, △ 長期

8. レクリエーション施設の整備方式
 室蘭岳山麓レクリエーション事業開発構想は、市民はもとより近隣市町村の野外レクリエーション活動の場として整備することにより、市民の健康増進や青少年の健全育成とともに、地域の振興を図ろうとするものであり事業の性格上民間の資金力とノウハウを活用するため、官民が協調した第3セクタ一方式による整備を基本とする。
 このため、公共は原則としてエリアの形成上必要とする道路などの基盤施設と、中核的レクリエーション施設の整備を担当し、一方民間は、収益部門の中でも高いサービスの水準を要求されるレクリエーション施設や休憩施設などの部門を担当して、民間のもつ企画・情報などのノウハウを発揮する事により利用者の増大を図り、健全な事業の運営を期することが望ましい。

9. 仮称室蘭岳スキー場建設計画
  (1) スキー場計画の概要  室蘭岳(鷲別岳)は室蘭市の北部に位置し、山頂からの360°展望は別名えぞ富士と呼ばれる羊蹄山、噴煙たなびく有珠山・昭和新山や内浦湾が一望できる景勝地であり、この大自然をバックとして市民が終日楽しめるウインタースポーツ施設として図4のスキー場を整備する。

1. 位置

室蘭市香川町地先(東室蘭駅から約10 km)
室蘭岳(標高911 m)と山麓一帯

2. 規模

ゲレンデ面積 約23ha 標高差約480 m 最大斜度22° 平均斜度14°
上中級者コース L = 1,500 m W = 50-100 m
初級者コース L= 500 m W = 100-200 m

3 . 施設

第1リフト (3人乗り) L= 740 m
第2リフト (2人乗り) L=1000 m
第3リフト (簡易) L= 500 m
ロッジ 1棟 2階建て延べ面積 500,0 m²
避難小屋1棟 平屋建て 面積 30 m²
駐車場 約400台収容 (他に臨時駐車場 600台)
ナイター照明 20基

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図3. 仮称室蘭岳スキー場建設計画図

(2)スキー場規模の算定
1. 入込み者数
 スキー場規模の算定については、室蘭都市圏内の室蘭市・登別市・伊達市の市民による野外レクリエーション活動の潜在需要量を推計し、近隣にあるスキー場との競合度合いなども勘案する中で当スキー場えの入込み数を推計した。
 この結果、室蘭都市圏のスキー需要量は表3のとおり約24万人となるが、本市の周辺には所要時間1時間以内の距離にあるスキー場が、カルルス・洞爺・北湯沢スキー場など、当スキー場と同程度のスキー場が多数あり、このほか道内の主要なスキー場とも競合するため当スキー場えの年間入込み数を表5のとおり約10万人と推計した。

表5. 入込み者数の算出

    スキ一場         利用率 利用者数の算出          利用者数
    室蘭岳スキー場     40%  24万人 × 40% = 96.000人 10万人
    近隣スキー場       40%  24万人 × 40% = 96.000人 10万人
    道内主要スキー場   20%  24万人 × 20% = 48,000人  5万人

* 年間利用入込数 10万人(延べ人員)
* 1日平均入込数 10万人/100日 = 1,000人 (年間入込数/シーズン日数)
* 最大1日入込数 10万人·0.05% = 5,000人 (年間入込数·最大日集中率)
* 計画日収容力 10万人·0.03% = 3,000人 (年間入込数·日サービス水準率)

2. 必要滑降面積数
 必要とするゲレンデの面積を上級者-初心者のそれぞれ必要とする面積を表6のとおり算出した。

表6. 必要滑降面積
  コース 斜度 利用 1人当    必要面積の算出             必要面積
  種類        者別 必要面積
  上級者 >20° 20% 150 m²   150 m²·3,000人·0.8·0.2     7.20 ha
  中級者 11-19 40% 100m²    100 m²·3,000人·0.8·0.4     9.60 ha
  初心者 ≤10° 40%  70 m²    70 m²·3.000人·0.8·0.4     6.72 ha
  合計                      (日サービス水準数)(利用率) 23.52 ha

* 従ってゲレンデ面積は23.5 haが想定規模面積となる。

3. リフト施設の必要数
 最大日利用者数から適正なリフト施設の必要基数をベアリフト(1時間当運搬能力1,200人)で算出すると

利用者数 × 1人1日当リフト利用回数 / (運拠能力 × 運転時間) = リフト必要基数

3,000人 × 7回 / (1,200人 × 13時間) = 1.34基

 となりペアリフト1基では若干運搬能力が不足のため本計画ではトリプルリフト1基とペアリフト1基で計画した。
4. 駐車場の必要面積
 駐車場はスキー場の位置や利用する交通機関の状況により異なるが本計画では路線バスを予定しているので利用交通機関の割合を自家用車50%・観光バス20%・路線バス30%と推計し、駐車場の必要規模を算出した。

利用者数 × {(乗用車比 × 1台当所要面積)/(1台当平均乗用人員) + (観光バス比 × 1台当所要面積)/(1台当平均乗用人員)}
3,000人 × {(0.5 × 30 m²)/3人 + (0.2 × 100 m²)/40人}

 3,000人 × (5.0 + 0.5) =16,500 m = 1.65 haとなるが、利用者の滞在時間を平均6-8時間とすると駐車場の回転率を75%と推計して * 1.65 ha × 75% = 1.23 haを必要とする。 * 従ってコース現模・リフト数・駐車場を算定規模と計画規模で比較すると表7のとおりとなる。

表7. コース規模・リフト数・駐車場面積

    区分        算定規模   計画規模    備考
    コース面積  23.5 ha    23.0 ha
    リフト数    1.34基     リプル 1基
                           ペア   1基
    駐車場面積  1.2 ha     1.2 ha


室蘭岳スキー場(仮称)開発計画環境調査報告書

(要約)
目次
I. 調査の概要 ... 1
II. スキー場開設の妥当性 ... 5
III. 開発に伴う影響と対策 ... 7
I. 調査の概要
1. 調査の目的
 室蘭市は、室蘭営林署の管理経営する国有林220, 222林班及び香川町牧野組合採草放牧地の一部においてスキー場開発の計画をすすめている。
 本調査は、この計画に当たって自然環境及び社会環境の両面から開発の妥当性及び開発によって生ずる各種影響の予測などを通じて国土保全や環境保全等を検討して必要な対応策を求め、計画樹立に関する基礎資料を得るものである。
2. 調査位置及び調査区域
 室蘭岳スキー場計画地(以下「本計画地」という)は、室蘭市街地のほぼ北にある標高911 mの通称室蘭岳(鷲別岳)の南斜面で国有林220, 222林班及び香川町牧野組合採草放牧地の一部である。
3. 調査の実施
 調査項目は、つぎのとおりである。
 調査期間は、昭和61年11月-昭和62年3月の約5ヵ月間である。

開発計画環境調査実施項目

環境調査(概況)   → 環境への影響  → 対策
I 自然環境          I 災害           I 防災施設計画
  1 気象              1 洪水           1 排水施設計画
  2 地形・陸水        2 土砂流出       2 土砂流出防止計画
  3 地質・土壌      II               II 自然環境保全のための
  4 植物              1 動物生態系      提言・対策
  5 動物              2 植物生態系      (主として動・植物)
  6 自然景観
        etc
II 社会環境      → III 景観      → III 景観変化への対策
  1 周辺土地利用
  2 保全対象     → IV 地域経済   → IV 地域経済振興への評価
  3 水利用状況   ↑
  4 周辺レクリエ ↑
    ーション施設 ↑
  5 地元の意向   ↑
  6 国有林経営   ↑
           etc   ↑
開発計画        -↑
   開発規模・内容
            etc
4. スキー場計画の概要
(1) 計画の背景
 室蘭市は明治5年の開港以来、鉄鋼・造船・石油精製などの重化学工業都市として、北海道発展の先駆的役割を果たし発展してきたところであるが、近年、社会経済の変化に伴い基幹産業である鉄鋼産業の不況が深刻化し"鉄冷えの街"とまで言われるようになり、高炉休止などの合理化による人口の流出が危惧されており、雇用の場の拡大や需要の拡大による産業の活性化対策が急務となってきている。
 このような情勢の中で室蘭市は、地域経済の活性化及び活動的なレクリエーション施設の開発など、新しいまちづくりを目標として「室蘭市総合計画基本構想jを策定している。(昭和61年6月室蘭市議会議決)
 この構想の中で、産業振興をはじめ室蘭岳の自然を活かしたレクリエーション施設の整備が位置づけられている。
 一方、市民の野外レクリエーション活動に対する関心は強く、室蘭市では市民憲章の中で「健康で明るい家庭づくり」を目標に、学校の体育教育や一般市民の体育向上の施策に取り組んできている。しかし、室蘭市には自然立地と関連した冬季の野外スポーツは施設は約1 haの望洋台スキー場があるだけで、市民の野外スポーツ需要の増大にともない活動の場は極めて狭少となっており、市民から新たなスキー場建設が強く望まれている。
 このような背景の中で、本事業計画は、鉄鋼不況に伴う雇用状勢の変化、冬季の野外スポーツ需要の増大等に対処し、雇用の場の確保、市民のためのスキー場等地域の活性・振興を図るための対策として、室蘭市が策定した基本構想に基づき、国有林及び民有地のー部において第3セクター方式によりスキー場を建股しようとするものである。
(2) 計画区域  計画区域は図1及び表1lに示すとおり、室蘭営林署の管理経営する国有林及び香川町牧野組合所有民有地の一部で、86.70 haである。

表1. 種目別計画面積(ha) ( )は%

    区分         国有林      民有牧野           合計
                             林地      草地  
    ゲレンデ敷   10.9 (12)   4.2 (5)   4.2 (5)  19.3 ( 22)
    付帯施設敷                         1.8 (2)   1.8 (  2) *
    残存森林     66.8 (76)                      66.8 ( 76)
    合計         77.7 (88)   4.2 (5)   6.0 (7)  86.7 (100)

* 草地そのまま利用 1.2 ha

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図1. 計画区域
① 第1リフト, ② 第2リフト, ③ ロッジ, ④ 第3簡易リフト, ⑤ 駐車場
破線: 野外スポーツ林を含む計画区域

II. スキー場開設の妥当性
1. 自然条件からの検討 ① 気象条件からみたゲレンデ条件
 積雪量については、本計画地は概ね100-150 cm程度の積雪があり、近接の望洋台ス キ一場の運営状況からみ、当スキー場の開設期間は、概ね100日以上可能である。リフト運行と関連のある風速については、リフトの架設箇所での防風林帯の残置に留意し、リフトチェアの高さが樹高よりも低くなるよう設計するなどリフト利用者が直接風にさらされることが少ないよう配慮されているので、15 m/sec以上でリフトの運行を休止しなければならない日は極めて少ないと判断される。
 なお、樹木の樹形からみても山頂部では強風による樹形の矮性化が見られたが、リフトの設置を計画している山腹面では樹幹は直で枝ぶりにも風の影響による矮性化は見られない。
 活動時間と関連のある日当りについては、計画斜面が南向きであるので日当たりは長く快適なスキーが楽しめる。
 以上のように気象条件からみて、本計画はスキー場としての適地性を有している。
② 地形条件からみたゲレンデ条件
 本計画地のゲレンデの傾斜は、5°未満の平坦地がコース下部にあり、6-10°の緩斜地(初級者向)、11-15°の中傾斜地で区域の90%を占めており、また区域の上部には、上・中級者向の15-25°の区域が広がっている。
 また、コース幅と傾斜長については、計画地上部まで含めて検討すると、コース長は、約2,200 m、コース幅は約50-150 mとなっており、以上の点から計画地は初級者から上級者まで十分楽しむことのできるスキーコースとなる。 ③ 景観条件からみた検討
 計画地のおおかたの地点から、南方向に室蘭港を見降ろすことができ、眺望がすばらしくスキー場としてのセールスポイントとなる。
 以上のように、景観上からも、本計園地はスキー場として適している。
 この様に自然的条件からみて、本計画地にスキー場を開設することは妥当であると判断される。 2. 社会条件からの検肘
 当スキー場開股に当っての社会的条件には、
  • 近年の社会経済の変化に伴ない室蘭市においては基幹産業である鉄鋼産業の不況が深刻化し、雇用の場の創出や消費の拡大による活性化対策が急務となっている。
  • 室蘭市には、冬季の野外スポーツ施設は約1 haの望洋台スキー場があるだけで、市民の野外スポーツ需要の増大に伴ない活動の場は極めて狭小となっており、市民から新たなスキー場建設が強く望まれている。
  • 雇用の場の確保、市民のためのスキー場等地域の活性・振興を図るための対策として、市の基本構想の中でも重点施策のひとつに取上げられている。
などがあげられ、スキー場建設の必要性が認められる。
3. スキー場開設規模の妥当性
① 入込者の予測  計画計への入込予測については、野外レクリエーション活動の需要と入込算出により、室蘭市の他、計画地周辺、登別市・伊達市におけるスキー場需要量は計約24万人と推計される。
 このうち本計画地を選択・利用するものは40%の約10万人と推察される。
 この入込者数に対する計画利用者は、3,000人(計画日利用率 0.03)となる。
② ゲレンデ規模
 ゲレンデの規模については、1日のうち利用が最大となる10-11時の利用者数は日利用者数の80%として2,400人と考えられる。
 この利用者数に対するクラス別所要面積を基にゲレンデ必要面積を求めると23.52 haとなり、ゲレンデ計画面積19.3 haと積雪時のみ利用の簡易第3リフト計画区域と合わせ検肘すると妥当と考えられる。 ③ 駐車場の規模  駐車場の規模については利用者の50%が自家用車、定期バス30%、観光バス20%利用するものとして所要面積を求めると1.23 haとなる。
 この規槙に対し、本計画は1.2 haとなっており、慨ね妥当と考えられる。 ④ リフト輸能力
 計画中のリフト輸送能力t、第1リフト2,400人/時、第2リフト1,200人/時となっており、1日のリフト稼働時聞を8時間とすると、総輸送能力は28,800人/日 [(2,400 + 1,200人) × 8]となる。
 一方、利用者は、日利用者数3,000人が1日リフト8-10回利用するとして、24,000人-30,000人/日となり、輸送能力はほぼ妥当であると考えられる。
III. 開発に伴う影響と対策
1. 牡会現場への影響と対錨 (1) 国有林経営との関連
 本事業計画区域及びその周辺の森林については森林の有する諸機能との調整を図り、地域住民の要望、あるいは本計画地のスキー場として立地条件の適地性、ならびに保健休養機能の増進のために国有林経営の中にレクリエーションの森として位置づけ活用してゆくことが、産業の高度化・生活環境の集密化・余暇時間の増大など、近年の社会的変化からみて好ましいものと考えられる。 2) 地元住民意織  室蘭市は近年社会経済の変化に伴い基幹産業である鉄鋼産業の不況が深刻化し、"鉄冷えの街"とまで言われるようになり、高炉休止などの合理化による人口の流出が危惧されており、雇用の場の拡大や需要の拡大による産業の活性化対策が急務となっている。
 そのため市では産業振興をはじめ地域文化・スポーツ拠点の形成を目標にかかげ「室蘭市総合計画基本構想Jを策定している。
 本計画地を含む室蘭岳は古くから市民グループや家族の登山コースとして親しまれるなど、市民の野外活動の場として利用されてきた。
 また、室蘭市には冬季の野外スポーツ施設として望洋台スキー場があるだけで、しかも、これは面積1 ha程度の極めて狭小な規模であるのに対し、最近のスキー利用者数の増大に伴い望洋台スキー場は不十分なものとなっており、市民から新たなスキー場開設が強く望まれている。
 このような状況の中で、室蘭岳の森林が自然とのふれあいや野外スポーツ、教育の場として森林の総合利用のための整備がなされることになれば、地域の国有林に対する理解は一層深まるとともに、スキー場開設に伴う雇用機会の増大、利用者による消費の発生・税収の増加・住民所得の向上・若者のUターン現象への期待ができるなど多くの効果を及ぼすものと考えられる。
(3) 経済的波及効果
 スキー楊のようなレクリエーション事巣の経済効果は、投資効果と消費効果とに区別できよう。
 投資効果としては、設備の建設過程で生ずる建股雇用・税収等への効果をいい、その意味では、本計画は地域の建設業の振興、地域住民の雇用機会の増大、市の固定資産税の増加に連がる。
 消費効果というのは、設備の建段過程におけるー過性の消費と、恒常的スキー客の消費行動に基づく宿泊施設・土産品店・飲食店等への波及効果である。
 本スキー場が開設された場合、計画利用者数が10万人であることからして1億91百万円が消費効果と考えられる。
 きらにこの額は、消費の第一次波及効果のみで、輸送販売などの各種サービス業などへの波及効果を考慮すればさらに大きな効果が期待できる。
2. 自然県境への影響と対策
(1) 動物相に及ぼす影響
鳥類
 特に希少な種はみられず、カラ類を中心としてウソ・ミソザザイ・ルリビタキ・ホオジロなどがみられ、白鳥ヒュッテ付近の比紋的密度の高い森林で鳥相の密度が向い傾向がうかがわれた。
哺乳類
 哺乳類相の種数及び生息密度も貧弱で、エゾヤチネズミ・エゾトガリネズミ・エゾリス・キタキツネ・ユキウサギなど、道内で普通にみられるもののほか、ヒグマ・エゾシカの痕跡がみとみられたにすぎない。
③ 両生・爬虫類
 エゾアカガエル・アマガエル・シマヘビ・アオダイショウなど道内で広くみられる普通種が生息し、特記するものはみられない。 ④ 昆虫類
 文献によると、スギナニルジシジミなど鱗翅目など北海道西部の特徴種が記録されているが、本調査で確認されたのはフユシャク(蛾の仲間)のみであった。鱗翅目以外でも、植生が比較的単純であるから昆虫相の種数は豊富ではないと思われる。
 本計画のような林地の開発が動物相に何等かの影響を与えることは否めないが、周辺の森林とくに、動物の生息に重要な渓流沿いの森林が相当残存されることと、重要ないし希少な種が生息していないことから、本計画の規模、内容であれば大きな影響はないと判断される。
(2) 植生に及ぼす影響
 本計画地における植生型はダケカンバ高木林、ダケカンバ低木林、ミズナラ・ダケカンバ林、エゾイタヤ・シナノキ林、伐採二次林、ササ草原、牧草地と類別される。
 このうち、ダケカンバ低木林、ササ草原は標高おおよそ700 m以上に分布して亜高山帯の相観を呈し、他は温帯北部で普通にみられる植相である。また、ササ草原は高さ50 cm市以下のチシマザサが支配的である。
 第2リフト予定地の上部は、ダケカンバ・ミズナラ林にあたる。南斜面ではまれな大径木がみられ、疎林が多いことから、現存する樹木を出来る限り残してスキーコースが計画されている。
 第2リフトの下部および第1リフト上部はエゾイタヤ・シナノキ林あるいはダケカンバ林である。これらの森林は、学術的な価値はとくに高くはないが、カエデ類の多い広葉樹林として、景観的に優れており、市民に広く親しまれている。そのため、伐採は必要最小限度におさえるとともに、積雪期以外の季節に、伐開地あるいはスキー場の施設が、登山道からの景観をそこなわないよう森林を残存してスキーコースが計画されている。
 また、ゲレンデコースはほぼ南北で東及び西側に森林が相当残存されるよう計画されており、第1リフトと第2リフトを結ぶ約200 mが主風の西風と平行するだけであることと残存森林が広葉樹林であることから、森林伐採による風の影響など、特記するほどに植物相に与える影響はないと判断される。
(3) 景観に及ぼす影響
 スキー場計画地の景観の変化が周辺の主要地点からどのように見えるか、あるいは室蘭岳の山容として見る場合の変化など、景観の内容としては、近景・中景・遠景とに区分して検討する。  近景としては、樹木の特徴がとらえられ、その形姿が問題となる。中景については樹木のアウトラインが問題となり、その樹冠の作り出す視覚的な興味の対象として、遠景としては樹木のアウトラインが識別不能であるなどの区分で、その距離的境界としては各々約200 m、5,000 mとなる。
 遠景については、市街地とくに国道36号線からの視界に入るもので、植生の有無が問題となる。その意味では、コースに係る立木の伐採のみで、下層植生(全域ササ類が繁茂している)は変かさせないので、大きな問題とはならない。
 中景・近景については、登山コースからの視界が問題となろうが、この登山コース(牧野-山頂約2,500 m)はほぼ尾根沿いにあり、現存植生とスキーコース区域との関連から、現登山コースの一部がコースを横切っており(牧野-白鳥ヒュッテ-水神社の約600 m)植生的に変化するが、他の区間はコースとの間にダケカンバ高木林が50-100 m残存されるので、視界に入いらない。
   また、室蘭岳の山頂からの視界とスキーコースとの関係を知るため、地形解析(縦断)を試みた。これによると、駐車場・ロッジ付近と第2リフトの大部分が視界に入ることになる。山頂から第2リフト山頂駅までの距離は約650 mであるから中景に該当し、コースはチシマザサが繁茂しており、景観的に特に違和感を与えるものではない。なお、リフト駅舎・支柱は周辺森林に適合した色彩にするよう配慮する必要がある。
3. 国土保全への影響と対策
(1) 土砂流出量の変化予測と対策
 本計画区域にかかる流域を細分するとA-Eの集水区域にわけられる(図2)。
 本計画地から流出土砂の予測値の計算は、工事中を6箇月・工事後を3年の期間とし、ha当たり年流出量は現地形等を考慮して裸地 300 m³、草地(ササ地) 15 m³、林地 1 m³として求めた。これによると、開発区域から総計約1,320 m³の流出土砂が予測される。
 この流出土砂を抑止するため表2, 図3のとおり各集水区域毎に十分な余裕を持った柵工・及び沈砂池等の防災施設に計画されているので、土砂流出による災害の発生の恐れは無いものと判断される。

表2. 土砂流出防災施設計画

集水区域 計画貯砂  流出土   安全 内容 (m × m³, m)
        容量(m³)  砂量(m³) 率
A1        41.40    32.83   1.26 柵-① 230xO.18= 41.40, H O.25
A2       231.60   177.01   1.30 柵-②  60x3.86=231.60, H O.90
A3       255.60   188.01   1.36 柵-③  90x2.84=255.60, H 1.00
A4        18.00    12.61   1.43 柵-④  40xO.45= 18.00, H O.40
A5        65.00    41.72   1.56 柵-⑤ 125xO.52= 65.00, H O.30
A6       147.20    71.92   2.05 柵-⑥ 160xO.92=147.20, H O.40
B        255.00   144.27   1.77 柵-⑦ 250x1.02=255.00, H O.60
C         56.00    45.88   1.22 沈砂池 1 m x 4 m x 14 m
D         10.00     8.18   1.22 沈砂池 1 m x 2 m x 5 m
E 工事中  90.00    71.20   1.26 仮設沈砂池 1 m x 6 m x 15 m
  工事後  20.00    15.30   1.31 沈砂池 0.5 m x 5 m x 8 m
map map
図2. 集水区域図__________________ 図3. 保全施設位置図
(2) 雨水流出の影響と対策
① 流出量の変化
 水道取水施設にかかる流域は、320 haで、現況は一部の牧野が入いるが、ほぼ森林である。
 このような流域における本計国による流出量の変化について求めると、表3のとおりである。

表3. 取水施設における流出量の変化

流域 ペトトル川
集水区域面積 320 ha

    工事前 (開発前)              工事後 (開発後)
    裸地 草地  林地    平均流    裸地 草地  林地    平均流
                       出係数                       出係数
         0.82  319.18  0.550     0.14 12.05 307.81  0.554

C集水区は流域が異なるので除いた

 以上のように、流域内における流出率は1.007倍となり(0.554/0.550)多少変化が生ずる。
 この場合の流出変化は、流域の森林の大部分が残存されるため洪水流量の影響としてはごく微小なもので、影響が生ずるとは言いがたいものである。
 一方、この変化が、現ペトトル川流域で水利用されている上水道の取水量への影響がどうであるかを検討すると、前述したとおり渇水期の6-8月、12-3月までの流量に対する取水率は70-80%であり、約1%弱の流出量の変化は、水利用に直接的な影響は生じないものと判断される。
② 洪水流量と流下能力の検討
(a) 調査地点の流量変化
 調査地点における流出量の変化を予測したのが、表4である。

表4. 流下能力調査地点における流出量の変化

集水区域 ペトトル川

    区分   裸地 草地             林地           平均  倍率
           面積 流出 面積  流出  面積   流出    流出
           ha   係数 ha    係数  ha     係数    係数
    工事前                       154.00         0.55
    工事中 0.14 0.95 12.05 0.65  141.81 0.55    0.558 1.015
    工事後                                      0.558 1.015

(面積はペトトル川関係分)

 調査地点の渓床断面をとり、流下能力と最大洪水流量を比較するとつぎのとおりである。
sabo
図4. 流下能力調査地の渓床断面
V = 1/n × R2/3 × I1/8

= 1/0.05 × 0.092/3 × 0.005 = 4.09 m/秒

Q = A × V

= 7.97 m² × 4.09 m = 32.60 m³/秒

Q1: 流量 (流下能力)
V: 流速 (m/sec)
A: 断面積 (7.97 m²)
N: 粗度係数 (0.05)
R: 径深 A/P (0.90 m)
P: 潤辺 (8.88 m)
I: 渓床勾配 (5%)

調査地点における洪水流量の予測
Q1 = 1/860 × f × r × A

= 1/360 × 0.558 × 57.2 × 154
= 18.66 m³/sec

Q1 / Q2 ·Q1Q1 安全率

Qi: 洪水流量
f: 流出係数 (0.558)
r: 設計雨量強度 (57.2 mm/h)
A: 流域面積 (154 ha)

 以上のとおり、調査地点における流下能力は洪水流量の2.87倍であるから、開発による影響はないと判断される。
(b) ペトトル川取水口堰堤の流量変化
 取水口堰堤の断面は図5のとおり長方形であるから流域面積を320 haとして計算するとつぎのとおりである。
sabo 図5. 取水口堰堤略図
流域の洪水流量
開発前 Q1 = 1/360 × 320 × 0.550 × 57.2 = 27.96 m³/sec
開発前 Q2 = 1/360 × 320 × 0.554 × 57.2 = 28.16 m³/sec

開発前: f = 0.55, r = 57.2 mm/時, A = 320 ha
開発後: f = 0.554

取水堰を流下するときの水深の算出

Q = 2/15·C·√(2g)·(3B1 + 2B1)·h3/8

C = 0.6, g = 9.8

Q = 2/15·0.6·√(2 × 9.8)·5·h3/8 = 1.77
開発前 Q1 = 1.77 × B × h3/8

27.96 m² = 1.77 × 13.50 m × h3/8
h3/8 = 27.96/23.896 = 1.170
h = 1.110 m

1.4 m / 1.11 m = 1.26 ··· 安全率
開発後 Q2 = 1.77 × B × h3/8

28.16 m³ = 1.77 × 18.50 m × h3/8
h3/8 = 28.16/23.895 = 1.178
h = 1.115 m

1.4 m/1.115 m = 1.26 ··· 安全率

 以上の計算から、取水口堰堤に対する開発による影響はないものと判断される。
 以上のとおり、各地点で洪水流量の変化を予測したが、下流河川の流下能力が十分あるので、開発による洪水の影響はないものと判断される。
map
図6. ペトトル川水系 流量観測点と集水区域
(3) 荒廃地
 本計画地及びその周辺は山腹崩壊は見られず、わずか渓岸部に小規模な渓岸崩壊が数ヵ所見られる程度で、安定した地域である。本計画区域は、全区域山腹斜面に計画されており、しかも渓岸部からは100 m以上離れた区域であるので、スキーコース開股に伴う荒廃地発生のおそれはないと判断される。
(4) 水質へ影響
 水質の問題のうち土砂による濁度についてはゲレンデ敷は立木の伐採のみにとどめ、土地の形質変更が極めて少ないこと、開発地とペトトル川との間に森林(林床ササ型)が100 m以上の幅で確保されていること、柵工などで流出土砂を抑止する計画があることなどでほとんど防止できると判断される。なお、ペトトル川には上水道取水施設があるので慎重に対処する必要がある。  日本水道協会の水道施設指針・解説によると、上水道浄化施股では原水中の濁質のうち10-2 mm程度までの粒子径のものは普通沈殿で除去し、10-3 mm以下のコロイド状態のものは凝集池で薬品沈殿で除去している。コロイド状態の粒子区分は10-3 mm-10-6 mmでそれ以下はイオソ分子に区分され極めて粒子径が小さいものであることから、さらに濁質負荷をできるだけ軽減する目的で柵工の裏側に防砂マットの装着が計画されている。
 以上の調査結果からして,室蘭岳の森林が、自然とのふれあいや野外スポーツ・教育の場として、森林の総合利用のための整備がなされることになれば、地域の期待に十分応えられるものになるであろう。
環境調査報告書に対する質問事項

室蘭岳の自然を守る会
代表 新井田 高敏

I. 調査の概要について
1. 調査の委託者は、室蘭リゾート開発株式会社で調査期間は昨年11月から今年3月までの5か月と報道されているが、

(1) 会社が設立(登記)されたのは、今年の2月17日である。まだ実体もない会社が昨年11月から調査を委託するというごとが常識で考えられるのか。
(2) 室蘭市は、調査の委託者が室蘭リゾート開発株式会社であるから広く市民に対し調査報告書の要約、原本、調査資料の公聞ができないと説明してきた。しかし、室蘭市が第三セクタ一方式を採用し出資しているのであるから、要約はもとより原本、調査資料も市民が閲覧できるようにすべきではないか。

2 .調査機関として日本林業技術協会を選択した理由について。
3 .調査方法について。
4 .調査した者の人員数と調査員の資格、地位について。室蘭市の職員も調査に参加したのか。
5. 調査期間を5か月とし、しかも冬期間(11月から3月まで)に限定した理由は何か。

自然環境は、少なくとも1年間を通して調査、観察しなければ、その影響の予測は困難ではないのか。
冬期間に限定したのは、調査目的が本来の環境影響調査評価のためではなく、スキー場建設を前提とした立地条件の調査のためではないのか。

6. 調査報告書の要約の作成者は、誰か。

日本林業技術協会は、要約されたものの全てにわたり調査を実施したのか.

7. 昭和54年8月に北海道生活環境部が作成した『環境影響評価の技術的方法等の一般的な指針について』では、調査の手順を『調査対象の選定』→『現状調査』→『予測』→『公害の防止又は自然環境の保全のための措置』→『評価(開発行為と自然環境の調和)』としている。

しかし報告書(要約)は、先ずスキー場開設の妥当性を検討し、その後に開発に伴う影饗と対策を検討しており、手順が全く逆であり、環境調査報告書としては考えられない構成になっている。

II. スキー場開設の妥当性について
1. 自然条件からの検討

(1) 「本計画地は概ね100-150cm程度の積雪があり」となっているが、積雪調査の時期、場所、そこでの積雪量を具体的に提示してほしい。
 下記の質問に関連するが、スキー場の開設は積雪量によると思われる。
(2) 「当スキー場の開設期間は概ね100日以上可能である」と報告しているが、具体的に月別に可能日数を示してほしい。
(3) 「山頂部では強風による樹形の矮性化が見られた」と報告されているが、それほどの強い風が吹く場所で第三リフト(簡易)の運行が可能といえるのか。
(3) 「計画斜面が南向きであるので日当りは長〈快適なスキーが楽しめる」と判断されているが、判断は寧ろ逆になるのではないか。
(4) 気象条件、地形条件の両方からみたゲレンデ条件について、山スキーヤーの長年による経験を十分に参考にしたのか。

2. 社会条件からの検討

(1) 不況のなか、市民の税負担が重くなる超過課税をしてまで、本当に室蘭にスキー場を必要とするのか。
(2) 「雇用の場が確保される」としているが、雇用される人数を、市長は議会で約60人と答弁し、4月17日の『室蘭岳の自然を守る会』主催の集会で『ばんけい観先』の中野氏が約80人と述べているが、人数に食い違いがあるのは何故か。
 また雇用が予想される職種、雇用形態(臨時、通年)、男女別、人数を示してほしい。

3. スキー場開設の妥当性について
(1) 入込者の予測

① スキー需要量を室蘭市、登別市、伊達市を合せて約24万人と推計し、この数字が全ての数値の算出基礎をなしているが、幼児から老人まで含まれているのではないか。
② 室蘭市の『レクリェーション需要の想定』の資料では、室蘭市独自の資料が不充分なため札幌市が調査した『市民の観光レクリェーション』の結果を参考としたとなっているが、札幌市との人口構成等の違いを無視して単純に参考にすることは、妥当といえるのか。

(2) ゲレンデ規模

① ゲレンデ必要面積を23.52 haとしているが、妥当といえるのか。
② スノーガンの使用について

使用にあたっては、気温(マイナス4度以下)、湿度等の条件に合致しなげればならないと考えられるが、その条件は何か。また使用可能な条件下にあると考えるか。
大量の水を必要とされるが、水をどのように確保するのか。
スノーガンの能力について、10 cm程度しか積雪ができないと聞いているが、それでも効果的といえるのか。

III. 開発に伴う影響と対策について
1. 社会環境への影響と対策について
(1) 国有林経営との関連

① 伐録後の国有地の利用形態について
② 伐採樹木の処分について
※ (質問の趣旨)
 スキー場建設は、営林署が独立採算制をとっている林野庁国有林野特別会計において61年現在1兆3,000億円を超える赤字を解決するための方策(財政再建)と密接に関連しているのではないか。
 収益にウェイトを置いた林野行政をとるならば、保安林制度の持つ意義が危うくなっていくのではないか。

(2) 地元住民意識  「スキー場開設に伴う雇用機会の増大、利用者による消費の発生、税収の増加、住民所得の向上、若者のUターン現象への期待ができるなど多くの効果を及ぼすものと考えられる」と報告されているが、その理由は何か。
(3) 経済的波及効果

① 投資効果について、税収、固定資産税の増加をどの程度予想しているか。
② 消費効果について、「宿泊施設への波及効果Jとあるが、利用者の対象を室蘭市及びその近郊市民として日帰りスキー場をめざしているのに、どうして宿泊施設への波及効果を予測できるのか。

2 .自然環境への影響と対策について
(1) 四季を通じての調査が必要なのに、調査を冬期間の5か月に限ったのは、何故か。
(2) 冬期間で報告書に記載されている動、植物を実地調査できたのか。
(3) 学問上重要な動、植物の存否について調査したのか。
3. 国土保全への影響と対策について
(1) 土砂流出の変化予想と対策

① 土砂流出の予認されている場所を具体的に示してほしい(要約書に添付されている地図が不鮮明であるため)
② 土砂流出量は、土質によって変わるが、土質調査はどのようにしてしたか。またその結果について。(カルルススキー揚が教訓となっているのではないか)
③ 3年6か月間の土砂流出量を1,320 m²と予測し、柵土などで抑止するとされているが、寧ろその後の表土の崩壊が心配されるのではないか。
 3年6か月以降の土砂流出に対する抑止策をどのように考え、如何なる機関がこれを監視するのか。
④ 土質もさることながら表土の状態によっても土砂流出量が変ると思われるが、今でも表土の掘削をしない、伐根もしない、笹も刈らないと確約できるのか。
⑤ 前回の集会で「環境アセスが出てから」と答弁を保留していたリフトの建築資材と伐採された樹木の運搬方法をお答え願いたい。

(2) 雨水流出の影響と対策

① 雨量調査の方法
② スキー場の入込者数を約10万人と推定しているが、約10万人が利用するロッヂ等の生活排水の処理はどのような方訟をとるのか
③ スキー客の使用するスキーワックスによる水質への影響をどのように考えているのか


子供達に残そう 室蘭の大自然

室蘭岳スキー場建設計画には。大きな不安が残されています
  • 全国有数といわれるおいしい水を生み出している室蘭岳の『水源涵養保安林』が、大量に伐採されようとしています。
  • 大量の樹木を伐採してスキーコースを作るため、『土砂の涜出・土壌の崩壊・水質の汚濁』等、数々の不安の声が梯き上がっています。
  • 少ない積雪、悪い雪質のため、ワックス等が多量に使用されると『有害物質の地下水汚染→飲料水への影響』が、当然、心配されるのに、その調査を怠っています。
  • 四季を通じた市民の憩いの山が、『醜く変貌する虞れ』があり、市民は心を痛めています。
  • スキー場に至る道路整備のため、室蘭市民は苦しい財政の中から、更に『一億二五〇〇万円』もの税金を納めさせられます。
『室蘭岳の自然を考える集い』 が開催されます。
▼ とき: 6月5日(金)午後6時より
▼ ところ: 室蘭市中小企業センター

(室蘭市東町四丁目二九番・汐見交差点・労働金庫隣)

▼ 講演: 『環境調査と植生破壊について』

(各地の植生破壊について、追跡調査の生々しい報告がスライドを利用して行なわれます)
講師 露崎史朗氏 (北海道大学低温科学研究所研究員)

▼ 『室蘭岳スキー場(仮称)開発計画環境調査の疑問点について』
▼ 主催: 室蘭岳の自然を守る会
☆ 室蘭岳の自然を心配される市民の皆さん、多数の参加をお待ちしています。
環境調査の内容には、多くの疑問が示されています
  • 室蘭市が出資している室蘭リゾート開発(株)は、市民の強い要望により、ようやく環境調査を行ないました。
  • しかし環境調査報告書の全文の公開を、頑なに『拒否』しています。
  • 調査の結果が公開できないということは、調査内容に大きな『疑問』があるからだと思います。
  • 公開を拒否すれば、するほど市民の『不安』は大きくなります。
私たちは、おいしい水、美しい白樺林を 永遠の子供たちに残すため 室蘭岳の自然を大切にしたいと思います

室蘭岳の自然を守る会

S = 1/10000

室蘭岳スキー場計画
Muroran

室蘭岳の自然を守る会

Muroran
Muroran

子ども達に残そう

人間が緑を守ってやるのではない
緑が人間を守ってくれている

Muroran

室蘭の大自然

大自然息づく室蘭岳

Muroran
色鮮やか 西尾根に咲くエゾカンゾウの花。
谷の向こうにスキー場コースとなる室蘭岳
南斜面が広がる

Muroran

Muroran
涼味満点 室蘭岳
のもう一つの顔「裏
沢」。幾重もの滝を、
水しぶきを浴びなが
ら越え、険しい北斜
面から山頂へ登る

今、何が起こっているか ···
 室蘭岳の森林を大量に伐採しなければ開設できないスキー場を作る計画が、一昨年10月突然、明らかになりました。
 そして昨年、一部樹木を薙ぎ倒してスキー場がオープンされ、今年は大幅な拡張工事のための自然破壊が目前に迫っています。
 自然を生かすのではなく、自然を破壊しなければ、スキー場として成り立たない事実が、果して調和のとれた自然開発と言えるのでしょうか。
室蘭岳の自然を守る会は ···
Muroran  私たちは、四季を通じた憩いの山として多くの市民に親しまれている室蘭岳、市民の水を育てている室蘭岳の自然を守るごとが、後世への大きな遺産であると考えて運動を続けている市民による会です。
室蘭岳の自然を守る会の歩みは ···
Muroran

後記の一覧表をご覧下さい。

室蘭岳スキー場計画
室蘭岳(鷲別岳、標高911 m)の南斜面に、ゲレンデ面積20数ヘクタールのスキー場を開設する。
標高差 ··· 480 m。
最大斜度 ··· 22度。 3人乗りなどリフト4基。
ナイター設備。
駐車場 ··· 約400台分。
3階建てロッジも設置。
計画地は、民有地、国有地。

Muroran
始まったスキー場の
造成工事

※ 国有地は、水源涵養保安林である国有林の伐採が必要。
☆ 上記計画は、市民の間で自然保護の立場から異論が唱えられた為、一部計画変更し、昨年民有地(1期工事)部分のみ開設、国有林(2期工事)部分の着工は本年以降に持ち越し。

Muroran
白いトンネル
登山道の中ほどで、
ダケカンバ林のトン
ネルをくぐる。野鳥の
さえずりが響く


代表 二井田 高敏 63.5.6

室蘭岳の自然を守る会の歩み

62. 2. 9 「自然を守る会」発足 代表 二井田 高敏
__. 3.16 市に「室蘭岳の自然破壊を防止する為に」要望書
__. 4.17 「室蘭岳の自然を語る集い」 ·· 室蘭文化センター

室蘭市・ばんけい観光(株)・室蘭営林署: 関係者の出席を求め説明会
室蘭岳の植物、野鳥のスライド上映
スキー場建設概要の説明
営林行政についての説明・責任ある立場にないので返答できないの一点張りで市民の失望は大きい。
全ては環境アセスメントが出たら公表し検討したい
時間延長されたが次回に討論延期。

__. 5.10 「スキー場建設予定地見学登山会」主催「室蘭岳を守る会」

80名参加・残雪を踏み締め現地で説明会。水神社付近で碇雪、野草などの説明

__. 5.19 室蘭市主催 ··· 参加者約140名

「環境影響調査説明会」室蘭文化センター
市民への説明会と言いながら資料を準備せず、初めより紛糾。アセス結果の説明や建設計画に対する賛否の意見が相次いだ。
 市側は反対者や質問者の疑問に十分な説明もしないで時間切れを理由に一方的に説明会を打ち切る。市の準備不足が暴露され多く市民の失望感深まる。

__. 5.20 計画反対の葉書作成、遠景、自然100選、クマゲラ
__. 6. 1 むろらん市政だより NO 653 「室蘭岳スキー場」仮称

初級から上級まで快適に楽しめる
環境調査報告書まとまる。昭和62年6月1日

__. 6.05 「室蘭岳の自然を考える集い」 露崎研究員 中小企業センター

室蘭岳の自然を後世の子どもたちに残そう
アピール採択 守る会会員1240人
18-24 地区懇談会署名開始

__. 6.22 記者の視点「不信感残る環境調査」答える姿勢?
62. 6.22 請願書・市に「環境影響調査を精査し着工慎重に」
__. 6.24 公開質問状提出(室蘭市.営林署に)

13項目環境アセス全文の公開・企業秘密の理由
環境アセスの実施方法、引用文の別など

__. 6.27 「ヒュッテの集い」小雨のため白樺林付近まで登山 __. 7. 1 講演会・生越教授「開発と災害の因果関係」

室蘭岳は地質構造から考えて、一旦森林が伐採されると毎時60Kmくらいの土石流が発生する危険性がある。例え、切株を残しても保水能力は著しく低下する。内山建設部長も「伐採の後、草地にして成功しているスキー場があるのでないか?Jの質問に「今の技術で切った木の替わりになって災害を食止める手段は無い。何も無いより草地の方が良い程度である。」スキー場造成による土石流による死傷者の発生した例が岩木山であり、自然破壊への警告として、十分謙虚に受け止めなければならない。

__. 7. 6 建設常任委員会・市理事者に「精力的に話し会い、今月一杯をメドに結論を出すように。」
__. 7. 6 「室蘭岳スキー場開発計画」に関する質問についての回答

··· 室蘭岳スキー場の開発計画はその規模が300Ha以下であるので道条例に基づく環境影響調査の必要がない。環境影響調査を実施したのは林野庁がスキー場などを開発する場合、国有林の開発により地域住民に及ぼす影響などを考慮して保安林解除申請添付書類として提出するよう指導があったので事業主体が調査実施した。調査期間は昭和61年11月-昭62年3月までの5月間に現地調査を主体として、既往の資料並びに聞き取り調査などを実施した。

__. 7.12 合同登山会(守る会、野鳥の会、植物友の会、ホロノベ)

現地見学、ヒュッテでブタ汁。

__. 7.16 室蘭市主催による説明会・文化センター2階

環境影響調査の実施方法、資料を使用した部分などの説明を受ける。日林協の信頼性について? 調査期間を何故、冬季の5日間で十分信頼に値するとしたのか
 通年の調査が必要でないか? 地質調査、流水調査の予定は無いのか?
 あるスキー場の調査をした日林協が、施工業者の都合によってデータのすりかえをした事実を市民に指摘されたと報道されている。信頼するには値しない業者ではないか?
 夏場に出来る調査をして市民を納得させて欲しい。
 加藤木助役「話し合い継続中は解除申請」しない

62. 7.25 「水を守る会」学習会・飲料水の水源汚染を恐れ婦人グループ
__. 8. 7 建設常任委員会との懇談会 守る会より12名出席

市側に再三、アセスの全文公開を要求しているが、市民の多くは疑義を抱いている。
「守る会」としては調査の資料が不十分な現段階では、賛成とか、反対とかの判断出来る段階ではない。

__. 8.14 市側の説明会・中小企業センター
__. 8.17 (スキー場計画を第1期・第2期に計画変更)
__. 8.24 市議会(スキー場計画変更案承認) 赤字は夏場の利用

「スキー場計画に慎重対応を」の請願採択

__. 8.26 「仮称室蘭岳スキー場」建設計画に対する私達の見解発表
__. 8.28 市の説明会

「国有林への計画を認めない。自然破壊の恐れ」着工を巡り交渉物別れ

__. 9. 2 工事着手に反対講義

「草地造成であってスキー場建設ではない」(第1期工事は既成事実作りである。着工を見合わせるよう」·· 要望書提出。≪抗議行動≫

__. 9. 9 工事着手「草地改良工事につき・危険」香川町牧野組合
__. 9.11 請願採択
__.10. 2 スキー場予定地において地鎮祭、12月オープン予定
__.3-4 ビラ配り (3000枚)
__.10.15 室蘭岳で登山者にビラ配り
__.10.15 市政だより・むろらん NO662 仮称室蘭岳スキー場が実現!

12月オープンを予定
(完成前には全く市民だよりに掲載されたことはない)

スキー場建設は自然との共存で!

自分の手書きメモ
__.11.10 新聞に計画が報道される
__.11.12 市議会で計画通る
__.12. 2 第三セクター式リゾート計画用の企業を設置

__.11.11 市に公開説明会を要求
__.11.20 市は市役所に来るよう要求
__.11.30 建設常任委員会で協議

スキー場付近の民有地と市有地との境界線が不明確を認め、新たに測量の方針

__.12.22 市の説明会

ヒュッテの土地問題で市側、答弁に苦しむ
伐採面積、民有地との境界、市政便りのスキー場計画、山麓開発計画について紛糾

63. 2.17 「自然と野鳥との触れ合い」スライドと講演会

安西英明ウトナイ湖サンクチュアリ・レンジャー

__. 3.13 市民登山会主催「室蘭岳の自然を守る会」

道自然保護連合・瀬川 潔代表挨拶

__. 4. 5 「水源涵養保安林指定解除申請の許可を与えないよう」

佐藤 農水相に郵送・反対署名5300名

__. 4. 8 室蘭消費者協会(副馬幹子代表)に

スキー場拡張工事署名運動に公開質問状提出、話し合う。
町内会を使って署名を集めた。上層部のみで処理している


スキー場・2期工事予定地は水源涵養保安林
【問】室蘭市の水がおいしいのは、何故?

それは、室蘭岳が、室蘭市の水掘のlつになっており、汚染も少なく、自然の者化作用によって、おいしい水を醸し出してくれるからです。
臭い水、まずい水が、今大都市で問題になっていますが、それは、乱開発により水源が汚染され、化学薬品を多量に使って水を浄化しなければ、飲めなくなっているからです。

【問】森林と水の関係は、どうなっているの

① 樹冠は、雨水が直接地面を叩き洗うのを抑えます。 ② 樹幹・落葉・落枝は、雨水・雪融け水が地面を流れる速度を緩め、地下に浸透させたりして土砂の流出を防ぎます。 ③ 落葉・落枝・樹木の根が腐ったり、土の中の生物が活動することによって、土壌が良くなり、雨水が地下に浸透するのを促進したり、地下水を増加させたりします。
《そしてこの地下水が、徐々に流入することによって》
① 雪融時や豪雨時の河川の急激な増水を防ぎ、洪水を防止します。
② 渇水時にも、一定の水が供給されるのです。

【問】こんなに大切な森林は、どのように保護されているの?

それは、森林法によって、厳重に保護されています。森林法は、保安林制度を設けて、勝手に樹木を伐採したり、地形を変えたりすることを刑罰をもって禁じています。保安林の中でも、水源涵養保安林(水源を養い育てる森林)は、特に厳しい保護が求められているのです。

【問】保安林の解除は、簡単に認められるの?

保安林指定を解除しようとしても、森林の果している役割を超える理由がなければ、認めないのが、法律の趣旨です。
保安林を伐採して事業を行なおうとしても、事前の十分な調査と厳格な審査が要求されているだけでなく、農水大臣の許可が必要になります.
そのうえ、農水大臣が保安林解除を妥当と判断しでも、これに対し、一定の者が異議を述べる権利まで認めています。
法律にもいろいろありますが、これだけ強く住民の意見を尊重しようとする法律は、少ないのです。
それだけ保安林は、国民の生命、財産、国土の保全にとって大切なものとされているのです。

Keep Green 【問】室蘭岳の森林を伐採することは、保安林制度の目的にかなったことなの?

スキー場予定地は、保安林に指定された国有地です。
室蘭市は、昭和52年に苦しい財政の中から約l億円もの税金を払って室蘭岳の民有地を買上げるなどして、水源涵養保安林の確保に努めてきました。
それが、今度は、水源涵養保安林を解除して長年用かかって育った森林を伐採しようとしているのです。

今こそ、私たちは、命と暮しを守ってくれる森林を見直すことが必要と考えます。

【室蘭岳の自然を守る会】

室蘭岳の自然を守る会事務局

《室蘭岳》は、泣いています。皆さんの力を貸してください

おいしい水、美しい白樺林が失われます!
• 室蘭岳の自然を破壊して、スキー場が作られようとしています •
  • 皆さんが毎日飲んでいるおいしい水は、全国第七位の『おいしい水』です。
    それは、室蘭岳の森林が育てています(水源涵養保安林に指定)
  • 室蘭岳には、年間一万四〇〇〇〇人もの子供から老人までが自然の美しさと心のふれあいを求めて登っています。
  • そして天然記念物の『クマゲラ』も自然の美しさを満喫するため住民となっています。
  • 『北海道の自然百選』に選ばれた美しい森林、白樺林は、皆さんと皆さんの『永遠の子供たちに与えられた大切な財産』です。
• この大切な財産を捨てて、札幌の企業を中心に、スキー場が作られようとしています •
スキー場建設の代償として自然破壊が大きすぎませんか?
• 近くのスキー場を望んでいる市民がいることも知っています。

• でもスキー場に『不似合いな山』もあります。

  • 室蘭岳スキー場は、『水源涵養保安林として保護されている樹木』を伐採して作られます。
  • 樹木伐採により、『土砂の涜出・土壌の崩壊・水質の汚濁』が心配されます。
  • 積雪が少なく雪質も悪いため、人工降雪機・ワックス等の使用により、『有害物質の地下水汚染』が心記されます。
• 無理なスキー場建設は、市民に生命、健康に対する危惧感を与えます •
スキー場が市民の経済に潤いを与えますか?
  • スキー会社設立のため、『市民の貴重な税金五〇〇万円』が現に使われています。
  • スキー場に至る道路整備のため『二億円以上もの資金が貴重な税金と市民の新たな借金』で賄われます。
    スキー場のため、市民は重い税負担を強いられているのです(超過課税)
  • 雇用人口の創設といっても、殆どがアルバイト、パートタイマーの採用で冬の僅かな期間にすぎません。
• いま市民がほんとうに求めているのは、一家の柱である中、高年齢層の通年雇用の場です •
室蘭市は、十分な自然環境影響調査評価をしていますか
  • 市民の生命と健康を守ってくれる大切な自然を破壊しないために、十分な事前調査と慎重な評価が必要です。
  • 昨年一一月から今年三月まで冬期間だけの調査で四季を通じた自然環境に対する影響は予測できますか?
• それでも室蘭市は、十分な調査をしたといってその概要を説明すると言っています •

室蘭市主催の自然環境影響調査評価の説明会が開かれます

> ■ と き 五月一九日(火) 午後六時
■ ところ 室蘭文化センター(四階)会議室

皆さん、私たちと一緒に確かめてみませんか
十分な調査、慎重な評価がなされたかどうかを

※ 皆さんの意見をお待ちしています ······
※ 一緒に『草の根運動』しませんか ······

室蘭岳の自然を守る会


要 望 書

室蘭市長
岩 田 弘 志 殿

昭和62年3月13日
室蘭市輪西町2丁目7番9号
代 表 二 井 回 高 敏

『室蘭岳の自然破壊を防止するために』
 室蘭岳山麓を中心とする山岳型レジャー基地構想が発表され、新たな観光レクリェーション都市圏を目指したいとの動きについて、室蘭の自然を愛する私達は次の点について、大きな不安と危慌を抱いています。
 市長を始め関係各位が、私達の危倶している点を十分検討され、室蘭の自然が本当の意味において「自然百選」に値するものとして室蘭市民はもとより室蘭を訪れる人々に豊かな「自然のあるべき姿」を、楽しむことが出来るように保護・育成に取り組んでいただきたく、ここにお願いいたします。

要 望

1. スキー場建設にあたってゲレンデ予定地の中央部の雑木林並びに上部の白樺林の伐採計画並びに連絡道路の拡幅計画を即時、中止して下さい。

「理由」一旦、伐採された場合、今迄水源涵養林が果たして来た保水力が失われ、チマイベチッ浄水場への影響が心配される。下流域に山崩れ、鉄砲水、洪水などの災害が起こるとすれば明らかにこれは、人災になる恐れがある。

 室蘭市民の飲料水は従来通り、「おいしい水」が十分供給される保障があるのだろうか? 「スノー・ガン」の利用のための水源の確保はどこに求めるのか?
 万一、伐採された後、予測に反してスキー場経営が採算割れになった場合、現状に復帰させることは、50年かかっても不可能ではないか? その場合、果たしてどのようにしてどんな組織が、どんな責任のもとで鉄塔の撤去や、植林をして現状に復帰してくれるのだろうか?
 さらに、建設にあたって工事のために道路の拡幅が予想されますが、それ等を考慮した時自然破壊が恐ろしい範囲で、しかも後世に大きな禍根を残す可能性のある重大事件になり得ると思います。

2. 建設計画の予備調査・環境アセスメントの考慮がなされたとしたら、その市民への公開、あるいは、一般閲覧の機会を与えて欲しい。市政便りなどで趣旨の徹底をはかって欲しい。

「理由」残念ながら、多くのい市民はスキー場建設に伴ってどんなこと(例えば森林の伐採・野鳥をはじめ動植物の変化・山様の変化)が予測されるか理解していないと思われます。

 市長をはじめ各室蘭リゾート開発は、その他の関係官庁、各機関等に折衝し、それにどんな有効な対応策を持っているか市民に知らされていない。これほど市民の生活に密接にかかわることであるのに、あまりにも唐突で結論を急ぎ過ぎたのではないか? もっと時間を掛け、公聴会なり説明会を計画し十分、検討してからで遅くないと確信します。

3. スキー場建設予定地の冬期間の積雪状態、風力状態、融雪時期等の検討は、どのようになされたのでしょうか?

「理由」室蘭岳の冬期間に度々、いわゆる山スキーを楽しんでいるスキーヤーの話によると積雪が少ないだけでなく南斜面とのことで、風力・雪質・融雪時期等を総合的に考慮するとシーズンの半分にもなる風力の強い日は危険防止のため、リフトの運行を休止せざるをえないことも考えられる。経営上・採算が取れる利用者数の計上は非常に困難と思われる。近辺の施設の整った集客力のあるスキー場と比較して、山の高さからする物理的魅力はどうすることも出来ない。人口減の現在、物珍しい時期が過ぎて、尚、採算を上げることが困難ではないか?

 積雪不足を補うためスノー・ガンの利用、植物並びに、土壌に与える悪影響は多大と思われます。さらに、大自然に囲まれたこの景観の素晴らしい場所だけに、その自然の保護こそが、本当の意味における"室蘭岳"に値する「市民の山」・「オール・シーズンの市民の山」として位置づけた正しい道と思います。

※ 以上の理由から、自然を破壊するスキー場の建設に多数の疑問が提起され、こよなく、室蘭岳を愛するもの達が"室蘭岳の自然"を守ることが責務と考えますので、

『室蘭岳の自然を守る会』を結成して広く市民各位に訴え、関係各位に働きかける決意であります。
昭和62年 3月13日


シンポジューム
開発自然保護

《室蘭岳の自然を考える》

日時1988年 5月8日 (日) 午後1時
会場室蘭市障害者福祉総合センター
主催室蘭岳の自然を守る会
後援社団法人北海道自然保護協会
北海道自然保護連合;

プ ロ グ ラ ム

1. 開会挨拶 ... 三浦 進 (室蘭岳の自然を守る会事務局長)
2 .総合司会者挨拶 ... 中野徹三氏 (北海道自然保護協会常務理事)
3 . 講演

① 「市民にとってスキー場は必要か」

紺谷友昭 氏 (札幌の自然を守る会代表委員)

②)「大雪山系の観光開発から考える」

寺島一男 氏 (大雪と石狩の自然を守る会副代表)

《休憩・ティータイム》
4. 自然保護運動団体の報告

① 北海道の自然を守る会代表 前田重和氏
② 室蘭岳の自然を守る会代表 二井田高敏

5. 質疑・討論
6. まとめ

中野徹三 氏 (北海道自然保護協会常務理事)

【シンポジューム開催にあたって】
 北梅道は農産物自由化による第一次産業の低迷、石炭・鉄鋼の切捨て政策等経済の落ち込みはひどく、元手のかからない自然利用ヘと向かっている。
 広大な面積と良好な自然環境を有する北の大地は、リゾート開発計画の基地として狙われ、その計画は80箇所にものぼると言われる。
 安易な開発行為で痛手を受けるのは、常に自然そのものである。
 一度失った自然を復元することは、容易でない。
 人聞が自然の一員として生きて行くには、どうすべきか。
 北海道の自然の将来を考え、自然保護はどうあるべきかを考えてみよう。
 開発か自然保護かで揺れる室蘭で、このような自然保護についてのシンポジュームが開催されることは、意義深いものがある。
【司会者・講師・報告者の紹介】
《中野徹三 氏》

札幌学院大学人文学部教授。
北海道自然保護協会常務理事、北海道自然保護連合代表代行。
1973年円山原始林(札幌)を削って車道を作る計画に反対する市民運動を始めたのがきっかけで北海道自然保護協会に入会、以後、同協会法人化(1979年)に際しては中心的に尽力するなど理事、常務理事として活動。最近では、知床、然別などの自然保護運動でも豊かな知識と経験をふまえた粘り強い指導力を発揮している。

著書 『レーニン・人と思想』『マルクス主義と人間の自由』『トロッキーとゴルバチョフ』他。
北海道自然保護協会編『神々の遊ぶ庭』に2編執筆。

《紺谷友昭 氏》

読売新聞記者を経て、現在北海道社会保険看護専門学校講師。
北海道自然保護協会常務理事。
1979年には自宅に近い砕石場の自然破壊問題を北海道自然保護協会会誌を通じて初めて世論のメスに載せた。
1982年から北海道自然保護協会の理事、常務理事を歴任。
この間手稲山スキー場(札幌)問題での運動に成功、北海道自然保護協会の新しい行事としての"美林ツアー"、シンポジウムなどに常に積極的で創造的なアイデアと行動性を示している。
山林の土地問題にも造語が探い。

著書 北海道自然保護協会編『神々の遊ぶ庭』に3編執筆。
論文 『拡大する時の俗信』『森林を荒廃させる土地私有』

《寺島一男 氏》

北海道旭川工業高等学校教論。
大雪と石狩の自然を守る会副代表。
北海道自然保護協会常務理事。日本環境学会会員。
登山愛好者として厳冬期石北峠、石狩連蜂、大雪山、十勝岳連蜂の完全初縦走の国内記録を持ち、ヒマラヤ、アルプスにも足を延ばす。
1971年より大雪縦貫道問題を契機に自然保護運動に入り、「表大雪循環道路」「日高横断道路」「知床国立公盟国有林伐採」等の問題に取り組む。

著書 北海道自然保護協会編『神々の遊ぶ庭』に執筆。

《前田重和 氏》

喫茶底経営。
北海道の自然を守る会代表。
釣り人として全道の河川を見るなかで自然破壊の進展の早さを痛感、5年前にヤマハの支笏湖レジャー基地案に反対して『支笏湖の自然を考える会』を結成して600名の会員を組織した。
白老岳スキー場問題、手稲山スキー場問題にも意欲的に取り組む。

《二井田高敏》

自営業。
室蘭岳の自然を守る会代表。
中学2年の時から室蘭岳に登り、室蘭岳をよく知る。登山愛好者として道内、外の秀峰にアタック。
MRCC(室蘭ロッククライミングクラブ)創設時のメンバー。
1986年室蘭岳スキー場建設計画が公表されて以来、室蘭岳の自然を守るための粘り強い運動を続けている。

《 メ モ 欄 》

Hokkaido
北海道リゾート計画 (1988年2月現在)
北海道内リゾート開発計画

室蘭岳の自然を守る会事務局


室蘭岳スキー場開発計画環境調査報告に関する疑問点について
雛形 (重複部分削除整理) 環境調査報告書説明会における室蘭市の対応及び環境調査報告書(要約)の疑問点について

室蘭岳の自然を守る会
代表二井田高敏

《目 次》

第1章 『室蘭岳の自然を守る会』について
第2章 環境調査説明会に対する『室蘭岳の自然を守る会』の姿勢について
第3掌 環境調査報告書の公開要求について
第4章 環境調査の依頼及び実施についての疑問
第5章 環境調査報告書(要約)の疑問

第1節 調査方法及び期間について
第2節 スキー場開発の妥当性
第3節 開発に伴う影響と対策

第6章 結語

第1章 『室蘭岳の自然を守る会』について
 私たち『室蘭岳の自然を守る会』は、室蘭岳にスキー場を建設する計画が公表されて以来、計画自体の妥当性につき疑問を抱き、また計画が実施された場合にもたらされる自然破壊等を深く憂慮して、自然保護の立場から計画の再検討を願ってきた市民による会であります。
 私たちは、微力ながら限られた時間の中で、室蘭岳スキー場建設計画の内容及び計画によってもたらされる自然破壊について勉強してきましたが、このたび室蘭岳スキー場(仮称)開発計画環境調査報告書に対する説明会が開催され、十分とは言えないながらもその説明を受付ましたので、これに対する疑問点を提示致します。

第2章 環境調査説明会に対する『室蘭岳の自然を守る会』の姿勢について (調査報告書説明会に至る経過と説明会の進行について)
 私たち『室蘭岳の自然を守る会』は、室蘭市に対し、調査報告書の公開及びその説明会の開催を強く求めてきました。
 それは、環境調査報告書及びその資料を公開し、更にその内容につき市民に分かり易く説明することにより、市民が抱いている計画内容に対する疑問、計画実現による自然破壊等に対する不安を1つでも多く解明されることを願っていたからであります。
 そこで室蘭市民による環境調査に対する説明会がようやく5月19日に実現するに至り、私たちは、室蘭市に対し、私たちが抱いている疑問及び不安について予め質問事項書を作成、提示することを約束し、室蘭市もこれまでの経緯から説明会においては、私達『室蘭岳の自然を守る会』の会員に質問の場を与え、その後会員以外の市民からの質問を受ける旨約束していたのであります。
 そして報告書及びその資料の公開と説明により調査内容に対する疑問点が1つでも多く解明されることを願っておりました。このため私たちは、室蘭市に対し事前に質問事項書を提出することを約束し、室蘭市もこれまでの経緯から説明会の進行については、私たち『室蘭岳の自然を守る会』の会員に質問の場を与えその後会員以外の市民からの質問を受ける旨約束していたのであります。
 残念なことに調査報告書の要約を受け取ったのは、5月15日の夕方であります。 私たち『室蘭岳の自然を守る会』の会員は、微力ではありますが、調査報告書の要約を検討しあい、質問事項の重複を避け、質問の趣旨が理解していただけるよう全力を尽くして質問事項書を作成しました。この作業が漸く終ったのは、説明会が開催される直前の午後5時であります。それから私たち『室蘭岳の自然を守る会』の会員の質問趣旨を会員以外の市民にも理解していただけるよう質問事項書のコピーを作成し、急ぎ会場に向かったのであります。
 ところが説明会が行なわれてみると、司会者はあえて私たち『室蘭岳の自然を守る会』の会員による質問を避けるようにし、更には一方的に調査報告書に対する質問を打ち切って、市民に対しスキー場建設についての意見を求めたのであります。説明会では、通例、説明に対する質問がなされて、その後意見の交換がなされるのではないでしょうか。もし時聞がないというのであれば、別に機会を設けて市民の意見を求めるべきでなかったかと考えます。
 私たち『室蘭岳の自然を守る会』は、この説明会が、あくまでも市民が抱いている計画実現による環境影響に対する疑問点を1つ1つ解いて行く、あるいはまた説明を受けることによって誤解によるかも知れない危倶を解くための会であると考えておりました。
 室蘭市は、私たち『室蘭岳の自然を守る会』が数の多少で結論を求めているのではない、ということに思い致していないととを残念に思います。もし室蘭市がこれに思い致していたならば、説明会は、lつでも多くの疑問を解明する場になり得たものと考えます。

第3章 環境調査の依頼及び実施について
第3章 調査報告書の公開拒否に対する疑問点
  1. 室蘭市及び室蘭リゾート開発株式会社は、何故、調査報告書及びその基礎資料を市民に公開しようとしないのでしょうか。
    (1) 室蘭市は、当初、調査報告書の要約さえ公開しようとしませんでした。しかも『室蘭岳の自然を守る会』が主催した集いの席上で、室蘭市民を対象に説明をする旨明言しながら、『室蘭岳の自然を守る会』の代表にだけ口頭で説明し、それで全てを終らせようとしていたのであります。
    (2) 本来、環境調査報告書は、市民の生命、財産に多大な恩恵を与えている自然を対象とする事業の実施によって、如何なる影聴が予測され、対策が講じられなければならないかを明らかにするととを目的とするものであります。
     従って市民が、報告書の内容に大きな関心を持つことは当然のととであり、また報告書の公聞によって市民の不安感が除去される効果が期待されるものであります。
     このため北海道環境影響評価条例は、評価書を公開すべきことを求めているだけでなく、評価書の内容を平易に要約した概要書を住民に配布すべきととを求め、更には評価書に対する意見書の提出までも住民に認めているのであります。
    (3) 確かに室蘭岳スキー場開発計画は、その面積において北海道環境影響評価条例の対象となる事業には該当しません。しかし市民の水の源として水源涵養保安林に指定された区域、市民にたった1つしかない山として親しまれている自然を対象としている事実を踏まえるならば、北海道環境影響評価条例の精神は生かされるべきものであります。
     だからこそ環境影響調査を実施したのではないでしょうか。
  2. 室蘭市は、説明会の席上、要約されたものだけでなく環境調査報告書そのものを室蘭リゾート開発株式会社に備え置く旨約束し ましたが、環境調査報告書の全文、調査資料の公開については、私たちの約束を無視し、頑なに拒否する態度をとり続けています。
     調査の結果を公開できないということは、調査内容に大きな疑問があるからではないでしょうか。
    ながら、またも約束を破っているのは、如何なる理由によるものでありましょうか。
     室蘭リゾート開発株式会社には、環境調査報告書の要約しかなく、調査報告書の全容、その資料は全く備え置かれていません。
    あくまでも公開を拒否するならば、市民の環境調査報告書の信憑性に対する不信感は、一層増大するものと言わなければなりません。

第4章 環境調査の依頼及び実施についての疑問
  1. 環境調査報告書によれば、調査の目的について、室蘭市がすすめているスキー場開発計画の基礎資料を得るためである旨述べています。計画の立案者は室蘭市であり、その実施者は室蘭リゾート開発株式会社であります。計画樹立に関する基礎資料を得る目的であるならば、この段階における環境調査の依頼は、本来、室蘭市が行なうべきものであり、室蘭リゾート開発株式会社に環境調査依頼を行なわせたのは、如何なる理由によるものでありましょうか。
    (1) 室蘭市は、公開拒否の理由の1つとして、調査依頼の主体は、民間企業の室蘭リゾート開発株式会社であり、作成された報告書については、環境調査以外の事項の資料も含まれているため、室蘭市からは公開を要請することはできない、旨述べていました。
     公開をはばかるような資料を基礎にするというとと自体疑問でありますが、これが事実とすれば、本来、計画の立案者である室蘭市が調査を依頼すべきであったのに、民間企業の室蘭リゾート開発株式会社に調査を依頼させたことが、貴重な調査内容が公開されない原因を作ってしまい、しいては調査内容の信憑性に対する市民の不信感を助長させてしまう結果となったと言わざるを得ません。
    (2) 上記の理由により調査報告書の公闘が困難であるとしても、室蘭市は、室蘭リゾート開発株式会社に500万円を出資しており、しかも民間企業の事業のために道路整備費として室蘭市の税金1億2,500万円を支出しようとしているのでありますから、当然、調査内容は、広く市民に公開されるべきではないでしょうか。
第5章 環境調査報告書(要約)の疑問
第1節 調査方法及び期間について
  1. 調査報告書の内容に対する信憑性は、調査実施方法の明示によって保たれると考えますが、調査実施方法が明示されていないのは、如何なる理由によるものでありましょうか。
    (1) 環境彫響評価の調査は、客観的にしかも現況に照らしてなされなければなりません。
    従って調査の方法は、実地調査が原則とされるべきであり、あくまでも文献、資料による場合には、次の条件が満たされる場合であって、しかもできるだけ補足的に使用されるべきものと考えます。

    ① 文献による場合には、その文献の内容が調査の目的からみて妥当と認められること。
    ② 資料による場合には、その資料が如何なる目的で如何なる機関が如何なる方法により作成されたか、またその資料の正確性、その資料が当該調査資料として有効に果し得る度合について慎重に検討されていること。

    (2) 調査には、現地調査、聴き取り調査、文献・資料収集等各種の方法が考えられます。ところが調査報告書には、如何なる調査が如何なる方法によって行なわれたのかが明示されていません。このことも調査報告書の信憑性に対する疑問を抱かせる原因の1つにもなっていると考えます。
  2. 調査期間を昭和61年11月から昭和62年3月までの5か月間、しかも冬期間に限ったのは、如何なる理由によるものでありましょうか。
    (1) 特に自然を対象とする環境調査については、最少限1年間、それも四季を通じた調査をしなければ、調査に値しないと言われています。しかも市民の水を確保しているという大切な機能を有し、更には四季を通じて市民が訪れている山を対象としているのでありますから、調査は、慎重かつ十分に尽くされなければなりません。
    (2) 僅か5か月間、しかも殆ど雪に覆われた冬期聞を選んで調査することにより、どれだげの正確な判断資料が得られたのか疑問であります。
     冬期間を選んで調査したことは、環境影響を調査するためではなく、スキー場としての立地条件を調査するためであったと誤解される原因になるものと考えます。

第2節. スキー場開設の妥当性
第5章 環境調査報告書(要約)に対する疑問点
第1. スキー場開設の妥当性に関する疑問点
  1. 気象条件からみたゲレンデ条件として、積雪量が本計画地において概ね100-150 cm程度あり、スキー場開設期間も概ね100日以上(12月下旬から4月上句)可能である旨報告されていますが、積雪量並びに開設期間については、その基礎資料からみても明らかに事実に反しているものと思われます。
    (1) 積雪量については、次のとおり説明されています。
      調査年月日  牧草地  ヒュッテ  頂上
      60.12. 2   0.05 m  0.10 m   0.30 m
      60.12.27   0.20 m  0.35 m   0.60 m
      61. 1.12   O.30 m  O.60 m   O.80 m
      61. 2. 6   O.30 m  O.60 m   1.00 m
      61. 2.20   O.40 m  O.60 m   1.00 m
      61. 2.27   O.60 m  O.80 m   1.20 m
      61. 3.27   O.80 m  1.00 m   1.20 m
    
     これによれば、150 cmなる数値は全く出てこないのであります。
     室蘭市は、この疑問に対し、昭和62年の調査では150 cmあった旨答弁していますが、その観測地点及び観測時期を明らかにして下さい。本年は、昨年に比較し異常に積雪量が多かったとは思えません。
    (2) ゲレンデ内の樹木は伐採するが根は10-20 cm残す旨断言しています。そのうえ頂上付近は強風によりロープトウ(第3リフト)の運行はあまり期待できないし、期待もしていない旨述べています。しかも50O mもあるロープトウは、常識では考えられません。
     当初、少ない積雪量をカバーするためにスノーガン(人工降雪機)を使用するとしていたのに、説明会ではとれを翻し使用しない旨断言していること、残根部分10-20 cmが存することを考慮して、安全に滑れる状態を考えると、到底100日以上の開設は期待できないのであります。
    (3) 計画斜面が南向きであるから日当りが良く快適なスキーが楽しめる旨報告されていますが、本当にそうでしょうか。日当りが良いというととは、日中雪が融け夜間急激に凍結するため表面の雪質が悪くなるととを意味します。快適なスキー場の条件として雪質が良いということが大きな存在を占めることも考慮すべきであります。
    (4) 積雪量、開設日数は、スキー場経営にとって最も重要な資料になるものであり、これを誇張して報告書に記述することは、スキー場開設の妥当性を疑わせるものであります。
  2. 地形条件からみたゲレンデ条件として、コース帽約50-150 mとなっており、初級者から上級者まで楽しめるコースとなる旨判断していますが、
    (1) 図面(縮尺1:2,500)から測定すると最少のコース帽は、約50 mなる数値がでてこないように感じられます。
    (2) 第2リフトを中心とするゲレンデは、中級者は勿輸のこと、上級者のロッジへの回帰コースであり、また第3リフトの運行もあまり期待できないことから上級者の頻繁な利用が予想されるコースであり、更には初級者でも試みが予想されるコースであります。
    (3) そうするとこれまで山スキーヤーによっても難所と言われてきた狭いコースに、技術差のある多数の利用者が出現することになり、リフトの支柱が点在することも考えあわせれば、人身事故等の予想される危険なコースになる可能性が大きいと考えられます。
  3. スキー場開設規模の妥当性について、入込者の予測約10万人、ゲレンデ規模必要面積23.52 haとみていますが、算出方法に疑問を感じます。
    (1) 説明では、赤児から老人まで全ての人口を算出の基礎とし、4人に1人がスキーを滑ると予測していますが、あまりにも根拠に乏しいと言わなければなりません。
     あくまでも予測値である旨言われていますが、スキー需要量、本計画地利用者数は、スキー場開設の是非、スキー場の安全確保の基準値、室蘭市が強調する経済的効果そのものを左右する重大な数値であるばかりでなく、ゲレンデ必要面積如何によって伐採される樹木の数量に大きく影響するのであります。
    (29 仮に報告書の数値(計画利用者数1日3,000人)が正しいとしても、安全なゲレンデと言いえるための必要面積が確保されているか、疑問であります。

    ① 1人当りの必要面積については、議論のあるととろでありますが、次のような提案がなされているととを考慮する必要があります。
    (道スキーパトロール赤十字団奉仕団連絡協の役員の提案)
    過密ゲレンデに起困する事故を防ぐには、160-180 m²程度必要
    (日本観光協会の提案)
    1人当り、200 m²
     仮に1人当りの必要面積を160 m²とし、3,000人が利用するとした場合、38.4 haが必要となります。
    160 m² × 3,000人 × 0.8 (利用者のピーク時、集中率) = 38.4 ha
    ② これから新たにスキー場を建設する場合には、既存のスキー場より一層の安全性が図られたコースであることが要求されるものと思います。
    ③ 更には、ゲレンデ面積が19.3 haであるのに対し、本計画区域の面積が86.7 haと広範囲にわたることから、将来、更に一層の樹木伐採、ゲレンデの拡張が行われるのではないか、と危惧されます。

第2. 開発に伴う影響と対策に関する疑問点
 スキー場開設の妥当性が論じられる場合、影響と対策が述べられる前に、本計画予定地が法令上どのような規制がなされているかを調査し、更に開発行為をなすにあたって、その規制に抵触しないのか、抵触するとした場合、どのようにして適正化を図るのかが検討されなげればなりません。
 ところが調査報告書では、本計画予定地が森林法による水源涵養保安林の指定区域であることをなんら指摘しておらず、更には指定解除のために如何なる対策が構じられ、如何なる手続きによって適正化を図り、開発行為を行うべきか、全く指摘されていません。手続にも全く触れられていないのであります。水源涵養保安林の指定解除なくして、本計画の実現は全く不可能であるにも拘らず、その検討が全くなされていないことは、調査報告書として重大な欠陥を有しているものと言わざる得ません。
 水源涵養保安林として指定され樹木が保護されている事実によって、市民の水が確保され、更には土砂の流出、土壌の崩壊等が防止されている現状を考慮することなく、スキー場開設の妥当性を論ずることは、早計に過ぎるものであります。

第3節 開発に伴う影響と対策
第1. 社会環境への影響と対策について
  1. 国有林経営との関連について、計画区域は、水源涵養保安林として保讃区域として指定されており、当然、保安林の指定解除の申請が予定されていると思いますが、その予定地域及び指定解除申請が認められるための条件はどのようになっているのでしょうか。
    (1) 計画区域の表-1によるとゲレンデ敷10.9 ha、残存森林66.8 haの合計77.7 haが国有林計画面積となっています。国有林伐採が予想される面積は、確かに10.9 ha範囲内でありますが、残存森林66.8 haも計画区域にはいっていることから、当然との区域も保安林の指定解除の申請が予想されます。ゲレンデ面積が少ないことから、当初は、10.9 haの範囲内の樹木を伐採し、その後において範囲外の樹木にも拡張して伐採することになるのではないかと危惧しています。どのような理由から合計77.7 haを計画区域としたのでしょうか。
    (2) スキー場建設は、独立採算制をとっている林野庁が昭和61年現在の1兆3,000億円を超える赤字を解消するための方策と密接に関連していると思われます。採算性を重視した林野行政をとるならば、保安林制度のもつ国民の生命、財産保全の目的は達成されないことになるのではないかと心配します。
    (3) 伐採後の樹木は、どのように有効処分されるのでしょうか。
  2. 地元住民意識について、市民からの強い要望がある旨述べられていますが、とれを裏付けるだけの市民意識調査を十分行なったのでしょうか。
     また雇用機会の増大、消費の拡大等の経済的波及効果が期待される旨、判断されていますが、それが具体的にどの程度実現可能であるかを試算したうえで判断することが求められるのに、全く判断材料が示されていないのは、何故でしょうか。
    (1) 市内各所にスキー場があり、スキー人口の底辺が広く多い札幌市でさえ、冬季レクリェーションに関する市民意識調査を実施しています(札幌市環境局)。既にスキー場のある札幌市でさえ実施しているにも拘らず、これから新たにスキー場を開設しようとする室蘭市においては尚更のこと、事前に十分な市民意識調査を実施することは当然のととであり、その能力も有する筈であります。
     何故にこのような調査を怠っていながら、市民の強い要望があったと断言できるのでありましょうか。確かにスキー愛好者の中から要望があった事実は認められますが、この事実をもって直ちに大多数の市民の強い要望があったとすることには、甚だ疑問を感じます。
    (2) 雇用の場の創出について、雇用予想人数を市長は機会で約60入、『ばんけい観光』の関係者は『室蘭岳の自然を守る会』主催の集いで約80人と答弁しており食い遣いがみられるのは、慎重な考慮がなされていないからと思われます。既にスキー場を経営している『ばんけい観光』のノウハウを生かすならば、予測は可能と考えられます。
     雇用が予想される職種、雇用形態(通年、臨時)、男女別、年齢層、人数等を明らかにしないで、その妥当性を論ずることに疑問を感じます。
    (3) 宿泊施設・土産品店・飲食店等への波及効果が期待できる旨判断していますが、どれだげの数値を予測しているのでしょうか。
    (4) もし地元業者に対してこれらの経済的波及効果を期待して室蘭リゾート開発株式会社を設立したとするならば、同会社が営業予定の業種として次の目的を掲げていることによって、果してどれだけの経済的波及効果を期特できるのでしょうか。

    ① スポーツ、娯楽施設(スキー場、テニスコート、遊園地、各種スポーツ教室、林間学校、展望台、宿泊施設等)の経営
    ② 食堂、喫茶店の経営
    ③ 駐車場の経営
    ④ スポーツ用品の販売
    ⑤ 土産品、食料品、日用品雑貨の販売
    ⑥ 旅行斡旋業
    ⑦ 不動産の賃貸借及び管理並びに売買、仲介、斡旋業務

第2. 自然環境への影響と対策について
  1. 動物、植物に対する調査は、如何なる時期において、如何なる方法をもって調査されたのでしょうか。 自然環境への影響と対策について、本計画予定地には、貴重な動、植物等が全く存在しないのでしょうか。実地調査は、慎重かつ十分に行ったと断言できるのでしょうか。になされたのでしょうか。
    (1) 冬期間の調査に限るととは、貴重な植物の発見を不可能にします。何故、雪融けを待たずに調査を終了したのか疑問であります。
    (2) 鳥類について、白鳥ヒュッテ付近では、鳥相の密度が高い傾向が伺われた旨報告されていますが、如何なる鳥類が生息し、その保護の必要性についてどのように判断されたのでしょうか。
    (2) ヒグマ、エゾシカの痕跡が認められた旨報告されていますが、いつ、どとで、どのような調査によって発見されたのでしょうか。もし計画予定地にそのような痕跡が認められるなら、安全上の見地から追跡調査が必要になるものと考えます。
    (4) 両性、爬虫類については、一部聞き込み調査を行った旨、説明会の席上で報告されてますが、聞き込み調査を行った理由、聞き込み調査による資料の信頼度は、どの程度保証されているのでしょうか。
    (5) 昆虫類については、「昆虫相の種数は豊富ではないと思われる」旨報告されていますが、「思われる」とは、推測によることを意味します。推測を前提に判断をなしている報告書に報告書としての価値を見出すことは、困難であります。
  2. 本計画予定地には、ミズナラ、シラカバ、ハンノキ等落葉樹が分布していますが、近時、落葉樹の大気汚染浄化能力の優秀性が指摘されています。自然の有する環境浄化作用等を考慮するならば、スキー場開般のための樹木伐採は、再考を要するものであります。
    ① 『現登山コースの一部がコースを横切っており植生的に変化するが、他の区間は、···· 視界に入いらない」旨報告されています。
     自然景観の最も期待される春、夏、秋の登山シーズンにおいて一部と謂えども景観破壊が行なわれることは、登山による安らぎを無にするものと言うベきであります。
    ② 第2リフトの大部分が視界に入る旨報告されていますが、第2リフト地点の樹木伐採による景観に対する違和感は、当然予測されることになるものと思われます。まして10-20 cmの伐採樹木の残根、積雪不足を補うため土嚢を使用する旨計画されているとすれば、景観に対する違和感は、増大するものと言わなければなりません。
  3. 第3. 国土保全への影響と対策について
    (1) 土砂流出量は、地質によっても影響を受けると考えられますが、地質については、どのように調査されているのでしょうか。
     ゲレンデ建設において、表土を掘削しない、伐根もしない、笹も刈らないと確約されていますが、カルルススキー場の現状を考慮すれば、樹木が伐採された後の表土の状態が心配されます。にも拘らず説明会では、地質について調査はされたとの答弁はありましたが、その詳細な内容はなんら説明されませんでした。しかも調査資料が公開されていないため、その内容を知るととができません。
    (2) 3年6か月間の土砂流出量を1,320 m³と予測していますが、ダンプカー1台分の積載量を7 m³-10 m³としてこの量はダンプカー約130台分に相当します。
     スキー場開設当初よりも表土の状態が悪化することが予想される3年6か月後の土砂流出量はどの程度予測されているのでしょうか。
     地質調査の重要性がここにあると考えられます。
    ③ 流出土砂を抑制するため、柵工等を設置することにより、積雪が少ない冬期間のスキー場利用上、危険性はないと言えるのでしょうか。
     柵工等の設置場所が図面上不明確なため、上記の不安が生じるものであります。
  4. 水質の影響では、土砂による濁度についてのみ検討されていますが、少ない積雪、悪い雪質のため、年間10万人もの利用者のうち何割かの者がワックス等を使用すると予想されているにも拘らず、これによる影響、対策が報告されていません。
     仮に薬物等による処理が可能であったとしても、室蘭市が誇りとする『おいしい水』の確保が可能と言えるのでしょうか。

第6章 結語
 私たちは、環境調査報告書の要約を基にに室蘭岳スキー場開設によってもたらされる様々な影響に対する疑問、不安の解消を試みてきましたが、調査期間、内容、方法とも、これを解消するに耐え得るものではないとの結論に達しました。
 これは、調査内容もさることながら、環境調査報告書の要約自体が環にして要を得ない内容となっているからであります。要約と謂えども要約作成の意図が何にあるのかを考慮するならば、前提もなしに、数値を羅列し、図表を持ち出すという構成にはならなかったものと考えます。
 要約の不完全さが、調査報告書の全文、資料の公開をますます必要とさせていると言えます。
 もし室蘭市及び室蘭リゾート開発株式会社が誠意をもって市民の疑問、不安を解消し、理解を求めようとするならば、調査報告書の全文、資料を公開し、これを基に議論を深めるべきものと考えます。

以上

北海道内リゾート開発計画
計画名(リゾート名)開発主体事業費場所公園面積主な内容
1函館山整備計画
西部地区観光整備事業
第三セクター
(株)函館山ロープウェイ
函館市---大型ロープウェイ建設、展望施設の全面改装
2大規模レジャー施設
「ローズ・ヒル」
興隆富士商、
大手ビール会社
45億函館市---33,300 m²ホテル、バラ園、ビール園
3湯の川マリンパーク第三セクター33億3千函館市---15,700 m²クアハウス、水族館、熱帯植物園
4大規模レジャーランド泉陽興業、五洋建設、
大手資本
100億函館市---600,000 m²亀田中野地区。函館博施設活用、
連絡船レストラン
5函館大沼七飯スキー場西武鉄道グループ七飯町国定スキー場拡大、ホテル新設
6駒ヶ岳山麓
国際リゾート計画
西武セゾングループ森町国定480 haホテル、コンドミニアム、コテージ、国際会議場、
乗馬、テニス、美術館
7総合レジャー施設宝化砿産業30億長万部町---ゴルフ、プール、テニスコート、ホテル
8瀬棚マリン・タウン構想瀬棚町、民間300億瀬棚町道立テニス、マリンタワー、ホテル、サウナ、
アスレチック
9通年リゾート基地島牧町島牧町道立ヨットハーバー、オートキャンプ、水族館
10ペンション村飛鳥建設グループ黒松内町---ブナ林北限地帯を活用
11ルスツ高原加森観光留寿都村---滞在型リゾート、ヌキベツ岳大型スキー場
12通年型大規模
レジャー開発
東急グループ倶知安町国定100 haひらふスキー場の拡大、ゴルフ場、ホテル、
ペンション、コンドミニアム、テニス、プール、
牧場、美術館、高山植物園
13大規模通年型リゾート日本音楽製造ヤマハ赤井川村---6,000 haスキー場、スポーツ施設、音楽堂
14通年レジャー基地北海道開発事業社300億積丹町国定積丹岳スキー、ゴルフ、ホテル、マリンセンター
15小樽運河地区開発西武セゾングループ小樽市---物品販売店、レストラン、ホテル
16オモタイ地区
観光開発計画
小樽観光協会、第三セクター6億3千小樽市国定レストハウス、植物園、傾斜エレベーター、
キャンプ場、野外ステージ
17有珠湾観光開発サンパーク伊達市---
18地球岬周辺整備事業室蘭市室蘭市---
19室蘭岳スキー場室蘭リゾート開発
(第三セクター)、ばんけい観光
6億室蘭市---ゲレンデ
23.4 ha
室蘭岳にスキー場
20北海道ビーチパーク計画北海道マリンパーク
(第三セクター)
200億登別市---水族館、海浜公園。
全道一の海洋レジャー基地
21登別伊達村大新東120億登別市---330,000 m²城郭、江戸時代の生活体験
22スキー場建設大滝観光公社(第三セクター)、
加森観光
大滝村576 ha計画凍結
23インダストリアル・パーク苫小牧東部開発公社
(第三セクター)
苫小牧市---キャンプ場、ハスカップ園、ハーブ園、展望台、
球場、憩いの広場
24ニドム・北欧風リゾート基地ザ・ニドム100億苫小牧市---ゴルフ、乗馬、テニス、コテージ、
国際会議場。北欧風総合リゾート
25リゾートパーク再三セクター10億苫小牧市250 haキャンプ場、バンガロー。トキト沼周辺
26二風谷観光開発平取町平取町---二風谷ダムの観光開発。レストラン
27大型リゾート地新興産業株式会社200億平取町---220 ha観光牧場、ゴルフ場
29様似海岸環境整備事業様似町様似町
30百人浜リゾート基地整備えりも町5億5千えりも町国定
31サーモンパーク千歳市、民間千歳市---3.5 haサケ・マス博物館
32支笏湖レジャー・
コンベンションゾーン
三井グループ千歳市国立レクリエーション施設、健康医療施設。
国際会議場、サービス施設
33北海道デンマーク村広島町、本州大手数百億広島町---400 ha遊園地、博物館、スポーツ館
34札幌テルメタウナステルメ札幌
(ソフィア中村グループ)
100億札幌市---1,000,000 m²健康リゾート。プール、サウナ、レストラン、
テニス
35シーサイドパーク開発石狩町、民間、運輸省石狩町---120 haイベント広場、サーフィン、遊覧船、
ヨットハーバー、オートキャンプ場、ホテル誘致
36青山高原リゾート計画・
道民の森
当別町、民間、運輸省当別町---保養村、ダム記念館、観光牧場、
山岳道路
37海浜リゾート基地構想浜益村、民間(国土計画)135億浜益村道立ヨットハーバー、観光船、リゾートホテル、スキー場
38大規模リゾート開発鴻池組200億長沼町---250 haスキー、ゴルフ、ホテル、テニス、ペンション
39夕張バカンス村夕張市、民間夕張市---11.5 haキャンプ場、トムソーヤ冒険共和国
40Mt.レースイ大規模
リゾート開発
松下興産120億夕張市---400 haホテル、テニスコート、スキー場、ゴルフ場。
冷水山一帯
41夕張岳スキー場
開発計画
国土計画
(西武鉄道グループ)
夕張市道立
42三笠「1億年古代の森」第三セクター三笠市道立桂沢湖のリゾート開発
43リフレッシュ美唄・
健康の丘スポーツランド
美唄市美唄市---テニス、ゲートボール、総合アリーナ、スキー場、
クアハウス、レストハウス、キャンプ場
44樺戸・浦臼スポーツランド
計画
ウラウスリゾート開発公社
(第三セクター)
100億浦臼町---スキー、ゴルフ、ホテル、観光牧場、
林間ロッジ
45カナダランド計画カナダ交流センター17億上砂川町---カナダ資料館、レストラン、ペンション、テニス、
ウェディングチャペル、羊牧場
46砂川オアシスパーク建設(財)砂川オアシスパーク
協会
砂川市---遊水地を利用、運動場、バンガロー、
サイクリングロード、体験広場
47スイスランド計画歌志内市、民間歌志内市---神威岳一帯。スイス風ホテル、ペンション、教会、
ロッジ、乗馬、テニスコート
48星の降る里ワールド第三セクター、
東急グループ
110億芦別市道立2,000 haスキー場、ゴルフ場、ホテル、天文台、宇宙公園、
スポーツ施設
49丸加山観光開発滝川リゾート開発
(第三セクター)
滝川市---未定スキー、スカイスポーツゾーン、ホテル、ゴルフ場、
別荘分譲、キャンプ、小動物公園
50家族旅行村整備事業赤平市赤平市---
51エルム高原リゾート開発第三セクター、セザール100億赤平市---2,000 haスキー、ゴルフ、テニスコート、ホテル
52音江山麓大規模リゾート国土計画17億深川市---スキー場。63.5着工予定
53山岳レクリエーション開発民間雨竜町道立雨竜沼ログハウス、ホテル、ゴルフ場。
恵岱山南斜面にスキー場
54恵岱山総合森林
レクリエーション開発
エタイリゾート(第三セクター)、
三栄スポーツ産業
45億北竜町道立100 haスキー場、リゾートホテル、ロープウェイ。
雨竜町の同意が必要
55アルファリゾート・トマム関兵グループ1,000億占冠村---5,000 ha山岳リゾート。ホテル、コンドミニアム、スキー場、
テニス、ゴルフ場、BMXコース、プール
56金山湖畔リゾート南富良野町、民間南富良
野町
---スボーツレクの総合基地。
西部セゾングループ関心を示す。
57富良野スキー場国土計画
(西武鉄道グループ)
富良野市道立新富良野プリンスホテル(400室)を建設中。
63年12月オープン
58ハイランド・フラノ
(ラベンダーの森)
富良野市、地元民間富良野市ラベンダー畑1.6 ha、テニスコート、宿泊施設
59ジャパンヘルシー
ゾーン開発計画
(財)ジャパンヘルシーゾーン
管理運営センター、
国土計画(西武鉄道グループ)
264億美瑛町国立7300 ha
(ゲレンデ132 ha)
クアハウス、スキー場、ゴルフ場、
リゾートホテル、火山博物館
59カムイリンクスキー場神居山スキー場会社
(第三セクター)
旭川市---第三セクターは、日本ゴルフ振興、
旭川市振興公社の出資
61キトウシ家族旅行村東川町、民間東川町---7,300 ha
(ゲレンデ132 ha)
ラジウム温泉、スキー、ゴルフ、キャンプ場
62清川クマンリゾート第三セクター上川町地熱利用リゾート。ホテル、スキー、ゴルフ
63海浜リゾート基地・
海辺のふれあいゾーン
広尾町、民間、建設省60億広尾町---70 haシーサイドホテル、レストラン、
テニス、マリーナ、人工島、遊園地
64サンタ・クロース・
カントリーファーム
広尾町、津川雅彦100億広尾町---300 ha町営牧場、古城、乗馬、レストラン、ゴルフ、
スキー、テニス
65リゾート開発計画忠類村、民間27億忠類村---300 haナウマン記念館、スキー、ゴルフ、ミニSL
66ポロシリ高原リゾート
開発
帯広市、大手観光企業帯広市三浦雄一郎スキー学校、ホテル、ゴルフ、
スキー、テニス、ログハウス、乗馬
67マクマン王国ランドぜんりん地所建設60億幕別町---18.8 haプール、ジェットコースター、ヨーロッパの街並
68留真温泉峡レジャー基地温泉旅館「留真温泉」、
大手建設会社
10億浦幌町---7 haロッジ、ポニーファーム、バードウォッチング、
テニスコート
69地中海クラブ
「バカンス村」
西部セゾングループ360億新得町---2,000 haリゾートホテル、スキーロッジ、ゴルフ場、
ペンション、コンドミニアム、62.12オープン
70糠平リゾート計画国土計画上士幌町国立スキー場
71十勝三股高原
リゾート計画
上士幌町上士幌町国立265.4 ha植物園、サイクリングロード、ビジターセンター、
キャンプ場、リゾートホテル、コテージ
72フィッシャーマンズ
ワーフ構想
第三セクター、
西部セゾングループ
400億釧路市---10 ha旧釧路川右岸港湾用地の再開発
73釧路湿原国土計画(西武鉄道グループ)鶴居村国立500 ha宮島岬周辺を買収済み。ゴルフ場、コテージ
74サロマ湖畔リゾート基地常呂町常呂町国定
75サロマ湖畔リゾート開発佐呂間町、北海道振興40億佐呂間町国定4,000,000 m²ホテル、テニスコート、ログハウス、レストハウス、
遊覧船
76リバーサイドスクエア網走市、民間網走市国定シティホテル、レストラン、工芸創作館、朝市物産館、
網走川河口
77藻琴山スキー場開発第三セクター、東急グループ11億8千東藻琴村国立スキー場、スキーセンター、63.12オープン予定

八甲田山


八甲田山宣言

 私たちは、八甲田山が自然のままの美しい姿で、いつまでも変わらずにいてくれることをなによりも願っています。
 それは、日本の山岳の多くが利便を目的とした、造営物の設置や道路の開削などにより、その自然味を失い、山の原形が持つ尊厳や神秘性、豊かさ、美しさなどをほとんどなくしてしまっていて、八甲田山のように、入山の容易さとは裏腹に、無傷な自然の美しさをも合わせもつ山域が、ほかにはなかなか見当たらないからです。
 それに気がついた多くの人々が、自然の本当の姿を求めて、今八甲田山を訪れ始めました。そして、その姿は年を追うごとに、それも着実に増え続けています。
 そうです。八甲田山に人を呼ぶためのこれ以上の開発は、もはや必要がなくなってしまっていたのです。むしろ、これからは遠い将来にわたって八甲田山を訪れる人の足が途絶えぬよう、保全を主眼とした上手な利用方法について真剣に検討されなければなりません。
 ところが、県はそうした時代の流れに逆らい、これまでとまったく同じやり方で、しかも、国立公園の特別保護区等の指定で、平穏を約束された八甲田山に開発の手を伸ばそうと画策しています。大岳ロープウェイの建設を軸とする『北八甲田山岳スキー場整備事業』がそれです。
 しかし、こうした開発行為は、これまでのたくさんの例が示す通り、結局は元も子もなくする破滅型の開発でしかありません。人為に傷つき山の自然の尊厳を冒された八甲田山に、もう人を感動させる力などありえません。
 私たちは八甲田山を心から愛しています! そして、いつまでも大切にしなければと考えています。私たちは山を、自然を、そして、何よりも人間を愛するすべての人々と手を取りあい、美しい八甲田山をそのままの姿で、子供たちに伝えるために、県当局に対して、事業計画の再考を求めて立上がることを、今ここに宣言するものです.

昭和61年3月9日
「美しい八甲田山を子供たちに!県民の会」設立大会

美しい八甲田山を子供たちに! 県民の会 役員名簿
会長  秋元良治
副会  長高村毅一・成田茂則
理事長 蒔苗政醤
理事
  1. 青森の自然を守る連絡会議
  2. 日本野鳥の会青森県支部
  3. 北八甲田横断ロープウェイ建設に反対する会
  4. 弘前勤労者山岳会
  5. 青森勤労者山岳会
  6. 青森ファミリーハイキングクラブ
  7. 青森県勤労者スキー協議会
  8. 青森市自然保護の会
  9. 日本科学者会議青森支部
  10. 青森県自然保護の会

Hakkoda

-- いま、八甲田山の自然と尊厳が
危機にさらされています! --

美しい八甲田を子供たちに!
県民の会
結 成 趣 意 書

  • はじめに
     八甲田山は青森県内のいずこからでも眺望でき、人々に巳親しまれてきた山です。十和田八播平国立公園の中にあり、全国各地の山岳において都市に近いながらも、自然味を残した山と言えましょう。それは、八甲田山が連山であり、主峰に向けてのゴンドラやリフトがなく、いまもって少なくとも片道2時間以上は自分の足で登らなくてはならないことが大きな要因でした。しかし、その八甲田山も登山者が増えるにしたがって、大岳や井戸岳山頂の崩壊が目に見えて進んできました。現在、まるで賽の河原のような仙人岱がほんの二十数年前には湿原だったことを子供たちは信じることができるでしようか? 私たちは八甲田山の自然が今後とも残され、子供や孫の時代にも、自然に親しむことができることを願っていました。
  • 大岳山頂にロープウェイが建設される!?
     ところが、青森県は昭和五十九年に「北八甲田山岳スキー場整備事業計画」の調査を業者に依頼し、大岳を中心として北八甲田山を横断するロープウェイの建設計画を内容とする報告を得ていらい、その実現にむけて具体的に勤きだしました。六十年、六十一年に同計画の「環境影響評価調査J を行い、その後、県による具体的な実行プランが策定され、十和田八幡平国立公園管理事務所をへて、環境庁に許可申請をし、六十二年度にも着工したいという考えです。
  • コロープウェイ建設に関わる樟々な問題と私たちの考え方
     全国的にみても、このような荒唐無けいな計画は者えられたことがありません。大岳ロープウェイの施設区域のほとんどは最も重要な特別保護地区内にあり、鉄塔や駅舎の建設どころか、一木一草たりとも持変ることができない規制があります。国民は手付かずに次代に伝えることにする自然の工リアを保護地区の設定により約束したはずです。いかに県が自然環境への影響を最少化するような方法での開発を行うといっても、ブナやアオモリトドマツの森は切り開かれ、山頂の高山植物は踏みにじられるという大規模な自然破壊が許されようはずはありません。これまで、自立公園の保護区内にロープウェイの建設が許可されたことは昭和四十八年以降ただの一つもないのです。
     多量の人が山に入るということは、その人の個々の意識にかかわらず八甲田山を崩壊し汚染することにつなガります。ロープウェイによる登山客の大量輸送は山頂の崩壊をさらに促進します。次に環境汚染が懸念されます。ゴミ処理の問題はさらに困難を極め、また、汚水の問題もあります。八甲田山は青森市を含む多くの地域の水源であり、その山が汚染されるということは私たちの生活環境にも悪彰響をおよほします。
     この大岳ロープウェイ計画は県当局の考えているようにうまくいくのでしょうか。気象条件の厳しい、開設期間の短い、ある程度のスキー技術のいる八甲田山において建設初年度、63万人、年間6.3万人の増加を見込み、十年後には126万人というのは、あまりに過大な利用者数の見込です。仮に、建設されれば現状とは比較にならないほど、多様で長いスキーコースがとれます。もしも迷ったら、救助体制は広大な八甲田山だけに極めて難しいといってもいいでしょう。観光開発の掛け声ばかりで、安全登山や避難対策が完備されなくては人命をないがしろにするものと言われましよう.
     八甲田山の素晴らしさは、峰々で展望できる壮大な自然景観にあります。山頂から眺めて、ロープウェイの駅舎、鉄塔、ケーブル、そしてキャビンが見えるとしたら国立公園の「すぐれた自然の風景」はだいなしではありませんか。私たちは八甲田山は将来とも、自分の足で登る山としておいた方が、県民・国民ともに価値のある山岳となり時代が進むにつれ増々評価が高まると考えます。金さえかければローブウェイは造れても八甲田山の自然は造ることができないのです。
  • 私たちの今後の運動方向
     北八甲田山岳スキー場整備事業計画の問題点をいくつかあげてきました。私たちは、八甲田山に大規摸スキー場を開設したいという計画をこれまで注意深く見守ってきました。しかし、特別保護地区である大岳山頂へロープウェイを建設するという、このような暴挙をだまって見過ごしにしているわけ!こはいきません。万一、八甲田山を横断する「大岳ロープウェイ」が開設されたとしだら、それは八甲田山の自然にとっての最期ですし、日本の自然環境保護のこれまでの成果や実績を国みずからが否定し、葬りさってしまうことになりましよう。
     今、私たちは大岳ロープウェイを許さないためにも、八甲田山を守る会を結成することを皆さんに呼び掛けます! 私たちのめざす会は単に八甲田に登る人ばかりでなく、もっと幅広い人々の集りにしたいと思います。なぜなら、八甲田山は郷土の誇りであり、私たちの心の山だからです。八甲田に登る人、八甲田の花を、鳥や獣を愛する人、八甲田をうたう人、八甲田をえがく人、なによりも八甲田山を日々眺めつつ、水や山菜など八甲田山の限りない恵みをうけて、生活する人たちすべてが手を結び合えるような会でありたいと思います。
     美しい八甲田山を子供定吉!こ!これガ私だちの気持ちのすべててす。
Hakkoda 「美しい八甲田山を子供たちに! 県民の会」の会員を募っております。あなたも、ぜひ会員になっていただけないでしょうか。
• 入会くださる方は

郵便振替口座 盛岡 7-13327
(青森銀行古川支店 562247)
「美しい八甲田山を子供たちに! 県民の会
まで、会費 (1口 1000円 何口でも)
を振り込んで、申込み下されば
幸いです。


八甲田山の自然の保全に関して
「北八甲田山岳スキー場整備事業」の撤回指導を求める要望書
 趣意
 十和田八幡平国立公園入甲田山は本州最北の高山であるとともに日本海と太平洋の中央に位置するため、標高1,584メートル(大岳)でありながら、プナ帯から高山帯まで欠落するととなく層状に展開する自然景観、学術上ともに我国にとって貴重な山岳です。このことは、八甲田山のほとんどが自然公園法による最も保全すべき特別保護地区に指定されていることからも明らかであります。
 しかるに、青森県では八甲田山をロープウェイにより横断することを主旨とし、特別保護地区等における駅舎・鉄塔建設を伴う『北八甲田山岳スキー場整備事業』を計画し、環境影響評価調査に着手しています。このことは特別保護地区はなんらの工作物も建築しではならなく、そのままの自然を保全すべき地域であるという自然公園法の主旨に背くものであります。
 それらを十分承知していながら、本計画を企画立案するということは、国法を地方自治体が自らねじ曲げようとする行為であり、自然公園法の主旨をあなどり、これまでの環境保護行政の歴史を、真っ向うから否定するに等しいものです。このような『北八甲田山岳スキー場整情事業」が国により許可されることがあれば、日本におけるすべての山岳が将来ともその自然を次代に伝えられる保障がなく、国立公園その他の自然保護区の設定の意義も失われことになります。
 要請事項
 八甲田山に山頂までロープウェイを開設するとすれば、大規模な自然破壊をまき起こすだけにとどまらず、多量の入山者により生態系は破壊され、八甲田山の原生的自然は壊滅状態に陥るのは、明らかであります。
 八甲田山の利用は自然公園法による保護区設定の理念を前提に、自然を次代に伝えることを主旨としたものであるべきであり「北八甲田山岳スキー場整備事業Jは国民・県民の自然的財産を損なうものとして、容認できるものではありません。固においては青森県に対して本事業が撤回されるよう、早急に指導することを要請します。

昭和61年 9月 5日
衆議院環境委員会委員長
林 大幹 殿

美しい八甲田山を子供たちに! 会長 秋本 良治 

白神山地のブナ原生林の保全についての要望書
 趣意
 白神山地のプナ原生林16000haは我国最大規模の原生的自然を維持したプナ林であります。それは東日本の原自然であり、未来への遺伝子プールとしての価値が、評価されようとしております。本州最後の繁殖地であろうとされているクマゲラの生息、世界で数ヶ所しか確認されていないシノリガモの繁殖地、その他イヌワシ・クマタカ・クマ・ニホンザル・カモシカなどの大型の生息は、日本に残された数少ない豊かな生態系であることを証明しています。このプナ原生林は自然的・文化的遺産として後世にそのまま伝えるべきものであります。
 青森・秋田両県が所管の広域基幹林道「青秋線j および林野庁所管の奥赤石川林道の建設は、白神山地のプナ原生林の最大の価値である広大な面的広がりとそれに裏付げられた貴重な生態系を破壊するものであり、国は白神山地のプナ原生林の抜本的保全対策の早急な施策が必要であります。
 要請事由
 環境庁が検討している白神山地プナ原生林の自然環境保全地域の指定は、法に伴う環境調査により原生的自然と評価された源流域を中心に地域指定すべきであります。
 特に赤石川源流域はプナ林の価値が白神山地の中でも最も高く、クマゲラの種の保存のためには広域なプナ原生林の保全が求められ、また白神山地の山頂域はプナ林の面的広がりを保全するために地域指定からは欠かせられない地域であります。自然環境保全地域の地域指定にあたっては、プナ原生林16000baの地域の変更および面積の縮小なしに指定することを強く要請します。  

昭和61年 9月 5日
衆議院環境委員会委員長
林 大幹 殿

青森の自然を守る連絡会議
会長代行 鹿内 宏 

岩手


岩手からの報告 (原本は手書き)

岩手県自然保護協会 中村 正

1. 岩手におけるスキー場の現状
 岩手県におけるスキー場建設(新規拡張)は東北自動車道、新幹線開通を契機に大幅に行われ、現在35ヵ所に達しており、現在なお焼石、栗駒、前森山等において大規模計画が進行中である(図表参照)。これら大規模スキー場は、標高600 m以上、1000 m付近(岩手においてはブナ林帯である山地帯~亜高山帯)に集中的に建設される傾向にある。
 図一は当協会が昭和59年にスキー場問題について議論を行った際に収集した資料の一部であるが、これをみると判るように東北地方におけるスキー場適地、スキー場建設構想のある地域は、全てブナ林そして国有林であるといえよう。正にスキー場はブナ林国有林をターゲットとしているとも言える。
2. スキー場建設に対する私達の見解
 私達は基本的な思いとして、この地に生まれ、この地に育ち、この地で生きていきたいという願望を抱いています。そうしたことから運動を進めるに当って"この地"という意味を非常に大切かつ慎重に考えています。地球、日本、東北、岩手、そして地域(地元)であったりします。
 私達が関わる多くの問題は、特に岩手あるいは地域を"この地"として考える場合がほとんどで、スキー場の建設問題の場合、きまって地域振興活性化の1つとして提起、推進されることから"この地"の考え方、特に地元の人々を重視して取組んでいます。簡単にいいますと、地域振興あるいは活性化につながるかどうかは自分達の判断であり、山を切り開き、スキー場にすることがいいのか悪いかは地元の判断だという考え方に立っています。そして、地元の判断に要する情報を生の形、あるいは、その土地柄に合わせて提供していくという運動を主にしながら進めているということです。
 情報提供のしかたは、多くの場合、次のような視点に立った問題提起という形とする場合がほとんどです。
  • 対象地はどのような自然であるか。
  • スキー場建設(観光開発)によってどのように山は変わるか。
  • 山が変わると何が起こるか。
  • スキー場建設は地域活性化につながるか。
  • 観光開発は都市化することである。
3. 国有林について
 岩手県の林野面積119万haで県土の78%を占め、国有林は40万haで、実に森林の34%、県土の26%を占めています。そして所在は県内各地にあり、国有林の影響を受けない地域はないといってよい現状にあり、特に奥羽山系においては、ブナ帯の地域はほとんどが国有林です。そうしたことから、スキー場の多くは国有林を利用してつくられているのが現状でもあります。
 私達は国有林に対して基本的に国民共通の財産であり、「無所有共用資源である」という見解をもっています。そうした観点から国有林の有効活用という目的のもとに行われるスキー場建設等について注視しています。地元の人々にとって、私達にとって共用資源として活用されるか否かといった視点である。 Iwate
スキー場 35箇所
スキー場
ゲレンデ数/リフト基(延長 m)/ロープトウ基(延長 m)/宿泊施設軒数(収容力 人)
  1. 青ノ木 (釜石市橋野町, 鵜住居駅 バス40分): 3/-(-)/1(300)/-(-)
  2. 大船渡 (大船渡市立根町, 盛駅): -/-(-)/1(280)/1/20
  3. 国見平 (衣川村上衣川, 平泉駅 車40分): 2/2(1,580)/1(200)/1(96)
  4. 東稲 (東山町田河津, 平泉駅 車10分): 1/-(-)/1(150)/1(160)
  5. 室根高原 (室根村折壁, 折壁駅 車20分): 1/1(430)/-(-)/2(55)
  6. 金ヶ崎温泉 (金ヶ崎町西根, 金ヶ崎駅 車20分): 1/-(-)/1(100)/1(80)
  7. 市野々 (胆沢町若柳, 水沢駅 車20分): 2/-(-)/3(750)/-(-)
  8. 江刺越路 (江刺市伊手, 水沢駅 バス50分): 1/-(-)/-(-)/-(-)
  9. 鉛温泉 (花巻市鉛, 花巻駅 バス40分): 5/2(940)/1(185)/1/650)
  10. 志賀来 (沢内村大野, 陸中川尻駅): 2/2(372)/-(-)/-(-)
  11. 和賀 (和賀町山口. 横川目駅 徒歩10分): 3/1(434)/1/200)/3(144)
  12. 水神 (和賀町岩崎新田, 北上駅 バス40分): 1/-(-)/2(600)/3(500)
  13. 湯田 (湯田町湯之沢, 陸中川尻駅 バス10分): 2/1(400)/1(150)/1(910)
  14. アイピラ (湯田町天子森, 陸中川尻駅 徒歩10分): 2/5(660)/1(120)/17(1,070)
  1. 北上 (北上市口内町, 北上駅 バス20分): 2/1(200)/-(-)/-(-)
  2. 赤羽根 (遠野市上郷町, 遠野駅 バス20分): 2/2(300)/-(-)/-(-)
  3. 区界 (川井村田代, 区界駅 徒歩15分): 1/2(1,000)/2(200)/2(50)
  4. 岩山パーク (盛岡市新庄, 盛岡駅 バス30分): 3/1(320)/8(1,200)/-(-)
  5. 盛岡ハイランド (盛岡市猪去, 盛岡駅 バス30分): 4/1(310)/6(1,300)/-(-)
  6. 生出 (玉山村下田生出, 好摩駅 車5分): 1/-(-)/1(211)/-(-)
  7. いこいの村岩手 (西根町平笠, 大更駅 バス15分): 3/-(-)/1(150)/1(120)
  8. 八幡平 (松尾村緑ヶ丘, 大更駅 バス40分): 7/5(3,370)/1(150)/2(400)
  9. 東八幡平 (松尾村寄木, 大更駅 バス25分): 6/6(4,644)/1(150)/17(1,824)
  10. 松川 (松尾村寄木, 大更駅 バス50分): 1/1(235)/1(150)3(450)
  11. 竜ヶ森レック (松尾村松尾, 竜ヶ森駅 徒歩5分): 1/3(1,200)/1(200)/1(130)
  12. 田山 (安代町矢神, 田山駅 徒歩10分): 3/1(700)/1(125)/9(300)
  13. 安比高原 (安代町細野, 竜ヶ森駅 バス5分): 6/12(11,126)/-(-)/13(750)
  14. 網張 (雫石町永山, 雫石駅 バス50分): 8/5(3,920)/2(240)/1(362)
  15. 鶯宿 (雫石町鶯宿, 雫石駅 バス25分): 1/1(135)/2(330)/36(2,287)
  16. 岩手高原 (雫石町長山, 雫石駅 バス45分): 6/2(963)/1(160)/1(150)
  17. 雫石 (雫石町西根, 雫石駅 バス20分): 9/8(8,608)/1(150)/51(1,877) + ロープウェイ 931 m
  18. 平庭高原 (山形村荷軽部, 久慈駅 バス60分): 2/1(728)/2(300)/1(20)
  19. くのへ (九戸村伊保内, 北福岡駅 バス40分): 3/1(600)/1(180)/3(100)
  20. 山内 (浄法寺町大清水, 荒屋新町駅): -/-(-)/1(230)/-(-)
  21. 西岳 (一戸町小紫, 奥中山駅 バス10分): 5/4(2,352)/2(300)/4(140)
Iwate
東北地方のスキー場計画 (大規模なもの) (資料: '78年-'80年新聞記事より)
Iwate
スキー適地の分布 (資料 JTB)

森吉山


森吉山県立自然公園事業決定調書

昭和61年3月
秋田県

目次

【 1 】 スキー場事業計画概要 ··· 1
1. 事業決定の理由
2. 事業決定地の概要
3. 施設の概要

(1) 全体計画
(2) 施設の規模、構造概要
(3) 施工方法

4. 事業執行計画

(1) 事業執行者
(2) 施設の管理又は経営方法

5. スキー場建設までの各種手続き等
6. 公園事業執行認可に当たっての留意事項
【 2 】 計画地及びその周辺地域の現況 ··· 5
1. 地域の概況位置及び地域の範囲
2. 公園計画の内容
3. 自然的環境の現況

(1) 地形、地質
(2) 植物
(3) 動物
(4) 景観
(5) 気象

--- 以下資料なし ---
4. 水利用及び水質
5. 土地利用等の現況
6. 公園の利用状況
【 3 】 環境影響予測及びその対策 ··· 10
1. 自然環境に及ぼす影響

(1) 地形、地質、土壌
(2) 植物
(3) 動物
(4) 景観
(5) 水利用、水質

2. 社会環境に及ぼす影響

(1) 地域社会に及ぼす影響

3. 自然環境の保全対策

(1) 土砂の流出、侵食防止
(2) 流出量の変化の防止
(3) スキーコースの設定
(4) ゴンドラ、リフト上駅の設置
(5) 森林の保全
(6) 水質保全
(7) 運営上の留意事項

-----

【 1 】 スキー場事業計画概要
1. 事業決定の理由
 本事業は、近年のスキー人口の増加と、スキー利用の多様化に対応するとともに、過疎化減少の著しい森吉、阿仁地域の地域撮興対策の一環として、積雪量、地形等からみて大型スキー場の建設適地である森吉山北西及び南西斜面に公園計画にもとずくスキー場事業を決定し、整備すべき施設内容の大綱を定めるものである。
2. 事業決定地の概要
(1) 区域 (別添: 森吉山スキー場計画区域図のとうり)
(2) 位置

北秋田郡森吉町森吉 秋田営林局米内沢事業区 49, 50, 51, 52林班内
北秋田郡阿仁町鍵の瀧 秋田営林局阿仁事業区 3, 4林斑内

(3) 区域の面積(事業決定面積) 2,453,900,m² (245.39 ha)
(4) 県立自然公園保護計画との関係  スキー場全体面積5,391,950 m²のうち、45.5%に相当する2,453,90 m²が、森吉山県立自然公園に含まれ、その詳細は次表のとうりである。

スキー場計画面積調 (図上測定) 単位 ha
table
備考: ◇ 施設数は、ゴンドラ数、スキーコース数、駅舎数を含む。◇ 連瀬スキー場の施設数はリフト数、スキーコース数、連絡コース数を含む。

参考 県立自然公園面積との関係
区分                  面積 左の内訳
                           特別地域               普通地域
                      (ha) 第1種   第2種    第3種 
県立自然公園(A)   15,095.7 411.6 2,804.0 11,370.1   509.57
スキー場区域(B)      245.4  38.5    76.0    130.9     0
スキー場区域の公園    1.6%  9.4%    2.5%     1.2%     0%
に占める比率 (A/B)
3.施設の概要
(1) 全体計画
スキー 施設名       延長(m)及  公園        備考
場名                び数量(m²) 内     外
森吉   ゴンドラ      2,500     2,200    300 駅舎の内下駅
                                            は公園区域外
       スキーコース  5,800     5,010    790
                    (3コース) 
       駐車場       40,000           40,000 収容力約1600台
       レストハウス    830              830 駐車場隣接地に
                                            建設予定
阿仁   ゴンドラ      3,500       856  2,644 駅舎の内下駅
                                            は公園区域外
       スキーコース  5,150     1,830  3,320
                    (2コース)
       駐車場       40,000           40,000
       レストハウス    830              830 駐車場隣接地に
                                            建設予定
連瀬   リフト          830       830
       連結リフト      570       570
                    (森吉側260 m, 阿仁側310 m)
       スキーコース  2,500     2,500
       連絡コース    3,150     3,150
計     ゴンドラ      6,000     3,056  2,944
                     (2本)
       リフト        1,400     1,400
                     (3本)
       スキーコース 16,600    12,490  4,110
       駐車場       80,000           80,000
       レストハウス  1,660            1,660
                     (2棟)
(2) 施設の規模、構造の概要
(標準的タイプ)
施設名   規模・構造                      外部の色彩
(種別)
ゴンドラ 4-6人乗
           1時間当たり輸送人員1,800人
  駅舎   鉄骨造2階建、延べ600 m²         屋根 茶系
           屋根切妻、カラー鉄板          外壁 クリーム系
           外壁カラー鉄板、又は板張り
  支柱   鉄骨又は鋼管                         銀系
         平均スパーン110 m、高さ15-30 m
  搬機   アルミ製90-150個                     銀系
リフト   連瀬リフト2人乗
         連絡リフト1人乗
         乗り場   7 m x 15 m = 105 m²         茶系
           降り場 7 m x 12 m =  84 m²
           鉄骨、板張り
  支柱   鋼管高さ3-15 m 平均スパーン50-70 m   グレー系
  搬機   鋼管                                 銀系
備考
  1. 構造物は、今後現地測量実施の上設計に着手するので、数量は変更ある見込み
  2. 駅舎の間取り、1F機械室・事務室・売店・休憩室、2F乗降車場・格納庫
  3. 運転休止後(夏季)駅舎は閉鎖
  4. 切符売り場は6 m²程度とする
  5. 送電線、電話線は原則としてアオモリトドマツ林及びブナ天然林内では地下埋設とする
(3) 施工方法
ア. 支障木の伐採
table
備考:
森吉 (1) ゴンドラ延長2,200 m × 20 m (2) スキーコース延長5010 m × 20 m
阿仁 (1) ゴンドラ延長856 m × 20 m (2) スキーコース延長880 m × 20 m
連瀬 (1) リフト延長1,400 m × 15 m (2) スキーコース延長2,500 m × 20 m (3) 連絡リフト延長3,150 m × 20 m
(注) 1: ゴンドラ、リフト線下敷及ぴスキーコース(滑走敷)内の立木伐採高は可能な限り低くし、抜根はしない。2: 伐採木は貨物索道により搬出する。
イ. スキーコースの造成
(ア) スキーコースは、コースエリア(幅40-8O m)の中に幅20 m程度の滑走面を設置し、主として林間を利用したコースとする。
(イ) コース設定に当たっては、樹林の伐採は必要最小限度に止どめるとともに、無立木地の活用に努める。また安全上支障のない限り大径木は保存するものとする。
(ウ) コース内の岩石は除去するが、機械等による整地は、ブナ天然林及びアオモリトドマツ林内は、安全上支障のない限り、原則として行わない。
(エ) 連絡コースは、原則として無立木地を利用する。
ウ. ゴンドラ、リフトの建設
(ア) 基礎工事は、機械及ぴ人力併用による。
(イ) 掘削土は、埋戻しに使用するが、残土は付近に土留工を設置し処理する。
(ウ) 掘削跡地及び残土処分地は、速やかに緑化する。
(エ) 建設資材は空輸及び索道による。
(オ) 支柱及び駅舎の建設位置は、貴重な植生、湿原等を避けるよう努める。
エ. 付帯施設
(ア) 管理事務所は、公園区域外に建設する。
(イ) 切符売り場を設置する場合は、工作物(6 m²)程度とする。
(ウ) 送電線、電話線は、アオモリトドマツ林及ぴブナ天然林内では原則として地下埋設とする。
オ. 工事期間
昭和62年5月-62年12月
4. 事業執行計画 (1) 事業執行者
国土計画株式会社
(2) 施設の管理又は経営方法
ア. 営業主体
事業執行者(国土計画)
イ. 営業期間
毎年11月-翌年5月
ウ. スキー場の管理 (ア)利用者指導
 スキー場利用者のごみ投げ捨て、融雪時の高山植物帯への立ち入りや塩まき行為等の禁止、動植物の保護など、常時係員を記置し、適切な管理に努める。
(イ) 安全対無
 スキーコース内に指導標、誘導標を設置するとともに、コース周辺の必要な立木には衝突防止施設を設置する。また、コース外への進入禁止、危険地帯への立ち入り防止、荒天時の誘導避難、通報等には十分留意する。さらに、駅舎には緊急時、利用者を収容する休憩室を設置する。
(ウ) 美化清掃
 常時係員による清掃を実施するとともに、シーズン終了時には大規模なごみ処理、清掃を行う。
(エ) 高山植物等保全対策
 工事に当たっては、工事用機械、資材、作業員の立ち入り等による高山植物、湿原等の損傷には特に注意する。
 また、融雪時におけるスキー場利用者の立ち入りを防止するため、注意板、立ち入り禁止ロープの設置などを行う。
5. スキー場建設までの各種手続き等
(1) 4月以降現地の地形測量を実施し、現地に応じた実施設計書を作成する。
(2) 県立自然公園条例第14条の規定にもとずく公園事業執行認可申請の手続きが必要である。
(3) 実施設計書作成後、索道規則にもとずく索道免許、森林法にもとづく保安林解除等、関係法令にもとずく各種手続きが必要である。
6. 公園事業執行認可に当たっての留意事項
 スキー場事業執行認可(秋田県知事認可)に当たっては、自然環境保全審議会の意見を尊重し、自然公園の保護、利用上支障を来さないよう十分留意し、必要に応じ認可条件を付するものとする。
【 2 】 計画地及びその周辺地域の現況 ··· 5
1. 地域の概況位置及び地域の範囲
 本地域は、秋田県の中央部よりやや北に位置し、秋田県北秋田郡森吉町と阿仁町にまたがる標高1,454 mの森吉山を主峰とする山岳と、ここを源流とする小又川、打当川上流の渓谷部から成っている。
 森吉山は那須火山帯に属する複式アスピーテ火山で、標高は必ずしも高い山ではないが、県のほぽ中央に位置しているため、頂上からの展望に優れている。
 アスピーテ火山特有の広大な山体には、数多くの渓谷、瀑布が発達し、小又峡、立又峡、赤水沢などや、三階の滝、幸兵衛滝、安の滝などの代表的な自然景観を擁している。
 森吉山スキー場(仮称)計画は、森吉山の北西及び南西斜面に計画されている。
(計画範囲は、森吉山スキー場計画区域図参照) 2. 公園計画の内容
ア. 保謹計画
 本公園は、太平湖及びノロ川牧場地域を除き、全域特別地域に指定している。
 このうち、特に森吉山を中心とした山稜部と天然記念物に指定されている小又峡一帯は、第1種特別地域とし、さらにその周辺部の天然林地域を第2種特別地域として貴重な植生や景観の保護を計っている。
イ. 利用計画
 本公園の利用は、森吉山登山と小又峡、立又峡などの渓谷探勝、太平湖の湖上遊覧、湯の沢温泉の温泉浴等に大別され、利用施設も登山道、自然探勝路、利用拠点の園地、遊覧船施設等を主として整備することとして計画され実施されている。
 なお、湯の沢温泉地区は集団施設地区として整備する計画である。 3. 自然的環境の現況
(1) 地形、地質
ア. 地形
 森吉山は、奥羽山地と出羽山地の間に位置する那須火山系のアスピーテ型火山である。
 山頂部は森吉火山の火口丘といわれ、西側の一の腰(標高1,264 m)、石森(標高1,308 m)及び東側のヒバクラ岳(標高1,326 m)は、その外輪山である。
 外輪山に固まれた北側の台状緩斜面は火口原とみなされている。
 本計画地は、森吉山山頂を頂点として、火口原、一の腰北西及び石森南西斜面に展開している。
 傾斜についてみると、火口原部では、上方が、9-18°、下方が5-11°と比較的緩傾斜であり、一の腰北西斜面は上方で18-24°、下方で9-20°、平均で11°程度である。また、石森南西斜面は上方で18-24°、下方では11-18°であるが下端近くでは局所的に24-36°の急傾斜面もある。
イ. 地質
 当地域は東北日本グリーンタフ地域に属し、大部分は新第三紀の火成岩と堆積岩から、構成されており、これらの地層を被覆して第四系の森吉火山噴出物、段丘堆積物、沖積層が分切している。
(2) 植物
 本地域では、大きく別けて11の植物群落が認められたが、植生については楳高600-1,100 m付近までの、プナ林、1,100 m以上のアオモリトドマツ林とその一部のハイマツ低木林、雪田植物など、山地帯と亜高山帯に属する分布がある。
 11の植物群落のうち、下部域に分布する一部の二次植生を除き、他の群落は自然度の高い植物群落であり、特にプナ林・アオモリトドマツ林は、原生林もしくはそれに近い自然林として環境庁から特定植物群落に指定されている。
 また、本地域では105科522種の植物の分布が認められた。このうち139種は注目すべき植物に数えられ、分布の特殊性及び柿少性から、特に注目すべき植物として次の12種が数えられた。

ハクサンオオバコ
ミツバノバイカオウレン
イワマンテマ
オオバツツジ
イワツツジ
ガンコウラン
クロミノウグイスカグラ
ネモトシャクナゲ
アオノツガザクラ
キバナノコマノツメ
イワキンバイ
チシマゼキショウ

(3) 動物
 本地域一帯では、ブナ林・アオモリトドマツ林を生活の場として各種の動物が生息している。
ア. 鳥類
 本地域における鳥類は、森吉山山頂付近のササ原や草原を狩り場としているとみられるイヌワシや、一時的な生息の場としているクマグラなど102種が生息している。
イ. 哺乳類
 本地域一帯では、束北地方北部で生息している大・中型哺乳類のうちニホンザルとホンシュウジカを除く、トウホクノウサギ、ニホンリス、ホンドテンなど13種の生息が認められている。
 また、生息地域としてはブナ林、スギ人工林の里山に多く生息し、アオモリトドマツ林では生息は少ない傾向にある。
ウ. 昆虫類
 本地域一帯の昆虫相の特徴は、プナ林を生息地としている昆虫類が多数を占め、アオモリトドマツ林等の亜高山帯を生息地としているものは少ないことであり、その中で蝶類48種、蛾類483種、甲虫類148種が記録されている。
 このうち分布の特抹性及び希少性から蝶類、蛾類では14種、甲虫類では11種が選定され、この中に環境庁の第2回自然環境保全調査で特定昆虫に指定されているスカシカレハ、ヤンコウスキーキリガが含まれている。
◎ 注目すべき種
蝶、蛾類

オオフチグロノメイガ
フタテンシロカギバ
アカマダラシマナミシャク
キオピハガタナミシャク
ブライヤエダシャク
スカシカレハ
ミスジビロードスズメ
ナカオビチビツトガ
コキモンウスグロノメイガ
ウチキシャチホコ
ヤマトウスチャヤガ
アオバヤガ
オウヒサゴキンウワバ
ヤンコウスキーキリガ

甲虫類

ホソヒメクロオサムシ
オオハンミョウモドキ
ミズギワナガゴミムシ
ルリクワガタ
ツヤハダタワガタ
セアカハナカミキリ
モモブトハナカミキリ
キヌツヤハナカミキリ
ヒゲナガゴマフカミキリ
ナカネアメイロカミキリ
フチグロヤツボシカミキリ

(4) 景観
 森吉山は、標高1,454 mで県内では高山に属するものの、大小の山並の中にあるため、ランドマークとしては、余り顕著な山ではない。
 しかし、奥羽山脈と出羽山地の中間にあり、奥羽山脈の連峰を除いては、県内ではもっとも高い山であり、地域のシンボル性を持つ山で、昔から信仰の対象として、地元民から崇敬の念を持って眺められている山である。
 また、外輸の一の腰や石森などから山頂の眺めは特徴的な景観を有している。 (5) 気象
ア. 本地域における気象に関する記録は、森吉山西方12 kmにある阿仁合観測所のものを主として掲げる。
 これによると年平均気温 1O.4°C、年平均降水量は冬期の積雪が多いこともあって 2,347 mmとなっている。

月別平均値(1951-1978)

    月     平均気温(C) 最低気温(C) 降水量(mm)
     1        -2.0        -5.5         225
     2        -1.7        -5.6         175
     3         1.4        -3.0         159
     4         8.5         2.5         169
     5        14.5         8.9         119
     6        18.5        12.8         150
     7        22.8        17.6         252
     8        24.1        18.9         238
     9        19.2        14.1         228
    10        12.4         6.9         187
    11         6.2         1.7         231
    12         0.7        -2.6         234
    全年計    10.4         5.5       2,347
(注) 阿仁合観測所: 秋田県北秋田郡阿仁町水無字畑町東裏130 阿仁町立町民体育館

(北緯 39°59'4'' 東経 140°24'5'' 海面上の高さ120 m)

 県全体から見ると月平均気温は低く、日最低気温0°C以下(冬日)の年間日数は140日のランクに入り、県内では寒冷地域に入る。
イ. 森吉山地の降雨量については、森吉山のロボット雨量観測値は表のとうりで日雨量、時間雨量ともに防災的にみて問題となる降雨量ではない。但し、昭和26-55年の30ヵ年資料によると最大日降雨量200 mm、最大1時間降雨量60 mmのグループに入り、県内では多雨地帯になっている。

(ロボット雨量観測地点 森吉町森吉字桐内沢国有林52林班)

年   月  最大日    最大1時間  月
         雨量(mm)  雨量(mm)   雨量(mm)
1982  6     28          4       124
      7     58         14       131
      8     36         24       166
      9     47          8       225
     10      -          -         -
1983  6     30         12       169
      7     34          6       144
      8     60         20       153
      9     64         35       251
     10      -          -         -
1984  6      -          -         -
      7     63         40       242 (一部欠)
      8     42         22       119
      9     82         12       220
ウ. 積雪については、阿仁合観測所の記録では、1941-1970年の積雪統計によると

降雪初日は11月 9日
降雪終日は 4月13日
積雪初日は11月19日
積雪終日は 4月10日
積雪期間は113日間
月別最深積雪の平均は149 cmと多い
最深極値も220 cmと多い

 なお、奥地である森吉町平田では、最大積雪深は平均的には60 cmほど多く、消雪日も平均して10日ほど遅い。
 森吉山の積雪については、ブナに付着したコケからの推定や、昭和60年4月中旬時の現地調査によれば、ほぽ次のように推定される。
  森吉側                      阿仁側
  標高   積雪    備考         標高     積雪   備考
  500 m      m   スノーモービ 820 m    1.0 m  キャンプ場
                 ル通行可能
  700    3.0     カラマツ林   871      1.0
                 内2.0 m
  700            スキー可能   1000     1.5
   -1000 
  972    1.5     切止め       前記より 1.5-   低木地帯
         -2.0                 やや上部 2.0
  1000   2.0     アオモリト
                 ドマツ林
  1311   3.0     避難小屋
  火口原 1.2-3.6 アオモリト
  内     以上※  ドマツ林

※ 3.6 m以上は測定不能 10日ほど消雪が早い。

エ. 風向風速は、阿仁合観測所の記録では表のとうりであるが、計画地域の標高も考慮し高層観測資料も付した。
(阿仁合) 1984(59)年
月別       1   2   3   4   5   6   7   8   9  10  11  12
平均風速  2.1 2.0 2.5 2.6 2.2 2.3 2.0 2.1 2.1 2.5 2.6 1.9
最大風速   6   6   7   7   7   6   8   8   7   7   7   5
風向      NNW SSW  S   S   S   S   S  SSW  S  SSW  S   N
最多風向   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S
上旬風速  2.4 2.0 2.7 2.6 2.6 2.3 1.8 2.2 1.9 2.5 3.0 2.3
    風向   S  NNE  S   S   S   S   S   S   S   S   S   S
中旬風速  2.0 2.1 2.6 2.3 1.9 2.5 2.1 2.4 2.1 2.5 2.0 1.5
    風向  NNE  S   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S
下旬風速  2.0 1.8 2.3 2.9 2.2 2.1 1.9 1.7 2.4 2.5 2.7 1.7
    風速   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S   S
高層観測資料
    区分 指定面(mb) 高度(g pm) 平均気温(C) 風速(m/s)
     1   900           950       -6.3        8.4
     2   900           962       -6.7        8.0
     3   900           969       -3.6        7.2
     4   900           998        3.8        6.0
    11   900          1014        2.0        7.3
    12   900           976       -3.5        8.7

1961-1980年 秋田市

 ただし、表の指定面 900 mbは、高度950-1,014 mに相当するので、ほぽ現地の高さに該当するが、これは、秋田市のもので、他の資料から推測すれば、現地の風向はS、風速もこの資料よりは低い数値になるものと考えられる。

plan
森吉山スキー場(仮称)開発基本計画
森吉山スキー場(仮称)開発計画について
森吉スキー場

施設計画: 施設内容・規模等 (備考)

ゴンドラリフト L = 2,500 m (1,800人/h)
駐車場 2,000台
レストハウス 830 m²


変更計画: 施設内容・規模等 (備考)

ゴンドラリフト L = 2,430 m (1,800人/h)
Jバーリフト L = 210 m
駐車場 変更無し
レストハウス 変更無し

阿仁スキー場

施設計画(施設内容・規模等・備考)

ゴンドラリフト L = 3,500 m (1,800人/h)
駐車場 2,000台
レストハウス 830 m²

変更計画: 施設内容・規模等 (備考)

ゴンドラリフト L = 3,480 m (1,800人/h)
Jバーリフト L = 800 m 駐車場 変更無し
レストハウス 下駅舎に併設

連瀬スキー場

施設計画(施設内容・規模等・備考)

ロマンスリフト L = 830 m
連絡リフト L = 300 m/基 (2基)

変更計画: 施設内容・規模等 (備考)

ロマンスリフト L = 1,000 m 連絡リフト 変更無し

(変更理由等)
1. 森吉スキー場施設計画について
(1) ゴンドラ上駅合の位置は、一の腰に近い稜線部に計画していたが、気象調査の結果稜線部特有の強風があることが明らかとなり、ゴンドラリフトの安全運行を確保する必要があること、駅舎の建物高について景観上考慮する必要があること、駅舎建設の際の地形改変を出来る限り少ない箇所を選定する必要があること等について、総合判断の結果約150 m下方に変更した。
(2) 上記の変更に伴い、上駅舎から稜線部に至る間の輸送手段として、土地改変の影響が小さく、運行上も支障の少ないJバーリフトを設置することとした。
2. 阿仁スキー場施設計画について
(1) ゴンドラ上駅舎の位置は石森付近の稜線部に計画していたが、植生に対する影響の軽減を図るほか、1(1)と同じ理由により、約700 m下方に変更した。
(2) ゴンドラリフト下駅舎については、現地測量調査や気象調査の結果、ゴンドラリフト下駅舎に滑り込む山麓部分のコースが急斜面であり、また、この斜面には雪崩発生の危険性がある地形であることが明らかになったこと等ににより、危険性の少ない比較的綬斜面にコースを選定し、約570 m下方に変吏した。
(3) Jバーリフトについては、1(2)と同様の理由により設置することとした。
3. スキー場開設の時期について
(1) 森吉及び阿仁両スキー場のゴンドラリフトは62年12月オープンする予定である。
(2) 連瀬スキー場については、連瀬沢を挟み安全に連絡すること及び土地改変の少ない平坦な地点を選定すること等から、現地の状況告もう一冬調査を行ったうえで、63年にオープンする予定である。
plan
森吉山スキー場(仮称)開発実施計画図
補足調査概要
1. 調査目的

審議会の付帯意見に基づき調査したものである。

2. 調査対象

(1) 植物 ··· 標高1,200 m以上の稜線部及び山頂部
(2) 動物 ··· 標高700 m以上の地域での繁殖期が主
(3) 気象 ··· スキー場地域における冬期気象観測
(4) 景観 ··· リフト、駅舎、コース等のモンタージュ

2. 調査内容

(1) 植物 ··· 群落構造、種類組成、被度、分布状況、特性評価
(2) 動物 ··· 繁殖期を主とした種類、組成、分布状況、特性評価
(3) 気象 ··· 積雪期の気温、風向、風速、積雪状況等
(4) 景観 ··· リフト、駅舎、コース等のイメージスケッチ

4. 調査方法

現地調査を主体とし、空中写真、既往文献及び資料と地域からの聞き込みを併用した。

5. 調査時期

調査項目: 現地調査期間 (昭和61年)
植物調査: 6月23-30日、7月31日-8月8日
鳥類調査 (鳥類相): 5月22-26日、7月3-7日
鳥類調査 (クマゲラ生息状況): 5月22-26日、6月16-21日、7月3-7日
哺乳類調査: 7月20-24日、8月11-17日
気象調査: 1月12日-5月31日
景観調査: 8月5-6日、9月26-28日

6. 調査機関 (植物、動物、景観、影響評価と対策)
○ 社団法人 日本林業技術協会

専務理事 長谷川 尭
技術士 梶山正之
課長代理 工藤公也
(株)応用生物 橘 敏雄
(株)応用生物 草加速太
(株)応用生物 吉田 誠
(株)ビョンド 大西 正 (景観への協力)
(京大)理学部教授 河野昭一 (植物関係の指導)

(気象)
○ 日本気象協会 東北支部
7. 調査概要
(1) 植物
ア) 群落
 稜線部及び山頂部の植物相は日本海要素及び寒帯性、北方系のものによって特徴づけられている。

植物相 59科、214種(前回 185種) ··· 調査対象地におけるもの
植物群落 24群落、4亜群落に細分される。(分布状況 1/5,000の地形図に表示)

調査対象地の植物群落
高山低木群落

ハイマツ群落

高山ハイデ

ガンコウラン群落
コメバツガザクラ群落
マルバシモツケ群落
ヒメスゲ群落

雪田群落

イワイチョウ-ショウジョウバカマ群落

タチギボウシ亜群落
イワカガミ亜群落

ショウジョウスゲ-アカモノ群落

ムツノガリヤス亜群落
ハクサンオオバコ亜群落

チングルマ群落
ミヤマイヌノハナヒゲ-ヒナザクラ群落
キダチミズゴケ群落
ミヤマホタルイ群落
ミヤマホソコウガイゼキショウ群落
カワズスゲ群落

亜高山帯針葉樹林

アオモリトドマツ-ハリブキ群落
アオモリトドマツ-コメツガ群落
アオモリトドマツ-アカミノイヌツゲ群落

亜高山帯広葉樹林

ミヤマナラ群落
ダケカンバ群落

ササ自然草原

チシマザサ群落

落葉広葉樹林

ブナ-チシマザサ群落
ヒメヤシャブシ-タニウツギ群落

岩礫地荒地植物群落

タヌキラン群落
ダイモンジソウ群落

高茎草本群落

オオイタドリ群落

イ) 分布上の貴重種、希少種等

① 貴重種 ··· 5種 (緑の国勢調査に準じたもの)
② 分布上の特性種及び稀少種 21種
③ 分布上注意すべき植物 10種 (森吉に特有のもの等)

(2) 動物
① 鳥類
 種類組成ではワシタカ目とキツツキ目の充実しているのが特徴で、総種数は9目、24科、59種である。(前回45種)
 山頂部ではホシガラス、ビンズイなど亜高山性のものが確認されたが、ブナ帯ではクマゲラの採餌木が多数見られた。

貴重種一覧

    種名      天然記念物 特殊鳥類 主要野生動物
    オオタカ      -         ○         -
    クマタカ      -         ○         ○
    イヌワシ      ○        ○         ○
    クマゲラ      ○        -          ○
② 哺乳類等  哺乳類の対象地における生息は6目11科19種で、大型のツキノワグマ、カモシカの生息密度が高いことが特徴的である。
 貴重種はカモシカのほか、ヤマネ、ホンシュウモモンガ、オコジョで、両生・爬虫類ではトカゲ類、ヘビ類、カエル類が尾根部やその池沼及び沢部で観察された。(代表種 オリアオガエル、トウホクサンショウウオ)
(3) 気象
 現地観測は調査地点図で昭和61年1月12日から同5月31日まで実施したが、定点観測は次のとおりである。(移動観測17地点)

ST1 ··· こめつが山荘付近 標高 800 m地点
ST2 ··· 一の腰付近 標高 1,220 m地点
ST3 ··· 石森付近 標高 1,290 m地点

気温 ··· 観測及び分析結果は次表のとおりである。
    調査項目    定点 月別
                       1     2     3    4    5   平均
    平均気温(C) ST1  -9.3  -8.1  -3.3  4.1 10.1  -1.3
                ST2 -12.4 -10.7  -4.0  1.2  6.7  -3.8
    月別気温の  ST1  -6.4  -6.7  -2.9  4.3  9.4  -0.5
    推定平均値  ST2  -9.0  -9.3  -5.1  2.3  7.2  -2.9
    月別平均    ST1  -6.4  -5.0   0.2  8.0 15.4   2.4
    最高気温    ST2  -9.7  -7.8  -1.1  4.5 11.3   0.6
    月別最高    ST1 -11.7 -10.1  -6.7  0.5  5.4  -4.5
    気温        ST2 -14.7 -13.2  -6.9 -2.4  2.8  -6.9
    月別最低    ST1 -16.8 -12.4 -15.1 -5.3 -0.3 -16.8
    気温        ST2 -20.1 -16.3 -15.0 -9.8 -3.5 -20.1

(表からは抜いてるので関係ないが)
) (注1) 月別最高気温及び月別最低気温の17日、27日は最高・最低気温の出現した日を示している。
(注2) 極値は調査期間中の最高値又は最低値を示し、5/28はその出現した月日を示している。

plan
図1.2 調査地点図
天気日数
 厳冬期におけるスキー日和(晴れ)は5日1日の割合だが、くもりの日を加えると晴れの出現頻度は50-60%で3月以降は70-80%を超えている。 風
 予定地域内では、北西から南西にわたる広い範囲の風が吹走しているが、山腹部のST1では冬期季節風時でも点越風向は西南西である。ST2では西北西の風が卓越しているが、ST3では西を中心に南西から北西の広い範囲にわたる。

表2.7 月別平均風速 (m/s)

    地点        1    2    3    4    5   1-5月平均
    ST1  日中  2.9  2.4  3.2  4.0  3.3     3.2
         全日  2.7  2.4  3.2  4.1  3.2     3.2
    ST2  日中  5.9  6.3  6.7  7.0  6.1     6.5
         全日  5.8  6.6  6.8  7.2  6.1     6.6
    ST3  日中  4.8  5.8  5.2  7.7   x      6.0
         全日  5.2  6.3  5.4  7.8   x      6.2
 調査期間中の平均風速は、ST1で日中、全日とも3.2 m/sと同じ値を示しているるが、ST2では全日が6.6 m/s、日中で6.5 m/sと全日がやや上回っている。また、ST3では全日が6.2 m/s、日中が6.0 m/sと、全日がやや上回っている。
 ST1とST2では2.0倍. ST3では1.9倍と、稜線上ではST1の約2倍の風が吹走している。
 ST1での調査期間中の風速頻度図(図2.1)をみると、日中、全日とも類似し型となっており、出現頻度の最も高いのは3.0-4.9 m/sの階級で30%前後を占めている。次に多いのは5.0-9.9 m/sの階級で21-22%となっている。一方、10.0 m/sを超える階級は0.2-0.5%ときわめて少ない。
 次に、ST2についてみてみると、5.0-9.9 m/sの階級が最も高い出現率で約60%近くを占めており,次多は3.0-4.9%の階級で、この2つの階級だけで日中、全日の80%を越える出現頻度である。一方、1.0%未満の風の出現頻度は,日中、全日とも同様の強度を示している。強風の10 m/s以上は15%前後出現し、5.0 m/s以上の出現頻度をみてみると、70%前後となっている。
 ST3についてみると、日中、全日とも5.0-9.9 m/sの階級が最も高く40%を越えている。次に多いのは3.0-4.9%の約22%で、このニつの階級で6O%前後を占めている、静穏の出現頻度もST2に比べて日中、全日とも2倍の類度で出現している。10%以上の強風も15%前後出現している。

 ST1における最深積雪は278 cm、ST3では363 cmであるが、例年よりも多めであったと考えられ最深積雪の累年平均値はSTlで240-250 cm程度、ST3では320-330 cm程度と推定される。
 滑走可能期間はST1付近では4月下旬、ST3付近では5月上旬まで可能、山頂部では6月上旬頃まで一部可能と思われる。
 予定地の積雪分布ハ、おおむね標高が増すにつれ増加しているが、阿仁町側コースの斜面では、一部に積雪探のばらつきが目立つ。
 積雪期内の平均密度は最深積雪期において0.32-0.34 g/cmと雪質もよいが、融雪期には0.55-0.56 g/cmと大きくなり雪質も変化する。
景観
 正射写真図(1/5,000)と植生図(1/5,000)及び現況写真、現地測定資料などを参考にして次のようなイメージスケッチを作成した。
landscape

一の腰より森吉山山頂を望む

landscape

森吉山山頂より一の腰を部分拡大でみる


昭和62年1月1日

______________ 様

森吉山山頂部をスキー場開発から守る会
会長藤本英夫

森吉山の観光と保護を考えるシンポジューム開催協力のお願い。
 自然保護の啓蒙と日夜のご活躍に対し心より敬意を表します。
 さて、県自然環境保全審議会の強行採決により、山頂部第一種に入り込む開発にゴーサインが出されて以来、県はその後に行なわれた補足調査も、スキー場開発にはなんら支障を及ぼすものはないとし、62年12月オープンに向け着々と仕事を進めております。
 今後のスケジュールは、すでに昨年12月中に国土計画より事行認可申請が出されており、保安林解除の申請が1月末とされ、3月までには事業認可申請が受理される方向で進んでおります。
 当会としては、保安林解除への異議申し立て、県の自然保護行政に対する行政不服の申し立てはもとより、地元においては表記のシンポジュウムを開催し山頂部の保全と開発の凍結を訴え、まだ森吉山の問題は終っていないことを県民に対しアピールしたいと考えております。
 つきましては、道連合、東北自然保護連合に結集され、同じ問題をかかえ運動を進めている方々より、今、北海道、東北の自然公園で何が行なわれてれるか、現状報告をお願いしたいと存じます。シンポジュームの内容や、講演については検討の最中ですが、講師については、工藤父母道氏(財・日本自然保護協会)に全面的にお願いをしています。まずは日程の確保を頂きたくご一報致しました。時節がら、多f亡の時期と若手じますが、事情察しの上お力ぞえをお願いしたく、ご案内申し上げる次第です。

記 (予定案)

日時 昭和62年2月21日 (土) 22日 (日)
場所 鷹巣町申央公民館大ホール 北秋田郡鷹巣町花園町 TEL 0186 (62) 1130
日程

2月21日 (土)
17:00 集合受付
17:30 開会 あいさつ そのほか
18:00 講演
21:00
2月22日 (日)
9:00 各団体からの報告
10:00 パネルデイスカッション
12:00 閉会
※ 詳細については追ってご連絡申し上げます。


森吉山をこれ以上壊さないで!

  • 世界でも日本にしかないオオシラビソ(アオモリトドマツ)の樹海に破壊の手がのびようとしています。
  • 高山植物は消滅し、渓谷は汚染され、美しい山頂一帯は荒れ野原にゴミの山となりそうです。
  • ふるさとの山、森吉山を愛するみなさん、趣旨に賛同の上大勢参加しましょう。
設立総会

1月29日(水) 午後8時から
鷹巣町中央公民舘3階大教室

総会の内容

• スキー場開発の経過報告
• これからの運動の進めかた
• 要請書の確認
• 森吉山の美しい自然のスライド解説
• 事業など

森吉山山頂部をスキー場開発から守る会設立趣意書
 優美な山容に自然美あふれる森吉山は、度重なる乱開発の末に今また聖域ともいえる山頂付近の核心部分にまで、破壊の手がのびつつある。国土計画が進める森吉山スキー場開発計画がそれである。
 国内最大の大型スキー場と銘うったこの計画は、深刻な過疎に悩むこの地方の人々にとっては起死回生のごとくにも受けとめられ、何がなんでも完成させなければとする地元阿仁、森吉両町と県の異常とも思える決意によって、だれも異論をさしはさむ余地もないままひたすら隠密裏に進められてきた。そして昨年、具体的内容が新聞紙上に明らかにされるに及んで、現実に進められている計画が、実にこの地方の将来をも左右しかねない重大なものであることが明白となった。
 県は当初より山頂付近の開発をあいまいにしていた。そして多額の工事費が見込まれるアクセス道路の工事が中ば進んだころになって、国土計画は融雪の早いことを理由にゴンドラ起点を1,000 m上部に、そして山頂直下まで1,000 mのリフトをのばす計画と変えたので、ある。さらに地元への負担の要求と代替えのできない貴重な遺産として県が指定した、第一種と第二種特別保護区の指定解除を求めてきたので、ある。
 これ程の大がかりな計画はもっと事前に範囲の公開と、それによってこの辺がこのように変わる可能性があるがそれで良いのか、とする予測による警告と対策が示されていなければならない。公開も公聴もないまま開発側が行なうその筋の業者まかせの環境影響評価ほど、茶番劇じみたものはない。
 いかに余裕がなくなったにせよ、地域あげて中央規光資本のバラ色ともみえる計画を前に、唯懸命に手をもみすり上げながら、さらにまた貴重な自然をも失なわんとしている姿は、かつての資源切り売りの一時的潤いのあと、荒廃した山野に心貧しくも見切りをつけて離れてゆく、あの図式の繰り返えしにみえてくる。すべてが過疎対策という論理をもって、唯ひたかくしにかくして強引におし通そうとするこれまでの経過は、将来への見通しの無いツギハギの場当り行政の姿をさらけだしている。
 私達はスキー場計画その事に反対するものではない。むしろ地域経済の活性を計るためにも是非あってほしいとさえ認識している。但しその開発が地域の将来に真実正しいものとなりうるように、最大限間違いや悔みを後世の人々に残さぬようにしなければいけないと考える。
 過疎の現象はこの地域だけのものではない。歴史の過程においてその盛衰の現象を客観的な目で見すえつつ、その要因は何処にあったのか私達自身が聞いなおしてみるべきだ。無から有を生みだすのも人間である。地域起しは地域と私達自身のみなおしから始じまる。視野の広い新たな創造もたしかな地域文化があればこそ生まれる。文化は創造の母体である。文化は歴史によって培かわれてきた。森吉山の山頂にひろがるあの見事なオオシラビソの樹海とお花畑、そして失なわれつつあるかつての広大なブナ原生林、そのすべては遥か悠遠の太古のさらにその昔より永い年月をかけて培かわれてきたものである。人間もまた有史以来、この自然の恩恵に浴しつつ地域文化を築きあげてきた。この貴重な自然はこれ以上損うことなくさらに後世に向け正しく引き継がれてゆかなければいけない。やがて次の若い人々が、高度な技術や知的労働で、疲れた精神をいやし、新たな創造を生み出すための英気を養なうときに、この壮麗な空間が活かされるならば、その価値は計り知れないものになろう。正に森吉山は地域文化の表徴なのである。
 ゴンドラや車でかけ上がるような発想、みせかけの自然を造成するような発想ではなにも生まれてこない。社会が知的になればなる程、人々は森を歩き膚で自然を感じ考えをめぐらす。欧米先進国の例を引いてみるまでもないことだ。
 県の中央という立地、地域活性のための要素としてスケールの大きなスキー場ほ望むところである。だがその範囲は、あくまで1,100 m以下の、かつてのブナ原生林跡の斜面を最大限有効に活用することを希望する。山頂部を破壊してまで、他県のそれと大差ない春スキー場として、競い合うことは誠に愚かしいことである。
 限りなく麗しい山、森吉山は、朝な夕な仰ぎみるこの地域の人々の畏敬の山として、心の寄りどころとして永い間親しまれてきた。生徒達は校歌にうたい、夏は高山植物の咲きみだれる尾根を越えて山頂に立ち我がふるさとを確かめた。大人達は無病息災を祈って、オオシラビソの一枝を頂き家の守りとした。一度失なわれた自然はもう二度とよみがえらない。私達は、秋田県唯一の独立峰、森吉山の山頂部開発に反対し、この玉のような自然が決して汚されることのないよう、厳正なる保護を主張し、ここに森吉山山頂部をスキー場開発から守る会を結成するものである。
発起人代表
藤本英夫 宮野貞寿 宮野方臣 佐藤弘美
村上一美 明石良蔵 富樫 弘 岩沢允男
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月山


月山スキー場もんだい
Gassan

「岩手三山の自然を守る会だより」No82より抜粋

月山スキー場
出羽三山の自然を守る会 リフトの改修増設計画反対
 月山で本格的な春・夏スキーが始まったのは、現在の姥沢から伸びている「月山リフト」が建設された昭和44年以降であろうか。  その後、スキー人口の増加と国民レジャー志向が強まるにしたがって、ここ月山は国内でも遅くまで残雪があるという特異的な自然環境から、春・夏スキーのメッカとまで言われるようになった。
 又、月山観光開発株式会社や西川町の「都会に初夏を感じたら、月山夏スキー」というキャッチフレーズに見られるように、地元の積極的な観光客の誘致もその増加に拍車を駆けてきたと言えるであろう。

Gassan
月山スキー場の年間利用者数の推移
(山形県自然保護課による)

 その結果、昭和48年には年間10万人のスキーヤーが訪れるようになり、昭和61年の今年は21万人にも増加しているという。
 昭和50年前半に入り、西川町や月山観光開発KKは地元紙「山形新聞」と結託して、スキー客の混雑する5月の連休や日曜祭日はリフトの待ち時間が長く、そのためにスキー客の不評を買い「客」の伸びがないということでスキーリフト増設のキャンペーンを行った。
 当会では昭和54・56年に環境庁に出向き、スキーリフトの増設の動きがあることを説明し、当局の考えをお聞きしました。
環境庁の見解 (56·56年)
 環境庁自然保護局保護管理課の説明によると、昭和48年第71特別国会で自然公園法及び自然環境保全法の一部が改正されいろいろな行為の規制が厳しくなった。
 その結果、月山のような国立公園では、これからリフトの増設はまったく認められないし今の時代であれば既存のリフトでさえ許可はされなかったであろう、という説明でした。
Gassan  当会では、会発足当時から当地区のスキー利用について、融雪を押さえ凝固させる「塩まき」の告発・スキー客の雪田草原の立ち入り、ゴミの埋め捨て等の実態を示し保護管理体制の強化を口頭や文書で申し入れて来ました。
 しかし、年々スキー客の増加に伴い、ゴミ拾いは実施されるものの、雪田草原への立ち入りは規制出来ず、そのために周辺の植生の裸地化が急速に進みました。
 このことについては、山形大学の石塚和雄先生も専門誌「遺伝」29巻6号(1975年6月)で「夏スキーによる自然破壊とその対策」の題で問題提起を行っております。
関係機関へ情報収集
 当会では7月上旬に、「月山リフト」の増改築が計画されているという情報を得、直ちに山形県自然保護課、月山を管理している日光国立公園管理事務所に電話で問い合わせました。
[自然保護課への問い合わせ (7月8日)]
 回答
  1. リフト掛けかえについての相談が「月山観光開発KK」よりきている。
  2. 許可は環境庁が出す。
  3. 国立公園は保護と利用の両面を考えなければならない。
  4. 詳細は「月山観光開発KK」に聞いて欲しい。
[日光国立公園管理事務所への問い合わせ (7月9日)]
 回答
  1. 登山者利用の朝夕の混雑解消・既存のリフトが老朽化してきた。夏利用と冬利用のワイヤーの掛けかえの時に4日程度運休になり、そのため利用者の不評をかっている。
    それで夏用、冬用別々のリフトにしたいという相談があった。
  2. 管理事務所では、輸送量の増大に伴う公園内の保護対策を指示した。
  3. 適正利用の範囲内と考え、植生の回復をはかることを条件にして適正規模と認め許可の内示をした。
  4. 工事に伴い、必要最小限のブナの伐採もやむをえない。
Gassan
西川町の計画説明
 7月14日、西川町商工観光課より「月山リフト」の計画について、西川町と月山観光開発KKが当会に説明したい旨の電話があり、7月17日に鶴岡市でその説明会がもたれました。
 当日、西川町から商工観光課長、同係長、当会から6名の常任理事が出席し説明を受けました。
 しかし、月山観光開発KKからは出席予定者が急に風邪を引いたとのことで欠席されました。 [商工観光課長の説明]
  1. 月山リフトが老朽化している。
  2. お客が集中し、待ち時間が長いため苦情が出ている。
  3. 春山から夏山に変わる時にロープの掛け替えがありそのために4, 5日休まなければならない。

    以上の理由から寒河江西村山総合開発委員会(寒河江市長・河北町長・西川町長・朝日町長)で、県・国に陳情していた。
    近々、自然保護を踏まえて正式の書類を作り、県の方に提出したい。

Gassan

       現況    計画
             A線     B線
             (ペアリフト) (シングルリフト)
施設 種類  甲乙併用  甲乙併用   乙種特
       特殊索道  特殊索道   特殊索道
   長さ  約1000 m  約1000 m   約1000 m
   支柱数 19基    19基     18基
   輸送力 甲 450人/h 甲 900人/h  550人/h
       乙 550人/h 乙1100人/h  

甲種: リフトの下に積雪がなくなればワイヤーを下げて運転。
乙種: リフトの下に積雪がある時の運転
B線: リフト下に積雪がある時期のみ運転し、積雪が無くなれば運転は注視する
ペアリフト: 二人乗りリフト
シングルリフト: 一人乗りリフト
緊急常任理事会で検討
 当会では、この説明会の後、緊急に常任理事会を開きこの問題について検討をしました。その結果、次の様な意見がだされました。
  1. 現状でもスキーヤーの行動が周辺の弱い雪田植生の裸地化を進めており、これ以上スキーヤーを入れるべきでない。
  2. 雪田植生の復元を図るべきだ。
  3. ゴミ拾いは良く実施されているが、持ち帰りは不十分でまだ雪の中への埋め込みが多い。
  4. スキーヤーの登山道・雪渓以外の立ち入り規制がほとんどなされていない。したがって、これからも期待はできない。
  5. 今、いくら輸送能力を高めても将来また混雑化してしまい、より以上の施設が必要になり、いつまでたってもイタチごっこになるだけだ。
  6. 利用する側には、この場所が国立公園という認識は無く、ゲレンデ、もしくは都市公園のつもりでいる。
  7. 利用の具体的な計画はあるが、保護対策はなにも無い。
  8. 音楽が流れているが自然公園の環境を損なっている。
  9. 糞尿処理が不十分だ。
  10. 工事に伴いブナの伐採が行われる。
  11. 牛首下のスキー利用は、天然記念物に地域指定を受けている所だ。
  12. 既存の施設が老朽化して使用不能なのであれば、これを機会に撤去すべきだ。
  13. 過去に遊歩道の整備は行われたが、まったく役にたっていない。
改修増設の中止を求める
 当会では、7月22・23日の両日、常任理事会の意見を集約し下記の要望書にまとめ各関係機関に持参、リフトの改修並びに増設の中止を求めました。
[7月22日]

西川町 月山観光開発株式会社 寒河江営林署 山形県自然保護課

[7月23日]

環境庁自然保護局保護管理課 日光国立公園管理事務所

関係機関へ要望書提出

---------------------

昭和61年7月22日

月山観光開発株式会社殿

出羽三山の自然を守る会
会長 森田 浩

磐梯朝日国立公園・月山地区姥沢地内における「月山リフト」
の改修並びに増設の中止を求める要望書

 このことについて下記の通り要望致します。

  1. 貴社は、西川町、山形県、並びに日光国立公園管理事務所に対し、既存の月山リフトの老朽化に伴う施設の改修と、スキー客の混雑緩和を理由にしたリフトの増設を相談なされているとのことですが、直ちにその計画を中止していただきたい。
  2. 月山リフトの既存の施設が老朽化して使用に耐えないのであれば、これを機会に施設を完全に撤去し、これまで長年に渡って破壊されて来た当地区の植生の復元をはかっていただきたい。

理由

 当月山の姥沢地区は今更申す迄もなく、国立公園の特別地域であり、しかも特別保護地区及び天然記念物に地域指定を受けている場所のすぐ近くです。一帯は非常に自然度の高い、また学術上貴重な、厳しい自然環境の下に発達した非常に壊れやすい植生の地帯であります。
 このような場所にもかかわらず、昭和44年にリフトが造成され、スキー客の誘致がはかられてきました。
 その結果、姥ヶ岳及び牛首下付近の貴重な自然である雪田草原や高層湿原の植生は裸地化が進み、その上侵食も加わって瀕死の状態にあります。この上既存の施設以上の輸送力を有するリフトを増設するならば、そのためにひきおこされる自然破壊は、言語を絶するものが予想されます。
 従って、リフトの造成以前の状態に自然が復元するまで、リフト利用の凍結またはリフト施設の撤去を行うべきであると考えます。

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 要望書はそれぞれの機関に応じて若干の文章表現は異なりますが、主旨は以上の通りです。
あらたな視点で自然保護行政を!!
 各機関に出向いてみると、基本的に国立公園は保護と利用の両面で考えていかなければならないから、あなたがたの意見は理解できるが「オール、オア、ナッシィング」(全て駄目か全て良い)というわけにはゆかない、という答えが帰ってきました。
 当会は、国立公園は、保護と利用を図らなければならないことを理解しつつも、その価値(周辺は国立公園の中でも一番貴重な特別保護地区であり文化庁の天然記念物に地域指定を受けている)を喪失させてまでの利用は問題があるという観点で要望書を提出しました。
 また自然の利用は、いわゆる企業的な考えとでもいう「拡大再生産的な指向」や「既得権」をふりかざすことは断じて行ってはならないし、自然保護のためには既成の事実を否定する英断が必要です。
 以上の考えで今後共運動を続行していきます。会員の皆様の御支援お願いします。
注1 法令改正に併せて行われた、自然公園法施行規則の一部改正の主な内容の中に、自然公園普通地域内において、その新設・増設について届け出を要することとなる工作物の中に、新たに鋼索鉄道・索道(リフト)等に関するものが加えられた。
 国立公園はその自然の質に応じて、海中公園地区・特別地域・普通地域に区分されており、その中でも最も規制のゆるい普通地域ですらこのように厳しくなったわけであり、当地域は特別地域でもあることから、より以上の厳しさが要求されるべきものと思われる。
注2 特別地域は次のように細区分されている。
  • 特別保護地区: 特別地域内で特に慎重に景観の維持を図る必要のある地域
  • 第一種特別地域: 特別保護地区に準ずる景観を有し、特別地域のうちでは風致を維持する必要性が最も高い地域であって、現在の景観を極力保護することが必要な地域をいう
  • 第二種特別地域: 第一種特別地域及び第三種特別地域以外の地域であつて、特に農林漁業活動についてはつとめて調整を図ることが必要な地域をいう
  • 第三種特別地域: 特別地域のうちでは風致を維持する必要性が比較的低い地域であつて、特に通常の農林漁業活動については原則として風致の維持に影響を及ぼすおそれが少ない地域をいう
注3 月山観光開発KK
 寒河江市・西川町・山形交通KK・近畿日本ツーリストがそれぞれ出資していて、社長は西川町長がなっている。
 山形交通KKが大口で、全体の50%弱を出資している。

たより83号より

月山リフト増改修反対

=安易な妥協は許すな=

 昨年7月当会は各関係機関に「月山リフト」増改修反対の要望書を提出しました。その後の運動の取り組みと経過をお知らせいたします。
≡ 遅きに失した管理体制 ≡
<8月3日の月山牛首周辺>
 当会の各関係機関に対する"反対"の表明と、スキー場管理の不備の指摘からか、これまでにない牛首周辺のパトロール体制である。
 ハンドマイク片手に草原への立ち入り禁止を呼びかけたり、現にシートを敷いて休んでいるグループにはシートの撤去と、雪面への移動の指導を行っている。
 しかしスキーヤーは中腰になって移動する素振りは見せるものの、パトロール員がいなくなると元に戻り、草原へのスキーヤーの侵入は後を断たない。
 姥ヶ岳の山頂は、立ち入り禁止のトラロープや細紐が張られたが何を根拠に張られたのか皆目見当がつかない。ロープの内外どちらも裸地化しているし、細紐にいたっては直ぐにも切れそうな代物である。
 とにかく、反対の要望書提出後はかなりの気の使いようであるが、裏を返せばこれまでの当地区の管理体制の不備(手抜き)を認めたことになるわけだ。
≡ まともな討論のない県議会 ≡
<8月3日>
 県議会厚生常任委員会のメンバーが当地区の視察を行った。かなりのお年を召した方々も多く、牛首、姥ヶ岳の周辺を全て視察なされたのか心もとないし、現状認識が的確になされたのか心配である。
 テレビのニュースを見ているかぎりでは自然破壊の実態は理解してくれた様だが「利用と調和を求める必要がある」なんていうことを言っている議員もいる。
<8月15日>
 県議会厚生常任委員会のメンバーに対し「月山リフト」増改修の中止を求める要望書と資料(夏スキーによる自然破壊とその対策 山形大学 石塚和雄 「遺伝」 29巻6号・当会が7月22日に各関係機関に提出した「月山リフト」増改修の中止を求める要望書)の送付を行う。
<8月21·22日>
 定例の県議会厚生常任委員会が開催される。当地区の自然破壊が進行していることでは意見の一致を見たがリフトの増改修の是非は論じられなかった模様。
 環境庁国立公園管理事務所が近くに無いから自然破壊が起きる、そのためには月山い出張所を誘致すべきだ、などという意見が出されたとか。
 まったく現地視察まで行いながら何を検討しているのかと、その存在価値まで疑いたくなるような委員会である。
<9月1日>
 環境庁日光国立公園管理事務所に対して、先に記した「夏スキーによる自然破壊とその対策 山形大学 石塚和雄」の送付と再度「月山リフト」増改修の中止を求める要望を文書で行う。
≡ 環境庁は安易な妥協をするな ≡
<9月17日>
 環境庁日光国立公園管理事務所に対して電話でその後の経過をたずねる。それによると
  1. 自分達(公園管理事務所)も8月に月山に行って現状を見て来た。
  2. その結果、皆さんの指摘している自然破壊の実態も分かった。ただしリフトは一般登山客も利用している様だ。自分達の視察した日は中学生の学校登山と重なり、かなりの混雑であった。
  3. 地元からは前の計画であるシングルリフトとペアリフトの二基はもう出てこないと思う。
  4. リフトがあることで周辺の管理が不十分ながらも行われている、ということなのではないか。
というような話がありました。このことについて当会では
(2について)
 当会も、春・夏スキーではゴールデンウィークや五月の休日、夏は七月中旬から八月中旬の度・日曜日に混雑することは理解している。
 しかし、実数は15-20日間であり、これだけのために新たな自然破壊を増長するリフトの増改修は必要ない。
(3について)
 前の計画はもう出てこないということは、地元でこの計画を諦めたということか?この計画は問題があるからやめるように、いわゆる行政指導を行ったのか?
 という問いかけに対して「行政指導ということよりも地元で自主的に計画を縮小したということだろう」という返事が返って来ました。
 "縮小"ということはどういうことだろうか?という問いについて「ペアリフト一基ということだ」と、ここで始めて、日光国立公園事務所として地元に対し暗に行政指導を行った事実をほのめかしました。
(4について)
 リフトがあることで、いわゆる一般スキーヤー(ただ滑れば良いという自然保護には無関心のスキーヤー)が集まるわけで、そのために周辺の自然が破壊されているのが実態です。リフトさえ無かったらスキーヤーの数も極端に減少するだろうし、通常の管理体制で十分です。
 したがって
リフトがある → 客がくる → 管理が行われる、ということにはならないし、多くの管理人をここに常駐させても地元にとって観光客誘致が至上命令なわけだから、客に無理な注文は出来ず、その結果 リフトがある → 客が来る → 自然破壊が続く、という図式が出来上がるということです。
news 自然保護は二の次 ≡ 地元・西川町 ≡
 ところが同じ9月17日の朝日新聞山形版に右記の記事が掲載されました。
 内容は御覧の通りですが、これまでと変わらない西川町の姿勢に改めて翌18日、日光国立公園管理事務所に電話で確認をしました。
 それによると「地元では振り上げた拳の降ろしようが無かったからそんな発言になったのではないか、こちらではそんな指導はしていない」旨の回答がありました。
 いずれにしても、地元では当初計画の二基のリフトは是が非でも、という希望があるという事を我々は肝に命じて今後運動を続けていかなければならないと思います。
≡ 自然保護課はもっと自然保護に主体性をもて ≡
<9月19日>
 当会では先に日光国立公園管理事務所が行った行政指導について常任理事会を開催し検討を行いました。
 その結果、ペアリフト一基でも問題の解決にはならないということで山形県庁自然保護課に出向き再度「月山リフト」増改修の中止を求め要望を行い、同時に県の考え方、対応について聞き取りを行いました。
  • 保護と利用の面から考えて、リフトの待ち時間が長くその間身体が冷えきってしまう等、安全上問題であるのでペアリフト一基は必要である。
  • 登山道以外はロープを張って侵入禁止にする。
  • 裸地化して土壌侵食を起こしている所はピートモス(植物遺体が腐食しないで、そのまま炭化した物、家庭園芸の用土として使われている)で埋めて植栽をはかる。
  • 国(環境庁)が決めることであり自分達(山形県)には何も権限はない。
 しかしピートモスでいくら埋めても、傾斜地であるため流水による土壌侵食が起きることは予想されることで根本的な解決にはなりません。
 また直接山形県に権限がなくとも、地元の関係指導機関として、環境庁に対して意見は言える訳ですから、県当局の自然保護に対する姿勢が問題です。 ≡ ペアリフト一基の申請で ≡
<11月15日>
 当会の自然保護課に対する電話連絡で、西川町からペアリフト一基の申請が出たことが確認されました。
 県では次の六項目の条件付きで、認可妥当としたということです。
  1. ロープを張ったり、説明板を立てる等してスキー客から植生を守る。
  2. チラシ等で自然保護を呼びかける。
  3. リフト工事等で植生の傷んだところは、きちんと復活させる。
  4. リフトはコゲ茶色が好ましい。
  5. 既存のリフト、作業場の廃材は適切に処理する。
  6. 工事の為の仮工作物は完全に撤去する。
 県ではこんな条件で月山の自然が保護されると思っているのでしょうか。
 こんなことは常識で、これで認可妥当とは我々を馬鹿にするのもほどがあるというものです。
 自然保護課長からは加えて「木歩道の整備、傷んだ植生の復元、監視員の増員」のために予算要求をしていく旨、話がありました。
 県は当会が7月に自然保護課に出向い折り、我々の指摘でまだ残雪の多い五月の姥ヶ岳でさえ自然破壊が起きていることを理解したわけですからその事実を踏まえ、西川町から出された申請書を環境庁へ申達する場合、明確にこの計画は「自然保護上問題がある」と意見書を添付すべきです。
≡ 文化庁、事実であれば問題だ ≡
<11月27日>
 当地区の一部(牛首周辺)は、前号の「たより」で記したように天然記念物に地域指定を受けており、やはり植生の裸地化と土壌侵食が起きています。
 これは文化財保護法に触れることで、この実態を放置しておくべきではありません。当会では上京し、文化庁記念物課にこの実態を示し善処法を要望して来ました。
 文化庁では実態を調査したうえで対応を約束してくれましたし、この点については今後、各関係機関に要望をしていきたいと思います。
≡ 再度"日光"に出向き要望 ≡
<12月2日>
 当会では常任理事四名(佐久間、鈴木、本間、長谷川)が日光国立公園管理事務所に出向き、所長と対面し改めてリフトの増改修の中止を求めました。
 ただ、事前(11月23日)の常任理事会で戦術ダウンではないかという意見も出ましたが、国立公園の保護と利用という観点から現状維持(シングルリフト一基)は認めざるを得ない、ということでのぞみました。
 冒頭、所長は七月に我々が公園管理事務所に出向いた折り職員の方に話していた、昭和54年もしくは56年に所長が環境庁にいた時、当会がこのリフトについて意見を求めたら「月山のような国立公園では、これからリフトの増設はまったく認められないし、今の時代であれば既存のリフトでさえ許可はされなかったであろう」という件について、「以前のことなので、その当時そんあ事を言ったかどうか定かではない」とか、月山は日光から遠くて今年(昭和61年)始めておじゃました、というようにかなり無責任な態度を示しました。
 又、県の自然保護課が認可妥当とした六項目の条件については「こんな条件は当たり前の事だ、皆さんの要望には応えることは出来ないが、これ以上月山の自然破壊は絶対にさせません」とさも自信ありげな態度でした。
 どのような条件をつけるのか?という質問には、なんら具体的な回答はありませんでした。
 それでも自然破壊が生じたらリフトは止めるのか、止めるべきだ、という意見については「リフトは止めることはしないが、その他の事で制裁をすることになるだろう。たとえば姥沢地区の旅館の増改築にあたって許可を与えないとか」。
 終始、ペアリフト一基は認めるがこれ以上の自然破壊はさせないという事でした。
≡ 総会に結集しさらなる運動を!! ≡
 申請が出されて既に三ヶ月が経ちました。許可の認可はそろそろ下りる頃です。
 当会ではこれまでの運動の取り組みを踏まえ、これからリフトを止めるためには何が可能なのか検討し、運動を続けていきます。そのためにも来る3月1日の総会に出席し意見をお聞かせ下さい。

新潟


1987. 2.22

新潟県南魚沼地方におけるスキー場分布状況

-上越新幹線・関東高速自動車道開通にともなうスキー場開発の現状-

新潟県自然観察指導員連絡協議会
事務局長 藤田 久

Niigata

新潟県のスキー場開設年度一覧

明治44年 金谷山スキー場
大正_4年 燕温泉スキー場
_____5年 関温泉スキー場
昭和12年 新赤倉温泉スキー場
____15年 土樽スキー場
____20年 冬鳥越スキー場
____23年 布場スキー場
____24年 石打丸山スキー場
____25年 赤倉温泉スキー場
_________池の平スキー場
____26年 花岡スキー場
____29年 シャトー塩沢スキー場
____30年 小出スキー場
____31年 城平スキー場
_________岩原スキー場
____32年 一本杉スキー場
____33年 八個高原スキー場
_________浦佐スキー場
____34年 湯沢高原スキー場
_________石打後楽園スキー場
_________中里スキー場
_________悠久山スキー場
____35年 大湯温泉スキー場
____36年 苗場スキー場
____37年 石打大和スキー場
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_________小千谷スキー場
____38年 須原スキー場
____39年 国設胎内スキー場
_________妙高国際スキー場
____40年 マウントパーク津南スキー場
_________小田急石打スキー場
_________妙高山麓国民休暇村スキー場
____42年 六日町坂戸スキー場
____43年 上越国際スキー場
_________六日町ミナミスキー場
_________町営八海山麓スキー場
_________三国観光朝貝スキー場
____44年 二居スキー場
_________妙高松ヶ峰スキー場
____45年 鵜川スキー場
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____45年 中峯スキー場
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____46年 清川高原スキー場
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____47年 湯沢新日本スキー場
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_________ルーデンス昭和スキー場
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____49年 中里スノーウッドスキー場
____50年 浦佐国際スキー場
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____51年 妙高杉の原スキー場
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____55年 湯の谷薬師スキー場
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_________糸魚川シーサイドバレースキー場
____57年 平スキー場
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____58年 田代スキー場
_________六日町八海山スキー場
_________松の山温泉スキー場
____59年 当間高原スキー場
____60年 安田町民スキー場
____62年 関川村わかぶな高原スキー場
____63年 小千谷市山本山スキー場
_________中里村上越国際清津スキー場
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_________新発田市二王子スキー場
____元年 糸魚川焼山温泉スキー場
_________山古志村古志高原スキー場
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