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(2015年11月1日更新) [ 日本語 | English ]

ノラニンジン Panax japonicus (Ness.) C.A. Mayer






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

索引
ニンジン (Daucus L.)

ノラニンジン (野良人参), wild carrot

生活型: 多年生草本/一年生草本
分布: ヨーロッパ-南西アジア-北東北アメリカ (日本へは帰化)
ssp. sativus (ニンジン), so-called carrot = 根菜

有珠山で見られたノラニンジン


AU1 ST2 ST3 ST4
[1-3] 2005年7月20日、2000年火口群にて。[4] 2013年7月27日、金毘羅火口群有君火口からビジターセンターへ向かう途中にて。

ニンジン組織培養 (tissue culture of carrot)


動物に比べ技術的困難さのため研究遅れたが、White (USA), Gauthere (Fr)の研究成功(1935)
植物組織(細胞)培養は育種面で注目。多分野と関りを持つ

Ex. 細胞培養技術からプロトプラスト作成可能となり細胞融合も可能 → 新種育成、細胞分化研究に利用

目的
基礎といえる組織培養と分化・脱分化過程観察
Murashige & Skoog処方培地用い、ホルモン濃度組成を変え培地に与え、ホルモンの組合わせが培養に与える影響を調べホルモン作用機構を考察
準備
ビーカ, メスシリンダ, ピペット, フラスコ, シャーレ, 無菌箱, 綿栓,アルミホイル, コルクボーラ, 輪ゴム, pH試験紙, NH4NO3, KNO3, KH2PO4, H3BO3, MnSO4·H2O, ZnSO4·H2O, KI, Na2MoO4·2H2O, CuSO4·5H2O, CaCl2·2H2O, MgSO4·7H2O, Na2-EDTA, FeSO4·7H2O, ミオイノシトール, ニコチン酸, ピリドキシン, チアミン, グリシン, 蔗糖, 寒天agar, 70% Et-OH, 1N HCl, 1N KOH, オーキシン(2, 4-D), サイトカイニン(6-BA)
材料
ニンジン Daucus carota L. ssp. sativus (Hoffm.) Arcang.
培地
村重・スクーグ培地 (Murashige and Skoog medium)
→ これに濃度を変えたオーキシン(2, 4-D)よびカイトカイニン(6-BA)を加える

1 l蒸留水中に5.57 g FeSO4·7H2Oと7.45 g Na2-EDTAを含む貯蔵溶液を5 ml/lの割合で加える。微量元素のCoCl2·6H2Oは今回の実験では加えない。kinetinの換わりにcytokinin (6-BA), IAAとしてauxin (2,4-D)を表 (experimental design)に示す濃度の組み合わせで用いる

方法
の組み合わせで16通りの培養状態をつくり観察比較を行う
操作
  1. ストック溶液を表 (stock solution)の通り作る
  2. 脱イオン水 1.8 lにSol I-V加え蔗糖(1級) 60 g加え攪拌しつつ溶解。pHを1N KOH (or HCl)用いpH 5.6-5.8に調整
  1. 寒天20 gを加え加熱し2 lに容量合わせる (pHは調べておく)
  2. メスシリンダで120 mlずつ300 ml三角フラスコに分注。ここで16区に2, 4-Dと6-BAを手早く加え攪拌(2, 4-D 10 mgを3 ml Et-OHに溶き水7 mlを加え10 mg/ml 30% Et-OH solutionを作っておく)。この際方法の項で示した濃度に各々がなるよう2, 4-Dと6-BA加える。120 ml当量で加える量は以下の通り
    2,4-D: 10-3 M solutionでNo 5は1.2 ml、No 6は0.12 ml。10-4 M solutionでNo 7は0.12 ml
    6-BA: 0.1 mg/mlでCは0.24 ml、Dは2.4 ml、0.01 mg/mlでBが0.24 mlである
  3. 各区約30 mlづつ4個の100 ml三角フラスコに分注する。2重にアルミホイルで蓋をする
  4. 三角フラスコを1 kg/cm², 120°C, 15 minオートクレーブ。温度下降後、外壁を70% Et-OHで拭き滅菌箱保管
  5. ニンジン組織の切出し及び培養開始 = ニンジンをタワシで良く洗い5% サラシ粉溶液に30分程度つけ殺菌 → 滅菌水で2回洗い滅菌箱に入れる → 包丁で巾5-6 cmの輪切りにする → 師部をコルクボーラー(φ = 5 mm)で栓状に繰り抜きシャーレに入れておく → カミソリ刃で約1 mm板diskを作る → Diskを5個程度寒天上に置く → アルミホイルでフラスコの口をしっかり塞ぎ輪ゴムで留める → 27°Cの暗所に置き培養
結果 (results)

最終状態: A7 = 葉様と根様に分化する部分あり, B7 = コブ状。色が暗い, C7, C5 = 均一、緑色, D7, C6, D6, D5 = 均一, A5, B5 = 部分的な隆起, A6 = A7ほどではないが葉様のものがみられる

考察
2, 4-D(auxin)ないとカルス形成ない。6-BA(cytokinin)は2, 4-Dとの共存により効果が表れる。2, 4-Dが高濃度だと脱分化度低くなり、阻害的効果をもたらす。阻害作用は6-BA不在か低濃度時に顕著。6-BA不在か低濃度下では均一なカルス得られない。A7, A6で再分化がみられる ? 6-BAはカルス形成を助け再分化を防ぐ効果を有する。脱分化度の差を考えなければ6-BA濃度が高い程、均一カルスが得られる。カルス形成最適培地条件はC6であった。また実験最後に導管細胞分化を顕微鏡で見たが、今後再分化の過程をも観察すべき。auxinを抜くことにより再分化が起ることは知られている。
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