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(2013年12月19日更新) [ 日本語 | English ]

生態学 (Ecology)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

学部生向 北海道教育大学函館校 シラバス全体
2011年-2013年 (1単位分), 2014年 (2単位分)

概要 (シラバス)


 群集生態学(community ecology)は、「群集の構造とその機能を明らかにする」ことが研究の主眼である。そのための基礎となる生態系を構成する単位「個体、個体群群集、生態系」について説明する。ついで、それらの調査測定法を具体例をもとに説明する。群集は、空間的・時間的に変化する。まず空間的な群集構造の変化を地球規模から地域規模について述べ、群集の階層性について考察する。時間的な変化を北海道になじみの深い火山(有珠山駒ケ岳)や湿原等を事例に紹介し、そこに見られる群集や生態系の機能および変動要因について考察する。最後に、それらを基盤とした環境保全や生態系修復への応用可能性について触れる。

生態学とは

GIF

広く定義すれば、ある地域に生育する複数の生物の種とそれらの生育環境との相互作用に関する研究分野である (Silvertown 1992)

生態学で扱う範囲 (おそらく全ての生物現象)

キーワード: 如何に増えるか?

到達目標

群集発達機構の理解
基礎生態学からみた応用生態学の理解

本講義で扱う範囲

はじめに


個体

植物における個体(ラメート、ジェネット)
シーダー vs スプルーター(seeder vs sprouter)
生活史・生活環 (life history)

春植物 (spring ephemerals)

光合成 (photosynthesis): 水・光・温度

植物と水 → 根 (root)

光合成有効放射 (PAR)
温度

成長: 地上部・地下部 - 分配
効率

消費効率・同化効率・生産効率

トレードオフ
MVP

群集・生態系


種間関係 (inter-specific relationships)

種間競争 (competition)

地上部競争と地下部競争
一方向競争

共生 (symbiosis)
菌根菌 (mycorrhizal fungi)

菌根菌-植物

植物群集調査法

野外調査道具
個体数測定法・推定法
被度測定法
樹高・胸高直径
バイオマス (biomass)
優占度 (dominance)
等成長 (isometry)と相対成長 (allometry)

群集(plant community)

植物群集の見方

植物相(フロラ)・相観・環境
植物相 [例] 駒ケ岳
相観 (physiognomy) [例] 森林 (forest)
階層 [例] 熱帯林
生活型 (lifeform)

生態系の分布


環境

スケール依存性環境要因
偽高山帯
(補) 序列化とクラスター

生態系 (ecosystem)

地球規模から地域規模へ、そして[足元]

リモートセンシングと地理情報システム
植生指数 (NDVI)
植生指数に基づく生態系区分
ピナツボ噴火後の植物群集回復

バイオーム (biome)

森林 (forest)
草原 (grassland)
砂漠 (desert)
ツンドラ (tundra)

日本レベル

日本の気候の特徴
生物多様性ホットスポット (biodiversity hotspots)
シダの分布
温量指数

積雪への適応: 直立型と匍匐型

北海道レベル (Hokkaido level)

垂直分布 (vertical distribution)
高山帯 (alpine)
亜高山帯
針広混交林 (mixed forest)
森林火災 (wildfire)

土壌 (soil)

形成過程
地形と土壌

エネルギー・物質循環


食物網, 食物連鎖 (food web, or food chain)

北極圏での食物網
キーストーン種 (keystone species) とアンブレラ種 (umbrella species)

陸上生態系と海洋生態系のつながり

生産力(productivity)

総一次生産力
純一次生産力

純生態系生産力
純バイオーム生産力

生物地球化学循環

撹乱 (disturbance)


自然撹乱と人為撹乱

砂漠化について

自然撹乱

氾濫原
土壌侵食(土壌移動)
倒木更新
中規模撹乱説

多様性 (diversity)

遺伝子・種・生態系
α-, β-, γ-多様性
α-, β-, γ-多様性間の関係

人為撹乱

酸性雨 (acid rain)

森林伐採 - スキー場造成

ススキ (Miscanthus sinensis)
木本植物の定着 (tree establishment)

生物学的侵入 (biological invasion)

帰化植物
カラマツ(Larix kaempferi)

島の生物地理学 (island biogeography)


島の例
種数-面積曲線
絶滅率

移入率
島における平衡状態での種数
回廊 (コリドー)

エコトーン (ecotone)
緩衝帯
保全への応用

遷移


トポシークエンス(toposequence)
クロノシークエンス(chronosequence)

桜島

永久調査区 (permanent plot)

遷移(succession)

一次遷移・二次遷移

火山遷移 (有珠山)

フローラ
土壌移動と地衣・コケ類
種子トラップ (seed trap)
栄養繁殖
埋土種子 (seedbank) [石の下にも20年]

グライムの三角形 Grime's triangle

湿性遷移

湿原 (wetland)
ヨシ・スゲ湿原とミズゴケ湿原
谷地坊主 (tussock)

パッチ動態
平衡仮説と非平衡仮説

地球温暖化と生態系


種子散布 (seed dispersal)

風散布
水散布
動物散布

重力散布 → 隠匿散布

地球温暖化 (global warming)

気候変動予測に必要な情報
アメリカブナ

生態系変動予測に必要な情報
モデル間比較

温暖化に伴う種子の移動
生態系の移動

復元保全生態学


景観 (landscape)

海洋生態系と陸上生態系のリンク
里山 (satoyama)
薪炭林 coppice forest

復元生態学 restoration ecology

群集の複雑性と安定性
雑草 (weed)

ファシリテーション (facilitation)

ナースプラント
ミネヤナギ
応用

教科書・参考書


教科書: 特に指定しない
参考書
参考ページ

⇒ その他の参考文献はここ

試験・レポート


生態学試験(露崎担当分)課題 (2013/09/21-22, 函館校)

10月21日(月) 本試験 実施

生態学試験(露崎担当分)課題 (2012/07/28-29, 函館校)

10月9日(火) 本試験 実施

生態学レポート(露崎担当分)課題 (2011/09/20-21, 函館校)

 以下の通り、レポート課題を課すので、本講義履修者は、10月末日までに提出すること。各課題とも2,000字以内にまとめること。図や表があっても良いが、それらは字数に入れなくてよい。

課題1, 2の両方のレポートを作成して提出せよ。

課題1. 環境省が指定する絶滅のおそれのある種の中から、種子植物で道南に分布(*)する種を1種選べ。その種の分布と生活史の特徴を整理した上で、絶滅のおそれが生じた原因を推定し、そう推定した理由を説明せよ。ついで、生態学的手法をもとに選んだ種の保全対策を考案し、その対策を考案した理由を説明せよ。
 絶滅危惧種リストは、http://www.biodic.go.jp/J-IBIS.htmlからダウンロードできる。

*: 分布については、道南に分布していればよい。即ち、道南のみに分布する種に限らない。

課題2. 函館山の森林は、20XX年9月21日の台風により樹木の80%が倒壊する壊滅的な被害を受けた。管理担当者は、緊急に函館山森林復元計画を策定する必要にせまられ、あなたに相談に来た。復元目標は、(1)大気中二酸化炭素の吸収率が高く、(2) 生物多様性が高い(種数が多い)、という2点である。復元にかかる予算に上限はないと仮定して、この2つの目標を両立できる生態学的な復元手法を考案し、その手法を採用すべき理由を管理担当者が納得できるように説明せよ。

提出方法: e-mail添付 (送付方法は「諸注意」参照)

課題は、http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~tsuyu/top/lecture/envcons-j.html(このページ)に掲示してある。
諸注意:
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~tsuyu/top/lecture/report-j.html


問合せ: 露崎史朗(北大院・地球環境)
Tel: 011-706-2283. E-mail:

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