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(2014年4月18日更新) [ 日本語 | English ]

ユリ科 (Liliaceae Juss.)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ エングラー体系 | 単子葉植物 | 植物分類学 | 参考文献 ]

ユリ目 (Order Liliales)


単子葉植物ユリ目(有里ではない)
→ 目-科の区分は見解様々
多系群 ⇒ APG分類体系(科レベルで大幅変更)

200 gen. 3000 spp (s.l., or Engler)
花: 両性(稀単生)、多く放射相称
花被弁: 外3弁 + 内3弁 = 6弁 (2列), 離生-合生 ⇒ 離生花被 apotepalous: 萼と花弁が分化しない花被で離弁に相当する形態
雄蕊: 6 → 葯縦裂普通
子房: (多くは)上位, 3(稀1室), 3個の側膜胎座

生活型: 普通多年生草本(稀蔓生低木)
地下茎: 発達(鱗茎・球茎)
葉: 互生(対生、輪生), 普通全縁

科の検索

1. 子房下位 ovary inferior

2. 雄蕊6 (6 stamens)、葯外向きでない。葉跨状でない

3. 花両性。茎蔓にならない

4 葉分裂しない。子房3室 ___ Amaryllidaceae ヒガンバナ
4 葉分裂するものがある。子房1室 ___ Taccaceae タシロイモ

2 雄蕊3 (3 stamens)、葯は外向き。葉は跨状 ___ Lridaceae アヤメ

1 子房上位 ovary superior

2 花被片鱗片状 ___ Juncaceae イグサ
2 花被片花弁状

3 花3数性trimerous (稀2数性)。子房3-2室 ___ Liliaceae
3 花2数性dimerous。子房1室 ___ Stemonaceae ビャクブ

Lilialesから独立
+ Asparagales キジカクシ(アスパラガス)
+ Xanthorrhoeales ススキノキ

⇒ 属 (genera)

ユリ科 (Liliaceae)


Melanthoideae シュロソウ亜科 (Melanthiaceaeとし独立)

Chionographis Maxim. シライトソウ
Japonolirion Nakai オゼソウ
Veratrum L. シュロソウ
Zigadenus Michx. リシリソウ

Herrerioideae ヘレリオプシス亜科

Herreriopsis H. Perrir: マダガスカル

Asphodeloideae ツルボラン亜科 (Asphodelaceaeとし独立)

Aloe L. アロエ
Hosta Tratt. ギボウシ
Hemerocallis L. キスゲ

Wurmbaeoideae イヌサフラン亜科
Lilliodeae ユリ亜科

Amana Honda アマナ
Cordiocrium Endl. ex Lindl. ウバユリ (C. cordatum var. glehnii Hara : ウバユリより全体大きく葉はより広同心形)
Lloydia ホソバノアマナ: 花白 (L. triflora (Ledeb.) Baker ホソバノアマナ: 山地の草原, 道-九, 中国-朝鮮-樺太-カムチャッカ-シベリア, 花被片基部に腺体なし, L. serotina (L.) Reichenb. チシマアマナ: 高山岩地, 北米-日本-欧(広域分布), 花被片基部に腺体)
Lilium L. ユリ
Lloydia Sieb. チシマアマナ

Alstoroemerioideae アルストロエメリア亜科(Alstoroemeriaceaeとし独立)
Scilloideae ツルボ亜科 (Scillaceaeとし独立)

Scilla ツルボ

Allioideae ネギ亜科

Allium L.ネギ

Asparagioideae キジカクシ亜科

Asparagus L.キジカクシ
Convallaria L.スズラン
Maianthemum Weber マイズルソウ (M. dilatastum (Wood) Nels. et Macbr. マイズルソウ: 2葉卵心形、微凸頭/鋭頭3-12 cm. M. bifolium (L.) F.W.Schmidt ヒメマイズルソウ: より小型。葉下面、葉縁、花軸にしばしば柱状毛)
Clintonia ツバメオモト (C. udensis: 葉 茎下部に集まる。倒卵状長楕円形。先鋭頭-短鋭頭, 鞘有15-30 cm l。始め縁に軟毛。質薄い)
Trillium L.エンレイソウ (Trilliaceaeとして独立)

Ophiopogonoideae ジャノヒゲ亜科 (Mondoideae) (Ophiopogonaceaeとし独立させる見解)

Ophiopogon Ker-Gawl.ジャノヒゲ

Luzuriagoideaeルズリアガ亜科 (Philesiaceae, Petermanniaceaeとする見解)
Cf. 亜科位置調べる: Narthecium asiaticum キンコウカ - 道EN

エンレイソウ (Trillium L.)


7(8)種
1 花萼片のみ。萼片鈍頭、長さ12-20 mm _____ エンレイソウ
1 花萼片と花弁。萼片長20-35 mm。葯6-15 mm。子房円錐状卵形

2 萼片花弁鋭頭12-27 mm l。葯長さ6-7 mm。花柄2-3 cm _____ シロバナエンレイソウ(= ミヤマエンレイソウ)
2 萼片花弁鋭頭25-40 mm l。葯長さ12-15 mm (花糸より甚だ長い)。花柄4-6 cm _____ オオバナエンレイソウ

(「エンレイソウ」適宜省略)
T. smallii Maxim.(non. T. apetalon Makino) エンレイソウ: 地下茎太く地下這う丈夫な根。茎: 高さ20-40 cm, 円く無毛
T. amabile Miyabe et Tatewaki コジマエンレイソウ = エンレイソウ × オオバナ: エンレイソウに似るが紫色花弁-より発達。花弁広卵形

T. × miyabeanum Tatewaki ヒダカエンレイソウ = シロバナ × エンレイソウ: コジマに比べて萼片先端は鋭い。子房は卵形。雄蕊は雌蕊と同長か長い

T. × hagae Miyabe et Tatewaki シラオイエンレイソウ = シロバナ × オオバナ: 花が横を向く、大型(高さ20-50 cm)
染色体遺伝学
染色体基本数= 5 ⇒ 全て倍数関係
実験: 染色体低温処理 - Feulgen negative region - ゲノム分析 - 類縁関係は次の様に明らか (Kurabayashi & Saho 1957)

chromosome

chromosome

(大学3年時 実験ノート)

実験材料 (experimental materials)


ユリ科植物
  1. 減数分裂時、細胞・染色体が大きく染色容易
  2. 入手楽 → 染色体研究に良く利用
  1. 染色体数変化 = 倍数性・異数性
  2. 構造変化 = ゲノム genome 変化

細胞分裂 (cell division)


花粉母細胞減数分裂

meiosis of pollen mother cells

減数分裂中期染色体構造と金属イオン

減数分裂の中期染色体構造に及ぼす金属イオンの影響 (R.D of pollen mother cells on Trillium)
実験材料と方法 (これまでソラマメ(Vicia faba)根端細胞観察実験に基づき体細胞分裂過程を把握)
ついで、減数分裂過程を理解する。また、その過程中に金属イオンを投与しその結果を考察する
準備: メスシリンダー・ピペット・ビーカー・メス・スライドグラス・カバーグラス・ピンセット・割箸・ロウ・へら・スパチュラ・濾紙・酢酸カーミン・Kcl・NaCl・CaCl2・KNO3 手順
  1. T. kamtschaticum meiosis MI stage pollen mother cell (PMC)
  2. 塩の0.5 M溶液作る: (準備) KCl, NaCl, CaCl2, KNO3
    KCl = 0.5 M, 0.033 M KCl + 0.33 CH3COONa + 0.033 M Na2CO3 = 4:1:2の2種の塩溶液使用
  3. 実験手順 Acetocarmin smear method
    metal
    a: PMCs取り出す
    b: 塩溶液を加え一定時間放置
    c: 塩溶液を濾紙で吸い取る
    metal → 観察
    d: 直ちにacetocarmineを加え固定染色を行う
    e: カバーガラスをかえ封じ、処理を記入したラベルをつける
  4. 塩溶液処理時間: 目安は0 s, 30 s, 1 m, 2 mであるが、更に長時間(5-10 m)行なうのも面白い
    注意: 上方法処理してもPMCsは塊となるので塩溶液浸透にムラが生じ明確な結果が得にくい場合が多い。この場合、最も大きな影響を受けたものをもって、その処理による効果とみなす

X線による細胞分裂異常: 特に染色体異常誘発

目的
Trillium属の核型を観察し karyotype を決定する。ゲノム解析 genome analysis の基礎を知る。材料にX線照射を行い予想される染色体異常を観察する。染色体構造変化を目的としたX線を用いた染色体異常誘発結果を観察する
I. X線(電離放射線)による異常
細胞分裂異常

spindle fiber異常 → 遅滞染色体lagging chromosomes
多極分裂

電離放射線照の時期と生ずる染色体異常型との関係(Evans 1962)

体細胞ではG1-S期照射は染色体異常、S-G2-M期照射は染色分体異常、M期前期照射は半染色分体異常が生じた。減数分裂では第1分裂前期太糸期-中期照射時に半染色分体異常を生ずるのが特異的である

II. 実験材料と方法
材料: Trillium kamtschaticum Pallの胚珠壁細胞(ovular tissure cells)
方法: ovaryにx1 r, x2 r, x3 rのX線照射 (x r/min; Kv, mA; mm Cu + mm Al) = ここでは20R, 40R, 80R
固定・染色: 照射後、24h, 48h, 72hで固定する

Fixation (LaCour 2BE fixative使用なら20 min.)
↓ rinsed with tap water for 15 min
↓ placed into 1N HCl and standing for 10 min. at room temp.
↓ hydrolized at 60°C for 15 min.
↓ rinsed with tap water for 15 min.
↓ stained with Schiff's reagent for 60 min in dark
↓ rinsed with tap water for 10 min.
Stocked in 45% acetic acid
Preparate作製: Ovulesを取り出しsquash methodで作る

III. 観察
  1. 照射されない個体の中期染色体をスケッチしkaryotypeを定める
  2. 照射された個体の中期細胞の染色体異常(構造変化)をスケッチする
  3. 分裂後期での染色体異常の頻度を調べる
    1細胞中に1B+1F, 1B+2F, 1F, 2F, その他の2B+2F, 2B+3F...etc.あるものの細胞数を数え、全観察細胞(後期の細胞だけ)中の頻度を求めよ。当然 control, 20 r, 60 r, 120 r各々について24h, 48h(照射後)とも比較する
  4. 終期細胞のmicronucleiをもった細胞の頻度を調べる。 iii)で行った様な比較も同時に行う

染色質


Trillium染色体の euchromatic segments と heterochromatic segments 観察

  1. 目的: 中期染色体を色素染色するとDNA合成時期のずれから、ある条件下で濃染部分(= 真正染色質euchromatin)と非濃染部分(= 異質染色質heterochromatin)を識別できる。唾液染色体では縞部分bandはeuchromatin、縞-縞間不染色部分やクロモセンターはheterochromatinである。エンレイソウを低温状態に長時間おくと中期染色体はFeulgen染色非染色部分が見られ、この様なFeulgen stain negative segmentによる縞模様は個体特異性がありエンレイソウ集団遺伝学的解析に利用される
  2. 方法: オオバナノエンレイソウ: 0°Cで72時間放置後、ovaryを前実験(X線染色体異常)の要領で固定染色しプレパラート作製。固定液はice bathで冷やし固定中も冷たい条件で行う
  3. 観察: 退色模様の出ている中期染色体をスケッチする

染色体 (chromosome)


Trillium属にみられる倍数体の染色体観察

方法: Trillium数種のovular tissue cells染色体を"X線染色体異常"の項の方法で固定染色しsquash methodでプレパラート作製
準備: ビーカ・メスシリンダ・細口試薬ビン・冷却器・分液漏斗・温度計・ピペット・濾紙・薬包紙・45% acetic acid・basic fuchsin・1N HCl・無水異性重亜硫酸カリ・活性炭・1% クロム酸カリ・5% acetic acid・サポニン・2% osmic acid・恒温槽・管ビン・ガーゼ・カミソリ・輪ゴム・slide glass・ピンセット・割箸・ロウ・ヘラ
材料: Genus Trillium (T. apetalon, T. tschonoskii, T. hagae, T. miyabenum, T. kamtschaticum) - these ovaries
操作
A. Observation of karyotype
  1. 固定液: 固定液はLa Cour 2BEを用いる。成分は以下の通り。*: オスミウム酸は昇華するので注意

    1% クロム酸 _____ 150 ml
    サポニン _____ 0.083 g (0.1 g)
    重クロム酸カリ _____ 1.66 g
    2% オスミウム酸* _____ 25 ml
    5% 酢酸 _____ 16.6 ml
    水 _____ 74.7 ml
    計 total _____ 265 ml
    染色液: Schiff’s reagent

  1. 観察
    1. 各材料の脂肪の珠皮をカミソリで切り中から胚珠細胞を取り出す
    2. フォイルゲン核染色と同様にLa Cour 2BEを用いる。ただし固定時間は30分とする
    3. 押し潰し法により材料をプレパラートとし検鏡する
  2. 観察: 各種の中期染色体のkaryotypeを決定する(スケッチする)
シッフ試薬(Schiff's reagent)作成法
アルデヒド検出試薬 (= フクシンアルデヒド試薬)

シッフ反応 (Schiff’s reaction): アルデヒド存在下で2分子アルデヒドR(O=)CHと1分子Schiff's fluidが反応し赤紫色化合物生成

Basic fuchsin (1 g) + 200 ml boiled water
↓ 良く溶かす
↓ 50°Cまで冷やす
20 mlの1N HClを加える [= 1N HCl: specifi gravity = 1.19のconc. HCl 82.5 mlを水で1 lにする]
↓ 25°Cまで冷やす
↓ 無水異性重亜硫酸カリ3 gを加える(別名ピロ亜硫酸カリK2S2O5) [← 無水亜硫酸ソーダNa2SO3代用可]
冷暗所に24hr以上置く(黄色となる)
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