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(2005年2月21日更新. 2013年1月16日修正) [ 日本語 | English ]

植物科学の新展開 -分子から群集まで広視野研究をめざす-






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ 2004年10月29日 | 2013年9月15日 ]

植物科学の新展開 (2004)


ごあいさつ

北海道大学での先端シンポジウムとして「植物科学の新展開:分子から群集まで広視野研究をめざす」を開催できますことを心から喜んでおります。主催は北海道大学 低温科学研究所 植物凍害科学部門で吉田静夫先生のご指導のもと、学生として、あるいはスタッフとして学ばせていただいた仲間です。
21世紀を迎えて科学と社会の両面で研究者に求められることが多くなりました。新しい視点で研究を推進し、意味のある研究に育て上げ、社会に対しても成果を説明することが、研究者の責任と言われるようになっています。社会的な財を利用し消費して研究をしているので、これらの要請を受け入れざるを得ません。
しかし今日は、もう少し頭を柔らかくして、学問・研究のはじめの部分、つまり生物を理解する新しい研究のための新しい発想を得るための機会としたいと願っています。分子生物学はテクノロジーと共にいっそう磨きをかけ、数多くの生物のゲノム解析が進み、網羅的解析としてプロテオーム、メタボロームも推進され、そしてナノテクノロジーの成果により一分子観察の成果も生み出されています。これらの研究には多額の予算と労力が必要で、担うべきグループが推進しています。私たちすべての研究者がそれに参加する必要はなく、それらの成果を自らの研究土俵に活かすことで共有できます。
本日の「分子から群集まで広視野研究をめざす」は、具体的な研究は特定の生物、限られた手法でとりくんでいても、研究者としての興味と視野は少しでも高く広くありたいという意味での企画です。もちろん、生態学的視点をもった分子生物学が求められていることも考慮しています。シンポジウムでご紹介いただく研究は、きっと私たちの脳をインスパイアーしてくれるはずで、それぞれの研究土俵を充実することにつながるものとおもいます。ご出席いただいたそれぞれの方にとって、ヒントやひらめきが得られますことを祈りつつ、皆さんとの再会を楽しみにしています。

前島正義
名古屋大学生命農学研究科

日時・場所


日時: 2004年10月29日(金曜日) 午後

場所: 遠友学舎 (地下鉄南北線北18条駅徒歩10分)

P ポスター

P シンポジウム要旨 (2.6 Mb)

シンポジウム プログラム


13:00受付開始
13:30-13:40開会挨拶前島正義 (名大院・生命農学)
第1部: 植物科学と低温科学座長: 佐藤利幸・石川雅也
13:40細胞膜が変われば冬の寒さなんか平気?!上村松生 (岩手大学)
14:05寒さで甘くなるジャガイモたちは...遠藤千絵 (北農研)
14:30酸性雨が雪に変わると植物はどうなるのか荒川圭太 (北大・農学研究科)
14:55どのような仕組みで冷温誘導性の細胞質の酸性化は起きるか?: 冷温傷害機構の解明に向けて河村幸男 (岩手大学)
15:20-15:40休憩
第2部: 広領域研究を目指して座長: 前島正義・上村松生
15:40分子から個体まで、植物の水輸送を階層的に考える村井麻理 (東北農研)
15:50蘚類ヒメツリガネゴケは植物耐凍性研究のモデル系となりうるか竹澤大輔 (北大院・地球環境)
16:05寒さ・雪・山岳は植物に何を与えるか: マクロスケールからの想い佐藤利幸 (信大・理学研究科)
16:30スサビノリにおける細胞膜一次ポンプと膜輸送機構 - 到達点と今後の課題長谷 昭 (北教大函館校・生物)
16:55種子が目覚めるとき: 発芽を促すジベレリンの作用鷲尾健司 (北大院・地球環境)
17:20石の下にも20年: 埋土種子研究の進展状況露崎史朗 (北大院・地球環境)
17:45-18:00講評 (閉会挨拶に代えて)吉田静夫 (北大名誉教授)

懇親会


場所: 遠友学舎
時間: シンポジウム終了後できるだけ早く始めます
シンポジウム・懇親会の写真はこちら

実行委員会

大会会長 前島正義 (名大院・生命農学研究科)
会計 村井麻理 (東北農業研究センター)
プログラム 露崎史朗 (北大院・地球環境)
会場 鷲尾健司 (北大院・地球環境)
懇親会 荒川圭太 (北大院・農学研究科)
プロシーディング 露崎史朗 (北大院・地球環境)

昼食会

寒さからの生命系:耐寒性の父・酒井 昭先生 (2013)


植物の耐寒性に関する研究の第一人者である酒井昭先生は昨年(2012年)92歳で生涯を閉じられた。酒井先生は、作物の冷害・凍害、世界中の木本・草本植物の耐寒性、植物資源の凍結保存など、広く植物の寒冷適応進化にかかわる研究を展開された。酒井先生に影響を受けた国内外の多くの研究者によって、生態学、生理・生化学、分子生物学的手法を介した研究が発展した。本シンポジウムでは、酒井先生から端を発した植物の寒冷適応進化に関する様々な研究成果を紹介する。

オーガナイザー
佐藤 利幸(信州大学理学部)
上村 松生(岩手大学農学部)

8:45-9:05 3aSJ01 酒井先生の業績と科学的貢献 (佐藤利幸 信州大・理・生物)

9:05-9:25 3aSJ02 細胞膜と寒冷適応 (上村松生 岩手大・農・寒冷バイオ)

9:25-9:45 3aSJ03 器官外凍結と凍結制御 (石川雅也 農業生物資源研究所)

9:45-10:05 3aSJ04 樹木の寒冷適応 (藤川清三 北大・名誉教授)

10:05-10:25 3aSJ05 寒冷環境に生育する植物に対する酸性降下物の影響 (荒川 圭太 北大・院・農)

10:25-10:45 3aSJ06 永久凍土と生態学 (露崎 史朗 北大・院・地球環境)

10:45-10:55 まとめ (吉田 静夫 北大・名誉教授)

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