Top
ヘッダー

(2022年5月13日更新) [ 日本語 | English ]

北大エコキャンパスの自然 - 植物学入門 (Ecopan)
Nature in the eco-campus of Hokkaido University - introduction to botany




有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[北大総合博物館]

2018年9月14日藻岩高校
2018年9月14日 藻岩高校の実習

エコパン

2009-2018年 (終了)
 本実習は2018年をもって終了したが、内容を変更の上で、「環境教育講座 陸上の植物群集の成り立ち. 藻岩高校」に引き継いでいる。
[ エコキャンパス植物編 付・鳥類リスト- (必読)
[ 植物図鑑 , 野外調査道具 , 野外実習 , 北大構内の自然 ]

基本的な流れ

ガイダンス
アイスブレーク (総合博物館2F共同研究室)
自己紹介 [ 出身・所属 | 研究 ]
実習予定内容の説明
樹木編
樹木サイズ測定の意義
 森林がCO2をどれだけ吸収するのかを実感することを最終目標にして、測ってみよう。( 配布予定資料 P)
  • 測定木選定 (本来は研究目的に合わせ選定される)
  • 樹種記録
  • 樹高・周長測定
  • 計算 (材密度, wood density)
  • レポート
植生編1
植生と環境調査の意義
 調査道具の使い方を理解した上で、実際の植生調査を体験する。あわせて、環境との対応関係を知る調査として、照度土壌硬度の測定を行う(換算式)。データ整理法も(できれば)習得する
植生編2
 様々な草地において、植生調査をし、種組成の違いを比較する。あわせて、土壌硬度・土壌粒径・歩道からの距離を測定し、植生と環境との対応関係を観察する
レポート
発表会
テーマ「来年度新入生向け本授業の解説」など
注意点: 「準備・実習中の注意に順ずるが、特に、外で軽作業ができる服装で参加すること

根堀・剪定鋏等の3種の神器は携行すべき

実施内容は、反省でもあるが...
履歴
2009201020112012201320142015201620172018
ガイダンス4月23日4月22日4月21日4月19日4月18日f-4月23日g4月21日4月20日4月19日
樹木編a5月28日6月10日5月12日5月10日5月2日5月1日5月7日5月12日5月11日5月10日h
植生編1 6月4日b 6月10日 6月30日c 7月5日i 7月4日 6月26日 7月16日 7月7日 7月13日 7月12日
植生編2a 7月30日 7月8日i 7月14日d 7月12日e 7月11日 7月10日 7月23日 7月21日 7月20日 7月19日
発表会8月13日8月12日8月11日8月9日---8月4日8月3日8月2日
集合場所: 総合博物館
(a) 2009年は調査区を設置したが時間がかかりすぎ、翌年(2010年)以降は断念し単木測定に変更

5月28日
調査区(plot)設置
ナンバーテープ入れ
測定木: 密林 - 直径 > 5 cm / 疎林 - 樹高 > 1.3 m
樹種記録
樹高・周長測定完了

7月30日
樹高・周長測定
計算
片付け忘れない
植生調査の意義
露崎・長谷 (2000) P 参照
レポート

(b) 休講/学祭
(c) 日程変更
(d) 林床・芝生植生比較/歩道からの距離 - 芝刈にめげず予定通り終了
(e) 大雨につき講義に変更

講義の雛形 =
撹乱を利用する植物」(朝日CC)
湿原の保全と復元
洞爺湖環境フォーラムP
生態学の中規模撹乱仮説
を足して3で割った感じ
レポート: 講義の感想文を提出

(f) スライド間違えてすいません
(g) 欠席
(h) 自分が遅刻。すいません
(i) 小雨決行

[優秀レポート]

エコキャンパス実習 (露崎担当分) レポート


2013-2018

 以下のレポートを各学生が作成し、翌週の実習時にTAに提出せよ。

  1. 毎木調査(木の高さと直径を計った調査)の結果をまとめ、簡単な考察をつけたレポートを作成せよ。
  2. 植生と環境の関係についてまとめるよう、口頭にて伝えた。

2012

 以下のレポートを各学生が作成し、翌週の実習時にTAに提出せよ。

  1. 毎木調査(木の高さと直径を計った調査)の結果をまとめ、簡単な考察をつけたレポートを作成せよ。
  2. 講義の感想をレポートにして作成せよ。

2011

 以下のレポートを各学生が作成し、翌週の実習時にTAに提出せよ。

  1. 毎木調査(木の高さと直径を計った調査)の結果をまとめ、簡単な考察をつけたレポートを作成せよ。
  2. 今回の調査で、直に測定したい項目を考え、その理由を加えたレポートを作成せよ。
  3. 調査結果を整理し考察を加えたレポートを作成せよ。

2010

  1. 毎木調査(木の高さと直径を計った調査)の結果をまとめ、簡単な考察をつけたレポートを作成し、翌週の実習時にTAに提出せよ。
  2. 調査結果を整理し考察を加えて、翌週(7月22日)の実習時にTAに提出せよ。

2009

 1のみしか実施できなかった班は1を、2まで実施できた班は2についてレポートを作成すること(余裕があれば両方書いてもよい)。

  1. 毎木調査(木の高さと直径を計った調査のこと)の結果をまとめ、簡単な考察をつけたレポートを作成せよ。
  2. 植生調査(7月30日に新しく行った地面に生えてる植物の調査のこと)の結果をまとめ、考察を含めたレポートを作成せよ。

北大構内 (The campus)


 北海道大学構内の樹林糠地は石狩平野部の開拓前の林相の断片を残し,また近年都市化による樹林緑地の減少著しい札幌市街地で最大の面積を占める鰻地空間としても重要な位置を占めるが,これまで幾つかの断片的な記録が残されているにすぎない。
 本報はこの樹林緑地の環境保全が今後いかにあるべきかを考える基礎として実態調査を試み,園芸種・果樹類や蔓茎類を除く国内外の自生・植栽樹種の構成内容やサイズ,代表的な三つの並木の概要について述べた。さらに25 m × 25 m以上の面積を有する9箇所の樹林地についても階層毎の種構成,推移と更新傾向等について明らかにし,考察を加えた。
 北海道大学構内は札幌市の進行する人口増大と大都市化の中で,開拓以前の林相の断片も含む歴史的にも貴重な縁地空間であることから,種々の学術調査を急ぎ,長期的かつ計画的な環境保全が注意深く進められるべきことを述べた。

(春木他 1989)

Campus
構内の樹木対策について。1998年以降倒木状況及び診断樹木位置 (北大時報 2001)

北区の歴史と文化の八十八選

road
2023年4月28日

北大ポプラ並木
ポプラが北アメリカから北海道に入ったのは明治中頃で、主に牧場境界線とし植えられた。この並木は、明治45(1912)年に札幌農学校林学科学生たちにより農場内に植えられた。現在は、北海道を代表する牧歌的風景として全国に知られる。(さっぽろ・ふるさと文化百選選定)

ポプラ並木は、80 m先まで散策できます。
その際は、頭上の枝落下に注意する。(2014-05-07)

キャンパス復興支援: 花木園遠路は、平成30年9月に北海道を襲った台風21号の強風による被害により、本学キャンパス内で倒れた樹木をウッドチップ化し、舗装整備した。この事業は、キャンパス復興を願う見名様から北大フロンティア基金へ寄せられた支援を活用し行われた(令和元年8月 北大フロンティア基金)
snow
「人工雪誕生の地」碑
低温研の前身となる理学部常時低温実験室(昭和11年頃)
人工雪結晶を撮影する中谷宇吉郎博士

平成14年4月 札幌市北区役所 (2019-04-20)

医学部旧校舎跡 (碑)

大正8年2月6日 勅令第13号により北海道帝国大学に医学部設置され4月1日から施行。この地(現医学部保健学科)に医学部校舎建つ

昭和14年5月13日 勅令第315号により北海道帝国大学附属医学専門部設置

昭和25年3月31日 法律第51号により国立学校設置法が一部改正され、北海道大学附属医学専門部を閉校

昭和42年6月1日 北15条西7丁目に移転


(アイヌ語)

北大構内トレイル

キャンパス内の草花を傷つけたり持ち帰ったりせず、その場で観察を楽しむ。 野鳥が自立した生活をおくれるよう、距離と節度をもって見守る。

サクシュコトニ川 (Sakushu-Kotoni River)


サクシュコトニ川の河畔林

Gobo Gobo サクシュコトニ川沿いに成立したやや湿性の半自然林で、ハルニレ、ヤマグワ等の自生樹種の他、ネグンドカエデ、ポプラ類等の外来種が混生する。草本ではエゾイラクサ、オオウバユリ等の自生種に加え、イワミツバ、ヒメフウロ、ゴボウ、コンフリー等、多くの外来種、園芸逸出種が侵入している場所である。

北大 生態系トレイル 1 (2015-05-25)

サクシュコトニ川の由来

川名の語源を辿ると、先住アイヌの人達が次の様な意味合いで表現した言葉に由来するという。サクシュは、浜の方を通るで、浜はこの場合、豊平川岸の事。コトニは窪地。意訳すると「窪地を流れる川のうち、豊平川に最も近い川」となる。古来、豊平川扇状地の伏流水は再び湧泉(メム)となって市内各所で噴出していた様で、この川の水源も現在の北大植物園北側にある伊藤氏邸敷地内湧水だったという。流れは大きく蛇行しながら北に向かい、途中札幌市の有形文化財「清華亭」付近の湧水と合流し、クラーク会館東側から北大構内に入り、今の中央ローンから更に北上し流末はコトニ川(現琴似川)に注いでいた。
当時は、清流豊かでサケが遡上したとも言われるが、都市化が進むにつれ1951(昭和26)年頃から徐々に水量が減り、やがて涸れ川となった。とは言え、この川は洪水等の災害にも備える指定河川であったため、その後暫くは原形を保っていたが、市内の公共下水道がほぼ整備された頃、1974年(昭和49)に研究農場の実験水田付近から上流は河川としての用途を終え、翌1975(昭和50)年11月にその用地が北大に移管されたのを機に、一部は旧河道を活かした人工的な水辺環境や、遊歩道等を整備し、緑豊かな北大構内を広く市民の人々にも解放してきた。一方、北方面の下流域は、その後もサクシュコトニ川として存続し、殆ど原風景のままで自然水や灌漑用水路として利用されているが、「遺跡保存庭園」の北端から流末の訳300 mは、「環状通エルムトンネル」工事に関連して改修されている。この頃、1998年(平成10)札幌市による「水と緑のネットワーク」整備構想として、藻岩浄水場とサクシュコトニ川を水路で結ぶ案が浮上、北大もそれに賛同し実現するため、廃止河川埋め立て部分を可能な限り開削し、暗渠水路併用で現河川と結ぶ事にした。現在地は、廃止された旧サクシュコトニ川の中間付近に位置し、中央道路下の「伏せ越し」部分を含めて約190 m上流区間は、2001(平成13)年の「北海道大学創基125周年」を記念し集められた浄財により、河川廃止前の雰囲気に蘇生された。

2002年(平成14)10月11日定礎


クロビイタヤ (Acer miyabei Maxim.)

北大 生態系トレイル 2 (2019-07-16)

大野池 (Ono Pond)


この池はサクシュコトニ川の一画にあたり、整備に尽力された工学部の大野和男教授にちなんで名前が付けられた。往時の大野池周辺にはハルニレ、キハダなどの高木にヤマブドウが絡み、エゾニワトコなどの低木類が生えていた。
現在は、4月にミズバショウの花が、7-8月にスイレン(睡蓮)のピンクと白色の花が人々の目を楽しませる。鳥類としては一年を通してハシブトガラやジジュウカラ、夏にはキビタキ、春から秋にかけては多数のマガモが見られる。

北大 生態系トレイル 3

duck water-lily

恵迪の森 (Keiteki Wood)


キャンパス内で最も自然が残る場所で、「原始林」と呼ばれる。樹木としてはカツラエゾイタヤハルニレ等が見られ、林床にはエゾエンゴサクキバナノアマナオオバナノエンレイソウ - 北大のシンボルマーク、ニリンソウ等の草本が生育している。[森林構造]
鳥類では、一年を通しハシブトガラ、アカゲラ、冬にはツグミ等が観察できる。

北大 生態系トレイル 4 (2014-10-07)

コウモリ: クロオオアブラコウモリ・ヤマコウモリ

遺跡庭園 (Archeological site)


キバナノアマナ(Gagea lutea)群落: ハンノキ、ヤチダモ等の高木やヤマグワ等の低木、ツルマサキ等のつる性木本がみられるやや湿性の林である。早春の林床はキバナノアマナの黄色い花で覆い尽くされるが、夏には高茎草本のオオハナウドが目立ち、外来草本オオハンゴンソウが侵入・群生する。
鳥類では、一年を通しハシブトガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、アカゲラが見られ、夏にはオオルリやアオジ等を観察できる。

北大 生態系トレイル 5 (2020-03-31)

モデルバーン (Model Burns area)


= 模範家畜房
ハルニレ、ヤチダモ、ヒメグルミ、イチイ等の大木が多いやや湿性林。早春の林床にはキバナノアマナが一面に花を咲かせ、初夏には外来種のセイヨウキンポウゲが目立つ。
鳥類では、一年を通しハシブトガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、アカゲラ等が見られ、春から秋にはマガモが見られる。

北大 生態系トレイル 6 (2019-05-03)

model burns

人類遺跡トレイル (Trail of man sites)


土師器の系統をひく擦文土器
(Satumon potteries originated from haji ware)

〇 時期: 擦文文化
〇 内容: 集落遺跡
〇 立地: セロンベツ川の右岸平坦地
〇 発見された遺構: 竪穴住居址 (3基)、屋外炉址 (6基)
〇 発掘: 1980年
東北地方の土師器の系統をひく擦文前期の土器(8世紀頃)が出土した

人類遺跡トレイル 02 (2021-03-11)

刻書土器 (K39遺跡恵迪寮地点) (Engraved pottery)

〇 時期: 擦文文化
〇 内容: 集落遺跡・定置漁撈施設
〇 立地: サクシュコトニ川とセロンペツ川の合流部 平坦面
〇 発見された遺構: 竪穴住居址(5基)
〇 発掘: 1981-1982年
「三人(合字)」の字が刻まれた東北地方で製作された坏が出土した。埋没していたセロンペツ川旧河道に幅12 mにわたって定置漁撈施設とし利用された木杭列が残されていた。

人類遺跡トレイル 03 (2015-06-25)

集落遺跡と湧泉地 (C44遺跡植物園温室地点) (Settlement and spring)

〇 時期: 擦文文化
〇 内容: 集落遺跡
〇 立地: セロンペツ川源流部の平坦面
〇 発見された遺構: 竪穴住居址(1基)
〇 発掘: 1982年
植物園内には、現在でも地表面で窪みとし確認できる竪穴住居址が3基ある。扇状地の伏流水が地表面に溢れ出て、セロンペツ川の源流となっていた湧泉地が植物園内にはあるが、集落はその周囲に広がっていたと考えられる。

人類遺跡トレイル 04 (2023-09-30)

ガラス玉と滑石製平玉 (Beads of glass and steatite)

(K39遺跡ポプラ並木東地区地点)
〇 時期: 続縄文文化
〇 内容: 墓地遺跡
〇 立地: サクシュコトニ川上流の右岸平坦地
〇 発見された遺構: 土坑墓(7基) 屋外炉址(2基)
〇 発掘: 1984年
土坑墓周囲では続縄文後半期の北大I式土器(5世紀頃)や黒曜石聖掻器が見つかった。第1号墓からはガラス玉(3点)、第4号・第5号墓からは滑石製の平田玉(2点・7点)が出土した。

人類遺跡トレイル 05 (2021-9-25)

後北C2-D式土器 (Kouhoku C2-D Type Potteries)

(K39遺跡学生部体育館地点)
〇 時期: 続縄文文化
〇 内容: キャンプ地
〇 立地: 旧琴似川支流の小河川の右岸平坦地
〇 発見された遺構: 屋外炉址(4基)
〇 発掘: 1986年
続縄文後半期の後北C2-D式土器がまとまって出土した。屋外炉址からは、石器の加工時に生じる砕片、動物骨の小片や植物種子(クルミやヤマブドウ)等の食料の残滓が発見された。

人類遺跡トレイル 07 (2020-11-16)

2000年前のキャンプ地 (A 2000-yrs Old Camp Site)

(K39遺跡ゲストハウス地点)
  • 時期: 続縄文文化
  • 内容: キャンプ地
  • 立地: サクシュコトニ川上流側の右岸平坦地
  • 発見された遺構: 屋外炉址(3基)
  • 発掘: 1994年
続縄文前半期の屋外炉址(約2000年前)からは、サケ・ニシン・シカ等の動物、アサ・クルミ等の植物の遺存体が発見された。

人類遺跡トレイル 08 (2019-05-11)

保存された竪穴住居址 (K435遺跡馬場地点)
Preserved pit dwellings (Locallity: Stable <Baba>, K-435 site)

  • 時期: 続縄文文化-擦文文化
  • 内容: キャンプ地・集落遺跡
  • 立地: 旧琴似川支流の小河川の右岸平坦地
  • 発見された遺構: 屋外炉址(6基) (続縄文) 竪穴住居址(8基) (擦文)
  • 発掘: 1998年
馬術部の屋舎部からは続縄文後半期の屋外炉址(3世紀頃)などが発見された。馬場では擦文文化のオオックの竪穴住居址の存在が確認され、現状のまま保存されている。

人類遺跡トレイル 11 (2021-03-04)

キャンプ地から集落遺跡へ
(From temporary camp to residential settlement)

(K39遺跡人文・社会科学総合教育研究胸地点)

  • 時期: 縄文文化-続縄文文化
  • 内容: キャンプ地・集落遺跡
  • 立地: サクシュコトニ川上流側の左岸低地から平坦地にかけて
  • 発見された遺構: 竪穴住居址(12基) 屋外炉址(128基)・土杭墓(9基)
  • 発掘: 2001-2002年
縄文晩期の季節的なキャンプ地(約2500年前)から、続縄文前半期の竪穴住居や土杭墓をともなう通年の集落(約2000年前)へと変遷する過程が明らかになった。琥珀製の平玉が出土。

人類遺跡トレイル 13 (2021-03-26)

焼失住居跡 (Burned pit dwelling)

(K39遺跡弓道場地点)

  • 時期: 擦文文化
  • 内容: 集落遺跡
  • 立地: サクシュコトニ川上流側の左岸緩斜面
  • 発見された遺構: 竪穴住居址(1基)、炭化物集中(2箇所)
  • 発掘: 2006年
擦文文化の竪穴住居址(10世紀頃)が、屋根や壁の木材が燃えて炭化した状態で発見された。竪穴埋土からはクルミや炭化した種子が見つかった。

人類遺跡トレイル 15 (2015-06-25)

長大な煙道付きのカマド
(Unusually large size flue built in ancient cooking stove)

(K39遺跡附属図書館再生整備地点)

  • 時期: 擦文文化
  • 内容: 集落遺跡
  • 立地: サクシュコトニ川上流側の左岸傾斜地
  • 発見された遺構: 竪穴住居址(1基)
  • 発掘: 2009年・2010年
割り板を敷きならべた天井をもつ長大な煙道(煙出し)を作り付けたカマドのある竪穴住居址が発見された。擦文文化前期(8世紀)。
カマドと煙道は特殊な方法(立体剥ぎ取り法)を用いて、発見されたままの状態で屋内に展示できるように保存処理されている。

人類遺跡トレイル 18 (2015-11-17)

建築遺産トレイル (Trail of architectural heritage)


守衛所 (旧札幌農学校門衛所)

○ 建築年: 1904 (明治37) 年
○ 構造: 木造平屋
○ 設計: 文部大臣官房建築課札幌出張所
○ 施工: 大島喜一郎
札幌農学校門衛所として、煉瓦造の旧正門(現南門)と同時期に建設された。当初の位置は正門からの道路向い側(図の赤円)にあり、建物前には木造の中門も設けられたが、大正時代に現在地へ移設し増設され、中門も取り払われた。当初は現在の半分程の大きさで、切妻屋根に棟飾りや庇受けのブラケットなどの装飾も見られた。赤い門柱と白い旧門衛所が一体となって、札幌農学校時代の雰囲気を醸し出している。
Gate

1909(明治42)年の構内平面図/北海道大学施設部蔵

建築遺産トレイル 4 (2015-07-07)

古河講堂(旧東北帝国大学農科大学林学教室)
Furukawa Memorial Hall

Furukawa 〇建築年: 1909(明治42)年
〇構造: 木造2階
〇設計: 文部大臣官房建築課札幌出張所(新山平四郎)
〇施工: 新開新太郎
〇指定等: 登録有形文化財、さっぽろ・ふるさと文化百選、北区八十八選
1907年札幌農学校は東北帝国大学農科大学に改組され、本建物や予科講堂、畜産学教室などが新築された。これらは、本建物の正面2階に古河家寄贈と記されているように、古河家の寄付で建築された。左右の翼屋にマンサード屋根(腰折れ寄棟屋根)を架け、玄関ポーチを中心に左右対称のデザインとする。玄関ポーチ左右の円柱上の鈴蘭風の装飾、窓上の破風(ペディメント)の植物装飾、玄関欄間や内部扉腰板の「林」の文字意匠など、繊細で茶目っ気あふれたデザインがみられる。

建築遺産トレイル 5 (2020-06-30)

農学部肉製品製造実習室 (皮革工場)

Practical room for meat product manufacturing, Faculty of Agriculture (Tannery Plant)

〇 建築年: 1937(昭和12)年
〇 構 造: 煉瓦造平屋
〇 設 計: 北海道帝国大学営繕課
1900(明治33)年、農学部に畜産学が開講され、1907年畜産学科が設置された。1937年、畜産学科に肉製品研究室が設立され、食肉及び食肉製品の研究を通じ、北海道の食肉産業の礎を築いた。1937年12月9日に新築された本建物は、翌年小屋裏階を増設し、1987年頃から2009年まで皮革工場として使用された。窓下の腰壁には、普通煉瓦よりも焼成温度の高い焼過ぎ煉瓦を積み、上部はモルタルで仕上げている。

建築遺産トレイル 7 2020-08-01

農学部本部 (Main building of Faculty of Agriculture)

〇 建築年: 第1期 1935(昭和10)年 第2期 1936(昭和11)年 1951-1960年増築
〇 構 造 : 鉄筋コンクリート造4階 地下1階塔屋付
〇 設 計 : 北海道帝国大学営繕課 (萩原惇正、岡田鴻記)
〇 施 工 : 大倉土木株式会社
中央正面の主屋の左右翼屋は、当初「北」の字を模って計画されたが、その後の増築過程で左右とも口の字形となった。竣工間もない1936年の陸軍特別大演習では大本営に使用され、3階は天皇の御座所、寝室、食堂等に利用された。2008年に中央主屋を保存しつつ、リニューアルされた。

建築遺産トレイル 8 2019-04-16

札幌農学校図書館読書室・書庫

Former Reading and Stackroom of Sapporo Agricultural College
stack room 〇建築年: 1902(明治35)年
〇構 造: 旧読書室: 木造平屋
_______ 旧書庫: れんが造2階建
_______ 旧実験室: 木造平屋
〇設 計: 文部大臣官房建築課札幌出張所
_______ 中条精一郎
〇施 工: 伊藤組(棟梁・阿部幣治)
〇指定等: 登録有形文化財
現キャンパスの移転前年に新築。その後、幾度か増築され、1952(昭和27)年に西隣の農芸化学教室の一部を前面に移設し、玄関扉周りを移し替えている。現在は、移設部分と当初のT字型読書室と背後のれんが造書庫で構成される。当初は瓦葺きの屋根であった。白い壁に水柿(薄い灰みの紅赤色)の柱型や額縁が建物のアクセントとなっている。1965年まで北大の中央図書館、1986年まで農学部図書室として使用された。

建築遺産トレイル 9 (2020-08-01)

北海道帝国大学農学部昆虫学標本室

Former Specimen Room of the Agriculture Department
specimen room • 建築年 1927(昭和2)年
• 構造 石造・一部鉄筋コンクリート造平屋
• 設計 北海道帝国大学営繕課(桝谷乙治)
1986(明治29)年、札幌農学校に日本初昆虫学教室が開設された。担当した松村松年教授が長年陳情の末、漸く実現したのがこの不燃構造の標本室である。外壁は石造、床・天井は鉄筋コンクリートの混構造で窓も防火対策が施された。以前は南側教室棟と昆虫飼育室等でつながっていた。松村松年は、1895(明治28)年の札幌農学校卒業と同時に昆虫学教室に留まり、1902年に教授となった、日本の昆虫学の基礎を築いた人物である。

北大建築遺産トレイル 11 (2017.7.31)

普通作物硝子室及び金網室
肥料効能実験室及び金網室

Glassroom and wire net room for the crops
Glassroom and wire net room for the experiment on the effect of fertilizers
  • 建築年: 1936(昭和11)年
  • 構造: 鉄骨造ガラス張り一部木造平屋
  • 設計: 北海道帝国大学営繕課(落藤藤吉ほか)
農学部試験園の中に1936年12月7日、同じ形態の建物が2棟誕生した。普通作物とは、農作物のうち、稲や麦、大豆などの一般の食用作物のことで、それらや肥料の効能の研究・実習用に使用された。いずれも、南から金網室、温室(硝子室)、作業室で構成され、普通作物硝子室棟は、幅3間(5.4 m)、長さ18間(32.4 m)、肥料効能実験棟は、幅3間、長さ22間(39.6 m)である。

北大建築遺産トレイル 12 (2021.9.25)

総合博物館 (旧理学部本館)

The Hokkaido University Museum (Former Main Building of the Science Department
Museum • 建築年 1929(昭和4)年
• 構造 鉄筋コンクリート造3階建
• 設計 北海道帝国大学営繕課(萩原惇正)
起工から2年を要し完成した、当時札幌市でも数少ない大規模鉄筋コンクリート造建築である。スクラッチタイルを用いたロマネスク風の外観に、中央部玄関や階段室上部のゴシック風意匠が加味される。中央の階段室吹抜上部に見られるリブヴォ-ルトは「アインシュタイン・ドーム」と愛称される。1999(平成11)年総合博物館としオープンし、2001年に展示室をリニューアルした。

北大建築遺産トレイル 13 (2022.5.13)

北海道大学予科記念碑


北海道大学予科は、1907(明治40年)、札幌農学校が東北帝國大學農科大學に昇格した時にその大學豫科として発足。学年定員100名。生徒は3年間在学ののちに本科(農科大學)各学科に進んだ。札幌農学校校章であった桜星章が引き継がれ豫科帽章となる。翌年、校舎が現北大事務局の位置に落成した。
1918(大正7)年、北海道帝國大學発足によりその豫科となる。第二次世界大戦後の1947(昭和22)年に豫科は帝國大学呼称廃止により北海道大學豫科となり、新制大学発足に伴い1950(昭和25)年に豫科は43年の歴史を閉じた。学年定員は1941(昭和16)年以降400名。閉校までに11100余名が学んだ。
この北海道大学予科記念碑は、札幌農学校から引き継がれた予科の伝統と足跡を記念し、併せて北海道大学の大いなる発展を祈念し、かつての予科生と多くの有志の醵金により建立された。
hu

橄欖岩

アポイ岳橄欖岩の山である。日高山脈生成期に、地下数10 km以上深部の上部マントルから地表まで押し上げられてできた。橄欖岩は上部マントルを構成する主要な岩石で、主にオリーブ色の橄欖石からなり、それに褐色の斜方輝石、濃緑色の単斜輝石、黒色のスピネルが含まれる。この橄欖岩には、かつて高温高圧の下にあった上部マントルの姿を、そのまま見ることができる。(2018.9.8)

事務局本館 (Main Building of the Administration Bureau)


〇 建築年: 第一期 1935 (昭和10) 年
________ 第二期 1937 (昭和12) 年
〇 構 造: 鉄筋コンクリート造3階建
〇 設 計: 北海道帝国大学営繕課(落藤藤吉)
〇 施 行: 東山某(第1期)、沖津組(第2期)
 予科教室の木造校舎(写真)の老朽化に伴い、鉄筋コンクリート造に建て替えられた。左手の西側棟が第1期。戦後、法学部(1947年設置)などの校舎に利用され、1966(昭和41)年から現施設となる。外壁は理学部本部や農学部本部と同じスクラッチタイル張りだが、戦時体制下の建設のためか装飾は極力抑えられている。1977年、正面玄関に車寄せと庇が付けられた。

building

改築前の初代予科教室 (1908年建設、木造)
/ 北海道大学北方資料室蔵 (2018.9.8)

新渡戸夫人寄贈のハルニレ (Japanese elm donated by Mary Nitobe)


この木は、学名・ハルニレと言い、1905(明治38)年春、新渡戸稲造夫人メアリー(和名、万里)氏の寄贈により植樹されたものである。

メアリーはフィラデルフィアの富豪エルキントン家の令嬢で、稲造が24歳の時、アメリカ留学中に知り合う。その翌年、稲造は札幌農学校の助教に任命されるが、農政学研鑽のためドイツに留学、4年後の1891(明治24)年留学を終えた稲造29歳の時結婚する。そして札幌農学校に赴任する稲造と共に来日、札幌で7年間を過ごす。
Mary Mary
2020年2月17日、北大正門近く
稲造は、1894(明治27)年長年の夢であった夜学校(遠友夜学校と命名)を開設するが、その資金はメアリーの実家から送られてきた遺産が元になったという。
夫妻は、精魂込めて学生たちに学問を吸収させるが、4つの学校をかけ持ちするなど激務のため、共に健康を害し、1897(明治30)年療養のため気候温暖なカリフォルニアに渡る。
Nitobe 古記によれば、メアリーは札幌を離れても学生を慈しみ、札幌農学校を想う心篤く、本校の校舎新築に際しハルニレ24本を寄贈せられ、宮部金吾教授の細心の注意の下、路傍樹として構内各所に植樹されたとある。その時正門付近に植えられた内の5本(事務局前2本、南向い3本)がこの樹であり、樹齢はおよそ百年である。  「2002(平成14)年11月」
Mary メリーさんのハルニレ2世。メリーさんのハルニレから採取した種子を苗畑で育てたものを2019年初冬にこの場所に移植。
2023年12月健在
Ulmus davidiana var. japonica Nakai (ハルニレ)
フッター