(2020年1月4日更新) [ 日本語 | English ]
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[食虫植物について 諸般の事情で書いた中学生向けのつもり| 参考文献 ]
被子植物の中で 昆虫等小動物捕獲し消化・養分吸収 → 成長繁殖に寄与(消化は微生物活動に依存) 当然ながら、クロロフィル持ち光合成を行う独立栄養植物 → 栄養分十分な環境で(種間競争が弱ければ)、食虫せずとも生存できる 食虫 = 不足養分(窒素・リン・ミネラル等)や、その環境で得られない栄養分を摂取訳語対応関係食肉植物 carnivorous plant: 本来は、「肉」だが、日本で言う食虫植物
食虫植物 insectivorous plant: 食肉植物の中で食虫に特化したもの(訳との対応関係よくない) ダーウィンが初めて用いた用語(1875/06) |
日本の食虫植物 (2科5属約30種) ( world ) モウセンゴケ科 (Droseraceae)
Drosera (モウセンゴケ) D. muscipula (ハエトリグサ) Aldrovanda (ムジナモ) A. vesiculosa (ムジナモ) タヌキモ科 (Lentibulariaceae)
Pinguicula (ムシトリスミレ) |
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シソ目、イネ目では3回、ツツジ目では2回、食虫性進化(可能性) ⇒ 最低9回、食虫性進化は独立に起こる |
図. 被子植物の類縁関係。●: 食虫植物の含まれる目。(長谷部 2005) |
捕虫葉 (insectivorous leaf): : 食虫植物が動物を捕まえ消化吸収作用する葉 捕虫嚢(捕虫袋) (insectivorous sac): 動物を捕える袋 Ex. タヌキモ、ウツボカズラ 食虫法分類 (あまり細分化すると意味がないが)1. 鳥餅式/蠅取式 frypaper: 粘液を葉 (leaf)に密生した腺毛から分泌し、小動物(主に小型の虫)につけ捕獲 Ex. Drosera, Pinguicula1.1. 鳥餅式触手型: 触毛tentacleから粘液出し捕獲 (+ 誘引臭)
Ex. Drosera: 根貧弱で葉に緑少 → 葉表面放射同心円状に200本程度の腺毛分布 外側触毛: 葉緑に分布する最長(約7 mm)蝕毛。葉裏面へ向い反り返る位置にある。外側触毛頭部に刺激があると1分以内に屈曲反応始まり、数分で180°範囲を動ける(速度温度依存か)。屈曲する触毛は刺激を受けた1本だけで隣の触毛には刺激伝達されない 傾動運動: 外側触毛頭部が直接刺激され起こる屈曲 → Drosera: 触毛が葉中心へ向い直接的に動く 中央触毛: 短い中央触毛の中央部を鉛筆で突いても、その触毛自体は動かないが、10分程で突いた触毛の周りの中央触毛が動き始める。即ち中央触毛は、その刺激を周囲の触毛へ伝達する 屈動運動: 刺激を受けると周囲に伝達し、その間接刺激で刺激が来た方向へ働く運動 外表触毛: 頭部に直接刺激与えると、外側触毛と同じ反応を示し速い傾動運動を起こす。更に、隣合わさった外表触毛も屈動運動をする。外表触毛は、外側触毛と中央触毛双方の性質を兼ね備える 1.2. 鳥餅式腺毛型: Pinguiculaの腺毛は全く運動しない ↔ DroseraEx. Pinguicula: 紡錘形の葉を地面に密着させた形態 葉縁は少し内側に巻き込み(程度は温度に関係)、獲物を粘液で捕らえ1-2日かけ葉で取り囲み消化液を溜める皿の役目をする。葉が動く仕組は、消化液分泌により葉内側膨圧が低く、逆に葉外側膨圧が高くなり葉が折れ曲がり獲物を包み込む。消化吸収は基本的にDroseraと同じだが、Pinguiculaでは粘液分泌腺毛(有柄腺)と消化液を分泌する腺毛(無柄腺)が分かれる Ex. Drosera: 捕虫前の触毛先のヘミセルロースからなる分泌粘液と、屈曲進んだ状態で触毛からの分泌消化液は別。共に触毛頭部腺細群からの分泌物だが、屈曲前分泌物は高粘性粘液で小動物体を粘りつけ捕える役目で、触毛頭部各所から表面張力違う複数物質が分泌され集合した構造。その中に微量の高透過性有機酸(アルコルビン酸等)やアルデヒド(還元時アルコール、酸化時カルボン酸になる)等含む。細胞不要産物が排出されたもので腺細胞外表面覆うクチクラ微細穴から放出されたもの 触毛刺激 → 粘液に変わり流動性が大きい酸性消化液分泌分泌消化液: 蛋白質を強酸性状態(pH 1.5-3.5)で分解する消化酵素エンドぺプチターゼ含む Exp. 葉中央に卵白片乗せる → 1-2 hrで消化液貯留 → 消化開始
希塩酸加えても葉害されず卵白片溶解早まる - pH ≈ 2.6 酵素活性最大 分解産物は3時間位まで葉内に蓄積され、間もなく植物体の他部分へ移動(6-10時間後最も盛ん) 殆ど消化以前の状態近くまで葉内窒素量低減 移動減り24時間後ではほぼ一定値 24時間に吸収する窒素量 = 0.05-0.1 mg。うち90%が移動し、葉内に残るものは4-10% |
迅速吸収理由: 葉構造単純で、柵状組織なく葉両面表皮とその間に柔組織が緩やかに設置されるだけで細胞間隙良く発達し、表皮表面にクチクラ層も無い事による。表面に表皮細胞から伸びできた毛とか無柄腺(触毛柄にあるものと同じ)が多く分布し吸収補助。作用は、獲物が含む窒素分多いほど強い → 粘液・葉身が何らかの形で窒素養分含む物質に反応 1.3. 鳥餅式腺毛不動型
Ex. Drosophyllum (ポルトガル・スペイン・モロッコ等乾燥地帯, 稀)
Ex. ハエジゴク、Utricularia, ムジナモ
Ex. ハエトリソウ
Ex. Utricularia: 1植物体に多数の独立した罠(捕虫嚢)を持つ 3.1. 落穴式漏斗葉型
Ex. サラセニア Serracenia: 葉筒状、上部に多数蜜腺つくの変形した蓋
葉先に捕虫袋下げ、獲物が消化液溜まる捕虫袋中に落ちるのを待つ
葉先から葉主脈が伸びた蔓先端部が膨らみ捕虫袋を作る
蜜使わず、捕虫器細管に獲物(小虫)入ると逆毛で中に送り込み捕える 捕虫葉 insectivorous leaf: 葉螺旋状に変形し二股に分かれる部分と細管状になる部分の先端入口から獲物入る → 細管内部に逆毛生え、一方向にしか進めない獲物は細管奥へ進み消化される |