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[ 採掘跡地 (post-mined site)| スキー場 (skislope)]
復元 restoration エコアップ (ecoup, 和製英語)エコロジカル・スタンダード・アップ(= 生態的な質の標準を高めること
人間の手による生息環境復元技術 → 場所に応じた考え方・手法で生態系活性化、生物多様性を高める ミティゲーション mitigation直訳 = 「軽減・緩和」 ⇒ 開発に対する生態系破壊を回避か最小限に留め、かつ積極的に復元・再生・創生すること代償措置のみを指し使われることがあるが不適切 米国: ミティゲーション制度がアセスメント制度中に位置づけられる 定義 (米国環境審議会)
有珠山植生回復観察エリアこの旧とうやこ幼稚園のグラウンドは、2000年の有珠山噴火で、噴石や火山灰が降った。ロープで囲んだエリアは、噴火災害のあと、植物がどのように回復し増えていくのかを観察するエリアとして、草刈をせずにそのまま残している。洞爺湖町 (2013年7月16日)植物リスト (2019.9.11): エゾイタヤ・ネバリノギク・クロマツ・ドロノキ・ミツバフウロ・スギナ・ウダイカンバ・ミズキ・ヨシ・ツルアジサイ・オオアワダチソウ・クサソテツ・エゾニュウ・シバザクラ(移植)・ススキ・オオヨモギ・ヒメスイバ・シラカンバ・エゾノコンギク・エゾヤマザクラ・ヒヨドリバナ・ツユクサ・ノブドウ・ツルメモドキ・ガマズミ・カンボク・オオヨモギ・ナガバヤナギ・イヌコリヤナギ・サルナシ・イケマ・オニグルミ・イヌガンソク・クリ・コウゾリナ・オトコヨモギ・カラマツ • 金毘羅火口群植物リスト サロベツ泥炭採掘跡地復元実験サロベツ泥炭採掘跡地で、植生回復が遅れている地域に、実生定着を促進するために設けられた分解性ネット。2014年7月23日にシュテファンプロットへ行く途中にて。設置から3年が経過したところ。☛ SDGs |
大井埠頭せせらぎ公園自然池: 整備前からあった水溜まりをそのまま残し、周辺の雨水を流入し水位を安定させている自然池でのお願い •池では釣りをしない。 •石などを投げ入れない。 •深さが1 m以上あるので注意。 (2016年6月3日) 花博記念公園鶴見緑地大阪市エコボランティア 野草広場再生プロジェクト (自然体験観察園)実生林創生プロジェクト 進行中! •人間による環境破壊は一瞬ですが、自然の力で元の環境に戻すのは時間がかる。 •集まる生物を観察や、命の循環を学べる場を作る試みを行っている。 野草広場再生とは •四季折々の野草が観察できる場所にするために、刈込む種や草丈を調節している。 •探検路に沿い、草をかきわけ、野草だけでなく、昆虫等、様々な生物を観察できるようにしている。 •大阪市エコボランティアプロジェクトチームが、毎月管理している。 野草広場再生プロジェクト ___ 季節に関係なく芽生える野草が生き残り、貧弱な植物相になったこの場所を、本来の姿に再生する試み。 •ここを住処にする生物を、野草をかきわけ探検できる場とし、デザインされた草刈りを行う。 野草広場再生で気をつけている点 •ここは放置しているのではない。様々な野草を観察できるよう、選択的草刈りを実施している。 •昆虫等の生物の住処でもあるので、殺虫剤は使用しない。 •急激な環境変化を引き起こす様な全域刈りこみはしない。 大阪市エコボランティア 実生林創生プロジェクト (自然体験観察園) 実生林 小さな樹木の芽を育てる ここでは種から芽生えた実生を育てている。小さな細い芽だが、育つのを見守っている。目印のついた苗には手を触れない。 実生林はどうやってできる? •実生とは、種が落ちて芽吹いたもの。 •落下しただけならば、鳥の糞に含まれたり、人が土と共に運んだり。 •実生が生えた場所の環境にあわせ、芽を出し、成長する。 実生の樹木を育てている。 •実生の樹木は、ゆっくり育つ。 •落葉は取り除かず、枯枝も残す。 •学習講座以外は、囲いの中に入らず、見守ろう。実生林創生プロジェクト 生物の力で土に帰る •大木はいつかは倒れて、生物たちの力で、土に帰る。 •自然の循環を学ぶ教材であり、手を触れない。 落葉止めも柵で 落葉を残している •コナラやクヌギの落葉は、林中に積もり、土を柔らかく、ふかふかにする。 •虫や菌類、微生物の力で、少しづつゆっくりと、土になる。 •雑木林、実生林の落葉を残すため、柵を作っている。 •落葉止め柵には、手を触れない。 落葉を残すための柵を作っている •雑木林の土を柔らかくするため、落葉を残している。 •落葉がなくならないよう柵を作っている。 咲くやこの花館: でっかい温室がある (2022-02-06) 西オーストラリアボーキサイト採掘跡地 (Western Australia)大沼にて手書きの看板 (2013年7月10日) 大沼復元実験この間伐材で作ったイカダは大沼の水質改善と水中動植物の生息などを調べるためにヨシを植えています。危険ですからイカダのうえにのらないでください大沼の水をきれいにする会 |
[環境基本法]
機能
主体
Case. 風力発電事業工程 (大型風力発電運転開始までの一般的プロセス)[ ≈ 2年 ------------- ]__ > __ [ ≈ 3-4年 ------- ]__ > __[ ≈ 1年 ------ ]__ >__[ ≈ 2年 ------ ][立地地点調査・風況調査]_[環境アセスメント]_(必要に応じ)許認可取得_ [設置工事] [発電システム設計]_____________________• 立地(林地・農地)等________[運転開始] アセス = 3-4年必要 ⇒ 短縮手法の一つに「前倒調査」1.5-2年に短縮可 前倒調査による環境アセスメント手続期間半減工程
従来工程_____⇒ 半減工程_______前倒環境調査 |
環境アセスメント図書 environmental assessment book
2018 (環境省): 縦覧期間後の環境影響評価図書の公開開始 電子データ公開、環境省図書館納入 リプレイスを考えると風発「事後調査」は重要 ティアリング: 先行評価の活用 = 策定段階から詳細検討必要事項策定段階検討結果がそのまま事業実施段階に活用 → 作業重複回避に結果を事業実施段階の環境アセスメントでも活用すること 風力発電所環境評価項目: ●大気、●騒音振動、●低周波音、●水質、●地形地質・風車影・電波障害、●動物植物・生態系、●景観、●自然と触れあい活動の場、●廃棄物・温室効果ガス等図書の現状: 閲覧期間公開場所は限定的(閲覧期間1月程度多)
図書著作権は事業者 ⇒ インターネット公開 - ダウンロード・印刷不可多 |
bios (Gr. life) + remedium (Gr. remediation)
直訳すれば「生命修復」か「生物修復」 - 意味不明なので片仮名を使う 有害物質分解微生物により環境浄化を行う手法本機能持つ微生物を培養し汚染地域に散布 → 低濃度・広範囲汚染に効果的 Ex. トリクロロエチレン等土壌汚染、原油海洋汚染等への対策に期待 ファイトレメディエーション phytoremediation植物による有害物質修復: phyto- = 植物, remediation = 修復金属を速やかに植物に取り込ませる → キレート剤添加 Ex. EDTA(エチレンジアミン4酢酸)、クエン酸
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[雑草防除 (weed control), 指標種 (indicator species)] |
緑化 (≠ 復元)ではあるが、日本緑化工学会の英名は「Japanese Society of Revegetation Technology」としている。この辺りに、意味上で誤解を生じる原因があるのではないだろうか
(緑化工学での)緑化: 生態系修復や裸地に樹木草花を導入すること 樹木医: 1991(平3)年発足。樹木医制度で認定された、樹木の病気を診断し樹勢回復を助ける専門家。(財)日本緑化センター実施の樹木医資格審査に合格すると登録。応募資格は、樹木診断、治療実務経験7年以上 機関緑化推進機構: 第56回全国植樹祭開催申請・実施、「緑の募金」実施団体2001(平13)年設立の緑化運動の総合的企画・推進森林整備・緑化推進団体に対する支援・助成、緑化思想普及・啓発、緑化推進組織育成・支援、緑化功労者表彰等の事業を行う |
全国植樹祭: (社)国土緑化推進機構と開催都道府県が中心に、天皇皇后両陛下出席のもと、毎年春に開催される怪しい国土緑化運動の中心的行事。植樹行事、お手まき行事のほか緑化功労者の表彰、学校植林・環境緑化コンクール入賞校の表彰、林業後継者大会等が行われる 緑の少年団: 次代担う少年少女が緑を通じ広く自然との関わりを持ち、自然学習と合わせ、自然を守り、公徳心を高めつつ奉仕活動を楽しく実践し、健全な心身養成に努めることが目的の集団。6-18歳の青少年で構成 緑の募金: 国民一般の国土緑化に対する理解・認識を高めるため、毎年主に春と秋に実施される募金活動 収益金は水源林、学校林等造成や公共的植樹等に使用(建前) (自然林復元工法研究会) 自然林復元工法外来種不使用芽苗植栽 + ウッドチップマルチング + ゼロエミッションソイル工法 |
[景観生態学 (landscape), 里山 (satoyama)]
= エコロジカルネットワーク ecological network 野生生物が生息する複数の生態系(森林, 農地, 緑地, 水辺河川, 海, 湿原等)がつながるネットワーク 目的生物種及び生息地の保全を推進するために生態系機能を維持する人間活動による生物多様性への影響を低減し、生物多様性上の価値を増大させるため、自然資源の持続可能な利用を推進する 要素: コア + 緩衝帯 + 回廊 + 持続可能利用地区 |
特定生物群集存在可能条件備えた地理的最小単位 (ref. ハビタット habitat) Bio (生物, German) + Top (場所, German) = 「本来その地域に住む様々な野生生物が生息できる空間」 契機: バイエルン州(独)のビオトープ調査 → 地域の保護すべき自然の認識単位 = ビオトープ [日本] 意味異なる (1990年以降、行政・市民活動等で用いること多)= 環境修復やミティゲーションで創造された空間や、都市域に創造された生物生息空間
鳥類や昆虫類が好む植物を積極的に植栽、水辺を整備 現状: 他地域生育動植物持込み、シンボル的動物(Ex. ホタル・トンボ)保護・増殖に偏重する例あり、生物多様性保全上全てが評価できるものではない 都市域に残存する野生生物生息・生育空間 (s.s.) ビオトープネットワーク化: 分断・孤立化したビオトープを生物移動障壁除去やコリドー整備等で繋ぐこと |
ビオトープ整備による生物多様性の保全再生「光の森」では、弁慶濠の石垣に代表される周辺地域の歴史的な環境資源との調和をもとに生物多様性の保全と再生をすすめている。東京都心や皇居周辺地域にも在来の個体としてヘイケボタルやゲンジボタルが生息していることが確認され、それらが生息可能な環境をこのビオトープに創出させ、地域固有の生態系を継承しようとしている。 (2017年11月24日) |