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生検(生体組織検査、バイオプシー) biopsy患者から生体の一部を採取し、その組織を光学・電子顕微鏡や化学的検査等で調べ、病気診断や経過予後判定の一助にすること皮膚、筋肉、腎臓、肝臓、骨髄、肺、心臓、消化管、粘膜等、病気診断の根拠になるあらゆる組織が対象 体区分ヒト → 人体 = 体幹 + 体肢 (体肢 = 上肢 + 下肢)A. 体幹 trunk= 頭 head (s.l.) + 頚 neck + 胸 thorax + 腹 abdomen + 背 back頭 head (s.l.) = 頭(s.s.) + 顔 face 前頭 forehead: 頭の前上部、眼窩上縁をその下界をその下界とする 後頭 occiput 側頭(顳顬) temple: 頭の上部の左右外側部 耳 ear: 聴覚器官。外耳、中耳、内耳よりなる 顔 face: 頭部前面つまり腹側面。前額部から顎まで
眼 eye 背 back: 胸・腹の後面にある部分全て → 腰: 腹の後ろで、脊柱の両側 → 殿部 hip: 腰の下方 B. 上肢 upper limb = 上腕arm + 前腕forearm + 手hand
手 = 手根(手首) + 中手 + 指 手掌 = 母指球: 外側縁の膨らみ + 小指球: 内側縁の膨らみ C. 下肢 lower limb = 大腿(ふともも) theigh + 下腿(すね) leg + 足 foot足 = 足根(あしくび) + 中足(足の甲) + 指(あしゆび)
足底(あしのうら): 足根と中足の下面 人体の位置と方向解剖学的正位 anatomical position (位置・方向等記述上重要概念): 直立し、額と掌、爪先を前方にむける姿勢A. 線関係1) 内側 medial vs 外側 lateral: ∃2点 - 正中面近点 = 内側 ↔ 遠点 = 外側2点 = 相対的関係 ≠ ある点が、絶対的に内側(または外側) Ex. 掌を前 = 母指側は小指側より正中面により遠いので外側 ↔ 掌を後 = 母指側内側部位を示す用語一定しない = 解剖学的正位という概念必要
掌を前に向けるのが解剖学的正位 → 母指側 = 外側、小指側 = 内側 |
橈骨 母指側、尺骨 小指側 ∴ 橈側 radial = 母指側 = 外側、尺側 ulnar = 小指側 = 内側である。足では、腓骨 fibular = 小指側 = 外側、脛骨側 tibial = 母指側 = 内側となる 2) 近位 proximal vs 遠位(末端) distal
任意の2点で体幹に近い方を近位 ↔ 遠位 任意の2点で体中心に近い点を内(深) ↔ 外(浅) 4) 口側 oral (= 吻側rostral) vs 肛側 anal
口側: 任意の2点で口に近い方 ↔ 肛側: 肛門に近い方
直立位: 腹方向 = 前、背方向 = 後
直立位のヒトにのみ適用できる用語 B. 面関係1) 矢状面 sagittal plane
水平面に対し垂直で、体の前後軸を含む面 → 無数 → 正中線 median line: 正中面が体表を区切る線 (正中面、正中線は唯一) 2) 前頭面 (前額面, 冠状面) frontal plane額に対して平行な面 → 無数 3) 水平面 horizontal plane地表に対し平行な面 → 無数 → 矢状面、前頭面、水平面は互いに直交 |
ネズミ解剖 anatomy of rat目的: 哺乳類体構造(ネズミもヒトと基本的に同じ体制)観察 材料: Rattus norvegicus albus: 真獣下綱齧歯目ネズミ亜目 Rattus - ヒト: 真獣下綱まで同、霊長目真猿亜目 Homo I. 外部形態観察方法1 頸骨を外した動物を解剖皿に載せる観察1 外部生殖器観察(材料オス・メス確認、必ず両性生殖器観察): 観察 → スケッチ → 名称又は説明を 雄雌外部生殖器、雄雌内部構造(陰茎、陰嚢、肛門、外尿道口(尿門)、陰門(膣口)、子宮、膣、膣前庭) 動物実験者の自戒 実験材料動物は多くの場合において之を殺す。即ち実験者は研究材料たる動物を強制的に自己の研究の為に犠牲たらしむ。世に生を享くるものにして生を欲せざるものなかるべし。されば実験者は自己の研究のために犠牲となれる動物に対しては、自己が殺せるものにあらざるも、決して之を粗略に取扱ふことなく、誠心感謝の意を以て、研究を有効ならしむことに、常に自ら戒むこと肝要なり。II. 内部形態観察 observations of internal morphology方法2 成中線に沿い皮膚を下から上まで(陰茎、陰門の少し-顎先)切り皮膚両側に開く。大鋏・小鋏・メス・ピンセット等使用。虫ピン固定。皮膚と体壁筋肉層は結合組織で繋がるので鋏・メス等で徐々に両側に開く。頸動脈に注意観察2 唾腺とリンパ腺 顎下の皮下に顎下腺、リンパ腺がある(結合組織・脂肪除去すると良く見える)。顎下腺一対、淡紅色。リンパ腺数不定。ヒフを耳下あたりまで切開すると耳下腺がある 解剖・観察に時間がかかると組織乾燥 → 洗浄ビンで水をかけてやる 方法3 腹壁筋層を切開、両側に開く、胸骨・肋骨を切除(後回しでも良い) 観察3 胸腔、腹腔、横隔膜を確認(食道だけが横隔膜を通過している) 観察4 消化器系観察 口 - [横隔膜(腹腔に入っている部分を中心に)] - 食道 - 小腸 small intestine - 大腸 large intestine - 肛門 anus ポイント: 食道、肝臓、脾臓、盲腸、横隔膜 diaphragm、噴門部、食道部、幽門部、胃底、十二指腸 胃: 食道部・噴門部、幽門部。小腸: 十二指腸・空腸j ejunum・囲腸。大腸: 盲腸・結腸・直腸 → 腸間膜 その他: 膵臓・肝臓も観察 |
方法4 胃-直腸までの消化管を外す 課題2 消化管全長を計る 観察5 泌尿・生殖器系観察: 腎臓-輸尿管-膀胱は♂♀共通 輸尿管太くない。尿量で膀胱サイズ変化。腎上に副腎あり内分泌器官(アドレナリン・グルココルチノイド)持つ 雄内部生殖器系: 精巣・副精巣・輸精管・貯精嚢・前立腺prostate gland・(膀胱)・精尿管・陰茎 付属器官にタイリン氏腺・カウパー氏腺 (恥骨切開しないとカウパー氏腺・精尿管一部見えない) 雌内部生殖器系: 卵巣・輸卵管・子宮・膣 (付属器官として陰核) 雌体: 脂肪体発達し卵巣・輸卵管が埋もれると見逃し易く、非常に小さいため解剖顕微鏡を使用しても良い 方法5 胸腔露出、胸部切開 観察6 呼吸・循環器系観察: Point 肺と気管の関係, 心臓と血管の関係 課題3 肺は右左で葉数異なる(夫々何葉か)。他臓器: 脾臓・甲状腺・胸腺 後片付注意: 解剖皿・解剖道具は良く洗い乾燥後収納(怠ると全く使えない)。動物組織等はポリバケツへ |
[ 鳥内部形態 ]
中枢神経系 (脳・脊髄) central nerve system, CNS(s.l.) 脳と神経をあわせたもの → 脳科学・神経科学固形脳 solid brain – invertebrate: 細胞の上にシナプス = 神経活動の場
無脊椎動物: 細胞体が遊離することがある – 脊椎動物では決してない 神経支配 innervation
神経を分けて刺激を与える → 反応の型が異なる = multiple innervation or peripheral (adj. 末梢部の) integration
Slow motoneuron (s.m.): 10/s, or 20/s 1. 脊椎動物 vertebrateヒト大脳皮質 (cerebral cortex on human)
受容体 → 中枢 → 作動体 自律神経系の調節、反射中枢 b. 大脳辺縁系 = 大脳皮質(旧皮質、古皮質): 本能的行動、感情的行動 (用語) 辺縁の下の inframarginal, 辺縁の中の intramarginal c. 新皮質系: 知能的行動 - 鳥類・哺乳類 ヒト神経系 (human nerve system)脳幹の構造 (Basic brain stem structure)脳幹網様体 brain stem reticular formation: 通常somatic motor域の割と暇な空き空間が全身支配するEx. マウスナー細胞 mauthner cell 延髄 medulla oblonge基本構造: 系統発生的に遅くできる神経は基本構造に入れることはできない後脳 (hindbrain)高次脳 higher brain間脳 – diencephalon終脳 – telencephalon → 共に動物により異なる働き 側方抑制 lateral inhibition: 脳内によくみられる
受容野 receptive field – 受容器より狭い範囲という意味 → 受容器の中で特に受容を司る 後進抑制 backward ihbibition – dis-inhibitionが見られる系ではこう考えた方がよい 低次脳 lower brain生命の基本を司る基本的脳ヒト大脳 cerebrum: 左半球、右半球に分かれる
皮質 corticis (灰白質 grey matter): 神経細胞体集合部分 – 中枢機能 左右の脳を連結している交連線維は男性よりも女性の方が大きい → 左右脳の情報のやりとりが速いので女性の方が言語処理に優れるといわれる 大脳皮質旧皮質 ⌉ 緑辺葉__本能的行動________________↓古皮質 ⌋_________________________________↓ 新皮質__________知能的行動(哺乳類に発達)__発達
新皮質 = 前頭葉 + 後頭葉 + 側頭葉 + 頂頭葉 主に前頭葉に外科的措置を加え精神症状改善を期待する治療方法(ポルトガルMoniz E, 1935開発) Ex. 分裂病治療 → 人格水準↓、知能↓、時に痙攣発作等の合併症 1975 日本精神神経学会「精神外科否定決議」可決 = ロボトミー否定 向精神薬療法に変わる 脊髄: 頚椎からせん椎までの椎骨の中央を走る円柱状構造(31対)
皮質(白質): 神経突起の集合 心臓 (heart)血液を循環させるポンプの役目。刺激を連続させても強張を示さないヒトの心臓 = 房室弁: 心房と心室 ventricleの境。半月弁: 心室と心房の境
拍動: [心房収縮] → [心室収縮] → [両方弛緩] 交換神経 = 拍動増加 ⇔ 副交感神経 = 拍動減少 2) 心臓の自動性: 刺激伝達系 (心臓が刺激伝達のため変形したもの)[洞結節] → [房室結節] → [プルキンエ線維] ──┐ ↓ ペースメーカー: 自分で刺激を作り出す ↓ [心房収縮] ───────────────→ [心室収縮] ↑ │ └─────────────────────┘ tuber, n. 結節, tubercle, n. 小結節、小瘤、粒状鱗
脈圧 = 最大血圧(心室収縮時) - 最低血圧(弛緩時) |
生殖器 reproductive organ二型性 dimorphism[ 筋肉 ] 筋組織伸筋 extensor屈筋 flexor 皮膚 (skin)図. 皮膚断面 図. 皮膚(ヒト)の感覚受容器 支持組織= (s.s.) 結合組織connective tissue= (s.l.) (s.s.) + 特殊に分化したな結合組織(軟骨組織、骨組織、血液とリンパ) ≈ 結合組織 支持組織 (s.l.)A 結合組織1 線(繊)維性結合組織: フィブリン(繊維素) fibrin
a 疎性結合組織 3 細網組織 reticular tissue (nc. 細網 reticulum, pl. – a) 4 脂肪組織 adipose tissue: 脂肪細胞adipose cell:adipocytesを多く含む結合組織
脂肪組織は、最大組織 → 男性で体重の15-20%、女性で体重の20-25% [鳥骨格] C 骨組織連結joint (⊃ 関節 articulatio) 骨連結 bony joints
不動性結合
臼状関節 ball and socket joint: 球関節の中で関節窩が深く、運動の制限されたもの
Ex. 膝関節、肘関節(腕尺関節)、距腿関節、指節間関節 図. ヒトの膝関節の構造______図. ヒトの骨の構造(長管骨 断面図) D 血液とリンパ 血液学 hematology血液細胞が対象の内科学一分野
抗癌剤という治療手技の観点から腫瘍学oncologyとの統合を期待 輸血学 blood transfusion science輸血方法・保存方法等1919.02 後藤七郎: 日本初輸血 (クエン酸ソーダ血)注射 1902.06 塩田広重: ジャンブロウ輸血器 1945 輸血取締規則 1947 輸血取締規則施行細則 梅毒血輸血事件 1951.10 血液銀行Rh血液型の輸血問題点 1. Rh-の人への輸血
Rh+ → Rh-血液(Rh因子がない) Ex. 新生児溶血性疾患 neonatal hemolytic disease: 黄疸 (+ 赤芽球多)
Rh-母親血液中にRh因子の抗体作られ子血液を溶血 = 抗原抗体反応
👫 ♂ = Rh+ / ♀ = Rh- 1947 Diamond: 臍静脈からの輸血法 |
解剖学(発生学)的分類 anatomical classification1. 一次感覚細胞 primary sensory cell (receptor)
刺激 stimulus → Ex. 脊椎動物吸上皮 vertebrate's olfactory organ。光受容器 photoreceptor 2. 二次感覚細胞 secondary sensory cell (receptor)
脊椎動物 vertebrateのみ Ex. 耳側線器官 ear lateral ine (acoustico-lateralis)。味蕾 taste bud パチーニ小体 Pacinian corpuscle: 圧力 – mammalian skin receptor Meisner corpuscle: tactile skin – accessary cells
クラスネ小体 Krasne corpuscle: 冷たさ感じる
視覚発達: 霊長類は両眼が前にあり立体視可能 聴覚・味覚聴覚器 (auditory apparatus)図. 人聴覚器 外耳 external ear: 音波受信(構造上、高周波入りやすく、低周波入りにくい)耳介(耳たぶ) auricle 外耳孔 opening of external acoustic meatus 外耳道 external acoustic meatus アポクリン腺(耳道腺): 外耳道内皮膚ある
鼓膜 eardrum: 内耳に振動伝える 鼓室 tympanic cavity
槌骨 malleus: 鼓膜に付着 内耳 inner ear: 聴細胞が興奮して音を感じる
迷路: [聴覚器 = 渦巻管 (蝸牛殻 cochlea)] + [平衡感覚器 = 前庭器官(平衡覚) + 三半規管 semicircular canal (回転覚)]の3部分に大別 中央部に前庭、前方に蝸牛、後方に骨半規管が連なる 膜迷路: 骨迷路内側に収まった膜状の袋で、内リンパを満たす 前庭中の球形嚢と卵形嚢、骨半規管中の膜半規管、蝸牛中の蝸牛管からなる
味覚器 (gustatory organ)水溶化学物質刺激感知器官
ヒト: 味蕾 視覚 (visual sense)模型眼 schematic eye: Gullstrand作成(ノーベル賞) – 大きさ、容積、光学的特性が実用的略式模型眼reduced schematic eye: 1屈折面しか持たない簡素化された模型眼 |
目の構造 (⇒ structure of eye)網膜 retina: レンズを通って像を結ぶ面, 視細胞分布角膜 cornea: 角膜面 - 光の屈折に関与 視細胞 photoreceptor cell, visual cell
円錐細胞 (錐状体): 網膜中心部に多。強光のもとで色彩も感覚する 黄点: 円錐細胞が密に分布し、凝視するときはここに像ができる 倒立正視: 黄点よりも上側にできる像を下側に、左側にできる像を右側に感覚 [ ジオプタ ] 調節 accomodation遠近調節: 毛様筋伸縮によりレンズの厚さを変え曲率を対象物に合わせるCf. 魚類・頭足類: レンズ球状 → レンズと網膜の距離を変え遠近調節 調節幅 accomodation range ≈ 調節力 accomodation amplitude → 子供: 18D程度可能 → 齢で変化(通常減少)調節近点 near point: 眼から最も近くても調節可能な点までの距離 Ex. 1/18D = 5.5 cmまで調節可能 齢 (yr) 1 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 調節可能 18 16 14 12 10 8.5 7.0 5.5 4.5 3.5 2.5 1.75 1.00 0.75 0.25 0.00 ジオプタ 老視 prebyopia: 老齢の視力(遠視と異なる) (40初に兆候は出る) – 水晶体硬化に伴い調節力減少 正視 emmetropia: 正常眼(60D) → 光学的無限遠 = 6 m → -1/6D
角膜-網膜距離: U + P = V, n' = 1.33, U = 0, P = n'/f' 近視・遠視はf'と網膜の位置が、網膜・レンズ異常によりずれる ⇔ 非正視 ametropia (屈折異常refractive error: 調節に歪み)→ 正視化 emmetropization = 矯正 correction Ex. 眼鏡 spectacles 頂間距離: 角膜-レンズ間距離 → レンズ矯正の際に重要 近視 myopica (adj. myopic): 屈折力大きすぎる遠点面: 網膜上に焦点の合う距離上の面 → 遠点 far point, R: 遠点面上の軸上の位置(点となる) 調節麻痺剤(薬) cycloplegia 投与後測定
遠点より離れたものは全てボケて見える → 近視矯正はこれを調節(近視レンズ)
Ex. R = 23 cm → 1/0.23 = 4.35Dの近視
R = 1/(-4D) = 0.25 m → 眼前25 cm 1/(-0.08) = -12.5D → 12.5 – 4 = 8.5D 調節幅: 無調節遠点 = 25 cm, 最大調節近点 = 8 cm → 17 cm
a) 軸性近視: 0.4 mmの軸長が屈折異常1Dと等しい Ex. 遠視3D, L = +2D – 頂間距離により調節可能 コンタクトなら+3Dとする(+レンズ) Ex. L = +12D (無水晶体眼用, 頂間距離15 mm)
10 cmに頂間距離が移動したときのジオプター変化 compound myopic__simple myopic__mixed__simple hyperopic__compound hyperopic
直乱視 雲霧法 fogging
ジャクソンクロスシリンダーcross cylinder (Jacson, Denvorの眼科医): トーリックレンズ → 不等視像計ekinometerで測定 |
0. 鼻口部 muzzle脳腔の前方にある頭蓋部で、上顎と下顎よりなる鼻 = 外鼻 + 鼻軟骨 + 鼻口 外鼻は軟骨組織からなり、周囲の骨質腔所と靱帯によりつながっている 1. 鼻腔 (nasal cavity)外鼻孔nostrilsに始まり、後鼻孔choanae にて咽頭鼻部に開く正中面にある隔壁(鼻中隔)にて左右に分かれる 上・中・下鼻甲介 superior, middle, inferior nasal concha: 鼻腔外側壁から内方に向かう3つの突起 上・中・下鼻道 superior, middle, inferior nasal meatus: 各鼻甲介の下方にある空気の通道
1) 上鼻道: 後篩骨洞(篩骨蜂巣)が開口する
1) 嗅部: 上鼻甲介 + 嗅上皮: 対向する鼻中隔の小部で嗅覚を司る 2. 副鼻腔 (paranasal sinuses)鼻腔を構成する骨のは中空の空間のことで、小孔により鼻腔に連絡鼻腔に連続する粘膜(多列線毛上皮)により覆われる 副鼻腔の種類と開口部
1) 上顎洞 maxillary sinus: 中鼻道に開口
3. 咽頭 (pharynx)4. 喉頭 (larynx)喉頭口より始まり、輪状軟骨下縁の高さ(第6頚椎の高さ)で気管に連絡喉頭軟骨 laryngeal cartilages
1) 甲状軟骨 thyroid cartilage = 右板 + 左板 → 両板は前方で結合。前方に突出し喉頭隆起laryngeal prominence(アダムのりんご)を形成 |
2) 輪状軟骨 cricoid cartilage: 甲状軟骨の下方にある指輪状の形 喉頭の内腔(喉頭腔): 室ヒダと声帯ヒダにより、上中下部の3部に分けられる
1) 上部(喉頭前庭): 喉頭口より室ヒダの間
声帯靭帯 5. 気管と気管支 (trachea and bronchus)気管は喉頭に続き、気管分岐部tracheal bifurcationで左右の気管支に接続気管支の左右差
1) 太さ: 右の気管支は左より太い(理由 = 右肺は左肺より大) 1) 気管(支)軟骨 tracheal cartilages: 後方を欠いたU字形 2) 膜性壁 membranous wall: 気管軟骨の後方の欠けている部分に張る平滑筋の壁。この平滑筋が収縮すると、気管および気管支の内径狭くなる 3) 輪状靭帯 annula ligament: 隣接する上下の輪状軟骨間結合組織 6. 肺 (lung)肺は円錐を半分に切った形 = 横隔面 + 肋骨面 + 内側面肺尖: 上方の尖っている部分 内側面に肺門があり、気管支、肺動脈、肺静脈が出入する → 気管支 + 肺動脈 + 肺静脈 = 肺根 肺葉 1) 右肺: 水平裂 horizontal fissureと斜裂 oblique fissureにより3葉区分 = 上葉superior lobe + 中葉middle lobe + 下葉inferior lobe 2) 左肺: 斜裂により2葉に区分 = 上葉 + 下葉 肺区域: 肺葉はさらに幾つかの肺区域に分かれる周囲と独立した気道系・血管系もつ単位 → 肺の外科的区域切除可能 気管支は分岐を繰り返し、細気管支(気管支梢) bronchiole となり、その終末は肺胞 alveolusとなる血管系: 機能血管と栄養血管からなる
1) 機能血管: 肺胞の周囲の毛細血管網 → CO2とO2のガス交換 7. 胸膜(肋膜) (pleura)臓側胸膜と壁側胸膜: 肺表面は臓側胸膜で覆われる。臓側胸膜は肺門で折り返して胸郭を裏打ちする壁側胸膜に移行する胸膜腔: 臓側胸膜と壁側胸膜でできる閉鎖空間 - 中に小量の胸膜水容れる 気胸: 肺は自らの弾性で縮もうとする - この力に抗するのが胸膜腔内の陰圧。胸郭外傷により胸膜腔の陰圧が壊れると、肺は縮んで小さくなる
縦隔 mediastinum: 左右の胸膜の間 |
[ ホルモン ]
Def. 腺 gland: 体内で分泌物を作るところ 外分泌腺: 分泌物送り出す管持つ Ex. 消化腺、汗腺 内分泌腺: 管ない - 血液により運搬
Ex. ホルモン分泌腺 → 内分泌系 endocrine system [甲状腺腫 goiter] 1. 甲状腺 thyroid gland喉頭下端の前方-側方を囲む= 右葉 right lobe + 左葉 left lobe + 両者結合する峡部
a) 被膜: 甲状腺の表面を囲む 小胞中をコロイドが充たす。濾胞間の間質に傍濾胞細胞 2. 上皮小体 (副甲状腺) parathyroid甲状腺の左葉と右葉の後面に上下各1対(計4個)。米粒大 |
3. 副腎 adrenal gland腎臓上方 = 皮質 + 髄質副腎皮質: 中胚葉由来
表層より球状帯 - 束状帯 - 網状帯の3層 4. (脳)下垂体 pituitary gland間脳下方に付着し蝶形骨体のトルコ鞍中に入る= 前葉(腺性下垂体) + 後葉(神経性下垂体)
前葉 anterior lobe: 内胚葉性。咽頭の粘膜が上方に陥入しできる 中葉 後葉: 神経分泌 = 視床下部神経核ニュ-ロンの軸索が後葉に達し軸索末端から後葉ホルモン分泌 5. 松果体松果腺(上生体) - 間脳背側 |
1. 腎臓 kidney: 不用物排出 + 浸透圧調節 → 後腹壁にある1次腹膜後器官。内側縁が凹んだ赤褐色で空豆形の臓器
腎門 hilus of kidney: 凹んだ部分 → 腎動脈・腎静脈・尿管はここから出入り 肉眼的構造: 皮質 renal cortex + 髄質 renal medulla 髄質: 10数個の錐体に分けられる 腎乳頭renal papilla (pl. -e): 錐体の頂点 → 小腎杯と対向 顕微鏡的構造: 腎臓皮質に腎(マルピギ)小体 renal corpuscleがある腎小体 renal capsule: ボーマン嚢に包まれた部分 = 糸球体glomerulus + 糸球体嚢(ボーマン嚢) Bowman's capsule 糸球体 = 毛細血管網: 血液中の水分や電解質、小分子(糖やアミノ酸等)は糸球体を通過し、糸球体嚢に至る(原尿)糸球体嚢内の原尿は尿細管renal tuble (近位曲部→ヘンレのワナ→遠位曲部)、集合管を経て小腎杯に排泄される (補: 尿の99%は尿細管で再吸収され、残りの1%が尿とし排泄される) ネフロン nephron: 脊椎動物排出器官系の形態機能単位。1個の腎小体とそれに続く細尿管 |
2. 腎盤 (腎盂)renal pelvis と腎杯 renal calices 腎盤 (腎盂): 尿管が腎門に進入する拡張する部分 腎杯: 腎盤がさらに分岐した(forked, divaricate)部分(大腎杯 → 小腎杯) 集合管(腎乳頭に開口)より分泌される尿: 小腎杯 → 大腎杯 → 腎盤 → 尿管 3. 尿管 ureter: 腎盤に続き尿管口にて膀胱に開口する 構造: 3層構造 = 粘膜(移行上皮) + 筋層 + 外膜 4. 膀胱 bladder恥骨結合の後方に位置し、その上壁のみ腹膜 peritoneumに覆われる
膀胱三角 vesical trigone: 膀胱の内面にあり、左右の尿管口と内尿道口を結ぶ三角形の部分
膀胱の神経支配:
膀胱内面にある内尿道口に始まる
1) 壁内部: 内尿道口より始まり膀胱内壁を貫く部分 尿道括約筋: 骨格筋。体性神経支配(陰部神経)受ける骨格筋で、随意筋 |
= 消化管 + 付属器官(唾液腺, 肝臓, 胆嚢, 膵臓) 図. ヒトの消化器 |
消化管口-肛門までの管: 食道 + 胃 + 小腸 + 大腸 (腸内細菌叢は器官で相当違う)
胃: 噴門 + 胃底部 + 胃体部 + 幽門部 (幽門弁 → 小腸) 唾液腺: 口腔全体に米粒-小豆大の口唇腺、頬線、口蓋腺として分布 漿液と粘液の混合した分泌液 肝臓: 後腹壁につく細長い器官
外分泌腺: 膵液(消化液)分泌 - 導管により十二指腸に開口 肝臓 liverヒト成人: 1 kgにもなる最大の臓器腹腔右上部にあり、物質交代盛ん 歯 tooth基礎代謝 basic (or basal) metabolism生命活動維持に必要なエネルギー量(≈ 何もしなくても使われるエネルギー量)1919 ハリス-ベネディクト式 (Harris-Benedict equation): 日本人式 (kcal/day) - 過大評価傾向
♂ 66.47 + 13.75 × w + 5.00 × h - 6.76 × y w: 体重 (kg) h: 身長 (cm) y: 年齢 (yr) 簡易式: ♂ 14.1w + 620. ♀ 10.8w + 620 1930s Max Kleibe: 基礎代謝量, e ∝ w3/4 (w: 体重) |