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(2017年12月13日更新) [ 日本語 | English ]

カヤツリグサ科 (Cyperaceae Juss.)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ エングラー体系 | 植物分類学 ]

Subfam. Cyperioideae カヤツリグサ
多くは雌雄同花
Bulbostylis Kunth ハタガヤ: 熱帯-温帯
Carpha Banks et Soland. イヌノグサ: 日-NZ, 南米, アフリカ
Cladium R. Br. (C. mariscus ヒトモトススキ, 湿原)
Cyperus L.カヤツリグサ
Diplacrum R. Br.
Eleocharis R. Br.ハリイ: E. japonica Miq. ハリイ: サロベツに記録
Eriophorum L.ワタスゲ: 属の違い → Eriophorum = 葉身ある ⇔ Trichophorum = 無葉身の鞘だけ
Trichophorum ヒメワタスゲ: T. alpinum ヒメワタスゲ
Fimbristylis Vahl テンツキ
Subfam. Caricoideae スゲ
花は通常雌雄異花
Carex L. スゲ
両節共に小穂(の柄)基部に前葉がある。大多数種で柱頭3個
Sect. Digitatae ヒカゲスゲ節: 花柱基部肥厚せず果時には脱落 Ex. Carex oxyandra (Franch. et Savat.) Kudo ヒメスゲ: 北方系。四国・九州-高山火山灰土隔離分布(Hoshino 1981)
Sect. Praecoces シバスゲ節: 花柱基部肥厚し盤状-嘴状の柱基となり、果実頂部残存 Ex. アオスゲ
Kobresia Willd. ヒゲハリスゲ: 北半球温帯
Scleria Berg. シンジュガヤ: 熱帯-亜熱帯
Carex
a: 雌花の鱗片. b: 果胞

カヤツリグサ (Cyperus L.)


(星野他 2011)

1. 痩果は3稜形、柱頭は3岐

2. 小穂は花序枝に穂状または掌状につく

3. 小穂は穂状につく

4. 有花茎下部の葉は退化し針状

5. 根茎太く横走する

6. 有花茎上部は3稜形となり節はない ___ シチトウイ
6. 有花茎は円柱形で節がある ___ フトイガヤツリ

5. 横走する根茎はない ___ シュロガヤツリ

4. 有花茎の葉は長く発達する

5. 根茎は発達し横走する

6. 分花序の中軸は平滑である

7. 小穂 0.7-1.5 cm l、鱗片 ≈2.5 mm l ___ スナハマスゲ
7. 小穂 1.5-2 cm l、鱗片 ≈3-3.5 mm l ___ ハマスゲ

6. 分花序の中軸には剛毛がある ___ オニガヤツリ

5. 根茎短い

6. 小穂基部に節がなく、熟すと鱗片や痩果が落ちても軸は残る

7. 多数の小穂が密生してつく、鱗片 ≈2 mm l、痩果の長さは鱗片の1/2 ___ ヌマガヤツリ

8. 小穂は密生してつかない、鱗片 1.2-1.8 mm l、痩果の長さは鱗片の2/3

9. 小穂のつく軸の稜に刺毛がある ___ ウシクグ
9. 小類のつく軸の稜は平滑

10. 鱗片先端は僅かに凸形となる

11. 鱗片は黄色で上部は円形に近い、中肋は上部の凹みから僅かに突出する ___ コゴメカヤツリ
11. 鱗片は黄褐色で上部はやや尖る、中肋先端は短い凸端となる ___ カヤツリグサ

10. 鱗片の先端は外曲する芒がある

11. 小穂に花がやや密につく ___ チャガヤツリ
11. 小穂には花は疎らにつき軸が見える ___ コチャガヤツリ

6. 小穂基部に節があり、熟すと小穂の基部から脱落する

7. 分花序は円柱形となり、小穂 4-5 mm l ___ イヌクグ
7. 分花序は小穂が離れてつき、小穂 1-1.5 cm l ___ ムツオレガヤツリ

3. 小穂は花序枝の先端に掌状につく

4. 小穂は緑色-淡緑色

5. 小穂 5-10 mm l、鱗片 ≈1 mm l、痩果 ≈0.5 mm l ___ ヒナガヤツリ
5. 小穂 10-25 mm l、鱗片 ≈3.5 mm l、痩果 ≈1.2 mm l ___ クグガヤツリ

4. 小穂は赤褐色を帯びる

5. 横に伸びる根系を持つ ___ コアゼガヤツリ
5. 根茎は伸びず叢生する

6. 小穂は花を疎らにつけ、鱗片は外反しない ___ ヒメガヤツリ
6. 小穂は花をやや密につけ、鱗片の先端は突出して外反する ___ ツルナシコアゼガヤツリ

2. 小穂は頭状に密集してつく

3. 鱗片 ≈0.7 mm l、上端は少し凹む ___ タマガヤツリ
3. 鱗片 ≈2 mm l、上端は鈍頭 ___ メリケンガヤツリ

1. 痩果はレンズ型、柱頭は通常2岐

2. 小形の植物で、有花茎 < 30 cm h

3. 痩果は倒卵形

4. 鱗片は2列性 ___ アオガヤツリ
4. 鱗片は2列性とならず螺旋状につく ___ オオシロガヤツリ

3. 痩果は長楕円形

4. 痩果の稜に翼はない ___ ヒメアオガヤツリ
4. 痩果の稜に翼がある ___ シロガヤツリ

2. 大型の植物で、有花茎 ≥ 50 cm h

3. 小穂 1-2 cm l、鱗片 ≈2.5 mm l、痩果 ≈1.5 mm l ___ ミズガヤツリ
3. 小穂 0.4-0.6 cm l、鱗片 1.5-2 mm l、痩果 ≈0.8 mm l ___ オキナワオオガヤツリ

Cyperus

ハリイ (Eleocharis R. Br.)


1. 穂円柱形極太 ___ Section Limnochloa (北海道なし)
1. 穂卵形-楕円形。稈より明らかに幅広い ___ Section Pauciflorae (チャボイ), Section Eleocharis (ハリイ)

(北村他 1964)

ホタルイ (Scirpus L.)


1. 苞は1個で直立し下部は桿に続く(= 花序見かけは側生様)。葉は全て葉身失い鞘だけに退化 = 桿基部に集まる ___ Section Actaeogeton (ホタルイ)

2. 花序は1-数個の無柄の小穂からなる頭花、稈は叢生し株を作り、地下に走出枝ない (exc. ヒメホタルイ)

3. 稈は円柱形で細く高さ5-60 cmある

4. 地下に細い走出枝、稈は各節から単生。花序は側生の1個の小穂(原則) ___ ヒメホタルイ S. lineolatus Fr. et Sav
4. 走出枝なく、稈は株を作る。花序は2-数個の小穂からなる

5. 果実長さ1.2-1.5 mm、その鱗片は薄い膜質

6. 柱頭3個。苞短く3-7 mm。稈はやや太い ___ ミヤマホタルイ S. hondoensis Ohwi
6. 柱頭2個。苞長く5-15 mm。稈は短い ___ コホタルイ S. smithii A. Gray ssp. leiocarpus (Kom.) T. Koyama

5. 果実長さ2-2.5 mm。その鱗片は厚い膜質から草質

6. 小穂は卵状楕円形で先尖、熟しても淡褐色。果実レンズ形で柱頭2 ___ タイワンヤマイ S. wallichii Nees
6. 小穂は卵球形か長楕円形で先は急に狭まって鋭い

7. 稈細く巾1-2 mm、表面平滑で角全くない。小穂は卵円形で熟して帯褐色。柱頭3 ___ ホタルイ S. juncoides Ruxb. ssp. hotarui (Ohwi) Ohwi
7. 稈太く巾3-5 mm、表面に不明瞭な角がある

8. 小穂は長楕円形で熟して褐色を帯び、柱頭2。稈の角は非常に不明瞭 ___ イヌホタルイ S. juncoides Roxb. var. ohwianus (T. Koyama) T. Koyama
8. 小穂は卵形で熟して帯緑色、柱頭3。稈はやや鋭く3-7角形 ___ サンカクホタルイ S. × trapezoideus Koidz.

1. 苞は常葉状-鱗片状。花序頂生。葉はイネ科様葉身(稀に退化)

2. 清水中。花序 = 1小穂。苞不明 ___ Section Eleogiton (ビャッコイ)
2. 湿地性中形-大型草本

3. 苞は葉状で花序より長い
3. 苞は鱗片状か鞘状で基部を欠き、明らかに花序より短い ___ タカネスゲ (S. maximowiczii C. B. Clarke)

4. 長い走出枝 → 先に塊茎 ___ Section Bolboschaoneus
4. 叢生 = 走出枝なし

オグライ S. × oguraensis T. Koyama = S. mucronatus × s. wallichii

ワタスゲ (Eriophorum L.)


1 小穂1個

2 叢生、走出枝欠。小穂下部10個内外鱗片空 ___ E. vaginatum L. ssp. fauriei T. Koyama ワタスゲ

2 地下走出枝ある。小穂下部約7個の鱗片空 ___ E. scheuchzei Hoppe var. tennifolium Ohwi エゾワタスゲ

1 小穂2-数個 ___ E. gracile ssp. coreana サギスゲ

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