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(2019年1月17日更新) [ 日本語 | English ]

安全対策 (safety manual)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ 救急法 | 医療装備計画 | 傷害保険 | 実験 | 参考 ]

西オーストラリアのボーキサイト採掘跡地の調査に行く前には、安全マニュアルを手渡され、講習を受け、最後に試験をパスしないと調査地に入れてもらえなかった。日本で、このようなことをしているところはあるのだろうか。
野外調査では、危険はつきものである。だからといって、危険に遭遇してもよい、という訳にはいかない。また、事故に遭遇してしまった場合には、迅速な対応が、安全を取り戻す最善の策である。
索引

安全マニュアル (safety manual)


必要最低限知っておくべきこと

エチケット = 疾病・負傷事故防止

遭難対策カード(手帳): 登山行動中携行(ザックの裏ポケット等に) - 行程は残留者に明示

遭難発生時の連絡先、連絡方法、意識不明時を想定し、第3者に自分を照会するカード

Safety card
今は、携帯電話番号も記入 (私しゃ、持ってないけど)
周囲に不快な思いをさせる服装・態度をとらない
互いに仲間の体力消耗に注意 - 体調が悪いのを隠すな!
一番弱い者にペース揃えカバーしながら同一行動とる。一人勝手行動とらない
他力本願禁物。仲間を当てにしない
リーダーの決定には協力し従い努力を惜しまない
持ち物には全て目印をつけ、他人の品と混同しない
本・地図等により、目的の山・コースに対する予備知識を深めておく
事故は何気ないところで起こる
  • ストックを岩に引掛ける: ストック長調整できず山小屋でペンチを借りる登山者増 → 破損ではなく、腕力のなさやストック構造無知が主原因。ストック長調整できないと、岩場通過時邪魔で、岩に引掛けバランス崩せば転・滑落もある。ストックは必ず自分で調節できるようにし、岩場では縮めザックに装着し行動
  • メガネ破損: メガネ破損し、目印のペンキや赤布を見落とせば遭難につながる。遠近感に支障をきたし、転滑落の恐れもある。予備メガネを持ちたい。落下防止のためのメガネバンドを装着すると良い。コンタクトも紛失時のため、予備レンズかメガネを準備
登山計画書 (= 我々には調査計画書)

登山計画書

_______________御中___________________________年__月__日
所属 ___________山岳連盟(協会)
団体名 _____________ 緊急連絡先
所在地 _____________ 氏名
電話 _______________ 電話 昼間 __________ 夜間 __________
代表者 _____________ 救援体制 ある(____名)・なし
[目的] _________________________________ [登山方法] __________
[目的の山域名] _______________________________
[現地連絡先] _________________________________
名簿 … (人数分)
任務 氏名 生年月日(__才) 性別 現住所 電話 緊急連絡先(氏名 電話/住所)
行程
日付 行動予定________期間________-________予備日 (____)
_________________________________

(概念図)

荒天、非常時対策、エスケープルート、その他

食料 ___ 食分/人 | 非常食 ___ 食分/人 | 予備食 ___ 食分/人
共同装備 燃料 ____ リットル
________無線(無・有 __ 台、アマチュア無線、その他 [ ___ Mhz])
________携帯電話 (電話番号 _____________)

遭難 (distress)


山の遭難は警察庁では刑事事件として扱われる

主な原因

初心者 = 無知 ↔ ベテラン = 過信

危険察知時よりも、危険をやり過ごしたと"思った"直後に発生しやすい

主な危険

雪崩、吹雪、雪屁、嵐、夕立、クレバス、苔・草つき、落石

救助方法

冬山ではサポートメンバー(=救助隊)を待機させる位の配慮が必要

遭難信号・伝令

遭難信号: 1分間に10秒間隔で声、笛、布等(夜間は灯火)で合図を送り、次の1分間休止を反復する

→ 万国共通: これを受けた登山者は直ちに計画中止し救助活動に着手することが義務づけられている

伝令: 必要情報(5W1H)を忘れない

付添: 負傷者が出た場合には、決して離れてはならない

捜索・救助活動

救助を焦るあまりの二重遭難は避けたい

救助隊

必要以上の準備のために余計な費用と時間をかけないためにも伝令等による正確情報重要
全隊が動けない間でも先発隊を出し遭難者を安心させる
食事隊を別に編成

救助用具

担架等。年々よいものが出ているので情報入手に努める

救助法 (さらに良くなってるはず)

ヘリコプター搬出(有効): 道内では最も遠い知床まで丘珠離陸後、給油を行って約5時間
道警: 銀嶺号6-8人位と装備積載可能 - 早い対処
自衛隊: 知事要請出動。バーツル。2-30人移動可能
飛行条件は視界と風に左右される - 吊り上げ、着陸はある程度の広さのある所。尾根上有利

救急法 (first aid)


応急手当: 病気・けが・災害から自分自身を守り、急病人やけが人を正しく救助し、医師に渡すまでの手当

山では医師に罹るまでに相当時間要する。運搬は通常、様態が落ち着いてから(時にヘリコプター要請)
→ 生半可な知識で、これ以上負傷者を悪化させることが一番危険
「知っていれば助かっていた」という事のないよう正しい知識を身につける

事故現場での措置: まず、周りの者が落ち着いてから行動

  1. 怪我人の不安・恐怖・興奮の除去
  2. 怪我の程度の正しい把握(全身 → 局所)
  3. 応急手当(生命に関係のある所から)
  4. 最寄りの病院への運逝(携帯電話等で連絡とれなければ伝令を出す)
怪我の度合の正しい把握
  1. 怪我人の意識の状態 (意識障害の程度参照)
    • 質問に答える → どこかぼんやり
    • 呼べば答える → 簡単な命令にしか応じない
    • 呼んでも答えない → 開眼・手動の反応あり
    • 全く応答しない → 針で刺すと反応
    • 針で刺しても無反応 → 昏睡
  2. 呼吸の状態 → 胸が痛い < 呼吸が苦しい < チアノーゼ-呼吸停止
  3. 脈拍と血圧 → 脈拍: 正常 = 100 ? 異常 140以上、55以下
  4. 怪我の場所 → 頭・頚・胸部・腹部は要注意。次いで腰背中部と上下肢
  5. 怪我からの出血の状態
事故者の体位
  • 顔色蒼白: 足が少し高くなるよう寝かせる(頭、胸、腹の怪我時は頭を低くしてはいけない)。この体位で寝かせると息苦しくなったり、痛みがひどくなる場合は、水平に寝かせる
  • 顔色赤色: 頭と肩が少し高くなるよう寝かせる。頭だけ高くするのではなく、気道確保のため上半身全体にかけて高くする。顎は少し上げる
  • 嘔吐: 左肩を上にし(心臓が上)横向きに寝かせ、顎を前の方へ少し突き出す。肩の高さ位の枕を右頬の下に当てておく。なお、傷の部位によっては右肩が上でもよい
  • 意識不明や背中に傷がある: ふつう右を下にするが、傷の部位によっては左を下にしてもよい。右を下にする場合は、左肘を曲げ、その腕の上に右頬がのるように寝かせる。右腕は体の後に伸ばしておく。意識不明で特に気道確保が必要な時は、片手で握り拳を作らせ、その拳でアゴを下から押し上げるようにする
会得しておくべき応急手当て
  1. 一次救命処置 BLS (basic life support)
    Air way = 頭部後屈・口腔内拭
    Breathing = 人工呼吸
    Circulation = 心臓マッサージ
  2. 出血と傷の手当て: 直接圧迫と応急包帯。ショック予防
  3. 骨折・脱臼の手当て: 副木、三角巾・包帯・絆創膏固定。ショック予防
  4. 運搬
  5. その他応急手当て: 火傷・凍傷・鼻血 …。腹痛、頭痛

意識障害の程度

3-3-9方式による意識障害の分類
山ではIIであれば生命は助かる見込みが高い
I. 刺激しないでも覚醒している状態(1桁で表現)(delirium, confusion, senselessness)

1. 大体意識鮮明だが、今一つはっきりしない
2. 見当識障害がある
3. 自分の名前、生年月日が言えない

II. 刺激すると覚醒する状態(2桁で表現)(stupor, lethargy, hypersomnla, somnolence, drowsiness)

10. 普通の呼びかけで容易に開眼: 合目的運動(Ex. 右手を握れ、離せ)をし言葉も出せるが間違いが多い
20. 大きな声または体を揺さぶることで開眼する - 簡単な命令に応ずる Ex. 握手
30. 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する

III. 刺激をしても覚醒しない状態 (3桁で表現)

100. 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
200. 痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
300. 痛み刺激には反応しない

註 R:Rastlessness; I:Incontinence; A: Akinatic mutism, apallic state. Ex. 100-R; 20-RI
グラスゴー方式による意識障害区測 Glasgow coma scale
A.開眼 Eyes open

4 = 自発的に. 3 = 音声により. 2 = 疼痛により. 1 = 開眼せず

B.発語 Bast verbal response

5 = 指南力良好. 4 = 会話混乱. 3 = 言語混乱. 2 = 理解不明の声. 1 = 発語せず

C.運動機能 Bast motor response

6 = 命令に従う. 5 = 疼痛部認識可能. __四肢屈曲反応 flexion. 4 = 逃避. 3 = 異状abnormal. 2 = 四肢進展反応. 1 = 全く動かず

A + B+ C = 3 - 15 → A, B, C各項評価点総和を意識障害重傷度とする。最重傷3点、最軽傷15点である
B, C項においては繰り返し検査したときの最良の反応とする。山で7-9点は助かる見込みがある

一次救命措置(BLS)のABC

A (気道), air
意識がない → 気道確保必要

口と鼻に空気の流れを感じることも聞くこともできない
息を吸うときに首・胸が引っ込む
ガーガー・ヒューヒュー・ゴロゴロ・ゼイゼイは部分的に気道が閉じている
空気の流れを妨げていた舌が取り除かれさらに気道が開いてくる

気道を開通方法

1. 首を後ろから持ち上げる
2. 頭を後ろに曲げる
3. 顎を上に持ち上げる(2で気道開通しないとき)
4. 顎に指をかけ前の方に引き上げる(3でも開通しないとき) 口中の異物除去方法

液体: 体を横にさせ、下側の口角のところを引き下げる
固形物: 指を交差させ下顎と上顎を離し口を開き掻き出す

B (呼吸), breathing
まず呼吸の有無を耳を相手の体に近づけ確認
胸の上下少ない / 息の出入り無い / 顔色青い / 脈弱い → 人工呼吸必要
口-口呼吸法 mouth-to-mouth

頭を後ろに傾ける(気道確保法と同) → 空気の出入りをする道ができる
鼻をつまみ口を開ける: 口から吹き込む空気が鼻から逃げないように
口の中に息を吹き込む: 口の中に息を吹き込んだら胸が上がることを確認
(通常の息の大きさ)・2回以上強く吹き込む・脈の強さを確かめる・回数は1分間15回
自分で呼吸をする。救助隊員が来る。医師が来る。または、疲れて出来なくなるまで頑張るしかない

C (循環) ,circulation
→ 脈拍ない(=心臓音が聞こえない)場合重要

1. 意識がない
2. 皮膚色悪い
3. 口の周りが青白い
4. 瞳孔が大きく開いている
→ 脈を触れ確認: 脈は首筋の総頚動脈を普通は使用
動脈部分を軽く指で押すと脈の振れが分かる(事前に自分で試すと良く分かる)。

循環器の回像手順(心臓圧迫法)

胸骨と脊椎の間に心臓を挟んで押すと血液が心臓から出てくる
体により心臓の位置は少しづつ異なるが、基本は心臓の上から押す
手順
首動脈に触れる = 振れない時は心臓停止している → 直ちに十分に堅いものの上に寝かせる
→ [触れない時] 肋骨の下の方(腹部の中心)を力強く叩く(20-30 cmの高さからシャープに)
心臓停止1分以内でないと無意味・効果なければ直ちに次の処置に移る
→ 心臓圧迫 ・掌で押す・掌の位置は胸骨の下から指3本の位置・手を組み合わせ、手を真っすぐに伸ばし体重をかけ押す
_____________________大人______子供______乳児
押し下げる大きさ (cm)_____5________2-4_______1-2
押し方________________両腕の掌__片手の掌___親指

心肺人口蘇生術

患者後頚部に手を添え持ち上げ咽頭から舌根部が離れるようにし、気道確保(舌が落ち込み空気を送れないことが殆どなので)
鼻孔を両側から摘み、親指を口に入れ顎にかけ、他の4指を顎下に入れしっかり支え顎を握り下顎を下に引く
空気を患者に吹き込んで胸を膨らませる
溺水の場合は患者が受動的に水を吹き出せるようにする
心臓マッサージは一方の手を胸骨下部1/2のところに置き、他の手をその上に置いて60回/分で圧迫する
胸骨が2-4 cm圧雛されるように行う
圧雛時の圧が、胸骨から抜けている時に息を吹き込むようにする
溺水事故で8時間後蘇生例もあり、死の確認がされるか、心拍が明らかとなり身体色調が回復するまで続ける
おおむね、5回圧迫 - 1回吹き込む

→ ABCを組合わせて行う
成功のサイン:
1. 瞳孔小さくなる
2. 顔色戻る
3. 力強い脈が触れる

__________1人の時_____________2人の時
呼吸______↓2回息を強く吹き込む__↓1回息を強く吹き込む
心臓圧迫__↑ 15回心臓を圧迫_____↑5回心臓を圧迫
回数______1分間に4回繰り返す___1分間に10回繰り返す

呼吸は15-20回/分 = 自分の数と同じで良い


低体温症

身体内部の温度がある一定レベルより下がり、筋肉や脳の働きに異状が起こる状態
低体温症症状出現より死に至るまで、時間的猶予ない。脳障害を起こし本人が対処できない(通常の体温計は低温を計れないことに注意)
血糖値(正常 100mg/dl) 低体温 → 低下
Ia. 36.5-35.0°C (70-50 mg/dl)

寒気。皮膚感覚の麻痺。筋運動の若干の鈍化。震い

Ib. 35.0-34.0°C

筋力低下。協調運動障害(歩行困難)。軽度錯乱(脳機能低下の証拠)。無関心状態

IIa, 蘇生率30%程度. 34.0-32.0°C (50-30 mg/dl)

協調運動障害(独歩困難)。上肢運動障害。意識障害(思考・会話混乱)

IIb 危険. 32.0-30.0°C

震い消失。身体の硬直。起立不能。錯乱状態

IIc. 30.0-28.0°C

筋硬直。強い傾眠状態。瞳孔散大。心拍低下。脈拍微動。

III, 蘇生ほとんど無理 → 凍死に至る. 28.0-26.0°C (< 30 mg/dl)

睡眠状態。心停止

原因
3要素 = 寒凪 + 風 + 湿潤

→ 水の熱電動度は空気の200倍 = 濡れに対し常に注意を払う

死亡例調査による低体温症の起こる要因
  1. 悪天候、特に暴風雪
  2. ビバーク: 余裕のないビバーク、疲労時のビバーク
  3. 衣服が濡れている場合、不十分な場合、特に下半身防寒用具が不十分な場合 - 足は体表の30%もある
  4. 疲労
  5. 経験不足、トレーニング不足
予防
装備 = 防寒防風
  • 悪天下行動で低体温症まで5-6時間。天候劣悪で身体運動が激しく防寒不十分で1-2時間
  • 症状出現により虚脱状態に陥るまで1時間
  • 虚脱状態から死に至るまで2時間
  • 発症から虚脱状態、死までは急速に進行し、3時間程度!
  • 濡れると通常衣服は保温力1/10程度に低下 → 濡れないようにし、濡れても影響少ないもの(化繊・ウール等)を着る
ビバーク
  • 衣服: 着られるだけ着る。可能な限り乾いたものに取り替える。濡れていても断熱作用はあるから(十分乾いた服がない場合は)決して脱いではいけない。上に雨具着る。無論寝袋あれば使う
  • 身体を寄せ会う
  • 水分・糖・塩測の補給を行う: 塩分補給(500 cc/スプーン一杯の塩) = (体温を上げるために必要)
  • 食料が少なければ、少量ずつ1-3時間おきに摂取
治療
早期に体を内部から温める → 外部から温めても1-2時間体温降下続ける(死亡まで3時間程度を忘れない)
寝袋には安易に入れない → 患者体温を上げるには外部から熱を与えねばならない
テント内温度を上げる

→ 患者の衣奈を脱がし熱が伝わりやすいように脱がせる → 両傍から衣類を脱いだ者で温める
→ 足その他の部位はポリタンクに40-50°Cの湯を入れ湯タンポを作り保温する
→ 大量に砂糖の入れた温かく薄めのコーヒー(紅茶)飲ませる(300-500 cc)

もし焚火が可能なら焚火にやり温めるのも一法
緊急時
重傷時には瞳孔反射も弱く心拍も弱いため死亡と誤ることがある
→ 胸を露出させ耳をあて心音を注意深く確認 → 判定困難でもすぐに心肺蘇生術遂行

凍傷

冷却により、生体組織が凍結し傷害されること

I°. 表皮発赤: 皮膚蒼白、無感覚 → 加温後疼痛 → 浮腫(むくみ)→ [10日] 皮膚落屑 → [2ヶ月] 皮膚冷感、発汗過多続く

II°. 水泡形成: 皮膚蒼白 → (組織)一部凍結 → [12-24時間] 加温後鬱血、水泡形成 → [10-24日] 加皮形成

皮膚知覚異状は2-3年続く(凍傷にかかりやすい)

III°. 潰瘍形成: 末節関節部より近位の組織凍結 → 皮膚黒色変化(壊死) → [3-5週] → 壊死部脱落 → 潰瘍形成 → 表皮再生(あるいは皮膚移植) → [2-3ヶ月] → 治癒

IV° 分晦脱落: 手足全体の凍結 → 骨・軟骨含む組織壊死、近位部知覚喪失

→ 乾燥壊死 → 黒化、乾燥 → ミイラ化 分離 → [2-3ヶ月] → 脱落
→ 湿性壊死 → 寛染合併 → 融解腐敗

→ 分晦後切断、断端形成、皮膚移植

凍傷に至る変化
  • 感覚 冷感 → 刺す疼痛 → 鈍痛(危険!) → 無感覚 → 無感覚域拡大
  • 色調 発赤 → 部分的チアノーゼ(紫色) → 蒼白 [= 処置緊急要する]

    原因: 衣類防寒具不備・食物摂取不足(特に脂肪)、疲労、外傷・固く閉めたアイゼンバンド、小さい靴・岸壁登拳のセカンドの足指・困難な稜線行動時のピッケルを握っている方の指・喫煙者(血管収縮)

  • 好発部位 = 指・頬、鼻
  • 足: 第1・第2指が80-90%占める / 手: 明らかな発生頻度差はない
予防
= 訓練 Ex. 本州から北海道に来た人は2-3年凍傷にかかりやすい

冷水・温水の交代浴(温2分、冷1分)
皮膚乾布摩擦 = 交感神経を鍛える効果がある
ビタミンEの秋冷季よりの服用(イベラ)

装備行動への留意
保温をよくする(保温力のあるもの、濡らさない)
血行をよくする
体調をよくし、十分な食料をとる
凍傷部分の感覚は失われ、気づかない内に耳や顔が凍傷になることがよくあり注意。目出帽、オーバーミトン使用。十分に濡れに対し注意を払う。血行をよくするために、衣服、靴はきつくないものを!
処置
→ できるだけ早く組織をもとに戻すことを考える
  • 無感覚域広がる前に体を動かしたり、その部をマッサージし血流を改善させる
    指を口腔内に入れ温める(足はポリ袋で包んで口に入れる) → できるだけ早くするために
  • 足はアイゼンバンド、靴紐を緩め緊縛を解く
  • 早期に湯を沸かし、37-42°Cの温湯中に浸す
  • 雪で摩擦することは厳に謹む(害)
  • 温かい糖分含有量多い飲料を飲む
  • 水庖は破らぬようにする
  • 羅患後は清潔な乾布で羅患部位を覆い締めつけぬよう包帯を巻く
  • 鎮痛剤・抗生物質投与(III度以上では凍傷部から感染しやすいため必須)
  • タバコ・酒厳禁: 患者と同一テントで喫煙しない → ニコチンは半量が喫煙中体内へ移行。3時間後40%、6時間後85%が尿中に排泄される。COは煙中に0.5-1.5%含まれる。少なくとも行動6時間前から喫煙を控える
  • 酒は抹消血管拡張作用があり熱放散を(一時的に)著しく高める - 血管拡張剤は安易に使わない
  • III-IVの時などで再生不可能な時は安全な所まで下りるのも一考

熱傷

熱傷面積計算法
両上肢と頭部 = 各々9% (9% × 3)
両下肢、背部、腹部 = 各々18% (18% × 4)
陰部 = 1%
として計算
→ 体表の50%を越えれば救命困難であり、20%以上で危険
広範な熱傷は1-2時間後にショック
程度
1°: 皮膚発赤 < 2°: 水庖形成 < 3°: 潰瘍 < 4°: 炭化
処置
直ちに患部を覆う衣類を鋏により(表皮傷つけぬよう)切り開き取り除き、冷水(雪面)に浸す。30分程度行うが凍傷にならぬよう注意(5分以上)
剥離した皮膚断片除去。ガーゼで厚く覆い、僅かに圧が加わる様に包帯を巻く
→ この後、医療施設まで包帯解かない(感染防ぐ)
軟膏塗らない(厳守!) 特に2°以上では
広汎な場合: 鎮痛剤・抗生物質を投与。水分喪失が著しいので多量の水分(2000-3000 ml/日)摂取

雪盲

紫外線による → ゴーグル、サングラス等で予防
日中発症せず、夜に痛みだすこと多い → 目の上から温めるか冷やすと痛みが和らぐこと多

外傷

山での外傷は致命的なことが多く、助からないことも多い
外傷を受けた直後は何でもないが、少し後から状態の急速な悪化が起ることがよくある
頭部外傷
転落・落石の予想される場所ではヘルメット着用が最大の予防
意識状態の見方

1: 3-3-9方式
2: グラスゴー方式 (7-9点 = 危険領域 → 早期治療。3-4点 = 治療困難)

病態
  • 頭皮挫創: 浅側頭動脈を両押さえ、創縁も押さえ止血。通常20分以内に止血される。髪の毛切り、創部を拭いて清潔なガーゼをあて三角巾を被せる
  • 硬膜外出血・硬膜下出血(骨の下、内): 外血腫では3-4時間後、下出血では15-30分以内の意識状態の良い期間(意識清明期間) → 後急激に意識は低下する
    山行中にあっては救命は極めて困難
    意識状態の増悪期は血腫側の瞳孔が拡大し始める
  • 脳挫傷・脳出血: 呼吸管理を行い窒息させぬよう気をつければ多くは救命しうるが、グラスゴー方式判定で5点以下の場合は救命困難
    移送よりもヘリコプターによる救助を第一義に考えるべき
  • 頭蓋骨骨折: 低部の骨折では耳、鼻からの出血が見られることがある
一般的対処
  • 安静にcomaの姿位 (横向きで顔をややうつぶせ気味に寝かせる)
  • 30分以内に意識が会話できる程度に回復しない場合は、直ぐヘリコプター要請連絡
  • 意識回復後も、水・食物摂取控える
  • 夜間も傍らから離れずに継続的に観察を続ける
  • 顔面挫傷: 頭部外傷に準ずる対処を行う
  • 鼻出血: 座らせ、頭部をやや前に傾けて鼻根部から鼻梁全体を両側より圧迫する
    仰向けにしてはいけない → 血液を飲み込ませぬよう留意する
胸部外傷
肋骨骨折・胸膜骨折・気胸、肺損傷
各々の場合の呼吸時における胸部と肺の動き (略)
対処
  • 肋骨骨折: 幅広い絆創膏で肋骨に沿って患部を覆うようにこて広く圧迫固定する
  • 胸膜骨折: ワセリンを塗ったポリ袋で穴を多い上からガーゼを厚くあてて圧迫 → 緊急 (遅れると死亡率高い)
  • 気胸: 運動できないのでゆっくり行動する → 咳の後で急に胸がつまる
  • 肺損傷: 喀血(泡沫を交える)にて知る。抗生物質投与
腹部外傷
腹壁の打撲・挫傷。脾・肝・腎等の破裂による内出血
その他の臓器(膀胱・腸管等)の破裂、挫傷: 上記の組み合わせ
脾・肝破裂
強い上腹部痛 → ショック(脈拍速・蒼白・不穏)
特に胆の出血は手術による止血まで止まらない
腎破裂
中背部の打撲。背部痛、血尿。ショックに対する措置
Ex 62年 ニセアカ
膀胱・下部尿道損傷
尿がでない → ショック
下腹部強打、尻からの転落。下腹部痛、強い尿意、少量の血尿
→ 飲まない、食わない
腎以外は腹膜炎を起すことがあるので抗生物質投与・患部冷却・鎮痛剤投与
腹部開放損傷
仰臥位(仰向け)にし、腹部の力を抜かせ大きく深呼吸させながら(腸が内部に戻りやすい)腸管を清潔なガーゼで包み、ゆるゆる円を描くように創部から腹腔内に戻す(直に触れない)。この時両脚は軽く曲げ膝を立てる。次いで、上に厚く清潔なガーゼを当て、両側から創部を縮めぬようキツく絆創膏固定する
水分食物節食しない・ショックに備え下肢を挙げる・移送は担架にて行う・腹膜炎を併発するためやや多めの抗生物質投与を行う
Ex. 1968年 定鉄 - 創部よりの腸管脱出
その他の外傷
一般的に以下の措置は忘れてはならない Ex. 擦り傷
1. ともかく泥や異物を除去! - 傷口は出来るだけ触らない

創部消毒し広く清潔にする - 少なくとも創部から5 cm位は消毒
消毒液がなければ、逆性石鹸を使いきれいな水で洗い流す

2. 止血: 止血は近位動脈圧迫。創部周囲圧迫により行う

清潔なガーゼを十分に湯て、可能な武位はきつく固定する(圧迫止血)
止血後は6時間後にガーゼを取り替え固定を緩める → 出来るだけ早く病院へ(8-12時間)
薬は使うな。軟膏・マーキロ厳禁。縫合は論外

止血法 (hemostatic technique)


原則: 出血部より近位の動脈圧迫あるいは創部圧迫により止血を行う

→ 止血不能時に止血帯使用(緊縛-弛緩の時間 = 1:1)
→ これらにより止血しない場合は組織壊死を覚悟の上で緊縛を持続する
通常出血は大くても直接圧迫止血法で止まる。止血帯法は他が不可能な時(医師指示なしではむしろ危険)

動脈圧迫による止血

頭部出血: 浅側頭動脈 = 耳介の前、頬骨の上
肩出血: 鎖骨下動脈 = 鎖骨後部の凹み、中央頻近 → 肋骨に圧迫する

上腕出血: 腋が動脈 = 腋の下、上腕骨に向けて圧迫
肘、前腕出血: 上腕動脈 = 肘武内側、上腕二頭筋下端の内側
手出血: 尺骨、骨動脈 = 手首、内側、外側
大腿部出血: 大腿動脈 = 鼠径部
足出血: 足首脈 = 足の甲の最も高い部分より4 cm外側。あるいは足首の全ての動脈
両脚を20-30°あげれば輸血の代用になる。多量出血時は温めても、水を飲ませても無駄(むしろ逆効果)

骨折・脱臼・捻挫・その他


外傷と共に発生すること多いので注意

骨折 fractures

  1. 単純骨折 closed fracture・複雑(粉砕)骨折 open fracture
  2. 閉鎖骨折・開凧骨折
  3. 合併症: 骨折 + 血管損傷・神経損傷・感染・壊死・臓器損傷・(ショック) - 合併症が重度な場合が多い
診断
a. 自発痛・圧痛
b. 腫張・皮膚色変化(紫斑形成)
c. 変形
d. 他のショック症状・足短縮(大腿骨骨折)等
治療および運搬
1. 固定
  1. 骨折・脱臼(疑わしい場合も)は、必ず副木で固定する → ショックの予防。保温(汗を掻きすぎないよう)
  2. 固定は骨折部と両隣の関節を固定しないと意味がない
    safety
    大腿の場合は股間節と膝関節。上腕の場合は肩関節と肘関節
    safety
    提肘固定三角巾手順: 上肢(腕)骨折や脱臼に多く用いる方法。指先は抹消血行障害確認に出しておく
    雑誌も副木代わりになる
  3. 元形に骨折肢を戻す際は慎重かつゆっくり → できなければ折れたままの状態で下山まで固定。元形整復が少しでも困難なら、その形で固定。ただし長距離移送時は、やむを得ないが非常にゆっくり整復を行う
    出血性ショック: 衣類を緩め下肢を高挙する
    開放骨折: 皮膚損傷部位を消毒ガーゼで厚く覆い、きつくならぬよう絆創膏固定。抗生物質投与
    移送: 骨折肢を動かさぬように留意(特に脊椎等)。
肋骨と脊椎の骨折の扱い方
肋骨骨折
頸椎損傷
骨盤骨折: 固定不要。鎖骨はそれほど心配いらない。足骨折は靴で固定しても有効
脊椎骨折: 神経症状(麻痺)に留意し移送は最大の安静度を要するため行わずにヘリ搬送が望ましい
搬送: 1. 意識消失時はうつ伏せで。2. 担架搬送法
脱臼
骨折の症状に類似し、関節の変形、過運動性を伴う。痛み

脱臼関節の固定は骨折に同じ
指、肩、下顎関節に多く発症。次いで肘、膝関節に起きる(この時は既に関節は壊れているのが普通)が、後者は靭帯の損傷を伴うことが多い。特に膝関節の場合は骨折に準じ移送は担架により行う

筋および腱の断裂
損傷部の凹み

患部冷却と固定。治療は急を要し、24時間以内の手術が(再生作用が働くため)完全治療率が高い。

捻挫
関節が一定の可動範囲を超えた時に、関節包や靱帯等に断裂などを生じること

1) 軽度: 痛みを感じ、最小限の内出血がある
2) 中度-重度: 甚だしい痛みを感じ、本来の機能が失われる。直ぐに腫れが起こり皮膚の色が変わる
患部安静冷却(72時間)、圧迫(弾性包帯)、テーピング(固定)、患肢挙上
中度-重度は直ちに医師に診断をあおぐ
ICE: 冷やす ice + 圧迫 compression + 心臓より高く上げる elevation

腱鞘炎・腱炎
それほど心配いらない。固定不要・温湿布 (炎症が強ければ冷湿布)・消炎鎮痛剤
靴擦れ
予防: 摩擦の少ない靴下を一枚内側に履く(婦人ものストッキング等)
水泡形成前に絆創膏で覆う。水泡形成後は針穴を開け上から絆創膏で覆う

非外傷性疾患


1. 呼吸器系疾患
テント内タバコ厳禁!
気管支炎: 絶え間ない咳・粘調の喀痰・微熱・しわがれ声

十分な水分摂取・温かい飲み物・湯を沸かし蒸気吸入・抗生物質・安静・テント内保温
→ [進展] → 肺炎: 頻脈・発熱(> 38.5°C)・呼吸困難感・頻繁な呼吸・悪寒・咳・緑色痰
気管支炎と同様の対処、早期下山。抗生物質必須

喘息: 呼吸困難(呼気困難)・喘陳 (ヒューヒュー・ゼーゼー)

安静・水分多量摂取・蒸気吸入
過換気症候群: 過換気(早く深い呼吸)・息切れ・頻脈・目まい・失神・窒息感・(+ 神経質)
ポリ袋を鼻と口を覆うように当てゆっくり吸気、止め、ゆっくり呼気 → 脳中CO2濃度を高める

2. 消化器疾患
急性腹痛
急性胃腸炎: 下痢・嘔吐・腹部全体の圧痛・腸グル音

ブドウ球菌腸炎: 潜伏期1-6時間(平均3時間) - 急性胃腸炎と同様の症状にて複数者の発症
食物アレルギー
ウイルス性腸炎: 下董・インフルエンザ様症状
水分補給、ブスコパン

消化不良: 食後1-4時間、少量の嘔吐、胸焼け

制酸剤・鎮痛剤

虫垂炎: 腹部不快感 → 腹部中央疼痛 → [1-3時間] → 右下蔵部痛

悪心、嘔吐、右下蔵部に強い圧痛、発熱 (38°C)
虫垂破裂により疼痛は一時治まるが → [2-3時間] → 腹膜炎により、激痛が腹部全体に出現する
極めて危険 → 直ちに下山し、担送。抗生物質投与。絶食

ヘルニア嵌頓
鼠径ヘルニア: 嘔吐、腹部膨満、排便停止

ヘルニアをおさめる。腹部を高くし、外藻から少し圧迫する。戻らなければ、直ちに下山

腎結石: 鋭い刺すような背部痛(第2肋骨の高さ)、悪心、嘔吐、時に発熱

→ 大量の水分摂取、可能ならジャンプ

胃痙攣 stomach cramp: 上腹部の締めつけられるような疼痛 → ブスコパン
過食性大腸炎: 下痢あるいは便秘、精神的ストレスが原因。小さい粒状塊と大量の粘液の便
消化性潰瘍: 上腹部痛(みぞおち)に刺すような痛み。食後1-4時間あるいは午前0-2時頃

時に立ちくらみ、吐血、下血、タール便(佃煮状)、コーヒー様の嘔吐
制酸剤、ミルク摂取。アルコール・コーヒー・茶・香辛料禁止。安静

赤痢・腸チフス: 省略
便秘: 水分摂取 痔・裂肛・痔核: 特に冬は悪化しやすい。軟膏塗布・温刀 → 温める(ポリタン等を用いる)
3. 泌尿器系疾患
膀胱炎: 排尿痛・頻尿・時に微熱・時にわずかな尿 → 抗生剤
腎炎: 高熱(> 38.5deg;C)・背部中央よりの疼痛・血尿
→ 安静・水分摂取・抗生剤 → 38°C以上の熱が半日続くときは、対応できないので下山せよ
4. 中枢神経疾患
失神: 脳貧血、放尿失神 ? 安静。(他の病気の可能性があるため)繰り返せば下山
痙攣: 舌を噛まぬように留意。再発するようなら下山

日射病・熱射病・高山病


日射病

頭痛、めまい、吐き気、疲労感。顔面紅潮。発汗止まり、皮膚はカサカサに乾燥し、脈拍強く速くなる
対処
風通しよい涼しい場所に移し、呼吸しやすいようアゴを突き出すような形をとらせ、上半身をやや高くし寝かせる。衣服を緩め、濡れタオルなどで体を拭いたり、タオルなどで扇いだりして体温を下げる
意識がある場合: 冷たい水か薄い食塩水、又はスポーツドリンクを飲ませる。決して、いきなり水を体にかけたりしない。この処置をしても意識が薄れてくようなら呼吸の有無を調べる。呼吸がなければ、人口呼吸を行う

熱射病(熱疲労)

高温多湿環境下で長時間行動し体力消耗し、大量の汗をかいたのに十分な水分補給をしない場合に起こる脱水性ショク症状
軽度: 蒼白(四肢 → 体幹)、発汗、寒気:脈拍が弱く速くなり血圧低下
重度: 不安、興続状態、昏迷状態、錯乱状態 → 昏睡・死亡
対処
風通しのよい涼しい場所に移す
汗で濡れた衣服を乾いた者に着替えさせ、シュラフなどで保温
足をやや高めにして寝かせる
薄い食塩水、又はスポーツドリンク等を飲ませる

高山病

2700-3000 mでも羅患。若年者(20歳代)発症しやすい
予防
高度障害を避けるには、水を十分補給し利尿を促す事が大切
夏山では水分補給が特に大切になる → 水は多めに持っていく
a. 非特異的高山病

頭痛・目まい・易先労感・息切れ・食欲不振・悪心・嘔吐・全身倦怠感・呼吸困難感 → 下山(1000 m代へ)
2-3日様子を見て、回復するなら高所に順応していると考えられるので再登山可能

b. 特異的高山病: 高所性肺水腫・高所性眼底出血等

高所性肺水腫: 泡沫を交えた水様の多量の客痰 = 死亡率大
意識障害: (特に)夜間発症 → 高所性脳挫傷(意識障害・運動障害)
夜間であっても直ちに下山。テント撤収は他の者が行い、患者と付添は直ぐ行動開始

リュックサック症候群

両上肢のしびれ・筋力低下 → 背負紐部分にパッドをあてる。両肢、肩の体操により血流回復を図る

雪崩


遭難者発見後の対処
顔通と胸藻が掘り出されれば直ちに心肺蘇生術(-10分)を行う
四肢を掘り出す際には引っ張ったり曲げたりせぬようそのまま掘り出すようにし、骨折の可申性に備える
直ちに安全な場所へ運んでテント内へ収容し治療を行う
骨折・打撲・捻挫・凍傷等のチェックを行い、それらが疑われれば対処する

医療装備計画


太線は特に必要 | 野外調査道具 (field equipment)

薬品

消炎鎮痛剤: セデス他
感冒剤
鎮痛剤: ブスコパン(腹痛)
抗生剤: マクロマイシン・ミノマイシン(年々改良品がでる)
消化剤: タカジアスターゼ他
整腸剤: ビオフェルミン + 正露丸
その他持病薬: 痔治療薬・便秘薬
抗生物質軟膏
ステロイド軟膏
消毒剤: 逆性石鹸・イソジン他
ビタミン剤(長期山行時)
あれば: 下痢止、抗ヒスタミン軟膏、点眼薬(大学スーパーS)、湿布薬(セクール・ゼラップ)、キンカン(夏)

医療材料

三角巾(105 cm x 150 cm位がよい)
包帯・弾性包帯
ガーゼ
脱脂綿

体温計
テーピングテープ(幅広絆創膏)

その他

リスト及び各薬品使用説明書

薬の形状

散剤・顆粒剤

細粒granule, FG
顆粒
穀粒

粉状: 細かな粒状の薬。顆粒よりも粒の小さなもの
錠剤: 粉を固め大きな粒にしたもの
カプセル剤: カプセル中に散剤や液剤を入れたもの
注射液剤・粉末注射剤: 注射器に入っている薬
外用・内用液剤: 液状消毒剤や、シロップ剤などの飲薬
軟膏・クリーム剤: 塗り薬
パップ剤: 湿布など貼る薬

野外調査事故対策


• 学院アナウンス 野外調査事故対策 (保険) (内部限定) に手続きは移動

 修士および博士課程において、野外調査を中心とした研究を行う場合には、必ず、下記の保険に加入すること。統合環境調査法実習に参加する学生については、将来、野外調査を中心とした研究を行う者が多いであろうし、野外実習については、教官と離れて行動することもありうることから、実習前に下記保険に加入していること。本実習では、2007年度実習中に、過度な花粉症のために1名が実習を途中で取り止め病院に行くこととなった。1年生を対象とした一般教育演習「湖と火山と海藻と森林の自然(フィールド体験研修)」では、掛け捨ての団体障害保険に参加者全員が加入していることに見られるように、野外実習では傷害保険は必須のものと思ってよい。

 傷害保険のもう一つの目的(むしろこの目的が主)は、災害あるいは遭難発生時に救助への初動を早くすることにある。本保険の特約に「救援者費用担保特約保険金(1000万)」を含めているのはそのためである。

野外調査における安全と事故の防止
野外調査の安全マニュアル案 生態学会 野外安全管理委員会 編
地球環境科学研究院「安全と環境」安全マニュアル

傷害保険


普通障害保険

 被保険者が、国内・国外を問わず、急激かつ偶然な外来の事故によって身体に傷害を被った場合に保険金を支払う保険。交通事故・旅行・スポーツ等の日常生活の様々な事故による傷害に対し保険金が支払われ、補償範囲は広いが、日焼け、靴ずれ、細菌性食中毒、心臓マヒ、日射病、癌、その他職業病等は、支払い対象とはなっていない。

種類 (茶色の部分が、本普通障害保険)

普通障害保険: 死亡保険金, 後遺障害保険金, 入院保険金, 手術保険金, 通院保険金
特約: 臨時費用, 損害賠償責任, 遭難捜索費用

< 救援者費用担保特約 > について Q & A


質問① 国内旅行傷害保険、海外旅行保険約款内の「遭難救助隊」の定義。
回答: 行方不明者を捜索する為の民間、公的機関、ボランティアを問わず、全ての捜索、援助活動に要した費用は対象になります。

質問② 公的機関のヘリが捜索中に、(被保険者の家族が依頼した)民間ヘリは捜索地域に入る事ができるのかどうか。
回答: できます。

質問③ 公的機関の捜索終了後、(被保険者の家族が依頼した)民間ヘリの費用は保険金支払の対象となるのかどうか。
回答: 対象になります。

質問④ (1回目の)捜索が終了し、半年すぎた後で、(被保険者の家族の依頼により)任意の隊が遺体確認の為に要する費用は保険金支払の対象となるのかどうか。
回答: 対象になります。但し、親族が現地に向かう費用は1回分しか認定できません。

※また、いずれの場合も当会社の支払責任に該当しないものは対象外です。(救援者費用等担保特約条項、第1条 ① (4) P172参照) 単に行方不明で、事故に巻き込まれたか否か判らない場合は対象にならない場合も有ります。

2003/8/22

関連する保険とその違い

名称 保険金(費用の範囲) 保険金の削減 保険金の按分 備考
傷害保険 救援者費用担保特約 ① 捜索援助費用 ② 交通費 ③ 宿泊料 ④ 移送費用 ⑤ 諸雑費 × 運動危険割増の必要な運動により発生した費用については保険金は支払われない。
傷害保険 遭難捜索費用担保特約 山岳登坂の行程中に遭難し、その為の捜索、救出、移送費用 × 山岳登坂をするために運動危険割増を付帯した契約の救援者費用に対しての特約。
国内旅行傷害保険 救援者費用担保特約 ① 捜索援助費用 ② 交通費 ③ 宿泊料 ④ 移送費用 ⑤ 諸雑費 × 山岳登坂の遭難危険はこの特約を付帯していれば担保される。※
海外旅行保険 救援者費用担保特約 ① 捜索援助費用 ② 航空運賃交通費 ③ ホテル等客室料 ④ 移送費用⑤ 遺体処理費用 ⑥ 諸雑費 山岳登坂の遭難危険はこの特約を付帯していれば担保される。
※運動危険割増該当の運動により発生した費用については、割増保険料を領収していない場合保険金が削減される。

実習・講義時の事故のために多くの学生が加入している保険

名称対象注意
学生教育研究災害障害保険日常生活、国内での正課の講義・行事・実習における賠償事故正課の解釈は裁判例があり、解釈論の範囲となる。
学生賠償責任保険上記に類似生協

迷っている場合には、指導教官や教務委員と相談すべし。

実験安全教育


まずは、実験プロトコル (protocol)をよく読むこと。
  1. 法的規制の上からの適正な薬品等の危険物の管理にあたる
  2. 学生の安全上の留意点
    1. 多量の薬品を一時に購入しておかない
    2. 分類して保存する。特に、毒・劇物等は別個の保管庫に厳重に保管する
    3. 安全な収納の仕方を工夫
    4. 薬品は必要な量だけ取り出す。使用後は適切な処理をする。そして必ず使用量を記帳する
    5. 定期的に点検・安全確認をする
  3. 指導における留意点

experiment
[レポートについて]

取り返しのつかない事故が案外一寸した不注意から生起するので
安全に関しては出来るだけ慎重に、正しい操作をよく教えてから取り扱わせる

生物学実験(必修)を始めるにあたって

過程で基礎的技術修得のみならず、自然現象に対する観察力と考察力が養われ、生物並びに生物科学について、さらに自然科学全般の理解を深めることが期待される。限られた回数と時間で行うものなので、個々の実験において具体的指導に従い、能率よく成果を挙げられるよう各人の努力が望まれる
一般的注意事項
  1. 実験室・台は常に清潔に保つ: 土足厳禁(室内は専用スリッパ使用)。実験台に実験に不必要なもの(カバン・コート等)を置かない。白衣は必ず着る。実験室で飲食、喫煙しない(病原菌を扱う時特に危険)
  2. 実検器具・材料は教えられた通り正しく扱う: 各実検毎に必要なガラス器具等は5-6人分又は1グループ分を収納箱に入れて試薬等と共に実験台上に置いてあるので、実検にかかる前に種類・数を点検する。機器操作・持ち運び・収納等は慎重丁寧に行う。器具、測定機器等尾を破損した場合は直ちに届け出る。怪我などの事故が生じないよう十分に留意すること。そのためにも正しい実験方法と機器の操作法で行う
  3. 使用後の器具は全てよく洗うなり拭くなり、適切な手入れをし収納: ガラス器具はよく洗浄し乾燥カゴへ伏せる。スライドグラスは洗浄後、ガーゼで水分を拭き取りケースに納める(微生物実験 = スライドグラス、カバーグラス等は使用後消毒液につける)。使用済カバーグラスは流しに置いた専用ポリビーカーに入れる。試験管は伏せて試験管立に置く。器具・試薬等の数を点検し所定の位置や収納箱に戻す
  4. 電気・ガスの後始末を忘れない
  5. 実験進行状況により所定時間内に終わらないことも生じうるが原則18時30分までに終了退室する
  6. 指導教官中座時に、培養液をこぼした、手を切った等の緊急の用が生じた場合、責任者(生物準備室)に行く
  7. 微生物実験:
    a) ラベルは絶対舐めない
    b) 菌は常に手についていると思え → 部屋を出るとき必ず手を洗う
    c) 白金耳、白金線は使用後必ず火焔滅菌する

酸・アルカリ


無機-有機/強-弱

1. 酸

無機強酸 = 硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸
有機強酸 = トリクロロ酢酸、スルホン酸、ピクリン酸
有機弱酸 = リン酸、ホウ酸、炭酸は無機弱酸、各種有機カルボン酸
取扱上の注意
主な事故原因は、無機酸の硫酸、塩酸、硝酸の高濃度のものと特殊作用をもつフッ酸
  1. 硫酸(発煙硫酸、濃硫酸)、硝酸(発煙硝酸、濃硝酸) → 火傷(時に失明) + 爆発、発火[分解爆発性物質附加]
  2. 無機強酸、クロロスルホン酸、トリクロロ酢酸 = 腐食性(フッ酸は腐食性大 = ゴム手袋着用) → 直ちに水洗
  3. 硝酸、塩酸、無水・発煙硫酸、フッ酸等 = 有毒ガス発生(フッ酸は、呼吸器・視覚障害大 = 防毒マスク着用) → 吸収しない
  4. [硝酸 = 酸化性]、[硫酸 = 脱水性] + 発熱大 → 有機物と混合するとき発熱、発火することがある
  5. 硫酸 = 希釈時に発熱大(下欄参照) + 他の酸 = 濃アルカリとの中和時に中和熱大 → 希薄溶液を中和、薄い溶液に他の濃厚溶液をかき混ぜながら少量ずつ加える
(1) 硫酸H2SO4
無水硫酸、発煙硫酸含む
危険性: 単独では爆発性、引火性ない
腐食性・生体作用: 種々の金属と反応し、多くの場合水素ガスを発生し、有機物からは脱水、その際発熱し発火することもある。生体腐食反応は濃硫酸、熱硫酸において激しく組織が破壊され、薬火傷を起こし、目に入れば失明することもある。加熱された硫酸、または発煙硫酸の蒸気は多量に吸収すると肺組織の損傷の原因となる
使用上の注意
  1. 強酸化性物質、分解爆発性物質、金属粉及び有機物と接触、混合すると、発火、爆発することがあるから、これらと離れた安全な場所で取扱う
  2. 薬火傷の原因となるから身体各部に触れないようにする
  3. 比重大 → 大きなガラスビーカに入れ取扱うときは、両手で底を支え持つ(上部や縁を持つと割れる)
  4. 無水硫酸(SO3)、発煙硫酸を希釈する時は、できるだけ濃い硫酸を用いる
こぼれたときの処置
放置はコンクリート床や金属を腐食 + 有機物炭化 → 動かせるものは水洗 + 多量の水で希釈 + ゴム手袋をして拭きとるか、水で希釈し重曹や石灰で中和後拭きとる
濃硫酸が衣類に付着 → 直ちに多量の水洗 → 希アンモニア水か1-2%の重曹(炭酸ナトリウムでも可)で中和 → さらに十分水洗。希硫酸でも時間がたつと濃縮され布地をおかすから、中和水洗する
事例
  1. ピペットで吸うとき、口中に吸い込む
  2. 希硫酸作成時に、濃硫酸に水を加えると発熱し飛沫が目に入る。ビーカが急熱で割れ、硫酸がこぼれる
  3. 有機物の融点測定で、熱濃硫酸が入った融点測定管が破損し、硫酸が手や顔にかかり火傷を負う
  4. 濃硫酸のしみ込んだボロ布を、廃油のついたボロ布と一緒に捨てたため発火した
(2) 塩酸HCl (HCl 35-38%)
危険性: 塩酸自体では危険性少。各種金属と反応し、水素発生に注意
腐食性、生体作用: 殆どの金属をおかす(プラスチック類はおかさない)。皮膚や粘膜に付着すると炎症を起こすが、硫酸より低度。むしろ塩酸から発生するHClガスとミストの吸入による危険高い(塩酸ガス許容濃度5 ppm)
使用上の注意
密栓した瓶を開く時に内圧高い → 内容物が吹き出す
顔を十分に離し、瓶の口を外方向に向け開けること。腐食性大きく、塩化水素ガス、ミストは有毒である
漏れた時の処置
化学反応性は、幾分異なるが、処置は硫酸とほぼ同じ
衣類に付着したとき
硫酸と同
事例
夏季、塩酸の新しい瓶の開封時、内圧のためガス吹き出し、身体に浴びる
(3) 硝酸HNO3
発煙硝酸含む
危険性 (硝酸自身は爆発性、燃焼性、引火性、自然発火性はない): H2SO4やHClと異なり酸化性がある
取扱上の注意
硫化水素、二硫化炭素、アセチレン、ヒドラジン類、アミン類等と酸化反応が激しく、混合すると発火か爆発
アルコール、グリコール、グリセリンや含酸素、含イオウ化合物や木片、紙、紙くず、ボロ等の多くの有機物質と接触すると、エステル結合や不安定化合物の生成により爆発や自然発火(大部分の金属とも反応)
腐食性・生体作用
腐食・酸化作用あり、皮膚、粘膜に付くとピリピリ刺激し、黄褐色の薬火傷となる。目に入ると損傷起こし、視力失うこともある。飲み込むと酸性のため胃腸組織を腐食する。濃硝酸、発煙硝酸からは窒素酸化物ガスを発生し、吸入すると呼吸器をおかす。許容濃度10 ppm
窒素酸化物ガスによる障害
最強毒性なのが二酸化窒素NO2 (赤褐色)と三酸化二窒素N2O3 (濃青色)
5 ppmのガスを8時間連続吸入 → その時は何でもなくとも5-48時間に後肺水腫症状が起こることがある
500-1000 ppmでは1回吸入で短時間内に致死
使用上の注意 (消防法第6類の危険物)
有毒NOxガス発生し、そのもの自体も酸化性ある
こぼれた時の処置
化学反応性は硫酸、塩酸と幾分異なるが処置は概ね同 = まず水で希釈
有害酸化窒素に注意し吸入しない。すぐソーダ灰・石灰中和すると、中和熱のため酸化窒素ガス発生増える
衣類に付着したとき
硫酸、塩酸の場合と同じ
水洗後に2%重炭酸ソーダ水(炭酸ソーダ水溶液も可)または石灰水で中和、さらに十分水洗する。特に木綿、レーヨン類は濃硝酸がつくと、ニトロセルローズが生成するため燃焼する恐れがあるので、放置しない 衛生上の注意
窒素酸化物ガス発生可能性のある場所は良く換気する
ガスを発生させてしまった時は直ちに部屋から退去し、換気を十分に行った後でなければ入ってはいけない
起こりやすい事例
濃硝酸を手にこぼす → 黄色化、のち火傷
(4) フッ化水素酸(フッ酸) HF
普通市販品は40-50%
注意: ガラスの目盛付け、模様付けやツヤ消し、金属表面処理剤にはフッ化水素酸を含むものがあるから、これらはフッ化水素液が入っているかどうかを確かめてから取扱う
危険性、毒性
金・白金以外の殆ど全金属を溶かす(鉛は、そのフッ化物が水に溶けにくいので、容器または内張用として用いられる)。二酸化ケイ素、陶磁気、ガラス等のケイ酸塩を腐食し、揮発性の四フッ化ケイ素を生ずる
腐食、生体作用
金属、珪酸塩、エナメル、亜鉛鉄エッチングに使用 = 人体影響も激 (許容限度3 ppm)
皮膚に付くと激しい刺激と共に薬火傷を生じ、組織内に浸透するため、他の酸よりひどい
目に入ると目や瞼に強烈な痛み - 長時間(永久的)視力障害や失明。呼吸器に入ると気管や肺に激しい炎症・充血起こし最悪は死に至る。飲み込むと、食道や胃に壊疽を起こし嘔吐、下痢、循環系統の瓦解を起こさせ、死に至る
防護・予防
必ずゴム手袋使用 + 防護マスクも用るべき + 蒸気ミスト等避けるためドラフト中で取扱う
排ガスはアルカリ洗浄し、外へフッ化水素ガスを絶対出さない。ケイ酸塩と触れると強毒性のケイフッ化水素ガスが発生するから、ガラスのエッチングやケイ酸塩分析の時は細心の注意
こぼれたとき: 床等では十分注意しながら水で薄め、炭酸ソーダかその溶液を少しずつ添加、中和し、腐食作用のないNaFとする。なお、ガラス等と反応し、ケイフッ化水素ガスを発生するから、それにも注意
衣類付着時
直ちに身体から衣類を離し、多量の水で洗い流し、2%位の重炭酸ソーダ(炭酸ソーダ水溶液)で中和
さらに十分水洗

2 アルカリ

事故頻発 → 強アルカリ性の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カリウム(苛性カリ)、弱アルカリ性アンモニア水
取扱上注意
  1. 濃厚及び加熱水酸化ナトリウム溶液は腐食性大きく、特にタンパク質分解し、組織深部に浸透 → 皮膚、衣類に付かないよう
  2. 濃または熱アンモニア水も刺激作用があるが、水酸化ナトリウムよりも弱い。しかし、有毒のアンモニアガスを発生するので注意が必要。許容濃度100 ppm
(1) 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ) NaOH・水酸化カリウム(苛性カリ) KOH
腐食性・生体作用
水溶液は各種金属を激しく腐食し、水素を発生する。身体に対しては浸透性があり、タンパク質を分解し、組織を破壊する。特に溶融状態のときは、腐食作用が著しい。水溶液が目に入った場合は、視力の低下や失明の原因となる。飲み込んだ場合は、食道、胃壁に炎症を生じ、胃壁穿孔することもあり、死に至ることもある
溶解時の注意
固形水酸化ナトリウム溶解 → 非常に発熱し沸点またはそれ以上の温度 → [注意] 飛沫となり飛び散る
→ 水に少しずつ攪拌しながら投入し溶解
こぼれたときの注意
水洗か、薄めてから希酢酸で中和後、拭きとる
衣類付着時
直ちに多量の水洗し、希酢酸(2%)で中和後、さらに水洗する
羊毛や絹等の動物性繊維の方が植物性繊維より容易におかされる
(2) アンモニア水NH3(aq)
市販品通常25-28%水溶液
腐食性・生体作用
銅、銅合金、アルミニウム合金に対して腐食性
身体に接したときは、局所に刺激作用があるが、目に入った時と飲み込んだとき以外はそれほど問題ない。注意すべきは、発生するアンモニアガスの吸入(許容濃度100 ppm)
使用上の注意
密封した瓶の栓を取るとき、室温が高いと容器内圧力が高くなっていて、内容物が吹き出す
→ 開栓時は、顔を栓の上に近づけてはならない。瓶の口を遠方に向けて開く
こぼれたとき、衣類に付いたとき: 多量の水で洗浄することで足りる
起こりやすい事例
  1. 夏季に瓶を開けるとき、内容物が吹出し、これを顔にまともに受け呼吸困難となる
  2. アンモニアボンベのバルブの閉めが不完全で、ガス漏れが止まらず避難が必要となる
  3. 手製容器にアンモニアガスを充填し、布で包んで運搬中、溶接箇所が切断破裂し、アンモニアにより凍傷を受けたり、呼吸器障害になる
  4. 未反応アンモニアを溶解した反応生成物の臭いを直接かぎ卒倒する

有害化合物


= 猛毒物質
リン酸 phosphoric acid
ピロリン酸等類似化合物と区別する時はオルトリン酸と呼ぶオキソ酸の一種
化学式H3PO4 (mw = 98) → 単体は斜方晶系に属す不安定結晶かシロップ状無色液体
融点42.35°C, 水・アルコール・エーテル可溶
シアン化合物
シアン化水素(HCN)、KCNの他、鋼・鉄・銀等金属化合物
メッキ工場や鉱山廃液 → 水質汚濁防止法「有害物質」指定
公共用水域排出排水基準 < 1 mg/l。シアン含有物地下浸透禁止
公共用水域及び地下水の水質汚濁に係る環境基準: 全シアンは「検出されない」
土壌汚染に係る環境基準: 「検液中に検出されない」
シアン化カリウム potassium cyanide(KCN)
= 青酸カリ potassium prussiate]
式量 65.12。無色、立方晶系(NaCl型構造)粉末。融点634.5°C。密度1.52 g/cm3(16°C)。潮解性で水溶解度41.7 g/100 g(25°C)。エタノールやグリセリンに微溶
[工業] 炭酸カリウムと炭素混合物をアンモニア気流中で加熱合成。水溶液は空気存在下で多金属と反応しシアノ錯体生成 胃酸と反応しシアン化水素発生(猛毒, 致死量約0.15 g)

[害虫 (vermin)]

参考


資料 (救急法は進歩するので常に新しいのを読むべし)
  • 越前谷幸平氏(北大山岳部OB). 1981.12. 6. 講習会 山行中の救急医療 (資料を中心にまとめる)
  • 北海道大学薬学部附属薬用植物園(編). 1990. 植物目録. 附属薬用植物園, 札幌
  • 岡部和彦. 1973. 新版登山技術. 山と渓谷社, 東京 pp. 268 + 17
  • 澤村正也. 2018. 研究室マネジメントの基盤としての安全衛生. 安全衛生FD講習会 (1月10日)
  • 豊川山岳会. 2002.10.6. 講習会 登山安全のために, 豊川体育館
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