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西オーストラリアのボーキサイト採掘跡地の調査に行く前には、安全マニュアルを手渡され、講習を受け、最後に試験をパスしないと調査地に入れてもらえなかった。日本で、このようなことをしているところはあるのだろうか。 野外調査では、危険はつきものである。だからといって、危険に遭遇してもよい、という訳にはいかない。また、事故に遭遇してしまった場合には、迅速な対応が、安全を取り戻す最善の策である。 |
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必要最低限知っておくべきことエチケット = 疾病・負傷事故防止遭難対策カード(手帳): 登山行動中携行(ザックの裏ポケット等に) - 行程は残留者に明示 遭難発生時の連絡先、連絡方法、意識不明時を想定し、第3者に自分を照会するカード 今は、携帯電話番号も記入 (私しゃ、持ってないけど) 周囲に不快な思いをさせる服装・態度をとらない 互いに仲間の体力消耗に注意 - 体調が悪いのを隠すな! 一番弱い者にペース揃えカバーしながら同一行動とる。一人勝手行動とらない 他力本願禁物。仲間を当てにしない リーダーの決定には協力し従い努力を惜しまない 持ち物には全て目印をつけ、他人の品と混同しない 本・地図等により、目的の山・コースに対する予備知識を深めておく 事故は何気ないところで起こる
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登山計画書 (= 我々には調査計画書)登山計画書 _______________御中___________________________年__月__日所属 ___________山岳連盟(協会) 団体名 _____________ 緊急連絡先 所在地 _____________ 氏名 電話 _______________ 電話 昼間 __________ 夜間 __________ 代表者 _____________ 救援体制 ある(____名)・なし [目的] _________________________________ [登山方法] __________ [目的の山域名] _______________________________ [現地連絡先] _________________________________ 名簿 … (人数分) 任務 氏名 生年月日(__才) 性別 現住所 電話 緊急連絡先(氏名 電話/住所) 行程 日付 行動予定________期間________-________予備日 (____) …___…_____________…____…_____________… (概念図) … 食料 ___ 食分/人 | 非常食 ___ 食分/人 | 予備食 ___ 食分/人 共同装備 燃料 ____ リットル ________無線(無・有 __ 台、アマチュア無線、その他 [ ___ Mhz]) ________携帯電話 (電話番号 _____________) |
山の遭難は警察庁では刑事事件として扱われる 主な原因初心者 = 無知 ↔ ベテラン = 過信 危険察知時よりも、危険をやり過ごしたと"思った"直後に発生しやすい 主な危険雪崩、吹雪、雪屁、嵐、夕立、クレバス、苔・草つき、落石 救助方法冬山ではサポートメンバー(=救助隊)を待機させる位の配慮が必要 遭難信号・伝令遭難信号: 1分間に10秒間隔で声、笛、布等(夜間は灯火)で合図を送り、次の1分間休止を反復する → 万国共通: これを受けた登山者は直ちに計画中止し救助活動に着手することが義務づけられている 伝令: 必要情報(5W1H)を忘れない 付添: 負傷者が出た場合には、決して離れてはならない |
捜索・救助活動救助を焦るあまりの二重遭難は避けたい 救助隊必要以上の準備のために余計な費用と時間をかけないためにも伝令等による正確情報重要 救助用具担架等。年々よいものが出ているので情報入手に努める 救助法 (さらに良くなってるはず)
ヘリコプター搬出(有効): 道内では最も遠い知床まで丘珠離陸後、給油を行って約5時間 |
応急手当: 病気・けが・災害から自分自身を守り、急病人やけが人を正しく救助し、医師に渡すまでの手当
山では医師に罹るまでに相当時間要する。運搬は通常、様態が落ち着いてから(時にヘリコプター要請) 事故現場での措置: まず、周りの者が落ち着いてから行動
怪我の度合の正しい把握
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事故者の体位
会得しておくべき応急手当て
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意識障害の程度3-3-9方式による意識障害の分類山ではIIであれば生命は助かる見込みが高いI. 刺激せずに覚醒した状態(1桁で表現)(delirium, confusion, senselessness)
1. 大体意識鮮明だが、今一つはっきりしない
10. 普通の呼びかけで容易に開眼: 合目的運動(Ex. 右手を握れ、離せ)をし言葉も出せるが間違いが多い
100. 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする |
註 R:Rastlessness; I:Incontinence; A: Akinatic mutism, apallic state. Ex. 100-R; 20-RI
グラスゴー方式による意識障害区測 Glasgow coma scaleA.開眼 Eyes open4 = 自発的に. 3 = 音声により. 2 = 疼痛により. 1 = 開眼せず B.発語 Bast verbal response5 = 指南力良好. 4 = 会話混乱. 3 = 言語混乱. 2 = 理解不明の声. 1 = 発語せず C.運動機能 Bast motor response6 = 命令に従う. 5 = 疼痛部認識可能. __四肢屈曲反応 flexion. 4 = 逃避. 3 = 異状abnormal. 2 = 四肢進展反応. 1 = 全く動かず A + B+ C = 3 - 15 → A, B, C各項評価点総和を意識障害重傷度とする。最重傷3点、最軽傷15点であるB, C項においては繰り返し検査したときの最良の反応とする。山で7-9点は助かる見込みがある |
一次救命措置(BLS)のABCA (気道), air意識がない → 気道確保必要
口と鼻に空気の流れを感じることも聞くこともできない
液体: 体を横にさせ、下側の口角のところを引き下げる B (呼吸), breathingまず呼吸の有無を耳を相手の体に近づけ確認胸の上下少ない / 息の出入り無い / 顔色青い / 脈弱い → 人工呼吸必要 口-口呼吸法 mouth-to-mouth
頭を後ろに傾ける(気道確保法と同) → 空気の出入りをする道ができる C (循環) ,circulation脈拍ない(=心臓音が聞こえない)場合重要
1. 意識ない. 2. 皮膚色悪い. 3. 口の周り青白い. 4. 瞳孔大きく開く |
胸骨と脊椎の間に心臓を挟んで押すと血液が心臓から出てくる
患者後頚部に手を添え持ち上げ咽頭から舌根部が離れるようにし、気道確保(舌が落ち込み空気を送れないことが殆どなので) 成功のサイン: 1. 瞳孔小さくなる. 2. 顔色戻る. 3. 力強い脈が触れる
__________1人の時_____________2人の時 呼吸は15-20回/分 = 自分の数と同じで良い |
低体温症身体内部の温度がある一定レベルより下がり、筋肉や脳の働きに異状が起こる状態低体温症症状出現より死に至るまで、時間的猶予ない。脳障害を起こし本人が対処できない(通常の体温計は低温を計れないことに注意) 血糖値(正常 100mg/dl) 低体温 → 低下 Ia. 36.5-35.0°C (70-50 mg/dl) 寒気。皮膚感覚の麻痺。筋運動の若干の鈍化。震い Ib. 35.0-34.0°C筋力低下。協調運動障害(歩行困難)。軽度錯乱(脳機能低下の証拠)。無関心状態 IIa, 蘇生率30%程度. 34.0-32.0°C (50-30 mg/dl)協調運動障害(独歩困難)。上肢運動障害。意識障害(思考・会話混乱) IIb 危険. 32.0-30.0°C震い消失。身体の硬直。起立不能。錯乱状態 IIc. 30.0-28.0°C筋硬直。強い傾眠状態。瞳孔散大。心拍低下。脈拍微動。 III, 蘇生ほとんど無理 → 凍死に至る. 28.0-26.0°C (< 30 mg/dl)睡眠状態。心停止 原因3要素 = 寒凪 + 風 + 湿潤→ 水の熱電動度は空気の200倍 = 濡れに対し常に注意を払う 死亡例調査による低体温症の起こる要因
予防装備 = 防寒防風 |
ビバーク
治療早期に体を内部から温める → 外部から温めても1-2時間体温降下続ける(死亡まで3時間程度忘れない)寝袋に安易に入れない → 患者体温上げるには外部から熱を与える必要 テント内温度を上げる
→ 患者の衣奈を脱がし熱が伝わりやすいように脱がせる → 両傍から衣類を脱いだ者で温める 緊急時重傷時には瞳孔反射も弱く心拍も弱いため死亡と誤ることがある→ 胸を露出させ耳をあて心音を注意深く確認 → 判定困難でもすぐに心肺蘇生術遂行 |
凍傷冷却により、生体組織が凍結し傷害されることI°. 表皮発赤: 皮膚蒼白、無感覚 → 加温後疼痛 → 浮腫(むくみ)→ [10日] 皮膚落屑 → [2ヶ月] 皮膚冷感、発汗過多続く II°. 水泡形成: 皮膚蒼白 → (組織)一部凍結 → [12-24時間] 加温後鬱血、水泡形成 → [10-24日] 加皮形成 皮膚知覚異状は2-3年続く(凍傷にかかりやすい) III°. 潰瘍形成: 末節関節部より近位の組織凍結 → 皮膚黒色変化(壊死) → [3-5週] → 壊死部脱落 → 潰瘍形成 → 表皮再生(あるいは皮膚移植) → [2-3ヶ月] → 治癒 IV° 分晦脱落: 手足全体の凍結 → 骨・軟骨含む組織壊死、近位部知覚喪失
→ 乾燥壊死 → 黒化、乾燥 → ミイラ化 分離 → [2-3ヶ月] → 脱落 → 分晦後切断、断端形成、皮膚移植 凍傷に至る変化
予防= 訓練 Ex. 本州から北海道に来た人は2-3年凍傷にかかりやすい
冷水・温水の交代浴(温2分、冷1分) |
装備行動への留意 保温をよくする(保温力のあるもの、濡らさない) 血行をよくする 体調をよくし、十分な食料をとる 凍傷部分の感覚は失われ、気づかない内に耳や顔が凍傷になることがよくあり注意。目出帽、オーバーミトン使用。十分に濡れに対し注意を払う。血行をよくするために、衣服、靴はきつくないものを! 処置→ できるだけ早く組織をもとに戻すことを考える
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熱傷熱傷面積計算法両上肢と頭部 = 各々9% (9% × 3)両下肢、背部、腹部 = 各々18% (18% × 4) 陰部 = 1% として計算 → 体表の50%を越えれば救命困難であり、20%以上で危険 広範な熱傷は1-2時間後にショック 程度1°: 皮膚発赤 < 2°: 水庖形成 < 3°: 潰瘍 < 4°: 炭化 |
処置直ちに患部を覆う衣類を鋏により(表皮傷つけぬよう)切り開き取り除き、冷水(雪面)に浸す。30分程度行うが凍傷にならぬよう注意(5分以上)剥離した皮膚断片除去。ガーゼで厚く覆い、僅かに圧が加わる様に包帯を巻く → この後、医療施設まで包帯解かない(感染防ぐ) → 軟膏塗らない(厳守!) 特に2°以上では 広汎な場合: 鎮痛剤・抗生物質を投与。水分喪失が著しいので多量の水分(2000-3000 ml/日)摂取 |
雪盲紫外線による → ゴーグル、サングラス等で予防 |
日中発症せず、夜に痛みだすこと多 → 目の上から温めるか冷やすと痛み和らぐこと多 |
外傷山での外傷は致命的なことが多く、助からないことも多い外傷受けた直後は問題ないが、後から様態急速悪化がよくある 頭部外傷転落・落石の予想される場所ではヘルメット着用が最大の予防意識状態の見方
1: 3-3-9方式
胸部外傷肋骨骨折・胸膜骨折・気胸、肺損傷各々の場合の呼吸時における胸部と肺の動き (略) 対処
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腹部外傷腹壁の打撲・挫傷。脾・肝・腎等の破裂による内出血その他の臓器(膀胱・腸管等)の破裂、挫傷: 上記の組み合わせ 脾・肝破裂強い上腹部痛 → ショック(脈拍速・蒼白・不穏)特に胆の出血は手術による止血まで止まらない 腎破裂中背部の打撲。背部痛、血尿。ショックに対する措置Ex 62年 ニセアカ 膀胱・下部尿道損傷尿がでない → ショック下腹部強打、尻からの転落。下腹部痛、強い尿意、少量の血尿 → 飲まない、食わない 腎以外は腹膜炎を起すことがあるので抗生物質投与・患部冷却・鎮痛剤投与 腹部開放損傷仰臥位(仰向け)にし、腹部の力を抜かせ大きく深呼吸させながら(腸が内部に戻りやすい)腸管を清潔なガーゼで包み、ゆるゆる円を描くように創部から腹腔内に戻す(直に触れない)。この時両脚は軽く曲げ膝を立てる。次いで、上に厚く清潔なガーゼを当て、両側から創部を縮めぬようキツく絆創膏固定する水分食物節食しない・ショックに備え下肢を挙げる・移送は担架にて行う・腹膜炎を併発するためやや多めの抗生物質投与を行う Ex. 1968年 定鉄 - 創部よりの腸管脱出 その他の外傷一般的に以下の措置は忘れてはならない Ex. 擦り傷1. ともかく泥や異物を除去! - 傷口は出来るだけ触らない
創部消毒し広く清潔にする - 少なくとも創部から5 cm位は消毒
清潔なガーゼを十分に湯て、可能な武位はきつく固定する(圧迫止血) |
原則: 出血部より近位の動脈圧迫あるいは創部圧迫により止血を行う
→ 止血不能時に止血帯使用(緊縛-弛緩の時間 = 1:1)
頭部出血: 浅側頭動脈 = 耳介の前、頬骨の上 |
上腕出血: 腋が動脈 = 腋の下、上腕骨に向けて圧迫 |
1. 呼吸器系疾患テント内タバコ厳禁!気管支炎: 絶え間ない咳・粘調の喀痰・微熱・しわがれ声
十分な水分摂取・温かい飲み物・湯を沸かし蒸気吸入・抗生物質・安静・テント内保温
安静・水分多量摂取・蒸気吸入 2. 消化器疾患急性腹痛急性胃腸炎: 下痢・嘔吐・腹部全体の圧痛・腸グル音
ブドウ球菌腸炎: 潜伏期1-6時間(平均3時間) - 急性胃腸炎と同様の症状にて複数者の発症 制酸剤・鎮痛剤 虫垂炎: 腹部不快感 → 腹部中央疼痛 → [1-3時間] → 右下蔵部痛
悪心、嘔吐、右下蔵部に強い圧痛、発熱 (38°C) |
ヘルニア嵌頓 鼠径ヘルニア: 嘔吐、腹部膨満、排便停止 ヘルニアをおさめる。腹部を高くし、外藻から少し圧迫する。戻らなければ、直ちに下山 腎結石: 鋭い刺すような背部痛(第2肋骨の高さ)、悪心、嘔吐、時に発熱→ 大量の水分摂取、可能ならジャンプ 胃痙攣 stomach cramp: 上腹部の締めつけられるような疼痛 → ブスコパン過食性大腸炎: 下痢あるいは便秘、精神的ストレスが原因。小さい粒状塊と大量の粘液の便 消化性潰瘍: 上腹部痛(みぞおち)に刺すような痛み。食後1-4時間あるいは午前0-2時頃
時に立ちくらみ、吐血、下血、タール便(佃煮状)、コーヒー様の嘔吐 便秘: 水分摂取 痔・裂肛・痔核: 特に冬は悪化しやすい。軟膏塗布・温刀 → 温める(ポリタン等を用いる) 3. 泌尿器系疾患膀胱炎: 排尿痛・頻尿・時に微熱・時にわずかな尿 → 抗生剤腎炎: 高熱(> 38.5deg;C)・背部中央よりの疼痛・血尿 → 安静・水分摂取・抗生剤 → 38°C以上の熱が半日続くときは、対応できないので下山せよ 4. 中枢神経疾患失神: 脳貧血、放尿失神 ? 安静。(他の病気の可能性があるため)繰り返せば下山痙攣: 舌を噛まぬように留意。再発するようなら下山 |
日射病頭痛、めまい、吐き気、疲労感。顔面紅潮。発汗止まり、皮膚はカサカサに乾燥し、脈拍強く速くなる対処風通しよい涼しい場所に移し、呼吸しやすいようアゴを突き出すような形をとらせ、上半身をやや高くし寝かせる。衣服を緩め、濡れタオルなどで体を拭いたり、タオルなどで扇いだりして体温を下げる意識がある場合: 冷たい水か薄い食塩水、又はスポーツドリンクを飲ませる。決して、いきなり水を体にかけたりしない。この処置をしても意識が薄れてくようなら呼吸の有無を調べる。呼吸がなければ、人口呼吸を行う 熱射病(熱疲労)高温多湿環境下で長時間行動し体力消耗し、大量の汗をかいたのに十分な水分補給をしない場合に起こる脱水性ショク症状軽度: 蒼白(四肢 → 体幹)、発汗、寒気:脈拍が弱く速くなり血圧低下 重度: 不安、興続状態、昏迷状態、錯乱状態 → 昏睡・死亡 対処風通しのよい涼しい場所に移す汗で濡れた衣服を乾いた者に着替えさせ、シュラフなどで保温 足をやや高めにして寝かせる 薄い食塩水、又はスポーツドリンク等を飲ませる |
高山病2700-3000 mでも羅患。若年者(20歳代)発症しやすい予防高度障害を避けるには、水を十分補給し利尿を促す事が大切夏山では水分補給が特に大切になる → 水は多めに持っていく a. 非特異的高山病
頭痛・目まい・易先労感・息切れ・食欲不振・悪心・嘔吐・全身倦怠感・呼吸困難感 → 下山(1000 m代へ)
高所性肺水腫: 泡沫を交えた水様の多量の客痰 = 死亡率大 リュックサック症候群両上肢のしびれ・筋力低下 → 背負紐部分にパッドをあてる。両肢、肩の体操により血流回復を図る |
遭難者発見後の対処 顔通と胸藻が掘り出されれば直ちに心肺蘇生術(-10分)を行う 四肢を掘り出す際には引っ張ったり曲げたりせぬようそのまま掘り出すようにし、骨折の可申性に備える |
直ちに安全な場所へ運んでテント内へ収容し治療を行う 骨折・打撲・捻挫・凍傷等のチェックを行い、それらが疑われれば対処する |
太線は特に必要 | 野外調査道具 (field equipment)
薬品消炎鎮痛剤: セデス他感冒剤 鎮痛剤: ブスコパン(腹痛) 抗生剤: マクロマイシン・ミノマイシン(年々改良品がでる) 消化剤: タカジアスターゼ他 整腸剤: ビオフェルミン + 正露丸 その他持病薬: 痔治療薬・便秘薬 抗生物質軟膏 ステロイド軟膏 消毒剤: 逆性石鹸・イソジン他 ビタミン剤(長期山行時) |
あれば: 下痢止、抗ヒスタミン軟膏、点眼薬(大学スーパーS)、湿布薬(セクール・ゼラップ)、キンカン(夏)
医療材料三角巾(105 cm x 150 cm位がよい)包帯・弾性包帯 ガーゼ 脱脂綿 鋏 体温計 テーピングテープ(幅広絆創膏) その他リスト及び各薬品使用説明書 |
薬の形状散剤・顆粒剤
細粒granule, FG 錠剤: 粉を固め大きな粒にしたもの カプセル剤: カプセル中に散剤や液剤を入れたもの 注射液剤・粉末注射剤: 注射器に入っている薬 外用・内用液剤: 液状消毒剤や、シロップ剤などの飲薬 軟膏・クリーム剤: 塗り薬 パップ剤: 湿布など貼る薬 |
• 学院アナウンス 野外調査事故対策 (保険) (内部限定) に手続きは移動
作成すべき: 事故発生時連絡体制フロー Ex. (2022.8.21)
①事故(遭難)発生 ②状況確認 ③安全確保 ④応急処置 遭難者救助準備修士および博士課程において、野外調査を中心とした研究を行う場合には、必ず、下記の保険に加入すること。統合環境調査法実習に参加する学生については、将来、野外調査を中心とした研究を行う者が多いであろうし、野外実習については、教官と離れて行動することもありうることから、実習前に下記保険に加入していること。本実習では、2007年度実習中に、過度な花粉症のために1名が実習を途中で取り止め病院に行くこととなった。1年生を対象とした一般教育演習「湖と火山と海藻と森林の自然(フィールド体験研修)」では、掛け捨ての団体障害保険に参加者全員が加入していることに見られるように、野外実習では傷害保険は必須のものと思ってよい。傷害保険のもう一つの目的(むしろこの目的が主)は、災害あるいは遭難発生時に救助への初動を早くすることにある。本保険の特約に「救援者費用担保特約保険金(1000万)」を含めているのはそのためである。
• 野外調査における安全と事故の防止 傷害保険普通障害保険被保険者が、国内・国外を問わず、急激かつ偶然な外来の事故によって身体に傷害を被った場合に保険金を支払う保険。交通事故・旅行・スポーツ等の日常生活の様々な事故による傷害に対し保険金が支払われ、補償範囲は広いが、日焼け、靴ずれ、細菌性食中毒、心臓マヒ、日射病、癌、その他職業病等は、支払い対象とはなっていない。 |
種類 (茶色の部分が、本普通障害保険)普通障害保険: 死亡保険金, 後遺障害保険金, 入院保険金, 手術保険金, 通院保険金特約: 臨時費用, 損害賠償責任, 遭難捜索費用 < 救援者費用担保特約 > について Q & A質問① 国内旅行傷害保険、海外旅行保険約款内の「遭難救助隊」の定義。回答: 行方不明者を捜索する為の民間、公的機関、ボランティアを問わず、全ての捜索、援助活動に要した費用は対象になります。 質問② 公的機関のヘリが捜索中に、(被保険者の家族が依頼した)民間ヘリは捜索地域に入る事ができるのかどうか。 回答: できます。 質問③ 公的機関の捜索終了後、(被保険者の家族が依頼した)民間ヘリの費用は保険金支払の対象となるのかどうか。 回答: 対象になります。 質問④ (1回目の)捜索が終了し、半年すぎた後で、(被保険者の家族の依頼により)任意の隊が遺体確認の為に要する費用は保険金支払の対象となるのかどうか。 回答: 対象になります。但し、親族が現地に向かう費用は1回分しか認定できません。 ※ また、いずれの場合も当会社の支払責任に該当しないものは対象外です。(救援者費用等担保特約条項、第1条 ① (4) P172参照) 単に行方不明で、事故に巻き込まれたか否か判らない場合は対象にならない場合も有ります。 2003/8/22 |
名称 | 保険金(費用の範囲) | 保険金の削減 | 保険金の按分 | 備考 | |
傷害保険 | 救援者費用担保特約 | ① 捜索援助費用 ② 交通費 ③ 宿泊料 ④ 移送費用 ⑤ 諸雑費 | × | ○ | 運動危険割増の必要な運動により発生した費用については保険金は支払われない。 |
傷害保険 | 遭難捜索費用担保特約 | 山岳登坂の行程中に遭難し、その為の捜索、救出、移送費用 | × | ○ | 山岳登坂をするために運動危険割増を付帯した契約の救援者費用に対しての特約。 |
国内旅行傷害保険 | 救援者費用担保特約 | ① 捜索援助費用 ② 交通費 ③ 宿泊料 ④ 移送費用 ⑤ 諸雑費 | × | ○ | 山岳登坂の遭難危険はこの特約を付帯していれば担保される。※ |
海外旅行保険 | 救援者費用担保特約 | ① 捜索援助費用 ② 航空運賃交通費 ③ ホテル等客室料 ④ 移送費用⑤ 遺体処理費用 ⑥ 諸雑費 | ○ | ○ | 山岳登坂の遭難危険はこの特約を付帯していれば担保される。 ※運動危険割増該当の運動により発生した費用については、割増保険料を領収していない場合保険金が削減される。 |
名称 | 対象 | 注意 |
学生教育研究災害障害保険 | 日常生活、国内での正課の講義・行事・実習における賠償事故 | 正課の解釈は裁判例があり、解釈論の範囲となる。 |
学生賠償責任保険 | 上記に類似 | 生協 |
迷っている場合には、指導教官や教務委員と相談すべし。
まずは、実験プロトコル (protocol)をよく読むこと。
取り返しのつかない事故が案外一寸した不注意から生起するので
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一般的注意事項
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無機-有機/強-弱
1. 酸無機強酸 = 硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸有機強酸 = トリクロロ酢酸、スルホン酸、ピクリン酸 有機弱酸 = リン酸、ホウ酸、炭酸は無機弱酸、各種有機カルボン酸 取扱上の注意主な事故原因は、無機酸の硫酸、塩酸、硝酸の高濃度のものと特殊作用をもつフッ酸
(1) 硫酸 H2SO4無水硫酸、発煙硫酸含む危険性: 単独では爆発性、引火性ない 腐食性・生体作用: 種々の金属と反応し、多くの場合水素ガスを発生し、有機物からは脱水、その際発熱し発火することもある。生体腐食反応は濃硫酸、熱硫酸において激しく組織が破壊され、薬火傷を起こし、目に入れば失明することもある。加熱された硫酸、または発煙硫酸の蒸気は多量に吸収すると肺組織の損傷の原因となる 使用上の注意
放置はコンクリート床や金属を腐食 + 有機物炭化 → 動かせるものは水洗 + 多量の水で希釈 + ゴム手袋をし拭きとるか、水で希釈し重曹や石灰で中和後拭きとる 濃硫酸が衣類付着 → 直ちに多量の水洗 → 希アンモニア水か1-2%重曹(炭酸Naでも可)で中和 → さらに十分水洗。希硫酸でも時間がたつと濃縮され布地をおかすから、中和水洗する 事例
(2) 塩酸 HCl (HCl 35-38%)危険性: 塩酸自体では危険性少。各種金属と反応し、水素発生注意腐食性、生体作用: 殆どの金属をおかす(プラスチック類おかさない)。皮膚・粘膜に付着すると炎症起こすが、硫酸より低度。むしろ塩酸から発生するHClガスとミストの吸入による危険高(塩酸ガス許容濃度5 ppm) 使用上の注意 密栓した瓶を開く時に内圧高い → 内容物が吹き出す 顔を十分に離し、瓶の口を外方向に向け開けること。腐食性大きく、塩化水素ガス、ミストは有毒である 漏れた時の処置 化学反応性は、幾分異なるが、処置は硫酸とほぼ同じ 衣類に付着したとき 硫酸と同 事例 夏季、塩酸の新しい瓶の開封時、内圧のためガス吹き出し、身体に浴びる (3) 硝酸HNO3発煙硝酸含む危険性 (硝酸自身は爆発性、燃焼性、引火性、自然発火性はない): H2SO4やHClと異なり酸化性がある 取扱上の注意 硫化水素、二硫化炭素、アセチレン、ヒドラジン類、アミン類等と酸化反応が激しく、混合すると発火か爆発 アルコール、グリコール、グリセリンや含酸素、含イオウ化合物や木片、紙、紙くず、ボロ等の多くの有機物質と接触すると、エステル結合や不安定化合物の生成により爆発や自然発火(大部分の金属とも反応) 腐食性・生体作用 腐食・酸化作用あり、皮膚、粘膜に付くとピリピリ刺激し、黄褐色の薬火傷となる。目に入ると損傷起こし、視力失うこともある。飲み込むと酸性のため胃腸組織を腐食する。濃硝酸、発煙硝酸からは窒素酸化物ガスを発生し、吸入すると呼吸器をおかす。許容濃度10 ppm 窒素酸化物ガスによる障害 最強毒性なのが二酸化窒素NO2 (赤褐色)と三酸化二窒素N2O3 (濃青色) 5 ppmのガスを8時間連続吸入 → その時は何でもなくとも5-48時間に後肺水腫症状が起こることがある 500-1000 ppmでは1回吸入で短時間内に致死 使用上の注意 (消防法第6類の危険物) 有毒NOxガス発生し、そのもの自体も酸化性ある |
こぼれた時の処置 化学反応性は硫酸、塩酸と幾分異なるが処置は概ね同 = まず水で希釈 有害酸化窒素に注意し吸入しない。すぐソーダ灰・石灰中和すると、中和熱のため酸化窒素ガス発生増える 衣類に付着したとき 硫酸、塩酸の場合と同じ 水洗後に2%重炭酸ソーダ水(炭酸ソーダ水溶液も可)または石灰水で中和、さらに十分水洗する。特に木綿、レーヨン類は濃硝酸がつくと、ニトロセルローズが生成するため燃焼する恐れがあるので、放置しない 衛生上の注意 窒素酸化物ガス発生可能性のある場所は良く換気する ガスを発生させてしまった時は直ちに部屋から退去し、換気を十分に行った後でなければ入ってはいけない 起こりやすい事例 濃硝酸を手にこぼす → 黄色化、のち火傷 (4) フッ化水素酸(フッ酸) HF普通市販品は40-50%注意: ガラスの目盛付け、模様付けやツヤ消し、金属表面処理剤にはフッ化水素酸を含むものがあるから、これらはフッ化水素液が入っているかどうかを確かめてから取扱う 危険性、毒性 金・白金以外の殆ど全金属を溶かす(鉛は、そのフッ化物が水に溶けにくいので、容器または内張用として用いられる)。二酸化ケイ素、陶磁気、ガラス等のケイ酸塩を腐食し、揮発性の四フッ化ケイ素を生ずる 腐食、生体作用 金属、珪酸塩、エナメル、亜鉛鉄エッチングに使用 = 人体影響も激 (許容限度3 ppm) 皮膚に付くと激しい刺激と共に薬火傷を生じ、組織内に浸透するため、他の酸よりひどい 目に入ると目や瞼に強烈な痛み - 長時間(永久的)視力障害や失明。呼吸器に入ると気管や肺に激しい炎症・充血起こし最悪は死に至る。飲み込むと、食道や胃に壊疽を起こし嘔吐、下痢、循環系統の瓦解を起こさせ、死に至る 防護・予防 必ずゴム手袋使用 + 防護マスクも用るべき + 蒸気ミスト等避けるためドラフト中で取扱う 排ガスはアルカリ洗浄し、外へフッ化水素ガスを絶対出さない。ケイ酸塩と触れると強毒性のケイフッ化水素ガスが発生するから、ガラスのエッチングやケイ酸塩分析の時は細心の注意 こぼれたとき: 床等では十分注意しながら水で薄め、炭酸ソーダかその溶液を少しずつ添加、中和し、腐食作用のないNaFとする。なお、ガラス等と反応し、ケイフッ化水素ガスを発生するから、それにも注意 衣類付着時 直ちに身体から衣類を離し、多量の水で洗い流し、2%位の重炭酸ソーダ(炭酸ソーダ水溶液)で中和 さらに十分水洗 2 アルカリ事故頻発 → 強アルカリ性の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カリウム(苛性カリ)、弱アルカリ性アンモニア水取扱上注意
(1) 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ) NaOH・水酸化カリウム(苛性カリ) KOH腐食性・生体作用水溶液は各種金属を激しく腐食し、水素を発生する。身体に対しては浸透性があり、タンパク質を分解し、組織を破壊する。特に溶融状態のときは、腐食作用が著しい。水溶液が目に入った場合は、視力の低下や失明の原因となる。飲み込んだ場合は、食道、胃壁に炎症を生じ、胃壁穿孔することもあり、死に至ることもある 溶解時の注意 固形水酸化ナトリウム溶解 → 非常に発熱し沸点またはそれ以上の温度 → [注意] 飛沫となり飛び散る → 水に少しずつ攪拌しながら投入し溶解 こぼれたときの注意 水洗か、薄めてから希酢酸で中和後、拭きとる 衣類付着時 直ちに多量の水洗し、希酢酸(2%)で中和後、さらに水洗する 羊毛や絹等の動物性繊維の方が植物性繊維より容易におかされる (2) アンモニア水NH3(aq)市販品通常25-28%水溶液腐食性・生体作用 銅、銅合金、アルミニウム合金に対して腐食性 身体に接したときは、局所に刺激作用があるが、目に入った時と飲み込んだとき以外はそれほど問題ない。注意すべきは、発生するアンモニアガスの吸入(許容濃度100 ppm) 使用上の注意 密封した瓶の栓を取るとき、室温が高いと容器内圧力が高くなっていて、内容物が吹き出す → 開栓時は、顔を栓の上に近づけてはならない。瓶の口を遠方に向けて開く こぼれたとき、衣類に付いたとき: 多量の水で洗浄することで足りる 起こりやすい事例
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= 猛毒物質
リン酸 phosphoric acidピロリン酸等類似化合物と区別する時はオルトリン酸と呼ぶオキソ酸の一種化学式H3PO4 (mw = 98) → 単体は斜方晶系に属す不安定結晶かシロップ状無色液体 融点42.35°C, 水・アルコール・エーテル可溶 シアン化合物シアン化水素(HCN)、KCNの他、鋼・鉄・銀等金属化合物メッキ工場や鉱山廃液 → 水質汚濁防止法「有害物質」指定 公共用水域排出排水基準 < 1 mg/l。シアン含有物地下浸透禁止 |
公共用水域・地下水水質汚濁環境基準: 全シアン「検出されない」 土壌汚染に係る環境基準: 「検液中に検出されない」 シアン化カリウム potassium cyanide(KCN)= 青酸カリ potassium prussiate]式量 65.12。無色、立方晶系(NaCl型構造)粉末。融点634.5°C。密度1.52 g/cm3(16°C)。潮解性で水溶解度41.7 g/100 g(25°C)。エタノールやグリセリンに微溶 [工業] 炭酸カリウムと炭素混合物をアンモニア気流中で加熱合成。水溶液は空気存在下で多金属と反応しシアノ錯体生成 胃酸と反応しシアン化水素発生(猛毒, 致死量約0.15 g) |
資料 (救急法は進歩するので常に新しいのを読むべし)
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