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群集研究上望ましい事項 (佐々木1973): 「木を見て山を見ず」の思考習性に陥らないよう留意
植物分類学的知識とその技術の習得: 植生調査は、分類学的知識や基礎的技術の習得なしに成立しない 野外調査道具 (field equipments)ここで言う、野外調査とは、主に植物群集調査を指す。俗に「7つ道具」と言われるものを、まず書いておく。統合環境調査法実習や生命環境野外実習(旧, 生物野外実習)を始めとする野外実習では必携である調査道具は使い方が分からなければ、ゴミと同じ。使いこなせば使いこなすほど、作業も早くなるので熟知する |
[野外調査道具, 必需品, 植物標本採集道具] |
野帳 について野帳(フィールドノート)は、自分の見た植物についての様々な情報を記録する帳面である。担当する実習の多くは、昨年のデータを入力した野帳を準備し、それをもとに昨年と今年の間での植物群集の変化を記録するため、その部分の野帳は、大学で用意している。しかし、それとは別に、自分専用の野帳を用意すべきである。これに、見た植物の名前や特徴(葉がザラザラするとか、花が咲いていたとか)を記録することで、後々、必ず色々な時に役にたつ。フィールドノートは、それ専門に作られた、レベルブックやスケッチブックというものがあるが、自分が使いやすいものであれば何でもよい。レベルブックは、胸ポケットに入るサイズで、表紙が厚紙ででき、持ち運びに便利な上、手で持ち記録できる。値段は1冊200円は絶対しない。若干値ははるが、防水のレベルブックもある。私は、学生時代はレベルブックを愛用していた。 |
野帳は、「自分で分かればよい」という書き方は厳禁である。例えば、 2 なのか 5 なのか、はたまた 7 なのか分からなかったり、消したのか去年と同じという意味なのか分からないマークの仕方をすると、教室に戻って結局泣きを見るのは自分である。 |
永久方形区調査 permanent plot surveyフレーム(方形区枠)調査地によりデザイン異なるが、駒ケ岳はこれ被度測定 方形区枠と巻尺 |
毎木調査測高竿(樹高棒)ブルメライス(ブルメ, 通称) レーザー距離計: 水平・垂直・斜距離・傾斜・方位が測れ、非常に便利になった。クリノメータ不要、ブルメ不要 |
成長錐 (increment borer)樹木コア採取用具。樹木破壊少なく年輪サンプルを得られる。用途にあわせ、口径・長さは数種類ある。オーガ部分が長いもの、口径が大きいものは、人力では使えなくなるので注意。石狩浜には、カシワの木に成長錘が刺さったままになってるはず。
コアサンプル |
[ 土壌 ]
土壌測定 (soil measurements)土壌環境から農学的応用等への基礎データ 日本土壌調査内部資料は税務署管理(昔の西欧租税制度は地力に基づくものであったため)土性: 特に粘土の量 化学的性質: 母岩 Ex. ゼオライトzeolite土壌
ポルサイト (ポルックス, Pollucite): (Cs,Na)2Al2Si4O12·2H2O → [初期] 岩石・地質が土壌を決める → 調査進む → 地質図 ≠ 土壌図 T.7,8-: 施肥標準調査: 土壌調査を伴わないため失敗 T.15: 土壌調査を考慮した施肥標準資料を集めようとする - 調査法確立 調査法Ex. 約1500 haの土壌調査 ≈ 1調査地/(25 ha)で設定方法: 両方の方法を適宜組合わせる
地質図・地形図の組合わせで調査地選定 - 多様になるよう考えるが実際は難しい 土壌断面作成(試抗断面調査) soil profile
_______________明______________判______________漸 土壌断面チェック 土壌を採土缶又は試孔により採集 → 土壌断面の層数だけ採土する
試孔: 検土杖、ボーリング等による(C層まで) 土壌断面調査。できうれば太陽光が観察面に当たるように向きを決める。 調査項目: 土壌の色具合、根の状態等を色鉛筆でスケッチするのもよい 19____年____月____日 調査者___________
No. _____ 凡例名(群落名) ________________上右/下左 図幅___万
採土缶(日本標準): 表面積20 cm² × 深さ5 cm =100 cc 試案図土壌境を検土杖で土壌採取し土壌型最終決定
採土は様々な他の試料として使える
土中試料を先端にある溝の中に採取 シャベル/スコップ (shovel)地下部調査では、この良し悪しが作業の運命を決める。シャベルで歯が立たない時はツルハシも持っていく。それでだめなら、ユンボとか発破を考える。JIS規格によるシャベルとスコップシャベル: 上部が平らで足をかけて押せるスコップ: 上部がないか曲線状で足をかけられない 厳密に区別せず呼んでいる。剣先の多くは本来はシャベルがだ、なぜか剣先スコップ(剣スコ)と呼ぶことが多い。 |
マンセル記号 Munsell notation: 土色を色相hue、明度value、採度chromaの3つで表現 色相: 赤(R), 黄赤(YR), 黄(Y), 黄群(GY) …
5が代表色 Ex.5Y, 5YR, 5R … → 2.5Y, 7.5Y, 10Y 明度: 黒(0)-白(10)彩度: 鮮やかさ 1, 2, 3, … Ex. 7.5YR7/4 ⇒ 色相7.5, 明度7, 採土4 山岡式土壌硬度計 (Yamaoka-typed soil hardness tester) 換算式 (プッシュコーン) h (kPa) = (100 × l)/{0.7952 × (40 - l)²}
h: 支持強度, kg/cm2 泥炭 (peat)泥炭サンプラー (peat corer)根系調査法 (利点 - 欠点)1. 室内実験破壊的 • 形態観察非破壊的 • 根箱(透明箱)・ポット栽培・水耕栽培 2. 野外実験破壊的
細根回転率Tr = Pr/Br
Tr = 細根回転率 (/yr) Lr = 細根寿命(yr) 測定法炭素同位体比ミニリゾトロン 両者の値には大きな隔たり(数年) 発泡スチロール加工して様々な用途に使用可倍率: 発泡させる前との比率
倍率: 低 = 高密度(重く硬い) ↔ 高 = 低密度(軽く柔らかい) 10-20: ヘルメット, 20-50: 一般トレー, 30-40: クーラーBOX, 60: 産業用緩衝材 セメント: 石灰石・粘土等を焼き粉砕した「粉」 コンクリート: セメント + 砂(細骨材) + 砂利 + 水 生コン: 固まっていないもの モルタル: セメント + 砂 + 水モルコン: 水と混ぜればモルタルになる レンガ(煉瓦): 粘土や頁岩、泥を型に入れ窯で焼き固めるか圧縮し作る資材土嚢 sandbag or dirtbag: 布袋中に土砂を詰め用いる資材 |
測量 (survey)現地測量標尺 (スタッフ・箱尺): 直接水準測量に用いる高さの目盛りをつけた器具GPS
--|-- 積雪深 snow depth最大積雪深さ: PVCに針金(ピン, l 10-15 cm, φ = 3 mmのAl線が適)を横に通したもの
雪に埋もれない針金は平行なまま 凍上凍結深度メチレンブルー凍結深度計: 0.03% メチレンブルー原理: 凍結部分(< 0°C) = 透明 ⇔ 未凍結部分 = 青のまま ⇒ 寒天混ぜたメチレンブルー(MB)溶液を透明な管に詰める 1-2 cm/dayの凍結速度であれば精度高い ↔ 厳密には一致しない 外管(塩ビでよい) + 透明内管(ホースでよい, MB封入) |
積雪硬度原理: 積雪に剛体を押し込み抵抗力や剛体貫入深を測定
ラムゾンデ ram penetrometer
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採水ミズトール目詰まりしたら洗浄
硝酸(水2-3 Lに20-30 cc)に、目詰まりの度合いに応じ適当な時間つける |
Rhizon soil moisture samplersEijkelkamp Soil & Water (大起が取り扱う)シュテファンセット
DIK-301A-A1 サンプラー10 cm用10本入り |
生命環境野外実習 (旧, 生物野外実習) (教室準備)海浜地下部測定: 剣先スコップ, 根堀, 折尺・コンベックス植生調査: メジャー(最低30 m), 折尺・コンベックス3セット, データシート 駒ケ岳 (露崎・長谷. 2000)全実習
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方形区調査
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中国調査の際に、持ち込む重量が必要だったので記録したもの。海外調査の参考に。
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[購入] (積算)日射量簡易積算日射量測定システム (optleaf system, OL system)オプトリーフ(フィルム) = 日射計測定困難な場所や同時多地点で測定可能 特長: 比較的長時間測定可能。水中測定可能。安価簡便 Ex. 植物個体、森林、表面や影 (水中日射量を元に水濁度測定) 原理1. オプトリーフ, OL: フィルムに含浸させ着色したフィルム露光による色素退色 ∝ 日射量 → 露光前後の透過率差を日射計との検量線を使い積算日射量推定 光量子センサーとの検量線により積算光量子量推定も可能
種類: 色素退色速度の違いにより2種類 種類 測定期間(用途) 色 色素 最大吸収 (品番) 波長 R-2D 短期間用・約2日 赤 オイルレッドO 521 nm Y-1W 長期間用・約1週間 黄 PAN 468 nm2. OL測定器 T-METER THS-470: OL透過率測定装置 470 nm最大吸収波長有する青色発光diode光を被検フィルムに照射 → 透過量フォトダイオードで測定(表示透過率は計算で吸光度換算使用) 3. T-METERでの吸光度(470 nm)をOLの最大吸収波長での吸光度に換算OL種類により最大吸収波長異なる。T-METERは470 nmで測定し、ここでの吸光度はT-METERでの470 nmの数値となるため補正必要で、吸光度換算図数値は分光光度計での数値に換算される(OL退色曲線の積算日射量換算に必要な数値)。吸光度換算図はT-METER毎に用意 4. OL退色曲線(検量線): 退色率から積算日射量[MJ/m2]を推定するグラフ吸光度換算図を基に導いた退色率と全天日射計での測定値の関係を季節別(気温別)にグラフ化したもの。OL最大吸収波長の分光光度計による吸光度比による退色率からの換算で、分光光度計でも使える 準備OL測定器本体(T-METER THS-470)。OL (必要枚数)。フィルムマウント2枚。100%アジャスターフィルム2枚。吸光度換算図。OL退色曲線(検量線)。鋏(カッター)。ビニールテープ(タックシール等)。粘着テープ(クリップ等)。対数計算機能付計算機(T-METER数値から吸光度や退色率を求める計算に使用)方法 (注: 非使用時、冷暗所保管)1. OL種類決定: 測定目的、季節・天候に基づき使用OLと測定期間決定測定期間(退色必要時間の目安 水平開放面): 状況により測定期間調整 種類・品番 夏・晴れ 夏・曇り/冬・晴れ 冬・曇り R-2D 1-2日 2-4日 4-7日 Y-1W 3-7日 5-14日 1-3週間2. OLを測定しやすい大きさに切る
ロール状で市販 - 使用時に40-15 mmにカット a. OLをフィルムマウントにセット マウントカバー開く。マウント中心にOLが来るようセット。カバー閉じる b. OLの初期透過率を測定
基準となる初期透過率を(T-METERで)測定く
初期透過率を確認したOLをマウントから取り出す
OLをマウントにセットし、測定器T-METERで透過率測定
パネル左下電源スイッチ(赤)押す(押す毎に入/切繰返す) |
b. 使用前の数値調整(100%合わせ)
100%アジャスターフィルムをフィルム差込口から突き当たるまで差込む(表裏・向きは測定値に無影響)
OLセットマウントをフィルム差込口に差込む → 数値 = 透過率T(%) 積算日射量の求め方使用前と露光後の吸光度の数値必要T-METER数値Tから式 [吸光度A = −log10(T/100)] よって吸光度Aを求める この吸光度Aを吸光度換算図により分光光度計の吸光度Dを求める この吸光度Dから、次式によって退色率を求める 退色率 → オプトリーフ退色曲線(検量線)を用い積算日射量(MJ/m2)を求める R – 2D: log10(D/D0 × 100), or Y – 1W: D/D0 × 100 D0 = 使用前のフィルムの数値, D = 露光後のフィルムの数値 積算日射量計算フローチャート• 求める数値 求め方 Ex. (R-2D: 20°C)
図. OL退色率-全天日射計測定値関係を季節(気温)別に示した検量線 OL退色率から積算日射量[MJ/m2]推定 (色素退色には気温も影響)。精度高めるには測定地での検量線を作成し、検量線範囲内で積算日射量を求める 補償: 測定器本体ケースは、電気回路異常考慮し絶対開けない |
(略記, E = エネルギー) クロロフィル蛍光 (chlorophyll fluorescence) |
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ガス交換法とともに光合成解析に良く使用(寺島 2013) スペクトル蛍光: 高周波光に応じた発光蛍光 = バックグラウンド光影響なし
PSI結合Chl (通常非蛍光): 液体窒素(-198°C)中でピークが730 nm位 パルス変調 pulse amplitude modulation, PAMPSII Chl蛍光 = 680 nm付近 → 分光器Chl蛍光測定は照射光≈ 680 nm波長カットしないと蛍光・反射光判別できず野外測定不可蛍光誘導にパルス変調(ある周期で強度変化)した光当て、発せられる蛍光は当てた光同様「パルス変調」される。葉から来る光中でパルス変調したもののみ感知測定し、反射光等の他光や他光で励起された蛍光から、測定光で励起された蛍光のみ分離 = Chl蛍光測定装置(Waltz, PAMシリーズ) (U Schreiber/Waltz社共同開発) PAMクロロフィル蛍光測定: 3種類の光を試料に当て測定 プローブ: 測定光出し蛍光感知する光ファイバ
注1) 葉全情報網羅不可: 葉表側にプローブを向ければ得る情報は葉表側のChlからが主 → 蛍光を葉の表側と裏側から測った時には違う値 注2) フラッシュ強度: 前提 = FM, FM'測定は、全QAが還元。測定前に暗所に暫くおいた葉は比較的弱光で全QA還元可だが、光合成盛んな葉は光化学抑制によるQA酸化速度速く、中途半端な光では全QAは還元できない。フラッシュ強度変える等でQAを充分還元したか確認必要 注3) 蛍光強度変化: ストレスを受けたPSIIでは、光化学反応に流れるエネルギー少なくF0が上がるためF0モニタ研究もある。しかし、葉緑体は光強度に依存し動き、扁平な葉緑体は、強光受光時には葉内部へ光を通すよう光に対し平行になり、一方、弱光受光時には葉緑体は光に対し垂直になり光を効率的に吸収できる(Terashima & Hikosaka 1995)。この変化が蛍光強度に与える影響未詳だが、葉全体の光透過率等は葉緑体運動に応じ変化。蛍光強度の絶対値(F, FM, F0等)測定では注意。FV/FMやqP等の変量は相対値なので(多分)影響受ない ki: 一次反応と仮定した時の反応速度定数 フェオフィチン, QA: PSII反応中心から電子を受け取る電子受容体 一次反応: -(d[P])/dt = k[P], [P] 励起状態にあるChl濃度Step 0) 葉を暗黒下に十分置く: 光化学系反応中心の全てが電子持つ = QAは電子持っていない(非照射時に当然蛍光出ない) Step 1) F0: 初発蛍光(状態変化させない微弱測定光による蛍光強度)
→ 微弱測定光により化学反応起こる (閉じていない) - 若干蛍光でる
a: 定数(高周波測定光強度や測定時光学条件で決まる) Step 2) F0 + フラッシュ光照射(e.g., 4000 μmol m-2s-1, 0.5-1秒)
光合成行わせる充分強い定常励起光(閃光)当てる
PSI, PSII間の電子伝達成分が全て還元する強度と時間
= QA全て還元され閉じた状態 → kP = 0 (反応起こらない) ⇒ → 閃光消えると蛍光強度も元に戻る 光化学反応に流れたE量 = QAが還元されているか否かの違い反映 (非光化学抑制も働く)
Def. 可変蛍光, FV = FM - F0 図. パルス変調蛍光計蛍光測定 (↑: 飽和フラッシュ) Step 3) 数10秒毎に飽和フラッシュあてる
H+-ATP合成酵素活性化等に伴いピークレベル変動するが安定する
測定光当てる = 蛍光強度↑, F (照射光強度で変化) > F0 ΦPSII = kP/(kP + kF + kD + kT) = (FM - F0)/FM = FV/FM 全Eを光化学反応に使用 ⇒ FV/FM = 1 (理論値 - 実際 < 1)
この量子収率はEベースで当てたE中で光化学反応に使われた率 FV/FM: 量子収率(Demmig & Bjorkman 1987)や、阻害されていないPSIIの割合(Oquist et al. 1992)と相関 FV/FM= 光阻害指標: 光阻害ない葉で0.8-0.83 (例外種ある)
FV/FM < 0.8-0.83 → 光阻害ありと判断 PSIIアンテナ色素に吸収された励起Eのうち反応中心に転移しなかったE → 熱となり散逸: kD↑ := kD' (可逆変化) ⇒ F0' = a·kF/(kP + kF + kD' + kT)F0': 励起光下の初発蛍光(F0) F0'測定: PSII反応中心を全て開いた状態にする遠赤色光を短時間照射し、PSIとSPIIの間のプラストキノン(PQ)プール等を完全に酸化 (暗黒下に長時間葉をおくとストロマ還元力によりPQが若干還元される場合 → 弱遠赤色光前照射し測定) |F0 - F0'| ⇒ 徐々にF0'からF0に戻る - 非光化学抑制で説明光が途絶えると熱放散能力が不活性化するから 励起光 + 更に強いフラッシュ照射 → 全反応中心が酸化型 ⇒ kP= 0FM' = a·kF/(kF + kD' + kT) FM': 励起光下での蛍光強度の最大値 励起光当たった状態で開いている反応中心の量子収率測定可ΦPSII' = kP/(kP + kF + kD + kT) = (FM' - F0')/FM' = FV'/FM' [ ' ]: 励起光存在
Fv'/FM': 励起光があたっている時の最大量子収率 FV'/FM' ∝ 酸化された系IIの量子収率 |
FII (or Yield): 系IIが吸収した光量子あたり電子伝達量 = qPと、そのうち電子伝達伝達に利用された光量子(Fv'/Fm')の積 ∵ 酸化された系IIが光吸収しても、非光化学抑制のため一部光Eは無駄になる。無駄にならず電子伝達に利用された光量子の割合(に比例する値)になる FII = FV'/FM' × qP
= (FM' – F0')/FM' × (FM' – F)/(FM' – F0')
利点: F0'なく光照射状態(消灯不要)測定のみで推定可
(FII × 当てた光強度) ∝ 葉面積あたり電子伝達速度 電子伝達速度と光合成速度は、葉緑体中CO2濃度依存 → 光合成と光呼吸割合変わる = 必ずしも比例しない
Ex. 弱光下 = 光合成速度低 → 強光下に比べ葉緑体CO2濃度高 ETR (葉面積当たり電子伝達速度): FIIによる絶対値推定式 仮定: PSII Chl, PSI Chl吸収光 = 1:1 → 1/2を系II吸収 + 葉に当る光の80-90%を光合成系が吸収(:= 83%) ETR (mol e- m-2s-1) = FII × 0.5 × 0.83 × incident PFD
incident PFD: 葉に照射した光の光量子密度 PSII反応中心のうち開いてるものの割合: (FM' - F')/(FM' - F0') ⇒ 励起光下のPSIの実際の量子収率, ΦPSII' ΦPSII' = (FM' - F0')/FM'·(FM' - F')/(FM' - F0') = (FM' - F')/FM'
F0'の測定不要(測定困難) - Chl蛍光で推定可能(Genty et al. 1989)
ΦPSII' × 照射光の光量子束密度 × 葉の光吸収率 × 吸収した光量子の光化学系IIへの分配率(実測/簡便0.5*)
* 0.5適用範囲不明 = PSII ChlとPSI Chlが吸収する光は1:1 ⇔ Chl b欠如突然変異体等 ≠ 1:1 → FII-光合成速度関係直線 / 傾き ≠ 野生型
→ 熱(一部は蛍光)になり失われる(蛍光強度↑) + 1O2等の活性酸素生成
クエンチング係数 quenching coefficient, qP or qN (範囲: 0-1) qP ≈ PSII中の酸化された(QAに電子を渡していない) PSIIの割合 = 系IIにあたった光量子のうち無駄(熱・蛍光)にならない光量子の割合 酸化された系II + 還元された系II = 全系II 光合成系タンパク質活性化により光化学反応に流れるE増え低下(蛍光強度変化: Eが熱・光化学反応のどちらに行ったかは判別不可) → 光化学反応E消費は、短時間強光照射flushで測定可 強光照射でPSII反応中心から電子受け取るQAを全て電子を持つ還元状態にでき、それ以上光をあてても光化学反応行えずEは全て蛍光・熱放散に流れる → フラッシュ当て[た/ない]状態比較 → 光化学反応に流れるE割合測定
qP = (FM' – F')(i)/(FM' – F0') … (1)
分母: フラッシュ照射時蛍光強度 (i) Case. 照射光は全PSII励起できる強さなく何割かのQAは酸化状態 → F < FM' ⇔ 照射光がかなり強く全PSII励起できればFとFM'の差なくなる b) 非光化学反応抑制 non-photochemical quenching, qN熱放散多くなり低下 (+ ステート遷移 state transition + PSII光阻害) qN = 1 - qP = 1 - (FM' – F0')(i)/(FM – F0)(ii) … (2)
(i)分子: 照射光がある時に閃光を焚いた蛍光強度 分数 = 照射光有無での閃光時蛍光強度比 (1から引き低下分を「差」に) 実測定は、両変量ともF0'値を得るため照射光消す必要 → 連続測定厄介 ⇒ 非光化学抑制指標(NPQ)使用: 値は1より高くなることもあるNPQ = (FM - FM')(i)/FM' … (3) (i): 照射光存在 - Chl吸収光E中で熱放散への割合↑ → 蛍光強度↓ qN, NPQ: 非光化学抑制大きくなると値は大きくなる(値の意味は不明瞭)図. PSIにおける励起Eの熱としての散逸。SPIIの光E捕集系は、反応中心に対し外緑側の光捕集性クChlタンパク質複合体(LHCII, light harvesting chlorophyll-protein complex of photosystem II)と、より内側のChlタンパク質複合体(minor chlorophyll-protein complexes, CP)からなる。PsbSタンパク質は後者の一員。葉に強光照射し続けるとチラコイド内腔H+濃度高くなる。チラコイド内腔には低pHで活性化されるviolaxanthin deepoxidase(脱エポキシ化酵素)があり、violaxanthin (カロチノイド,エポキシ基●2個)からエポキシ基外しantheraxantin (エポキシ基1個)を経てzeaxanthin (エポキシ基0個)にする。violaxanthinよりもzeaxanthinの共役二重結合は長くなることで、その基底状態のEレベル下がる。基底レベル低下によってChlの第1励起状態から励起状態移動し、熱とし散逸(説: 可否はさておき熱散逸能とzeaxanthin量は相関)。PsbSタンパク質は、側鎖がチラコイド内腔の低pHによりプロトン化(-COO- → -COOH)され構造変化。PsbS構造変化すると熱散逸大きくなる。これらは可逆的で、光弱くなりチラコイド内腔pH上昇すると、エポキシ化酵素活性上昇しzeaxanthinはviolaxanthinとなる。PsbSタンパク質構造も元に戻り,PSII反応中心に励起状態が移動するようになる(徳富・園池 2001) |
同位体トレース実験¥基本的費用 = ¥同位体ラベル物質 + ¥測定ラベル物質15N-塩化アンモニウム(NH4Cl, 99%) 16200円/g硝酸カリ(99%) 13500円/g グリシン28200円/g Case. NH4Cl: 12 plot × 11 mmol/l溶液を2 mlずつ431点注入 → NH4Cl ≈ 0.12 mol NH4Cl式量 = 54 → 1gのNH4Clは約0.02mol → 6 gで足りる(= 10万円弱) |
測定: 地環研で1点2000円 → 12処理で5種を3繰り返すので180点 = 36万円
機械無料なら、純粋な消耗品代は1点500円程度 < 10万 (質量分析計をもつ知合いがいれば…) ⇒ 合算 20-50万[注] ラベルNを質量分析計に流すとラインにNが残り(memory effect)、後の測定値高くなる。天然同位体比測定施設では嫌われ使えないことが多い。Cに比べNはmemory effectが出やすく、測れる施設探しが難しい |
目的とする山により装備合わせる Ex. 標高・地形・気候・季節 調査道具を兼ねるものがある(= 荷物を減らせる) 組み合わせが大事 - 高級品を揃えれば良いという訳ではない 1. 個人装備 2. 共同装備: 同行者共同で使用するものの総称区分は目安 (個人だったり共同だったり) - 結局、誰かが持つ 個人装備軽くて機能的なものが便利(年々良いものが出る) 必要なものは必ず持参 + 使い方熟知しておく(でないと意味がない) 全装備に対し、ビニール袋に入れる等、防水対策施す(常識中の常識) リュックザック(背嚢): 背負い易く丈夫で軽いもの 下より上の方が広いザックが荷物を詰めやすい
フレームザック: 何処かの山でフレームが折れてサヨウナラした奴 背負いバンドの長さ調節し、少し高めに背負う(調節は毎回必要) 靴: 足に合うこと第一 (靴下2枚重ね履き土踏まずから足の甲までがぴったり) 登山靴: 過剰な手入れは靴が変形 皮製靴手入: 土落とし水洗し、水気ふき取り保革油摺込む。ビブラム底に保革油塗るな(滑る)! 濡れた靴は新聞紙詰め陰干 火や日光で乾かす(60°C以上)と皮劣化 → 絶対しない 二重登山靴: 冬期ロングルート登山向け 軽登山靴: 夏山 (軽いハイキング用もある, 昔はキャラバンとほぼ同意 地下足袋: 沢歩きに最も適。鳶職が使う底だけゴム製のものが応用範囲広い ワラジ: 沢歩きの際に地下足袋と併用する クレッターシューズ(スカルペティ): 岩登り用の靴。硬質ゴム底のものオーバーシューズ: 登山靴の上にはいて防雪・保温の役目を果たす、ナイロン製長靴みたいなもの
アイゼン crampon・ワカンはこの上に履く 冬山: 網シャツ・網股引(or ネットシャツ・網タイツ) + シャツ・股引 + ズボン・セータ + 上衣(キルティング) 夏山: 冬山の服装から不用の部分を抜く 下着: 生死の分かれ目となる! 重要
保温性良く、体締めつけない(皮膚呼吸妨げない)、汗でも肌が冷えない ジャンパー・(ハーフ)コート ズボン: 足さばき楽。岩登りでは滑る生地ダメ。ニッカボッカや作業ズボンショートパンツ: 山麓行進までは便利 チョッキ: 登山時には丈夫で適当にポケットのついたものが便利 防寒具・防風具
ウインドヤッケ(アノラック): 防風衣であり雨具ではない。丈夫で軽いもの
ポンチョ: ザックごと被れる。グランドシートや天幕の代用にも 帽子: 厚手の方が頭の保護になる。冬山では必ず耳まで被る温かいもの
耳覆い、サル帽、目出帽: 何れかを冬山は準備 (耳は凍傷になり易い) 長靴下(ニッカホース) 手袋: 五本指とミトン(ガニ手)に大別 → 目的で使い分ける
オーバー手袋
手甲: 沢登、岩登に便利 食事就寝用具寝袋(シュラフザック, スリーピングバッグ)
行動地温度に合わせ選ぶ。夏山ではシュラフカバーで代用できる所も多 多湿な日本の長期登山ではシュラフ濡らさないため用意すべき |
マットレス・ウレタンシート: テントや雪洞に敷く。大きさ・重量を考慮し決める 水筒(テルモス): 冬山では絶対に必要 食器: 飯盒 → 個人登山ならこれだけで十分
マッチ・ライター: 濡れないよう各個人用意すべき。両方持つ方がよい 行動地図: 最低で1/50000(1/25000がよい)用意。地形・道変わるので改訂年注意読図: 立体的に地図を見ることができるよう → 計画段階でも重要
方向(方位)、距離、特徴物 地図ケース: そのまま入れて折りたためるものがよい 磁石: 調査時はクリノコンパス・クリノメーター代用GPS: 電池切れに要注意 笛: グループ登山時便利。合図(鳴らし方)を予め決めておくとよい尻当て: 濡れたところでも座れ、極めて有用 鉈(なた): 藪こぎ、薪作りに使用。小ぶりなものが便利。鉈鞘忘れない 【遭難例】1963.1: 北アルプス薬師岳で山岳部13名全員死亡: 2日5:40に全員登頂目指し出発。9:40頃悪天候で頂上手前300 mで断念。第3キャンプある太郎小屋方面へ引き返す予定が、南東の分岐尾根に入った。分岐から2.5 kmほど進んだ所で尾根が突然谷へ落ち込み、間違いに気付いたが、2日間ビバークの末、力尽きた(愛知大学山岳部発行追悼記念誌『薬師』) 冬山・岩登りピッケル: 積雪時必須(無雪時全く不用)。表道具と呼ぶほど、悪質なものは命にかかわる
使用者の体格、腕力、目的により様々な規格がある
雪渓登山における滑落事故の大半はアイゼン着用怠ったため
アイスハンマー: 一方尖る / ロックハンマー: 一方は刃 → 両用普及 安全帯(ベルト) (ハーネス climbing harness/ボードリエ baudrier/ゼルプスト Selbstseil): 墜落制止用器具
安全ベルト: ザイルが体に食い込むのを防止 スキー用具: 登山としてのスキー! 体力消耗減らす - 速度より転ばないもの スキー板 + スキー靴 + ビンディング + ストック + シール カンジキ (橇/樏/檋/梮, snowshoes)スキー使えない急斜面や藪中に使用 → 地方の雪特性に合う形状のものワカンジキ(輪橇, = 雪輪): 深雪に対応 スノーシュー(西洋カンジキ): 素材 = プラスチック、ジュラルミンが主
ワカンジキより面積大 ⇒ |
共同装備テント + ペグ(杭) + 張綱 + ポール(支柱) pole夏山用: 雨よけ防水性重視。要フライ(Gore-Texフライなしテント - 一長一短)フライ: 雨よけ 冬山用: 耐風性、通気性重視
温度保つよう内張り。入口・ペンチレーター(通気口)は凍結避ける巾着型 ツェルト(ザック): ビバーク等使用する、支柱、張綱不用簡易テント
日帰登山でも万一に備え携行すべき(夏軽登山で装備重量減らす時にテントの代用)
米軍スコップ: 折り畳み式 象足: フェルトや毛製の長靴状のもの。冬山でよく用いる 雪洞入口布: 雪洞入口に垂らし雪・風侵入防止。2重に垂らせると理想グランドシートやツェルトで代用できる。大きな風呂敷でもないよりはまし ブラシ: テント内掃除。冬山で凍りついた雪払うためタワシ位に堅い毛がよいエアポンプ、マット修理具: エアマット用意時は共同装備に1セット用意したい 灯火用具ヘッドランプ: 個人装備。電池予備必須。「LED照明」が軽くて長持ちロウソク + ランタン(ロウソク用がよい): ランタンは大きめでないと明るくない。石油ランプは壊れやすく不便 バーナー(コンロ・スベア): 焚火ができない場合に必要
a) 石油用: ガソリン・ガスに比べ事故少, b) ガソリン用, c) (ブタン)ガス用
鍋・釜・フライパン等: 大人数のパーティではあると炊飯時間短縮 非常食軽量・保存可・高栄養を。本来、個人食料と分け持つが、食料を多めにし非常食の代用とすることもあるEx. 塩(熱中症に必要、用途多く携帯すべき)、飴、チョコレート、ビスケット ザイル(クライミングロープ climbing rope)直径11-12 mmがメインザイル主流。岩登り2-3人パーティでは30 m、3-4人では40 mが標準9 mmザイルは必ずダブルで使う縄梯子: 大きな登攀には携行したい。登攀の際に固定できる便利さ 滑車: 岩壁等荷物の上下、遭難者収容に利用。大きな登攀では便利 補助ザイル: 荷物吊上げ、トップ-ラスト間物資やり取り等の連絡用ザイル 捨縄: 懸垂下降(アプザイレン)時やハーケン等に結ぶ短いザイル (メインザイル撤収後捨てた) ナイロンなら4-8 mm径で十分。補助ザイル等で代用可 |
ハーケン: ザイルワークに必携(必要に応じ使う – 確実なリスを探す)
ロックハーケン: 岩割目に打込む。縦リス(割目)用、横リス用、兼用等 形状は幾つかあるが性能に大差ない 赤旗: 広い雪原等で標識に使用。視界不良時、迷い易い場所で目印にするラジオ: 天気図に必須。停滞中気晴らし - 谷間等でも入る良感度のもの 携帯電話(遠隔地で使えるもの): 距離離れた複数パーティ間(緊急)連絡 工学器械・計器双眼鏡: ルート偵察・捜索に必須(8倍程度) カメラ計器類: 長期山行では記録の必要性からも携行すべき
Ex. 寒暖計・乾湿計、GPS (or, 高度計(バロメータ) + クリノメータ) 小物・用具修理(針金・ペンチ・釘等)、補修(糸・針・鋏等)、荷札、マジック、衛生材料+ 冬山ではスキー応急修理用具 『装備表』 ◎は重要、□はあった方が便利
個人装備
無雪期用(共同)
登攀具 ◎ ヤッケ上下 ◎ 目出帽・セーター ◎ ピッケル ◎ ビーコン ◎ ソンデ棒 ◎ 外張り □ 竹ペグ ◎ スパッツ・アイゼン ◎ スノーバー □ デッドマン ◎ スコップ ◎ ゴーグル・サングラス ◎ 毛手袋・オーバーミトン □ ワカン □ 日焼け止め □ タワシ □ 温度計 □ 赤布 □ しの竹 |