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(2022年8月6日更新) [ 日本語 | English ]

海浜 (seashore)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

Def. 海岸 seashore: 海と陸が接した部分

Def. 海食崖(海崖): 海食によりできた海岸の崖

Def. 海岸線 coastline: 海と陸の境界線
Def. 海浜 (≈ 浜辺、海辺) seashore: 海に面した浜 Ex. 砂浜、礫浜、砂丘

lagoon (塩沼地 salt marsh) → 泥質
beach (砂丘 sand dune):海・湖の岸に沿った平坦な砂地 → 砂質

砂浜: 砂丘発達

rocky shore → 礫質

砂礫 sand gravel: 砂と小石
砂嘴 sand spit: 沿岸流により砂粒が堆積し湾岸に形成された嘴状の地形

砂州 sandbar, sandbank, point bar: 砂嘴が発達し対岸に到着し潟湖を塞ぐ形 Ex. 宮津湾天橋立

陸繋島: 砂州により陸地と繋がった島 → トンボロ(陸繋砂州): 陸繋島と主陸地を繋ぐ砂州の部分

(海岸)砂丘(coastal) dune, sandhill (砂浜): 風作用により砂が作る地形

→ 陸地からの砂供給多い

Ex. 鹿島灘、鳥取砂丘、新潟砂丘、九十九里浜 ⇔ 内陸砂丘

浜堤 beach ridge: 磯波により堆積した砂礫が造る海岸線に平行な数列の堤
沿岸州 offshore bar: 海岸からやや離れた海中に堆積した砂礫が形成

潟湖(ラグーン) lagoon: 州により海洋と切り離された湖 → 州が海岸線に平行に発達 Ex. サロマ湖

索引
日本では、護岸工事等により多くの自然海岸が消失している。北海道は、内地に比べれば自然海岸は残っているが、それでも様々な人為撹乱(disturbance)を受けている
各地域

道内   • 天塩川河口   • 稚咲内砂丘列   • 野付半島   • 石狩海岸   • 銭函海岸   • 長流川河口   • チャラツナイ浜・電信浜   • 砂崎海岸/湿原   • 東久根別

内地   • 孔島 (和歌山)  

海浜植生 (seashore vegetation)


マングローブ mangrove
塩生沼沢

海岸林 coastal forest

Def. 海洋(主に潮風)の影響を受ける地域・ハビタットに成立する森林
機能 (通常の森林生態系サービス機能に加えて) → 日本: 人工林大半

氾濫・津波・高潮低減、潮風・暴風・飛砂軽減防止

アカマツ・クロマツ - 荒廃性森林 ⇒
代償植生とし発達した海岸林 Ex. 海岸アカマツ林(白砂青松)


各地海浜植生

天塩-稚内 Teshio-Wakkanai

天塩川河口

統合環境調査法実習 Field trip: Integrated environmental researchを道北(天塩・中川)で実施するときには立ち寄る ☛出現種リスト

稚咲内 (Wakasakanai)

砂丘列と砂丘林
Profile
Profile
海岸砂丘列
日本海に沿い40数kmの自然海岸とこれに平行し数列の砂丘が形成される。砂丘上に針葉樹広葉樹砂丘林が発達し、砂丘と砂丘の間には大小多くの沼と湿地帯が点在する。
海岸草原
ハマナス エゾスカシユリ 泥炭層から流れる強酸性水分が鉄分を酸化させ、周囲の川は赤さび色をする。稚咲内わかさかない語源は、アイヌ語「ワッカ・サク・ナイ = 飲み水がない川」で、この赤い川に由来する。
海に面した砂丘斜面は、塩分を含んだ風と飛砂の影響を強く受け、植物にとって厳しい環境の場所だが、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマナス、エゾスカシユリ等が砂地に深く根を張り海岸草原を形成する。
自然を楽しむためのルールとマナー
• 動植物を採取したり傷つけたり、驚かせたりしない。 •ゴミを投げ捨てない - ゴミは全て持ち帰る。 • 湿原は弱い自然 - 決められたコースを歩く。 •野生動物にエサを与えない。
砂丘林がないと - 町の暮らしと砂丘林の関係
  • 海からの強い風を防ぐ
  • 吹雪や竜巻等の自然災害から守る
  • 飛砂や塩害を防ぐ
砂丘林がないと町が大変。砂丘林は生物の住みかだけでなく、暮らしにも大切。 サロベツVC (2017年4月22日)
自然再生事業
砂丘林帯湖沼群の水位低下を抑制 - ミズナラ林帯復元
砂丘林の修復及び保全 - トドマツ(及び落葉広葉樹)植栽
+ エゾシカ食害対策

野付半島 Notsuke Peninsula

トドワラの枯木群
トドワラは、長い時間をかけ形成された砂嘴の上に成立したトドマツ林が、海水面上昇あるいは砂嘴沈降により海水に侵され枯木群に変化したものと考えられる。年輪解析から、枯木の大部分は樹齢90-120年のトドマツで、その中に樹齢150-170年のエゾマツも混在していたことが明らか。年輪幅(5-10 mm)から、良好な成長を続けていたことも分かる。枯木群の腐朽が進み塩湿地植物群落に置き換えられつつある。(北海道) (2020.08.28)
vegetation
図. 2009年の野付崎の植生図 (深津他 2017).
▇▇ 海堤植生
▇▇ 塩湿地植生
▇▇ ヨシクラス
▇▇ ミズナラ群落
▇▇ エゾミヤコザサ群落
▇▇ ハマニンニク-コウボウムギ群集
▇▇ ハンノキ群落
▇▇ ダケカンバ群落
▇▇ 人為裸地
▇▇ 自然裸地
トドワラ
魚つき保安林 [自然を守り みんなを守る 保安林] 落石小6年 石垣美香

林野庁根釧東部森林管理署 (2020.08.28)

Todowara Todowara
トドワラ (2020年8月28日)________ナラワラ (2020年8月28日)

石狩浜 Ishikari Coast

石狩浜海浜植物保護センター周辺に見られるハマナス(Rosa rugosa)は、草丈が低いことが特徴となっている。

Ishikari 第一砂丘(海側) 第二砂丘(陸側)

__0________50________100_______150______200______ 250______ 300
_不安定帯 /_半安定帯_/__________安定帯___________________
____砂浜___/ハマニンニク-/_______ハマナス群落_______/_____カシワ群落
___________コウボウムギ群落


銭函海岸

2011年9月現在、風力発電用風車建設計画があり(日本生態学会声明↓)、海浜植生の衰退が懸念されている。できてしまった(露崎他 2021)。
カシワ林から海岸側に向かって歩くと「オタナイ発祥之地 森戸芳衛書」という碑が建つ(2008年8月31日)。碑の裏に、「此の地は原名をオタナイと云い石狩町樽川発祥之地である 石狩湾新港建設に関連して小樽市に編入された」という碑文があった。 ノート: 2017年11月18日、様子を見に行くと入口封鎖され2つの看板確認
関係者以外の車両進入禁止 この先は、関係者以外の車両の進入はできません。ご理解・ご協力をお願いします。
ゲート前駐車禁止 ここは北海道が管理する新川の管理用通路です。ゲート前に車両を駐車させることは河川維持管理及び緊急時の支障となりますのでご遠慮下さい。札幌建設管理部事業課 011-662-1161

浜厚真 Hama-atsuma

注目種: ホッカイコウホネ、ホソバヒルムシロ、ジョウロウスゲ、ヒメガマ
アセスメモ:
クロユリ、ヒロハノカワラサイコ、フクジュソウ、ベニバナヒョウタンボク、イソスミレ、イトモ、イヌタヌキモ、エゾサワスゲ、エゾナミキ、オオアブノメ、キタミソウ、コキツネノボタン、ジョウロウスゲ、セキヨウイ、タヌキモ 二級河川厚真川水系 厚真あづま Adumagawa River
川の名の由来: 厚真川は夕張山系夕張岳南麓の丘陵地帯に発して、太平洋にそそぐ流域面積382.9 km2、流路延長52.3 km河川で、有力とされているのは、この地域の湿地帯に名付けられた、「アットマム」(向こうの湿地帯)から転訛して「アトマム」「アトマ」になって「アッマ」担った説である。(北海道)
☛ 大規模風力発電事業計画

事前記録 = 浜厚真BioBlitz 2021 (維管束植物238種. 2022/03/15)


長流 Osaru

洞爺湖有珠山ジオパーク (Toya Caldera and Usu Volcano Global GeoPark)指定地域

植物リスト (実習用)


室蘭 Muroran

チャラツナイ浜
学生時代に藻類実習で1週間ほど缶詰になった浜で、思い出深い。まさか、毎年、ここに来るとは、想像もしなかった。しかし、海藻研が2012年に移転したため、実習で、この浜に来ることはなくなってしまった。
電信浜 Denshinhama
室蘭臨海実験移転に伴い、2012年から実習地が変更となった。

砂崎 Sunasaki

野帳愛好家(bird lovers)の間では、猛禽類シロハヤブサが来ることで有名な海岸である。

[湿原 wetland (マーシュ marsh)]

観察所(掘立小屋)入口にあった看板の文書 (2011/07/22)

砂 崎 海 岸 野 鳥 観 察 所

この施設は周辺に飛来する野鳥を見学することを目的に砂原ライオンズクラブ認証15周年記念事業として整備されました。
  • 緯度 北緯142度08分05秒, 経度 東経40度42分54秒
  • 飛来する鳥: シロハヤブサ・ケアシノスリ・コミミズク・コクガン・ハイイロチュウヒ・ユキホオジロ・他

- 2002·7·11 - 設置 砂原ライオンズクラブ・管理 砂崎灯台クラブ


東久根別 Higashi-kunebetsu

北海道教育大函館校野外実習「生命環境野外実習」で2008年から2010年まで使わせて頂いた海岸である。上記の写真(ハマニガナ Ixeris repens・ハマダイコン Raphanus sativus)も、この海岸で撮ったものである。

海浜植物 (coastal plant)


Def. 主として海岸近くに生育する維管束植物 (= 海岸植物)

☛ 北海道の海浜植物 coastal plants in Hokkaido

特徴
塩分、強光、乾燥、強風、土壌移動
→ 形態的・生理的適応

多肉質葉・有毛葉
匍匐性・栄養繁殖
CAM

ST ST 塩分: 植物成長促進されない → 耐性はあっても塩分が成育に有利なわけではない (Tsuda 1961)
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