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用語: 各地域、各分野(生態学・水文学・土壌学等)で別個に定義発達し混乱環境大別海水域 = 常に冠水陸上域下部 = 泥多く満潮時浸水 陸上域上部 = 砂質で一部浸水 湿度範囲 mositure regime: 生態に長期間影響を及ぼす生理学的な水分状態 – 長期的土壌水分状態
沼沢性 telmatic: 定期的氾濫条件下で生育する植物による水面付近での泥炭形成 湿地 mire陸生湿地の総称 (西欧) = 水多くスポンジのような土地 (≈ 泥炭地 peatland, 同意のこともある)mire = bog + fen 開水 open water: 一時的にでも抽水植物が存在しない水面 降水栄養性湿地群 bog mire complex (ombrogenous wetland)
降水栄養性 ombrotrophic (ombrogenous): 栄養分が結露含む降水のみに供給される
マール marl: Ca, Mg炭酸塩の緩い土壌の堆積。主に鉱物質湧水に涵養される流域で堆積する rheophilous: 動きのある水の所の植生 (鉱物質涵養性のより広いgeonerousという意味で使われる)
地表水涵養性(滞留水涵養性) topogenous: 地形起伏による供給水がある。窪地の部分的水面も含める |
基本6分類 (major types)
形成過程と水供給源![]() a. 湧水湿原____________b. 斜面湿原_______c. 貫流水湿原 ![]() d. 沼沢化型湿原_________e. 氾濫湿原__________f. 陸化型湿原 ![]() g. 釜型湿原______________h. 降水涵養性湿原 ■ 高位泥炭, ■ 低位泥炭, ■ 湖沼堆積物. → 水の主な移動経路 図1. 欧州中央部の湿原形成過程・涵養水供給源による分類(Succow 2001) 栄養段階 nutirent classes栄養分(酸素、水、光エネルギー)状態を考慮した植生の状態→ 現場で栄養分知ること困難 → 植生により判別行われる (循環論法的) 貧栄養 oligotrophic: 利用可能栄養分少なく生物学的活性低 Ex. raised bog 貧(悪)栄養 distrophic: 貧栄養で、ある種の生物にとって有害な条件がある場合 < 亜貧栄養 suboligotrophic < 亜中栄養 submesotrophic< 中栄養 mesotrophic: 有機物分解低く未分解腐植 raw humus (mull)現れる < 過中栄養 permesotrophics < 亜富栄養 subeutrophic < 富栄養 eutrophic: 排水の悪い湿原にはない ラムサール条約における湿地第1条1 この条約の適用上、湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的のものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(= 塩水・海水)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地または水域をいい、低潮時における水深が6 mを超えない海域を含む。 |
Def. 表層地水位と地下水水位がほぼ一致し、水草が優占する湿原
Ex.ヨシ・ガマ・マコモ 集水域湿地 basin swamp: 閉塞凹地ケルトホールにできた沼沢地。水涵養源は浸透(湧出)水や表面流出水水路上沼沢地 water track swamp: 凹状の排水流路が通る沼沢地。鉱物質でできた丘に発生
分解の進んだ黒泥が多い 落込穴 sink hole: swamp中によくある湿原中の小さな窪み
水多く、窪み中に泥炭あれば分解が進んでいる
アメリカカラマツ、Picea glauca、バルサムモミ、Cedrus deodara等 (spruce bog)。Picea marianaは高層湿原より早く成長 水供給 = 地下水、浸透水、地表面流出 カール carr: 低木林や森林を覆う低層湿原(欧州) ⊂ swampハンノキ沼沢地 alder swamp: 水多く富栄養な土地(時に黒泥muck soil)
高層湿原のはずれで浸透水(湧出水、浸出水)の影響のある所によく形成 湧水湿地 quellmoor: 湧水に形成された湿地 ローン lawn: 一様な広がりを見せる地表面の硬い湿地植生で単子葉植物(Ex. Molinia)顕著な所 ブレンケ (池塘, = loch, ≈ pond): 高層湿原にできる池
閉鎖池 closed pond: 有機物(多くは生きた植物)で塞がれた池溏 河畔林(水辺林, 河辺林) riparian forest(s.l.) 河川と相互に影響がある範囲の森林 = 渓畔林 + 河畔林(s.s.) + 湿地林渓畔林(渓谷林) valley forest: (河川上流域)渓流周辺
日本温暖帯: ケヤキ林 扇状地河畔林: 砂礫がちの扇状地帯
Ex. ドロノキ林 (東北-北海道)、ヤシャブシ林 平地河畔林: 平野部
Ex. ヤナギ林(高木林・低木林) ヤチダモ林: 河畔林-沼沢林の間 - ハンノキ、ハルニレと混生多 エノキ林: 自然堤防上 (河畔林 river swamp forest) + 構成樹種: オニグルミ、オヒョウ、カツラ機能
ハンノキ林 → 水位↓ ヤチダモ林 → 水位↓ ハルニレ林 Ex. ハルニレ林: 河畔林(s.l.)の中では最も乾性立地自然堤防、氾濫原、扇状地、山麓部、山地凹型斜面、段丘斜面等 |
= 土砂移動堆積: 河川運搬土砂(水積)、斜面移動土砂(匍行・崩積) ↓ [ 扇状地河畔林 ] ➔ ●洪水撹乱 ●最低河床からの高さ(水分、粒径) 下流 ↓ [ 沖積低地湿地林 ] ➔ ●河川水の停滞 ●推移、水質、土壌の化学性 札幌 (恒屋・伊藤 1983)
ハンノキ・ヤチダモ = 低位泥炭土 土壌水分: ハンノキ林 > ヤチダモ林 > ハルニレ林 胆振防風保安林: 茨戸川および石狩川(改修後)に囲まれる (恒屋 1996)茨戸川 - 氾濫原 - 砂堤列帯 - 紅葉山砂丘
氾濫原: 上層 = ハンノキ・ヤチダモ - 下層 = ハルニレ
ハルニレ実生は不安定立地にのみ出現 - 不安定立地で更新可 ☛ 海岸 seashoreマングローブ mangrove(ヨシ・スゲ類混在することもある)熱帯-亜熱帯、河口の干潟(砂泥地)に発達する森林
種: マヤプシキ ヒルギダマシ ヒルギモドキ/オオバヒルギ オヒルギ メヒルギ 干満 - 淡水塩水頻繁に入替 + 土壌泥深く不安定 → 土中酸素乏しい
⇒ 呼吸根発達 + 塩分排出機構
浮遊中は破婚・発芽(開葉)抑制 - 海水による散布上の重要性質 ![]()
① オオバヒルギ: 樹高5-7 m、支柱根(≤ 2 m)、垂下根(下枝から下垂)
海 ← ヒルギダマシ/マヤプシキ-オオバヒルギ-オヒルギ-(海岸林)* (* ≠ マングローブ林、**: マングローブ林としない見解多) 帯状分布要因 = 海からの距離に沿った環境傾度Ex. 基質(砂・泥)、塩分、波浪、湛水時間 塩性沼沢地 salt swamp: 潮間帯や河口から上流に向かって発達温帯以北 (マングローブ林欠く地域) 沿岸沼沢地(潟) lagoonポコシン pocosin: 米国東部の地学的に最若で低平な海岸平野にある湿地
地形: 僅かにドーム状 (時に湖沼有する) |
水は滞留かゆっくり動き、季節的潅水氾濫受ける。水質弱酸性-アルカリ性
地形区分河口 estuaries (大きな川の河口 estuary)河口湿地 estuarine marsh: 河口隣接した湾で、潟、流路、池溏が淡水、汽水、塩水の湛水受ける 沿岸湿地 coastal marsh: 河口から離れた海岸段丘上marine terraceや沿岸州内側湾入部、ラグーンで定期的に潮汐、汽水、塩水の湛水受ける 河川湿地 fluvial marsh: 流路上や氾濫源上 静水湿地 lentic marsh: 湖岸や川跡湖flowage lakeの岸 集水湿地 catchment marsh: 地形的に集水域 浸透水湿地 seepage marsh: 地形的な集水域ではなく、標高的に低いところか斜面の麓 窪地湿地 basin marsh: 閉塞した凹地(氷塊による凹地、ケルトホール、氷河凹地等)のmarsh。水涵養源は、表面流出水、溢水、表面排水、地下流出水等 牧草湿地 meadow marsh &asymp: 低層湿原fenと同意か、沼沢地の一部が全般的に厚い湿原で水位変動大 |
湿地溝: 湿原中に形成される溝状の地形
水・堆積物移動に関係 - 湿原形成過程や水文環境変化を示す地形 塩湿地 (salt marsh)(= 塩沼, 塩性湿地, 塩性沼沢, 塩水性湿地)海水の影響を受ける湿地生態系 (☛ 塩生植物 生育する湿原)
河口、沿岸部、内陸塩湖周辺に多 ⇒ 塩性環境 潮汐湿地tidal marsh: 潮汐により周期的に浸水・乾燥が繰り返される湿地 湿性草地 (wet meadow)湿性草原wet grassland: 非湿性植物交えるか、湿性植物優占しても植生高低い(< 1 m deep)Ex. 湿性プレーリー wet prairie, 河川後背湿原(河川湿原) river meadow 浮芝 floating grass mat: 増水時に浮遊するマット状植物群集
主要植物: イネ科、カヤツリグサ科 |
[ サロベツ湿原 ]
≈ 泥炭高層湿原 peat bog ≈ 降水栄養性湿原 → 極貧栄養性 → 土壌酸性化 ミズゴケ湿原多 (+ スゲ類、ツツジ科低木(被度 < 25%)か常緑木本) 土壌栄養: 貧栄養性 dystrophic ~ 中栄養性 Def. ハンモック hummock: 高層湿原で周囲よりやや高い凸状の高まり主にSphagnum等の成長により形成
ハンモック > 谷地坊主(普通) + (側面 ≠ 傾斜・逆傾斜) →
Def. ブルテ(ブルト/ビュルテ, 独語) bulte ≈ ハンモック サイズ(一般に): ハンモック < 泥炭マウンド 更新サイクル regeneration cycle高層湿原発達過程の[ブルテ ↔ シュレンケ]を繰り返すサイクル ⇒更新複合体 regeneration complex: 高層湿原で形成が再生複合した広がり
シュレンケ内半水中性ミズゴケ類 = 成長早く隆起 → ミズゴケブルテ形成 → ミズゴケ・地衣類、潅木からなる成長遅いブルテは周りの成長に取り残され湛水しシュレンケ形成 ⇒ 繰り返し
普通に形成された頂部: ツツジ類、コケ類、地衣類、小潅木等
北西欧州: Betula pubescens, Pinus sylvestris 典型的raised bogではシュトラング湿原の集まったものが発達し形成 大陸性(気候下)高層湿原 continental bog: raised bogに類似 → 隆起低、多くはマツ類疎林や潅木(Ledum palustre, Chamaedaphne calyculata)に覆われたミズゴケ類からなる欧州東部: meadow raised bog, ridge raised bog, karst raised bog キューポラ cupola: ミズゴケ優占した降水涵養性湿原のドーム状の部分
→ 周辺に縁辺湿地laggがある → 非森林性隆起泥炭地 bare raised bog: 森林ないドーム状泥炭地(南スウェーデンの分類) ブランケット湿地 blanket bog complex = ブランケット湿原(高地湿原, 地形被覆高位泥炭地) branket bog complex (upland moor) 地形の凹凸を反映した泥炭地(英)
起伏ある準高地(丘陵地)覆う高位泥炭地。標高高い所か低平地では寒冷湿潤地域に形成され、丘陵地では多温多雨な所に形成される。起伏全体(丘陵、斜面、谷)を覆うこともある。泥炭は繊維質、降水涵養性で、稀に厚さ6 ft以上となる 大型泥炭丘 krupny torfyany bugor 沿海性高層湿原 maritime bog (この訳はよくない): 起伏を覆う高層湿原(ブランケット湿原)。冷涼で多湿な気候地帯にできる湖水性沼沢地 lacustrine bog: 高層湿原形成過程で、依然鉱物質の水が大きな影響を与える中間的段階 丘陵地覆う高層湿原。高標高の所か低平地でも寒冷湿潤な地域に形成され、丘陵地では低温多湿な所に形成。泥炭深2 mに達することもある 湿地林(訳不適切) bog forest (continental forest raised bog): 高層湿原に成立した森林 - 沼沢地より貧栄養性 指紋状高層湿原 fingerprint bog陸化型湿原 bog of lacstrine origin: 湖盆埋積で湛水深浅くなり、湖底の至る所に抽水植物が繁茂し形成 湿原湖 bog lake: 岸全体か一部が高層湿原に囲まれた開水面。湖岸周辺、湖底、かその両方に泥炭堆積を持つ。多量のコロイド物質を含有 (いずれ高層湿原に変わると考えられる) 浮島(フローティングマット) floating mat水溜りに浮かぶ泥炭の1形態。湖岸沿いに形成多いが、モレーン凹地、ケトルホール kette hole、シンクホール sink hole等にもある
プラウアー plaur: ドナウ川デルタのヨシの浮島
突出海岸進出 > 湖底堆積 → 湿原下に水塊閉じ込められ不安定で、この上を歩くと動揺 (= 名前の由来, ≈ quagmire) 非対称丘モール eccentric bog complex 潅木湿原 (矮生低木湿原) dwarf shrub bog: 貧栄養で比較的乾く高層湿原 → ツツジ科小潅木・ミズゴケに覆われる 傾斜地湿原 bog on hill slope (Gehangemoor): 水流出し易い傾斜地に形成フロエ flowe (Scotland): 傾斜した高層湿原 斜面高層湿原 sloping or hanging bog: 鉱物質含む水を受ける斜面。内部で横方向への水移動は泥炭堆積で制限され、高層湿原植生優占 - 湿潤地方多アーパ湿原 (= 島状泥炭地、環状高位泥炭地, aapa mire)等高線に沿いシュトラング-湛水シュレンケ降水は殆ど雪が供給 → 融雪期に蒸発作用弱く水が多量に表面流出 = 地表に長く滞留 → ミズゴケ発達抑制 → 全体の形態(断面)は平坦かやや窪む 亜寒帯の広範囲に分布 混合湿原 mixed mire ⊂ アーパ湿原 = 降水涵養性となる高さのridge + 鉱物質涵養性に留まる残りの部分(多くはflark) |
シュトラング strang (strange), string, (bog) ridge水田畦の様な帯状の幅の狭い泥炭部通常、傾斜方向と直行する長い軸持つ 網状パターン形成もある シュレンケ (ハロウ hollow)ブルテかケルミ間の凹地。浮島で水を湛えた平坦部 → ハリミズゴケ定着ハリミズゴケマットにオオミズゴケ侵入 → ブルテ シュトラング(ストリング)湿原 string fen構造性湿原 (patterned mire or patterned fen) ⊂ アーパ湿原豊富な融雪水の局所的流れにより形成されたブルテ-シュレンケ起伏を持つ シュトラングと湛水シュレンケは傾斜方向に直角な梯子状パターンを成す
フラーク flark (rimpi, flachette (ニューファンドランド), mare, hollow): シュトラング湿原にある規則的配列シュレンケ。北方型鉱物栄養性泥炭凹地。通常細長く、水多い泥状凹地。長さ数100 mに及ぶ。斜面上でflarkは細く幅は数m。平坦な湿地で幅数100 m以上のこともある。Flark長軸は必ず斜面方向と直交
トウヒ島 spruce islands [米]: 高層湿原植生 + クロトウヒ-米国カラマツ林 ストリング湿原 string bog: シュトラングとフラルクからなる主に降水涵養性で貧栄養性の湿原 → 構造性構想湿原 patterned bog 窪地泥炭地 basin bog: 湖や河川流路の閉塞した凹地やケルトホール(ポットホール pothole)に、水位高まで形成される高位泥炭地。表面は平坦、緩傾斜、または若干凹 → bog lake, closed pond, raised bog窪地湿原 basin fen (retention fen, soligenous peatland, topogenous peatland): 窪地泥炭地basin bogの凹地が低位泥炭で占拠された部分 洪水は春季流出・浸透により短期間しか生じないが、水は長く滞留し低位泥炭地植生発達 偏心湿原 eccentric bog (訳不適): 縁辺部付近が高まる高層湿原で一方向に傾斜し、時に扇状やサドル状。低地-高地にある![]() 歌才湿原 Utasai bogミズゴケ湿原 4.5 ha。泥炭深 ≈ 9 m、2万数千年の変遷記録。黒松内町とANT(公社日本ナショナルトラスト協会)が平成27年に土地取得し、植生・地下水位モニタリング、排水路改修等、保全再生の取組み。踏圧抑制のため立入禁止。生物・土壌採取禁止(Tsuyuzaki & Zhang 2020) 「日本の重要湿地500」(環境省)選定: 黒松内町字豊幌311-4, 311-5 (約5.5 ha)。地権者: 黒松内町、ANT。連絡先: 町役場企画環境課 0136-72-33761989 黒松内町: ブナ北限里づくり構想
1991 自然体験学習宿泊施設 分野横断的プロジェクト研究(GRENE流域レジリエンス朱太川) 里山研究プロジェクト(JAGUAR) 2012 後志地域生物多様性協議会設立 来馬湿原: スゲ類 エゾサワスゲ、グレーンスゲ、ヤチカワズスゲ、オオカサスゲ 神仙沼 (Shinsen Bog)面積 神仙沼 1.19 ha 湿原 4.18 ha 水深 最大 2.00 m 平均 1.30 m「神仙沼」命名の由来 昭和3年10月7日、日本ボーイスカウトの生みの親である下田豊松氏一行が、ニセコ山系に青少年の心身修養訓練道場の候補地を求め、その踏査中に発見された。独特の青色した静寂の湖面には、湿原性アカエゾ松が逆さに映り、岸辺には名も知らぬ水草が繁り、まさに別世界へ来たような景観とそのあまりにも神秘的な雰囲気にのまで、「皆が神、仙人の住みたまう所」との印象を受けたことから、下田氏等により神仙沼と命名された(北海道森林管理局 後志森林管理署) 美唄湿原: 亜寒帯高層湿原(20-50 ha)、地盤沈下で減少中(原植生 < 1 ha) ヌマガヤ-イボミズゴケ群落、オオイヌノハナヒゲ-ワタミズゴケ群落、チマキザサ群落、シラカンバ-チマキザサ群落 幌向湿原幌向再生地泥炭採掘跡地 → ヨシ原 + 外来種侵入 → 再生(地域連携)2017-2019 植物導入の試み ☛ ホロムイ七草
2017 ヤチヤナギ、イソツツジ、ゼンテイカ、コバギボウシ、ワタスゲ、ミカヅキグサ、ハイイヌツゲ、モウセンゴケ、ヌマガヤ、ホロムイスゲ、ホロムイコウガイ 現在地 夕張川右岸 ☛ 警戒レベル情報河川敷地占用標識 (気になる看板)許可番号 札建江河 第12号 許可年月日 令和6年4月12日 許可者 北海道開発局 使用者 住所 氏名 札幌市東区中沼4条1丁目3番11号 北海道緑興 株式会社 占用目的 泥炭水切り場 占用面積 99.233.5 m2 占用期間 令和6年4月20日から令和7年3月31日まで [その隣には上記看板と同じだが空欄だらけで] 許可番号 札建公管企 第 _____ 号 使用者 住所 氏名 札幌市北区北7条西6丁目1番地 北海道農材工業 株式会社 使用目的 泥炭採取 (「採取土量 m3」という項目があるけど空欄) というのが立っていた |
≈ 鉱物質栄養性湿原 表層水移動性高 → 鉱物質涵養性で栄養に富み、酸性度が高層湿原より低 栄養区分富栄養性低層湿原 eutrophic fen: 栄養に富む陸水に涵養されミズゴケない中栄養性低層湿原 mesotrophic fen: やや栄養分乏しくミズゴケ出現 (貧栄養性低層湿原 - 存在しえない) ソーク soak: 筋状低層湿原で、浸透水の水道となる所。高層湿原を横断したり、2つの高層湿原の境界となる フェンソーク fen saok: 高層湿原を囲む自然排水路で、湧水個所では鉱物質の水が出現することもある 湧水湿原 spring fen (soligenous muskeg): 湧水箇所や流出地帯に形成される凸状か傾斜した低層湿原
平坦地に形成されることもある 言葉はbogだが 降水涵養性湿原未発達(= 低層湿原) ≈ minerotrophic wetland, swamp 滞留湿原 retention fen: 殆ど一年中洪水が残留する低地低層湿原ヒース (heath, UK)一般的に、ツツジ科ヒース常緑潅木優占地
酸性・貧栄養土壌 + 先史時代以降の人為(伐採・野火・放牧) 高山風衝ヒース、パラモヒース(南米) ヒーザー heather: 特にErica, Callunaに覆われた砂地や鉱物質土壌。泥炭ないこともあるヒーザーモーア heather moor: 泥炭があれば高層湿原となる |
縁辺湿地 lagg (スウェーデン語) (marginal fen, ditch, slough, fen soaks, seepages) 高層湿原を取巻く富栄養性湿地 = 低層湿原植生有。Raised bog境界に相当。凹地状高層湿原から水が抜けた結果 水文的縁辺湿地 hydrologic lagg: 地下水位が高くなると泥炭層の薄い周辺部が上昇した地下水面下になり湛水する縁辺湿地 → emergent fen: marshに関連 マクンベツ湿原 (Makunbetsu fen)![]() ![]() 石狩市 (43°13'30''N, 141°21'42''E, 標高 2 m) ハンノキ (Alnus japonica)-ヨシ群集: ミズバショウ群生地 ハンノキは湿原の代表的指標種 (indicator species) 見かけた看板 (2010年4月24日) 住民参加による自然林の再生地地域住民協力のもと、自然林再生を目標に、生態学的混播法による植樹が実施された場所です。車の乗り入れ、除雪作業等の際は十分注意してください。 サークルの周り直径3 mの円内の草刈はしないでください。 北海道開発局 石狩川開発建設部 札幌河川事務所 TEL (011) 581-3235 谷地坊主(野地坊主) tussock: 低層湿原(泥炭地)スゲ群落の叢株隆起 (s.s.)ブルテの一種とする人もいる 中間湿原: 高層湿原と低層湿原の中間的なもの代表種: ヌマガヤ、ニッコウキスゲ、ヒメシャクナゲ、ワタスゲ |
川・湖・海等の水面のある地形の中で水深が浅い部分 |
Def. 水生生物 aquatic organism: 水中・水面・水辺に生息する生物の総称 浮遊動物 = 動物プランクトン zooplankton Def. 水生植物: 水生生物のうち植物 (⊂ 水生生物)
Def. (成育, s.s.): 水への適応形態 = 沈水 + 浮葉 + 浮遊 + 抽水植物 等
(= 水中植物, s.s.)
Ex. Nymphaea spp., Nelumbo nucifera, Potamogeton spp.
根 ≠ 水底固定 ∴ 水面-水中浮遊
Ex. Phragmites australis, Typha latifolia, Zizania latifolia
特に水辺や浅水域に匍匐し成育する種 Ex. コウホネ類、シオクグ
湿地・浅水域に成育する植物 |
![]() 図. 水生植物生活型に基づく自然度の高い湖岸帯での緩傾斜地形と植物群集(桜井 1991) 淡水植物 → 植物プランクトン → 浮生植物 → 浮葉植物 → 抽水植物 洞爺湖
ヒルムシロ類 Potamogeton spp. (全て水草): リュウノヒゲモ P. pectinatus L., エビモ P. crispus L., ヒロハノエビモ P. perfoliatus L., ササエビモ P. gramineus L., センニンモ P. maackianus A. Benn. チトセバイカモ Ranunculus yezoensis Nakai マツバイ Eleocharis acicularis (L.) Roem. et Schult. var. longiseta Svenson イトイバラモ Najas yezoensis シャジクモ類 Chara L. sp(p). (輪藻) |
湿原消失原因 cause of wetland destruction湿原の維持管理は現在の所困難であり減少の一途を辿る開発: 農業 agriculture + 林業 forestry (logging) + 都市化 urbanization 浚渫 dredge spoils エネルギー生産 energy |
谷地坊主(あるいは野地坊主)は、日本では湿原に見られるイネやスゲが作る隆起を指す。ワタスゲ(Eriophorum vaginatum)やホロムイスゲ(Carex middendorffii)は環境により谷地坊主を発達させる。 谷地坊主に当たる英語としては、tussockがよく用いられる。ただし、tussockは、乾いたところにあるイネやスゲが形成した隆起も指すので、必ずしも谷地坊主とは限らない。集合関係で言えば、谷地坊主はtussockの真部分集合となる。たとえば、ヒメスゲ(Carex oxyandra)の株立ちは、tussockと呼べるが、谷地坊主とは言わない ちなみに【名】1. 草むら、茂み. 2. [毛髪・羽毛などの]房 (英辞郎 2008/10/12)【名】【C】 草むら, 茂み. (研究社和英中辞典 1998) まったくもってイメージが掴めない訳である 機能定着促進効果(facilitation)
ストレス緩和 十勝坊主= アースハンモック(芝塚・凍結坊) earth hummock
⊂ 円形土 → 成因が谷地坊主と全く異なる [スゲ属 Carex] 世界の谷地坊主ニュージーランド![]() ![]() [1/2] ニュージーランド、ルアペフ山中腹で見られたtussock群(1996年12月17日)。これは、谷地坊主とは呼べないがtussockではある |
日本 (北海道)![]() ![]() [3] 有珠山に見られるヒメスゲ (Carex oxyandra). [4] サロベツ泥炭採掘跡地で発達するホロムイスゲ (Carex middendorffii)谷地坊主(Koyama & Tsuyuzaki 2010)。これらの谷地坊主は、微環境を改変することで実生の定着を促進している(Koyama & Tsuyuzaki 2012)。しかし、異常気象(乾燥)年には、その効果は薄れる(Koyama & Tsuyuzaki 2013) ![]() ![]() [5] オオウシノケグサ(Festuca rubra)により形成された谷地坊主。基本的に、この種は乾いた場所に生える。 アラスカ[6] 2004年に森林火災のあったポーカーフラットで見られるワタスゲ (Eriophorum vaginatum).ツンドラ tundraに発達した谷地坊主の頂部は、猛禽類(フクロウ)の採餌場と化しており、骨の山が見られる(Tsuyuzaki et al. 2008) 中国Carex meyerianaの谷地坊主は、頂部に他種を定着させ、種多様性を上げている(Tsuyuzaki & Tsujii 1992) |
Def. 内陸水域(淡水・塩水)の生態系を対象とする科学分野
Ex. 湖、沼、池、河川、湿地、貯水池、地下水
淡水生物学 freshwater biology: 湖沼学で生物学の部分
亜沿岸帯 subcoastal zone (≈ 貝殻帯) ≈ 変水層(水温躍層) |
種毎に一定の深度を持つ帯状の純群集形成 静水性: 流れないか非常に緩やかな水環境(止水域)
静水性湖沼: 風による恒常的な波を被ることのない湖岸 砕波湖岸: 動水性の湖岸 調和型湖沼 vs 非調和型湖沼: 湖沼の生産力、成分に基づく区分
調和型湖沼: バランスのとれた安定湖沼 |