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(2016年1月2更新) [ 日本語 | English ]

土壌 (soil)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

野外調査道具 (field equipment)

土壌
[ 形成作用 , リター ( PLFAs )]
分類 [ 農地 | 森林 | 粒径 ]
断面 [ 断面 soil profile | 落葉落枝 litter | 腐葉 duff ]
診断 [ 基準 standard for soil diagnostics ]
園芸 [ 用土 ]
特性 [ 水分 | 分析 ]
土とは (What is soil?)
地球表面のごく薄い生物活動の影響を受けた層。当然、「ごく薄い層」がどの位かは立場により異なる

a. 植物根が密に分布する層
b. 植物根分布層に物質・エネルギー移動により影響与える層を含めた層

クリミア半島
Ex. 森林・草原の規模: 人工林しかない
Ex. 草原: チェルノーゼム chernozem = 表層から1 m位黒い土

土壌転換(混合)が生物により行われるbioturvation。腐植発達

クロトビナ krotovina: モグラ・ネズミ・リス等が作った跡に腐植蓄積
径5 cm位。チェルノーゼムによく見られる

→ 土壌転換に有効
土壌断面 soil profile: 土壌は様々な要因によって絶えず変化


1870頃: 地質調査の必要性

ライマー来日: ライマー地質図作成
ナウマン来日: 鉱山学校教師目的に来日 → 話絶え内務省地質課に入る

ライマー地質図に刺激され地質調査所を作り地質、土壌、地理上の調査研究を行う

Fescaの論 (Max Fesca: 地質調査所の土壌を担当)

火成岩 ⇐ [この間が土壌: 鉱物質集合体(+ 有機物添加)] ⇒ 水成岩

ロシア学派

Dokchaev VV (ドクチャエフ), 1846-1903
1890頃: Dokchaevの論

soil A-C層分け行う
高度、緯度の違いから土壌特性異なる → 主に温度(気温)によることを指摘 → 成帯土壌: 成帯土壌は気候climate zone と連関している事も指摘
Taylor, G.による土壌区分

索引

礫土(gravel) = 植物生育困難, 砂土(燕麦土壌, sand) = 燕麦位なら育つ, 壌土(大麦土壌, loam), 埴土(小麦土壌, clay)

soil → 岩礫が土に変化: One of ecosystem: = abiotic factors
生物いる地球 = 土ある vs 生物いない月 = 土ない
→ 生物相互作用 biotic interactions

Sibirtsev NM (1860-1900)
Glinka KD (1867-1927)

1893 (明26): 農商務省農事試験場(東京本場, 大阪・宮城・石川・広島・熊本・徳島支場)設置

土壌調査 (soil survey)


土壌環境から農学的応用等への基礎データ 日本土壌調査内部資料は税務署管理(昔の西欧租税制度は地力に基づくものであったため)
土性: 特に粘土の量
化学的性質: 母岩

Ex. ゼオライトzeolite土壌

ポルサイト (ポルックス, Pollucite): (Cs,Na)2Al2Si4O12·2H2O
→ 高濃度のCs

地下水位(地下水面 ground water table)
→ [初期] 岩石・地質が土壌を決める → 調査が進むにつれ地質図は土壌図の代用にならないと判明 T.7,8-: 施肥標準調査: 土壌調査を伴わないため失敗
T.15: 土壌調査を考慮した施肥標準資料を集めようとする - 調査法確立

調査法

Ex. 約1500 haの土壌調査 → 大体25 haに1個所の割合で調査地を取る
方法
両方の方法を適宜組み合わせる

地質図・地形図の組合わせで調査地選定 → 多様になるよう考えるが実際は難しい
メッシュどり: その交点を調査地とする → 現場に行くと難しい

土壌断面作成(試抗断面調査) soil profile

___________________________________________
推移幅 [図式]__3 cm < [実線]__3-5 cm [一点鎖線]__5 cm ≥ [破線]

土壌断面を取る
土壌断面チェック
土壌を採土缶又は試孔により採集
→ 土壌断面の層数だけ採土する
soil survey

試孔: 検土杖、ボーリング等による(C層まで)
断面の取り方
深さ13 cm

深さ30 cm

深さ80-100 cm

soil survey
土壌断面調査。できうれば太陽光が観察面に当たるように向きを決める。
調査項目: 土壌の色具合、根の状態等を色鉛筆でスケッチするのもよい

19____年____月____日 調査者___________

No. _____ 凡例名(群落名) ________________上右/下左 図幅___万
調査地 ____________ 事業区 _____ 林班/小班 _____ 海抜______m 方位____°
(地形) 山頂・尾根・斜面・上・中・下: 谷: 平地: 台地: 丘陵: 凸・凹: 森林・原野
(土壌) ポド性・褐森・黄褐森・火山灰土(黒色)・擬グライ・沼沢・沖積・高湿草・他
(日当) 開・中陰・陰
(調査地・植生断面模式図) 8 cm × 5 cmグラフ用紙
母材・地質, 堆積様式, 腐植型, 土壌型, 天候, 写真, 気温
(周辺 ____ m × ____ mの植生概要)
(特記事項)
(土壌断面模式図)
深さ(cm) 温度(C) pH サンプルNo
層位別: 厚/深, 推移状態, 色, 腐植, 石礫, 土性, 構造, 堅密度, 孔隙, 水湿状態, 溶脱集積, 菌根菌糸, 根(木本・ササ・草本)を記録

soil survey
採土缶による土壌採取
土が盛り上がるくらい
に埋める

採土法: 採土缶を土壌表面(側面)に打ち込みシャベルで掘起こし余分な所は切り落とし蓋

採土缶(日本標準): 表面積20 cm² × 深さ5 cm =100 cc

tentative map
試案図
土壌境を検土杖で土壌採取し土壌型最終決定

採土は様々な他の試料として使える
→ この後、典型的土壌求め示す場合

土壌分類 (soil classification)


[ 日本農地土壌 | 日本森林土壌 ]

母材: 岩石などの土の元となる材料
母岩: 母材が岩石の場合
腐植 (humus)
微生物と新鮮動植物遺体を除くすべての有機物 (s.l.) = 土壌有機物
土壌微生物によって作られた暗色無定型の高分子化合物 (s.s.)
有機質土壌 organic soil: 有機質に富む(> 5%程度)土壌で,泥炭・湿地土・沼地土等を含む → 無機質土壌 inorganic soil
日本における農地土層の種類
  • 有効土層: 植物根が比較的自由に貫入する層。土壌硬度計緻密度が29 mm以上を示す厚さ10 cm以上の層。極端な礫層及び地下水面あれば、その上の層までとする。地表下50 cm内に存在する耕盤など有効土層を制限する土層を心土耕等で改良し、根が貫入できる層になればその層も有効土層とする
    水田・草地等では、有効土層50 cm以上、樹園地では1 m以上で1等級地と見なせる
  • 表土層 (= O層)
  • 作土層 (耕土層, = A層): 土壌の最上位層にあり、耕耘・施肥・灌水など生産のために人間が影響を強く与える層
  • 心土層 (= B層): 作土層より下の土層の総称。一般に作土層より緻密で腐植や有機物が少なく養分乏しい、しかし、作土層から溶脱した養分が集積していれば肥沃化した心土となり、その場合、天地返し等で作土層へ養分を供給できる
  • 鋤床層: 作土層直下の鋤底部分で、機械大型化やロータリー耕により緻密化傾向にあり、鋤床層が浅層化し問題
  • 基層 (= C層)
  • 耕盤: 植物根伸長著しく阻害し、透水性低下させる緻密層であり、緻密度が29 mm以上で厚さ10 cm以上の層。大型機械踏圧や鉄・粘土集積により発達

土性区分


土性 = 色 / 粒子-土性 → 西欧では石灰質の岩石が多い。また、泥炭地が結構ある
0. 砂・粘土・泥炭・腐植
→ これらの組み合わせで土壌区分(1880年まで)
1. V.V. Dokchaenによる土壌分類(1900)
1886年以来のものでDokchaenによる最終的な区分体系

参考. 小麦土壌・大麦土壌・燕麦土壌・ライ麦土壌 - 農業的区分

A: 成帯土壌 – 気候帯に対応して発達し成熟した土壌

zonal


    地帯  植生                土壌型

    I     北方森林            ツンドラ土壌
    II    タイガ              淡灰色ポドゾル化土壌
    III   森林-ステップ       灰色-暗灰土壌
    IV    ステップ            チェルノーゼム
    V     砂漠-ステップ       栗色土・褐色土
    VI    気成又は砂漠地帯    気成土壌・黄色土壌・白色土壌
    VII   亜熱帯・熱帯林地帯  ラテライト・赤色土壌

B1: 遷移的土壌

VIII__乾地-泥炭土壌(泥炭湿草地土壌)
IX___酸塩含有土壌, レンヂナ
X____二次的アルカリ土壌

B2: 異常土壌(成帯内性土壌) - 人為含む気候以外の要因で形成された土壌

XI___泥炭土壌
XII___沖積土壌
XIII__風成土壌

生物中最も大きなインパクトを持つのは人間 → 土壌形成には数10-数100年かかると言われ、人は一瞬で変える存在であり、その土壌は人工土壌(人為土壌)と呼べる Ex. 水田土

2. Marbut (1924, USA)
化学分析から土壌生成要因

→ 湿潤地 = Al, Fe (pedalfers)、乾地 = Ca (pedocals)重要
石灰質土壌 calcareous soil

  • Category VI
    Ca = Pedcals
    Al, Fe = Pedalfers
  • Category V
    Ca = 機械的風化等による形成過程土壌
  • Category IV
    Ca = (成熟土壌) チェルノーゼム・暗褐色土壌・褐色土壌・灰色土壌・極地及び熱帯 Pedcals
    Al, Fe = ツンドラ・ポドゾル・灰色ポドゾル土壌・赤色土・黄色土・プレーリー土・ラテライト的土壌・ラテライト

未成熟土壌: 沼沢地土壌・グライ土壌・レンヂナ・沖積土壌・斜面上未熟土壌・塩類土壌・アルカリ土壌・泥炭土壌を区分

1938年位から、これらの分類改変が行われ以下の分類群が作られる
目 order

亜目 suborder

大土壌群 great soil groups

成帯土壌 zonal soil

1. 寒帯

ツンドラ

2. 乾燥地域淡色土

砂漠土壌
赤色砂漠土
シーローゼーム(灰色土壌)
褐色土壌(腐植多)
赤色褐色土壌

3. 半乾・半湿及び湿潤草原暗色土

栗色土
赤色栗色土
チェルノーゼム
プレーリー土/赤色プレーリー土

4. 森林・草原遷移帯

退位チェルノーゼム(表面少し溶脱)
非石灰質褐色土又は山東褐色土

5. 森林地域淡色ポドゾル化土壌

灰色森林土又はポドゾル土壌
褐色ポドゾル土壌(レシベ等)
赤黄ポドゾル土壌(レシベ等)

6. 温暖/熱帯地域の森林地及びラテライト的土壌

赤褐ラテライト的土壌
黄褐ラテライト的土壌
ラテライト土壌

帯間土壌 interzonal soil

1. 塩類性(塩類/アルカリ)土壌、乾燥地不完全排水地/海岸堆積物

ソロンチャク又は塩類土
ソロネフツ土壌/ソロド土壌

2. 沼沢地・沼地・多湿地及び平坦地の水成土壌

腐植質グライ土壌
高地(山)湿草地土壌
泥炭土壌
半泥炭土壌
低腐植グライ土壌
プラノゾル(=レシベ)
地下水ポドゾル土壌
地下水ラテライト土壌

3. 石灰性土壌

褐色森林土(日本の褐色森林土と異)
レンヂナ土壌

非成帯土壌azonal soil

岩屑土
レゴソル(乾燥的砂土含む,花岬砂丘)
沖積土

3. 包括的土壌分類群(1960 USA)土壌命名法soil taxonomy第7次案
Order
  1. Entisol (recent) 最新の(新しい)土
  2. Vertisol (invert) 変わりうる土
  3. Inspetisol (inception)
  4. Aridisol (arid)
  5. Mollisol (mollify)
  6. Spodosol (spodos, podzol-pod) 灰
  7. Alfisol (pedalfers)
  8. Ultisol (ultimate)
  9. Oxysol (oxide)
  10. Histoso (histology) ex. 泥炭
Suborder

arc 強度に風化した, alb 白っぽい, alt高地, and: ex. andosol 暗土(andept), aqu 水, arg 粘土, ferr 鉄, hum 有機物 (ex. humus), ochr 黄化 or 淡色, orth 普通の, pamm 砂土, rend: rendizina, ud: 湿潤気候の, umbr 暗い・黒い, ust 乾燥気候の・夏高温の

Great group

agr 畑, abl 白い, anthr 人工の, arg: agricultural, brum 褐色, calc カルシウム, camb: change, crust 核, cry: crystal 寒い/透明な, crypt: 秘密の, dur 堅い, dystr: dystrophic, eutro: 富栄養の, ferr: 鉄(Fe)の, frag 崩れ易い, fragloss 舌状をした, grum 粒状, hal 塩の, hapl 単純な, hum フムスのある, hydr 水の, mag 偏平な, nadur: natr + dur, natr: Na, ochr, orth, phan, alophaneplac 平坦な, plag: plaggen (D), plint 煉瓦色, psamm, quary 石英, rhod: red, sal 塩, therm 温暖な, typ: typical, ult, umber, ust, verm: vermes ミミズ

→ これらの組み合わせで土壌命名

Ex. aquent 排水悪い新生土(aqu + ent), andept 暗土(and + ept)

農地土壌


国土調査法: 1/50,000土壌図 soil map 作成 ⇒ 表層地質 + 地形
M16: 土壌調査 soil survey 開始(当初ドイツ方式) = 粒径・母岩・産地による区分(Ex. 須磨花崗岩砂土)

→ 日本は火山灰多く分布も広い。また沖積土は母岩起源不明が多い
ドクチャエフの土壌断面に基づく分類を導入
U.G. Hirgard (USA)が成帯土壌に関する研究 → 発展

> 1938: 合州国で発展したこの分類型を日本導入(大陸での区分に有効 → 日本で合わないこと多)

合州国 soil taxonomy 第7次案特徴: 診断層(その土壌型を決定出来る層, diagnostic profile)設ける
日本土壌分類は、この方針に沿い作成され国土調査法を施行
→ 土壌分類表(北海道の農牧地土壌分類, 第3案)

. 日本耕地土壌の土壌群名、分布地及び面積 (川口 1977)
土壌群名        分布する地形          面積 (× 100 ha)

                                      水田 普通畑 樹園地

 1. 岩屑土       山地、丘陵地斜面         -    80   78
 2. 砂丘未熟土   砂丘地                   -   219   19
 3. 黒ボク土     火山山腹緩斜面、       173  9113  751
                 火山山麓、台地
 4. 多湿黒ボク土 沖積低地、谷低地      2786   964   24
                 丘陵内部の窪地
 5. 黒ボク       谷底地                 434    16    -
    グライ土
 6. 褐色森林土   山麓、丘陵地斜面、      54  2602 1461
                 台地、波状地
 7. 灰色台地土   台地                   792   403   68
 8. グライ台地土 山地、丘陵地 、        396    32    -
                 台地上及び斜面
 9. 赤色土       台地、丘陵地             4   183  169
10. 黄色土       台地、丘陵地          1481  1024  770
11. 暗赤色土     台地、丘陵地、段丘       0.2  94   57
12. 褐色低地土   沖積平野、谷底地、    1451  1996  286
                 扇状地
13. 灰色低地土   同上、やや比高低く、 10612   652  112
                 より平坦
14. グライ土     沖積平野、谷底地      8824   192   19
15. 黒泥土       沖積平野、海岸後背湿   737    17    -
                 地、山麓・山間の窪地
16. 泥炭土       同上                  1131   277    1.3
17. 未同定                                -    13    0.7

計                                    28875 17877 3814

  1. 岩屑土 (lithosol, regosol): 風化、崩壊、火山噴火、風等の営力により生成された岩片を母材とする土壌中、土壌生成が極めて微弱で、層位分化の進んでいない土壌
    固結岩由来岩屑土/未固結物質由来岩屑土
  2. 未熟土 (immature soil): 崩壊地に目立つ
    soil 日本アルプス等: ハイマツ(Pinus pumila)侵入 = 階段型となる → 反転の繰り返しの結果

    北大構内でサクシュコトニ川の流れていた周辺は極めて湿性だった

    放出物未熟土 (pumice, scoria) → 堆積物 sediment → 積層放出物未熟土

    松前-函館: 厚層黒色火山性土(20%位の厚さ50 cmの腐植)

    火山灰土壌 (volcanic ash soil): 北海道土壌の一特徴。火山灰風積物を母材に、湿潤-亜湿潤気候下に生成

    有機物集積した黒色表層を持ち、保水性等物理性良好だが、裸地では乾燥し季節風による風食受けやすい。粘土にリン酸吸収力の高い非晶質のアロフェンを多く含むためリン酸が欠乏しやすい。

  1. 黒ボク土(火山灰土) (andosol, Kuroboku soil) (由来 → 色黒く、歩くと足がボクボク埋まる)
    distribution
    火山起源 Ex. 十勝平野(典型的黒ボクと若干異なる)
    A層 = 黒 → 多量の有機物、B層 = 茶褐色
    主要粘土鉱物 - 火山灰風化生成物: アロフェン、イモゴライト (→ ハロサイト → カオリナイト)

    B層: 固相は15-18%しかない = 8割が間隙: 水はけ、水もちはよい → アロフェンの性質
    リン酸吸着性高く、植物はリン不足障害を起こしやすい
    → 多量の石灰、リン酸を施肥をすれば好適な畑地となる(水田利用には施肥不用)

    腐植は重量比で40%に達することもある
    有機物はススキ草原(Miscanthus sinensis grassland)時代に供給された(説) → ススキの有機物付与量は極めて高い
    → 排水条件により、黒ボク土、多湿黒ボク土、黒ボクグライ土の3種類に分類
  2. 多湿黒ボク土 (wet andosols): 排水不良地域に多い土壌で、下層に地下水等の影響による斑紋がみられる
  3. 黒ボクグライ土: 高地下水位の地域に多い土壌で、全層または下層がグライ化
  4. 褐色森林土 (brown forest soil): 日本に純粋のものは少ない Ex. 北海道はほとんどが酸性褐色森林土
    湿潤温暖地帯に発達。高い降水量のため陽イオンの多くが下方へ洗脱され、Fe, Aaが残ったもの
  5. 灰色台地土 (gray upland soil): 粒子細かく粘性高い。排水悪くなるとグライ台地土(擬似グライ土含む)化することが多い
  6. グライ台地土 (gley upland soil): 平坦な台地に見られる粘質で地下水位の高い排水不良土壌
  7. 赤色土 (red soil): 水分関係の違いで黄色土となる - 気候に影響された赤色土
    北海道に黄色土はほとんどみない。厳密な意味の赤色土もない
  8. 黄色土 (yellow soil): 下層が黄色 → 排水不良,母岩鉄含量少
  9. 暗赤色土 (dark red soil): 材料 = 安山岩・玄武岩 - 母材に影響された赤色土
  10. 褐色低地土 (brown lowland soil): 沖積土で、低位河岸段丘・扇状地・自然堤防上、山間の谷底平野等に分布
    全層が灰褐色-褐色で地下水位低く排水良好
  11. 灰色低地土 (gray lowland soil)/疑似グライ土 (pseudogley soil): 台地や丘陵地に存在する粘質で土が硬く、排水性、保水性共に不良な土壌
  12. グライ土 (gley soil): 河川流域や沢地・泥炭地の周辺に見られる、地下水位が高く排水不良な沖積土壌
    土色は灰-青灰色で粘質
  13. 黒泥土 (muck): 泥炭地酸性矯正に石灰を加えアルカリ化した土壌 → 分解進み黒色化(西欧で言うmuckと異なる)
  14. 泥炭土 (peat)
    pattern
    → 美唄: このタイプ(図)の泥炭地。泥炭形成は低地面積の大きさも関係する
  15. 未同定 (unidentified): 考えられるものは terra rossa (赤土)、terra fusca (黄色土)がある → 秋吉台
    テラロッサ terra rossa: 地中海沿岸地域の石灰岩溶食後に残る、酸化アルミニウム、マグネシウム、酸化鉄、珪酸等の成分からなる残留土壌。水酸化鉄集積のため赤褐色化。他地域類似土壌はテラロッサ様土と呼ぶ

森林土壌 (forest soil)


林野土壌分類(林業試験場報告280) → 林業的見地に断った区分

表. 森林土壌: 大政による土壌分類案
土壌群亜群土壌型・亜型
P ポドゾルPD, 乾性ポドゾルPDI, 乾性ポドゾルPDII, 乾性ポドゾル化土壌
PDIII, 乾性弱ポドゾル化壌
PW(i), 湿性鉄型ポドゾルPW(i)I, 湿性鉄型ポドゾルPW(i)II, 湿性鉄型ポドゾル化土壌
PW(i)III, 湿性鉄型弱ポドゾル化土壌
PW(h), 湿性腐植型ポドゾルPW(h)I, 湿性腐植型ポドゾルPW(h)II, 湿性腐植型ポドゾル化土壌
PW(h)III, 湿性腐植型弱ポドゾル化土壌
B 褐色森林土B, 褐色森林土BA, 乾性褐色森林土 (細粒状構造)BB, 乾性褐色森林土 (粒状・堅果状構造型)
BC, 弱乾性褐色森林土BD, 適潤性褐色森林土
BE, 弱湿性褐色森林土BF, 湿性褐色森林土
BD(d), 適潤性褐色森林土, 適潤性赤色系褐色森林土
dB, 暗色系褐色森林土dBD, 適潤性暗色系褐色森林土dBE, 弱湿性暗色系褐色森林土
dBD(d), 適潤性暗色系褐色森林土 (偏乾亜型)
rB, 赤色系褐色森林土rBA, 乾性赤色系褐色森林土 (細粒状構造型)rBB, 乾性赤色系褐色森林土 (粒状・堅果状構造型)
rBC, 弱乾性赤色系褐色森林土rBD, 適潤性赤色系褐色森林土
rBD(d), 適潤性赤色系褐色森林土 (偏乾亜型)
yB, 黄色系褐色森林土yBA, 乾性黄色系褐色森林土 (細粒状構造型)yBB, 乾性黄色系褐色森林土 (粒状・堅果状構造型)
yBC, 弱乾性黄色系褐色森林土yBD, 適潤性黄色系褐色森林土
yBE, 弱湿性黄色系褐色森林土yBD(d), 適潤性黄色系褐色森林土 (偏乾亜型)
gB, 表層グライ化褐色森林土gBB, 乾性表層グライ化褐色森林土 (粒状・堅果状構造型)gBC, 弱乾性表層グライ化褐色森林土
gBD, 適潤性表層グライ化褐色森林土gBE, 弱湿性表層グライ化褐色森林土
gBD(d), 適潤性表層グライ化褐色森林土 (偏乾亜型)
RY 赤・黄色土R, 赤色土RA, 乾性赤色土(細粒状構造型)RB, 乾性赤色土(粒状・堅果状構造型)
RC, 弱乾性赤色土RD, 適潤性赤色土
RD(d), 適潤性赤色土(偏乾亜型)
Y, 黄色土YA, 乾性黄色土(細粒状構造型)YB, 乾性黄色土(粒状・堅果状構造型)
YC, 弱乾性黄色土YD, 適潤性黄色土
YE, 弱湿性黄色土YD(d), 適潤性黄色土(偏乾亜型)
gRY, 表層グライ系赤黄色土gRYI, 表層グライ化赤黄色土gRYII, 弱表層グライ化赤黄色土
gRYbI, 表層グライ灰白化赤黄色土gRYbII, 弱表層表層グライ灰白化赤黄色土
Bl 黒色土Bl, 黒色土BlB, 乾性黒色土 (粒状・堅果状構造型)BlC, 弱乾性黒色土
BlD, 適潤黒色土BlE, 弱湿性黒色土
BlF, 湿性黒色土BlD(d), 適潤黒色土 (偏乾亜型)
lBl, 淡黒色土lBlB, 乾性淡黒色土 (粒状・堅果状構造型)lBlC, 弱乾性淡黒色土
lBlD, 適潤淡黒色土lBlE, 弱湿性淡黒色土
lBlF, 湿性淡黒色土lBlD(d), 適潤淡黒色土 (偏乾亜型)
DR 暗赤色土eDR, 塩基系暗赤色土eDRA, 乾性塩基系暗赤色土 (細粒状構造型)eDRB, 乾性塩基系暗赤色土 (粒状・堅果状構造型)
eDRC, 弱乾性塩基系暗赤色土eDRD, 適潤性塩基系暗赤色土
eDRE, 弱湿性塩基系暗赤色土eDRD(d), 適潤性塩基系暗赤色土 (偏乾亜型)
dDR, 非塩基系暗赤色土dDRA, 乾性非塩基系暗赤色土 (細粒状構造型)dDRB, 乾性非塩基系暗赤色土 (粒状・堅果状構造型)
dDRC, 弱乾性非塩基系暗赤色土dDRD, 適潤性非塩基系暗赤色土
dDRE, 弱湿性非塩基系暗赤色土dDRD(d), 適潤性非塩基系暗赤色土 (偏乾亜型)
vDR, 火山系暗赤色土vDRA, 乾性火山系暗赤色土 (細粒状構造型)vDRB, 乾性火山系暗赤色土 (粒状・堅果状構造型)
vDRC, 弱乾性火山系暗赤色土vDRD, 適潤性火山系暗赤色土
vDRE, 弱湿性火山系暗赤色土vDRD(d), 適潤性火山系暗赤色土 (偏乾亜型)
G グライG, グライG, グライ
psG, 擬似グライpsG, 擬似グライ
PG, グライポドゾルPG, グライポドゾル
Pt 泥炭土Pt, 泥炭土Pt, 泥炭土
Mc, 黒泥土Mc, 黒泥土
Pp, 泥炭ポドゾルPp, 泥炭ポドゾル
Im 未熟土Im, 未熟土
Er, 受蝕土

[ 北海道 | 泥炭 ]

北海道の土壌


湿性土壌 hydric soil

= 湿原土壌 wetland soil
浸水waterlogged等により土壌飽和状態が嫌気的状態を作り出すのに十分な期間継続している土壌 → 湿性植物定着
季節性湿潤土壌 seasonally wet soil: 雨期には1月以上浸水している土壌。乾期の状態は問わない
常時湿潤土壌 permanently wet soil: 平年は通年浸水している土壌
排水不良土壌 hydromorophic soil

湿性(有機物) hygric (organic matter): 湿潤条件下に加えられた有機体の質

凍上(≈ 霜柱)

機構は不明の点多
アイスレンズ ice lens: 地表0°C以下 →
土中水が凍結面近傍に集まり氷塊となる場合 = 析出氷形が凸レンズ状
→ 凍上に大きく関与

凍結進行: 発生-成長-ジャンプを繰り返す → とびとびな層形成
一枚の厚さは、土質や凍結速度等により決まる
凍結面が徐々に進行か停滞した所で成長よく、数cm以上の厚いアイスレンズとなることもある。理論上は、条件により一枚のアイスレンズが無限に成長するが、自然界では数cm以上のものは珍しい

要因
火山灰土壌: 水通しやすい → 下方から霜柱形成部位に水を供給しやすく大型霜柱発達しやすい
  1. 土粒子表面近くの水は不凍結のまま残る
  2. 凍結層内の温度は下層ほど高い
  3. 凍結層と接する水は過冷却状態(0°C以下だが凍結していない)にある

北海道の農牧地土壌分類

 北海道(Hokkaido)は泥炭・火山灰等特殊土壌が多く、酸性褐色森林土が札幌以北では大半を占める(褐色森林土は網走・北見の一部だが、これは母岩に石灰分が多く土壌が中和されたため)
 本土壌分類も、北海道土壌はテフラの影響が強いことを示している

(北海道農業試験場 1988)

土壌分類表
* 従来は農地の耕深が浅かったので、火山放出未熟土、火山性土や泥炭土についての厚さは、地表から20 cm以上と定義されていた。近年は大型機械化によって耕深も深まっているので、下層土との混合を考慮すると、前記の定義は25 cm程度に訂正するのが妥当と考えられ、このためには土壌区分のための再調査を要することから、従来の定義を踏襲し取りまとめを行った。
a: 火山灰表層を区分, b: 灰質を区分, c: 下層埋没腐食層を区分, d: 下層砂礫層を区分, e: 丘陵, 台地を区分, f: 土性(礫, 粗粒, 中粒, 細粒質)を区分
    大分類    中分類            小分類                          備考


    未熟土    残積未熟土        残積未熟土
              砂丘未熟土        砂丘未熟土
                                暗色表層砂丘未熟土
              火山放出物        放出物未熟土                     b 典型
              未熟土 *          積層放出物未熟土                 bcd
                                下層台地放出物未熟土             bcd
                                下層低地放出物未熟土             bcd
              湿性火山放出      湿性放出物未熟土                 b 典型
              物未熟土*         積層湿性放出物未熟土             c
                                下層台地湿性放出物未熟土         c
                                下層低地湿性放出物未熟土         bcd
                                下層泥炭湿性放出物未熟土         b
    火山性土* 未熟火山性土      積層未熟火山性土                 cd
                                下層台地未熟火山性土             cd
                                下層低地未熟火山性土             cd
              湿性未熟火山      積層湿性未熟火山性土             cd
              性土              下層台地湿性未熟火山性土         c
                                下層低地湿性未熟火山性土         c
                                下層泥炭湿性未熟火山性土         d
              褐色火山性土      軽捷褐色火山性土                 典型
                                積層軽捷褐色火山性土             d
                                下層台地軽捷褐色火山性土         d
                                下層低地軽捷褐色火山性土         d
                                ローム質褐色火山性土             d 典型
                                下層台地ローム質褐色火山性土     d
              黒色火山性土      軽捷黒色火山性土                 典型
                                積層軽捷黒色火山性土
                                下層台地軽捷黒色火山性土         d
                                下層低地軽捷黒色火山性土         d
                                ローム質黒色火山性土             典型
                                下層台地ローム質黒色火山性土     d
              湿性黒色          湿性黒色火山性土
              火山性土          下層台地軽捷湿性黒色火山性土
                                下層低地軽捷湿性黒色火山性土     d
                                下層泥炭軽捷湿性黒色火山性土     d
              厚層黒色土        厚層黒色火山性土
              火山性土          下層台地厚層黒色火山性土         d
                                下層低地厚層黒色火山性土
              湿性厚層黒色      湿性厚層黒色火山性土
              火山性土          下層台地湿性厚層黒色火山性土     d
                                下層低地湿性厚層黒色火山性土
    褐色      褐色森林土        褐色森林土                       ef
    森林土                      暗色表層褐色森林土               aef
              酸性褐色森林土    酸性褐色森林土                   ef
                                暗色表層酸性褐色森林土           aef
                                ポドゾル性酸性褐色森林土         f
    擬似      擬似グライ土      擬似グライ土                     f
    グライ土                    暗色表層擬似グライ土             af
                                褐色森林土性擬似グライ土         f
                                暗色表層褐色森林土性擬似グライ土 af
              グライ台地土      グライ台地土                     f
                                暗色表層グライ台地土             f
    ポドゾル  ポドゾル          ポドゾル                         f
    赤黄色土  暗赤色土(貧塩基)  暗赤色土(貧塩基)                 ef
                                暗色表層暗赤色土(貧塩基)         f
    低地土    褐色低地土        褐色低地土                       f
                                暗色表層褐色低地土               af
              灰色低地土        灰色低地土                       f
                                暗色表層灰色低地土               af
              グライ低地土      グライ低地土                     f
                                暗色表層グライ低地土             af
                                下層泥炭グライ低地土             f
                                暗色表層下層泥炭グライ低地土     af
    泥炭土*   低位泥炭土        低位泥炭土
                                下層無機質低位泥炭土
              中間泥炭土        中間泥炭土
              高位泥炭土        高位泥炭土

表. 北海道における火山性土の類別とその分布面積(長沼・山田 1951) (100 ha)
支庁火山
放出物
未熟土
湿性火山
放出物
未熟土
未熟
火山性土
褐色
火山性土
黒色
火山性土
厚層黒色
火山性土
湿性未熟
火山性土
湿性黒色
火山性土
湿性厚層
黒色
火山性土
その他
宗谷79.50.680.1
網走108.46.015.1562.9117.439.139.11.627.5917.1
上川9.0105.46.03.0123.4
空知87.016.022.99.2135.1
留萌-
石狩130.00.313.0117.026.00.9287.2
根室383.9656.5490.611.928.4298.61869.9
釧路48.63.5395.0692.01051.439.013.0256.82499.3
十勝140.7269.31037.248.2104.5168.8345.72114.4
日高149.55.281.42.2120.652.5411.4
胆振482.5193.2211.39.01.1897.1
後志47.0260.427.917.8353.1
桧山94.651.933.46.211.4197.5
渡島178.4122.430.4176.024.0531.2
1184.4208.21271.11077.93162.51934.9335.3247.6985.710416.8

土壌粒径 (soil texture)


 日本では、国際法かJISを使うことが多い。日本森林土壌調査では国際法を採用。お国の土壌特性と農業事情を反映して、粒径区分は国により、同じ国でも分野により、異なるので、これらの用語を使う時には注意する。なぜ、目の粗さが0.063 mmという不思議な篩があるのは、そんな基準を設けてるところもあるからだったりする。

工学(工業)的農学的
粒径 mm米国道路局国鉄
土質調査委員会
JIS国際法
atterberg
日本農学会法USDAドイツソ連
> 3.0礫 gravel
> 2.0粗砂
> 1.0粗砂細礫粗粒砂粗砂粗砂細礫粗砂
> 0.63粗粒砂粗砂中砂
> 0.5中砂
> 0.42中粒砂中砂
> 0.25細砂細粒砂
> 0.2細粒砂細砂細砂細砂
> 0.1細砂細砂
> 0.074微粒砂微粒砂
> 0.063シルト siltシルト
> 0.05粗シルト
> 0.02シルト微砂 siltシルト粗シルト
> 0.01シルト中シルト
> 0.0063粘土中シルト
> 0.005細シルト
> 0.002粘土clay粘土粘土粘土細シルト
> 0.001粘土粗粘土
> 0.00063コロイドコロイドコロイド粘土
> 0.0002中粘土
> 0.0001細粘土
未満 コロイド

道教大函館校卒論作成時メモを改変・追加 [ プロトコル ]

土壌分析 (soil analysis)


土壌乾燥

風乾: 採集した土壌を封筒に入れたまま自然乾燥させる
絶乾: 95度の乾燥機(実際は土壌により変える)に入れ重量が減らなくなるまで乾燥させる。サンプル量によるが通常72時間で十分

灼熱損料

乾燥土壌を正確に秤量し"るつぼ"に入れ、800度で8時間、マッフル炉中で加熱した後、損失量から測定

pH

等量の水に懸濁し、上澄みを用いpHメーターで測定

粒径

ここでは、直径2 mm以上のものを礫、0.05 mm以下を粘土、その間を砂とし、その大きさの篩を用意し測定
国際標準: 篩の仕様 目の開いている間隔 = opening → 篩を通過できる粉体の大きさを正確に示せる

日本: 慣行として「メッシュ」で表記 Ex. 60-mesh (in opening) = 250 μm

化学分析

実験に必要な物品

分光光度計
直径2 mm,0.05 mmの大きさの篩
前処理
湿式灰化
  1. 土壌試料 0.1–2.0 ml (試料による)を秤量しケールダール分解フラスコ(分解ビン)に入れる
  2. 60% PCA(過塩素酸perchloric acid 0.9 ml)を分解ビンにとる
  3. ミクロケールダール装置バーナ上で加熱(分解ビン中に沸石入れる)
  4. 褐色 → 分解 → 無色(白煙が分解ビン中を還流するまで加熱継続)
    無色にならなければ30% H2O2(酸化剤)を加え無色になるまで加熱
    H2O2を加えた方が確実だが、酸化剤放出時間を余計にとる
  5. 放冷
  6. 3-5 mlの水を加え沸騰水中に5 minつけ灰化中に生じたポリリン酸を加水分解する
  7. 冷水で冷却
  8. 目盛付試験管に移す
⇒ P, K, Na, Ca, Mg等の定量へ

窒素 (nitrogen)


窒素定量 nitrogen (N) quantification

I) 湿式酸化法 = ケールダール法 Kjeldahl method
ケルダール窒素(K-N, or Kj-N) = ケルダール法で定量された窒素 = 有機態窒素 + アンモニウム態窒素

Kjeldahl 1883 → 改良多
昔の文献でケルダール窒素を総窒素とするものは厳密には異なる(注意)

0. 原理: 含窒素物を濃硫酸と共に強熱分解し、(全)窒素を硫酸アンモニウムに変える(= 分解液)

Original N → [H2SO4] → CO2 + H2O + NH4SO4
→ 分解液を水蒸気蒸留法によりアンモニアを蒸留し、濃度既知の硫酸(かホウ酸液)に捕集

NH4SO4 + 2NaOH → NH3 + Na2SO4 + H2O
H2SO4 + 2NH3 → (NH4)2SO4

nitrogen 蒸留装置(塩入・奥田式). A: 蒸気発生用フラスコ, C: 廃液受器, E: 分解瓶(蒸留部, 保温のため2重壁), G:試料注入用漏斗, H: 凝縮管

→ 標準アルカリ液で適定し窒素量を求める(ホウ酸の方が操作簡単)
= NH3と反応しなかった硫酸等を濃度既知NaOHで適定。0.01 N NaOH 1 mlは0.1401 mg Nに相当
a. マイクロ法(汎用)
b. セミマイクロ法
c. マクロ法
ガンニング変法: 試料が硝酸態窒素含む → 硝酸態窒素をサリチル酸とチオ硫酸ナトリウムで還元し硫酸分解

1. 洗浄法
  1. Aに半量の水、数滴の硫酸を入れる
  2. Kのみを開き10分間煮沸する(水中の揮発分を除く)
  3. M, Nを開きKを閉じ蒸気を蒸留器内に通す(新装置2時間、最近使用装置10分間)。後バーナーを外す
  4. Kを開きMを閉じて10-20秒放置する
  5. Eの水が逆流しCにたまる(Eには前もって脱イオン水を入れておく)。Cの水を捨てる

→ 1-5の操作を3回行う

2. 蒸留と定量
a) 硫酸分解法: 硝酸態窒素を含まない場合
  1. 濃硫酸分解液に5 mlの脱イオン水を加えて冷却しておく
  2. Nを閉めGからEに分解液を入れる
  3. 分解フラスコを1 mlの水で3回洗う
  4. 40%NaOH (5% Na2S2O3を含む) 10 mlをGから入れ1 mlの水で漏斗を洗う
  5. 0.01 ml NH2SO4 10 mlに1滴メチルレッドを入れた50 mlフラスコをH下端が液面下に入るようにしておく
  6. Aを沸騰させ、K, C, Gを閉じ、M, Nを開いて水蒸気を通す
  7. E内の液が沸騰を始めて2-3分以内に試料中の全アンモニアが追い出され三角フラスコ内硫酸に吸収される (蒸気を通した後1分位でE内の液が沸騰する位の火力が適当)
  8. 水蒸気がHを通過後3分後、三角フラスコを下げH下端より離し、この口を2 mlの脱イオン水で洗う
  9. 三角フラスコ内硫酸 &4arr; 滴定 (装置 → 洗浄)
  10. 三角フラスコ硫酸を0.01 N NaOHで滴定する b' (ml)
  11. 試料を入れないで同様の操作を行い0.01 NaOHで滴定する b (ml)

N量 = 0.1401 × (b – b')

b) サリチル硫酸分解法: 硝酸態窒素を含む場合

a)に加え、サリチル硫酸(サリチル酸10 gを濃硫酸300 mlに溶かす)と粉砕済結晶チオ硫酸ナトリウムを準備
手順a)に同じ

3. 回収率テスト
  1. NH4Clを1.000 g精秤。水に溶かし500 mlとする
  2. これを1 mlとり、蒸留装置に入れb'を求める

回収率 = (得られたN量-ブランク値)/(実際に加えたN量) × 100

Ex. 1. 植物体 Ex. 水耕したヒマワリの茎 (K+欠乏=III、N欠乏=IVの2種), BSA
  1. DW 20 mg程度の試料を精秤し分解ビンにとる
  2. 濃硫酸2 mlを触媒としCuSO4:K2SO4 = 1:2混合物をすり潰し30% H2O2を1, 2滴加える(熱いうちに入れてはいけない)。分解は試料が透明になるまで行う(20分位が目安)。1-5 hrかかることもある
  3. 冷却後、水を加え(5 ml)蒸留に供する。ビンは1 mlの水で1-2度洗う

Ex. 回収率 recovery rate: NH4Cl滴定5回 → 滴定量7.5, 7.6, 7.6, 7.7, 7.6 ml (mean = 7.6 ml)

Blank滴定3回 → 11.4, 11.5, 11.2 ml (mean = 11.37 ml)

得られたN量 = 0.141 × (11.37 - 7.6) × 1.002 = 0.5292
実際に加えたN量 = 2 × (14/53.45) = 0.5239
回収率 = 0.5292/0.5239 = 101.01 (%)

Ex. 2. 土壌: 風乾細土粉砕 → 0.5 mm篩を通した試料0.5-2 g程度を精秤し分解ビンにとる
II) 乾式酸化法 = デュマ法
操作複雑 → 自動化すすむ
Nitrogen analyzer (Colman Co.)
CN coder (Yanagimoto Co.) = デュマ法変法
0. 原理: 含窒素試料を酸化第II銅とともに炭酸ガス(carrier gas)気流中で熱し完全分解

→ 試料中窒素はN2, NO2, NH3となる → 最終的に全てN2となる

ハロゲン、SO2, SO3等の生成妨害ガスは還元銅とバナジン酸銀により吸収除去
CO2, H2Oはアルカリ液により除去

最後に窒素計内に残ったN2体積測定、補正計算をし窒素含有率求める

1. 手順: 機械[清浄: 管中をCO2で満たす] → [燃焼] → [掃流]の手順で動く

ブランク = 空打ち: 同一条件下で3-4回 (電源切ったら次回必ず求める)
試料測定

無機態窒素定量

= 土壌無機態窒素 – 植物利用可能窒素 → 全窒素と異なる
I. アンモニア態窒素 ammoniumu nitrogen, NH4-N
0. 原理

水溶態アンモニウム 土壌鉱物質吸着アンモニウム

置換態アンモニウム:中性塩類溶液で置換される
固定態アンモニウム: 置換されない(作物が利用するのは困難)

→ 植物有効態窒素 = 水溶態アンモニウム + 置換態アンモニウム → これを定量

1. 浸出(抽出): 2 mm篩を通した土壌(風乾でも未風乾でもよい)
a. McLean-Robinson method

試薬: 1N NaCl: 585 g NaCl + Distilled water → final 10 l

  1. 土壌25 gを400 mlビーカにとり1N NaCl 100 mlを加え攪拌した後30分間静置
  2. 上澄液をデカントし濾紙上に注ぐ
    1-2を数回繰り返す
  3. 最後に全土壌を濾紙上に移し1N NaClで洗浄し浸出液全量を500 mlとする – 分析試料
b. Harper method

試薬: 10% KCl (中性-アルカリ性土壌は20%): 1000 g KCl + distilled water → final 10 l

  1. 土壌50 g (泥炭12.5 g)を振とうビンにとり10% KCl 500 mlを加え30分振とう後静置
  2. 上澄液をデカント、濾過し分析試料とする
c. ブレムナー法 Bremner's method (= 水蒸気蒸留法)

→ 定量: アンモニア態、亜硝酸態、硝酸態窒素の同時浸出及び定量

  1. 定量済み土壌1-10 gに2N KCl 10 mlの割合で加え1時間振とう後、暫く静置
  2. 上澄液をデカント、濾過し分析試料とする
2. 定量
ネスラー法 = アンモニウム: ネスラー試薬はHgイオン(有害)含み呈色液安定性に問題
a. 滴定
b. 比色・吸光
ネスラー法簡易測定器: 標準比色板(0.2, 0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 5.0 ppm)使用
インドフェノール(青)法: 高感度。呈色液は長時間安定 = 吸光440 nm
※ 環境基準(環境省)に伴う測定方法: 全窒素(TN)で検定すること

前処理: 全燐測定方法とほぼ同 = 水酸化ナトリウムとペルオキソ2硫酸カリウム混液を添加し、高圧蒸気滅菌器で120°Cで30分間加熱分解し有機態窒素を硝酸にまで酸化

定量方式
  1. 紫外線吸収光光度法: 操作簡単な反面、妨害物質の影響や感度(定量下限値)問題が指摘される
  2. 硫酸ヒドラジン還元法: 有害物質ないが反応遅く素早い定量に不向き
  3. カドミウム・銅カラム還元法: 安定性、感度ともに優れるが、カドミウムによる重金属汚染が懸念される
全窒素測定装置は、紫外線吸光光度法が実用化段階となり、測定システムは全燐測定装置と類似する
II. 硝酸態窒素
カドミウム還元法(自動分析器あり) → 硝酸および亜硝酸の合計を計っている

リン (phosphorus)


リン phosphorus (P)
リン酸 phosphoric acid (H3PO4)
リン酸塩 phosphate
環境基準に伴う測定方法
全燐(TP)で検定する (環境省)
JIS-K0102: 燐酸イオン(PO3-4)及び燐化合物はオルト燐酸、ポリ燐酸、動植物質中燐等、水中存在燐化合物中の燐を指し、燐酸イオン、加水分解性燐、全燐に区別 → 全て燐酸イオン(PO3-4)換算表示
全燐 = 「試料に強酸を加え、乾固近くまで加熱蒸発するか、試料に硫酸とペルオキソ2硫酸カリウムを加え高圧蒸気滅菌器で加熱し有機物、懸濁質等を分解し、この溶液をモリブデン青法で燐酸イオンを定量し、これを全燐とし燐酸イオン量で表示」
環境省全燐測定方法: 試料に中性下でペルオキソ2硫酸カリウムを加え高圧蒸気滅菌器で120°Cで30分加熱分解し、有機燐をオルトリン酸にまで酸化しモリブデン青法で測定
全燐自動分析装置: ほぼ環境庁方式に準拠
    前処理  試料水     50 ml採取
            ↓      → ペルオキソ2硫酸カリウム
            加熱分解   120°C, 30 min
            ↓
            冷却
    定量    ↓      → 亜硫酸水素ナトリウム(海水資料の場合)
            ↓      → モリブデン酸アンモニウム
            ↓         + 酒石酸アンチモニルカリウム混合溶液
            ↓      → アルコルビン酸溶液
            攪拌
            静置       約15分
            吸光度測定

図. 全燐測定方法の操作フロー

土壌中リン定量 phoshorus quantitfication

0. 原理
比色法(他に重量法、容量法 - 煩雑で用いない) → 比色定量時の妨害物質(Fe3+, Fe-)除去必要
a) Fe3+除去: リン酸発色妨害

Fe3+: フェロシアン化カリウムと反応しフェロシアン化鉄となる
→ フェロシアン化マンガンと共存すると不溶性となり沈殿
→ pH 6.8-6.9でフェロシアン化マンガンは不溶性となり沈殿
(リン酸は中性付近で沈殿するがpH 3にすると再び溶解)

b) F-除去: モリブデン青反応を妨害

フッ化アンモニウム液中にホウ酸を加えフッ化ホウ素酸塩を形成させ比色妨害を除去
4Fe- + H3BO3 + 3H+ → (BF4)- + 3H2O

硫酸モリブデン法/塩酸モリブデン法

リン酸をモリブデン酸によってヘテロポリ化合物を生成
→ 塩化第一スズによって還元されモリブデン酸青となる – 比色定量

バナドモリブデン酸法

リン酸はモリブデン酸アンモニウムとバナジン酸アンモニウムにより複塩生成し黄色化
モリブデン酸青に比べ安定で、Fe, Siの妨害を受け難い利点

Allenの湿式灰化による有機リン酸定量
原理: ATP → 3Pi + Ad, ADP → 2Pi + Ad, AMP → 1Pi + Ad

無機定量の要領でPi部定量。Ad量測定し、その比により有機状態判断

操作 → 湿式灰化 → 無機リン酸定量手順に従う
試薬 (reagents)
a) 発色試薬 dye

1) 硫酸 = 694 ml - final 5 l
2) モリブデン酸アンモニウム = 40 g - final 1 l
3) アスコルビン酸 = 2.64 g - final 150 ml
4) 酒石酸アンチモニルカリウム液 = 0.2743 g - final 100 ml

1) 100 ml + 2) 30 ml → + 3) 60 ml → + 4) 10 ml → dye

b) リン酸標準液: KH2PO4 (特級) 4.3935 g - final 1 l

→ [× 100 dilution] → 10 μg P/ml

c) 抽出液

5) フッ化アンモニウム(NH4F) = 37 g - final 1 l
6) 塩酸(濃) = 20.2 ml - final 500 ml

5) 15 ml + 6) 100 ml + 385 ml distilled water (1年間保存可能)

7) ホウ酸 = 49.5 ml - final 1 l

d) 測定: 波長882 nm

有効態リンの定量 (ブレイII, Bray II)

有効態リン available phosphorus (P2O5): 土壌中のリン酸の中で植物養分として供給されるリン酸
原理
有効態リン酸拙出法: 0.002N H2SO4液抽出(トルオーグ法)、2.5%酢酸抽出、0.2N HCl抽出等
プレイII抽出法: 水田土壌・草地土壌で使用。プレイII法は吸着態と酸可溶態のリン酸を抽出する方法で、抽出剤として0.03N NH4F(フッ化アンモニウム)-0.1N HCl混液が使用される
装置・器具
100 ml三角フラスコ、50 mlメスフラスコ、ゴム栓、ピペット、漏斗、濾紙(5B)、分光光度計
試薬
  1. 5N 硫酸
    濃硫酸694 mlを水に希釈して5 lにする。
  2. モリブデン酸アンモニウム液
    特級モリブデン酸アンモニウム(NH4)6Mo7O24·4H2O)) 40 gを水に溶かし1 lとし、濾過してポリ容器に保存(4%水溶液、6カ月間保存可能)。
  3. アスコルビン酸液
    特級L-アノレコルビン酸 2.64 gを水に溶かし150 mlとする(0.1M溶液)。1日以内に使用する。
  4. 酒石酸アンチモニルカリウム液
    特級酒石酸アンチモニルカリウム0.2743 gを水に溶かして100 mlとする(1 mgSb/ml、6カ月間保存可能)。
  5. 混合発色試訳
    上記4種類の水溶液を次の割合で混合する。(1)液100 mlに(2)液30 mlを加えかきまぜた後、(3)液 60 mlと(4)液10 mlを加えよくかき混ぜる。1日以内に使用する。
  6. リン酸標準液
    特級KH2PO4 4.3935 gを水に溶かし1 lにする。これを水で100倍希釈する(10 μg P/ml)。
  7. フッ化アンモニウム原液
    特級NH4F 37 gを水に溶かし1 lとする。ポリ容器に貯える。
  8. 0.5 NHCl
    濃塩酸20.2 mlを水で希釈して500 mlとする。
  9. 抽出用混合溶液
    上記の試薬(7) 15 mlと試薬(8) 100 mlを水385 mlに加える。これは0.03N NH4Fと0.1N HClに相当する。ポリ瓶中に1年間貯蔵可。
  10. ホウ酸液
    特級ホウ酸49.5 gを水に溶かし1 lにする(0.8M溶液)。
操作

 風乾細土1 gを100 ml容三角フラスコに取り、抽出用混合溶液20 mlを加え、栓をして1分間振とうする。直ちに濾紙(5B)上に移して濾液を得る。濾液一定量(Pとして10-50 μg)を50 ml容メスフラスコに採り、ホウ酸液15 mlを加え、水を加えて約40 mlにする。混合発色試薬8 mlと水を加えて定容にする。よく振りまぜて10分間放置したのち、870 nmまたは710 nmの波長で吸光度を測定する。16時間は安定である。
 検量線はリン酸標準液1-5 mlを採り、ホウ酸液15 mlを加え、以下同様の操作で発色させ、比色して作成する。

土壌 = 風乾細土 1 g

↓ - 抽出液 20 ml
↓ リン酸抽出 = 1分間振とう
↓ 濾過

濾液 = 一定量を採る

↓ ホウ酸液15 ml
↓ 水(合計液量を約40 mlにする)
↓ 混合発色試薬8 ml
↓ 水(合計液量を50 mlにする)

発色 = 比色計により870 nmまたは710 nmで測定

図. 有効態P2O5(ブレイ2)の測定

計算

有効態リン酸 = D × 100/f × 20/E · P mg/乾土 100 g

これを2.29倍すればP2O5 mg/乾土 100 gとなる。

D: 試料液中のP含量(mg; 検量線より求めた値)
f: 供試土壌の乾土率
E: 試料液量(ml)

注意事項
  1. プレイ2法は塩酸モリブデン法によって発色しでもよい。本法においてもホウ酸液は加えなければならない。
  2. 湛水期間中の土田土壌を測定する場合は、当面の間、土壌と抽出液の比を1:10(風乾土相当)とする。

ついで


可給態ケイ酸

試薬
  1. 酢酸緩衝液;: 49.2 mlの氷酢酸と14.8 gの無水酢酸ナトリウムを水に溶かして1 lとし、1N 酢酸または1N 酢酸ナトリウム液を用いてpH 4.0に正確に調節する。
  2. 0.6N HCl (可給態ケイ酸定量用38% HCl 148 mlに水を加え1 lとする。
  3. 0.25 HCe (検量線用 38% HCl 21 mlに水を加え1 lとする。
  4. モリブデン酸アンモニウム液: モリブデン酸アンモニウム ((NH4)6Mo2O24·4H2O) 102 gを乳鉢で粉砕した後、水に溶かし1 lとする。
  5. 亜硫酸ナトリウム液: 無水亜硫酸ナトリウム170 gを水に溶かし1 lとする。
  6. ケイ酸標準液:市販のケイ素標準液を用いる。
操作

 風乾細土10 gを200 ml容三角フラスコにとり酢酸緩衝液100 mlを加え、時々振とうし40°定温湯せんに5時間保つ。乾燥濾紙で濾過し、はじめの数mlを捨てる
 濾液10 mlを乾燥ビーカー(フラスコ)にとり、0.6N HCl 15 mlおよびモリブデン酸アンモニウム液5 mlを加え約3分間放置する
 亜硫酸ナトリウム液10 mlを加えてモリブデン青を発色させ、約10分後に10 mmの厚さのセルを用い、600-700 nmの透過率を読む

検量線作成

 ケイ酸標準液: 0, 3, 5, 10, 25 mlをそれぞれ100 mlのメスフラスコにとり、水で定容してこれを検量線用標準液とする。この各々から10 mlをビーカーにとり 0.25N HCl 5 ml、モリブデン酸アンモニウム液5 ml、亜硫酸ナトリウム液10 mlを順次に加え、発色し測定を行う。
 検量線用標準液と土壌浸出液は同量とって発色するので、検量線の作成は検量線標準液10 ml中のSiO2量で表示するのが便利である。上に調製した検量線用標準液10 ml中には、O, 30, 50, 100, 250 μgのSiO2が含まれている。

計算

 発色に用いた浸出液10 ml中のSiO2A μgとすると、
 土壌100 g中のmg SiO2 = 0.1 × A  土壌中のppm SiO2 = A
 結果は乾土100 g当たりmgで表示する。

注意事項
  1. 試薬を調製したセットごとに、モリブデン酸アンモニウムを加えたときの溶液のpHが2.4-2.7の範囲に入るかどうかを確かめる。入らなければそうなるようにHCl濃度を定める。
  2. 水中のケイ酸を定量するときおよび検量線用は0.25N HClを用いる。
  3. 純度の低い脱塩水を用いるとケイ素が完全に除去されていないことがあるので注意を要する。

置換性カリウム(カリ)およびナトリウム(ソーダ)

機器: 炎光光度計、メスフラスコ、ホールピペット
試薬
  1. K標準液: 105°で数時間乾燥した特級KCl 1.9067 gを蒸留水で1 lに定容 → K 1000 ppm溶液 → これを適宜うすめ使用する。
  2. Na標準液: 市販Na標準液を薄め使用する。保存はできるだけポリエチレン製びんを用い、ガラス容器に長期明保存しない。
操作
  1. 置換性K
    供試液はCEC項で述べた最初の抽出液を用いる。測定に先立ち、炎光光度計を所定の方法で調整しプランクをOに、最高濃度標準液を100前後にし、次いで薄い順に標準夜を炎光させ、検量線を作成する。引き続き、同一条件下で供試液を炎光させ、検量線から土壌中の置換性加里含量を求める。
     炎光光度計は、空気圧・燃料圧等の影響を受けるので、本機調整の都度検量線を作成する必要があり、標準液には供試液と同一濃度になるよう酢酸アンモニウム液を加えておくとともに、この定量に用いた浸出液を用いブランクテストを行い、定量値から差し引く必要がある。
     多試料測定時には、時々標準液を吸入させ検量線をチェックする。
  1. 置換性Na
    炎光光度計の操作法および標準液調製法は置換性Kと同様である。
計算法

 結果は、酸化物のmgにより表示するが、必要に応じてmeを( )内に併記する。

(1) 置換性K

K2O (mg/乾土100 g) = A × d × 100/1000 × 100/(f × W) × 1.205
K2O (me/乾土100 g) = K2O (mg/乾土100 g)/47.10

(2) 置換性Na

Na2O (mg/乾土100 g) = A × d × 100/1000 × 100/(f × W) × 1.348
Na2O (me/乾土100 g) = Na2O (mg/乾土100 g)/30.99

A: 供試液濃度(ppm)
d: 希釈率の逆数
f: 風乾細土の乾燥係数
W: 風乾細土の採取量(g)

数字はmeでは小数点以下1桁、mgでは整数部まで示す。

土壌診断基準 standard for soil diagnostics


表は北海道における基準の一例。地域によりかなり異なる [ 水田・畑 | 樹園地 | 草地 ]
  1. 土壌を生産力可能性により区分 → 土壌が持つ本来的制限因子limitationsと阻害因子hazardsあるいは土壌悪化危険性risks of soil damageの種類、程度を基盤として行う
  2. 土壌区の土壌生産力可能性は示性分級式で表わし、その土壌区の土壌生産力可能性等級を決定した制限因子あるいは土壌悪化の危険性が何によったかを明確に示すようにする
  3. 土壌示性分級式は基準項目及び要因項目から成る。基準項目はその土壌区の土壌生産力可能性等級と決定に用いる項目を等級値で表わし、要因項目とは基準項目の要因と見られる項目で要因強度を数値で表わす
  4. 土壌生産力可能性等級は普通作物、桑、茶、果樹別に分けてつける
正当収量をあげ、また正当な土壌管理を行う上に土壌的に見て
  1. 殆ど-全く制限因子(阻害因子)なく、また土壌悪化危険性もない良好な耕地と見なせる
  2. 若干の制限因子(阻害因子)あるか、土壌悪化危険性が多少存在する
  3. かなり大きな制限因子(阻害因子)あるか、土壌悪化危険性のかなり大きい
  4. 極めて大きな制限因子(阻害因子)あるか、土壌悪化危険性極めて大きく、耕地利用極めて困難
水田・畑
診断項目               水田       普通畑     野菜畑
物理性
作土深さ, cm           15-20      20-30      20-30
有効土層深, cm         ≥ 50       ≥ 50       施設 ≥ 40
路地 ≥ 50
土壌緻密土, mm         18-20      18-20      18-20
  (心土)
作土固相率, %          -      火山性土 25-30 -
                              非火山性 ≤ 40
                              鉱質土 ≤ 40
作土粗孔隙, %          -          15-25      15-25
作土易有効水容量,      -          15-20      15-20
  ml/100 ml
作土砕土率             -          ≥ 70       ≥ 70
  (土塊 ≤ 20 cm), %
収穫期土壌水分 (Ic)    0.5-1.0   -           -
垂直浸透量, mm/day     15-20     -           -
浸透係数, cm/sec       10-5     10-3-10-4    10-3-10-4
地下水位, cm           ≤ 60     ≤ 60         ≤ 60
作土土砂含量, 重量%    -        -            -
化学性 (対象土層)      作土     作土         作土
pH (H2O)               5.5-6.0  6.0-6.5      6.0-6.5
電気伝導度(EC),        -        -            中粒質土
  mW/cm                                         ≤ ±0.7
有効態リン酸 P2O5, mg/100 g
  潅水前               ≥ 10     10-30        15-30
  分結盛期             20-40
置換性石灰 CaO,
  mg/100 g
  粗粒質土             80-150   80-150       100-180
  中粒質土             150-300  200-300      180-350
  細粒質土             250-400  300-600      280-450
置換性苦土 MgO,        ≥ 25     25-45     中粒質土
  mg/100 g                                     25-40
置換性加里 K2O,        15-30    15-30        中粒質土
  mg/100 g                                     15-30
石灰飽和度, %          35-50    40-50        40-60
塩基飽和度, %          40-60    60-80        60-80
石灰・苦土比 Ca/Mg     ≤ 6      ≤ 6          4-8
  (当量比)
苦土・加里比 Mg/K      ≥ 2      ≥ 2          ≥ 2
  (当量比)
可給態珪酸 SiO2,       ≥ 15     -            -
  mg/100 g
遊離酸化鉄 Fe2O3, %    1.5      -            -
易還元性マンガン Mn,   100-1000 100-500      -
  ppm
熱水可溶性ホウ素 B,    -        0.5-1.0      -
  ppm
可溶性亜鉛 Zn, ppm     -        2-40         -
可溶性銅 Cu, ppm       -        0.5-80       -
樹園地
診断項目          造成・     維持管理園 火山性土
                  更新園
物理性
作土深さ          ≥ 30       -          20-30
有効土層深さ      ≥ 100      -          > 30
土壌緻密土        根圏18-22  作土18-22  有効根域
                                        18-22
作土固相率        根圏35-45  -          25-35
作土粗孔隙        根圏15-25  作土15-25  15-20
作土易有効水容量  -          -          15-20
作土砕土率        -          -          -
収穫期土壌水分    -          -          -
垂直浸透量        -          -          -
浸透係数          10-3-10-4  -          10-3-10-4
地下水位          ≤ 100      -          ≤ 60
作土土砂含量      -          -          -
化学性
  (対象土層)      根圏及び   作土       耕起層
                  全園作土              (不耕起は
                                        0-10 cm)
pH                6.0-6.5     5.5-6.0    6.5
電気伝導度        -           -          -
有効態リン酸      10          10-20      ≥ 20
置換性石灰        中粒質土    中粒質土   ≥ 350
                  200-350     200-350
置換性苦土        25-40       25-40      ≥ 25
置換性加里        15-30       15-30      15-20
石灰飽和度        40-60       40-60      50-70
塩基飽和度        50-80       60-80      60-80
石灰・苦土比      4-8         4-8        5-10
苦土・加里比      ≥ 2         ≥ 2        ≥ 2
可給態珪酸        -           -          -
遊離酸化鉄        -           -          -
易還元性マンガン  ≤ 250       ≤ 250      -
熱水可溶性ホウ素  0.8         -          -
可溶性亜鉛        -           -          -
可溶性銅          -           -          -
草地
診断項目          造成・更新        維持管理
                  非火山性 泥炭土   火山性土 非火山性 泥炭土
                  鉱質土                     鉱質土
物理性
作土深さ          20-30    10-20    -        -        -
有効土層深さ      ≥ 30     > 30     -        -        -
土壌緻密土        有効根域 -        有効根域 有効根域 -
                  18-22             ≤ 24     ≤ 24
作土固相率        ≤ 40     -        -        -        -
作土粗孔隙        ≥ 10     有効根域 有効根域 有効根域 有効根域
                           ≥ 10     ≥ 10     ≥ 10      ≥ 10
作土易有          10-15    -       -        -        -
効水容量
作土砕土率        -        -       -        -        -
収穫期土壌水分    -        -       -        -        -
垂直浸透量        -        -       -        -        -
浸透係数          10-3-4   10-3-4   -        -        -
地下水位          ≤ 60     50-70   ≤ 60     ≤ 60     50-70
作土土砂含量      -        ≥ 50    -        -        -
化学性(対象土層)                   (0-5 cm)
pH                6.5      6.5     5.5-6.5  5.5-6.5  5.5-6.5
電気伝導度        -        -       -        -        -
有効態リン酸      ≥ 20     ≥ 30    ≥ 20     ≥ 20     ≥ 30
置換性石灰        ≥ 400    ≥ 700   ≥ 140    ≥ 200    400-800
置換性苦土        ≥ 25     ≥ 40    20-30    20-30    30-50
置換性加里        15-20    20-40   18-30    18-30    30-50
石灰飽和度        50-70    50-70   -        -        -
塩基飽和度        60-80    -       -        -        -
石灰・苦土比      5-10     5-10    5-10     5-10     5-10
苦土・加里比      ≥ 2      -       ≥ 2      ≥ 2      ≥ 2
可給態珪酸        -        -       -        -        -
遊離酸化鉄        -        -       -        -        -
易還元性マンガン  -        -       -        -        -
熱水可溶性ホウ素  -        -       -        -        -
可溶性亜鉛        -        -       -        -        -
可溶性銅          -        -       -        -        -

示性分級

A. 表土の厚さ
= A層の厚さ
畑 (普通作物)、果樹共に

I: ≥ 25(30) cm, II: 25(30)-15 cm, III-IV: ≤ 15 cm

B. 有効土層厚さ
有効土層 = 作物根が侵入出来る土の深さ。果樹は普通作物と比べ深根性であることが多い
畑・果樹共に: I = 100 cm以上, II = 100-50 cm, III = 50-25 cm, IV = 25-15 cm, IV = 15 cm以下 (Vはない)
C. 表土の礫含量
20%以上では普通作物の農業困難

礫含量 _____ 畑(普通作物) 果樹
5% > 有り-無し_____I_______I
5-10% = 含む______II_______I
10-20% = 富む_____II-III_____I-II
20-50% = 頗る富む_III-IV____II-III
50% < 礫土_______IV______III-IV

D. 耕転の難易
土性・粘着性・風乾土の硬さの3項目
土性・粘着性・風乾土 ⇒ 耕転の難易

1, 1, (2)__II
2, 1, 1___I
2, 2, 1___I-II
3, 3, 2___III
3, 3, 3___IV

a) 土性

S.LS.LS.FSL = 1
L.SiL.SCL.CL.SiCl.SC = 2
LiC.SiC.HC = 3

b) 粘着性

指と指の間に土をはさみ離れるときの粘着性
なし-弱い = 1
中 = 2
強 = 3

c) 硬さ(緊密度)

軟 = (2) / やや硬い = 1 / 硬 = 2 / 非常に硬い-強硬 = 3
林野野外調査の場合: 断面を拇を押し付けその抵抗により判断
頗るしよう: 土砂が単独で分離し、殆ど結合力がない
しよう: 土粒が緩く結合し土塊は容易に崩れ断面は容易に貫入する
軟: 土粒は比較的密に結合するが断面を指で押すと痕できる
堅: 土粒が密に結合し断面を指で押すと僅かに痕できる
すこぶる堅: 土粒が密に結合し指で強く押しても痕ができない
固堅: 土粒が密に結合してやっと移植ゴテを入れうるもの
→ 野外: 軟-堅間が多。軟は指で押し1 cm程度の深さの痕形成。より少なら「やや堅」と記載する方が現実的

E. 土地の乾湿
透水性・保水性・湿潤度
a) 透水性: 大=1, 中=2, 小=3
b) 保水性

透水係数, K
見た目で判断するなら →
10-1-10-2 = 砂 → 1
10-3-10-4 → 畑 = 2
10-4-10-5 = 粘土 → 3

c) 湿潤度(水湿状態)
農地 = 林野土壌野外現地調査における1-5の5区分

乾-半乾 (2) = 乾: 土壌を強く握っても掌に湿気を残さない → 1
半湿 1 = 潤: 土壌を握ると掌に湿気の残る → 2
湿 2 = 湿: 土壌を強く握っても水滴が落ちず拇指と人差指で摘まんで押すと水が滲み出る → 3
多湿 3 = 多湿: 土壌を握ると水滴が落ちる → 4
(農地区分にはなし) = 過湿: 土壌を掌に載せると自然に水滴が落ちる → 5

土地の乾湿: 透水性・保水性・湿潤土の3項目を基準に判断
    透水性  保水性  湿潤度  作物   果樹
      1        3      (2)   (IV)   (III)-(IV)
      1        3       1    (III)  (II)-(III)
      1        1       1    I      I
      2        2       2    II     II-III
      3        2       2    IV     IV
      1-3      1       3    IV     IV
F. 自然肥沃度
保肥力・固定力・土層の塩基状態の3項目からなる
a) 保肥力: CEC定量法(Schobenberger法) = N-酢酸アンモン:土壌 = 250 cc: 100 cc

→ 出るNH3のm.e./100 gを計る
20 m.e.以上(これでも中になることはある) → 1
20-6 → 2
6以下 → 3

b) 固定力: 燐酸吸収係数。2.5%燐酸アンモニアを土壌100 g中に250 g混ぜ吸収されたP2O5を無名数(係数)として表わす。値が1400以上ならまず火山灰土壌である。800-1400が一般の畑。それ以下では砂質である

燐酸吸収係数
700以下 = 1
700-1500 = 2
1500-2000 = 3
2000以上 = 4

c) 塩基状態: 電気伝導度 (Ec) or pH
pH ≥ 5.5, Ec ≥ 50% = 1
5.5-5.0, 50-30 = 2
≤ 5.0, ≤ 30 = 3
電気伝導度electro-conductivity, Ec (mS/cm): 土と純水を混ぜた混濁液中の通電性

低 → 土壌中肥料分少なく生育不良 ⇔ 高 → 濃度障害で生育阻害
土壌中硝酸態窒素多 → 土壌pH低くなり塩基分溶出し易い。高Ec → 窒素肥料、カリ肥料を減らす
水田土壌: 冠水状態で塩基成分が溶流 → 0.1 mS/cm位の小さい値になる
ハウス等施設栽培土壌: 降雨なく塩類集積 → Ec高くなりやすく除塩対策必要となる場合ある
Ec低/pH低: 塩基分・窒素分ともに不足の可能性
Ec高/pH低: 窒素分多く硝酸化成が進んでいる可能性
Ec低/pH高: 塩基分十分で窒素分が不足の可能性
Ec高/pH高: 窒素分・塩基分十分でアンモニアのままの可能性

→ 自然肥沃度: 自然肥沃度 ≈ 土壌養分保持力。一方養分豊否 ≈ 交換性物質存在量
    保水力 固定力 塩基状態 作物   果樹
       1      2      1       I      I
       2      1      2       I      I
       1      2      3       II     II
       2      4      2       III    II
       3      1      1       III    III

これらの土壌化学特性測定は、土壌簡易検定器が利用される

G. 養分豊否
6項目(a-f): 一般に肥沃土壌はCa, Mg, K(置換性石灰・置換性苦土・置換性加里)が多い土壌。これらの変化に伴いAl等微量元素も変化するが、作物上は施肥で補え土壌豊否には余り重要視されない
a) 置換性石灰含量 exchangeable Ca

土壌中石灰含量少 → 一般に土壌pH低下(pHから大体見当)
熟畑やハウス土壌は石灰が豊富でも酸性を示したり、石灰欠乏でも酸性を示さないことがある

b) 置換性苦土含量 exchangeable Mg

土壌中苦土含量は土壌母岩に影響されることがある
土壌酸性化すると苦土欠乏が現われる

c) 置換性加里含量 exchangeable K

窒素、燐酸と共に作物に多量に吸収される肥料成分
光合成作用を高め炭水化物増加が起こり、その結果窒素吸収促進に関係。未熟堆肥の施用や稲藁マルチは、土壌中にカリが残留する場合があり適正施用を心がけなければならない

d) 有効態燐酸 water-soluble phosphate
燐石灰(燐鉱石)は強酸(硫酸等)のみ可溶で肥料とならない。燐酸アルミニウム、燐酸鉄等の形で存在するものは有効。また、フィチン・ヌクレイン(生合成化合物)は有効
定量方法: 錯酸ソーダか希硫酸等で溶出させ定量

トルオグ法Truog method*: 0.002 N H2SO4 (pH 3)
Bray II method: NH4F in 0.1 N HC
Modified Bray II method: NH4F in 0.1 N HCl +EDTA(Caと結合し析出)


    Ex. Ca: X mg/100 g         X > 200   200-100  < 100
    Ex. Mg: X mg/100 g         X > 25    25-10    < 10
    Ex. K: K2O mg/100 g          > 15    15-8     < 8
    Soluble P: P2O5 mg/100 g*    > 10    10-2     < 2
    要因強度                     1        2       3

e) 微量要素含量 minute metals 作物により微妙に異なる。B, Cu, Mo, Mn, Zn等が通常問題 (他微量元素は通常土壌に豊富で問題にならない)

微量元素は定量困難なことが多く植物生育異常症状から判断
欠乏症状の程度
1 = 全く-殆どなし
2 = かなり発生する
3 = 甚だしく発生する

Ex. 有珠火山灰降灰地 - B欠乏症発生 (原因) a) Bが少ない。b) 火山灰がアルカリのためBが働き難い

f) 酸度 acidity
置換酸度: 土壌 (100 g) + NKCl (250 cc) → N/10 NaOH滴定値

125 cc, 125 cc, … 125 cc
y1,_____y2,____yn
Y (全酸度: カリでの「置換酸度」) = y1 + y2 + y3 + … + yn
簡便式: Y ≈ 3y1 → 2.0-4.5が普通 (例外的に10何倍ということあり)

        pH             置換酸度(y1)
        6以上    1     3以下        1
        6-5      2     3-6          2
        5-4.5    3     6-15         3
        4.5以下  4     15以上       4
H. 障害性
化学的障害性・物理的障害性の2項目
a) 化学的障害性: Cu, Zn, salt, Ni, Cd (イタイイタイ病)

障害性: なし = 1, 小 = 2, 中 = 3, 大 = 4

b) 物理的障害性

基盤、盤層、緻密層、礫層 → 地表から50 cmまでにあると植物成長障害でやすい
評価: 障害除去の困難性を使用 → 障害性なし = 1, あり(除去やや困難 = 2, 除去極めて困難 = 3)

I. 傾斜 slope
自然傾斜・傾斜の方向・人為傾斜の3項目からなる
傾斜地: 土壌移動で表土消失し、やせ土化すること多 → 大型機械等導入で傾斜障害克服されつつある
a) 自然傾斜
    自然傾斜    普通  果樹    自然傾斜  草地
                作物
    3%以下   1  I     I       15o以下   1
    3-8      2  II    I       15o-25o   2    造成困難
    8-15     3  II    I-II    25o以上   3    機械造成不可能
    15-25    4  IV    II-III
    25以上   5  V     IV
b) 傾斜方向: 作物成長に方向影響(= 光の他に水分・保水性等の条件変化)。農業上はESWN記載に留める
c) 人為傾斜

slope
________________________この面の角度が人為傾斜

J. 侵食 erosion
侵食度・耐水蝕性・耐風蝕性の3項目
a) 侵食度

1 = なし: なし
2 = 弱: 表土流出25%以下
3 = 中: 25-75%
4 = 強: 75%以上

b) 侵食型: リル < ガリー < 沢
リル(樹枝状侵食) rill → ガリーgully (普段は水が流れない)
沢 valley: 地下水位まで到達し常時水が流れているとき

侵食型 = Rill and/or Gully発生
1= Rill発生なし
2= Rill発生殆どなし
3= Rill発生散発
4= Rill発生多発・Gully発生あり

分散率 = (水で分散させた場合の0.05 mm以下粒子含量)/(完全分散させた場合の0.05 mm以下粒子含量)

完全分散: 土性決定の際の0.05 mm以下の粒子量
分散剤(ヘキサメタ燐酸ソーダ5%を1 lの水に5 cc使用が普通)を使用するのが普通
スコア(1-3): 1 = 10%以下, 2 = 10-30%, 3 = 30%以上

c) 耐侵食性
耐水触性
耐風触性: 風乾度硬さ + 表土容積重

1 = 塊となる、砕くのに抵抗性有 + 80 g/100 g cc以上
2 = 塊とならぬ、砕くのに抵抗無 + 80 g/100 g cc以下(泥炭・黒泥除)

人為土壌 (artificial soil)


人為がなければ直ちに別な土壌に変化する
開墾 land reclamation = 植被除去、土壌反転 → 土壌有機物分解促進 = 有機物減少 → 保水力低下

土壌微生物相変化(主に減少) Ex. VA菌減少 – ビニールハウスでは全く存在しないこともある

化学化・機械化 – 現代農業化に伴う変化

施肥: 化学肥料増加、有機質肥料激減 + 農薬
耕盤層: 機械の車輪で踏み固められた層

→ 土壌機能劣化 – 連作障害 = エネルギー収入/投入エネルギー(農業効率パラメータ) – 年々低下

解決には社会・経済大系からの検討も要する

土壌改良
作物収量増を目的に行なわれる土壌に対する働きかけ全般をさす

重粘土: 透水性低、保水力高(有効水少) → 砂・有機物添加 (団粒発達)
砂質土: 透水性高、有効水少  粘土・有機物添加 (団粒発達)
有機質土壌: 透水性・保水力高、有効水少 → 砂・粘土・肥料添加 (団粒発達)

水田土壌 rice pad soil

作土: 水田表層土で、毎年耕起され肥料が施されイネの根が主にはびこる部位 – 有機質に富む
rice field
季節変化: 夏 - 温度上昇に伴い表面近くの好気性細菌がほとんどの酸素を消費し土壌還元性は強くなる
湿田 wet paddy = 透水性低 (表 湿田)
乾田 dry paddy = 下層土が年中酸化的 (表 乾田)
水田土壌の老朽化
老朽化しやすい

母材: 酸性岩(花崗岩・砂岩) → 養分供給能力低
土性・排水性: 砂質・砂壌土 → 排水と共に養分流亡
温度: 高 → 微生物活性高 → 土壌異常還元状態
硫酸根*を持つ肥料: 使用 → 硫化水素発生 → 根ぐされ
*: 陰イオンのこと

老朽化しにくい

母材: 中性岩・塩基性岩(安山岩・玄武岩) → 養分供給能力高
土性・排水性: 壌質・埴壌質 → 適当な排水
温度: 適温 → 微生物バランスがよい
硫酸根を持つ肥料: 不使用 → 硫化水素発生しない

湿田 = 透水性低
土層田植前 →稲作 →落水後 → [田植前へ]
作土(第1層)透水性悪く作付前でも弱還元状態 (緑
味灰色)
強還元状態、田植前にいた嫌気性細菌
が増加 (暗緑色)
表層からの空気で酸化するが排水悪く弱還元状態
(緑味灰色)
下層土(第2層)作土と概ね同 (緑味灰色)湛水前と概ね同(緑前灰色)変わらない(緑味灰色)
下層土(第3層)通年で表層から酸素補給断たれ常時
強還元状態(明緑味灰色)
田植前と同じ強還元状態 (明緑味灰色)落水後も表層から空気補給はなく強還元状態
(明緑味灰色)
乾田 = 下層土が年中酸化的
土層田植前 →稲作 →落水後 → [田植前へ]
作土(第1層)酸化的、好気性細菌繁殖し、畑状態
(暗黄味灰色)
強還元状態、好気性細菌は死滅休眠し
嫌気性細菌繁殖(暗緑味灰色)
再び田植前の状態に戻る(暗黄味灰色)
下層土(第2層)酸化的(灰白色)やや還元的 (暗緑味灰白色)表層から酸素が入り、再び酸化的になる(灰白色)
下層土(第3層)酸化的、上層から侵入した酸素は主に
酸化鉄として蓄えられる(黄味灰色)
鉄と結合した酸素が十分残り、稲作中
酸化状態を維持(黄味灰色)
同様変化なし(黄味灰色)

用土 (soil for gardening)


施設栽培・鉢栽培等で用いる土。植物に適した原料土に肥料等を調合
通気性、排水性、保肥力、保水力に優れる
固まりにくく、病害虫・雑草種子等含まれない
いくつかの素材を混合調整し使用すること多
. 野外や温室での栽培実験を行う上で知っておくべきこと
  • 粘質土(田土、荒木田土): 田圃底土か川沿に堆積した粘質土(荒木田土)
    肥料分ある程度含み、保水性と保肥力に富むが、排水性良くない
    乾燥したものを篩を通し粒径揃え使用
  • 赤土: 東海・中国地方丘陵地に分布する赤色の土
    有機質・肥料分含まない粘質土 → 粘質土と同様に用いる
  • 川砂・山砂: 有機質、肥料分含まず、排水性良好
    → 水はけを良くするため用いる (細土ではむしろ排水悪くなる)
    海砂: 塩分含む → そのまま利用出来ない
  • 腐葉土 leaf mold (+ 堆肥): 落葉腐り柔かく土状となったもの → 有機分補うため赤玉土に欠かせない
    「赤玉土:腐葉土 = 2:1」 配合土は広範な植物に通用
  • 籾殻燻炭(モミガラクンタン): モミガラを不完全燃焼させ炭化
    → カリ分富み、高通気性・排水性
  • ミズゴケ: ミズゴケを乾燥
    保水性、通気性に富む (ランや観葉植物によい鉢用土)
    腐敗早い → 1-2年毎に取り換える必要
  • ピートモス peat moss: 欧米で一般的に使われる用土。水苔等の植物が堆積し炭化途中にあるもの
    保水性高く孔隙に富んだ素材で、栽培が進むにつれ繊維復元力が弱くなるため復元力の強いものが良質
    酸性素材なためpH調整にパーライトやバーミキュライトと混合し利用
  • 赤玉土: 関東ローム層の黒土の下にある赤土を乾燥させたもの
    大中小の粒に分かれる。通気性優れるが有機分少なく腐葉土・牛糞等有機分を1/3程度混ぜ使うのが普通
  • パミス(軽石/日向砂/ボラ) pumice: 多孔質鉱物 → 排水性・通気性高、無菌・軽量・強固な特長
    → 補助的用土としよく使用 (バークと混合しラン鉢用土利用)
  • 鹿沼土: 栃木県鹿沼地方下層から産出する軽石
    粒状の軽い(黄色多孔質)土 → 通気・排水性・保水性富む
    盆栽用培地等適 → 乾湿指標土にもなる
  • 硬質鹿沼土: 鹿沼土から園芸フィルタ(篩)で選別し微塵を抜き小粒からなる。鹿沼土より団粒固く崩れにくい
  • ゼオライト(沸石): 沸石zeoliteや沸石含む凝灰石を粉状にした土壌改良剤
    カラーゼオライト: 着色したもの
  • 花崗土: 花崗岩風化しできた土
    ブレンド市販「花の土」: 鉢底穴に金属ネット被せ赤玉土の大粒・中粒を敷きつめた上に使用
gardening
  • 高温処理鉢用土: 母材高熱処理
    → 粒子孔隙膨張 → 比重低(軽い)、保水性・通気性富む + ほぼ無栄養・滅菌状態 → 施肥実験に適
    • パーライト pearlite, or perlite: 母材 = 真珠岩 → 構造強固。pH中性-弱アルカリ性でピートモスとの混合に適
    • バーミキュライト expanded vermiculite: 母材 = 蛭石 (vermiculite)
      → 700°以上の高温で焼く
      → パーライトに比べ粒子壊れやすく長期植付等では土中空気拡散が悪くなる(土固相化招く)傾向
    • フヨーライト: 母材 = 黒曜石
  • バーク bark; 樹皮を細粉砕 (各種粒径のものがある)
    通気性、保水性に富む (ラン鉢用土として利用)
    クリプトモス: スギ皮を繊維化 → 単独かミズゴケと混合しファレノプシス等の植えこみに使う
  • バーク堆肥; 広葉樹や針葉樹の樹皮を細粉砕 → 発酵
    通気性、保水性に富む (ラン鉢用土として最近よく利用)
    (発酵不十分 → 炭水化物含む → 肥料欠乏になり安い)
    輸入材: 海水に漬け保存 → 塩抜き必要
  • ヤシ殻チップ;ヤシ殻を細かく切断したもの
    通気性保水性富む (ランの鉢用土に最近よく利用)
    水に浸け十分あく抜きしたものを用いる
  • ロックウール: 珪酸質岩石、玄武岩、石灰岩、スラグ等を溶融し繊維化
    径3-10 μmの非結晶ガラス質繊維
    アスベスト(天然鉱物繊維)使用制限 (発癌性 ≥ 径0.25 μm、長さ8 μm)
    → 代用 + 単一あるいは混合し培土として利用 ↔ 廃棄物処理問題
道産特殊肥料 バイテクソイル
北海道の間伐材に道産牛の糞尿と環境技研(011-836-1845)培養の有効微生物を加えて発酵分解したリサイクル製品
土壌に対し体積比で10%未満の施用が目安

窒素全量 (N) _____ 0.6%
燐酸全量 (P) _____ 0.8%
加里全量 (K2O) ___ 1.2%
pH (H2O) ________ 7.1
陽イオン交換容量 _ 76.9 cmol(+)/kg
炭素率 (C/N) _____19
水分含有量 ______56.4%
腐食 ___________ 44.7% (乾物当たり)

リター (litter)


リグニン (lignin)
リター分解速度に関係
糖・デンプン・タンパク質: 分解早い > セルロース > リグニン: 分解されにくく普通最後まで残る . 年間落葉量 (g/m²/yr)
樹種          落葉量        樹種          落葉量

スギ           38 ± 18     ヒノキ        185 ±  9
アカマツ      250 ± 11     クロマツ      357 ± 40
ヒバ          386 ± 51     カラマツ      203 ± 45
トドマツ      106 ± 18     エゾマツ      161 ± 24
アカエゾマツ  150 ±  9     クリ          193 ± 27
ケヤキ        142 ± 26     コナラ        233 ± 20
ブナ          281 ± 20     シラカンバ    163 ± 17

. 年間生産量 (ton/ha)
植物形態                       年生産量
高山草地                      0.55-0.99
短草草原                           1.75
長短混合草原                  2.10-4.27
平均的森林(葉・木材・小枝)         6.60
平均的木材                         3.50
ブナ林 葉                          3.63
ブナ林 木材                        3.50
ストローブマツ 針葉                5.16
ブナ-シラカバ-トネリコ林 (落葉枝)  7.04
熱帯原始林(葉材根)                27.43
熱帯マメ科林                      60.29
熱帯サバンナ                      32.86
モンスーン林                      54.86
熱帯雨林                  111.19-222.39

C/N比 (carbon to nitrogen ratio)

有機物等に含まれる炭素(C)量と窒素(N)量の質量比

Ex. 120 g C/10 g N = 10 (平均的畑土壌は12)
high C (or low N) → 微生物が土壌中N取込 → 有機化

↑↓ 20

low C (or high N) → 微生物による有機物分解でN放出 → 無機化

窒素飢餓: 高C/N比有機物施肥 → N微生物取込 → 植物利用可能土壌N減

窒素固定菌(ex. アゾドバクター)は窒素飢餓を回避

表. 樹種による落葉中の成分比(%)
樹種H2ONK2ONa2OCaOMgOP2O5SO3Fe2O3Al2O3SiO2灰分
スギ11.250.940.340.133.000.510.260.0030.150.450.756.10
ヒノキNB0.640.21NB2.760.540.07NBNBNB0.814.36
アカマツ10.010.890.130.050.840.190.160.050.030.180.362.08
クロマツ11.340.860.120.040.870.170.170.060.030.190.592.28
クヌギ10.031.120.280.091.260.420.170.090.060.240.763.55
コナラ12.320.950.300.151.810.420.130.100.100.323.296.87
シラカシ9.901.000.490.161.910.460.210.130.230.914.719.13

モミ fir forest ではCaが多い。針葉樹林 pine, or needle-leaved forestでは灰分が少ない

針葉樹葉は広陽樹葉より分解されにくい
→ 混合効果 mixing effect: 針葉樹葉 + 広葉樹葉 (混合) → 針葉樹葉分解促進

リター分解 (litter decomposition)


シクロプロピル脂肪酸 (cyclopropyl fatty acid)
不飽和脂肪酸の2重結合の部分の代わりにシクロプロパン環(3員環、構造式で書けば当然三角形)になっている化合物
低温ストレスと不飽和脂肪酸との関係等が知られるが、シクロプロパン脂肪酸にもストレスとの関係があるようである
一般の脂肪酸と同様、メチルエステルを作ってGCかGC/MSで分析
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