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気象学 (meteorology)≈ 大気科学 (atmospheric science)気象 = 大気状態を物理化学的に記述 地球(惑星)内大気中における個々の流体現象研究する自然科学分野 気象力学: 大気中の力学的現象を流体力学の法則に基づき研究大気電気学: 大気中に起きる電気現象と光電現象を研究 超高層大気物理学: 主に熱圏以上の超高層大気に起こる物理現象を研究 総観気象学: 気象観測結果を基に大気現象の構造 fashion を解析・予想
気象化学: 化学に基づき大気現象と性質を研究 水文気象学: 大気中の水文学的現象を研究 (+ 他 Ex. 気候学を気象学の一部と捉える人もいる) 植物生育は気象に強く依存 → 地域特産物は気候と関係 (気象と気候は違う) |
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太陽放射 solar radiation, s.l.: 太陽から地球に注がれる放射 放射(輻射) radiation, emission: 空間中のエネルギー伝播現象 → 温度 > 0 Kの物体が放出する電磁波(W/m²) 放射熱 radiating heat (放射エネルギーradiant energy): 放射が物体に吸収され熱に変わる時のエネルギー
→ 放射吸収による昇温 absorption warming (adiative warming)発生 地球の放射平衡温度理論式: S0(1 - A)πre2 = 4πre2σTe4, Te = (S0(1 - A)/4σ)1/4 = 255K→ 大気による温室効果無考慮 観測地: 288K 日射 (solar radiation), (St)昼間太陽から地球に伝達される放射 = 波長300-3000 nmの短波放射 地球: [昼] 放射吸収による昇温 ⇔ [夜] 放射による冷却 短波放射 shortwave radiation (= 太陽放射 solar radiation)全天日射, St = S0 + SdS0: 直達日射(直射) Sd: 散乱日射, = 340 W/m² 散乱日射: 大気圏に入る所での日射強度, Sd = d = D + GD: 散乱放射 G: 大気放射 Sd/St比 → 50% (曇天)-100% (雨天) / 晴天太陽高度h0に応じ10% (h0 = 90°)-100% (h0 = 0°) 長波放射 longwave radiation低温度物体(地球, 地球表面物体, ガス)が射出する3000-50000 nm電磁波= 赤外放射 infrared radiation ≈ 地球放射 terrestrial radiation Law. プランクの法則: 地球放射の大部分が赤外線領域⇔ 地上から出る放射, Su = Rk + Rl + A
Rk: Stに対する反射放射 夜の日射 = 0 → S = αL(G - sT04) 日射計日射量 (W/m2, MJ/m2): 熱量(J)換算 (1W = 1J/s) ある時間の積算値
全天日射計: 直射(直達日射計) + 散乱日射(散乱日射計) → 積算日射計 日照時間 duration of sunshine直達日射計2分間隔計測値で ≥ 120 (W/m2)を日照ありの時間 sunlit hour としカウントした1日合計時間 → 雨天・曇天日は短くなる
→ 光合成に影響 + 農作物虫害病害発生に関係し病虫害予察上も重要 日長時間日出-日没間(または、薄暮考慮し0.5時間加えた時間数で緯度に依存) → 短日植物、長日植物吸収地球大気による吸収放射量: 大気上端観測 > 地表面観測 ⇒ 大気中にある雲やエアロゾル・気体分子で吸収・散乱
赤外線領域 → H2Oによる吸収が主 窓領域: 大気による吸収弱い領域 → 領域内の放射は宇宙空間に到達(仮定: 地球放射 = 黒体放射)
Def. 輝度温度(相当黒体温度): 宇宙空間でこの波長域の放射強度測定 → 表面温度推定可能 |
散乱 sky radiation (diffuse)電磁波がエアロゾルや気体分子に衝突 → 様々な方向に反射電磁波波長(λ)と粒子半径(φ)との関係により散乱のされ方異なる
地表面 地球 森林 各種 砂地 土壌 水面 海 雪面 アルベド 全体 畑 常緑樹- 暗黒湿 天頂 波 古- 落葉樹 潤/明乾 角 新雪 アルベド(%) 31 10-20 15-25 18-40 5-40 3-100 30-45 40-95 スノーボールアース(雪球地球、全(地)球凍結) snowball earth: 地球全体が赤道も含め氷床に覆われた状態 表面が氷雪に覆われる → アルベド ≈ 80% → 寒冷化加速 ⇔ 温暖化 1) 惑星アルベドplanetary albedo: 時間と空間の関数
大気上限に於けるアルベド
雲と地上被覆の特性に特に依存
大気下限におけるアルベド
⇒ 1.37 × 103 J/m2/s ≈ 2 cal/cm2/min ≈ 1.37 kW/m2
↔ 近赤外光(700-1500 nm)殆ど吸収しない → 再輻射
蒸発と関係密接 葉の太陽輻射吸収直接光(直達光) direct light: 直接に注ぐ太陽光散乱光 sky-light: 空中微粒子により散乱し葉に達する光 反射光 cloud-light: 雲・他周囲の物体により反射された後に葉に達する光 1枚の葉の熱収支 (Qa) = Qr + Qe + Qc + Qm + Qs
Qa: 吸収された全投入輻射
開花期日射強弱 → 開花 + 果実着色状態 群落熱収支図7. 日中と夜間における地表面のエネルギー収支 (Tanner & Lemon 1962) 植生: 日中 = 土壌熱吸収減少させる vs 夜間 = 放熱減少させる + 蒸散 |
T = f(緯度, 標高, 雲, 地表特性) 仮温度 virtual temperature: 空気中に水蒸気が含まれている効果を表現
T, 測定気温 利点: 乾燥空気諸法則を湿潤空気に適用できる = 式上は、湿潤空気が乾燥空気と同じに振舞う Def.仮温度, Tv = T{1 + (1/0.622)nw/nd}/(1 + nw/nd)
nw/nd: 水蒸気質量(nw)と乾燥空気質量(nd)の比 → Tv > T (明らか) q: 比湿, x: 混合比, p: 気圧 (hPa), e: 水蒸気圧 (hPa) q = 622e/(p - 0.378e), x = 622e/(p - e) 標高と温度温度↑ → 膨張 ⇒ 熱エネルギーが体積膨張に使われる → 温度変化しない
熱に変わり温度上昇 → 断熱昇温 adiabatic warming Ex. 強風 → 体感↓ ≈ 1°C↓/(風速1 m/s) Def. 不快指数 discomfort index, DI: 湿度考慮した夏の蒸暑さの体感温度乾燥空気気体定数: 乾燥空気平均分子量 = 乾燥空気中の成分の分子量と存在比(分子数比)の積の総和
Md = 28 × 0.78088 (N2) + 32 × 0.20949 (O2) + 40 × 0.0093 (Ar) + 44 × 0.0003 (CO2) = 28.95 ≡ 標高当り気温低下率 = 5-10°C/km (対流圏) 地形 = 急峻 季節 = 冬 → 大 Def. 乾燥断熱減率, dry adiabatic lapse rate, DALR, Γd ≡ -ΔT/Δz = g/Cp断熱冷却 → 上昇高度に対し温度の減少する割合 ⇒ Ex. 対流圏: ca 10°C/km (elevation)
ΔQ = CpΔT – gΔz(α = ρ – 1)
空気塊が断熱的上昇 → [周囲気圧低下(静力学の式より)] → 空気塊膨張(= ΔW)
熱力学の第1法則より ΔQ = 0 Γd = 0.00976 [K/m] = 9.76 [K/km] Ex. 大気が断熱的に上昇 → 1 km上昇毎に気温は約10 K減少
乾燥空気塊が断熱変化 → 温位(θ)保存される
≡ Γd((1 + (Lws/RdT))/(1 + ((εL/Cpp)(Δes/ΔT))) → 潜熱発生 → 温度減率低下(温度下がりにくい) この時の高度に対する温度減少割合 → ca 4°C/km (対流圏) Def. 局地風(地方風): 特定地域に吹く特有の風 ⇒ SALR - DALREx. フェーン foehn: 山から吹きおろす局地的強風 ≈ シヌック chinook、ボラ bora、サンタアナ Santa Ana、おろし(風) だし(風): 峡谷等の狭い谷間の出口に吹く強風 ≈ ミストラル mistral、テワンテペサー tehuantepecer Ex. 山谷風: 斜面の上下方向の温度差による局地風(特に南斜面)
山風: 山から吹き下りる風 - 日中に日射受け上昇気流 日本: 複雑な地形反映し局地風多 |
Def. 温位 potential temperature, θ: 空気塊を乾燥断熱的に基準気圧(1000 hPa)に移した時の空気塊の温度
θ = T(p0/p)R/Cp, p0: 基準気圧 Ref. 舞台風・襖風 Ex. 空気塊の温度比較2空気塊, A, B
A. 地表面(1013 hPa), TA0 = 30°C
θA = (273 + 30)(1000/1013)(287/1004) ≈ 302.03K = 28.88°C = 空気塊が断熱変化する限り空気塊の温位は変化しない この性質利用し、空気塊運動解析 等温位面解析 isentropic analysis: 断熱変化 → 空気塊は一定温位面内を運動 ⇒ 運動追跡 Def. 相当温位 equivalent potential temperature, θe: 気塊に含まれる水蒸気エネルギーを入れた温位≡ θ·exp(Lws/CpT) ≈ 2.8w + θ (近似式) w: 混合比, θ: 温位 飽和空気塊を断熱上昇 → 含む全水蒸気が凝結 → 潜熱全て放出
→ 仮定: 全潜熱を乾燥空気の温度上昇に使用 → 次に乾燥断熱的に1000 hPaにした時の温度 → 大気の単位質量あたりエネルギー状態を圧力・温度・水蒸気量で図化 対流有効位置エネルギー convective available potential energy, CAPE: 対流の立ちやすさを表す1指標⇒ 状態曲線: 実際にある時刻に測定された気温の鉛直分布(高度分布) → 気温-高度関係
乾燥断熱線: 未飽和空気塊が断熱的に上昇する際、高度と共に空気塊の温度が低下する関係
1. 空気塊が水蒸気飽和する前は乾燥断熱的(細実線)に温度減少 Def. 自由対流高度: 大気成層状態条件付不安定 → [高度] 上昇空気塊温度 = 周囲空気温度 上昇空気塊がこの高度に到達 → それより上では湿潤断熱的減少 → 周囲大気の温度減率はそれより大 → 空気塊温度は常に周囲の気温より高く、空気塊は水中のコルク栓の様に浮力により自力上昇 大気下層 = 凝結高度低・自由対流高度低 → 条件付不安定を解消し対流雲発生(図: 暖色領域増加) = CAPE値が大きいほど対流活発LFCより下の寒色領域: 上昇空気塊温度は常に周りの気温より低く浮力は下向きに働く = 対流抑制方向に働く ⇒ Def. 対流抑制 convective inhabition, CIN: 寒色領域
積雲対流発生を考えるにはCAPEとCINの両方を考慮 放射冷却 radiation cooling, radiative cooling夜の長い冬の方が良く起こる = 昼間太陽に温められた地面が夜に急激に温度を逃がす→ 空が晴れた方が熱は逃げる = 晴れた方が気温低下大 |
Def. 重力によってとどめられている空気の層
生態系での機能
1) 太陽エネルギー透過 2) 昼夜の温度差緩和 鉛直構造仮定: 地球大気 = 理想気体流体に働く外力 Κ は重力のみ → Κ = −gκ 流体静止時の力の釣合い ~ 運動方程式 → 気圧傾度力と外力が釣合う状態
(1/ρ)·∇p = −gκ 測高公式Def. ジオポテンシャル geopotential, Φ: 平均海水面から高度zまで単位質量あたりの空気塊を上昇させたときにする仕事Def. ジオポテンシャル高度 geopotential height, Z: Z ≡ Φ/g0 ⇒ Φ(z) ≡ ∫0zgdz g0 = 9.81m/s2 → 平均海水面における全球平均重力加速度 伝導と対流熱伝達形態: 1. 放射, 2. 伝導, 3. 高温エネルギー → 低温部に移動Def. 伝導: 分子-分子の衝突により起こるエネルギー移動 植物: 伝導する熱量は葉と空気の境界面における温度勾配と熱伝導度により決まる Def. 安定大気: 上層と下層の大気の交換がない状態Def. 対流 convection: 圧勾配に沿って物質(分子)が移動する際に運ぶエネルギー(熱 = 熱対流dry convection) ベナール型対流: 最も簡単な対流形態
温度鉛直変化形成 → 温度勾配がある限界に達すると対流発生(粘性が原因)
安定度の違い → オープンセル型/クローズドセル型
臨界温度差を越えてさらに強く加熱 → 異なる形の対流
オゾンによる紫外線吸収の効果を考慮 → 成層圏存在確認 放射対流平衡: 対流の影響(+ 水蒸気潜熱放出等)を考慮し計算されたもの → 観測結果と一致 対流混合層 convective mixed layer 気圧 (air) pressure風特性を決める = 気圧変化pressure change
大気圧 atmospheric pressure → 大気圧(1気圧) normal atmospheric pressure 気圧計(圧力計) barometerEx. アネロイド気圧計 aneroid barometer, (フォルタン型)水銀気圧計⇒ 現地気圧 ⇒ 高度計規正値 altimeter setting: ある基準高度面からの気圧高度求めるよう原点合わせた(= 規正)気圧
Ex. 海面更正 reduction to mean sea level (海面更正気圧 mean-sea-level barometric pressure) 静水圧平衡(静水圧力学平衡)Ex. [状態] 重力による下向の力 = 鉛直方向の圧力傾度 ⇒ 釣り合っているS: 大気柱底面積 (気柱 air column, 空気柱 column of air) z: 高度, p: 圧力 → z + Δz, p + Δpとの関係 Δz部分の空気塊考える → 外力は大気圧と重力 釣り合えば: (上向の力の大きさ) = (下向の力の大きさ) pS [上向の圧力] = (p + Δp)S [下向の圧力] + ρSΔz·g [重力] (重力) = m (空気塊質量) × g (重力加速度) [g = 9.81 m/s2, 地表]
m = ρ (密度) × V (体積) = ρ × S × Δz
右辺: 負(-)符号 ⇒ 上に行くほど(Δz > 0)気圧低下(Δp < 0)
Δp/Δz = -pg/RdT … (1) 良く使う p(z) = p(0)·exp(-gz/RdT) [(1)式を積分]
p(z): 高度zでの気圧 ⇒ Def. スケールハイト, H = RdT/g: 大気の厚さの目安
Ex. 対流圏内スケールハイト ≈ 7 km 安定: ある空気塊が周囲温度差(気圧差)により下降 ↔ 不安定: 強制上昇forced ascent, 中立 = 動かない _________乾燥空気____________________湿潤空気 温度減率__Γ < Γd___Γ = Γd____ Γ > Γd_____Γ > Γm_______Γ < Γm 温位_____dθ/dz > 0_dθ/dz = 0_ dθ/dz < 0 安定性___ 安定____ 中立_____ 絶対不安定_ 条件付不安定_絶対安定 条件付不安定 = 飽和した空気塊では不安定 [Case] Γm < Γd → Γm < Γ < Γd ⇒ 飽和空気塊に対し不安定 ↔ 未飽和空気塊に対し安定 対流不安定: 相当温位(θe)が高さと共に減少する空気は外力により凝結高度まで持ち上がると不安定化逆転層 inversion layer: 上空ほど気温が高い層 → 必然的に大気安定
接地逆転層: 晴 + 弱風 + 夜間-明方 → 地面放射冷却で冷えた気層 (霧の原因) 高気圧内の大気沈降subsidenceにより発生 → 太平洋高気圧東側上空でしばしば観測 Def. 鉛直速度 vertical velocity (鉛直P速度omega): 対流の程度 = 上昇流・下降流の大きさ, ω = ΔP/Δt (hPa/h)Q. 12 hr, 3000 m → 3060 m A. ω = ΔP/Δt = -ρgΔz/Δt = -1.0·9.8·(60/12) = -49 (kg/m)·(m/s)·(m/hr) = -0.49 hPa/hr 風 wind太陽放射に伴う気圧傾度 pressure gradient ⇒ 気流 → 流体力学(空気塊に働く力 – 流れ・波・渦)
気圧傾度: 気圧の立体的な変化率 Ex. 地上天気図: 等圧線isobarの混み方 (高層天気図: 等高線)
風ベクトル = x, y, z成分 → 普通記号(u, v, w)で表す(風の大きさ: 鉛直方向 << 水平方向)
⇒ 重力流 gravity current: 流体の密度差による重力作用で生じる流れ
膨張 低下 収縮 上昇 場所により気圧が異なることにより生じる力 = 空気移動 ⇒ 気圧高 → 低 ( 高気圧 ) ⇒⇒⇒ ( 低気圧 )
地球自転(角速度 = 7.292·19-5 s-1)
→ 空気塊移動方向に対し常に直角に働く ≠ 空気塊加速(W = 0) = 運動方向を変えるだけの力 鉛直方向の運動によるコリオリ力は微小 ⇒ 通常、無視
決定3因子: 万有引力 + 回転楕円体(= 地球)表面 + 回転 |
Def. 渦度 vorticity, V: 空気の回転の方向・強さを表す量 → 面積と関係ない微視的にみた空気の回転
P点を囲む4点 → 4つの速度を与えた時の点Pにおける渦度 V = (V2 - V1)/Δx – (U2 – U1)/Δy
+ = 反時計回り(低気圧性循環)
⇒ Def. 速さ = Vg
圧力傾度とコリオリ力がつり合った流れ → 南北に蛇行する循環 5) 摩擦力 frictional force ⇒ 大気: 粘性体 → 地表面との摩擦 → 風速 = 地面付近弱・高所強 地表付近: 摩擦力(風速と逆向き) + コリオリ力 [合力] = 気圧傾度力 [+ 地表障害物による乱流] → 風向・風速決まる ⇒ 地上風(地表風): 地衡風のように等圧線と平行にならず低気圧側へ向かう風向が等圧線となす角度は摩擦力強いほど大 Ex. 海上(摩擦弱) = 15°-30°、陸上(強) = 30°-45° Def. 傾度風: [遠心力 + コリオリ力 = 気圧傾度力]の状態で吹く風
高気圧: 地衡風より強 → 低気圧: 地衡風より弱
特徴: 低気圧 = 遠心力外側、気圧傾度力内側を必ず向く → 風の回転方向に制約が無い 低気圧性循環 cyclonic flow into a depression: 気圧を上から見下ろす → 北[南]半球では左[右]回りに回転 ↔ 高気圧性循環 Law. ボイス・バロットの法則 Buys Ballot's law (Buys Ballot 1857)風を背にして立つと北(南)半球では左(右)手のやや前方に低気圧の中心 Def. 海陸風: 境界層内気圧日変化: 陸上 > 海上 (海-陸比熱差による)
⇒ 1日の中で風向変化 一般に、海風の方が陸風より強い(+ 海陸風の強さは地形や日射量の強さに大きく影響される) 凪: 海風-陸風が朝夕風向きを変える時の無風状態 (朝凪・夕凪) Def. 温度風: 大気層温度勾配と、その大気層上下での風の鉛直シアーshearとの関係による風
北半球: 高温部を右側に見るよう吹く = 南側が高温部となる北半球中緯度帯では温度風は西風となり、高度が高くなればなるほど西風が強くなる → 西風ジェット気流の極大は対流圏界面付近 風向・風力・風速 (wind direction, force and velocity)Def. 風シアー wind shear: 風の立体的な変化率水平方向変化率 = 水平シアー ⇔ 鉛直方向変化率 = 鉛直シアー Def. 風速: 空気(風)の移動速度(気象庁 = m/s, 国際 = kt, 1 kt ≈ 0.514 m/s)
地上気象観測: 地上約10 mの高さで10分間平均風速 → 風速計 anemometerで測定 静穏(風弱く) ≤ 0.2 m/s 風力: 風が物体に与える力1806 フランシス・ビューフォート(1774-1857, 英海軍提督): 風力階級提唱 風力0-12 (13段階) → 対応した海上の様相に関する表作成 (後、より客観的風速・風力階級対応付) 1964 世界気象機関: 風力標準表現法に採択 = ビューフォート風力階級= 気象庁風力階級 (翻訳版) 地上高と風速の関係: 森林環境把握・風力発電等で重要v(z) = (z/z0)1/n·v(z0) [経験式]
v(z): 地上高z (m)における風速(m/s) v(z) = (v*/k)·ln(z/z0) [流体力学境界層理論から導かれる対数法則式]
z: 地上高 (台風害)
正の圧力 - 風上側に加わる ↔ 負の圧力 - 風下側 気流 air current, atmospheric current≡ 大気の流れ上昇気流 ascending current: 上に向かい吹く風 = 大気鉛直方向運動 → 雲生成の鍵 ⇔ 下降気流 要因:
竜巻 spout, tornado積乱雲発達に伴い地上から雲まで延びる上昇気流を伴う高速の渦巻き1971 Fujita (藤田哲也): Fujita-Pearson Tornado Scale (F-Scale)
= 藤田スケール: 竜巻の規模を表す数値
移流 advection基礎方程式 (∃P, ある任意地点)
vH: 水平風速
Ω: 地球自転角速度ベクトル
Fr: 摩擦力 |
発生源特性に決められる 性質の異なる空気は簡単に交じり合わない → 同性質空気は塊化 = 気団 ≈ 大規模空気塊 extensive air mass
停滞性高気圧: 低緯度・高緯度地域発生 ↔ 中緯度地域は大気撹乱で移動性高気圧 = 気団存在しない
発生場所 大陸 海洋性気団 日本周辺の気団
暖気団 warm air mass → 寒気団 低気圧 low (atmospheric) pressure, cyclone1. 温帯低気圧 extratropical cyclone前線両側: 気圧差 → 風速差発生 → 前線振動→ 寒気中に暖気が入り込んだ部分で気圧低下 ≡ 温帯低気圧
発達条件: 気団温度差大 + 前線に暖気が入れる
→ 中国・東シナ海で発生 熱帯外低気圧 extratropical cyclone 1' ポーラー・ロー (寒気内小低気圧、寒帯気団低気圧) 高緯度-中緯度海域に発生多 寒気団中に発生する前線を伴わない低気圧 Case: ポーラー・トラフ(寒帯気団低気圧, 寒気低気圧, サーマル低気圧 thermal trough) = 中心持たない気圧の谷 1'' 熱帯低気圧北上し前線生じ温帯低気圧に変化熱帯低気圧東側に温暖前線、西側に寒冷前線生じる (× 温帯低気圧 → 熱帯低気圧) 2. 熱帯低気圧(熱低) tropical depression, tropical storm熱帯海洋上発生 → 成因・構造が温帯低気圧と異なる(a) 海水面温度高 (26-27°C): 蒸発↑ = 上昇気流発生 → 上昇部分気圧低下 (b) 転向力大きい北(南)緯5-25°: 周囲から空気流れ込み、転向力で渦状の流れ作る → 積雲や積乱雲発達 → 上昇気流により上空空気温度上昇すればサイクル加速 = 低気圧発達 ウォーム・コア: 熱低(Ex. 台風)で中心付近の上昇気流により水蒸気凝結し大量の潜熱発生→ 気温が中心部に行くほど高い(筒状に分布) Def. 台風: 熱低最大風速 > 17.2 m/s (34 KT) = 熱帯のクラスターか小複数クラスターまとまり発生
シスク: 規模異なる2つの大気擾乱が共に影響し共に不安定になる Ex. 台風発達 上陸landfall (上陸するmake landfall) → 小さくなる |
発生域 = 海面水温 sea surface temperature, SST ≥ 26.5°C → SST ≥ 28°Cの海域通過 = さらに発達
熱帯地方で発達している限り前線伴わない → 中心に対しほぼ軸対称の構造
風分布: 中心付近で風強い → 中心付近高温度(ウォームコア) + 絶対角運動量保存則(rv = const.) 3. 熱的低気圧 thermal low大陸は海洋に比べ暖まりやすい = 低気圧できやすい
小規模(局地的 localized) = 夜になると消えること多 → 海陸風原動力 4. 地形性低気圧西風が山脈越える - 下流側に低気圧発生
Ex. 偏西風チベット高原通過 → アリューシャン低気圧
上層の中緯度偏西風の蛇行大 → 切離 cut-off ドライスロット dry slot: 低気圧等の中心に向かい溝状に延びる雲の少ない領域 高気圧 high pressure移動性高気圧 traveling anticyclone, traveling high: 大陸性高気圧が弱くなり移動性となる切離高気圧(カットオフ・ハイ、ブロッキング高気圧) 前線 (weather) front気圧の尾根 (pressure) ridge ↔ 気圧の谷(トラフ) (pressure) trough [鞍部col: 尾根で中窪みになる部分]前線 (Def. 気象学): 2つの気団が接触時に生しる不連続面(前面)が地上と交わる線
前線発生・発達(前線発達過程) frontgenesis ↔ 前線衰弱・消滅(前線消滅過程) frontlysis 日本付近の前線(通常) 偏西風 → 西から東へ移動 (例外: 停滞前線)1. 寒冷前線: 冷たい気団が暖かい気団に向かい移動する際の接触面で発生 寒気 the coldと地表の間に抵抗 → 寒気が上空に張り出した形で気団移動 → 短時間で強い雨 図. 寒冷前線と温暖前線 2. 温暖前線: 暖かい気団が冷たい気団に向かい移動する際の接触面で発生 暖気が寒気に乗り上げる → 一様に傾斜した境界面 → 連続した弱い雨 3. 停滞前線 stationary front Ex. 梅雨前線、秋雨前線
寒冷前線と温暖前線の中間的状態で、暖気団と冷気団が接触し殆ど移動しない = 長く連続した雨
温暖前線と寒冷前線の寒気 → 温度差 → 寒気同士接触 → 上空に暖気が押し上げられる |
大気中水蒸気が浮遊ダストを中心に凝結し水滴dropletとなり浮いているもの
霧: 地上にできた雲 形成過程水滴形成: 清浄空気 → 水表面張力 → 相対湿度100%越えても水滴できない水蒸気を含む空気 → 冷却 → 凝結核 cloud condensation nucleus (塵等肉眼で見えない程度の浮遊物 suspension)に水滴がつく - 雲粒の元 エアロゾル: 起源 = 土壌粒子・海塩粒子・火山噴火・人為汚染粒子・微量ガスエイトケン核(半径0.005-0.2 μm) < 大核(0.2-1 μm) < 巨大核(> 1 μm) 靄・霧・雲の発生から見て重要なのが吸湿性および水溶性エアロゾル
吸湿性エアロゾル = 水滴半径大きく低過飽和度でも水滴形成 = 凝結核
→ 雲粒cloud droplet形成: 微小水滴 → 上昇気流で空気中浮遊可
氷粒子成長過程: 水蒸気昇華(温度・密度により形状異なる) + 過冷却雲粒補足 + 凝集 純粋過冷却水: -33~-41°Cで自発的に凍結 → -40°C以下雲中: 過冷却水非存在 = 雲は氷晶で構成 Case. 過冷却水滴に含まれる微粒子が核となって凍結 ある種の微粒子に直接水蒸気が昇華してエンブリオ(氷晶の芽)embryoをつくる 氷晶核 (s.l.): 氷晶の芽の生成を促す微粒子 冷たい雲: 雲粒凍結し氷晶となる雲
→ 冷たい雨(氷晶雨): 日本付近降水の8割 ⇔ 暖かい雲
雲の分類→ 層(Ex. 上層雲) + 形状(巻雲) + 高度(m) + 特性雲列 cloud street: 雲の列そのもの 雲底 cloud base: (積乱雲等の)雲の一番低い所 層状雲: 上層雲 + 中層雲 + 下層雲 → 層状性 stratiform 雲形(雲級)雲をその形状により分類十種雲形: 世界気象機関発行「国際雲図帳」で雲を大まかな形から10の「類」に分類したもの 類 > 種 (形の特徴や雲塊組成等) > 変種 (雲塊配列、雲不透明度 opacity) > 副変種 (部分的特徴や付随する雲) 対流雲 (垂直発達雲) convective cloud雲底は、普通、下層にあるが、雲頂は中層・上層まで発達していることが多い。ただし、これらも下層雲に分類される積乱雲(俗, 雷雲、入道雲) cumulonimbus, Cb: 高度 最大 12000 m
強日射 → 上空冷気と強い上下対流混合 → 対流圏下-上層に鉛直成長した対流性雲 金床雲 anvil: 成長した積乱雲 → 頂上部分広がり平らになる 積雲 cumulus, Cu: 高度 600-6000 m
晴れた日に表れる。上面ドーム形、下面水平 850 Paの空気を断熱的に上昇 → 500 hPa時点での周りとの温度差を1°C単位で表す 最初は乾燥断熱線に沿い上昇させ、凝固高度に達したら湿潤断熱線に沿い上昇させる
SSI = 正(+) = 温度周囲より低 → 浮力は押さえられ大気安定 下層雲対流圏下層に生じた雲 – 海面に接し空気が霧を作り、持上げられ雲となる極 ↔ 温帯 地面付近 ↔ 熱帯 層雲(霧雲) stratus, St: 高度 300-600 m霧が地面と間を置き生じる → (灰色-薄墨色の雲)霧雨原因 → 霧 fog: 雲が地表にある Ex. 山地 層積雲 stratocumulus, Sc: 高度 < 2000 m, > -5°C 団塊状。小型積雲が浮力失い水平に棚引き、次の積雲がそれより少し高くまで頭を持ち上げる (低層)乱層雲 altostratus, nimbostratus, Ns = 雨雲・雪雲。連続した雨・雪伴う |
中層雲低気圧近づき(比較的広範囲にゆっくりと)上昇気流の一番強い層にできる雲高層雲(おぼろ雲) altostrarus, As: 高度 2000-6000 m 層状に一面に広がった雲。氷-水 普通、中層に見られ、上層まで広がっていることが多い (中層)乱層雲 nimbostratus, Ns 高層雲が上下2-3層生じ、その隙間を対流性の雲がつないだ状態 普通、中層に見られ、上層・下層にも広がっていることが多い 高積雲 (羊雲) altocumulus, Ac: 高度 極 2-4 km ↔ 温帯 2-7 ↔ 熱帯 2-8 高層雲上空に他の雲がない場合にブロック化したもの 上層雲対流圏上端に発生した雲 Ex. 飛行機雲極 3-8 km ↔ 温帯 5-13 ↔ 熱帯 7-18 巻雲 (筋雲) cirrus (Mares' tails), Ci: 高度 > 6000 m, < -25°C 以前は絹雲と呼ぶ: 「巻」当用漢字読から「けん」除外され「絹」を当てた → どちらも可だが巻雲が推奨 氷結晶成長し落下し筋(縞) streakを作る 巻層雲 (薄雲) cirrostratus, Cs 一面が氷結晶で埋まった状態 氷のプリズム作用 → 太陽を中心に(11°), 22°, 46°にハロー(光輪) 薄雲: 太陽・月の暈の原因 (幻日 parhelion, Sun Dog: 日暈に現われる光点) 巻積雲(鱗雲, 鰯雲, 鯖雲) cirrocumulus, CC: 高度 5000-13000 m 絹層雲が時間経過につれ対流セル発生(ブロック化)した状態 = 小白色斑雲
基本形
類
種
変種 乱層雲は下層雲に分類される場合もある バースト burst積雲・積乱雲 = 強上昇気流で形成 → 時間経過 → 逆に下降気流観測もあるダウンバースト downburst: 下降気流中、地上災害起こす極端に強いもの Ex. 90 m/s
地上付近に吹き降ろした後、地面に衝突し水平方向に広がる
風下波(山岳波) lee wave山越え気流中に、山岳の影響で発生する定常波強風が山脈吹き越える → 山脈風下側で強い下降気流 + 反動の上昇気流が波状につらなり定常波形成
|
物理: 気体中に浮遊する微小な液体・固体粒子 生成過程区分: 粉塵 dust, フューム fume, ミスト mist, 煤塵 smokedust 降下煤塵: 大気中粒子状物質のうち、重力・雨で降下する煤煙・粉塵等 気象: 大気中浮遊微粒子, 煙霧質気象学的区分 = 視程・色: 霧 fog, 靄 mist, 煙霧 haze, スモッグ smog |
粒子性状: 粒径・化学組成、形状、光学的・電気的特性等、多因子 - 複雑
Ex. 粒径: 分子・イオン0.001 μm (1 nm)程度-花粉100 μm |
Def. 可降水量: 大気柱にある水蒸気量 (≈ 20 mm)
仮定: 地表のある面を基点 - その上空大気を鉛直柱(大気柱) 水蒸気滞留時間 = 365/40 ≈ 9日 大気中水分Def. 飽和: 水面から出る分子数 = 入る分子数 (≡ 平衡状態)→ 平衡水蒸気圧 equilibrium vapor pressure Def. 飽和水蒸気圧, E(t, hPa): 飽和時水蒸気分圧→ Tのみで決まる → 水沸点決める Def. 湿度 humidity, V: 空気中に含まれる水蒸気量Def. 飽和水蒸気量 saturated vapor conten: 空気最大水蒸気量(g/m3) Eq. Tetens式 (1930): 飽和水蒸気量(a)-飽和水蒸気圧(e)関係 t: 気温(°C) e = 6.11 × 10at/(b + t) ⇒ 気温関数 水面: a = 7.5, b = 237.3 氷面 a = 9.5, b =265.50
⇒ a (g/m3) = 217 × e/t + 273.15 a ⇔ e ≈ Def. 絶対湿度 absolute humidity: 水蒸気質量(g/m3)
気温により上限決まる → 一般に冬小、夏大 Def. 露点 dew point (露点温度 dew point temperature, Td): 飽和水蒸気が形成される上限温度 Def. 露 dew: 地面・地物等に水蒸気が凝固し水滴となり付着(草木の葉のみにできたものを除く) Def. 氷点 frost point, ice point: 水の凝固点 Def. 結露 dewfall: 空気中の水蒸気が露になる現象 → 湿気 damp(ness) Def. 湿数 = T – Td → 湿数↓ = 湿度↑ ⇒ 高層天気図 (通常T – Td ≤ 3°C → 雲存在)Def. (相対)湿度 relative humidity = (露点飽和水蒸気量/その温度での飽和水蒸気量) × 100 (%)
→ 水蒸気量そのものではなく、空気の湿り具合示す
ρd: 乾燥空気密度 → 気体の状態方程式 → w ≈ 0.622ρ/p Def. 凝結高度 lifted condensation level: 空気塊断熱過程上昇 → 温度下降し相対湿度100%時の高度 雲粒(雨粒)成長 = 拡散過程 + 併合過程 coalescence 拡散過程: 水蒸気過飽和空気中で、水蒸気分子が水滴に向かい拡散し水滴上に凝結していく過程
質量m増加割合 = dm/dt ∝ 水滴半径 r, ∝ 過飽和度
Def. 暖かい雲: 半径小さいほど半径増加割合は大きい。雲中がどこも0°Cよりも高く氷晶を含む雲 |
→ 雨粒 = 1000 μm (1 mm) ↔ 雲粒 = 10 μm この大きさの雲粒は拡散過程のみでは10分間で14 μmまでしか成長できない ↔ 熱帯地方では雲発生から30分-1時間程度で雨が降り出す → 拡散過程のみで雨粒を作るのは無理 → 暖かい雲の中で少数の雲粒だけが急速成長し、雨粒となる過程を考える 空気 = 粘性体 → 水滴が空気中を落下する速度は水滴の大きさにより異なる
r (or v)小(= Re小) → 物体の受ける抵抗力 = 6πηrv (η: 粘性係数)
第1段階形成期
第2段階成熟初期
第3段階成熟後期
第4段階消滅期
図2. 雷雨に伴うガスフロント生涯段階
クラウドクラスター: (対流)雲集合体 → 水平規模数100 km
水平範囲 = 2-20 km, 寿命 = 数十分 スコールラインsquall line: 降水バンド長が100 km以上並ぶ状態 温帯低気圧の寒冷前線の前方100 km付近に出現多 - 激しい雨や、雷雨、突風伴う ガストフロント(突風前線, 陣風前線) gust front: 突風gust吹く先端結ぶ線 Case. 積乱雲発生 → 数10 km進行
Ex. 湿った空気が山地斜面に当たり上昇 → 空気膨張 → 気温低下 → 降雨 (山雪: 雪となる場合) |
Def. 雨・雪・霰・雹等、雲から降った水の量 → 雪・霰・雹等は溶かし雨とまとめて水深をmm単位で表す
水に換算した体積を単位面積で除した値をmmで表す 観測機器= 雨量計(測器) rain gauge (gage), raingage: 貯水型、転倒升型等
雨量計観測降水量 = 一定時間中に雨量計に入った雨、雪、霰、雹等を水にした体積合計 雪 snow≡ 空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の降水Def. 積雪 snow cover(age): 固形降水がある範囲の地面の半ば以上を覆う 降雪様式: 結晶大きさ、形は雪の成長・形成過程の状況で変化
吹雪 snow storm: 横なぐりに降る雪 < 暴風雪(ブリザード) blizzard: 激しい風を伴った降雪 雪片snow flakes: 雪結晶が多数ついた状態で降る → 多くの雪 単独結晶: 結晶が個々離れ離れの状態で降る 降雪量: 降水量とし雨量計観測 積雪量: 雪の深さとし積雪計(超音波積雪深計・雪尺)観測
理由: 積雪は気温や地表の温度に左右 + 雪と雨では密度が異なる |
日本: 西高東低気圧配置 ⇒ 日本海側 = 降雪 ↔ 太平洋側 = 晴天強風
森林への影響: 最深積雪、雪害の形で現れる負の影響大 林内積雪: 林型、樹種、粗密度、樹高等の林分状態に左右される 林外に比べ少: 針葉樹林 = 積雪最盛時 ≈ 60% 落葉広葉樹林 = 90% 針葉樹林では日射遮られ、融けにくく林外より遅れ融雪 snowmelt 日本海寒気団収束帯 Japan Sea polar airmass convergence zone, JPCZ
日本海上で寒気の強い吹き出し → 北西季節風は朝鮮半島北東端の白頭山(> 2000 m)により2分 → 風下側日本海で再び合流 = 「収束 convergence する」
強い山雪型の季節風が吹く前段階で、日本海を低気圧が通過 → 等圧(高)線袋状 = 袋状雲・渦状雲 樹霜 air frost: 樹木の枝等に付着した白い氷 水蒸気昇華 → 針状・板状・樹枝状結晶 粗氷 hard rime or ice feathers: 気温 ≈ 0°C → 半透明-透明結晶
樹木以外の地物等にも付着 |
雷雲 thunder cloud (= 雷を発生する雲) → 積乱雲主 → 条件付不安定な成層で安定確保過程で発達 一般場の風: 直接雷雨に関連した運動を除く大規模スケールの場の風 鉛直シア: 風向・風速を含めた一般場の風の高度での変化割合 気団性雷雨: 一般場の風の鉛直シア弱 → 広地域や平野のあちこちに発生 個々の対流セルは発生・発達・衰弱という特有サイクル [発達期: 雲全体上昇気流 = 雲上方発達] → [成熟期: 発達した降水粒子落下で下層に下降流発生] → [消滅期: 雲全体下降気流] 巨大雷雨マルチセル型 multi-cell: 複数の組織化した対流セル(発達段階の異なる複数セル)で構成スーパーセル supercell型: 近定常状態1巨大雲塊 → マルチセル同様、強鉛直シア状況で発達
ストームに伴う流れは3次元的性格 → 風の鉛直シア強 → 上昇域と下降域が分かれるため 種類 types of thunder古語・方言 = いかづち、ごろつき、かんなり、らいさま雷(稲妻): (自然現象)上空-地上間に電位差 → 放電により閃光や轟音 = 雷 → 雨だと発生しやすい 稲光(雷光): 雷によって発生する光 |
雲間放電 cloud to cloud lightning, CC; inter cloud lightning, IC; cloud flash, CF: 雲内での放電 対地雷 cloud to ground lightning, CG: 雷雲から地面への放電 上向きと下向き、正極性(+CG)と負極性(-CG)あるため対地雷は4種類 中間圏発光現象: レッドスプライト等の雷雲上空の発光現象落雷 cloud-to-grand discharge→ 落雷地点ground stroke
熱雷: 積乱雲が発達し発生。好天の午後に発生する雷は2-3日続く 雷サイン早朝から日差し強く下界の雲海の流れが早くから始まり、午前中に3000 m級稜線までガスがかかると注意山の山腹や山麓(山間部)で、午前中から水蒸気が多くなって、視界がぼやけてきたら注意 盛夏期に、早朝から秋空のように青く澄みきった空の状態となる時は注意 → 上空に冷気が入ってきている 各地の天気予報で「雷雨」という天気予報が出ていたら一応注意 ラジオチェック = 携帯ラジオにノイズが入るようになったら注意(FMバンド除く) → 雷発生予想・接近予報発令 → スイッチ入れ空電有無チェック → ノイズ間隔で雷の近さも判断可 |
日界 boundary of a day: 一日の境 - 注意必要 Ex. 午前0時、午前9時 Def. 平年値: 最近30年間の平均値 - 10年毎に更新
冬日(霜日): Tmin < 0°Cの日 真冬日: Tmax > 0°Cの日 偏差(例外) anomaly平均値からの差 → 極端にずれているものを指すことが多いDef 1. 過去30年間の気候に対し著しく偏りを示した天候 (気象庁) Def 2. 気候因子が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象 (WMO) 原因: 様々(外的 + 内的) 外的: 太陽活動
火山噴火 → 日傘効果 (refrigerator effect) Ex. 1963.01 北陸豪雪
米国・欧州 異常寒波、種子島 積雪20 cm、アラスカ 降水(= 高温)
1975, 1979-84 アフリカ旱魃 → 輸入減 |
⇒ 社会経済影響評価(世界気候計画 World Climate Programme, WMO) Ex. 1976-77 極東大寒波: シベリア、米国(8州で非常事態宣言)
↔ 極地暖冬: 米国西岸-アラスカ平年より10°C高い 1980.05.18 セントへレンズ山噴火 - 日傘効果(影響にはラグがあり小さい) Ex. 1980(-83) 日本 大冷害 Ex. 1891 石狩川 洪水 (5月後半寒波-冷夏) 08/04-05 道央総降水量 > 400 mm (豪雨 + 台風12号) → 洪水
これ以外の時期にも各地で洪水 ↔ 欧州では旱魃 (+ 大規模森林火災多発) 北極振動 arctic oscillation, AO北半球で最顕著な半球規模の大気の偏差構造(Thompson & Wallace1998)
= 北半球環状モード northern hemisphere annular mode, NAM 各点の主成分分析(= 経験的直交関数 empirical orthogonal function, EOF)における第1主成分得点 + 北大西洋振動north Atlantic oscillaiton, NAO → AO/NAOパターン |
ある場所における、ある時刻か一定期間の大気状態 天候 1) 天気と気候との中間的概念 2) ≈ 天気: ある程度の広さのある地方や、そこの季節も含めた意味 総観気象学 synoptic meteorology総観的見方 synoptic view = 天気図 (総観図 syonoptic chart)から天気把握
GMS (静止気象衛星) Ex. ひまわり 2003.5.22 (9:00JST): ひまわり5号(GMS5)観測装置不具合 - 観測終了 → 15:00JST: 155°E-赤道上移動する米国静止気象衛星GOES9 (パシフィックゴーズ)観測引き継ぐ → 2005.7まで担当 → MTSAT (運輸多目的衛星) MTSAT-1R: (2003年打上予定だった) → 2005.2.26 打上 → 3.8 静止軌道に入る → 愛称 = ひまわり6号 ひまわり: 姿勢制御に100回転/min → 回転利用し西-東へ走査観測(25分で北端-南端走査完了 = 1画像)
センサ部 visible and infrared spin scan radiometer, VISSR: 各波長エネルギー量測定 水平解像度 (km): 直下点(赤道、E140°) 1.25, 日本付近 南北約1.7
赤外画像 IR: 10.5-11.5 μm, 11.5-12.5 μm (窓領域) 水平解像度 (km) 5, 日本付近 南北約 7 取得可能情報
気象庁1872(M 5).08 Antisell, Thomas(米): 台風軌道調査警報発表・気象観測の必要性を建白 1972(M 5) 気候測候所開設(函館測候所前身)1875(M 8).06.01 東京気象台(内務省地理寮量地課, 後に中央気象台)発足 06.05 赤坂葵町でJoyner HB(英)による1日3回の観測開始 1883(M16).02.16 全国22測候所情報を電報で集約 → 天気図作成開始
05.26 暴風警報(初) 警報発令されたが信号柱が少ない - 測候所設立の必要性認識 1887(M20) 中央気象台改称 (M28 文部省付属機関移管)1921(T10).09.26 突如台風 - 富山湾 行方不明500人 漁船150隻遭難 警報発令遅延 - 南方海上から北上する台風の観測網貧弱 1934(S09).09.21 室戸台風 (昭和の3大台風: 室戸・枕崎・伊勢湾)1945(S20).09.17 枕崎台風 1939(S14) 県に属す官署を国所属にする(S18, 運輸通信省移管) 1956(S31) 気象庁として運輸省外局に昇格 1959(S34).09.26 伊勢湾台風 2001(H13).01 国土交通省外局(中央省庁再編) – 現時 任務: 大雨暴風、地震津波、火山噴火等の自然現象と、それに伴う災害監視 → 予報・警報行い、災害予防、交通安全確保、産業興隆等に寄与 気象庁 (現組織) = 気象台(管区気象台 + 地方気象台 + 航空気象台 + 海洋気象台) + 測候所(測候所 + 航空測候所) + その他施設他施設 = 気象研究所、気象衛星センタ、高層気象台、地磁気観測所、気象大学校 気象庁観測1. 地上観測: 測候所(観測地点 station) → 気象庁送信 → 全国観測整理a) 測器: 風向風速、気圧変化傾向 pressure tendency、気温、露点温度、降水量、日照時間、日射量等
百葉箱 screen: 観測用鎧戸つき白木箱 → 直射日光避けた気温 screen temperature 2. アメダス(地域気象観測システム, AMeDAS)
利点: 高観測密度 + 近リアルタイム
4要素(風向・風速、気温、雨量、日照量) = 840ヶ所(平均間隔21 km) + 雨量のみ(460ヶ所)
海面水温: 海面から1-2 mの深さまでのよく混合した海水の温度 欠点: 風浪とうねり区別できず、波向は不明 |
4. 航空観測: 航空機離着陸安全確保目的 → 迅速対応必要
観測結果: 直ちに空港内の航空管制機関や航空会社等に通報 + 気象庁を通じ他空港に送信 高層気象観測官署 = 国内18ヶ所(世界≈850, 海洋上(特に南半球)不足)
結果 → 直ちに気象庁本庁通報(指定気圧面値(高さ、気温、湿数、風向・風速)と特異点値を分け通報) Ex. 上下隣接指定気圧面間: 気温逆転temperature inversion点。風向・風速変動点 観測直後の通報には湿度の代わりに湿数(気温 – 露点温度 = T - Td)を使用 風に流される気球位置追跡 → 風向・風速求める a) 気球観測: 観測気球 balloon-borne instrument は1時間程度かけ高度30km位まで上昇する過程で観測レーウィンゾンデ観測: 00,12UTC (9,21JPN)観測(気圧、温度、湿度計)
高度: 静水圧式を用い地上気圧、観測データから計算 レーウィン観測: 06, 18 UTCに観測(風向・風速) b) 気象ロケット観測: 高度30-60 km中層大気観測 (2001.3月末打切)週1回(原則水曜日)観測 → 日本: 岩手県気仙郡三陸町綾里観測所 c) 航空機機上観測: パイロット報告 + 自動的報告d) 電波高層観測(プロファイラ) 気象庁はウインドプロファイラ全国配備(WINDAS, wind profiler network data accuisition system) 風(音波観測)のみだが、10分毎高密度データ → レーウィン観測(6時間毎)補完 - 空のアメダス機能期待 6. レーダー観測 RAdio DitEction and Ranging, rader: 電磁波発射し目標位置を測定する装置
レーダ探知範囲 = 数100 km → 目視でも天気図でも把握しにくい「メソスケール現象」観測に適 平均受信電力, Pr = (CL2/r2)·Z (Zを求めたい) Z: レーダー反射因子(降水粒子特性関連項) = ΣD6 (D: 単位体積中の降水粒子直径) Z-R関係式: Z (mm6/m3)-降雨強度 R (mm/hr)間の統計的関係式 Z = BRβ (B, β: constant → 降水種類により異なるが B = 200と β = 1.6が代表的) a) レーダー・アメダス rader AMeDAS解析雨量図(レーダー・アメダス観測図): レーダー測定全誤差をアメダス雨量計測定値と比較し補正 レーダーで測定されるのは降雨強度 → 1時間積算し雨量計の毎時雨量と比較補正 → レーダー・アメダス解析雨量図: 補正により作成される
前1時間降水量が5 km格子毎(2001.3より2.5 km)に記号図示 (2003.6.2より30分毎作成発表) AMeDAS: 利点 直接観測 → 誤差↓ ↔ 欠点 分解能↓/観測点陸上のみ 2観測法の欠点を相互補完し、利点を生かすためレーダーアメダス解析雨量を作成 レーダーエコー(多くはノイズ)
地形エコー: 山岳等からの反射エコー → パルス変調除去 ドップラー効果: 降水粒子のレーダービーム方向速度成分 → 送信電波周波数と反射電波の周波数変化 + 3箇所以上のドップラーレーダー観測 → 速度3成分(xyz)分かる → 降水範囲の移動速度測定 動径速度: 正負(風向が観測点に近づく(遠ざかる)向き)分布から空気の発散divergenceや渦を見出せる |
予報: 誤差を伴う情報 → 予測可能性 predictability: 「意味ある予測が可能」な時間的限界(コスト-ロスモデル) Def. ガイダンス: 予報官の「天気への翻訳」を助けるための資料 「古い」資料の計算結果(最新も5時間前) 予報者: 常に数時間以上新しい実況資料持つ(はず) → ガイダンス: 平均値的予報になりやすく、顕著な現象の量的予想不十分 → 予報者: 定量的予報に弱点持つが、パターン認識や現象の層別化の判断優れ、実況に即応可 ガイダンスに囚われすぎずガイダンス出力と実況とを照らし合わせ考える 連続図 successive chart: 気温、気圧、気圧の谷、低気圧中心位置を東西方向に数日に亘ってプロット
全体的変化、移動状況把握 → 将来予想 気象要素(予測因子, 説明変数) → 天気要素(被予測因子, 被説明変数) → 重相関式
客観解析で得た解析値(形式: 格子点値grid point value, GPV) → 数値予報初期値に使用 PPM手法 perfect prognostic method: 実況値(又は数値予報初期値) → 天気要素
長所: 数値モデル更新不要 KLM: 線形関係式(重相関回帰式) NRN: 未知関数(数値予報モデルと実況とを結ぶ関数関係)に漸近 →
実況と数値予報結果との統計的関係式を逐次解析、学習しながら日々最適予報値見出す 降水短時間予報図: 初期時刻の細かい1時間雨量分布図の外挿が基本 → 1時間毎に3時間先まで作成 気象庁計算機更新 - 降水短時間予報5 kmメッシュで6時間先まで 2. 短期予報
地点確率: Pr(1 mm ≤ 降水) → 地域確率: Pr(30 mm ≤ 大雨for 3 hr)
寿命数分-半日程度の局地的な気象現象 = 低温多湿 → 雲多くなり日射量不足(冷害や凶作) 3. 中期予報 (週間天気予報)4. 長期予報 (季節予報)
Ex. アンサンブル予報ensemble forecast
→ 長期予報(1ヶ月程度)に用いた 数値予報予報確率: 現象発生確率を数値で示した予報主観解析 ≈ 経験則 客観解析: 大気運動 = 物理法則成立 → 観測値 = 初期条件 → コンピュータ数値解法(時間積分)
理論的に大気状態を予報化 → 数値予報 手順
改良点: 数値予報 - 5日以上先になると誤差大きくなる 予報精度評価1) 量的予報 (Ex. 日最高・最低気温、日最大風速、日最小湿度)→ 予報誤差 = 予報値 - 実況値 平均予報誤差(偏差, 平均誤差) = Σ(Fi – Ai)/n平均2乗平方根誤差 root mean square error, RMSE = √(Σ(Fi – Ai)2/n) Fi: 予報値, Ai: 対応する実況値, n: 予報回数 ブライアスコア Brier score = Σ(Fi – Ai)2/n = RMSE2
→ 確率予報精度評価によく利用 (Ex. 降水確率)
分割表による評価 天気図 (synoptic) weather chart1919 ビャークネス J (ノルウェー, 当時21歳): 現在の地上天気図基本型作る1939- 第二次世界大戦 - 高層気象観測: 航空技術発達に伴い必要となる 1970- 大気運動を流体力学方程式として表せる – コンピュータ発達 地上天気図(等高度面天気図)ある等高度面(通常0 m)における気圧分布を元に作成速報天気図, SPAS: 解析前に作成され高低気圧・等圧線・前線のみ記述 地上解析図, ASAS: SPAS + 各観測地の気象状況、霧域、強風域を記述 地上予想天気図, FSAS: 実況天気図・高層天気図を元に解析
風力ビューフォート風力階級 (Beaufort scale of wind force) = 気象庁風力階級 (ビューフォート風力階級を翻訳したもの)旋風(つむじ風) vortex: 突発的に起こる風 → 柱の直径小さく、軸は大体鉛直で、高さは変動 地面近くの空気が非常に不安定で、地面が日射で強く加熱されたりすると発生 塵旋風: dust whirl, sand whirl, dust devil: 地面から吹き上げた塵・砂が、柱状に時にまき散らし旋回する現象気象通報NHK第2 16:00: 気象庁発表漁業気象通報 - 12:00の天気ラジオ用地上天気図用紙(NHK第2 気象通報受信用) • 各地の天気 • 船舶からの報告 • 漁業気象 • 海上保安庁からのお知らせ 鉄道気象通報: 運転・保守に支障の出る気象時 - 気象告知板 再現期間: ある地点である限界以上の異常値が平均で何年に1度起こるか |
風向 wind direction風が吹いてくる方位 ⇒ 10 min平均 (航空 2 min平均) - 風向計(wind) vane, anemoscope国際式風向: 真北(基準) = 0° → E = 90°, S = 180° [時計回り360方位] + 無風状態(方位不定) = 0 時計回り veering (-に向きを変える veer) ⇔ 反時計回りbacking (-に向きを変える back) 天気予報 weather report or forecast現在天気 present weather → 予測 (天気を良く当てるweatherwise, adj)警報: 重大な災害が起こる恐れのある気象状態時に警戒呼びかけ – 気象業務法 注意報: 災害が起こる恐れのある気象状態時に注意呼びかけ – 気象業務施行令 大雨洪水(大水 spate)・風雪・大雪・強風・波浪・高潮・雷・乾燥・濃霧・着雪・着氷 – 地域毎に基準値 Ex. 大雨洪水基準値: 過去被害データ元とした基準時間と基準雨量からなる 東京地方(除, 多摩西部地区): 大雨洪水注意報 = 雨量/h(予想) > 30 mm → 警報 = 雨量/h > 50 霜 hoar-frost (氷結 frost): 大気中水蒸気昇華 - 地面地物に付着した氷(結)晶 ice crystal一般に鱗状、針状・羽状・扇子状 霜柱 ice columns: 地中水分が柱状氷結晶となり、地中か地面に析出結氷 freezing: 屋外にある水が凍る現象 黄砂 yellow sand: 主に大陸黄土地帯で吹き上げた多量の砂塵が空中飛揚し、天空一面を覆い、徐々に降下する現象。甚だしい時は天空黄褐色となり、太陽光輝を失い、雪面色づき、地物の面に砂塵が積もる 高層天気図(等圧面天気図)高層 altiform, upper-air 気象観測(レーウィンゾンデ)データから作成ある等圧面(Ex. 500 hPa)気象要素書込み天気図作成 ≠ 地上天気図 等圧線ではなく等圧面の等高度線を引き圧力分布を表現(高度高 = 高気圧) 表. 等圧面(hPa)とその高さ(km): 天気予報は500, 700, 850 hPa面多用
等圧面 100 200 300 500 700 850
850 hPa → 寒冷前線発達予測
天気(気象庁)15種類 → 大気の異なる様相捕らえる → (晴れ + 雨)ありうる → 下記のより後ろの種類採用雲量 cloud cover: 空面積に対し雲面積が占める割合 → 0(無雲)-10(青空なし) + 不明 obscured = 11段階 天気種類 状態 (記号)不明 obscured (Ⓧ) 快晴 fair: 雲量 0-1 (◯) 晴れ fine: 雲量 2-8 () 薄曇 slightly overcast: 雲量 9 + 巻雲、巻積雲または巻層雲が多い 曇り cloudy: 雲量 9-10で上記以外 (曇天 overcast: 雲量 10) (◎)煙霧 haze: 肉眼不可視な乾いた微粒子(黄砂・煙等)が大気中に浮遊 () 視程 visibility < 1 kmか全天が覆われる 砂塵嵐 dust storm: 砂塵嵐のため視程 < 1 km ()ハブーブ haboob: サハラ砂漠の砂嵐 sand storm 地吹雪 snow drifting: 地吹雪のため視程 < 1 km ()霧 fog: 霧か氷霧のため視程 < 1 km (≡) 霧雨 drizzle: 細い水滴(φ < 0.5 mm)のみ(一様に)降る – 粒浮遊見える () 雨 rain: 水滴(φ ≥ 0.5 mm)が降る (●) ●ニ: にわか雨(驟雨) (rain) shower, ●ツ: 雨強し 霙 sleet; 雨と雪が混ざった降水 rain and snow mixed ()雪 snow: 結晶状態の氷滴が降る () → ツ: 雪強し 霰 graupel: φ < 5 mmの氷滴が降る(graupel = graupel pellet) (△) 雹 hail: φ ≥ 5 mmの氷滴が降る (▲) 雹粒子(ひょうの粒) hailstone → 雷電と関連 雷 thunder: 過去10分以内に雷光lightningか雷鳴thunderがあった ()
ツ: 雷強し 霧 fog微小水滴が大気中に浮遊(冷湿, 相対湿度 ≈ 100%) = 凝結核多→ 水平視程 < 1 km 低い霧 low fog: 視程 < 1 km、天空は微かに見える薄い霧 地霧 shallow fog: 視程 > 1 km、地面近くに霧 氷霧 ice fog: 水蒸気凍り細かい氷結晶化 → 空気中水滴凍り霧様に見える 種類移流霧 advection fog: 暖湿空気warm moisture-laden airが地表・海面上移動 → 下層部冷却 = 霧
モンスーン霧: 安定風卓越predominant期間に湿暖気が冷地表上に移動 Ex. 沿岸(6-8月釧路) 混合霧: 気温の違う2つの湿空気塊の混合により形成 逆転霧 逆転層下にできた層雲等の雲底が下がり地上に達し形成 蒸発霧: 暖水面上の冷安定空気塊が水面蒸発で水蒸気補給受け飽和形成 蒸気霧 steam fog: 冷空気塊 → 低温度地表上で強冷却 → 安定気層になり水面上移動時に形成 Ex. 極地方で定常的に発生しやすい 前線霧 rontal fog (s.s.): 前線に沿い2空気塊混合形成 - (s.l.) 以下2つ含
温暖前線霧: 温暖前線通過に先だち冷空気が雨の蒸発による水蒸気の補給を受け形成 靄 mist: 微小な水滴か湿った吸湿性粒子が大気中浮遊 → 水平視程 ≥ 1 km 靄中相対湿度 < 100% (霧より小)。靄は一般に多少とも灰色がかる スモッグ smog: 霧と煙(塵埃・煤煙等)が混じったもの (塵煙霧: 記号 = S)
主に燃焼により発生する煤煙や亜硫酸ガス(SO2)等によって起る 氷霰 small hail驟雨性降水で発生 = 半透明氷の球状粒(時に円錐状の尖り)の降水φ = 5 mm (稀 φ < 5 mm) 粒簡単に潰れず、堅い地面にあたると音をたて弾む全体(部分)的に隙間が、氷(と水)で満たされた単に薄い殻が凍結した様な雪霰できる = 雪霰と雹の中間状態 → 比較的高密度 = 0.8g/cm³ (稀0.99g/cm³) 区別: 部分的に滑かな表面と高密度で雪霰と区別/粒小さいことから雹と区別Ex. 台風予報・情報現在の位置・強さ・大きさ → 予測
位置 = 円形等圧線の中心
転向点: 台風の方向の変わる点 - 放物線の頂点
風台風: 風害が大きくなると予測される場合 観望天気周囲の気象状況(雲・風向・風速等)を眺め天気を予想
天気と諺 lore利用不適なものある(殆どは諺が使われる地方でのみ通用する特殊なもの)= 経験則: 高信頼度の諺は天候判断補助になる → 観天望気を諺だけに頼るのは危険 観天望気に利用できる諺
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海洋気象学 marine meteorology海面よりも上の大気現象と大気現象が海洋の表層水と深層水に及ぼす影響、海洋表面が大気に与える影響を研究大気 ⇐ 相互作用 ⇒ 海洋 → 大気-海洋系 → 気象学 + 海洋学 + α [過去] 航海・漁業の安全と経済に貢献する応用科学 → 天気予報 + 海況予報1959 世界気象機関(WMO): 基礎科学として重要 海洋-大気間熱収支、水(水蒸気)収支、運動量収支、海流・波・潮汐・潮流 水圏 hydrosphere水の分布と組成: 水の量の98% = 海洋(海洋面積は地球全表面の70.8%)
天然水 = 純粋(H2Oのみ) + 他の物質
海水の動き: 海流ocean currents, 潮流tidal currents, 潮汐tide → 差の37 × 103 km3は河川水として海へ移動 海洋: 海水(塩分) ← (流入) ← 河川海水塩分と河川塩分量(/年): (海水塩分量)/(河川塩分量) = 海の年数 → 海からは水だけ蒸発し塩分残る 計算から海の成立年代は数千万年 → 化石等から求める海年代と矛盾 (物質循環を考慮していない) 密度流(浮力流) density current: 海水密度の差によって生じる海流季節によって水面の加熱・冷却が異なり、水温差が生じることによって起こる流れ = 密度に起因
夏季: 水面加熱し上層水温が下層より高くなり成層状態 月齢朔(新月)時刻 = 0.0 → 起算した各日正午までの経過日数朔(= 1日)から次の朔までの周期は29.530589日 朔(新月) new moon: 月の黄経が太陽の黄経に等しい時 ⇒: 旧暦(陰暦)の朔望(満月) full moon: 旧暦で朔から約15日後 = 満月 大潮(俗): 朔期間同様、この頃に極大の満潮high astronomical tideと干潮の潮位差 潮汐 (sea) tide海面の昇降現象 = 潮 [潮 = 朝のしお, 汐 = 夕方のしお]起潮力 tide-generating force , tide-producing force (= 潮汐力tide force) 潮力エネルギーtidal energy: 月・太陽等の引力が地球上の各地点で異なるため生じる潮汐を起こす力 潮力の出力 tidal power 分潮 component tide, constituent: 起潮力を三角関数の和とし表わした時の個々の周期変動 4大分潮: 実用上重要 (気象庁推算潮位計算は、60の分潮を使用) 主太陰半日周潮 M2 + 主太陽半日周潮 S2 + 日月合成日周潮 K1 + 主太陰日周潮 O1 波浪 waves (うねった wavy, adj): 風により起こる波 → 風浪 + うねり⇒ それぞれの波向、周期、波高により表現 1. 風浪: 場(海域 ocean basin)で吹く風で起こる波 → 波長 = 数m-数10 m漣 wavelet: 風が吹き立つ小波 2. うねり(大波 surge): 他海域発生波 → 伝播 = その海域が無風でも残る波 → 波長 = 数10 m-数100 m
風浪の向き ≈ 風向 ↔ うねりの向きはその海域の風向と一致と限らない 気象庁: 潮位観測基準面から測定した値公表 天文潮 astronomical tide: 潮汐分類の1つで主に月・太陽起潮力による潮汐 気象庁: 推算潮位として潮汐予報値を計算し「潮位表」として発刊 |
推算潮位: 天文潮を予報した潮位(気象庁発刊「潮位表」掲載)
潮汐予報(推算) prediction of tide: 観測値から調和分析で潮汐定数求める → 潮汐予測計算
日本国内各地点の推算潮位値等を記載 気象庁式: 潮位偏差 = 実測潮位 – (推算潮位 + D) D = 最近5ヵ年年平均潮位 – 潮位表基準面(年平均潮位下) 高極潮位 H.H.W.L: 統計期間中最高潮位中の最高潮位 ⇔ 低極潮位 L.L.W.L.: 最も低い潮位処理方法により平滑値と瞬間値がある 日潮不等 diurnal inequality: 普通1日に2回ずつ現れる満潮(干潮)潮位一致せず、著しく異なる現象
Ex. [極端] 1日1回しか満潮と干潮が現れなくなる 吸い上げ効果 inverse barometer effect: 気圧勾配(海水流動) → 低圧部 = 海面上昇 → 高圧部 = 低下
海面が吸い上げられるよう変動
流れが陸地等の固定境界で堰止められ起こる海水面上昇 = 強風で海水が陸に吹き寄せられ発生 測定所検潮所(験潮場、験潮所、水位観測所) tidal station= 検潮小屋 + 検潮井戸 + 導水管 + 検潮儀 + 水準標石等で構成 検潮儀(検潮器、験潮器、験潮儀、水位計): 潮位測定のために用いる測器気象庁: フース型(浮き式)検潮儀使用 → 長期巻式(LFT) + デジタル式(DFT) 潮流 tidal current, tidal stream潮汐の干満に伴い水平方向に周期的に運動する海水の流動潮汐波: 2つの側面 = 海水上下運動 + 海水流(横運動)
D = 満潮-干潮の潮位差 水面波 (波浪waves・波wave)(海等の)水面の上下運動やうねりが伝わること = 水面運動伝える波動の一種
⇒ 物理学上の波動理論成立 = [屈折、回折、反射、透過、減衰等の性質] + [海の波特有の性質]
波長 = L, 周期 = T, 水深 h, 水面波形 η 微小振幅波: 水面変動の振幅が水深に対し十分小さい波 → 微小振幅波理論: その仮定における理論 ⇔ 有限振幅波: 波高がそれほど小さくない波 ⇒ 有限振幅波理論 水深による波の分類
深海波(沖波) deep water wave
周期, 波高 → 波浪に順ずる |