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栄養分 nutrients栄養分の役割: 1-3の幾つかの役割を果たす
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水欠乏: 光合成抑制(水ストレス) → 成長抑制 欠乏症状元素の種類特有の症状 → 成育抑制拮抗的吸収阻害: 他の元素が相対的に多いため現れる K過剰 → 同じ陽イオンであるMg, Ca吸収低くなる 無機代謝物(無機養分・無機栄養)植物における無機養分(全植物にとって必須というわけではない)___________________________金属______________________非金属 多量必須元素 (major elements)_K Ca Mg___________________P N S 微量(必須)元素 (trace elements) Fe Cu Mn Zn Mo Co V Na Ga__B Si Cl I 有用元素 (beneficial elements)__Al Sr Rb___________________Se 必須性の証明されていないもの__Cr Sn Ni___________________F Br |
無機栄養必須性解析手法
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土なし栽培(溶液栽培): 土を用いず培養液を利用した栽培法 栄養条件を制御し効率よく作物を生育させる ミスト法(空中に根を張らせ溶液を噴霧)・水耕法・礫耕法・砂耕法
利点: 連作障害ない。湛水や除草作業不用 |
養分: 植物体内での作用等。欠乏症状 N (窒素, nitrogen): 植物体構成する基本元素 (アミノ酸・タンパク質・核酸等)
表. 水中における窒素の形態 有機態窒素(organic nitrogen, ON) 粒子性有機態窒素 (particulate organic nitrogen, PON)* 溶解性有機態窒素 (dissolved organic nitrogen, DON)* 無機態窒素(inorganic nitrogen, IN)
アンモニウム態窒素 (NH4-N)* *: ケールダール窒素 (K-N) = PON + DON + NH4-N
アミド態窒素 P (リン, phosphorus, H2PO4-, HPO42-, PO43-): 核酸(DNA, RNA) → タンパク質合成や遺伝・細胞分裂に作用、ATP, ADT等構成物質 → エネルギー代謝 (Pは化学で元素、農業・園芸でリン酸指すこと多) → 体内移動しやすく活動活発な組織(子実等)に移動 = 主に開花結実に関係 → 生育不良: 症状は古組織で出やすい → 肥料上は花肥・実肥とも呼ぶ 無機態リンinorganic P
(正)リン酸(オルトリン酸態リン酸), PO4-P (dissolved phosphate) 有機態リン organic P = 粒子性有機態リン(PO-P) + 溶解性有機態リン(DO-P) K (カリウム, potassium, K+, 加里 = 肥料用語): 植物細胞内に最も大量に存在する無機陽イオン = 陽イオンの大半はK+ (100-200 mM, 種差ある) 細胞内で高濃度K+である理由 → 高濃度に存在できるのは細胞内のみ
↔ 細胞外(細胞壁中)の高濃度Kの存在は、植物の生育には害
子葉や子実では普通は欠乏症状でない → 下部に行くにつれ顕著 葉縁焼: 葉縁部組織が枯死し褐色化 |
2. 白斑症 Ex. イネ科・クローバ → 古葉に表れやすい S (硫黄, sulfur, SO42-): 生物体アミノ酸(システィン・メチオニン等)合成に必須 + 硫黄化合物 + 葉緑素生成補助 + ビタミン類構成物質 → 酸化還元反応に関与
普通SO42-かFeSの構造で土壌中から取込む 葉が空気中の強毒性SO2を吸収すると、硫酸イオン(SO42-)に解毒化される。しかし、大気中SO2濃度高く、植物体内の解毒能力以上にSO2が葉に吸収されると、葉肉細胞が破壊され可視障害が発現する。 alfalfaでは障害を受けた部分の葉が当初は水浸状を示し、後で白色や淡褐色に変わる。針葉樹葉は赤褐色となり落葉しやすくなる。同程度の可視障害をもたらすSO2濃度は植物種により異なる。高感受性植物としてはalfalfa、オオムギ、ワタ等があり、1.25 ppmの1時間曝露で障害が現れる。SO2抵抗性は、木本植物 > 草本植物、常緑樹 > 針葉樹、落葉樹 > 常緑広葉樹である Ca (カルシウム, Ca++, 石灰): 全植物必須 → 細胞膜中の膜構造・機能の保持。代謝による有機酸の中和、酵素のactivator
アミラーゼはCaないと非活性
Caは移動性低 →
Mg (マグネシウム, 苦土 = 肥料用語): ATP-Mg+M複合体(ATP-Mg+ complex)濃度によりリボゾームサブユニットは解離が起こる → リン酸関与する酵素反応activatorとして特異な機能(Mgがあると酵素が部位認識できる)。クロロフィル形成に必須 = 不足でクロロシス(白化) chlorosis
砂土に多(その他土壌中では欠乏し易い) |
☛ 有毒物質
微量元素は欠乏する量が僅かという意味で、平均含量ではない Ex. 塩素含量は通常数%だが、欠乏症状現れるのはこの1/100程度 Fe (鉄, iron, Fe++/Fe3+): 各種酵素構成物質として呼吸に重要な役割。葉緑素中に大部分存在 = 葉緑素生成に関与
最初に発見された必須元素
1844 Gris: ブドウ黄化(クロロシス)治療にFeが必要なことを発見。葉緑体がFe不足時に異常をきたすこと知る Mn (マンガン, manganese, Mn++): TCA回路各種酵素のactivator、光合成(明反応)に関与。Feと拮抗し細胞内の酸化還元電位の調節に関与。欠乏症少 → 体内での移動性低く新葉が葉脈だけを残し黄(褐色)化し壊死を伴う(先端葉黄化) Cu (銅, copper): 葉緑素体内で多く存在、光合成と呼吸に関与。Zn、Moと強拮抗作用があり、これらの過剰害は、Cu施用で回避できる。先端葉黄化 |
Zn (亜鉛, zinc, Z++): オーキシンレベルの維持とその前駆物質の生成に関与。脱水素酵素の活性化因子(activator) → 萎化、奇形・先端葉黄化 Mo (モリブデン, molybdenum): 硝酸還元酵素構成成分、硝酸体窒素同化。欠乏殆どなく過剰症が問題 B (ホウ素, boron, BO32-): 細胞膜作るペクチン生成に関与 = 糖類転流・細胞膜形成・細胞壁強度 → 欠乏症: ペクチン生成衰退 → 体内養分移動低下 → 中心葉黒変、葉柄・茎に亀裂、芯止まり、ヤニ蓄積、若組織壊死 Cl (塩素, Cl-): 光合成明反応関与。自然界で欠乏極稀 → 葉萎え生育不良 Ni (ニッケル, Ni++): ウレアーゼ = 活性中心にNi → 尿素利用に必須 Cr (クロム, chrome/chromium): ヒト必須。植物証明なし - 高濃度で生育障害 I (ヨウ素, iodine), = ヨード(沃度): ヒト必須 ∵ 甲状腺ホルモン合成に必須。植物では必須ではない F (フッ素, fluorine): 虫歯抵抗性 - 人に必須(異論あり)。植物未詳 Br (臭素, bromine): 動物必須(異論あり) |
a) 必須でないが与えれば生育促進 Ex. Si = イネ・ムギ、Na = サトウダイコン b) 動物に必須 - 予め飼料植物に含まれる方が望ましい元素 Ex. Se, Co Al (aluminium, or aluminum) 土壌酸性強いとAl(+ Mn)は溶出し易く過剰障害起こりやすい → ススキやチガヤなど強酸性植物優占 Se (セレン/セレニウム, selenium)Sの同族元素であるが土壌中にはSの数千分の1しか含まれない [通常種] [適応種] Seの存在下で成育 Seの存在下で成育 │ ┌─────────┐ ↓SとSeを区別しない SとSeを区別↓ ↓ セレノメチオニン メチルセレノシスティン メチオニン セレノシスティン セレノホモシスティン システィン タンパク質構成 非タンパク質構成 含Seアミノ酸 含Seアミノ酸 ⇓ ⇓ ⇓ タンパク質へと取り込まれる 毒性発現せず 正常タンパク 酵素活性の喪失など/植物死 質合成 |
Na (natrium, or sodium): 動物は多量必須元素 = Kと同程度の量含む 植物ではKの数1/10程度の低さ 塩生植物: 高塩分土壌に生育する植物(林業 = マングローブ類) → Na必須 Ex. アッケシソウ glasswort: Na含量は10%を越える場合 Si (珪素, silicon): イネ・キュウリ等の病害抵抗増す珪酸は土壌中に50-70%も含まれるが、植物体内は0.5%以下が普通。なし → 水稲は特異的に多く吸収し、病害抵抗性に関与 Co (コバルト, cobalt) ビタミンB12構成成分: VB12を生育に必要 → コバルト要求性 植物が共生的窒素固定に依存 → 要求性もつ V (バナジウム, vanadium) 含有タンパク質 Ex. ニトロゲナーゼ、ブロモパーオキシダーゼ、ヘモバナジン |
[ 補酵素 ]
生物生存生育に必須な栄養素(多量必須元素か微量元素)のうち炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物 脂溶性と水溶性ビタミンに大別 脂溶性A (vitamin A)≈ カロチノイド(A前駆体), 後生動物D (D2-D7)脂溶性D2 (エルゴカルシフェロール ergocalciferol): 植物ステロール由来 D3 (コレカルシフェロール cholecalciferol): 動物ステロール由来 E= トコフェロール (tocopherol): 植物は合成するKK1 = フィロキノン (phylloquinone): 植物は合成するK2 = メナキノン (menaquinone, MK) 水溶性B群B1 (B1)= チアミン thiamin (オリザニン. アノイリン)B2 (= G) = リボフラビン riboflavin B7 (= PP) ナイアシン niacin ニコチン酸アミドnicotinamideやニコチン酸等の総称 NAD, nicotinoamide adenine dinucleotide B5 = パントテン酸 (pantothenic acid)
Adenine-Ribose-Pi-Pi-Panthothenic acid-(Cysteamide) Cystein-SH → CH3CO-S-CoA + H2O
Acyl-CoA: 高エネルギー – 反応性高く、縮合、脂肪酸代謝等を行なう(CH3COOH: 安定で反応性低い) |
B6 = ピリドキシン (pyridoxine) + ピリドキサール (pyridoxal) + ピリドキサミン (pyridoxiamine) ピリドキシン (pyridoxine): 生物体内ではpyridoxal phosphateとして機能。アミノ酸化のcoenzyme
CH3COCOOH + P + α-A・A ↔ Pyridoxamine-P + α-keto acid
→ COOH-CO-(CH2)2-COOH + CH3-HCNH2-COOH COOH-CH2-CH2-CHNH2-COOH (Glu) + CHO → [–H2O]
→ COOH-CH2-CH2-CHN(=CH)-COOH
CO2の転換に作用。タンパク質のリジン側に働く B12: 4 pyrol nucleic center = CO coenzyme for methylmalonyl CoA multoase, methionine synthase, and thioredoxin reductase C= L-アスコルビン酸ビタミン様物質
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体内移動の難易と診断移動しやすい要素 = 不足すると下葉(古葉)から伸長部に養分を転流 → 下葉から欠乏症が出る移動しにくい要素 = 不足すると、今伸長している所に欠乏症が出る。下葉から転流しないので、下葉の欠乏症は出にくい。 植物体内での移動の難易で肥料に係る生育障害診断は可能移動し難い [[ S Ca Fe Mn B Cu Zn ]] は芯葉から欠乏症状発生移動し易い [[ N P K Mg その他 ]] は古葉から欠乏症状が発生 S, Znは体内移動する元素だが、その中でも比較的移動しにくい 土壌中における養分の拮抗・相乗作用
Ca吸収はKの多用で抑制 [地力増進法] pHによる養分の溶解性 |
能動輸送 active transport温度変化が代謝活動に大きな影響 → 呼吸(即ち酸素)が能動輸送に重要
ネルンスト式(受動輸送の計算)
T = 20(C) = 20 + 273 (K, 絶対温度) Z: 荷電数(charge/ion): K+ = +1, Ba2+ = +2, Cl- = -1, SO2- = -2 ナタマメ根を25Cで24時間成長 → E = -100mVμmol/g組織 K+ Na+ Mg2+ Ca2+ NO3- Cl- MNPO4- SO42- 予測値 73 73 1350 5400 0.0272 0.0136 0.0136 0.000047 実測値 75 8 1.5 1 28 7 21 9.5計算例: log(ai/ao) = -EZ/59 (T = 25 + 273)
out: K+ 1 μmol/mol 多くの場合ATP以外のNTPにも作用する。器官により性質は若干異なるが、いずれもSH基を必要とする酵素。Mg++、Ca++等で活性(阻害)される。生体内ではATPと共役するエネルギー転換系構成因子として機能。 Ex., Na+-K+ ATPase, Ca++ ATPase, H+ ATPase 塩 salts: 能動輸送に関与し呼吸促進。イオン化した溶質solutionとして根から吸収する塩呼吸 salt respiration: 塩類で促進される呼吸。外界と植物体の塩バランスをエネルギー的にとるため起こる 表. 無機栄養移動における能動的吸収と受動的吸収 – 両方関与
吸収 代謝 移動 平衡状態 時間 選択的透過性 イオン |
歴史自然循環と肥料江戸~1960: 都市糞尿 → 近隣農村へ還元 = 肥料(こやし)に腐敗糞尿使用
里山の落葉 → 「刈り敷き」として水田に入れる 19 c中: リービッヒ (Justis Freiherr von Liebig, 独): 農業生産拡大には化学(人工合成)肥料を施す必要を理論的、啓蒙的に示す
リービッヒの最小律植物成長は、必要元素中で最少量のものにより制限される19世紀後: 圃場試験 → 作物に肥料として与え増収効果あるのはNPK
肥料の3要素 = NPK: 土中欠乏し易い 19c中: 初の人工肥料は燐鉱石に硫酸をかけ作った「過燐酸石灰」 20c始: アンモニア製造 → ドイツ化学会社が工業化し本格的に人工肥料が市場に出回る 無機窒素肥料はチリ硝石だったが、19世紀始に底をついてきたため 肥料元素 plant food金肥: 売買対象となる肥料 → 施肥効果がある元素のみを肥料元素と認識
Ex. 硫酸アンモニア(硫安) ammonium sulfate, AS 成分保証法律による肥料(元素)成分最低値規制行為最大成分や有害成分の最高値も規制されるものもある 公定規格: 法的成分規制条件
公定規格には"賞味期限-有効期限"や粒子サイズ等は含まれない → 長期保存で成分変化は余りなく原則1年以内に使用されるため
保証された成分は肥料の袋に明記(成分保証票添付)
燐酸、カリは国際的にも酸化物で表現される 石灰: 肥料成分 + 酸性土壌中和効果 → 肥料取締法では"植物栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらす"(土壌改良)ものも肥料とする 有効成分植物に吸収利用される成分Ex. 燐酸化合物中の全燐酸が植物に吸収されるわけではない 日本では水に溶ける"水溶性 water soluble WS"と2%クエン酸に溶ける"ク溶性 soluble-SP"を可溶性有効成分とする。後者はゆっくり植物は吸収
有効成分の定義と測定法は国で違う(燐酸肥料は生産国規格に注意) 水溶性 有効態燐酸 アルカリ性 中性 2%クエン酸 クエン酸 クエン酸 アンモン アンモン 過燐 燐 複 過燐 燐 複 過燐 燐 複 過燐 燐 複 燐酸 酸 合 燐酸 酸 合 燐酸 酸 合 燐酸 酸 合 酸石 ア 肥 酸石 ア 肥 酸石 ア 肥 酸石 ア 肥 |灰 ン 料 |灰 ン 料 |灰 ン 料 |灰 ン 料 重 モ 重 モ 重 モ 重 モ 過 ン 過 ン 過 ン 過 ン 日本 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ドイツ 〇 〇 〇 〇 フランス 〇 〇 〇 オランダ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 連合王国 〇 〇 インド 〇 〇 フィリピン 〇 〇 〇 AUS 〇 〇 〇 〇 〇 〇 NZ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 合州国 〇 〇 〇 効果の表れ方速効性: 与えるとすぐ効果 ↔ 拡散早いので持続期間 ≈ 1週間頻繁に与える必要 ↔ 肥培管理容易 → 追肥によく使われる
固形; 水溶性化成肥料(Ex. 尿素、硫安)
NPKの効果が持続する、特定成分だけ持続する2種類の肥料がある
Ex. 微生物分解等で吸収可能となる有機質肥料 (Nの一部は微生物が消費 - 植物利用可能窒素が表示より少ないこともある) 肥料市場 (生産と消費)肥料製造資源石灰窒素を除き窒素肥料はアンモニア(NH3)から合成
Ex. 硝酸 → NH3酸化 / 尿素 → CO2 + NH3 カリ肥料; カリ含有鉱物(塩化カリmuriate of potash)から |
燐鉱石主産出国: USA, China, Morocco (これだけで約2/3)、Russia, Tunisia, Jordan, Israel 肥料貿易今後、窒素肥料輸出国が産油国と旧ソ連圏の国に特化する傾向が続くだろう窒素肥料生産国: 総量は窒素で9000万トン、尿素が48% China、USA、India、Russia、Canada、Indonesia、Ukraine、Netherlands、Pakistan、Poland 窒素肥料輸出国: 総量は窒素で2500万t、尿素が43%Russia, USA, Canada, Netherlands, Ukraine, Indonesia, Bel-Lux, Saudi-Arabia, Germany (以上で2/3)
Kuwait, Qatar, Unitd Arab, Saudi-Arabia, Trinidad-Tob, Lybiaなど国内消費数%という産油国 主要肥料の製造法と性質 (表)複合肥料: 肥料成分三要素のうち2成分以上を含むもの化成肥料: 複合肥料のうち、化学的処理製造し肥料成分が計10%以上(燐酸アンモニウムは定義上化成肥料)
高度化成: 肥料成分が30%以上の場合 植物生育調整剤(PGR剤): 草丈低くし収穫容易 + 植物老化防ぎ収量向上 → 農作業軽減、品質向上 施肥量決定= 量 + 種類 + 時期 + 場所量: 施用必要量 = (植物要求量 - 天然供給量)/利用効率 植物要求量 = 目標収量 × 単位収量あたりの肥料成分最適吸収量
イネ・ムギでは必要栄養量は窒素20 kg/t穀物、燐酸は3 kg、カリは10-20 kgとみてよい
実際は施肥量決める圃場試験データもとに、大体の基準施肥量を決める 地域に適した肥料の種類を決める要因
基肥(元肥): 播種前か移植前に施す → 追肥: その後やる 途上国: 実生揃いや活着揃(移植時)後に表面に撒く(旱魃・洪水で揃わないこと多 → 見ないと不安) + 価格: 肥料成分あたり価格考慮
Ex. 硫安と尿素の対比、硫安と尿素のコスト 農業生産・環境と肥料緑の革命 green revolution生産性向上目的 = 農業技術革新(Ex. 品種改良) + 発展途上国に導入1962 IRRI (国際イネ研究所, フィリピン) 1963 CIMMYT (国際トウモロコシ小麦改良センター)
⇒ 灌漑施設不備・化学肥料節約 - 低収量 施肥増加が収量増加もたらす条件3要素成分合計で300-400kg/ha位まで → その国の施肥量 ∝ 穀物収量施肥量少ない国はGNP per Capita少ない国に多いが、GNP per Capita多い国でも施肥量が少ない国もある。これらの国は畜産国、工業国、土地の広い国にみられる ある段階までは肥料施用↑ ⇒ 穀物生産↑ (肥料与えれば穀物生産直ちに増加?) 施肥効果があがる条件a 生物学的条件 = 改良品種(現代品種)普及肥料(窒素)施用により収量増 ↔ 伝統品種: 施肥で草・茎増大し、倒れやすくなる ≠ 穀物収量↑
背低い高収性品種普及 = 緑の革命 Small rice makes big Asia Ex. 水稲: 1960年終 = 高収性品種がかなり普及 → 実際に水稲収量増大が起きたのは1970年代後半-1980年代(インドネシア、フィリピン、インド、ビルマ等) → 10-20年近いずれ 施肥と環境過少: 略奪農法 - 生産力の低下 - 環境に悪い過剰: アンバランスによる、他の元素の欠乏 窒素成分多すぎ、カリ等は略奪されている恐れが中進国で疑える(上述) 窒素成分多量使用による環境汚染
土壌栄養成分は迅速に植物が吸収 → 地力低下 有機物無施肥 → 化学肥料単独使用 → 収量増 → 地力低下 → 荒廃土壌 = 収量減________________|------- 化学肥料使用増 -------| 環境問題 (水質汚濁) |
実験で良く使う(使えそうな)もの ハイポネックス hyponex 配合飼料 Ex. NPK = 5:5:4 (油かす入り) 化成肥料 Ex. NPK = 8:8:8 有機肥料 Ex. NPK = 4:4:1.5 (骨粉入り) とようら町 海の恵み, (10 kg ≈ 20 ℓ)/300円 名称: 水産系堆肥 種類: たい肥 (なぜ名称は漢字で種類は平仮名) |
原料: 海藻類、貝類、バーク 主成分含有量等
TN 0.9%, TP 0.4%, TK 0.3%, C/N比 15.8 消石灰: 粉 200-300 g/m2 有機石灰 400-500 g/m2 |
肥料名 | 製法 | 保証成分 | 性質 | |
窒素肥料 | 尿素 urea | (アンモニアNH3 + CO2)合成 | 窒素46% | 水に溶けやすい |
硫酸アンモニア(硫安) ammonium sulfate | (NH3 + 硫酸)合成 | 窒素20.5-21% | 硫酸含み硫黄欠乏地帯にむく | |
石灰窒素 calcium cyanamide | 石灰岩とC, Nガス | 窒素20-25% | 余り輸出されない | |
硝酸アンモニウム ammonium nitrate | NH3; 硝酸 | 窒素32-34% | 吸湿性強く爆発性あり | |
硝酸アンモニウム石灰 calcium ammonium nitrate CAB | 硝酸アンモニウム + 石灰石 | 窒素15-21% | 硝酸アンモニウムの吸湿性と爆発性を緩和した。欧州で需要多 | |
塩化アンモニウム ammonium chloride | 炭酸ソーダ製造時にできる | 窒素25% | 塩素を含み、ココナッツ、繊維作物、水田向き | |
燐酸肥料 | 過燐酸石灰 single superphosphate SSP | 燐鉱石に硫酸 | 可溶性燐酸15%以上 | 石膏硫酸カルシウム含む |
重過燐酸石灰 double or triple superphosphate | 燐鉱石に燐酸か硫酸燐酸混合をかける | 可溶性燐酸30%以上 | 殆どの燐酸が水溶性 | |
よう性燐肥 fused calcium magnesium phosphate | 蛇紋岩と燐鉱石を混ぜて溶融し、急冷燐酸はく溶性 | 17%以上、苦土12%を含む | 多目的肥料 | |
燐酸アンモニウム ammonium phosphate NAP, DAP | 燐酸をNH3中和、1アンモニウムmono-ammonium phosphate MAPと2アンモニウムdi-ammonium phosphate DAPあり。実際は両者混合 | 窒素12-20%,燐酸46-53%、製品により違う | 化成肥料原料となる。日本ではそのままでは余り販売されない | |
カリ肥料 | 塩化カリ muriate of potash MOP | 原石の精製 | 水溶性カリ60%前後 | ココナッツ等に使う |
硫酸カリ sulfate of potash SOP | 塩化カリに硫酸か硫酸塩を処理 | 水溶性カリ45-52% | アルカリ土壌、タバコ用 |