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(2023年12月25日更新) [ 日本語 | English ]

発生学 (embryology)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

発生学 embryoology
胚(embryo)の発生を研究

動物: 誕生や孵化前
植物: 発芽段階にある組織

この二つを併記するのは違和感を感じるが
動物発生学 (animal embryology or animal developmental biology)

関連: 解剖学

植物発生学 (plant embryology or plant developmental biology)

関連: 解剖学

索引

ホメオボックス homeobox

ホメオティック突然変異 homeotic mutation: Drosophila

体の一部が他の部分に変わる突然変異
Ex. アンテナペディア: 頭部触角が足に変わる ⇒ 突然変異遺伝子 = antp
Ex. バイソラックス: 腹部体節を胸部大切に変え足数を増やす

Gehring, Walter Jakob (1939-2014)
発生調節に関連する高相同性のDNA塩基配列
Def. ホメオボックス遺伝子: メオボックスを持つ遺伝子 - ホメオボックス遺伝子ファミリーを構成

≈ 180塩基対
ホメオドメイン: タンパク質部位DNAに結合しうるタンパクをコード

多くの動物で共通

動物発生学 (animal developmental biology)


(個体)発生 ontogeny

受精卵から新個体が決定されるまでの過程
embryo: 受精卵 → "胚"である期間 → 新個体

新個体: 受精卵から分化が進み、自分で新個体として養分をとり生活を維持する

進化 phylogenetic development (= evolution) vs
個体発生ontogenetic development

配偶子(精子)形成期 spermatogenesis: 卵形成 oogenesis (2nn) = 減数分裂 meiosis
増殖期 proliferation period

卵原細胞 oogonium(pl. -a) (2n): the female gametangium which produces an egg or eggs

成長期 growth period: 卵母細胞oocyte – 卵黄yolk 成熟期 maturation period: spermatozoon: spermioteleois (or spermiogenesis)

受精 fertilization
卵割 cleavage or segmentation: 細胞分裂
Ex. 鰓gillの発生

脊椎動物: 一生水中 – 呼吸器官。陸上 – 成体には無いか分からない
爬虫類・鳥類・哺乳類: 胚鰓embryo gill – 何の役にもたたない
→ functional gillを持つ動物と共通の起源種origin speciesがある
⇒ 成体の形態(= 環境じ応じた型)だけでは分類学上の位置は分からない – 系統発生を見ると分かる

Ex. ホヤの発生: 固着性、運動器官なし。神経系原始的 primitive - 以前は軟体動物(に近縁)と考えられていた

発生: 幼生larva – 脳: 脊椎、脊索 = 脊椎動物に近縁
Sacculina: カニの♂について♀化する
Rhyzocephala: ヤドカリの♂を♀化する

配偶子形成 (gametogenesis)


= 卵・精子形成
卵子 ovum / 精子 spermatozoon: 親からの形質を受け継ぐ – 直接観察無理 → 新個体発生に伴う情報獲得

形質的特徴に結びつく形で入っていない = 暗号の形で入っている
暗号解読過程 = 発生過程 – 様々な発達段階が一定の配列で並ぶ

精巣・精子 testis and sperm

第1精母細胞(2n) → [減数分裂] → 精細胞(4個) → [変形] → 精子(4個) (n)
精子 sperm
形は種により異なる、殆ど核のみ。養分殆どないが運動力がある
1) 頭部 sperm head

セリトリ細胞 seritoli cell – 脊椎動物には必ず存在(昆虫ではない)
減数分裂(RD)直後: spermatid (n) → [spermiogenesis] → spermatozoon
アクロゾーム acrosome: 卵膜egg membraneに穴を開ける
セントリオール centriole: 卵が細胞分裂するのに必要

2) 中部middle piece: おおむねミトコンドリア = エネルギー供給
3) 尾部

基本片: 同じ太さ - 終片: 先に行くに連れ細くなる

通常中間期の精子 spermatid on ordinal interphase

→ H2Oを失い核が小さくコンパクトになり運動性が増す
小さな液胞vacuole周囲に同心円的に並ぶ。液胞が突然大きくなり高電子密度の顆粒となる。PAS反応実験からは、爬虫類では多糖類である

egg
大型(発生初期に必要な養分を含む = 卵黄 yolk)、運動力はない

リボゾーム: basophilic。卵子形成過程でよく染色される = RNA増加
ミトコンドリア: 卵形成過程でクリステ構造外の形状をなし内部にyolkに似た形状のものを持つ?
ゴルジ体: 若卵oocyteで観察可能だが、成長後は殆ど見られない = 成長過程で使われる
Vesicular: 着いているリボゾームが少ない → ERになる
卵核 yolk nuleus
第1卵細胞(2n) → [減数分裂] → (1個) (n) + 極体(3個) = 退化

卵細胞質 organization of egg cytoplams
卵内部: 宙ぶらりんで、ミトコンドリア、リボゾーム等が浮遊し、原形質流動、遠心分離等で簡単に動かせる
卵表面: ゲル状gell。厚さ2-3 μm – 粘性あり、原形質流動や遠心分離での細胞組織移動困難egg

coritcal layer
cortical cytoplasmic layer
cortex: 卵黄、ミトコンドリア見えない。Pinocytotic vesicle見られる

一部の動物でcortical granuleの見られるものがある

cortical granule: 大きく、ウニ0.8 μm、カエル2 μm

膜に包まれた物質で、内部にmucopolysaccharidesが含まれる

極性 polarity (卵 egg)

egg
経割: 動物極と植物極を結ぶ
面でわった所

動物極 animal pole: 極体が離れた所。養分少ない中心

極体polar bodyの出るところ
卵黄yolk・ピグメントpigmentの分布より判断
一般に、核と染色体を結ぶ線が極性を示す線となる
⇒ animal-vegetal axis, dorsal-ventral axis (背-腹), anteroposterial axis

植物極 vegetable pole: 養分の多い所
卵核の変化 changes in the nucleus of oocytes
volume↑ = nuclear sap – 螺旋状になる → basic dyeやfeulgen reactionに反応しにくくなる

ランプブラシ – 染色体(遺伝子)活性に合う

ランプブラシ染色体 lampbrush chromosome: 1本の染色体を軸とし回りに多数の細いグループ状側枝が出てランプ掃除ブラシ形をした染色体。魚類、両生類、爬虫類、鳥類、一部哺乳類の卵細胞分裂時に表れる。m-RNAが盛んにDNAを転写している部分

ランプブラシの枝 = mRNA

Ex. 細胞膜: 色素透過性。ブレイクレセントbreakrescentで高い – 様々な変化
1985 Roux: sperm侵入部 = 陥入breakrescentの対称部位 egg

人工的に精子侵入部位を固定変化させる Exp. 卵に2つの精子が入るとどうなるか
卵をprickingすると、その場所に陥入部位ができる
↔ 陥入部位はある程度決定している
- 陥入部位の反対側が精子を受け入れやすくなっている 魚類: 精子侵入部位決定 / ウニ: ランダム / ホヤ: 植物極近くから入る

Ex. ヤツメウナギ: 卵動物極側広範囲にゼリーが大量につく → 精子: ゼリー通過しないと受精できない

ゼリーを外し卵の自由回転を可能にすると卵は斜上に立つ → dorsal side, ventral sideの比重が異なる
卵黄の分布を調べるとdorsal, ventral sidesでは差がない → 卵黄以外の物質の分布が違う

受精 (fertilization)


精子が卵の表面につき、精子核が体内に侵入し、精子と卵核が合一して2nの核になるまで

配偶子接近 → 不可逆的接触・凝集・細胞間接着 → 細胞膜部分的融解・再構成 → 核接近接触 → 核合体

受精に関する理論 theories on fertilization

1. Fertilizin theory (Lillie FR) - negative
2. Lysin corrective factor theory (Loeb)

受精時の卵にプロトンが発生することが分かっている

ロイブ説における卵子と精子の合一conjunctionに関する問題 (Epel)

単為発生(単為生殖) parthenogenesis

脊椎動物で困難(如何なる刺激でも反応しない)
有性生殖(両性生殖)の変形: 配偶子(卵)が受精せず単独発生し新個体となる

(parthenogenetic, adj. 単為発生の production of a new individual from a single, unfertilized gamete, often the egg. Ex. 単為発生細胞parthenogenetic cells)

Ex. ミツバチ honey bee ☛ メンデル遺伝
1845 Dzierzon J: 雄バチ = 不受精卵 / ハタラキバチ・女王バチ = 受精卵

♀ [倍数体] = 女王バチ(1個体) + 働きバチ(大部分)
♂ [半数体] = 雄バチ
卵(n) + 精子(n) → 受精卵(2n) → [特別養分] → 女王バチ(♀)
________________________ ↳ [普通養分] → 働きバチ(♀)
未受精卵(n) → [単為生殖] → 雄バチ(♂)

- 遺伝子は女王バチ(♀)のみからくる

母(女王バチ) ♀ A B ┳ 父(雄バチ) ♂ C
                          |  |   | 交尾
            息子 ♂  A B  AC BC 娘 ♀

Ex. アブラムシ、ミジンコ
♀(2n)→夏卵(2n)→♀→夏卵(2n)→…→♀(2n)→大型卵(2n)→卵(n)──┐
  ↑                                  └─→小型卵(2n)→精子(2n) ┴┐
  └─────────冬卵(2n) ──────────────────┘
Ex. 人為単為生殖 artificial parthenogenesis
1899 ロイブ Loeb J (1859-1924, 米)

ウニ未受精卵をラク酸処理後、正常海水へ戻し高張海水につけ、正常海水に戻すとnで発生
その後、カイコ、脊椎動物でも成功

交雑受精 species hybrid

a) foregin sperm: activative agent → perthogenesis

ウニ♀ × ウミユリ♂(= foregin) / ウニ♀ × イガイ♂ Cp. perthogenesis

表10.4. カエルの種間交雑雑種 (*: 未受精卵をトリプシン処理すると受精)
卵子(♀)         精子(♂)        受精 到達発 精子の行動
                                 成否 生段階

エゾアカガエル   ヤマアカガエル   +   遊泳胚
                 ニホンアカガエル +   成体
                 トノサマガエル   +*  胞胚  |ゼリーに多数侵入
                 ニホンヒキガエル +*  嚢胚  |卵黄膜表面まで到達
ヤマアカガエル   エゾアカガエル   +   遊泳胚
                 ニホンヒキガエル -         |ゼリーに多数侵入
                                            |卵黄膜表面まで到達
ニホンアカガエル エゾアカガエル   +   成体
                 ニホンヒキガエル +   胞胚
ニホンヒキガエル エゾアカガエル   -         |ゼリーに全く入らぬ
                 ニホンアカガエル -         |
                 トノサマガエル   -         |
                 ニホンアマガエル +   胞胚
ニホンアマガエル ニホンヒキガエル +   嚢胚
                 エゾアカガエル   -         |ゼリーに全く入らぬ

b) foreign sperm: degenerating egg cytoplasm

a, bは厳密にはspecies hybridではない

c) fusion of male and female

多くが原腸胚gastrula stageで発生を止めてしまう

d) riable hybrid adult → sterile

エゾアカガエル♀ × ヒキガエル♂ →

stop development at gastrula stage

トノサマガエル♀ × ヒキガエル♂ →

成体まで進む(perthogenesis)

交雑受精の利点
1. 配偶子融合gamete fusionが可能
2. 発生段階における遺伝子活性を観察できる
生活の場と生殖法
水中 = 体外受精: 雌雄とも放出する配偶子の数が多い – 受精確率が低い
陸上 = 体内受精: 作る配偶子の数は少なくなる – 受精確率は高い

卵割 (cleavage)


卵割の速度と型が問題

卵の種類と卵割

受精卵の細胞分裂 = 細胞分裂するのみで大きくならない(成長しない)
等黄卵: 卵黄は少なく均等に分布 ⇒ 全割 - 等割

Ex. 哺乳類(ヒト)、ナメクジウオ(原索動物)、棘皮動物

弱端黄卵: 卵黄がやや偏る ⇒ 全割 - 不等割

Ex. 両生類(カエル、イモリ)、軟体動物、環形動物

強端黄卵: 卵黄が著しく偏る ⇒ 部分割 - 盤割

Ex. 鳥類(ニワトリ)、爬虫類、魚類(メダカ)

中黄卵: 卵黄は中央部に分布 ⇒ 部分割 - 表割

Ex. 節足動物(昆虫類、甲殻類)

Ca-free, kEDTA, trypsin, etc. →

割球blastmere: 細胞数 1 → 2 → 4 → 8 → 16 → 32 → 64 (仮定)
16細胞まで: 分裂の同時性
Ex. ウニ: 16まで同時性ある。32細胞になると植物極側細胞分裂遅れる。カエルでは8細胞まで同時

Law. Herwigの法則: spindleは圧力方向に直角にできる = 分裂方向はspindleに対して直角

→ 圧力を加えるのは卵割を思う方向に行なわせるのによい方法
Exp. ウニ16細胞まえ核質は等配分 (イモリでも同様なことが確認される)

核移植 nuclear trasplantation
分裂した核を卵に移す
ホストhost (核を移植される側): enucleated egg

cleavage 栄養液: Ringer (核実験に適)、Steinberg、de Boer、Holfreter
→ 全て有効性なし(成功率低い)
Nieu & Twittyが有効: Mg++, SO42-が入る – 浸透圧の問題ではない

Weismann仮説は核移植実験により否定

染色体欠損・核異常
成体の核が無核卵に入ると30倍位に大きくなる → ゆっくりした分裂だがRNA合成は活発
受精卵: 仁がない = 卵割中rRNA合成がない → 核は発生中ある程度可逆的変化をしている

cleavage
Fig. 12.4 Styela partitaの卵割。a. 8細胞期右側面。a: 前部, p: 後部, d: 背部, v: 腹部。b. 20-24細胞に進みつつある時期の背面。灰色新月環はA6.2, A6.4に含まれる。c, d. 細胞期腹、背面。A7.4, A7.8神経板、A7.3, A7.7脊索、B7.4, B7.8筋肉、他の黄色色素を含む細胞はA7.6を含んで間充織、dのその他は内胚葉を作る。Cの新月環以外は外胚葉 (Conklin 1905)
Exp. Rana pipiens

卵核除去 + 精核除去 = 無核 (anucleated) → 部分割 parted cleavage

Exp. 卵核のみ除去 = androgenetic haploid → ある程度発生
⇒ 核の部分的存在はある程度の発生を保障 → 核の質的な問題が残る

非対称性 (asymmetric property)

1928 Spearman

第一卵割前に毛髪で卵を束ね、16細胞期以前に片方有核、もう片方は無核のものを作る → 各々正常発生

1968 Gurten: "核においての発生のための細胞能力は変わっていない"
1969 Lepori:

アヒル卵黄の胚盤葉を様々に切断し双生児を作る – 内蔵の位置はほとんど全てで正常

1976 Morgan: 基本的(非)対称性は第一または第二卵割の段階で表れる

= 遺伝子情報ではなく、細胞質の情報によると考える
Ex マキガイ殻の回転方向の非対称性 – 卵割初期に認められる

極葉 polar lobe of dentalium

= 軟体動物卵が初期卵割時に植物極側に作る細胞質のコブ
polar lobe ツノガイ

第一次極葉(核含まない細胞質、頂毛をコントロール)
第一次卵割時: 第一次極葉除去
2細胞期: 2つの割球に分離 → C, Dは正常幼生、A, Bは頂繊毛、体後端部欠損
第二次極葉除去 → 頂繊毛欠損幼生
4細胞期 → Dのみ正常繊毛形成
8細胞期 → 1dのみ正常繊毛形成
⇒ 頂繊毛に関する因子は極葉にある: 頂繊毛形成関与物質 = 卵の表層に存在 - 遠心分離

Regulated gene → [inhibition] → Structure gene

1dではこれが働き阻害解除され頂繊毛が形成される

器官形成 (organogenesis)


外胚葉  ┬体表の外胚葉─┬─┬─────────眼レンズ、耳胞
ectoderm│              │  └───────表皮、毛、爪、汗腺
        │              └────口腔上皮、臭上皮、表皮、内耳
        ├神経管─────眼胞───────眼盃─網膜、水晶体
        └神経冠(神経管背側外胚葉)───┬─感覚神経、交換神経
                                        └──────色素細胞
中胚葉  ┬頭部の中胚葉──────────骨格、循環系、排出器
mesoderm├脊索─────────────────────(退化)
        │          ┌────硬節───────────脊椎骨
        ├体節───┼────筋節───筋肉(横紋筋)、手足骨格
        │          └────皮節────────────真皮
        │          ┌──────────────────腎臓
        ├腎管───┼────ウオルフ管────輸尿管、輸精管
        │          └────ミューラー管───────輸卵管
        └側板───┬─外側板───────腹膜、腸間膜、脾臓
                    └─内側板──┬─────平滑筋、結合組織
                                  └─────心臓、血管、血球
内胚葉  ┬腸管前部─┬────鰓穴────────────中耳
endoderm│          ├───────────肺、気管(呼吸器系)
        │          └──┬───食道、胃、十二指腸(消化器系)
        │                └────────────肝臓、膵臓
        ├腸管中部────────────────────小腸
        └腸管後部───┬────────────────大腸
                        └────────────────膀胱

生殖腺発達 development of gonad

1. 始原生殖細胞の起源 origin of primordial germ cell (gamete)
脊椎動物: lateral – visceral layer → germinal ridge

germinal cellとかなり離れたところから移動をしてくる - 切片観察するとよく分からない

鳥類・爬虫類では特殊な型なので分かる → mesodermのsegmentation前にendodermに表れる

これを破壊してみる(熱した針により焼く)
→ 胚発生は維持するがprimordial germ cellが見られなくなる = やはりoriginである

移動の方法には、血管系による移動が観察されている。また、germinal ridgeに到達しないものは退化する
Ex. Amphibian: gastrulaまでoriginを追跡可 – アメーバ運動で移動している?

organogenesis 発生機構
presumbtive primordial germ cell (PPGC): 卵割前に確認される
PPGCにはミトコンドリアが非常に多くRNAも多
– 卵の植物極側のsubcortical layerに固まってこれらのcytoplasm存在

organogenesis Pr.
1) 石英スライド: 卵は潰さない + 動物極を上

260 nmのUV(RNA阻害)を様々な角度から照射 → 植物極からあてた時、gonad中にgerm cellがなくなる

2) organogenesis毛細管等で吸ってやる: Rana等ではすぐ傷が塞がり発生する
3) Xenopus: normal (black) / albino (white)

organogenesis
♂: 卵は黒, ♀: 卵は白 ⇒ germplasmの形質が出現する

⇒ germplasmがPPGCを作るのは間違いない

[ 動物細胞遺伝学 ]

2. 性分化 (sex differentiation)
Bufo: Bidder's organ = indifferent gonad

primary germ cellの位置が、卵、精子の決定因子となっている

肢対の発生 development of paried limb

幾つかの起源originがある
側板lateral plateのsomatic layer近くに位置

mesodermと表皮がlimbになる
発達過程で途中が消え残り(= 肢芽limb bud)がlimbとなる
limb bud: 表皮の肥厚したことろ – 先の方の部分は更に厚く区別可能

limb budの部分には、かなり早い時期からoriginがある – 移植実験等により証明された

⇒ 神経管が閉じた時点で足の決定(中胚葉による)はされているが、表皮はまだ決定されていない

Amniota (有羊膜類)

(ectodermal) apical ridge – RNA-rich, glycogen-rich, alkaline phosphatase (optimal pH = アルカリ)
鳥: aprical ridgeを中胚葉を傷つけないように剥がし、そこに変わりに別な表皮を移植する

→ 足の発生は起こるが先端ができない

Amphibia: apical ridgeなし – どこから持ってきても普通に足ができる

ニワトリのlimb bud (= 翼芽wing bud)をトリプシン処理するとectoderm(健全)とmesoderm(変性)を分離できる
同様にEDTA処理をすると変性したectodermと健全なmesodermを分離できる

→ 両方を用い合成種を作る

Ectoderm: W, L / Mesoderm: L, W → 必ずmesodermによって決定される = 中胚葉依存
では、中胚葉から足には何が誘導しているのか

Exp. 中胚葉の下に神経胚を埋め込む → 過剰肢

Amphibian: 前足/後足は、その部位がどちらに近いかで決定される - かなり離れた所でも形成される
過剰肢は、肢の近くよりやや離れたところが作られやすい
mesodermの有する足形成能が神経組織によって誘導される
前後が逆になって形成: 足形成部の中胚葉および外胚葉を前後を逆にしてやると普通に生える
= "antero-posterior axis"
少なくとも足は前足と後足で形成差がある – 形成差要因は不明
足を作る能力は常に中胚葉にあるが、足形成域以外は不活性inactiveな状態となっている

初期胚 (pre-embryo)

割球分化能力
Hörstadius 1931, 1935, 1939, 1949: sea urchin

16細胞期 中割球 → 外胚葉
大割球 → 外胚葉/(微)内胚葉
小割球 → 間充織 → 骨格 Paracentrotus lividus
2, 4細胞期 = 小さいが完全なプルテウス幼生
8細胞期

卵軸に沿って2分 → 小さいが完全なプルテウス幼生
卵軸に直角に2分 → 動物極側 = 永久胞胚permanent blastula / 植物極 = 腸と口のない長卵形胚

桑実胚(morula) – ここまでは縦分裂では正常発生、横分裂では異常発生

赤道下部で直角に2分 → 植物極側 = 巨大exoderm and gut = extogastrula

⇒ 全てがend, meso, extodermを有するのか?

両生類の生殖質 germplasm in amphibians
PGC/mutantによる研究
1970 Buehr & Blankea: X. laevis

germplasm → 胞胚: GP欠如 33.3%
→ オタマジャクシ: PGC欠如 31.7%

1974 Tanabe & Kotani

UVC (253.7 nm)照射 → 0, 1/4, 1/2, 3/4, 1 – 照射面積

1966 Smith: Rana pipens

230, 254, 278, 302 (nm) UV – 254 nm is the most effective = 1つのPGCも形成されない
正常卵植物極サイトプラズムをUV照射卵に注入 → PGC持つ
正常卵動物極サイトプラズムをUV照射卵に注入 → PGCない
⇒ 植物極サイトプラズムにPGC形成因子がある
254 nmは核酸を修飾する波長
– [推論] PGC因子はDNAあるいはRNAにある

1977 Wakahara: Rana chensinensis

237.5 nm – PGCをある程度形成
germinal granuleがPGC形成第一要因とする → Smithと異なる見解

嚢胚形成過程 (gastrulation process)


嚢胚(原腸胚)gastrula: 原口背唇から最初陥入する細胞群は、口、咽頭のendodermになる。続いて入るmesodermは一部頭部結合組織になる以外は大部分背側で脊索になる。原口背唇及び腹唇から入るmesodermは脊索両側に集中する傾向を示しつつectoderm, endoderm間を前方へ移動する。v.p.から遅れて陥入し原腸床を構成するectodermは中腸、後腸になる。mesoderm, endodermが胚内部に入り込む頃までに予定神経系組織は著しく縦に伸び背側表面を占め、同時にその他の胚表面は広がった予定表皮細胞により覆われる

unfertilized egg (♀n) + sperm (♂n) → fertilized egg (1 cell, 2n)
→ cleavage (2n → 2n → 2n → …)
→ 胞胚 blastula [ウニ1000-2000, カエル10000-20000]
→ (cell division) → gastrula → neurula
→ 器官形成(細胞の配置替えの時期)
gastrula
嚢胚形成はその前の胞胚形成時の形に依存する

嚢胚形成の特徴 characteristics of gastrulation
blastulaと本質的に異なり、つまりblastulaまでのDNA合成が異常に早く(E. coliと同程度)、ここから普通の体細胞(最良の条件でも10数時間)に近くなったと観られる
1) 細胞再配置 rearrangement of cells

形態形成運動morphogenetic movement = cell metrication  単なる細胞増殖だけでなく移動能力有
細胞増殖についで移動が起こる → 嚢胚へ

2) 軸形成 formation of embryonic axis

背-腹 / 左-右 / 前-後
嚢胚形成は大体尾の部分から始まる → 乱すと軸が狂った個体が発生

3) 代謝変化

a) 細胞分裂 ↓   b) DNA合成 ↓   c) RNA合成 ↑
d) タンパク質合成↑ (単に増えるのではなく質的に異なるものも生産)

普通、受精卵は胞胚までは自律的に行くが嚢胚になるには外的条件に左右される: gastrula = critical stage

gastrulaを越えるとまた自律的に形態形成が進むことが多い

Exp. 異種の精子で受精 → blastulaまで進行し、gastrulaで成長停止

gastrula ectoderm = nerve
mesoderm = muscle
endoderm = main digestive tract
1 layer__3 layers
ecto., meso., endo. 3者の組み合わせで様々な器官が形成される

ウニ sea urchin

受精卵 ⇒ 2細胞期/縦裂 ⇒ 4細胞期/縦裂 ⇒ 8細胞期/横裂 ⇒ 16細胞期/動物極 = 縦裂、植物極 = 横裂

細胞間接着能力が衰える

桑実胚 morula
胞胚 blastula: 胞胚腔 blastocoel + 胞胚葉 blastoderm

gastrula
4回目の分裂で既に決まっている – 一次間葉細胞 primary mesenchymal cells

anus: 閉じずにそのまま1回閉じてまた開く

嚢胚 gastrula
2つの過程
1° half: vegetative plate cellsへの陥入

嚢胚形成初期に植物極板の数細胞が胞胚腔側(内壁)で相互の接触を失い、胞胚腔に脱出してくる。遊離した数10個の細胞は枝分かれのある長い糸状仮足filopodiumを出しながら細胞腔内壁に沿って移動し、後壁の一定の2ヶ所に集まって定着する。これが16細胞期の4個の細胞に由来する。一次間充織(primary mesenchymal) cellであり、後に骨片を形成
___________○ ○ ○ ○ ← 幾つかの細胞はずれ独立にうろうろ動く
□□□□□ → □□□ □ □ □ □□□
密に接着___回り同士の接着
primary mesenchyme cells (10数個) → 骨になる = vegetative plateに限って起こる

2° half:

糸状仮足filopodia: 接触により自分の行方を探す。口の部分を認識し接合し仮足部が縮んで更に陥入
植物極板の残りの細胞群は、胞胚腔側で細胞相互の接着性を減じて丸くなり、表面を律動的に動かしながら内腔に向かい突出(原腸形成)。原腸先端が胞胚腔の1/3ほどまで入り込む過程は植物極側のみを半分に分けた胚でも起こりうる。しかし、続く後半過程は原腸先端の細胞が出す糸状仮足に依存している。即ち、後に主として筋肉細胞になる第二次間充織から出る糸状仮足は胞胚腔を突っ切って外胚葉内壁に達し、その先端で付着すべき場所を探すように胞胚内壁を動き回る。そして動物極付近に固着すると収縮して原腸の先端に入り込む
-Ca++海水 → filopodia消失 → 陥入停止

プリズム型幼生 → (エキノ)プルテウス幼生 → 変態 metamorphosis → 成体

両生類 amphibians

フォークト Vogt W (1888-1941 ドイツ)

材料: イモリの初期嚢胚 – 発生はカエルとほぼ同じ
局所生体染色 vital staining:

gastrula egg: jerry除去済
パラフィン(色素を含む) → 30分後 → 胚が染色されている

卵の表面に細胞に無害色素(中性赤 neutral red、ヤヌスグリーン、ナイルブルー Nile blue sulfate、ビスマルクブラウンなど)で染色

gastrula 色素をつけた寒天を卵の上に乗せる

原口 dorsal lip

gastrula

染色された部分がどのような器官、組織になるかを観察 → 胚に記入 = 胚発生予定域図 fate map
多くの色素は害は余りない変わりに結合力は弱く安定しない。胚を固定し、色素固定を同時に行なう
現在は、セロファン表面に色素を塗布し乾燥させ細く切ったものを用いる

発生
受精卵: 弱端黄卵(全割不等卵)

→ 2細胞期 → 4細胞期 → 8細胞期 → 16細胞期 →

桑実胚 morula
嚢胚

絶えず細胞が移動。原口の縁を作っている細胞は刻々と変化している。背唇 dorsal lipへの細胞陥入が著しく激しい。統一的に細胞集団が移動しており、個々に動く細胞はない – 生体染色によりわかる
1. 陥入 invagination
2. 被覆 epiboly: epidermisに代表される

× 減数分裂, ○ 細胞形態変化
個々の細胞の形を変えることで表面積減少を補いた遺跡を変えない
Ex. 細胞の扁平化

▉▉▉▉ 胞胚末期 → ▃▃|▃▃|▃▃|▃▃ 嚢胚

3. 巻込 involution

瓶細胞 bottle cell形成 (= 細胞形の変化change in cell shape)
Exp. Isolated presumptive blastoproral cells

gastrula
より大きな細胞に少し傷をつけて乗せると傷口同士が融合する → 陥入開始

⇒ 嚢胚形成期には卵は陥入能力を有する。その後暫くこの能力は維持される
問題: 現象の開始時期。卵割回数(一種のシグナル)。瓶細胞はどのような調節のもとで嚢胚期に表れるか
後期

神経胚

前期
後期
神経管

尾芽胚
魚類
体の背方向の器官に発生すべき部域が胚盤の一端、即ち後端に集中

内胚葉と中胚葉の陥入は、胚盤の回りを取り巻いて起こるが、上皮層が内部へ押し込まれることなく、原腸も形成されない
胞胚期に胚盤の後半部周辺にある内胚葉は卵黄の表面に沿って内部へ移動していく。細胞は内部へ移動するにつれて、それらは胚の正中線に向かって集中し、最後に胚盤の下に薄い層を形成する。中胚葉も初めは同じようにして陥入するが、後には陥入は胚盤の縁を越えて繰り込む過程として継続される
内胚葉、中胚葉との陥入、またその前後で胚の前方部で第一次器官原基の形成が進行している間に、胚盤全体が広がり、次第に卵黄のより多くの部分を覆う(両生類は卵黄栓が植物極細胞からなるのに対し、魚類では卵割しない卵白albumenのみからなる)

鳥類
1. 胚盤葉上層epiblastと内胚葉hypoblast分離

gastrula
gastrula
不透明部分area opaque: 主として血球細胞、germ cell – 胚形成されると血管を通じ送り込む

2. 原条primitive disc形成

将来の胚の後半部に向かって明域上層細胞が正中線に向け集まり帯状の肥厚(原条primitive disc)を作る。原条中央に溝が生じ、ここから内部に落ち込む細胞が中胚葉、内胚葉になる(葉裂delamination) – 陥入ではあるが、細胞が列をなし落ち込むため葉裂と呼ぶ
原腸が形成されない↓
gastrula

3. Hensen's node後退と脊索形成

原条前端中央から細胞落ち込みが活発に起こり、移入細胞は側方ばかりでなく前方にも移動して脊索を作る。相対的には発生が進むにつれ後ろに下がり、これがヘンゼン結節である

哺乳類とほとんど変わらない
哺乳類 (mammal)
基本的には鳥類と同じ

神経胚 (neurula)


体の分節性生じる - dorsal側に強く、ventral側に行くにしたがって弱くなる
体節 segment, metamere
動物の前後軸に沿って体が多数の部分に区分され、各部分が極めて良く似た器官(系)を備え、外観からは体壁によって区分が見られる部分

1. 中胚葉性体節 true or mesodermal segment
2. 体表だけの体節 superficial segment

神経組織誘導 neural induction

誘導に関する一番始めの知見は神経組織において知られた gastrula

神経中葉胚: 神経管 neural tube → 脳 brain, 脊髄 spine

両生類初期嚢胚を取り囲んでいる卵の黄膜(jelly含)を除去し胚を裸にし、1/16 M NaCl中に浸す
→ 原口から陥入するはずのendoderm ,mesodermが外側に飛び出した裏返し胚exogastrulaになる
c, ectoderm: 表皮になるべき細胞 – 神経組織なく一部神経組織になるはずだった

これから分かること → 予定表皮になるのは、ただ入って行くのみ出なく、伸びる性質をもともと持つ

脊索中胚葉がないと神経管になる外胚葉が神経管にならず、単なる外胚葉にとどまる

発生運命 (developmental fate)


1918 シュペーマンSpemann: イモリ(クシイモリ、スジイモリ)

全能性 – 受精卵
多様性 – 発生運命(細胞が一定のモノを形成するよう決められる)決定
単能性 – 新しい個体
発生運命の決定時期
a) 初期嚢胚 – 原口が出来始まったころ

予定神経域 → 表皮域に移植 → 表皮になる vs 予定表皮域 → 神経域に移植 → 神経になる
⇒ 発生運命はまだ決定していない

b) 後期嚢胚(神経胚まで) – 原口のほぼ完成したころ

予定神経域 → 表皮域に移植 → 神経になる vs 予定表皮域 → 神経域に移植 → 表皮になる
⇒ 発生運命は既に決定していた(二次胚の形成)

表皮や神経の発生運命は嚢胚中期頃に決定する

1920-30 Spermann (数年前fate map完成)

形成体(オルガナイザー)発見: hair loop, glass needle, pipette使用
fate 原口上唇部(原口背唇部) dorsal lip: 自身は脊索になり、接触した外胚葉を神経管に分化させる働きを持つ
形成体: 胚の他の部分に先駆けて一定の構造をしたものを発生させる
原口 blastopore: 初期嚢胚でも運命通りに分化する。移された場所で陥入し脊索中胚葉となる(1924)
⇒ 組織の働きかけ = 相互作用tissue interaction fate

誘導説
個体構造が一定形に誘導するもの(形成体)と誘導されるものの関係で大から小までの構造が形成される
二次胚: notochord, somite, neural tube – graft origin ↔ the others – host origin ⇐ graftにより誘導(induction)
脊椎動物では不変的現象: 組織と組織が影響し分化 = tissue interaction

fate
fate
a, b, c: 同じ組織 → 時間が経つと誘導能力に変化

Ex. 脊椎動物の眼形成 – 一連の誘導
  1. 原口上唇部が陥入して脊索となる
  2. 脊索は外胚葉を誘導して神経管、脳に分化させる
  3. 脳の一部は中胚葉の誘導によって眼胚となる。眼胚は自律分化によって眼杯となる
  4. 眼杯は外胚葉(表皮予定域)を誘導してレンズに分化させる
  5. レンズは更に外胚葉に働きかけて角膜を誘導する

一次形成体 → 原口上唇部 / 二次形成体 → 眼杯 / 三次形成体 → レンズ

ホックス遺伝子 hox genes: 胚形成期に主な体の部分が決まる時に働く

後生動物に広く分布
染色体上でクラスター構造を作り特異的なDNA結合領域を持つタンパク質をコード

誘導特性解析 analysis for nature of induction

技術 technical
1930年代始-
神経組織誘導誘引物質を探す試みはイモリ初期嚢胚から切り出された予定外胚葉片で活性テストされる組織をサンドウィッチにするか、同外植片をテストされる物質を含む生理塩類溶液中で培養する方法で行なわれた。この種の試みから神経組織誘導作用は同種幼生、成体の組織のみなならず、熱、アルコール等で処理された腔腸動物から哺乳類に渡る広範な動物組織に認められた。さらに、予定外胚葉をステロイド、メチレンブルー、極端なpH(5.0 < or > 9.2)に短時間晒すだけでも有効であることがわかった
異常誘導 abnormal induction
1950-60: イモリ神経組織誘導する物質を哺乳類から取り出し、同定する試み
[結果] 予定外胚葉を
1) 頭部神経組織に誘導する(ラット、モルモット肝臓から)
2) 中、内頭部神経組織を誘導する(マウス、モルモットの骨髄、ニワトリ胚から)
3) 胴、尾部の神経および中胚葉組織を誘導する(ラット、モルモットの腎から)

---- 等の作用を持つタンパク質性分画が取り出された。そして、これらの異なる誘導源の頭尾、背腹にわたる分布勾配により誘導される組織の特性を説明するモデルが提唱された。しかし、その機構は未詳で証拠もない

Burth夫妻の誘導問題への新しい見方 = ionic regulation of neural induction

カエル嚢胚から切り出された予定ectoderm組織
培養塩類溶液中でNaClが一定量あれば神経や鱗細胞が、より少ない量では筋肉や間充織細胞が発生する。同予定ectodermを異なった時期にNaCl処理すると分化細胞型は神経や組織細胞から脊索にいたる
仮説: 細胞内での結合型と遊離型の無機イオンの比率が分化方向を決定する

1964 Spearman: Xenopus laevis

未受精卵に紫外線をあてるかあるいはhair loopにより核を除去する一方、epidermの核を抜き取り合成する
→ 正常発生, or → 異常発生, or → 発生しない
fertilized eggのoocyteの核除去 → 赤血球核を入れる(赤血球ではDNAを合成していない) → DNA合成
feritilzed eggの除核細胞でようやくrRNA合成能の表れたgastrulaの核を入れてやる → rRNAは合成されない → cytoplasmが制御

モザイク卵と調節卵
調節卵: 発生途中で卵の一部が欠失して残された部分から完全な個体再生

発生が相当進んでから発生運命が決定される卵
Ex. 哺乳類、カエル,イモリ、ウニ、ナメクジウオ

モザイク卵: 発生途中で卵の一部が失われると、体の一部を失った不完全な個体ができる

発生運命が発生の極初期に決定される卵
Ex. クシクラゲ、ホヤ、カイチュウ

細胞上の形態形成 (morphogenesis on cell)


1. 細胞形cell shape

個体発生に伴ない変化 (cf. 粘菌)
i) 細胞伸長cell elongation: 個々の細胞は均一に伸びる
ii) elongation of cell sheet - underlying

i), ii) 現実に合わない

iii) regional differentiation of cell elongation: 個々の細胞の伸びは均一ではない
Exp.
Isolated ectoderm (pr. n. plate) → individual cell elongation
Isolated pr. n. Plate + notochord → cell sheet elongation

2. 細胞移動 cell movement
a) ウニ嚢胚における第1, 2間充織細胞

primary mesenchyme → bone

b) ニワトリ原条からこぼれ落ちる中層細胞mesoblast
c) neural crest cell
d) primodial germ cell
e) リンパ球前駆細胞

特定の場所にたまる – 運動を停止し定住、あるいは認識しながらの運動

3. 細胞移動様式
i) アメーバ運動amoeboid movements

細胞自身が積極的に動くのではない受動的なもの
[細胞質 ゲル ↔ ゲル] = 細胞中の原形質が動くため Ex. 白血球や食細胞 – 血流に乗って動く

ii) 滑り込み運動 – fibrobastsの動きはこれ

細胞が動いている方向にruffleができる(波打ち膜ruffled membrane)
ruffleのできるところにM.F.ができ、反対側にM.T.ができる = 動きたい方向に新たにruffleを作る
動く要因:
a) 接触阻止contact inhibition

細胞だけでなく、何か物質に触れると壊れる - 細胞増殖阻止の機能を持っていると考えられる

b) 接触指導 contact guidance

        →→→→→             基質にある配向によって並び方が決まる
(基質: 細胞表面あるいは生産物の作っている分子の並び方)

Ex. 神経管細胞 neural crest

Neural tubleができるとき、その中からこぼれおちる細胞 – contact guidanceが起こる
Ventral crest: dorsal → ventral (= 真皮細胞のcontact guidance)へ動く
移動方向決めるのも= epidermis裏の真皮にある細胞 Ex. シマウマの縞

細胞形 cell shape

両生類の予定外胚葉のepiboly → 細胞分裂による細胞数増加は関与しない
個々の細胞が扁平になる
胞胚末期までより下層に位置していた細胞がいくらか割りこむ

a) 陥入する両生類の原口にフラスコ形細胞
b) 鳥類の原条から落ち込む細胞にも形の変化

[a, bの違い]
1) 陥入する細胞が相互に緊密につらなりシートとして中に入り込む
2) フラスコ状細胞が他の細胞との接着性を失い個々が落ち込む

カエル原口のフラスコ細胞は、胚内側に面した側では偽足pseudo-podiumを出し周囲の細胞と緩く接着しているが、表側自由面では細胞膜が指状突起を出し合って陥入し、細胞どうしが電子密度の高い物質を介し強く結合している
フラスコ形細胞出現は、上皮性細胞シートが変化する際に普通に起こる。これに伴なう微細構造変化は、神経管形成で最も良く調べられている

神経化する細胞は、縦に長くなり、さらに窪みが生ずる部分では必ず細胞が円錐形になる

1967 Baker & Schroeder: 伸長が起こった細胞

a) 細胞長軸に沿って直径180-250 Åのmicrotubleが150万本並ぶ
b) フラスコ形細胞では細胞の自由面の細胞膜直下に配向した直径50-70 Åのmicrofilamentが環状に配列。これが細胞自由面を収縮させ直径を減じるよう作用し細部を円錐形に変えると結論
これに反し、表皮になる扁平化した細胞ではmicrotubleがランダムに配列。この代わりに100 Åの太さのフィラメントが細胞を横切って走り、隣接する細胞との接着構造である接着斑desmosome同士をつなげるフィラメントと呼ぶ構造をとる
Cf. 円錐形細胞の首部分収縮はmicro-filament形成を阻害するサイトカラシンBにより特異的に阻害される。細胞伸長はmicrotubleの形成を阻害するコルヒチンやビンブラスチにより阻害される。これらの阻害は可逆的

選別と選択的親和性 sorting out and selective affinity
細胞の型: 分化により決まる = 選択的親和性selective affinity

同じ型の細胞が癒合する → 器官形成: 一定の位置関係で配列

1) 細胞間接着 intercellular "legand" + cell surface receptor

cell adhesion → dissociate → reagrregate (at random) → soring out
天然マーカーを利用 = 色の異なる複数の色素
plasma membrane + detergent (中性洗剤)

"legend" + receptor ×aggregation
"legend" + receptor + dissociated cells → ×aggregation

細胞の持つ受容体receptorがあるとaggregation阻害: 組織特異要因存在 = inductor作用 (in vitro)

2) 差次粘着 differential adhesiveness

粒子をコロイド状と考え、細胞同士がつく(つかない)を検討する
粘着力(W)大 → 細胞内でより内側にくると予測: Waa, Wab, Wbbの組み合わせ
Wab ≥ (Waa + Wbb)/2 → 2細胞は混ざり合う
WbbWabWaa → 中央に粘着力の強い細胞(この場合A)がくる
Wab < Wbb < Waa → 2つに分かれる
接着力: 同じ組織でも齢により変化する

Ex. ニワトリ脳細胞膜 8.9 d > 10 d (粘着性著しく低下)

3) 選別cell-to-cell contact and sorting out

分化した細胞の選択的親和性 selective affinity
1930'-40’ Hottfeter

amphibian: neural-tailbud → pH 9.6-9.8 → dissociate pH 7.3 → 再凝集 re-aggregate → 選別
a) 同じ胚葉の小片は融合する
b) ectodermとmesoderm, endodermとmesodermの組み合わせではmesodermが内側に位置する
c) 外、中、内胚葉の組み合わせでは外からこの順で配列する
d) 外と内の組み合わせでは別個の集合体を作る
⇒ 各胚葉の間に組織の”親和性”があると結論

Townes & Holtfeter: この現象が個々の細胞の性質に基づくことを示す
嚢胚期に出現する、この組織に特異的な選別現象はMosconaらにより5-12日齢ニワトリ胚や12-15日齢マウス胎児の多組織・器官で確認
手法: 組織器官をEDTAなどによりCa++, Mg++を除去した実験下でトリプシン処理し細胞を解離した。後に、通常の培養液に移した解離細胞を一定の速度で旋回することによって、細胞の型による運動性の差を無視できる条件で再集合させる ↓ 結果:

a) 解離された細胞は必ず無差別な接着(再集合)、選別という経過をたどって組織器官を再構成するばかりでなく、組織や細胞に特有の酵素活性をも示すようになる
b) この過程で細胞型cytotypeの転換はない
c) 異なる型の細胞の再構成体内での相互の位置関係は組み合わせによって一定している
d) 機能上同一型に属すし細胞は種が違っても選別対象にならない
e) 胚発生段階進行につれ、再構成される組織が不完全になる傾向

1907 Wilson HV

機械的解離mechanical dissociateしたカイメンの細胞 – 海水中で滅多切り
→ ガーゼで濾し集める = 細胞レベルのものだけが濾過される
→ 海水におくと、それらが再集合体形成
→ 数日後には立派な個体を再構成する
ただし、当時は生物としての下等性を示すものとしか受け取られなかった

1950-60 Wilson実験の再確認

CMF-SW (カイメン) → dissociate → normal SW → reagrregate
Microciona prolifera 赤色カイメン / Haliclona oculata 緑色カイメン

選別に対する考え方
1. 細胞間物質重視(Moscona 1953-)。細胞タイプそれぞれ特異的細胞間物質が細胞相互接着の橋渡しの役目を果たす

(難点) 集合体内で細胞が特定配置positioningをとることは説明困難
特定タイプの細胞接着を促進する作用を持つとされる特質も、他の細胞タイプの細胞に働きかけて接着性を低下または変化させる機能を持つとすると特異的な機構を考えなくてもよい

2. 細胞差次粘着性に基づく考え方(Steinberg 1973)。接着性について細胞間に質的差異はなく、細胞タイプにより接着性の強さに相違がある

(難点) 接着性の本質は何かという裏付けを欠く - 結局、細胞選別機構については不明の点が多い

神経系の初期発生 (early development of nervous system)


神経胚(神経芽細胞)neuroblast → nerve cells
1) 神経管 – brain, cord, motor neuron
2) neural crest(神経細胞のなり損ない) – sensory nerve
3) 臭覚器 cramial placodes

中枢神経系 central nerve system

染色体が表れ細胞分裂が起こるのは髄腔側
実際は核が動いている → 細胞が周期に従って接着性に変化
初期はエレベータ運動をしながら増殖分化していく細胞(matrix cells)
matrix cells

→ neuron
→ グリア(神経細胞への栄養供給)
→ 外套細胞 ependymal cells々の細胞は均一に伸びる

このようにして完成した脳の灰白質、白質ができる
脳の形の変化にも細胞増殖の影響がある
neural crest cells (migratory cells)
移動ルート

1) 神経管と体節の間を腹方に移動し、体節レベルで更に2つに分かれる
2) 背方を左右に広がって移動し、後に色素細胞に分化

起源

a) nerve cells: cranial sensory nerve, dorsal root ganglion (Schwann cell), adrenal glandの親クロム細胞
b) pigment cells
c) mesenchymal cells, connective tissues, visceral skeltonのcatilage, skullの一部

neural crestの追跡cell marking
a) 3H-thymidine: 分裂細胞により取り込まれDNAがラベルされる - 2回の分裂で1/4に減る

ラベルされたものを移植し、どの細胞型がラベルされているのかを調べる

b) ウズラとヒヨコのキメラquail-chick chimera

ウズラの核nucleolus → Feulgen-positive = クロマチンが染色される
染色されたウズラ細胞をヒヨコに移植することにより細胞分化を追跡観察できる

ウズラ: somite → gut asympath ganglion
ヒヨコ: 1-6に位置 → 副交感神経gut asympath ganglion

28 somite stage
Q18-24 tissue → [transplant] → C S1-6 = Q cellはC gut mesenchymeにある

Acetylcolinesterase分泌細胞になる

Q1-6 tissue → C S18-24 = Q cellはC adrenal medulla (chromatin cells)になる

軸索成長 growth of axon
成長円錐growth cone: 神経細胞よりの突起先端
神経成長因子NGF (nerve growth factors): マウスガン細胞から発見された
網膜視蓋 retino-tectal relationship
optiv vesicleの前後をひっくり返す → 肢芽limb budで同じような実験をする → またanimal p. axisができ、次にd. v. Axisができる

St. 28: nerve cellsのDNA合成がほとんど済む時期
物質勾配の座標中で対応するもの同士が並んでいる
1) 走化性 chemotaxis, 2) 行動 behavior

器官形成における組織間相互作用 (tissue interactions in organ formation)


上皮-間充織相互作用 epithelio-mesenchymal interactions

上皮 epitelium-間充織 mesenchyme = epithelio-mesenchymal
上皮 (endoderm, mesoderm) ↔ 間充織 (endoderm, mesoderm)
⇒ 消化管では、内胚葉性上皮に間充織が関連して(相互作用)各器官ができる
膵臓 pancreas: 上皮 = 原腸 endoderm / 間充織 = mesoderm

mouth ░░░░░░░████░░░░░░ anus
___________liver pancreas

1) 器官培養organ culture: 器官またはその原器を丸ごと取り出し観察する、器官形成を知るのに適した手法

全分化 cell differentiation↑, 全増殖 cell proliferation↓

2) 組織培養tissue culture: 細胞増殖を保証する場合に使う

全分化↓, 全増殖↑

1)/2) = in vivo (tissue or organ): in vivoで増殖しないものをin vitroで増殖させる条件 = 活性変化等

tissue organ in vivo → そのまま → (1) organ culture
________________→ トリプシン処理 → (2) tissue culture
分化した成体の細胞は殆ど細胞分裂しない ⇔ 未分化細胞はまだ分化するため細胞分裂する
= differentiationとproliferationは両立しない?
どちらの方法をとるかは細胞の様子を知る決め手となる

器官培養 organ culture

膵臓原器 pancreas rudiment

epithelium + mes → differentiation
epithelium → ? (発生段階によるstage-dependent, ある時期になるとepitheliumだけでも自立分化能獲得)
mes → ?
endo, epithelium: 未分化 → [mesenchyma影響] → 自立分化能

organ
図. ニワトリ移植実験: フィルターfilter → 細胞通さないが高分子通す(transfilter method)
Exp.: transfilter culture

tissuen
→ 物理的に両者が接触している必要はない
mesは直接epitheliumに接しなくとも何か因子を出している

  • 上皮 (間充織): Organ
  • Endo (Meso): Pancreas, lung, liver, digestive tract., thynus
  • Meso (Meso): Meso-and metanephros, 腎, 生殖器官reproductive tract., heart, spleeh
  • Ecto (Meso): Skin, salivary gland, mammary gland, limb
  • Endo (Ecto): Parathyroid, etc.
  • Ecto (Ecto): Teeth
Exp. 膵臓panceasから取り上げられたものは

形態的分化morphogenesis: 形が分かるhisotological(定量測定は困難。経験的な勘に頼る部分多い)
細胞分化 cyto-differentiation: 定量的(酵素)

tissuen

課題:
  1. factor on mesenchyme: 低分子タンパク質(インシュリンに似る)? → mesodermに働く
  2. epithelial reactivity: sensitivityの変化
I) undifferentiated state (mesenchymeに全く依存) →
II) protodifferentiated state (mesenchymeがあればよい

Epithだけではある程度以上発生しない) →

III) fully differentiated state (ほっとけば分化する)

tissuen I: mesenchymeの働きに応じる
II: 分化方向はほぼ決まっているがmesenchymeのその分化方向を保障する働きを増幅amplificationしている Ex. 肺等を作るmesenchymeを与えるとpancreasにならず肺になる
III: 自律分化

教示的 vs 許容的誘導

= instructive vs permissive induction (epithelio-mesenchymal interaction)
唾腺 salivary gland, 気管trachea
→ 特異な specific mesenchyme を要求 → mesenchyme = 教示的

Cp. 胃上皮は齢により大腸か胃に分化 → mesenchyme = 許容的
部域によって教示的・許容的、自律分化の時期が異なる

mesenchymeの働き

instructive: mesenchymeによってなされる
permissive: 単なる増幅amplification
epitheliumが非分化でなけば誘導される
分化しなかったからといって、undifferentiatedとは必ずしも言えない
これを調べるにはepitheliumをmesenchymeから分離しin vitro培養を行ない分化を観察する
endoderm derivatives(派生物) → 消化管digestive tract
a) 場所(レベル)により自立分化能の確立期異なる

Ex. 食道、胃は早い時期

b) 分化方向の変更が可能な時期がある protodifferentiation phase I

実験: ウズラとニワトリ細胞のキメラ - 細胞分化 cytodifferentiation

形態的 morphological: Ex. 胃、腸の上皮観察
機能的 biochemical: Ex. 酵素、ホルモン - 分化するものが違う
形態的分化より以前に生化学的分化が起こる ↔ 生化学的に分化していれば形態的に異なる"表と裏"
しかし、はっきりしない場合がある

実験: マウスの乳腺 mammary gland

ectoderm (epithelium)
mesoderm (mesenchyme)
乳腺のmesodermでなくてはectodermができない


    epith     mesenchyme      differenti-     inplant    懐胎期間
                              ation                      gestation
    Mammary + Mammary      → mammary      → in vivo → lactose
    gland     gland           gland                      合成分泌
    mammary + 顎下腺       → submaxillary → in vivo → lactose
    gland     submaxillary    gland                      合成分泌
              gland                                      (見かけは顎下腺)

形態的: submaxillary gland instructiveになっていた
機能的: mammary gland permissiveに働いた (結局permissiveに働いた)
最初のmammary glandは既にmammary glandへの分化ステップに入っていた (一見undifferentiativeであるが既にdifferentiativeであった)

脊椎動物における肢(羽)形成 (formation of limb (or wing) on vertebrate)


中胚葉派生物 mesoderm derivatives

notochord = 神経管の誘導 – 体軸

mesoderm
mesoderm

腎臓系 renal system
nephrotomeからできる: 個体発生と系統発生の関係が伺える

mesoderm
前腎 pranephros → 中腎 mesophros: 両生類成体でも残る → 後腎 metaphros: 爬虫類の羊膜類
1が退化して2が形成され、2が退化して3が形成される ⇒ 個体発生は系統発生を繰り返す

パターン形成 pattern formation

個々の細胞分化レベルの問題とは別問題として考えるべき
A ↔ P, V ↔ Dなどのパターン形成過程 ⇒ 空間的配置問題 spatial orgnization
時間的 chronological organization: ある時期になると形成のためのスイッチが入る – 遺伝子発現
Worpert (England): 位置情報仮説positional information hypothesis

究極的には、ある物質(形態形成物質morphogen)の勾配があると考えた
足についてはmorphogenはproximo-distal
[事実] 細胞分裂をより多く経過したものより先端の形成に酸化
[推定] 置き去りにされたものは、そこに置き去りにされた時の値のまま維持される
positional value (PV): 一般的に細胞認知。シグナルの実態は未詳

1) 肢場と肢域 limb field and limb area

limb

Def. 場 field: 将来その区域に何らかの器官ができる - 中心部を取り除くと、代わりを回りが果たすその部分

神経管neural tube期に、この場を切除すると、その器官が生じない
→ 場を別な場所に移植すると、その場にできる器官を生じる (1910')
= この場には方向性がある
移植時期
neural tube stage → normal
tail bud stage → abnormal (180°回転した肢)

Def. 区域 area: 具体的に器官形成に参加する域 – 場は直接参加はしない

"area"を初期(neural – tail bud位)に切除 → 場によって補われるsubstituted by "field"

1910 Harrison: Salamander tail bud
2) 肢芽 limb bud – 極性存在 polarity

A-P / D-V, somatic layer mesoderm, epidermis epithelium

3) 中胚葉-外胚葉相互作用 mesodermal-ectodermal interaction

fore limb mesoderm + hind limb ectoderm

→ 前肢 fore limb (Cf. flapper: 海獣の鰭状前肢)

hind limb mesoderm + fore limb ectoderm

→ 後肢 hind limb ⇒ mesodermが主導権

指が正常よりも多くできる突然変異体
mutant mesoderm + normal ectoderm → mutant limb
normal mesoderm + mutant mesoderm → normal limb

⇒ 突然変異はmesodermで何らかの異常

中胚葉が発生の主導権を握っているように見えるが、そう単純ではない
orthotopic: そのままの状態で移植
heterotopic: 本来の場所ではないところ(向き、場所等)に移植
field > area ⇒ 場は本来器官形成に直接関与しないが、器官形成のpotencyは持つ

眼・鼻・心臓等は同様の場と域を持つ

外胚葉性頂提 apical ectodermal ridge (AER)
limb basal lamina: 糖タンパク質膜
AER: 厚い。Basal laminaが途切れている
____⇒ mesoderm-ectoderm interaction
limb
Wound healing (1 day)____________Early blastema (18 days)
____________Deddiferentiation (4-5 days)___________Cone stage (3-4 weeks)

図 米国産イモリ

early limb bud → AER除去 → ×limb bud growth, ×distal structure
AER除去(AERが働く部分)
limb → 腕先できない limb → 手できない limb → 指先できない AERはlimb budの成長を促進する [AER ← interaction → mesoderm]
前足と後足のAERを交換しても支障はない
AERは直ぐ下のmitosisを促進する – ある範囲でしか促進作用がない Ex. ニワトリ = 350 μm
AERは逆にmesodermからも影響を受けている
limb雲母板 – AERの高さが低くなり成長する
足形成以外の部分のmesodermに乗せても背長しない → このAERは足を作るmesodermに依存している

AEMF (apical ectoderm maintenance factor): 機能的なもの

以上のようにmesodermがAERに働く機能を”AEMF”と呼ぶ limb budの細胞分裂増加を促進するAERだけではmutant(指が多い)が形成される。正常発生では、細胞移動などという条件も必要

細胞移動: mitoticrate, cell mobility
細胞が動き易いほどコンパクトな器官は形成されない

結論: AER = 有糸分裂mitosis促進、細胞移動性cell mobility↑, 細胞接着性cell adhesiveness↓

細胞死 cell death
起こる時期が決まっている = "death clock"
軟骨ができるためには: mobility↓, 接着性↑
一度共通なものができ、その間が死亡する
"death clock": 細胞死は65-95時間と決まっている – 移植実験により分かる

65時間後なら体のどこに移植しても細胞死が起こる

具体的なものとしての細胞死 – autophagocytosis (lysosome発達し自分の内容物を分解する)
体軸方向 (anteroposterior)
axis
zone of polarizing axis (ZPA)
移植によって勾配gradientが変わる
イモリ・サンショウウオ (1910-20)

再生 (regeneration)


生理再生: 物質交代で新しいものと古いものが入れ替わる – 爪、髪、皮膚等
修理再生: 体の一部を失ったとき、失った部分を再び作り上げる

一般には下等な生物ほど、同種では若い個体ほど、再生力高い
Ex. プラナリア・ヒトデ: 全身を一部から形成
Ex. イモリ: 手足再生可能
Ex. 哺乳類: 傷口治癒

再生の極性: 体軸の方向に従って再生が起こる性質
代償性発達: 失われた器官の働きを残りの器官や他の器官を発達させることにより、働きをカバーする機能のこと。甲状腺、副腎、腎臓などの一部を切除すると、残りの器官が肥大して作用も活発となり、ホルモンの分泌、尿の生成などが盛んになって恒常性を維持することができる

両生類の肢再生 (limb regeneration in urodelan amphibians)

有尾類: 成体でも再生可能
無尾類: 成体になると再生能力が落ちる
ampulation (cut) → 傷口治癒 wound healing → 脱分化 dedifferentiation
axis 傷口から組織に向かってmessenchymeというできやすい状態の細胞となる
bone (cartilage), muscle, blood vessel, nerve, messenchyme (connecitve tissue)
逆方向backwarに脱分化が進んでいる
筋肉: 横紋筋消える – アクチン・ミオシン消失
骨: コンドロイチン硫酸消失
分裂盛ん = free-ribosome多い = 未分化
→ 再生芽形成blastema formation: 活発な細胞再分化redifferentiation。脱分化した細胞が細胞分裂始める

レンズ再生 regeneration of lens

= Wolffian regeneration – Wolff発見
イモリ類: レンズ再生 → 化生 metaplasia が確認される
lens

図. C. pyrrhogasterにおける虹彩からの水晶体再生過程

レンズ以外の細胞がレンズ再生: レンズ再生関与はdorsal irisの色素細胞
lensecomy → thicking of dorsal iris → dedifferentiation (depigmentiation) [脱分化] → cell division &→ lens fiber formation [再分化] → redifferentiation [再分化]
limb budの分化と再生の関係]: 再生の際、一度後退し脱分化を起こし分化が始まる

全体としてみれば、分化と再生の進行方向は同じ

可能性
  1. 置換transformation: bone / muscle → blastema → bone/ muscle
  2. replacement by unspecialized cells (未分化細胞が未然に貯蔵される)
  3. modulation (≈ redifferentiation)
結論
a) blastema = local origin: 傷口の持つ情報によってプロキシマルな部分が再生に関与
b) 再生能力: labeled by 3H-thymidine

2n足骨除去 → 3n骨埋め込む(挿入) → 切断 amputation → 再生 → 再生骨 → 再生体
3n = bone, perichondrium, connective tissue. 2n = muscle
同様に足骨の変わりに筋肉を除去し3nの筋肉を埋め込む
3n = bone, connective tissue, muscle: 全て筋肉由来
⇒ 筋肉を完全に除去するのは困難なため、後者の実験は追試成功例がない。置換の有無は未詳だが、関連したものに置換する可能性はある

Thickingの意味
細胞間の接触がlooseになること – 重要
この実験はin vitroで可能になった
[in vitro] ニワトリ 8th embryo → pigmented iris: clonal culture
バラバラにした細胞を薄い濃度でシャーレ上にばら撒く
→ 何世代か分裂するとcrystallinを持った細胞ができる = "lentoid body"
in vivoではdorsal irisに限られたが、in vitroではどこでもよい

レンズを抜き取るときdorsal irisとレンズの間の非常に密接な連絡が物理的に壊されてしまう

Cf. イモリ成体 → 1個の細胞が転がしてlens cellになることが確かめられた
in vitro実験からiris以外でもレンズになりうることが証明された
cyto-differentiation

ゲノム -■■■■■----------------

クリスタリンタンパク質遺伝子: レンズ再生時にここのみ活性化

細胞のタイプごとにdifferential gene expression (細胞質の因子の違いが遺伝子活性の違いを決める?)

下等無脊椎動物の再生 regeneration on lower vertebrates

プラナリアplanaria: "新生細胞neoblast" or formative cell

planaria再生芽 regeneration blastema: 再生時の未分化細胞 – neoblastがここに集中し細胞分裂を行なう

cell division
cytoplasmic basophilia = free ribosomeが非常に多い
neoblastは最初から存在している? 腸間細胞が普通の状態でもmesenchymaに落ちてきてneoblast状の細胞になっているらしい?
Special reserve cell (stock cell)

ヒドラ hydra: "間細胞 interstitial cell"

内胚葉と外胚葉の間にある intorstitial cell – 刺胞cnidoblastの供給をはかる
Exp. intorstitial cellがなくてもhydraは再生できる
Hydra → [tripsin] → ectoderm / endoderm → whole hydra
I-cells → 刺細胞cnidoblast (絶えず行なわれている分化) ⇒ 外胚葉

_ → nerve cell, germ cell____________________ ⇒ 外胚葉
_ ↔ gland cells____________________________⇒ 内胚葉
_ →(?) epithelio-muscular cells_______________ ⇒ 内胚葉

I-cellという特定の再生用細胞を用意してあるから再生力が強いというわけではない

合成 (synthesis)


巨大染色体(多糸染色体、唾液腺染色体) giant chromosome

双翅類等の昆虫類の唾液腺にある染色体を呼んだが、食道、腸、マルピーギ管、神経細胞等にも存在知られ、巨大染色体(多糸染色体)と呼ぶようになった

有糸分裂で見られる染色体の形、大きさと対応している
大形(通常染色体の70-150倍、1024倍まで増加)で、顕微鏡観察可能
多数の横縞 = DNA局在(2600ÅのX線吸収とフォイルゲン反応でわかる)
突然変異体は正常のものと比べて横縞に変化がある

パフ現象 puff

染色体上で他部分と比べ異常に膨らんだ部分
発生時期は組織により異なり、同一組織でも時期によって違う。さらに器官によって一定の場所に一定の順序で起こるものもある。パフはDNAが相同部位で固く密着していた染色体の一部がほぐれて膨らみ細い糸状に見える部分である。黒い縞模様の部分はDNA密度が高い。真正染色質部分は、DNAがややほぐれたところである。パフ現象は、その部分のDNAに活性化が起こっていることを示し、盛んにRNA合成が起こっていると考えられる

DNA活発化 → mRNAを合成している = パフ周辺にmRNA集中している

RNA合成: DNA → RNA → protein

32P → 4-8 months → ovulation/fertilization → egg
oogenesis間に合成されたrRNAは卵分裂の間に作られる
DNA複製は全く別の過程

哺乳類では卵割初期からrRNA合成が行なわれている
→ 卵割時点でのrRNAの貯えがない

RNA合成調節因子 – cytoplasimc factors
Exp. 14C labelling

Blastula dissociated cells → ×
Neulula dissociated cells → synthesize 18S/28S RNA
(Neulula + Blastula) culture → ×
Neurlra in conditioned medium → ×
⇒ inhibitor exists in the cytoplasm of blastula

Exp. Blastulaの細胞を磨り潰し成分分離し同定

熱に安定な低分子 – 遺伝子との結合特異性(転写抑制)が考えられる

Exp. 核移植実験 – 未受精卵に核を入れる

= micro-interjunction

タンパク質合成 protein sysnthesis

oogenesis – [異なるRNAを合成: 直接的遺伝子測定] - tail bud
a) 初期発生過程で細胞分化に関与する特定タンパク質に注目するのは困難

嚢胚-外・中・内胚葉: 機能的に区別される – バラバラにする – 分別sorting out

b) 後期胚、成体における特定のタンパク質を産する器官に着目するのは容易

Hb – eryhrocytes, Fibroin – silk gland, Ig – lymphocytes, etc.

Exp. ウニ・カエル
1) encleated cytoplasm

遠心 → a) 有核__________← タンパク質を測定比較
______ b) 無核 → 単位発生↙
3H-leucineをS.W.中に入れる → タンパク質に取り入れられる
PCA, TCAでタンパク質を沈殿(RNAも沈殿するが条件を変え40°C位にするとRNAは溶けるので外せる)
全胚 whole embryo (egg) - encleated: nucleated = 1:1
encleated egg (parthenegnetic merogene): 量的に小さくはなっているがパターンは同じ = 同じような働き

Actinomycin D (AMD) treatment: gastrulationが起きない(それまでは正常発生)
protein

受精直後のタンパク質合成: AMDに非感受性
Gastrulation: AMDに感受性あり
転写transcription必要 – morphogenesisには新しい遺伝子必要

2) maternal mRNA
ウニ: infertilized egg – templateとなり得るのは数%

unfertilized egg: no protein synthesis / fertilized egg: protein syntesis
unffertilized cytosol + fly m-RNA (polyU) → protein sysnthesis
E. coli cell-free system + sea urchin unfertilzed RNA → no protein synthesis
⇒ transitionのための装置は揃っている。mRNAも存在 = mRNA masked by some proteins
受精によってマスクが外れる
[masked mRNA] = maternal mRNA (未詳)
unferilized egg: preformed proteins/mRNA – 受精により活発化される

ウニ: fertilized egg

AMD treatment → 胞胚 / No treatment → 胞胚
⇒ 生産されたタンパク質を比較 = 様々な時期に取り出してmRNaseに対する活性を見る
発生進行に影響はないが新たなtranscriptionが起きていることが分かる
"preformed" mRNA + newly transcripted mRNA
post-ribosomal fractionに含まれるRNA → hisoneに対するもの = preformedなものとしてmRNAに存在

(Cf. newlyなものにもhistoneに対するものがある = 二重保障)

ヒストン histone: 分離し易い。同定可能。塩基性

扱い易いので偶々使っていたらmRNAが引っかかった。他のタンパク質は調べられていない

"Maternal mRNA"として、これまでに同定されたもの

histones, microtubles, ribonucleotide reductase = 細胞分化というよりはhouse-keeping的なもの
孵化酵素 hatching enzyme (ウニ)
chorion: 発生が進むにつれて硬くなる

protein
魚・カエル________ウニ: 回転することによって胚を攪拌
孵化 incubationの2, 3日前に胚を裸にし胚をぎっしり詰めこむ = 高濃度の酵素が得られる
protein

→ meternalである証拠 (溶けて平べったくなる)

ウニ: 酵素 – 孵化1, 2時間前

細胞顆粒内に活性 → 可溶性部分に移行
HE → 性質の違い = 1) Mg++-sensitivityの差。2) 同種異種の細胞膜
A(♀) × A(♂) →Aの受精膜のみ溶かす
B(♀) × B(♂) → AX, BX, CX
C(♀) × C (♂) → AX, BX, CO
A(♀) × B(♂) → AO, BX
B(♀) × A(♂) → AX, BO
⇒ paternalなgenomeの影響は受けていない

カエル frog: paternal effectが出る

孵化するのはtail budだから / 雑種の分泌顆粒: EM的に見てもpaternal effectは見られる
⇒ ウニの孵化酵素はカエル、魚類のものと機能的functionalには相似だが発生的には異種

3) メキシコサンショウウオ (Briggs & Justus 1968)

"O"突然変異 "O" mutant on Axolotl - Ova deficient
Gastrula-arrestで発生がを止まる変異 – 劣性
"oogenesis processで作られGVに蓄えられる物質" → gastruaになってから発生に重要
⇒ ある種の酸性タンパク質 = "preformed protein"
"mid-, late blastulaから機能して核のgenomeを不活性化する"
mRNAとして長期保存される – 真核生物の特性 ↔ 原核生物では非常に短い期間しか保存されない

Exp. E. coli cell-free system – deprotenized RNA (total)

ウニ: unfertilized egg, x% (usually 2-3%) template
= 分子量3万のタンパク質が1000-2000個以上であり膨大な量といえる

遺伝子活性化の調節


performed maternal mRNA – translotionでの調節

↔ post-transcriptionalな調節が細胞分化には一般的? – 断定できない
[method] injection – 直接に卵のtranslation能力を観察する
[recipient] Xenopus, oocytes (full grown) φ 1.2 mm

ホルモンによって排卵される寸前のもの。1ヶ月位培養可能

GV中に直接injectionする - trace m-RNA, nucleus, DNA
1) mRNA injection: 発生の進んだ卵にmRNAをinjection

その後oocyte – 上方が与えられれば無差別に利用
Hb extracted from mouse, rat, duck – mRNA reticulocyte: α-, β, α+ β-, etc.
Injection to the full-grown oocyte of 4th-day todpole fertilized egg
与えられたメッセージに対して、その産物を発生を正常に行ないつつ作る – 効率は1/3位

rat oocyte β-chain = 30 molecules/min – 本来110 at 19°C (oocyteの培養湿度に合わせた)

mouseではα:β = 8:10 (細胞内でのregulation) → oocyteではα:β = 2:10 ⇒ + hemine: 8:10に近くなる
胚自身のHb (3日目位から作られる)を作りつつ、他のHbを作る
メッセージを分解しないで安定に保つ機構を真核生物の発生途中の胚は持っている

2) injection of nucleus to Xenopus oocystes (GV)

Hela cells → 5 oocytes (assayに十分) + 14C-AA
→ incubation at 23°C for 6 hr → AA* (23°Cはもっともoocyteの活性が保たれる)
ある物質(大部分)はsuppressedされる = "turn-off"
後に一部(特定のもの)がactivateされる = "turn-on"

3) injection of DNA - DNA側の問題(signal, promoter, etc.)を調べる

意味のある塩基配列はどの位か
"initiation of transcription"
"gene amplification" – not universal
[regulation of gene activity] - Each cell includes a constant DNA

免疫反応と免疫システム (immunological response and immune system)


生体防御 bioloical defenseの1種
1) 物理的・化学的 physical and chemical Ex. 皮膚 2) 細胞的・生物的 cellular (or biological) – non specific

食作用 phagocytosis: 原核生物では栄養摂取に用いられる
少なくともヒドラ以上(= 細胞外消化レベルを離れる)になると食作用は外敵防御の役割がある
⇔ 同一種を食作用しない = 種レベルの認識機構存在

3) 獲得免疫aquired immunity (s.s., 一般の定義)

体内に抗体antibody形成され、その抗原antigenの体内侵入時に、速やかに抗原抗体反応起こり、抗原より作り出される病的症状が消失あるいは減少できる状態
[抗体の特徴characteristics of Ab]

a) "Specific" – antibody (Ig, or Ab = immunogloblin) vs antigen (Ag) ⇒ enzyme-substance relationship
b) immunological memory

高等生物: 106以上の種類のAbを作りうる → いかなる抗体を生産するか
→ Lymphocytes (including plasma cells)

先天免疫と後天免疫

a) 先天免疫: 生まれた時から、その生物が持つ免疫 – 種が進化過程で獲得した Ex. 血液型
b) 後天免疫: 生まれてから抗原との接触により作られる免疫

自動免疫(能動免疫): 自己体内に抗体を作る

病後免疫: 病気等により抗体を作る
人工自動免疫(ワクチン・予防接種): 抗原を処理し毒性を弱め体内接種することで抗体を作らせる。抗体形成まで時間がかかるが(遅効性)、抗体ができると長持ちする。Ex. 細菌性= BCG、腸チフス、パラチフス、コレラ、百日咳。ウイルス性 = 小児麻痺、天然痘、日本脳炎

他動免疫(受動免疫): 他の生物の抗体をもらう

血清療法: 他の動物に抗体を作らせ、抗体のできた血清を接種することにより一時的に免疫を得る。速効性だが、長持ちはしない。Ex. ジフテリア、蛇毒、破傷風、ワイル病
→ 血清病: 他の動物の血清に対する抗体が形成されるために、その血清の2度以上の接種の際に抗原抗体反応が見られ、場合により発熱、発心、痙攣、ショック死などを引き起こす

アレルギー
生体に異常な反応を起こす抗原抗体反応
アレルギー症のときに血液中のヒスタミン増加が観察されること、抗ヒスタミン剤により症状が抑えられることから、抗原抗体反応の結果生じたヒスタミンが種々の異常現象を引き起こす原因と考えられる

Ex. ツベルクリン反応(ツ反): アレルギー反応利用 → ヒト型結核菌を加熱滅菌し、濃縮菌体を濾過し2000倍に希釈して人体に0.1 cc接種し48時間後測定する

抗原抗体反応

抗原が体内(体液)に入ると対応する抗体が血漿中に形成される
抗体: γ-グロブリン (γ-globlin) (抗体タンパク質)が変化したもの → 抗原に特異的に反応し(= 抗原抗体反応の特異性)、細菌等の融解、凝集、タンパク質凝固(沈降)、毒素無毒化、血球凝集等を起こす一連の反応

沈降線の出来方: X, Y = 抗原、x, y = 抗体
1)_X___X____2) X____Y____ 3) X___XY___4) X____Y
__immune
_____x___________x____________x__________xy
抗原 antigen*
___↓ 1回目 – 抗原による病的症状を起こしやすい
抗体形成**
┗━━> 2回目以降 – 抗原抗体反応起こり病的症状は殆ど起こらない

*: 抗体を作らせる物質 - 非自己物質 = 異種タンパク質、多糖類、核酸等
**: 血漿中にγ-グロブリンとして存在。抗原と速やかに反応し害のない形にする = 免疫形成

抗体産出
生成の場: リンパ系の組織(脾臓、リンパなど)に集まっている

抗体産出細胞(プラズマ細胞)により行われる ⇐ プラズマ細胞: 白血球の一種(骨髄 → 胸腺細胞)

生成の仕組み: 抗体が形成されるとき他のいくつかの細胞が関係する

B細胞: 骨髄由来。抗体産出細胞に分化する
T細胞: 胸腺由来。直接抗体を作らないがB細胞の調節に働く(ある場合は分化を補助、ある場合には抑制)
マクロファージ: 抗原を処理し適当な抗原情報をB細胞やT細胞に提供。B細胞やT細胞に養分を与え分化や活性化に重要
抗原認識細胞
抗原記憶細胞

液性免疫反応(応答)humoral immune response

分類 classification:

1) humoral
2) cellular, or cell-mediated

immune 1) 1° and 2° responses

抗体価測定方法: 血清反応がみられる低濃度限界を計る

Ex. 倍々希釈 2-1, 2-2, 2-3, 2-4, etc. 10倍希釈

a) 凝集 agglutination
b) 沈降 prepicitation: 抗原が血液の場合にはa)ではなくb)を用いる(本質的には同じ)
基本的にAbは2ヶ所Agと結合部がある

"抗原性"の条件
1. macromolecule (minimum = mw 10000)
2. 非自己タンパク質 non-self = foreing of the living thing
3. 抗原決定基 antigenic determinant (epitope)

抗原としての認識部位は巨大分子中の一部の特性に基づく
Ex. DNPとTNPの認識区別可能。しかしこの2種が単体のときには1に相当せずAbを作らない。実験では、これら2種をAlbumin等につけて異種に注入しAbを生産させる
一度作られたAbは抗原決定能力を有し、例えin vitroでもその反応性は有している Ex. DNP-TNPの区別
Ex. 1. frog Ig → into mouse → produce anti-frog Ig
Ex. 2. ウニ発生数段階のものをウサギに注射し、各段階のIgを作らせる

→ 他の発生段階のものに接種すると各々の段階における特異的タンパク質が見つかる

抗体タンパク質の構造 structure of antibodies

antibody 可変部: 長鎖と短鎖のそれぞれN末端側アミノ酸配列の違い(約10個) およびその結果である立体構造(エピトーム)によって特異的な抗体となる
不変部: CLは全抗体で同じ。CHはCLと同じ構造が3回繰り返され全抗体で同じ
█ L鎖: mw ≈ 2.3万。214個のアミノ酸 = 不変部約100個 + 可変部約100個
H鎖: mw ≈ 5.3万。可変部約100個
Ig Classes
幹細胞 stem cell

自己に対するクローンcloneもできるが、発生初期に多量の抗原により抗体は消失する
初期リンパ増殖も死滅も盛ん
圧倒的にAg(自己抗原)が多いとAb生産が抑制される事実もある

. ヒト免疫グロブリンの諸性質
クラス                          IgM     IgG     IgA        IgE     IgD
H鎖                               μ         γ        α           ε          ε
L鎖                             κ, λ      ε, λ     κ, λ       κ, λ      κ, λ
分子式                     (L2μ2)5* L2γ2 (L2α2)1-3 L2ε2  L2δ2
分子量(×105)               9        1.5     1.5-4       2      1.8
サブクラス数                 2         4          2          -         -
血清中濃度(mg/ml)  0.5-1.9  8-16  1.4-4.2  <0.07  <0.4
補体結合能                  +         +           -         ?         -
胎盤通過性                  -          +           -         -          -
外分泌液への分泌       -          -           +         -         -
マスト細胞への結合      -          -           -       +**        -    

* B細胞の抗原受容体としてはL2μ2。** アトピー性アレルギーの原因

下等な動物ほど抗体作りにくい – variable regionsの対応性が未形成
両生類: 有尾類 – 陸に出ない / 無尾類 – 陸に出る = IgRAA (like IgG)

有尾類と無尾類の差が大きいことを示す例

effector function of Ab
1) 凝集agglutiantion:

凝集素agglutinin: 特異的抗原(凝集原)を凝集させる → IgG,IgM,IgAに属する
Ig-particles (ex. virus, bacteria, cells) → 可視レベルにまで凝集させる

抗原粒子が光学顕微鏡で充分観察できる大きさのものではないと凝集反応起こらない

凝集素価: 凝集反応を示す最高希釈倍数

2) 沈殿 precipitation
3) [Ag + Ab]-bind complement →

[opsonization: enhanced phagocytosis] → induced hemolysis = Ag

溶血機構
[Ab(赤血球) + Ag(血清)] + C: これを用いてAb-Ag-reactionの強さが計れる

抗体保存: Ibを含まない血清にしておく
spleen cells = plasma cells

オプソニン作用 (opsonization): 食細胞機能を促進すること – 生体防御機構としての重要性

C1, 4, 2, 3まで結合すると促集 cell adhesion
→ phagocytosisが起こる: macrophages (Mφ), polymoyshonucleocytes (PMN)
macrophageとIbとの結合部receptorがある – allostericに変化した結果
⇒ [推論] 結合がsignalになってphagocytosisが始まる

Ex. 1. ヒツジの白血球は5-6のAbしか食べられないが、それ以上のcell adhesionが見られる = opsonizationの利点
Ex. 2. Protozoaの栄養摂取 = phagocytosis
Cp. 無脊椎動物: Igがないがphagocytosisは盛ん。Opsoninは発見されている - Componentの成分の差?

V-regionの機構解明

起源: 個体発生および系統発生
150000 (MW) × 106 spp.ものパターンが考えられる

細胞性免疫 (cell-mediated immunity, cellular immunity)

細胞質免疫 – 遺伝的に違うものを拒絶する
認識系

a. 自己: autogenic, or syngenic
a'. 同一株 strain: autograft – 自己から移植したものの意味
b. 同種内異個体: allogeneic, or allogenic
c. 異種個体(異種以上の差のもの): xenogeneic, or xenogenic

6日: 養子免疫adoptive immunization: リンパ球の移植が鍵

– 免疫反応の証拠 (∵ 細胞移植が抗リンパ性のものを与えると反応する)

Immunity ↔ (体)液性免疫humoral immunity

immunity
受容者-供与者関係 host-donor relationship: 生存時間 survival time

組織適合性 histocompatibility Ab gene(s)
haploidあり。1個の遺伝子を有する 対立遺伝子がcodominately expressed
H-Ag
H-gene(s): major H-gene (強い拒絶) + minor H-gene (弱い拒絶)
Ex. 皮膚の拒絶反応

一次反応: < 10日 = majorの違い
二次反応: 30-100日 = minorの違い
平均生着日数median survival time, MST
MST < 20 days: 急性acute = majorの違い
MST > 20 days: 慢性chronic = majorは同じ、minorの違い

Table 5.2. 脊椎動物の各綱における同種移植皮膚拒絶
動物                          移植片生着日数           飼育温度
                              ------------------------
                              一次         二次        (°C)

円口類     メクラウナギ       72 (41-140)  28 (18-119)  18.5
           ヤツメウナギ       38 (21-291<) 18 (7-252 <) 18-21
軟骨魚類   ネコザメ           41 (27-48)   17 (15-22)   22
硬骨魚類   アロワナ           18 (13-25)    5.1 (3-7)   25
           キンギョ            7.2(6-11)    4.7 (4-6)   25
有尾両生類 イモリ             42.6(35-57)  19.4 (16-25) 20
無尾両生類 アフリカツメガエル 18.9          6.9         23
           ニホンアカガエル   14.0          9.2         20
爬虫類     カミツキガメ       47 (41-76)   25 (20-32)   25
           ガーターヘビ       41 (31-53)   25 (21-29)   25
鳥類       ニワトリ            7           3-4
哺乳類     ハツカネズミ       11            6

Exp. Xenopus: 雌性発生(4-5代繰り返すとhomogenous) Cf. 脊椎動物では20代程度でhomogenous

xenopus: 交叉の結果
AA ↔ AA, BB ↔ BB: choronicな拒絶反応が出てくる = minorの違い
H-2(第17染色体): ● ··· -K-A-B-J-E-C-S-G-D-L-···-TL
HLA(第6染色体): ● ··· GLO-1 ··· D-B-C-A-
H-2(マウス)とHLA(ヒト)の遺伝子地図: LDとSDの位置を比較すると、H-2とHLAは逆位の関係にあることがわかる

Major histocompatibility complex, MHC
H-2: mosue / HLA: human
Birds, mammals: strain毎に違う – 均衡系を使っている
それ以下(-円口動物まで): 野生のものを使用しており変異大
⇒ かなりランダムな進化? 脊椎動物: allograft rejection / 無脊椎動物: in case, reject → メモリーがあるかどうかは未詳
Exp. キクイタボヤ(群体ホヤ) Botryllus sp. – 原索動物

異なったコロニー同士 &rar; "non-fusion" reactionがしばしば起こる - cytolysis
同一コロニー同士 → strain – 無性的に増える(有性生殖もする)
xenopus ─── fusion
- - - - non-fusion

Haploidあり: 共通項が1つでもあるとfusionするが1つもないとnon-fusion
脊椎動物でのcellular immune responseと異なる。二次反応見られない
AB × AB → not ferilized: egg-sperm接合に細胞表面の認識機構がある
Cf. サンゴ: 同種内異系 – non-fusion。二次反応は見られない
特異性、二次反応という2点からすると脊椎動物に特有なもの

Exp. 昆虫insect - 素早い反応 = no memory

針を刺す(機械的な刺激だけで反応)。生理的食塩水を注入しても起こる
- agglutinin, hemolysis, etc.
"lectin"は、ある特定の糖質に対して凝集(特異的)だが、始めから有している(全くの偶然?)

Abの多様化機構 mechanism of Ab diversity
1) 指令説instructive hypothesis vs 選択説 selective hypothesis (Poling 1950'): 抗原はプラズマ細胞に入って鋳型となり、それに対する抗体を作る。どのプラズマ細胞も全抗体を作ることができる

抗体産生細胞 → 抗体のもととなるタンパク質 → Agを鋳型に厳密な立体構造を抗体産生細胞中でとる
現在否定的: 決定的な欠点 = メモリーを説明できない

2) (クローン)選択説: プラズマ細胞は唯一つの抗体のみを産出する。始めからある抗体を作るプラズマ細胞は決まっており、その抗原を選択的に認識し、それに対する抗体の産出が始まる

ダーウィニズムの焼き直し: 抗体の対応性というものはランダムにできる。多種多様な抗体産生細胞のクローンが存在する。抗原が体内に入って来ると、それに見合う抗原を作る抗体産生細胞のクローンが増殖する
クローン: 1つの細胞に由来した細胞群

抗体の多様性: 106 → regionは110のAA

C-regionに関しては極端に言えば1 geneでよい – 思ったより少ない遺伝子で多様性は形成される
選択説が正しいとすれば、純粋単一のIgGを取り出すことは不可能
白血病 = プラズマ細胞異常増殖 → 特定のIgG取り出せる → 構造決定

Ig-mRNA → cDNA → Ig genes = 構造決定

a) V1-Vn: 1遺伝子に1-n = ゲノム(n)あたり1個 [Cc, CH1, CH2, CH3]
b) (V1-Vn)-Cc: 常に同じ [(V1-Vn) – μ, δ, γ, α ]順に配列

遺伝子構造の変化

c) fetus vs adult ab
他でもこういう機構はあるのかもしれない(扱っているレベルが違う)

Exp. Xenopus: DNP (or TNP) → Anti-DNP → lymphocytes (produce A-DNP) → nucleous → egg → tail bud

分化したlymphocytesでも他器官に分化する能力を有している。しかし、抗体を産生するかどうかは不明。抗体産生の遺伝子については変化が起きているのかもしれない

Exp. Burnett (1950'): V-reigon diversity

個体発生中に起こるか、germ line (103 × 2)で規定されている – どちらが正しいとも言えない
Cf. 個体発生中で分化: lymphocytes(特殊な細胞) – 変異を起こす

Cell mediated immunity - 細胞性粘菌

Ag ← lymphocite (non-specificな副産物であるタンパク質) = directl Ib
Release "lymphokine(s)" – many types
Ex. Macrophage → [inhibition*: targetに対して位置固定] → actication *: 矛盾しない(in vitroで再現可能)

Exp. 2種のリンパ球

a) A ↔ B: 相乗効果で増殖速度増す
b) A ↔ B: 放射線糖でBの分裂抑制 = Aの分裂速度は普通と変わらない
⇒ lymphokinesの実証

細胞性免疫の存在
1. 無脊椎動物: “包囲化encapsulation” – 昆虫で顕著

リンパ球ではないか – 血液細胞hemocytes (ホヤにはない)

2. 全脊椎動物

免疫の細胞的基礎 (cellular bases of immunity)


Cells and tissues commited to Ab responses

1) Agの入る部位

近くのリンパ節lymph nodes、膵臓spleenに最終的には行き、細胞内皮系reticuloendothelial system (RES) (mesoderm origin)に至る。抗体を作る細胞にAbは入って行かない – 指令説を否定する根拠の1つ

2) Ab形成部位: spleen, lymph nodesの"plasma cell" - Ab作る時期に増加
Exp. プラズマ細胞がAbを作る証拠

→ Rat Ab – mouse Ig: プラズマ細胞中のRER内部でAbは作られる
Abを作るのはプラズマ細胞の他に"small lymphocytes"がある。ただし、プラズマ細胞が体液性抗体の代表であるのに対しsmall lymphocytesは違うこともする。即ち、移動性に富み、血管外にも出る(遊走細胞)。Ig分泌確認され、Igがsmall lymphocytesに付着していることがあるのも分かっている
"small lymphocytres"の起源 = large-and medium-sized lymphocytes → small lymphochtesにならない限りAb付着しない
⇒ large-and meidum-sized時点でクローン選択がなされ、それがsmall-sizedになり最終的にプラズマ細胞となる(全てではなく限られた集団)

一次(1°) lymphoid organ
→ これなしにAbが分化する可能性はない
1° lymphoid organ:

胸腺 thynus, ファブリシウス嚢bursa of Fabricius (イタリア解剖学者)

2° lymphoid organ: spleen, lymph nodes
[発見の過程]
1) 胸腺切除 (Miller 1961): 成体adultで影響ない vs 新生児だと傷害発する
Exp. New-born mouse thynus – 切除

a → T × → wasting desease and death (完全に雑菌を断った所で生育させれば生き延びる)
b → T × → × skin graft rejection, ∇Ab production
⇒ 胸腺はAb産生に何らかの形で関与している(bの能力を与えるのが胸腺の役目)
"age involution": 年齢が進むと組織的、機能的に退化する代表的なものとして胸腺があった
cell

網目状の上皮性細胞がmedullaからcortexへ大量に出る

若い個体ではcortexのリンパ球発達。成熟個体では退化し、リンパの代わりに脂肪等が入りこむ
未梢化"peripheralization": 胸腺 – no Ab formationだが未梢化能はある

Ex. 胸腺細胞にマーカーをつけ追跡すると、このリンパ球がlymph nodesおよびspleenに移動しているのが分かる = seeding ⇒ 胸腺段階で既に決定されているタイプがあることを示している
円口類: 未詳
魚類以上: 胸腺の存在は間違いなくseedingを行なっている
少なくとも、細胞性免疫を得る能力を初期に与えるのは胸腺の役目
2) ファブリキウス嚢 bursa of Fabricius (Glick 1956)
Exp. Hatched chick bursectomy
cell

滑液嚢(包) bursa: 鳥類のみ存在 - 機能から考えれば他の動物でこれに相同器官があるはず*
* basal-equivalent organが想定され、哺乳類ではbone marrowが有力

Bursaもage involutionが見られる(鳥類による研究成果に基づく部分大きい)
Thynus × → celluar responese ×
Bursa × → humoral responese ×
他の脊椎動物でもbasal-equivalent organの存在が推測できる
3) Thynus and bursa lymphocytes (subpoulation): 個体発生段階で、この異常が起こる症候群が見られる
Ex. ヌードマウスnude mouse

T cell ×: これをマーカーにして研究する試み
医学的にはB cell異常は生存可 – 2, 3ヶ月おきにimmunogloblinを摂取すると大丈夫
Tリンパ球、Bリンパ球への分化決定は、それらがTに入るかBに入るかで決まることは間違いない。それらが循環系により膵臓やリンパ節に移動しプラズマ細胞形成し抗原により決定される(permissive differentiation)
T: killerになりうる
B:Ab producing (plasma cell)
____Ab↓
T → [helper] → B
Helperを介してAgへのAb生産をプラズマ細胞は行なう

Exp. T × cut (2n) ← 3n a) thynocytes


skin graft rejection (3n), Ab produciton (2n) – helperの存在
B cellsは直接Agに触れてもAb productionをするわけではなく、何らかの"process"がある(helper)
したがって、胸腺切除で多くのAb生産が止まる。だが、胸腺からのhelperを介さないAb生産過程もある

[1983年: 多くが研究段階]

Development of lymphoid cells and organs
1° organ: endodermal epithelium

魚以上の胸腺は全て鰓域branchial region

Exp. Xenopus: host 2n

Thynus (2n) / transplanted graft (3n)
すると4-5日目のものでは3nの胸腺原基中に2nの細胞が入って来る
6日目以降のものでは、既に胸腺原基中に3nの細胞が入っているため、さらに原基の外に膜を作り2nの細胞の侵入を妨げる
また、原基は周りの細胞になるべきものを選択して引き寄せる
Hostの齢に関わらず、5日目の原基を与えると細胞は分化する"stem cell"
同様のことがBursaでも言える

Stem cellsの分化段階differentiation stageがどこかで形成される cell

Stem cellsはanalagenに入っていける → lymphocytes (T/B) → periferalization (T/B) = Ag
a, b, cのどこかでキメラを作る = Tail bud: 2nと3nのキメラを作る – 胸腺未分化段階
a) 全て3n胸腺中のlymphocytesを作る
b) 全て2n胸腺中のlymphocytesを作る
c) 3n > 2n
⇒ かなり後方にlymphocytes origin (= stem cells)存在 → dorsal-ventral chimeraを作るとventral-sideにあることが分かる

Self-non-self recognization

胸腺で行なわれる

    ATX cut            ATX cut   ATX cut
    ↓                 ↓←AT    ↓←BT (この実験はまず失敗する)
    ×graft rejection  OK
    A → O             A → O
    B → O             B → ×
    C → O             C → ×   BTがAを認識しAに対して
                                 反応し衰弱死に至る

Aは自分のことをまず認識可能となる。更にBへの認識能力を持つ (A&B-self) – 寛容"tolerant"
また、分化するlymphocytesはA由来: stem cellは成体になっても存在し、Bの胸腺に入り変化しうる(100日とか長期を要するが) cell
Stem cell = 白紙null

自己に対するクローン(random mutation)もできるが、発生初期に多量の抗原により抗体は消失する
初期にリンパ増殖も盛ん

[ 解剖学 ]

植物発生学 (plant developmental biology)


形態発生(形態生成、形態形成 morphogenesis)
生物の発生で新たな形態が生じてくる過程

一般に、高次構造を持つタンパク質や細胞構成要素以上の単位における形態変化 → 高次複合過程

植物形態形成: 細胞間連結 - 植物では器官の分離なく常に細胞が連結
1. 植物成長 growth/development Ex. 栄養成長・生殖成長・老化

循環過程 cyclic process
成長 growth = 量的変化 ⇔ 分化 differentiation = 質的変化

Ex. 休眠 dormancy、老化 senescence、加齢 aging
器官脱離 abscission
後熟(追熟) ripe - fruit set形成後の期間を指す
裂開 dehiscence: 落葉は積極的細胞分離

特別な代謝過程ありdehiscenceである

2. 分化 differentiation: Ex. 種子発芽 seed germination
3. 形態形成運動 morphogenesis

器官決定遺伝子 organ identity gene
分裂組織決定遺伝子 meristem identity gene

生活環全過程: [遺伝子制御 + 外部環境変化]の影響を受ける
外部環境変化は、植物ホルモン生成・移動・不活性化を介し成長調節 → 植物ホルモン: 遺伝子プログラム発現や外部環境が遺伝子情報発現に影響を及ぼす時に、作動子としての役割
Ex. 古典的実験: 異常状態 → 植物反応 → 内部変化推定 development

傷害応答 wound response
物理的接触応答 physical coutact response

胚発生初期: 茎頂-根端分化 = 極性決定

根形成は根端細胞分裂増殖活動による

軸状体制 (Fuller & Tippo 1949)

young: shoot apical meristem (根でも同様)
young: root apical meristem

極性 polarity

分裂組織 meristem (meristematic tissue) - 動物にはない

胚的発生embryonic development: 全細胞が分裂 → 胚完成
頂端分裂組織が分化し細胞は分裂を盛んに行う
= 細胞が成長するのではない

Plants: 無限成長 indeterminanistic growth = 分裂し生きている限り成長
Animals: 有限成長deterministic growth = あるサイズになると成長停止

↓ 植物と動物の成長の意味が異なる
growth (s.s.) = 大きさが増すこと、(s.l.) = 分裂による細胞数増加

植物の運動 plant movement

成長運動 growth movement
屈性 tropism: 刺激に対して体の一部を近づける(正)か遠ざける(負)

屈地性 geotropism = 重力
屈光性 phototropism = 光

好光性 photophilic/photophilous
向日性 heliotropism ↔ 嫌光性 sciophilous

屈水性 hydrotropism = 水
屈化性 chemotropism =化学物質
屈触性 stereotropism (thigmotropism) = 接触

傾性(運動) nastic movement: 刺激方向に関係なく刺激に対し一定の反応

傾光性 photonasty = 光 Ex. タンポポ・マツバボタン花開閉(明るいと開く)
傾熱性 thermonasty = 温度 Ex. チューリップ・サフラン花開閉(高温で開)

膨圧運動 turgor movement
傾触性(接触傾性, 振動傾性): 触ると急速に葉を閉じる運動 = 接触・振動

生体膜電位が関与

Ex. オジギソウ葉 = 傾触性 + 就眠運動

葉柄基部の膨らみ - この中の膨圧により葉が支えられている
振動、光、温度等の刺激により、葉柄基部の水分が移動し膨圧変化
葉が閉じる

気孔開閉運動
(睡眠運動・昼夜運動)
葉・花等が、昼夜の周期的明暗により開閉等の運動反応を示すこと
傾光性 = 光・温度等

Ex. 葉: マメ科(オジギソウ、ダイズ、シロツメクサ、ネムノキ)、カタバミ

乾湿運動
含水率変化に伴う運動

Ex. ホウセンカ、カタバミ果皮裂開。シダ胞子嚢裂開、マメ類鞘裂開
Ex. マメ・アサガオ旋回運動(自発的成長運動 + 屈触性)

細胞内運動

Ex. 原形質流動

植物ホルモン (plant hormones)


Def. 植物ホルモン phytohormone (Larsen 1951)

高等植物生体内で作られる有機化合物で成長や種々の生理作用を制御する機能を持つ。微量で有効

Def. 成長物質 growth substance (≈ 成長調節物質 growth regulator)

低濃度で成長促進あるいは阻害する有機化合物。成長を質的に変化させるものも含む
生体内で合成されない物質を含む。成長抑制物資も含む

Def. 成長阻害剤 growth regulator

いずれの濃度でも促進作用示さない成長阻害物質

植物ホルモン ≠ 動物ホルモン

生産個所と作用個所が異なる必要はない
生産は特定個所でなされるとは限らない

測定法

生物検定法 bioassay
生理活性物質検索に生物反応使い定量化 - 未知ホルモン検出に必須

Ex. イネ葉身基部屈曲試験法 rice lamina joint test →

ブラシノステロイド発見 - 類縁化合物発見につながる

感度高いが精度低い

精製 + 定量(ガスクロマトグラフィ, 高速液体クロマトグラフィ, 蛍光分析)
免疫学的測定法/検定 (イムノアッセイ immunoassay)

酵素イムノアッセイ ELISA: 酵素結合抗体使用 - キット市販
ラジオイムノアッセイ: 同位体標識抗体使用

a) オーキシン(成長素) auxin

インドール酢酸 (IAA)、ナフタレン酢酸、インドール酪酸等の総称
伸長成長変化や、セルラーゼ、β-1,3-グルカナーゼ、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成酵素等の酵素活性増加が、核酸合成阻害剤やタンパク質合成阻害剤により抑制

オーキシン作用発現には核酸・タンパク質関与

天然オーキシン
インドール酢酸 (+ インドール化合物)
1982 Cohen: ダイズ → インドールアセチルアスパラギン酸検出
1985 Sonner & Purvus: キュウリ → インドールアセチルアスパラギン酸 +

インドールアセチルグルタミンサン検出

オーキシン賦活物質: オーキシンと共存するとオーキシン活性を高める物質

それ自身にオーキシン作用はない
Ex. 炭素数14-18の飽和及び不飽和脂肪酸、ファルネゾール farnesol
Ex. 古代エジプト人知識: イチジク若果実 + オリーブ油 → 果実肥大

= オリーブ油がオーキシン賦活作用を持つ

(人工)合成オーキシン
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 2,4-dichlorophenoxy acetic acid (2,4-D, 2,4PA)
α-ナフタレン
インドール酢酸 (IAA, C10H9O2)
2·4·5-T、M·C·P等
IAA 24D NAA
β-インドール酢酸 (IAA)_______2, 4-D__1-ナフタレン酢酸 (ルートン, NAA)
1926-28 Went FW: Avena子葉鞘 ⇒ アベナテスト確立 Avena test

成長ホルモン [成長点 → 寒天 → 成長部]移動可能物質(液体)
屈曲量 ∝ 寒天に移動したホルモン量
寒天片に乗せ屈曲の大きさ求める

→ 屈曲大きさから未知ホルモン量の推定可

Avena test
図. 根、芽、茎、花の反応性の相違 (Thimann
1937) - 現在否定的

[作用(否定的)] 根細胞は茎細胞より相当低濃度でも成長促進される
一般に 低濃度 = 促進作用 ↔ 高濃度 = 阻害効果
阻害作用はauxinに誘導されるエチレン生成による効果
1950 Nitsch: イチゴ種子 - オーキシン生産 - 果実成長促進
1951 Addicott & Lynch: Coleus + オーキシン

離層葉側 → 離層形成抑制 ⇔ 茎側 → 促進

離層形成層両側オーキシン量比: 葉側大 → 抑制 (逆も真)

※ 後に離層形成にアブシジン酸、アミノ酸当も関与が知られる

1955 Jacobs WP: Coleus 落葉 - オーキシンが支配
1964 Abeles & Rubinstein: IAA/NAAがソラマメ上胚軸のエチレン生成促進
1967 Chadwick & Burg: IAAがエンドウ幼植物のエチレン生成促進

仮説: × オーキシンの直接作用 ⇒ オーキシン → エチレン → 作用

1971 Vendrell & McGlasson: エチレン生成の自己阻害発見

バナナ果肉切片エチレン生成 - エチレンにより阻害

生理作用
伸長成長
細胞伸長、花芽形成作用。不定根発生促進。細胞分裂促進。側芽抑制。単為結果。離層形成抑制。光周期性関与。高濃度で細胞成長抑制。枯死(除草剤)

b) ジベレリン gibberellin, GA

1926 黒沢英一: GA発見(後に一般の植物に存在するホルモンと判明)

イネ馬鹿苗病は馬鹿苗菌が寄生し、その分泌により生じる

1938 藪田・住木: GA結晶化

丈低い植物に特に著しい成長引き起こす → 丈低い = GA生産相対的に少ない個体

主作用: 開花促進。葉大きくする。光発芽種子の暗発芽促す
移動する場合極性がない等の点で異なる
種なしブドウ: 蕾時にGA散布すると種子作らない
種子休眠解除
GA発芽誘導実験: 種子GA処理(普通GA1, GA3)は0.1-0.01 μmolを基準とし、前後に数オーダー振る

報告: 実際の植物体での生理効果は1 nM以下で機能

c) サイトカイニン cytokinin, CK (6-benzyl adenine , 6BA)

カイネチン同様の生理作用持つ天然化合物 + 6-aminopurineの6部位のアミノ基に通常炭素数5の置換基が結合した基本骨格を持つ誘導体群(9位のN原子にribofuranosyl基かribofranocylphosphate基が結合した形でも存在)
生理作用: オーキシンとの共同作用で植物培養の細胞分裂を促進

カイネチン濃度の影響は組織により異なり、低濃度では根が分化、中濃度では著しい細胞質分裂が起りカルス塊の形成が起り、高濃度では葉条芽の分化がみられる

硝酸還元酵素を始めいくつかの酵素活性を増加させる。カイネチン・ベンシルアデニン・トランス-ゼアチン等

d) アブシジン酸 abscisic acid, ABA

成長抑制物質 - 休眠芽形成

高濃度ABA/低濃度GA → 休眠誘導
低濃度ABA/高濃度GA → 休眠解除

1961 Liu & Carns: ワタ葉柄由来の落葉促進物質

アブシジン abscisin (abscissionから)と命名

1963 大熊和彦ら: ワタ未熟果実から同様の物質単離 - abscisin IIと命名
1965 Cornforth JW, et al.: カエデ葉から冬芽休眠誘導物質単離

ドルミン dormin (dormancyから)と命名

構造解析 → 同一物質と判明 → アブシジン酸abscisic acidに統一

休眠や成長抑制、気孔の閉鎖等を誘導
乾燥等のストレスに対応して合成 → ストレスホルモン(別名)

e) エチレン ethylene, C2H4, CH2=CH2

= 落葉現象・休眠打破他感作用等に関与
C2H4増加による落葉は核酸合成阻害剤やタンパク質合成阻害剤で抑制

→ 核酸・タンパク質合成関与

グレープフルーツ外果皮切片でPAL誘導
可溶で脂質にもよく溶ける
炭化水素hydrocarbonに特異性がある
C2H4はDNA合成開始寸前に与えた時、DNA合成最抑制

G1-S期へ移行上ではS期直前のタンパク質合成直前の所に位置する

CO2との関係 Ex. 果実成熟: CO2により抑制 vs エチレンにより促進

互いに拮抗的阻害 ☛ 拮抗作用

1972 Ku et al.: イネ子葉鞘伸長にC2H4とCO2は相加か相乗効果

水生植物の特徴?

エチレン代謝の生理的機能
組織内エチレン量調節: 受動的エチレン排出(拡散) + 能動的エチレン排出
エチレン作用にエチレン結合部位酸化に必要 - 否定的
エチレン酸化により植物組織感受性変化: Ex. 酸化エチレン↑ → 組織感受性↑
生態制御
休眠打破: 内生エチレンによる (1926 Haber: 外生エチレンで発見)
Ex. オナモミ種子: エチレン生合成抑制 → 休眠
Ex. ピーナッツ種子

スパニッシュ種: 発芽過程でエチレン発生 → 発芽
バージニア種: エチレン発生微少 + 熱処理 → エチレン発生 → 発芽

発芽
1969 Esashi (江刺) & Leopold: Trifolium subterraneum発芽率 (硬実種子)

空気 12% ⇒ 空気 - (C2H4 + CO2) 0% ⇒ + C2H4 62% ⇒ + CO2 83%

高い発芽率の環境は土壌中に似る

伸長成長
1970 Suge (菅洋): Oryza + エチレン → 子葉鞘伸長促進

水生植物 ↔ イネ科牧草種では阻害

屈地性 geotropism・屈曲性(根) (Chadwick & Burg 1967)
分化 differentiation

開花阻害 Ex. アサガオ - 長日で花芽形成 - エチレンで阻害
雌雄決定 Ex. キュウリ: エチレンで雌花化

老化 senescence: エチレンで加速 = 関連酵素↑
1967 Matile P, et al. (+他研究): Ipomoea purpurea 開花 → 落果(老化過程)

老化中 = RNase↑, DNase↑: 酵素は液胞中 - 構造物を取り込み分解

離層形成 abscission layer formation (落葉、落果)

土壌中エチレン ethylene in soil
酸素エチレンサイクル ethylene oxygen cycle

トマト: 土壌中 = 浸水 + 嫌気的 → エチレン生産 - 成育異常
(外部からエチレンを与えても同様の成育異常)

⇒ エチレン含む培養液による実験

Ex. オオムギ: 種子根主軸部短縮
エチレン = 土壌防腐剤として機能

f) フロリゲン (開花ホルモン, 花成ホルモン) florigen

1937 Chailakhyan: 花芽形成で日長を感知するのは葉

(謎の)花芽形性物質( = フロリゲンと命名): 葉 → 茎頂

2005 Tamaki (玉置) et al. シロイヌナズナ

日照条件が変わると維管束細胞でFT遺伝子発現 → FTタンパク質合成
FTタンパク質 → 茎頂に移動 → FDタンパク質複合体形成
複合体がAP1 (APETALA1)遺伝子の転写誘導 → 花芽形成開始

2007 Tamaki et al.: 単離成功(提唱から70年)

= Hd3aタンパク質

植物生育調節剤 plant growth regulator, PGR
成長発育をコントロール - 農業: 品質高める、収量安定増加、省労力
植物ホルモンとその類似有機化合物(生理活性物質)が主
Ex. エテホン(成分名, エスレル = 商品名): 分解しエチレン生成

開花促進、着色・熟期促進、離層形成促進、倒伏軽減等

遺伝子発現のホルモン制御

オーキシンにより誘引されるRNA代謝の変化
オーキシンによりDNA polymerase活性化され、ポリメラーゼ合成に関与するものの何かを活性化している
同様のことがサイトカイニン・ジベレリンでも発見される

細胞周期 (cell cycle)


分裂時期 phase

体細胞分裂 (somatic division)
G1: DNA合成準備期 → S: DNA合成期 → G2: 細胞分裂準備期

→ M: 分裂期 [前期、中期I/ II、後期、終期] → G1

cell 前期: 染色体短縮 - 縦裂 - 染色体分体
中期: 核板 - 紡錘体(紡錘糸) - 動原体
後期: 娘染色体 - 極に向かい移動 → 紡錘糸(染色体糸)
--------- 後期: 1染色体あたりDNA量(動原体が2つになり半分になる)
終期: 赤道面に隔膜形成 + 細胞壁発達
- - - - - 終期: 1細胞あたりDNA量(細胞質分裂により半分になる)

[ 植物細胞分裂観察 ]

減数分裂 (meiotic or reduction division)
分裂期2度
第一減数分裂(M1)期 +

前期 prophase、中期 metaphase、後期、終期 telophase

第二減数分裂(M2)期

前期、中期、後期、終期

cell
DNA合成: DNA収縮、染色体分離
植物ではDNA量は2cのほかに4c, 6c, 8c等がある
どのような過程でG2からMへ移行するのか
細胞周期誘発

カルス形成(auxinによる誘発が一般的、サイトカイニンはこれを補助することがある) → 脱分化 → 再分化

不等分裂unequal division

= 細胞機能分化の形態上の第一段階 → 不等分裂によって機能が決定される

embryo
胚形成

根毛root hairや気孔stomaでよく観察される

▆ → ▆ ▆________▆ → ▆ ▆▆
外見上わからない_追跡できる

二叉分枝: 分枝後に不等分裂見られる
→ 分裂面の変化により分かる
藻類発芽: Fucusは光(電気)によりタルスとリゾイドに分化
細胞分化は遺伝的なものでなくてはならない

1. 根毛 root hair
1949 Cormack: trichoblastから発生した根毛はある染色液でよく染色される 1959, 1964 Avers et al.

Cormack (1949)の原因はcytochrome oxidaseの差と関係
cytokinesis = uneven, karyokinesis = evenと考える人もいる

pollen
図. 種子植物の花粉形成過程

2. 花粉pollen: 種子植物雄性配偶体

被子植物: 雄蕊葯中で花粉母細胞から減数分裂により花粉形成
花粉母細胞: 葯中で減数分裂し4個の小胞子(花粉4分子)
→ 小胞子成熟 → 花粉粒 pollen grain
この間に発芽孔持つ外膜と内膜を生じ花粉粒内核分裂により花粉管核と雄原核生じる

不等分裂 = 極性あり紡錘体も一方鋭端、他方鈍端となり易く鋭端側に花粉管核、鈍端側に生殖核を生じる
→ 極性乱れた時に均等分裂となる例
2核間仕切りは鈍端側に著しく偏り形成され生殖核は極薄い細胞質層で取り巻かれ生殖細胞形成

二極性花粉: 花粉粒中で生殖細胞が1個で留まり花粉管移行後に分裂
三極性花粉: 花粉粒内で分裂し2個となる → 花粉管内では分裂しない

pollen pollen

Condensed nuclei: 重複受精のためのDNA合成(回りに細胞壁を有するので細胞と呼んでもよい)
カロース callose: 高等植物の花粉や花粉管細胞壁内層の構成多糖成分

1942 Swanson pollen

細胞壁または液胞との位置関係が問題
→ 遠心すると両方とも同じ核となる

花粉粒 pollen grain
単粒 monad: 花粉が1粒1粒単独となるもの
複粒 composite grain: 複数の花粉が分離せず散布される

二集粒 dyad: 2粒の花粉が集まった複粒
四集粒 tetrad: 4粒の花粉が集まった複粒
ポリアドpolyad : 4集粒よりも多い(4の倍数個となる)複粒

3. 気孔
1953 Bünning & Biegert

stoma

stoma 1948 Bünning & Sagromsky

不等分裂を抑制(あるいは促進)する物質分泌 → 一定間隔に気孔形成
抽出物を若葉に処理 → 気孔形成抑制

1965 Stebbins: 大麦

stoma
3H-TdR: chase 6-18 hr ⇒ 葉成長点は基部にある: 娘核は共にラベルされるかされないか同じ動向を示す
stoma

*: 不等分裂: 小さい方の細胞が助細胞 subsidiary cell になる

大きい方の細胞の核だけがラベルされる (× 小さい方)
→ guard mother cellからDNA合成 → 近接する細胞によりDNA合成規定

分裂軸の決定

1863 Hofmeister: 長軸垂直説

_______________▆▆________▆ ▆
全てが同じく成長_長軸ができる_長軸に垂直に分裂
_____________________(!しかしcambiumの細胞は非常に細長い)

1902 Kny, 1917 D’Arcy, Thompson: 外圧説

周囲からの圧の方向によって分裂軸が決まる

1958 堀田・大沢: タンパク質種説

羊歯: m-RNA region – タンパク質の種類によって規制される

⇒ 上記3仮説は全て否定された
1966 Pickett-Heaps & Northote

cellulose in cell wall → structure of microtubles (random structureの場合もある)
→ 同じ方向にmicrotublesが並ぶ
cell cycle ____├ 細胞壁と微小管: EM levelで隙間
____└ 消失 → 細胞分裂
前期前微小管束 pre-prophase band
核膜と結合している

1970 Burgess: Wheat G cell, sub-cell

= 等分裂、不等分裂を起こす位置、即ち細胞板cell plateのできる位置がpre-prophase bandの位置と一致

cell cycle 1970 Gunning et al.: Azolla imbricata

ムギでみられたような現象は観察されない
1. 技術的問題
2. pre-prophase bandと分裂軸が一致しない場合がある

ただしcell plateはpre-prophase bandの位置にできる

⇒ Pre-prophase bandは分裂面を決める要素ではないという見解もある

核分裂に際しての核の移動
核移動の前にpre-prophase bandができる (1978 Gunning)
核移動の後にpre-prophase bandができる

1972 和田: Adiantum capillus-veneris

cell cycle
(1)(2)回目: 垂直, (3)回目: 暗色下 = 垂直、赤色光下 = 平行

時間生物学 chronobiology


日、季節、年等の単位で経時的変化する生物リズムを研究 Ex. 種子発芽

サーカディアンリズム(概日リズム) circadian rhythm

内生的なendogenousもので殆どの生物に存在
1729 de Mairan (仏): 内在的概日リズム報告

就眠運動: オジギソウ葉は、外界刺激がない状態でも約24時間周期のパターンで動き続ける

circadian = circa (約、概ね, L) + dies (日, L) = 概ね一日
(s.s.) 内在的にのみ形成される概日リズム
(s.l.) 光温度等、外界刺激により修正されるものを含む
  1. リズムが恒常的状態(Ex. 恒暗状態)でも約24時間の周期を持続
  2. リズム周期が光パルスや暗パルスによってリセットされる
  3. リズムが温度補償性持つ = 一定範囲内温度において周期変わらない

周期活動 rhythmic activity or periodic activity

外発的(外在的) exogenous vs 内発的endogenous

日周期 diurnal rhythm (daily or diurnal rhythmic activity): a cycle based upon a daily periodicity

昼間活動型 diurnal type
夜間活動型 nocturnal type
薄暮活動型 crepuscular type

潮間周期活動 tidal rhythmic activity
年周期活動 annual rhythmic activity, seasonal rhythmic activity

早春前線 = 日平均気温摂氏5°Cの北上ライ (エゾユズリハ・ツルシキミ開葉は対応)

光形態形成 photomorphogenesis

(低エネルギーの)光による形態形成制御 Ex. 光周性
1924 Marcovitschi S: アリマキの1種の繁殖 - 日長依存
1924 Rowan W: Junco hymalis (ヒワの1種) - 渡り周期が日長依存

生殖ホルモン分泌

菌類における光形態形成
1938 Christenberg GA: Choanephora cucurbitarum (ケカビ病菌)

胞子形成 - 光照射で誘導 ↔ 連続光では形成されない ⇒ 暗期必要

1950 Barnett HL & Lilly VG: C. cucurbitarum ( 強光  ▇▇ 暗黒 ▇▇ 弱光)

                                   胞子形成(+/-)
━━━━━━▇▇▇▇▇▇▇▇ (+)
━━━━━━━━━━━  (-) 連続強光(白色光 650 lux)照射
▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ (-)
▇▇▇▇▇▇▇▇▇━━━━━  (-)
▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ (+) ≤ 10 lux

⇒ 2反応系 (1) 光必要, (2) 暗黒-弱光下で進行(光に阻害される)

光周性 photoperiodicity or photoperiodism

日長 day length (日照時間)変化に対する生物反応の変化

Ex. 植物花芽形成・開花・結実、鳥類等生殖活動
一般に 長日条件 long-day condition: 伸長成長促進
            短日条件 short-day condition: 伸長成長抑制、休眠芽形成促進

ニセアカシア: 短日条件下より長日条件下で育つと強耐寒性

1920 Garner WW & Allard HA: 光周性(日長反応性)発見 - タバコ

突然変異(cv. Maryland Mammoth)は普通種より遅れ12月中旬頃開花
実験: 人工的に照明時間を調節(短日処理) → 早く開花

1938 Hamner KC & Bonner J: オナモミ(短日植物)

                                 師管
(光を感じる場所)----↑----成長点(伸長成長から花芽形成に転換)

日照時間変化: フロリゲン分泌開始 → 水溶性ホルモン

day

a + b > 臨界時期 – 暗期中頃に効果大(暗期直後、明期直前効果小)

休眠 - 成長調節物質

成長促進物質欠如 → 休眠  and/or   成長抑制物質蓄積 → 休眠

光受容体
1. ファイトクローム phytochrome: 赤・遠赤, 植物特有

植物、真菌、細菌、藍藻に含まれる色素タンパク質
I型: 光に対し不安定 ↔ II型:安定
Arabidopsis: PHY A遺伝子 – I型, PHY B遺伝子 – II型 ⇒ 突然変異体 = 開花時期変化

PHY A欠失 – 開花時期遅れる、葉数増加
PHY B欠失 – 開花時期早まる、葉数減少

光発芽種子

サイクル説: 光定常状態 photostationary state - 白色光

    PR    ⬅   P650
hvhv    hvhv
   P698  ➡    PFR

定常状態は見かけ

※ 反応: 伝達 vs 局在
. 短日植物と長日植物
  • 短日植物 short-day plants
    • 絶対的短日要求性: アサガオ, キク, シソ, イチゴ, ダイズ, オナモミ, ポインセチア
    • 条件的a短日要求性: イネ, アサ, コスモス, ワタ, サトウキビ, サルビア
      a: 他の条件の影響を受け変化しやすい
  • 長日植物 long-day plants
    • 絶対的長日要求性: ハツカダイコン, ホウレンソウ, ヒヨス, ドクムギ, カーネーション, ハッカ
    • 条件的長日要求性: キンギョソウ, シロイヌナズナ, カブ, オオムギ, コムギ, レタス, エンドウ
  • 中日植物: トマト、キュウリ、ヒマワリ、カタバミ、ハコベ、タンポポ
光と動物: 体色変化 – 光強弱、波長により体表の色素細胞に変化が起こる

Ex. メダカ、フナ、アマガエル

2. クリプトクロム cryptochrome: 青色光受容体
1993 Ahamad et al.発見

構造: 光回復酵素と相同性 - 動物にもクリプトクロム存在示された
2分子種存在: cry1 / cry2

cry1: 脱黄化や明所での形態形成に関与
cry2: 花芽形成を促進する主要な光受容体

黄化 etiolation: 暗所成育 → 葉黄色 (+ 間延び) Ex. もやし

被子植物のみ(裸子植物ではみられない)
黄色 = カロテノイド ⇒ 光与える → 緑化 greening

3. フォトトロピンphototropin

青, 植物特有 = 光により活性化されるタンパク・キナーゼ

1997 Liscum et al.発見: monomer m.w. ≈ 10万 → 色素タンパク質

N末端側にFMN結合するLOVドメイン2つ、C末端側にセリン/トレオニン・キナーゼドメインもつ

LOVドメイン: PASドメインの1種 (バクテリアにも見られる)

LOVドメイン: FMNを結合し、光で励起されると、FMNとアポタンパク間に共有結合形成
→ 形成された付加物は不安定 → 暗所で自発的に元の状態に戻る
→ 付加物結合活性化状態ではLOV2ドメイン構造変化しC末端側セリン/トレオニン・キナーゼが活性化
phototropin
葉緑体移動_____________気孔開放_________屈光性
chloroplast movement____ stomata opening___phototropism
図. フォトトロピンの主要生理応答

日周性
Ex 1. ミジンコ生息地
Ex 2. 気孔開閉
Ex 3. 昼行性動物: モンシロチョウ、ミツバチ、ハエ、ヘビ、トカゲ、スズメ
Ex 4. 夜行性動物: スズメガ、イエカ、ヤモリ、コウモリ、ネズミ、フクロウ

分化 (differentiation)


植物体内で細胞位置により分化決定 → 植物細胞 = 分化全能性 totipotency
発生に際し分化が起こる: 分化中にA → Bという不可逆的状態遷移起こる

(これがまったく異質なものへの遷移かどうかが問題)

Ex. Bacillus subtilis

Vegetative cell ⇔ Spore: 細胞型分化? すなわち不可逆変化 – グルコース、ラクトース利用様式変化

Ex.                          筋肉               肝臓          
物質                       アクトミオシン  粗面小胞体
エネルギー合成      機械的            化学的
インシュリン感受性  有                   無              
これらは完全に不可逆的

DNA → RNA → タンパク質 → 酵素 → 合成*
______________________├ 物質代謝の輸送
_____________________ → 構造 → 細胞構成、収縮性 など

*: 炭水化物、脂質、ホルモン 等

分化制御はどこでいつ行われるのか

高等植物
1964 Steward FC

脱分化: 師部phloem組織片 → ココナッツミルクによるサスペンションカルチャー → free cells
再分化: 胚芽 → 小植物体 → 開花植物体
再分化にはオーキシンとサイトカイニンの濃度が重要

種子形成 (seed formation)


重複受精 double fertilizationと分裂パターン

1. 花粉・胚嚢形成

花粉母細胞(2n) → 減数分裂 → 花粉細胞(n) → 変形 → 花粉(n) = 4個
胚嚢母細胞(2n) → 減数分裂 → 胚嚢細胞(n) = [4個形成 - 3個退化]

2. 受粉 pollination: 柱頭に花粉がつくこと

→ 風媒花、虫媒花、鳥媒花、水媒花等

3. 受精 fertilization

fertilization
a: 後消失diffused. b: 精核(+ 花粉管核)入りやすい胚皮の薄い所にある

重複受精: 被子植物の特徴ともいえる受精方法。同時に2個所で受精する

精核(n) + 卵細胞(n) ⇒ 胚(2n)
精核(n) + 極核(2n) ⇒ 胚乳(3n)

花粉が雌蕊柱頭に付着 → 発芽 (子房中にある胚珠に向かい花粉管伸ばす)

柱頭: 糖類を含む粘液分泌 = 花粉発芽時の水分や栄養物質を与える
この時までに、花粉核は花粉管核と生殖核(雄原核)に分裂し、生殖核は更に2個の精核に分かれる

一方、雌蕊胚珠内で胚嚢母細胞から減数分裂により胚嚢細胞を生じ、その核は反足細胞からなる胚嚢を形成する

⇒ 重複受精: 形成された精核2個が、個々に卵細胞・極核と受精

もっとも多くの種が3核を有する = synchronized

動物で行う遠心等処理できれば細胞質の違いによる分化機構解明可
温度変化、X線等による処理が植物においては検討されつつある

核内倍加 (endoreduplication)

細胞分裂無に染色体複製がが起こる
動物(ショウジョウバエ唾腺染色体等)で広く知られるが、植物でも報告例増
1965 Kato: Lillium = 染色体異常が植物の貯蔵器官では普通に見られる

Ex. Mutable gene → modification
重複受精における核の大きさの差が1原因: 胚部核は変化しにくい ↔ 胚乳部核の変化は大まかに起きる
問題: determinants on the selection of embryo sac (胚嚢)

ホルモン勾配、培養、twin等を用い研究中(詳細未詳)

1966 Loyd & Prott

fertilization
⇒ Primary developmentにauxin関与
auxin, giberellinは同様の結果を得る

貯蔵タンパク質 storage proteins

1895 Osborne
  1. アルブミン albumin: H2O、弱酸性溶媒に溶けやすい
  2. グロブリン globulin: 水不溶。0.4 M NaCl可溶。種によりアミノ酸配列がやや異なるため固有名を当時はつけていた(Ex. legumin, vicilin, vigunin, glycinin)
  3. グルテリン glutelin: 水、塩、エタノール不溶。強酸、アルカリ可溶 (Ex. gultenin, oryzenin, lordenin)
  4. プロラミン prolamin: 水不溶。70-80%エタノールに可溶 (Ex. zein)

植物は数種の貯蔵タンパク質を適当に有するのが普通
貯蔵タンパク質は糊粉粒aleurone grainという単分子膜中に含まれているのが一般的

1972 Beavers & Poulson: 種子形成段階におけるタンパク質合成

受粉後15日まではpolysomeが多い = タンパク質合成が盛ん(他からm-RNAを与えようが関係なし)
30日頃にはpolysomeは30-40%に減る (他からm-RNAを与えると合成は再び増える)
⇒ transcription levelで制御されている

1976- Burr & Hatch; Larkins

Zein: membrane structure (memblant association)
Zein (stored in Zea mays) – 成熟過程

Zein A (21600) (22500)
Zein B (19600) (19000)
Zein C (13700)

タンパク質を単離しsolubilityを計る

Fluorographyの手法

fluorography
Immunopieciptate method, using the antibody of Zein
これを用いてzeinを沈殿させればzeinの存在が確認される
microsomeのまま発色部位を見ることによりzeinの位置がわかる

1980 Bodbreak, Ellis: Ribulose-1,5-biphosphate carboxylase

葉のpolysomeのpoly(A) + RNAを集める → single peptideのm-RNAを作る → complementary DNAを作る → Clone化 → milipore filter上で変性させくっつける → poly(A) + RNAを遠心分画 → 大きさによって分ける → それぞれの分画でfruorographyを見る → この様に確かめてsequenceを作る

1981 Goldberg et al.: ダイズの作られる過程
fluorography 1981 Meinhe et al.

Glycine
Coglycinin____7S
Glycinin_____11S

Transcription levelで制御される

Northern blot hybridization: RNAをgelで流す → cDNA: ラベルし混合 → radioautography

発芽と成長 germination and growth


胚 embryo: 水含むとGA合成↑ → α-アミラーゼ合成↑ → オーキシン → 分化
germination
発芽3必須条件 = 水・温度・酸素
1. 水 water: 過剰にあると酸素欠乏を起こす → 吸水能力と発芽の関係

吸水 imbibition
actynomycin D, thioaicicl, peuromyuin等により阻害
⇒ 特にbの時間 = transcription必要

2. 温度temperature

最高温度maximum temperature >
最適温度optimum temperature >
最低温度minimum temperature
温度日変動による発芽促進種子 → 雑草で多 (Ex. 低温16時間、高温 8時間処理)

春化処理 vernalization

Ex. ハルタデ・ブタクサ・エノコログサ: 0-4°C

土壌中暖かく休眠打破不可 → 表面露出で発芽条件揃う

Ex. Polygonum cuspidatum

風散布 → 重い種子 → 種子生産数少 → 休眠種子: という戦略的進化(推定)
植物種子の温度認識に季節変化(Vegis 1964, Washitani 1991)

3. 酸素 oxygen: 呼吸代謝に必要
4. 光 light
1952 Bothwick et al. ☛ ファイトクローム (phytochrome)
1959 Butler et al.: 光反応受容体発見 (後ファイトクロームphytochrome命名)

単量体 mw ≈ 125000
水溶性色素タンパク質 → 発色団: 開環したテトラピノール = 光変換起る
不活性型inactive, Pr___橙色-赤色光による反応___活性型active, Pfr
_________________(光化学反応) (600-680 nm)
赤色光吸収型 (P660) ⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄⇄ 近赤外光吸収型 (P730)
暗所状態_____________赤外光による反応
_________________(光化学反応) (700-760 nm)
____________または、生体内の化学反応(非光化学反応)

1991 Somers et al.: Phy A (発芽に重要)はPfr型で不安定
1994 Bewley & Black: 光要求性

光受容によりPfr増加 → m = Pfr/Ptotal > k (k: 種固有定数) → 発芽
種子: 散布時点ではPfr状態のファイトクロームもある → 土壌中でPrに変化 = 発芽しない (dark reversion)

Pfrが分解等により減少 → m低下 = さらに発芽しない

光要求性でない種子でも長期埋土により光要求性種子になる種がある

1990 Smith et al.: ギャップ種 = 緑陰感受性

緑葉は赤色光吸収 → 森林地表面では赤色光少 → Pr↑ → 発芽しない

発生と呼吸
Radicle = 呼吸系 ⇒ O2/CO2 = RQ: 子葉ではTとAが回らない – NADP少(ATPも少)
    子葉    イソクエン酸  NADP+
             ↓     ↓    NADPH + H+
    Cytric lyase    ↓
                    ↓    CO2 – H2O 
            オキザロ酢酸

デンプンがどのように使用され分解されるか
1) デンプン → (α-amylase) → dextrin α (β-amylase) → maltose
2) デンプン + Pi → (phosphoxylase) → glucose, 1-phosphate → (UDPGピロホスホリラーゼ) → UDPG + F·6·P → (UDPG + PPi) → ショ糖 6-リン酸 → (ホスファターゼ) → ショ糖 + Pi
GA3, ABA

1968 Uarmer & Johri: de novo合成

a: α-amylaseできない ← ジベレリンを入れるとできる
↔ b: α-amylaseできる GA

1970 MacComb et al.: internode of dwarf pea: ±/ GA3, 24 hr

chromatin: RNA polymeraseを持つ ← GA3により活性化された可能性

1970 Johnson & Parves: 12-24 hr, IAA

GA3 → 40-70%促進
E. coli polymeraseでのstimulationは起こらない ⇒ temprateが増えたのではないだろう
ジベレリン: poly(A) + RNAをstimulateするrRNA (組織によって違う)

1976 Higgins et al.: Aleuron layer ⇒

+ GA3 → RNA (GA3によって合成促進) → poly(A) + RNA
– GA3 → × RNA

1978 Takaiwa & Tanifuji: GA, ABAは均一に促進あるいは阻害する

ジベレリンで促進: protase, end-β-glucanase, phosphatase, Rnase

1968 Beevers & Splittstoessor: Protease

GA

1970 Wright: 発生の過程におけるタンパク質の種類の変化を調べる

麦wheat: 2次元電気泳動 – 100-200種のタンパク質を識別できる
種子発芽過程でm-RNAのグループが変わるか → RNA synthesis

1971 Chen, Schultz & Katchalski: mRNA → rRNA → tRNA
1975 Spiegel et al.

mRNAとrRNAを同量作る → 発生進むにつれrRNA合成が盛んに成る
'64, '6: 吸水し発芽過程ではRNA合成ない ↔ タンパク質合成認められる
→ 休眠種子中に既にmRNA(conserved mRNA)がある
リボゾーム、tRNAは種子中に豊富に存在は既知 - 根拠の一つ
act-DでRNA合成を阻害してもタンパク質は生成でき、実際に種子中からm-RNAが単離された。発芽と同時にRNA合成は始まる
GA

DNA-RNA hybridization

GA
DNA抽出し一定量single strandをmilipore filterにつける
GA

1975 Gotts, Peld, Murphy & Brown

active chromatin, inactive chromatin
nuclei in rat’s liver
DNase IIで軽く加水分解 → 遠心(27000 g × 15 min) → 総DNAの15%ほどを上澄に入れMg++ 2mMを加える → 遠心 → 上澄をとる
⇒ Mg++-soluble chromatin – 高い活性: soluble active chromatin

H1がなければconformationが変わる
Conformationが変わればchromatinは活性化する

GA

1976 Greally, Delseny & Cuitten

GA

1977 Yoshida & Sasaki

コムギ胚のchromatinをとりin vitroでRNA合成を行う
+ RNA polymeraseを加える(DNA損傷を避ける)
________________X2________X3 ← 鋳型活性の上昇
────────────┴───────┴────
0________18____24________60 (hr)
59Kdal, 39 Kdal (両方ともNHP)が発芽中に減っていく。また、37 Kdalのタンパク質が増す

1975 Matsumoto, Gregon & Reinert

+ 2, 4-Dでニンジン細胞を増殖させる → ある時点で-2, 4-Dに移す → 分化を始め胚発生が開始される
この時点でNHP合成に違いがでる

1974 Stein

seed
再構築させる時にS-phaseのNHCを入れればS-shapeのchromatinに似て、mitosis phaseのhistoneのNHCを入れればmitosisのchromatinに似る。Histoneのm-RNAからhistone DNAを作り、これをS-shapeのRNAとhybridizationさせるとhybridizeするが、mitosisではできない

1978, 79 Lery, Comner & Dixon

HMG (high mobility groups NHC-protein): 転写に活性のあるchromatinで作っているらしい
seed
HMG 1 = HMG 2
HMG14 = HMG 17
DNase I に感受性のあるサイトのchromatinをp位にHMG 1, 2をかける

1981 Seyedin. Pehvson & Cole

mouseの神経芽細胞neuro blastoma cell
serum deprivationをとると分裂停止しmature neuro cellに分化する
HMG 1, 2ともに量的に下がりH1°は増す
CAMPあるいはMe2SO (diethylsulfxide)を加える
H1°は上昇。HMG 1, 2は変化せず
⇒ HMGの増加減少は分化には関係ない
butyrate加えると分裂停止 → 分化はしない + HMG 1, 2共に変化しない

1975 Freud

白血病細菌Erythro bacteria cellに20% Me2SO4処理 → globulin mRNA synthesis → (HMG 1, 2) → chromatinにassociateした / 25000 daltonのタンパク質増加

1976 Weintraub & Groudine

赤血球細胞: globulin geneはDNAseでダメになる。fibroblastではglobulin geneはDNAseで処理しても保存される。HMGがなくなるとDNAseに対する感受性が高くなる

1981 Keene et al.

ショウジョウバエDrosophilaのheat shock protein (hsp)
hsp geneは7つ。hsp 28, 23, 26, 22: この4つはclusterとなっている
ショウジョウバエの胚から核をとりDNAse処理
_____BamH1 (DNAse)_____________EcoR1__BamH1
__________________________________hsp 26
seed
___________________________________Labelしてprobeにする
Solution blot hybridizationでこのfragmentを分離する

1981 Levy & Noll

seed
条件をまったく同じにしdigestionの程度を見る
DNA purity – Agarose電気泳動___control heat shock protein (sh)
seed
Normal ← ×
Heat shock ← sensitive
Heat shock geneの部分のchromatinはどのように壊れたのか
⇒ monomerが多い ⇒ 感受性高 : nuclear skelton
*: nucleosomeの配置が規則的であればcontrolのようになるはずだが不規則な結果としてshのようになる

1976 Benyagati & Wocel

Super coilがほどけたとき1つの環は14個分位のnucleosomeが入る大きさである

植物におけるtranslationの制御
mRNA: active or inactive
tRNA
rRNA
tRNA: aminoacyl-t-RNA合成
individual amino acids: degenerasy → isoaccepting t-RNA: 分子種
14C(3H)-leucine, tRNA 1-6
※ 同一種でもどの組織でどの遺伝子を用いるか = 使い分け

細菌: 良く使われるcodeの遺伝子は良く保存されている

1970 Vanderhock & Key

Pea root: elongated part (伸長部)とmeristemのtyrosine tRNAを比較 ⇒ 分裂の有無とあまり因果関係なし

1972 Merrick & Dure

Cotton – leucyl-t-RNA, negative ⇒ Chloroplastは発芽に際して変化

1970 Reger et al.: Iso-leucine

seed
tRNA: それとchargeする酵素の活性 – 必ずしも分化にはつながらない
Ribosomes: tRNA + mRNAのbinding – 能力のないものがあるのか
E. coli: 50S 25S 5S rRNA
______30S 16S(3'-OH intramolecular) rRNA
seed
__________________________m-RNAの5'端付近に相補的な部位

*: 突然変異を起こしている場合がある。ribosomeのタンパク質と結合する部位

1970 Isono & Witmann: E. coli突然変異株を二次元電気泳動で調べる

r-proteinの変異 → 機能が持てないribosomeができる(実際に区分ができないので未確認)
IF-3 (initiation factor 3): disociation factorはsmall subunitのS12, S1, S11に関連
IF-2: S19, S11, S1と関連
stoichiometoryで調べる → 全体の分子量より増えることがある
→ あるribosomeにはこのタンパク質、また別なribosomeには違うタンパク質が結合している可能性

巣まき
種子を幾分かためて播種 (ルイセンコ考案 – 原理説明は全く間違えている)

→ 発芽が早くなったり、成長がよくなったりする

[ 種子休眠 ]

休眠 (dormancy)


Def. 生理要因または環境要因により生理活性低下し成育が停止した状態
休眠種子: 80S monosomes, active ribosome – 違い
1971 McCarthy: イネ, 28°C 非吸水種子リボゾームと吸水リボゾームを比較
    Mg        Dry          Imbibed
    1 mM                   80S, 60S + 40S
    0.5 mM    80S          60S + 40S
    0.1 mM    60S + 40S    60S + 40S

タンパク質合成が始まるためにはまずリボゾームが吸水により解離せねばならない
⇒ リボゾームの状態変化 – 自身の構造からではなく回りの状態による
house keeping proteins – free polysomeで作られる
secretary keeping proteins – membrane-bound polysomeで作られる
ribosomeに違いがあるか: free ⇔ bound: 状態によって変化

1974 Johns

小麦: ER-polysome bound – water stress: こふん層 – free polysome
bound freeはあるがonly freeでのみ働くpolysomeがあるかも知れない

1978 Kreibich, Ulrich & Sabatini
1970's Rabinovitz group (in London)

Heme-controlled receptor
Heme-regulated inhibitor (HRL): hemeが与えられないとinhibitorが形成される
タンパク質合成阻害を行ってもできる: de novoで合成される訳ではなくprecursorが存在する
________________________protein kinase
________________________↓ ×heme
eIF-2 kinase (pro-inhibitor) ──┬───> eIF-2 kinase (inhibitor, HRL)
________________________ATP
eIF-2 active [eukaryote] ────┬───> eIF-2-P ________________________ATP
動物: blood plotelets, liver cells, ascites twonn cell, friend leukemia cell, artemia salina

1977 Ochoa

Wheat germination cells: eIF-2 kinase

1971 Ilan & Ilan

Tenebrio molitor: Pupil – ribosomes (60S + 40S), Larvae – ribosomes → in vitro translation
dormancy
80S – protein synthesis starting %
pu-m & pu-IF, or La-m & La-IFの同じ組み合わせのときのみ
EIF-4 (formerly IF-M3) ニワトリ
Muscle: 2 spp.
Mouse α-chain, β-chainの区別がある

伸長因子 elongation factor

rye, wheat – 古いものは発芽率低下: dry seed (水分はある) – 内部で代謝が起こっているとは考えにくい
1973 Roberts & Osborne: stable m-RNA

発芽率低下 = 代謝(特にタンパク質)の低下 → stable mRNAがだめになった
0% viable → poly(A) + RNA → in-vitro translation 54%活性 = 56% inactive ↔ 90%と合わない
90% viable → poly(A) + RNA

1977 Sen & Osbone: EF-1がかなりcharge

⇒ Aminoacyl-t-RNA bindingに関係

1972 Tome et al.

細胞の分化と成長 (cell differentiation and growth)


細胞分裂の方向 - 分裂面

cell
斜分裂 oblique division: 中間的斜め分裂
cell

A. 横分裂 transverse division、B. 放射分裂 radical division, C. 接線分裂 tangential division.
A, B分裂は表皮系epidermal systemのみ増える ⇔ Cの分裂では内部が増える
mass meristem 諸所の方向に分裂 → 球
rib meristem
plate meristem 平たく分裂 → 葉

分裂要因 division factors
1863 Hofmaister

分裂は成長の方向に垂直に起る = liquid film theory - 分裂を石鹸膜のようなものと考える

1902 Kuzy: Least surface theory = 圧力方向に分裂面できる

differentiation

1974 Lintilhac: 細胞にかかる圧力の方向から分裂面を計算

differentiation

1971 Wada & Furuya

light → クラマゴケの細胞分裂を制御 ⇒ 要因: light, pressure, gravity, temperature

分裂組織細胞分裂
形: 近球形、平均14面
液胞: 少
内容: 密 - fast greenに染まる ⇔ 細胞壁: 薄 - safraninに染まる
細胞間の位置関係の再調整
形成層以外の細胞
隣り合った細胞も同時に発達する - 同調分裂co-ordinate growth differentiation

[シュート | shoot ]

茎頂 shoot apex

= 茎頂分裂組織とその周辺部分
shoot apex

維管束分裂組織 meristem in cambium = between the primary xylen and phloem (前分裂組織の一部)

茎頂(頂端)分裂組織 apical meristem on shoot apex
shoot apex

shootの先端には必ずapical meristemがある → 厳密には定義できないが分裂活動の活発な部分である

機能

1. 葉の原基primordiumを作る
2. 新しい茎頂(頂端)分裂組織を作る
3. 茎肥大
原基: 原基形成後に成長し独立の器官になる部分

頂端細胞 apical cell: a prominent meristematic cell at the tip of a plant
1856 Hofmeister 頂端細胞説 apical cell theory

頂端細胞が分裂し全ての組織になる - シダ植物で相当
shoot apex 1個あるいは数個が起源細胞となる(頂端細胞群) → 種子植物には不適当

shoot apex 1868, 1871 Hanstein: 原組織説 histogen theory

被子植物で特に明瞭 - 層状構造(観察)
↓ a: 第1層 →

表皮細胞 epidermis cell (原表皮 dermatogen), 1層が多い

↓ b: 第2層 →

皮層 (原皮層 periblem), 数層からなる

↓ c: 中心部 →

中心柱 (原中心柱 pleroms)

逆さにすると根になる: 根冠 root cap (原根冠 calyptrogen)

shoot apex 1924, 1929 Schmidt 外衣内体説tunica-corpus theory

被子植物における層状構造germ layerを認めた
外衣層数様々。1-3層が普通。カニシバリは2-7層
外側: 層状構造をなす部分 - 外皮tunica: 分裂軸縦のみ
内側: 層状構造をなさない部分 - 内体corpus: 分裂軸縦と横

1938, 1941 Foster: 細胞組織帯説 cytohistologic zonation theory

Ginkgo biloba
shoot apex
……………… 内側: 細胞組織帯

細胞 サイズ    形     液胞 内容 細胞壁  細胞分裂
   a     大         短      多     粗      厚     少/殆どなし
   b     小       細長     少     密      薄          多
   c     中     レンガ状 中     中      中          中
    a: 分裂組織細胞の特徴としてそれらしくない

1952 Barat (Fr): a無分裂

従分裂組織 waiting meristem: 栄養成長期 → 生殖成長期に分裂

1952 Foster, Esau & Gifford (Calfornia Univ): aの分裂を主張

キメラ chimera or chimaera

同一個体中に遺伝子型の異なる組織が接触し存在する現象
表皮と表層の分化がn数で分かる

chimera
周辺キメラ___区分キメラ___混合キメラ

Ex. ツルコケモモ: 茎頂をコルヒチン処理し再び取り出し成長させる

chimera
コルヒチン処理: 細胞分裂を中期で停止
分裂異常が生じ4n細胞ができる。それは様々な層にみられる(Satina, Blaheslee & Averg 1942): 最初3層茎頂端であるDaturaで研究。この際は茎頂にコルヒチンを含む脱脂綿をのせた
→ 茎頂の第何層から茎断面のどの部分が形成されるとは言えない
→ 分裂細胞が頂端に複数個あり、そのうち1個が4nになれば円周の部分的にキメラができるとする考え方。起源細胞は3個以下 キメラがみられるのは被子植物のみで、裸子植物や羊歯植物ではない
キメラにはgene layerが必要
裸子植物ではキメラができない → 全部均等に分裂
chimera

1929 Piekington ハウチワマメ

chimera
枝が2本 = 各々正常

予め決められていたら半分ずつの枝

1948 Ball: Lupinus albus, Tropaeolum majus

6個に切り分ける → 6本の正常な枝

1922 Robbins, 1946 Loo, 1946 Ball: 茎頂を切りだし培養

下等なもの = 良く育つ
高等なもの = ココナッツミルク、カゼイン分解産物等の特定なものを入れないと良く育たない

+ 大きく切り出すとうまく行くが、小さいとダメ

分化決定時期特定 → intactな実験には限度がある
1946, 1960 Ball: ルピナスで茎頂細胞を大きさを変えて切り出す

→ Agar, sugar, inorganic salts中培養
400-430 μm3では葉原基が3つ含まれる
茎頂分裂組織のみ ×________________________
medium + coconut milk or GA ⇒ 5-10葉。根分化× ← 自己分化性有

1954 Wetmore

マツバラン、ライラック、クジャクシダ、トクサ、ミズヒキ、イソヒバ
200-250 μm3茎頂 → 小さな成体: 茎頂は全て分化する能力を持つ

1960 Ball: ソラマメ、アスパラガス茎頂培養

系統調べる ⇒ 分化過程で細胞が相互の位置をずらす

葉の発生成長 leaf development and growth

茎頂からの発生
1957 Erickson: 葉器官の測定 - 直接測定不可能

shootXanthium
既にできた葉サイズから茎頂芽発達は予測可能であることを指摘
*: いずれも1つの葉間期(plastochron)

トウモロコシmaize芽生_0.5-3.6 days*_____________Abbe & Phinney 1951
セイヨウタンポポ______1.5-5.5 days_____________ Edgar 1961
シロツメクサ_________85 hr___________________ Denne 1966
エンドウ____________46 hr (前半 30 hr, 後半 16 hr) Lyndon 1968, 70
アオキ_____________1·1/2 months_____________原 1980
体構造・発生過程
走査型電顕で観察容易

shoot
周辺部: 細胞が放射状配列
茎頂点(面)は円ではない。次にa, b, cの様な部分から次の茎頂原基が生じてくる。面が回転しながら新たな葉を産んで行くような動きを示す

Angiospermsの茎・葉の頂端細胞s

shoot
茎: 始めのうちは先端部が分裂 - 茎の頂端分裂組織apical meristem, marginal meristemが特異的に発達するのは葉発生の極初期に限られる)。後に全体的に分裂成長
葉: 極、始めのうち端の方が分裂する(marginal meristem, 周縁成長)。後では全体的に一様に成長が起る

双子葉植物における葉成長のタイプ

shoot

1895 Rickri (生理解剖学): 維管束鞘で光合成 → 非常に具合が良い(考察)
1967 Wardlow: ある植物では不定根のでる場所・数が決まっている

→ 形成層と関連 = 葉の出るパターンはどのように決まる? (現在も未詳)
原表皮 dermatsgen origin → 周縁始原細胞 marginal initials
原皮層 periblem → 次周縁始原細胞 submarginal initials

─┬→ 葉肉 mesophyll ─┬→ 柵状組織 palisade m.
  │                    └→ 海綿状組織 spongy m.
  └→ 前維管束 precambium   葉脈 vein
1973 Maksymowych: 柵状組織は一番後まで⇔方向分裂続く

海綿状組織: 一番先に分裂終了 → 海綿状組織引き千切られ間隙できる
分裂終了後、表皮細胞の横方向の成長は柵状組織に勝る。従って成熟過程で柵状組織の間に隙間ができる。この開隙は柵状組織の光合成におけるガス交換に役立つ
shoot
External surface of leaf: 葉の表面積 × 2 (葉の表と裏)
Internal surface of leaf: 葉内の細胞が細胞間膜に接する面積の総和

__________細胞間膜体積__Internal cell surface
柵状組織___________________
海綿状組織_________________

Leaf structure of C4 plant: 維管束鞘に葉緑体存在確認

1961 Steevens: ヤマドリゼンマイのprimodial leaf shoot

P1: 未決定か決定。ただしcanal可能 (< 30 μm long)
P10: 既決定
→ 葉および茎は本質的には同じ
→ 決定因子

1969 Hicks & Steeves: ヤマドリゼンマイ - 決定因子には頂芽が関与

shoot

1967, 1968 Kuehnert: ヤマドリゼンマイ

葉原基P3とPxを対にして培養する

shoot
P12の部分をP4, P10, P13に置き換えて同様の培養を行う

P13/P3 = 2/3がshoot, P10/P3 = 2/3がleaf, P14では影響がない
P10-P13では何らかの影響を与えてP3を葉あるいは茎にする(これらの葉原基抽出物でも誘導が見られる)
⇒ 頂芽が関与

生殖期における茎頂の変化

shoot
1) 葉間期の活性, 2) 早熟腋芽形成 → germination, 3) 茎頂の形の変化, 4) 特に中央帯 or 全般的に分裂の増加, 5) 仁の大きさ → 大, 6) RNA増加, 7) 層可の増大と細胞組織の喪失
aの細胞分裂サイクルは遅い__有限花序: これらの変化が急速
________________________無限花序: 比較的緩慢

茎と根の関係 relationships between stem and root
茎 ⇔ : 相互に交換可能: 全能性 totipotency
タンポポの根: 根 → 脱分化 → 再分化 → 茎 → 葉 ___________________________↘________↗

再生、不定根、不定芽の形成は「脱分化 → 再分化」過程であり、茎 → 葉もこの範疇でとらえることができる

[根の茎頂分裂組織との差異] 根の特徴
  1. 根端は subapical, 根冠 root capの内側に分裂組織があり無限伸長する一方、茎端では先端が直接分裂組織である。また根は内生的発生をする。protoxylemができる辺りから根毛root hairはできる
  2. 付属器官(茎頂における葉原基)がない
  3. 維管束が単純(放射中心柱)

quiescent centerでは細胞分裂を行わない。発達段階における過去の発達過程を示す
根端切断: quiescent centerが残っていれば再生する
X線照射してもその時quiescent centerの細胞は分裂期にないので影響を余り受けず正常細胞を供給する
shoot
カスパリー線: 全細胞が接線面内で鉢巻状に細胞なり間隙有さない。そのため物質の出入りでは全て原形質を通る必要 → 選択透過性

側根形成・不定根形成
1978 紫岡・下郡山・加藤

_shoot
12 v.b._14 hr = 12 v.b._____18 hr_____24 hr__最終的に4 v.b.
選択selectionの機構は不明

1978 Mitsuhashi-Kato et al.: マメモヤシ(soybean)

2-thiouracil(核酸合成阻害剤)を頂端に加えると不定根発生
→ 上部で不定根が出ないように原基を抑制しているが、阻害剤により物質抑制が抑えられるbasal dominance

1930 Went: Pea, IAA treatment

15 hr IAA + 15 hr water
15 hr water + 15 hr IAA
15 hr IAA + 15 hr IAA ← この時のみ不定根形成 → IAAが不定根形成に関与

現在(1983年)調べられつつあること
  1. IAAの影響差を調べる: +IAA, -IAA: in vivo 各transproductionをラベルして生産物の差を見る
  2. polyA(t)RNA – auxin +, polyA+RNA – auxin –
  3. カルスによる不定胚での根形成パターン
  4. 根を切って伸長中に阻害剤をあて成長を見る

一次成長と二次成長 primary and secondary growth

一次成長 primary growth: 茎端、根端発達によりできる組織 → 一次組織
二次成長 secondary growth: 形成層からできる組織 → 二次組織
単子葉型
肥大成長は稀。殆どの単子葉は一次成長のみ
分類

頂端分裂組織 apical meristem

茎頂頂端分裂組織 shoot apex

栄養茎頂 vegetative shoot apex
生殖茎頂 reproductive shoot apex

根端頂端分裂組織 root apex

側部分裂組織 lateral meristem

形成層 vascular cambium
コルク形成層 cork cambium or phellogen

介在分裂組織 intercalary meristem ex. Bamboo

growth

表皮組織: 表面細胞破壊

→ コルク形成層secondary tissue形成。表面細胞壊れる
→ 内外両方向に発達

木質部分化 differentiation of xylem
= 導管vesselの分化
成長点: dermatogen, peribrelm, pleromce
1968, 1970 Fosket: Coleus explants + Auxin

FdII: fluorodeoxyuridine (replication阻害) → TE分化抑制
Colchicine: inhibitor of mitosis → TE分化抑制

1870 Torry & Fosket

pea root: cottical parenchyma → cytokininを加えないと分裂起こさない
TE分化: high 3H-TdR incropration
⇒ TE分化にはDNA合成が必要 = 細胞分裂が必要

1975 Kohlembach & Schmidt
1975 Torrey: Zinnia elegans: mesophyll free cell – no division

10% TE分化 → 細胞分裂は関係ない

1980 Fukuda & Komamine: suspension culture

→ 48-96 hr - 分裂しないでTE分化

[DNA合成]
1975 Shininger: pea root

Fu (fluoro-uracil), FudR (fluorodeoyuridine), mitomycin D, aphidicolin
FudR: × DNA replication, × TE分化
BudR: DNA replication, × TE分化
A-UBr
→ DNA複製は無関係

1981 Fukuda & Komamine: Zinnia: 50% TE, G1期細胞

radioautographyでDNA合成観察されない → DNA合成は分化に無関係

1973 Avanzi et al.: Allium cepa

Need endoduplication and amplification of rRNA genes (rRNA)
2 cells → 4 c → 8 c

1974 Phillips & Torry: Pea = negative

キクイモ  2 c   4 c   8 c   16 c
未分化    6 %  50    38     6
TE分化    3     57     30    1
DNA, Histon共に未分化とTE分化では72 hr(分裂3回)で差ない

接木 (grafting)
3H-TudR: × 取りこみ, cell division: ×, TE分化: × ⇒ 矛盾

仮説: 一部の特殊なDNAが必須(証明なし)

Sachs T: 材料Coleus 再生能力を示した
totipotency
Jacobs: 葉除去する(葉がない)と非再生

← 葉 = オーキシン供給源
← ポーラートランスポート polar transport
葉除去 = オーキシン供給を絶つ
オーキシン以外にポーラートランスポートするホルモンは知られていない
→ 屈地性・屈光性・(若干の)匍匐性はホルモン作用による

1952 Wardlaw: Primula - 髄pithを取り出すと維管束形成

totipotency 表皮から一定位置に維管束形成
____= 何らかの勾配存在

1963 Wetmore & Sorkin

Lilac (Syringa) callus → 脱分化 → 導管分化してくる → 芽からある一定距離を置いて導管分化 → 0.5 mg/lのauxinを加えるともっとも遠いところに導管形成 ⇒ Auxinの効果

1963 Wetmore & Rier
1967 Rier & Besnon

auxin
sucrose = 1.5-2.0%: 木部分化しやすい。3.0-4.0%: 師部分化しやすい。中間がバランスのとれた分化

1963 Kato (加藤)

Todea barbara (羊歯): 0.1% ショ糖 – 維管束できない
ショ糖濃度をあげるか、auxinを加える → 仮導管形成

イネ科: ヒゲ根形成部位決まっている
AMP → [nucleotidase] → Ad + Pi

細胞成長(伸長)・分裂・分化 + 細胞異質性の起源と固定

細胞分裂の終了した細胞は貯蔵器官ともいえる

キクイモ: 塊茎カルス → オーキシンを与えるとG1からSへの移行起こる
→ MAKカラム電気泳動

G1からS移行はDNAにオーキシン影響したと予測

auxin
ジャガイモpotato細胞断面 [形態観察]

オーキシン作用でDNA量変化起こる様に見えない

植物成長過程へのホルモンによるコントロール

= 細胞分裂・細胞伸長(拡大)・細胞系の変化

落葉・落花・落果 (defoliation and shedding)


(器官)脱離: 植物器官が植物体から離れ落ちること

Ex. 落蕾、落花、落果、落葉、落枝

植物老化の4型

全体老衰 Ex. 一年生草本
地上部老衰 Ex. 多年生草本 - 地上部のみ老衰
落葉性老衰 Ex. 落葉樹 - 葉のみ老衰
漸進的老衰(器官老衰) Ex. 常緑樹 - 下位葉から老衰

落葉 defoliation

(植物の一部が)落下せずについたまま枯れる marcescent
落葉要因: 特定細胞節が離れること多(cellulaseがcell wallに働く可能性?)
季節的作用 = オーキシン分泌季節変化 = 離層を介しその両側のオーキシン濃度差が落葉に関与
エチレンが落葉の原因の1つ → エチレンはオーキシン合成に関与
____└落葉はエチレン分泌のピーク後に起こる

Auxin: surpress senescence, C2H4生産を刺激 → 離層にたまる

表. 落葉広葉樹林での葉からの養分転流
                       斜面上部       斜面下部   
           Kg/ha   芦生  三瓶   芦生   三瓶  
窒素   生葉 a    60    70.7     77     67.3
          落葉 b    25    32.7     54.3   63.8
          (a-b)/a  0.58   0.54    0.29   0.05
リン    生葉 a   3.26   3.3      4.23   3.6
          落葉 b  1.20   0.93    3.55   2.53
          (a-b)/a  0.62   0.72    0.16   0.30

養分吸収と樹体内転流
1) 養分吸収: 間接推定 → 根による土壌からの養分吸収量の直接測定はできていない
年間吸収量 ≡ ΔY + ΔL + Rw

ΔY: 年間植物体増分量
ΔL: 年間のリターフォール量
Rw: 雨水による溶脱量

2) 樹体内転流: 成長期に同化器官(葉)内に蓄積された養分を成長休止期に非同化器官へ引き戻すこと

葉養分含有率: 秋に低下 → リターフォール養分還元量は、成長期の葉中の養分蓄積量より少ない

→ 一部元素が降水により溶脱 + 落葉前に幹・枝・根に引き戻す

紅葉
気温低下 → クロロフィル分解 → 離層形成
葉に残るデンプンは離層により葉から移動不可 → 分解されブドウ糖となる
紅葉する細胞中はアントシアニジン存在

アントシアニジン + ブドウ糖 → [結合] → アントシアニン (赤色)

さらに葉中に残るクロロフィルが分解され緑色が薄くなるとアントシアニンの赤色が目立つ = 紅葉

落花 flower shedding

開花後に花器全体が落ちる (落蕾: 蕾の段階で落ちる)
= 胚発生ない状態の子房脱離
花器官での受粉と受精が確実に行われない → 落花

受精 - 落花抑制 ⇒ 落花率 - 種・個体群で大きく異なる

ブドウの花振るい(花流れ)
リンゴのカラマツ現象
離層発達と細胞壁分解酵素生成 - オーキシン減少、エチレン・アブシジン酸増加等が関与

落果 fruit shedding

胚発生開始後の子房脱離

果樹園芸では落花を落果に含めて扱うこともある

花器官形成 flower organ formation


(Meyerowitz et al. 1991)

ABCモデル

ABC model Arabidopsis (thaliana)

A = apetala (AP) 2 gene
B = pistillata (PI) gene + AP3 gene
C = agamous (AG) gene
花形成


ホール_____1___2____3______4
発現遺伝子_A_ A+B_ B+C____ C
器官_______ 花弁_雄蕊_雌蕊(心皮)


ホメオティック突然変異体(ある器官がそれと相同な別器官に置き換わる変異)
Ex. B欠失 → 2 = 萼, 3 = 雌蕊 になる
Ex. A, B, C欠失 → 葉 ⇒ 花は葉になるべきものが変化し形成される
Ex. A, C拮抗し一方が失われ、勝者は相手担当領域まで進出 → 八重咲き

花形成制御遺伝子

MADS box → 花を形成しない動物や菌類・シダ類からも見つかる
K box → MADS, K両方を持つ遺伝子は種子植物のみ報告

開花 flowering
夜開性 nygtigamy (anyctigamous: adj. flowers that open at night and close during the day)
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