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[ 調査区 | フローラ | 露崎史朗・長谷 昭. 2000. 植生動態実習マニュアル]
s.l. 一定面積内の生物現存量(生態学的意味) s.s. 利用可能な生物資源 (講義では、当然s.l.で使用) 再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの (農水省) 木質バイオマス: 木本植物に由来するバイオマスファイトマス (phytomass)バイオマス中で植物の部分だけであることを強調する時に使われるネクロマス (necromass)(生態系あるいは調査区内での)死亡した部分の重さバイオマス測定法 measurements of biomassアロメトリー (allometry)刈取 (harvest) Ex. 層別刈取法 (地上部)極大現存量生産力測定(推定)にしばしば用いられるが問題点あり
枯死量推定落葉量: リタートラップ (≠ 枯死量)枯死体現存量: (生存体 + 枯死体)現存量 = 生産量 層別刈取法 個体数 - Allenの曲線 (N~ω曲線) 被食量推定動物個体群動態・代謝量排出糞量測定 植物食痕 |
地下部生産量その年に生産した部分を正確に抽出できるかが鍵図. ススキ地下茎発達様式 (翠川ら 1975)。(a) 地下茎分枝状態。0: 当年生の部分、1: 一年生の部分、2: 二年生の部分、以下同様。(b) 当年の成育期間終了時の地下茎の状態。0r: 当年生の地下茎、0bおよび'b: 当年生の芽、0s: 当年生の茎、1r: 一年生の地下茎(これが当年の茎を支える)、1s: 一年生の茎(枯れて基部だけが残る)、2r: 二年生の地下茎 多種構成群集地上部生産量: 収穫法による測定は誤差が大きくなる (樹木)生産量枯死・脱落・被食は別に測定(推定)枝 当年枝: 全てが生産量 - 重量を計ればよい 多年枝: 樹幹解析と同じ作業か、枝齢-重量相対成長関係から推定 葉 落葉樹 (+ 葉寿命1年の常緑樹): 葉をすべてかき集める常緑樹: 多くは当年葉は多年葉から区別できる 地下部: 枝の方法に準ずる + リゾトロン(スキャナ)法 |
[ 生産力 ]
生物個体(集団)の物質生産に関する構造。植物では、光合成系部-非光合成系部の空間配置・量的関係を指すこともある
層別刈取法 (stratified-clipping method)植物体地上部を10 -20 cmごと等草丈に応じ光合成系部分と非光合成系部分に分け生重量、乾重量等を測定し、葉茎空間配置を知る方法(地下部は、非光合成部のみだが、その空間配置は地上部空間配置に大きく影響)。群落内の葉位置-受光量関係は良くわかるが、追跡調査できない。混生群落生産構造も当然測定可能であり、同化部分重複などの種間相互関係測定にもよい方法生産構造図 (biomass profile)層別刈取法等によって得られた空間配置を図化したものRLI: 相対光(昔は照度, 今はPAR) パイプモデル (pipe model)葉は枝や幹という非同化器官に支えられて立体的に分布支持するもの = 非同化器官 ⇔ 支持されるもの = 同化器官 = 葉 ⇒ 密接な量的関係が存在が予測される 仮定: 非同化器官が葉の支持器官および水などの物質の葉への通導器官
ある高さにおける非同化器官は、その高さより上の全葉を支え、またこの全ての葉への物質輸送経路
Δ(z) = ΔF(z)/AΔz … (1)
A: 群落占有土地面積 F(z) = ∫0zΓ(z)dz … (3) 非同化器官が葉支持器官および葉への通導器官と考えれば、葉量と非同化器官量で対応するのは生産構造図の左右を形づくる葉量密度Γ(z)と非同化器官重密度C(z)ではなく、積算葉量F(z)とC(z)である |
→ 生産構造図の代わりに、左側にF(z)、右側にC(z)をおいた垂直分布図を描くと共に地表面に近づと大きくなる左右相称に近い図となる。F(z) - C(z)関係をグラフで示すと、F(z)とC(z)間にはC(z)が大きい部分、即ち群落下部の部分を除き、原点を通る直線関係が成り立つ。群落下部では、C(z)の増大につれてF(z)の増大は見られない。即ち、この群落下部は葉の存在しない層となる。従って、F(z)-C(z)関係は、葉の存在しない層を除き、ある高さの非同化部分量とその高さより上にある全ての葉量とが比例関係にあり、それは次式で表せる
F(z) = LC(z) …(4) Def. 比パイプ長 specific pipe length ≡ L (比例定数, ディメンションは長さ)深さzにおける非同化器官の断面積をS(z)、層の厚さをΔz、比重をρとすれば、その非同化器官重ΔWc(z)は次のようになる ΔWc(z) = S(z)Δzρ … (5) (2)と(5)式から、C(z)、F(z)は次のようになる
C(z) = ρ/A·S(z) … (6) 上の関係は、一定量の葉を支持し維持するには一定の断面積を持ったパイプが必要で、そのパイプは地面まで連続している。このパイプが非同化組織である。このような単位量と葉と単位の太さを持ったパイプの組み合わせを単位パイプモデルunit pipe modelと呼ぶなら、植物群落はこのような単位パイプ系の集合として考えることができる。群落内ではいろいろな長さのパイプが存在するから生産構造図は以下のようになる 図. 樹形のパイプモデル (Shinozaki et al. 1964) 図. パイプモデル。A: 単純パイプモデル。B: 群落。C: 生産構造図。D: 植物個体。黒丸は単位量の葉 |
優占度 (dominance)構成種がその調査区(あるいは群集)中で占める割合優勢 Ex. 被度・個体数被度 (cover, coverage, or cover scale)植物が、ある範囲の中を覆う割合群度: 各個体の調査区内配分様式表現法。被度と無関係に個体配分状態のみをみる(Brawn-Blanquet 1964)
1: 単独に生えている |
密度 (density)面積あるいは体積あたりの個体数 ☛ 個体群密度推定法活力度 (生活力... 何という訳だ) (vitality)生活状態記述。量的表現方法とれないが、ある立地での植物生活内容把握に有益情報となることもある ●: 植物体発育良好、規則的に正しく完全な一生をおくる ◎: 植物体発育は余り良くないが、種子生産や繁殖は行なう。または発育よいがその生活環が不規則 ○: 植物体の発育は不全であるが繁殖はできる。しかし生活環は発展しない ○○: 偶発的発芽植物、繁殖はしない |