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植物相 (flora)ある地域内に生息する全植物種組成 (どこぞの会社で出していたパソコンのことではない)= 植物を同定し種名を記した種のリスト ⇔ 動物相(ファウナ) fauna 地域の大きさは様々
日本の植物相 < 北海道の植物相 < 札幌の植物相 < 北海道大学キャンパス芝生上の植物相 生物相, バイオータ (biota)生物相 biota = 植物相 + 動物相一定の場所(同一環境あるいは地理的区域)に産する全種類。定性的概念で普通は動物相・植物相を合わせたもの。場合によっては微生物相を区別 種類相互の関係や環境の意味等は含まない概念用語 |
研究事例: 渡島駒ケ岳における植物相の特徴2000年調査から75種の種子植物を確認 (駒ケ岳採取標本 Specimens collected from Mount Koma Koma)山岳火山地帯に普通に見られる種 + 海浜植物 → オオウメガサソウChimaphila umbellata, マルバトウキLigusticum hultenii など (亜)高山植物: イワギキョウCampanula lasiocarpa Cham., タルマエソウPenstemon frutescens など 食虫植物: モウセンゴケ Drosera rotundifolia これらの特徴をまとめると以下のようになる |
2001. 生物教材 36: 1-6
1) (北海道大学大学院地球環境科学研究科)
2) (北海道教育大学函館校生物学教室)
1) Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University, Sapporo 060-0810, Japan
2) Biological Laboratory, Hakodate College, Hokkaido University of Education, Hakodate 040-8567, Japan
はじめに北海道渡島駒ケ岳(標高1131 m)は、1929年の大噴火後、暫く穏便を保っていたが、1996年から2000年にかけて小規模ながら数度の噴火を繰り返している。火山噴火後における植物群集は、土壌移動等の撹乱が強い貧栄養土壌状態から始まる群集動態を明らかにするモデルケースとして貴重な調査対象となる。しかしながら、火山における噴火以前の植物群集構造は噴火後の植物群集動態に大きく関与するにも関わらず、調査事例が極めて少ないため噴火後の植物相等を考察するに不可欠な情報が欠落しがちである(Tsuyuzaki 1995)。米国セントヘレンズ山おいても、その必要性から今後の群集動態を知る基礎資料として噴火直後のフロラリストが作成された(Titus et al. 1998)。また、北海道教育大学函館校においては、1996年より野外実習において駒ケ岳南西斜面において植物群集動態調査に関する実習を行なっている(露崎・長谷2000)。これは、永久調査区と呼ぶ経年で同じ場所を調査し、群集構造の時間的変化を視覚的に理解することを主な目的として行なわれている。その際にも、フロラリストが存在することは、学生が自身で植物の同定を行なう上で大きな助けとなり、実習上の効果も期待できる。本調査は、1996年の駒ケ岳小噴火以降に始められたものであり、比較的短期の調査であり不十分な部分もあるが、今後いつ噴火するとも予断を許さない本火山におけるフロラリストは早急に作成報告する必要があると考える。 調査方法調査は主に2000年雪解け開葉後の6月初旬から降雪期直後の11月初旬まで約20日置きに山頂部南西斜面において観察された植物を記録した。ただし、9月初旬から下旬までは、山頂部で水蒸気爆発が発生したため、調査を行なっていない。また、フロラリストには、1996年年以降行なっている北海道教育大函館校野外実習(露崎・長谷 2000)において観察されたもの、および本調査以外の調査において観察されたもの(Kondo & Tsuyuzaki 1999)も含めた。ここでいう山頂部南西斜面とは、駒ケ岳6合目駐車場(標高 487 m)よりも高標高の部分を指す。2000年調査における初記録種については、数個体を採取し標本を作成した。標本の一部は北海道大学総合博物館に納めた。 結果と考察全体で計75種が確認された(表1)。有珠山火口原では、1983年から1994年にかけての調査でシダ植物を含めて163種が確認されているが(Tsuyuzaki 1995)、単年度で、これだけの種が確認されたということは、植物群集構造を把握するには十分な種数が記録できたといえよう。 |
マルバトウキ、オオウメガサソウ(図1)は海岸植物であるが(大井 1983)、駒ケ岳のように海岸に隣接した火山であれば侵入定着が可能なようである。このことは、海風に乗って長距離種子散布が可能であること、火山景観が火山性砂漠と呼ばれるように貧栄養土壌であり、また土壌移動が発生しやすいという、多少なりとも海岸砂丘に似通った環境が提供されているため、これらの植物が成長可能な環境であるという点に起因しているように思える。 ツツジ科の種やラン科の種が多数個体確認されたが、これらは、それぞれツツジ科菌根菌、ラン科菌根菌を有するため、高山等の撹乱の強い貧栄養土壌下においても定着可能な植物と考えられている(Allen 1991)。駒ケ岳においても、これらの植物種が多数確認されたことは、種子植物-菌根菌共生関係が、火山を始めとする撹乱強度の強い貧栄養環境において群集発達に重要な役割を果たしていることを示唆している。今後、広範に種子植物-菌根菌共生関係を調査する必要性がある。 食虫植物であるモウセンゴケは、1965年の駒ケ岳植生調査において記録されている(舘脇ら 1966)。本調査によって、その定着は再確認されたことになる(図2)。食虫植物は、一般に貧栄養土壌下において土壌中からの獲得だけでは不足しがちな窒素を捕虫によって補うと考えられている(山川 1978)。駒ケ岳においては、1929年の噴火から既に70年を経過しているが、未だ土壌は未熟であることを示しているといえよう。 イワギキョウ(図3)は高山礫地に生える植物、タルマエソウ(図4)は新生火山の砂礫地に生える植物として知られ(伊藤 1981)、また、この他にも本来は亜高山性の植物も数種見られる。これらの植物が、駒ケ岳山頂部周辺に定着していることも興味深い。 以上のように、駒ケ岳は、1) 海岸近くにおいて、ある程度高標高まで発達した火山であり、2) 比較的大規模な噴火を繰り返した結果として軽石・火山灰を主体とする貧栄養土壌が、特色あるフロラを発達させているといえよう。 表1. 駒ケ岳山頂部種子植物出現リスト [2000年の結果に追加]。学名は主として大井(1983)を用いたが、種群によっては新しいものを採用した。和名は、最も普及していると思われるものを採用したが、2つある場合には併記した。 |
生物地理区 (ecozone): 生物分布にみられる地域性とその要因 - スケール 分布域 range 連続分布と不連続分布 continuous and disjunctive distribution 飛地 disjunctive area 普通種と固有種 cosmopolites and endemics
半普通種 semi-cosmopolites ⊃ 周極植物 circumpolar plants 汎熱帯植物 pantropic plants 1859 Gray A: 北米東岸と東亜温帯には共通種が多い固有種遺存固有種 relic endemics Ex. メタセコイア新固有種 neo-endemics: 局所的に新しく分化 Ex. 島嶼固有種 代償種 vicarids, vicarious species: 共通祖先から分化した種群が異なる分布域 分布規定要因現在気温 Ex. 平均気温、温量指数 → T (°C): 年平均気温 + 乾湿度降水量: 年降水量、夏期降水量等 → P (mm) 地形要因 orographic factors: 標高・傾斜・方位等 等値線 isopleth Ex. 等温量指数線 地史的要因絶滅危険度の判定や種保全 → 地史的要因を十分考慮地史的・進化的過程の地域的共通性による分布型が見られる
種以上の上級分類段階では地理的であるが、種内亜種分化では生態地理的分布型として表れる 1. 種レベル分布型 distribution pattern
連続分布 continuous distribution 固有種 endemics → 地理的隔離 geograpical isolation (高等植物で両極地で数10種程度か)
遺存種 relic (endemics) / 新固有種 neo-endemics 2. 属科レベル種の中心 species center: 遺伝的、形態的に見て最も基本的な種の分布域3. 地域レベル歴史的過程 → 分散あるいは分布域の歴史的変化日本 (Japan)1945 Good: 日本フロラ北帯植物界 支那-日本区系域 Sina-Japanese region
北日本-南樺太区系区(南部除く北海道) 旧熱帯植物界 東南アジア大陸区系域 台湾-琉球列島区系区(琉球列島-小笠原諸島) 植物種数に富み維管束植物約5000種(数字は怪しい)
46°Nの亜寒帯近く - 26°Nの琉球列島/小笠原列島に集中 [古赤道説] シルル紀-二畳紀 = 維管束植物出現後 - フローラ起源 1949 前川: 地史的条件考慮 = 古第三紀日本列島 →
沿海州から迫り出した半島(マキネシア)東縁を形成し、大陸と共通フロラを有したが、大陸から独立し現在のフロラを構成
生物相 (biota)3区分 = 南西諸島 + 本州・四国・九州 + 北海道北海道: シベリア‐サハリン系と中国東北部‐本州系の鳥獣の混在地帯 H. 八田線: 北海道 [宗谷海峡] 樺太 → 両生類・爬虫類10000年よりも古い |
1869-71 von Schmidt, Friedrich: 幌内川低地帯 植物相境界: 日本固有種北限 1927 工藤佑舜: 亜寒帯-温帯境界
北側: Larix cajanderi, Picea jezoensis 1933 館脇: 亜寒帯-冷温帯境界 = エトロフ水道
カムチャッカ半島-千島列島中部ウルップ島: 固有種少/木本種少 vs 北限: トドマツ・エゾマツ・ミズナラ 3. 石狩低地帯 (河野線)1947 館脇: 北部森林樹種分布 → 石狩低地帯で二分 4. 黒松内低地帯 1947 館脇: 長万部-黒松内-寿都 → ブナ北限(歌オにブナ原生林) 晩霜南限線 → 境界より南部は本州北部と共通種多 B. ブラキストン線 Blakiston line: 本州・四国・九州 /[津軽海峡]/ 北海道
→ 哺乳類: 約10000年前 ツキノワグマ / ヒグマ B.C 中央小区: 温帯植物が南西小区より北、東へ拡がる経路 (さらに石狩低地帯で二分の見解) D 北東小区: 中央背稜山脈以東。平地にエゾマツ・トドマツ林発達。サハリン、千島北方系湿原植物に関連 E 利礼小区: 地質を含めサハリンと関連性強 + 固有種多(高山植物相) 三宅線 (三宅 1919): 九州 [大隅海峡] 屋久島・種子島 昆虫分布境界線 朝鮮海峡線 vs 対馬(海峡)線: 大陸系生物(動物)と日本固有種の分布境界Ex. 本州側: アカネズミ、カヤネズミ 渡瀬線: 屋久島 [トカラ海峡 = 悪石島-小宝島(トカラ列島)間] 石垣島・西表島
トカラ構造海峡 = 水深1000 m → 大分断され動物相乏しい
鳥類分布境界線として蜂須賀(1926)提唱 (↔ 渡瀬線) 動物A. 大陸分布型a. 分布の大陸連鎖: 世界の動物分布からSclater-Wallace地理区分作成 1957 Darlington分布関係 = a) 分布障害 + b) 気侯要囚 + (北極圏、南極圏)
北半球では広く連なり、南半球では大陛的的生物相の分離を認め、植物等で南極を介した連絡を示唆 大陸における動物分布を決める主な要因
要因 a) 気侯的・環境的・食物的適応幅広い
b) 移動性が自力または他力的、依存的に高い a-dを全て備え、船に潜み各地へ伝播 Ex. 鳥類1. ヨーロッパ原産Passer domesticusやSturunus vulgaris人為的に積極的に放され広まる Ex. 鳥類2. 崖営巣カワラバト: 中近東、南ヨーロッパ原産人家依存から半家禽のイエバト(ドバト)とし全世界に広がる 純自然分布汎世界分布は哺乳類では翼手目と齧歯目だけで科段階でもヒナコウモリVespertilionidaeとネズミMuridae(除ニュージランド)、属段階でヒナコウモリVespertilioだけだろう。鳥類では14目25科あり(スズメ目は5科 - 目の進化が新しいことを示す)、属段階で17(スズメ目はAnthusのみ)と多いB. 地理分布 (geographical distribution)ウォーレス(Wallace)のものがよく用いられる体サイズ (body size)1) ベルクマンの法則 (Bergmann's rule)
恒温動物 → 同種(近縁種)でも寒冷地域に生息するものほど体重大
マレーグマ: 熱帯 = 体長140 cm
体内熱生産量 ∝ 体重(w) → 体長大きくなるにつれ体重当たり体表面積小さくなる 温暖地域: 体温維持には放熱を十分に行う必要 → 体重当たりの体表面積は大きい方がよい = 小型 寒冷地域: 放熱は簡単であり、体温維持にはそれを抑える必要 = 大型 1') 逆ベルクマンの法則 (成り立たないこと多)変温動物: 体サイズ ∝ 成育期間 → 寒冷地に行くほど小型 2) アレンの法則 (Allen's rule)
恒温動物 → 同種(近縁種)では、寒冷地域に生息するものほど突出部 (Ex. 耳、吻、首、足、尾)が短くなる
温暖地域: 突出部拡大は放熱量を増やす Ex. キツネ類
フェネック: アフリカ-中東砂漠地帯 → 非常に大きな耳 |
1 生物相と固有率a) 固有種生物は隔離環境中独自進化 → 大陸にないユニークな種(固有種)多固有率:
高等植物 = 89% b) 不調和: 特定動植物群(taxa)欠如植物: 裸子植物(マツ科、ヒノキ科)やブナ科、マングローブ等欠如陸鳥: 世界現生84科中、6科(カラル科、ヒタキ科、ミツスイ科、アトリ科、タカ科、フクロウ科)のみ定着
Ex. ハワイガラス: 森林に14羽が生存する絶滅危惧種 哺乳類: 哺乳類相貧弱 (ハワイオオコウモリ1種Lasiurusのみ) - 他は移入 昆虫類: ハムシ類に固有種なし ↔ カミキリムシ類100種固有 羽退化した固有種多 Ex. 南極近くの島の昆虫種: 40%以上が飛べない
風圧仮説: 風圧が強い地域では飛翔は不利 長距離移動Ex. 生物: 台風回避行動、空中プランクトンEx. 植物: 水散布・風散布 2 植生多様な地形・気候 → 植生も多様海岸帯, 海抜0-300 m 直接に海の影響を受け塩分耐性を持つ種出現 波打際: グンバイヒルガオ、ハマゴウ、ネズミノオ → 海岸: モンパノキ、クサトベラ → 海岸林: ハスノハギリ 低地帯, s.l. 15-2000 m = 低地帯(s.s.) + 丘陵帯低地帯: 特定種広く優占せず、サトウキビ畑、パイナップル畑、牧場、住宅地、ゴルフ場、リゾート地利用され在来植生は殆どない 丘陵帯: オヒア(Ohi'a lehua)やコア優占高木林成立 → 帰化植物多種生育山地帯, 500-2700 m a) 1200 m-2200 m, 年降水量 > 2500 mm: オヒア林-シダ・コケ等が樹幹着生 b) より湿性な山地帯で高層湿原となる c) 少し乾燥した立地でコアの生育見られる 亜高山帯, 1700-3000 m マウイ島ハレアカラ山とハワイ島マウナケア山、マウナロア山にのみ存在 乾燥気候 → イネ科草原広がる 高山帯, 3000 m- 環境過酷 → コケ類 + キク科固有種(銀剣草) |
火山地形 volcanic geography火山性泥流 volcanic mudflow標高に関わらず見られる - 年代明瞭1907, 1916, 1919, 1926, 1950 … → オヒア侵入 溶岩 lava黒砂海岸: 溶岩起源の砂3 近親交配防止機構少数個体から出発する島個体群は近親交配による遺伝子的劣化にさらされる→ 雌雄異株性進化 → 受粉に昆虫や風が必要 → 遺伝子交流機会増える
高等植物の27.5%が雌雄異株 4 帰化生物と保全産業砂糖とパイナップル → 共に新興国参入にシェア奪われハワイ撤退開始砂糖産業: 1802年始まり - 1850年代は主産業
砂糖栽培 = 大量の水 + 肥料 → 関連産業発達(プランテーション白人オーナー支配) 帰化植物Ex. アメリカネム (CM「この木なんの木」 > 直径40 m), ハイビスカス(1923 ハワイ州花指定), プルメリア、カエンボク、ゴールドツリー、バニヤンツリー= 生物学的侵入種: 野性化し在来植生に大きな影響を与えることが問題 Ex. ミコニア: 個体で10万粒/yr種子生産Ex. ファイアツリー: 共生菌を有し火山近くに進出 Ex. マリファナ: 長い間対外輸出1位農作物と言われた(裏世界, 駆除完了) 他にギンネム、キアベクリスマス・ベリー等 帰化動物マングース: 雑食性 → サトウキビ畑ネズミ駆除に導入 → 現在は海鳥の最大脅威。ネネ(ハワイガン)も襲われるヤギ: 乾燥耐え食料確保に遊牧 → 糞で土壌富栄養化 - 帰化植物侵入促進 野ネコ: 諸島全体50万匹。多固有種の「恐れ知らず」な性質 → ハワイミツスイ、ハワイガラス、ネネ等の絶滅危惧種が現在も捕食される ペット検疫 ペット持ち込は120日間検疫所指定施設で隔離生活を送り、飼育費・検査料$700を支払う。新案では30日間の拘留期間にし予防注射やマイクロチップ皮膚内移植する等条件を満たせば良いが、満たさなければ120日間拘留。外来生物は生態系破壊の恐れがあり、違法生物飼育は厳罰対象 Ex. 1996年 ニシキヘビ飼育男性 → 懲役1年、罰金$25,000 自然保護施設4国立公園、9国立野生生物保護区、18州立自然地域保護区、自然保護団体管理の10保護区 他に自然公園等様々な保護施設 いつの資料か不明 |
帰納的モデル (heuristic models)BIOCLM生物分布データから分布に適した気候条件幅を推定 → 在データ → 潜在的分布範囲推定には使えない (Nix 1986, Buby 1991) DOMAIN (Carpenter et al. 1993) HABITAT機械学習モデル (machine-learning models)ニューラルネットワーク遺伝的アルゴリズム 最大エントロピーモデル = Maximum Entropy Model (MaxEnt model) 対象地域全体で1つの確率分布を探す → 予測性高い
仮定: 探した確率分布のもとで環境条件の期待値と在データの環境条件の平均値が一致する |
(Manly et al. 2002) 資源選択指数生息場所の頻度分布や餌資源に対する選択性等の分析手法利用可能環境割合に対し実際利用環境の比率 → その環境に対する選択性算出 Manly(α)の選択性指数, αi = (ri/ni)/Σi=1m(ri/ni), i = 1, …, m
ri: 環境iでの確認数の全確認数に占める割合 |