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(2024年6月21日更新) [ 日本語 | English ]

成長 (growth)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

そもそも … 「成長」「生長」どっち?

成長: 生物の体が大きくなること
生長: 植物等が伸びて大きくなること

文部省学術用語集 動物学編・植物学編ともに「成長」に表記統一。英語ではどちらもgrowthだろうし

栄養 nutrient (肥料 fertilizer, soil)
光合成 photosynthesis
温度 temperature (呼吸 respiration)


成長 growth: 光合成で物質貯蔵する植物にとり光合成能力と関与環境要因の研究は古くから数多くなされる

時間に伴うサイズの変化で表現
Ex. 重さ、体積、高さ、葉数等 - 異なる形質を測定してることに注意

[ 成長率 | 相対成長則 | 成長曲線 ]
索引

成長率 (growth rate)

成長 growth ≡ ΔG/Δt, ΔG → 細胞・個体・個体群・群集等
一定期間の間に生物tが成長した量 (立木では単位はm/yrが多い)

優勢木: 成長良く、林冠crown上層(林冠層 overstory)を構成する

↔ 下層 understory

劣勢木: 林分平均的成長に比べ樹勢弱く成長遅れたもの → 樹勢衰える → 枯死

絶対成長速度 absolute growth rate, AGR

相対成長 (allometry)


相対成長則 (law of allometry)

ある部分の成長速度(dp/dt) ∝ 全体(別部分)成長速度(dw/dt)

1/p·dp/dt = h·1/w·dw/dt (両辺積分)
logp = logH + hlogw0

拡張相対成長則

生物成長上限 = 上限(pmax)仮定を含めた相対成長則 Ex. 直径(w)-樹高(h)

1/p = 1/(H·wh) + 1/pmax__(H, h, pmax: 推定対象変数)

pmax: (潜在的)最大樹高

(w → ∞) → (p = pmax)

H/D比 = 苗高/根本径 → 健苗の程度、特に地上部のつり合いをみる。70以上 = 枯損の危険 → 60以下に育苗
T/R率 = 地上部重量/地下部重量 → 根系発達程度(地上部と地下部のつり合い) → 値が小さいほど良苗

徒長: 苗陽光不足や窒素肥料過多、根切り不足等により枝葉が伸長し過ぎ、根とのつり合いがとれない苗木

[微生物の成長曲線]

成長曲線 (growth curve)


成長曲線が備えるべき条件(Shinozaki 1953)
  1. 生物系は均質閉鎖系
  2. 成長量y(重さ・長さ・個体数等) > 0 (real, continuous)
  3. 成長曲線は原則的には時間tに関する微分方程式で与えられる: f(y, t, …) = 1/y·(dy/dt)
  4. 成長を制限する条件が存在しない場合には生物は指数関数的に成長
  5. 有限条件下では成長する量yに上限
  6. 成長率1/y·y/dt < その生物特有の正値 (成長速度上限)
    -∞となることがある(= 絶滅)
    y → 0 → 1/y·dy/dt → -∞
  7. 有限条件下で理想的 → y := ロジスティック曲線 logistic curve 1/y·dy/dt = λ(1 - y/w) (λ: 成長係数, w: yの上限値)

成長曲線

N ≡ 成長パラメータ(Ex. 個体数)
t ≡ 時間
dN/dt ≡ 個体数増加速度(= 個体群成長)
0) 指数成長exponential growth
基本仮説: 資源 = ∞ (≠ 現実) - 生物が獲得する資源量は生物サイズに比例

N = f(t) → dN/dtN(t), N(t) = 現在のサイズ(= 仮定: 環境圧ゼロ)
dk(t)/dt = rk
これを満たす解はk(t) = k(0)rtである
N(t) = N(0)rtの両辺微分 → N'(t) = rtx(0), ここでx(0) = 1のときdk/dt = rk

1) ロジスティック成長 logistic growth
生活空間または資源: 有限 → R0, r: variable with density (単位面積あたりの個体数)

実際の個体数は等比級数的に増加し次第に、高密度で増殖が減少停止 = ロジスティック曲線

a) ミチェーリッヒ式 Mitscherlich equation
b) 単純ロジスティック式
指数成長からロジスティック式の導出 R0 = 1, r = 0 :→ N = K

環境収容量 carrying capacity of environment (飽和密度saturation density) ≡ K

logistic
密度 = 0 → R0 = 最大 maximum
密度 = KR0 = 1, r = 0
N = K(1 + Ke-λt) [単純ロジスティック式] ⇔ 1/N·dN/dt = λ(1 - N/K)

NKdx/dt → 0

c) Verhust-Pearlのロジスティック式
Verhust-Pearl dN/dt = (r - hN)N

h: Vershust-Pearl係数

r = b - d
bN = b0 - xN
dN = d0 + yn

bN: 密度Nの時の出生率
dN: 密度Nの時の死亡率

rmaxを単にrとする
r = bN - dN = 0 → 平衡状態
b0 - xN = d0 + yN
b0 - d0 = r = (x + y)N
r = (x + y)K
x + y = r/K

dN/dt = (bN - dN)N = {(b0 - xN) - (d0 + yN)}N

= {(b0 - d0) - (x + y)N}N … (1)

b0 - d0r
x + yh

= r - hN

(1)式変形: dN/dt = (r - r/K)N = rN{(K - N)/K}
→ 積分型: N = K/(1 + ea - rt), ea = (K - N0)/N0

n-K
Logistic式仮定
  • 個体加入はどのような密度でも1/Kだけ実現増加率を減少させる
  • rmax, K = constant
  • Nの変化と、それに対応するbNdNの変化に時間的ずれtime lagなし
    K = constant、時間的ずれがないことは現実的でなく、野外にこの仮定を当てはめることはできない。密度 = 0のときにrmaxとなるが、現実個体群ではある密度以下となると増殖不可能となる
Nの上限 = K
K = r/h
dN/dt = K(1 + ea-rt)
Pr.: 個体群が単位時間当たり一定数Aだけ増えると仮定

dN/dt = A (Aはある時刻tでその個体群中での出生数と死亡数の差)
この時の個体群増加率をrとすれば r = A/t
dN/dt = rt
密度効果density effectが無視してよいほど小さければ積分し、N = ertとなる。実際には個体数増加に連れ密度効果により増加率は減少する。そのときの個体数に比例した値だけ増加率が減少する(-hN)と仮定し、rr - hNと置き換えれば
dN/dt = (r - hN)t
となる。この式を積分するとN = k/(1 + ea-rt)となる

表. 篠崎の一般化ロジスティック式(穂積 1973): 成長係数(λ), 成長量(y)パラメータによって4つに分類
  1. 単純ロジスティック曲線: λ = constant, y = constant
  2. λ型ロジスティック曲線: λ = λ(t), y = constant
  3. y型ロジスティック曲線: λ = constant, y = y(t)
  4. λy型ロジスティック曲線: λ = λ(t), y = y(t)
自然界でこの仮定が成り立つか:
増加率rは常に一定 – 齢構成が安定 = 各々の齢での出生率と死亡率が一定
昆虫などの様に世代間が不連続の場合: 世代あたりの純増殖率R0とおいて
Nt = N0R0tから求める
世代が連続のときは
dN/dt = rn (r: constant) … (1) Nt = N0ert

er = λとする (λ: 有限増加率あるいは期間増加率 finite rate of increase)

growth

(1)式の積分型
(1/N)dN = rdt
lnN = rt + C
N = ert+C
ここでt = 0からの増加率を求める
lnNt = lnN0 + rt
lnR0 = ln1 + rT = rT
r = lnR0/T

d) ベルタランフィvon Bertalanffy成長式
水産学・林学でよく用いる
dx/dt = ax2/3 - bx

1つの解釈(右辺):
第1項 = 魚・林木表面積に比例した摂食または同化活動
第2項 = 体重に比例した呼吸消費

e) ゴンペルツ成長曲線式 Gompertz curve
dx/dt = axlog(B/x)

(Richards 1959)

リチャード関数 Richards equation
y = {x1-m - (x1-m - x01-m)e-K(1-m)t)}(1/1-m)

m = 0 ⇒ von Bertalanffy式
m = 1 ⇒ Gompertz式
m = 2 ⇒ logistic式

f) ギルピン-アヤラ Gilpin and Ayala (1973)の個体群増殖式
dx/dt = rx(1 – (x/K)a)/a
g) スミス(Smith 1963)の増殖速度に比例した抵抗を加えた式
dx/dt = rx(1 – x/Kbdx/dt)

個体群成長率 population growth rate, λ推定法

rate

SB: 1年目に付けた平均種子数
SA: 2年目につけた平均種子数
LX1: 最初の年の生存確率, LX2: 2年目の生存確率
PA: 一年生植物の最初の年の生存個体の比率
S: 種子数
NR1: 1年に繁殖しなかった古い植物個対数
NR2: 1年に繁殖した古い植物の個体数
ここからλを計算

(May 1976)

カオス caos

ne+1 = [1 + r(1 - ne/k]ne
ne+1 - ne = r(1 - ne/k)
  1. -1 < r < 0 → 絶滅
  2. 0 < r < 1
  3. 1 < r < 2
  4. 2 < r < 2.44: 周期2n (n > 2)
  5. 2.44 < r < 2.56 ex. r = 2.5 → 周期4
  6. r > 2.56 → caos
→ 予測決定論的なものへの挑戦(カタストロフィーとカオスの野外検証は困難) n-K

周期2の振動__________周期4

[ 樹幹解析 ]

生産生態学 (production ecology)


呼吸と光合成

呼吸 = 維持呼吸 + 構成呼吸
維持呼吸 maintenance respiration: 生命活動維持に使われる呼吸
構成呼吸 construction respireation (= 成長呼吸 growth respiration)

成長過程で組織・器官を構成するのに使われる呼吸

通常は、この両方が同時に進行する
1970 McCree: シロツメクサ (C3植物) → 呼吸速度(R)-総光合成速度(P)関係

R = γP + μW (CO2 g/m2/day)

γ: 成長呼吸係数 (0.25/day) ⇒ γP: 構成呼吸量
μ: 維持呼吸係数 (0.015/day) ⇒ μW: 維持呼吸量
W: 乾重(g/m2)をCO2 (g)に換算したもの

1971 Hesketh et al.: PdW/dt (バイオマス増加速度)に置き換える
1978 Kimura: キクイモ → γ = 0.18, μ = 0.07/day
1978 Yokoi (横井): アズキ幼植物(成長は主に使用内貯蔵物質による)

温度 (°C)    20      25      30
   γ           0.096 0.103 0.106
   μ           0.036 0.048 0.074

1988 Mariko: ヒマワリ水耕栽培 → γ, μ ⇒ 葉 > 茎 > 根
Def. 生産力 (生産性, productivity)
単位時間・単位面積当りの生産量 (yield/area/time): 農林学では1年が普通

生態系保全には独立栄養層確保が、肥沃な地域の形成及び保護のため必要 → 生産効率(エネルギー効率)を高める手法開発が具体的課題
Ex. 窒素固定能力を増す等の手法開発必要

潜在生産力 potential producitivity
Def. 生産量 production: 生産力から時間がなくなる

収量(収穫量) yield: 収穫した分量
立毛生産量 standing crop: 農作物収穫前の状態での生産量

Def. バイオマス biomass (= 現存量standing crop), B ≡ 生物量/単位面積

回転速度 turnover rate (回転率 turnover ratio) = Pn/B

質量比仮説 mass ratio hypothesis

群集内で高現存量種が生態系特性に影響 ↔ 例外多

Def. 総生産量 gross production, Pg = 植物の(光合成による)有機物生産量

= Pn + R   (呼吸量 respiration, R: 呼吸により失う有機物量)

Def. 純生産量 net production, Pn = PgR

= ΔB + (L + G)

ΔB = B2 - B1: 成長量(種子生産量含む) = 期間1-2での変化
G: 被食量
L: 枯死・排出量

現存量法(収穫法) harvest: 生産量(現存量)・損失量測定 → Pg, Pnを求める
Def. 一次生産量(植物生産量) primary productivity or porduction ≡ Pn

= 基礎生産 key production

Def. 二次生産量(消費者生産量) = 摂食量 - (呼吸量 + 排泄量)

同化有機物の一部はエネルギー源とし呼吸にまわされCO2や尿素・尿酸等の老廃物として排出される
動物(消費者)は他生物の有機物を同化し体内蓄積するが、一部有機物が不消化のまま排泄される

同化量 = 摂食量 – 不消化排出量

一段高次の栄養段階にある動物の捕食や、病気・事故による死亡で失われる個体も多く、ある栄養段階の消費者の成長量は次のようになる

成長量 = 生産量 – (被食量 + 死亡量)

⇒ エネルギー効率 (Ef) =

[その栄養段階の総生産量 (En)]/[前段階の生産量 (En – 1)]
各栄養段階のエネルギー効率は栄養段階が上がるごとに一般に高まる。高栄養段階の動物ほど感覚や運動能力において優れ捕食能力が大きく、利用しうるエネルギーを効率良く利用できる等の理由があげられる

物質生産 (dry) matter production

独立栄養生物(無機栄養生物) autotroph: 無機物 → 有機物 Ex. 光合成
従属栄養生物(有機栄養生物) heterotroph

光-光合成曲線: 昼14時間20 klux、夜10時間

層  相対       光強度  CO2吸収
      照度(%)  (klux)   量(mg/h)
 1    100          20             8
 2      37            7.4          3.2
 3      14            2.8          0.6
 4        5            1.0         -0.6
 5        1.8            0.36    -1.0

photosynthesis

葉100 cm2あたりCO2吸収量 =

8 + 3.2 + 0.6 – 0.6 – 1.0 = 10.2 mg/h

1日では昼間の見かけの光合成量から夜間の呼吸量を引く

10.2 (mg) × 14 (h) – 6 (mg) × 10 (h) = 82.8 mg

1 m2あたり(5層全部で) 82.8 × 102 = 8280 mg = 8.28 g
葉面積/m2あたり(1層あたり) = 8.28/5 = 1.66 CO2 g/m2/day

純同化率 = (見かけの光合成速度 – 根や葉の呼吸量)/葉の総面積
= [F(ar) – c·R]/F

F: 葉の総面積
a: 葉の単位面積あたり光合成速度
r: 葉の単位面積あたり呼吸速度
c: 根や茎の総重量
R: 根や茎の単位面積あたり呼吸速度

= (ar) – (C/FR

ar: 見かけの光合成量
(C/FR: 非光合成系呼吸量 → 大きいほど成長遅い → やがて同化限界

葉面積指数 = 単位面積あたりの総面積/単位面積

葉の重なりの密度を調べるのを目的とする。一般の樹木で3-7

吸光係数, k: I = I0e-k(n – 1) (≡ ランバート・ベーア式)

I: n番目の層の受ける光の強さ
I0: 第1層の受ける光の強さ

k: 葉傾き、配列、透過光等により決まる

Ex. 葉十分小さく、水平でランダムに分布、透過率ゼロ → k = 1

_____ イネ型____多くの植物__広葉で水平型
k =___0.3-0.5____中間_____0.7-1.5

生体量 ≡ (ある栄養段階の個体数) × (1個体重量)
S字状カーブ → 成長速度: 山形カーブ

同化(光合成) = 昼間 / 異化(呼吸) = 昼夜両方
6CO2 + 12H2O + 688 kcal → C6H12O6 + 6H2O + 6O2

光合成量 > 呼吸量    昼____________CO2吸収
光合成量 = 呼吸量    朝夕のある時刻
光合成量 < 呼吸量    夜____________CO2放出

(Monsi & Saeki 1953) ☛ 生産構造図

門司・佐伯モデル
光量鉛直変化 vs 個葉光合成曲線 ⇒ 群集生産速度
仮定: 外光(I0)に対する群集内任意高での水平照度(I')の相対値(I'/I0)と群集最上部からその高さまでの葉面積指数(F)間に f(F) = I'/I0 なる関係存在

Fの高さでの光の減衰率: limΔF→0(f(F) - f(F + ΔF)/(F - ΔF) = -I0f'(F)

透過光: 葉の光透過率 ≡ m
その高さで葉が受けた光量, I = -I0f'(F)/(1 - m)

I/I0 = f'(F)/(1 - m)

f(F) ≈ I'/I0 = e-kF (実験値) ≡ ランバート・ベーア則

上式は水平葉を過程: 水平面に対してα°で傾く葉 →
I'/I0 = cos2α·e-Fcosα +

cos2α1e[(-2F/π){cosα·sin-1(√((1 - u)/u)·cotα) + sinα√(u/(1 - u)·(-cot2α))}]du

u = sin2θ, θ = 光入射角

⇒ 自然界ではほぼ成立 (α ≠ 0 → ランバート・ベーア則不成立)
I/I0 = (ke-kF)/(1 - m)

個葉光-光合成曲線: p = bI/(1 + aI) … (1)    p = 葉光合成速度, a, b = 定数

p(F) = (bKI0e-kf)/{(1 - m) + kaI0e-kF}

群集光合成数学モデル(門司・佐伯の式): 葉群全体の光合成速度, P

P = 0Fp(F)dF = (b/ka)·ln[{(1 - m) + KaI0}/{(1 - m) + KaI0e-kF}] … (2)

I0: 日変動大(I0(t)で表せれば解決)。あるいは、(1)用い日積算値(I)と日光合成量(p)で計算 ⇒ (2)は総光合成量(総生産量)となる

Ps = P - rF

Ps = 日剰余生産surplus production速度

≡ 総光合成量 - 呼吸消費量 (各葉層)

r = 光合成系平均呼吸率

最適葉面積指数存在: Fo = 群集最下層葉が1日単位で光補償点にあるLAI

p = rとなるIまでのF
Fo = 1/k·ln[(kI0(b - ar))/(r(1 - m))] … (2)に代入
Psmax = (b/ka)ln[{(1 + akI0)/(1 - m)}/{(1 + ar)/(b - ar)}]

- (r/k)·ln[{kI0(b - ar)}/{r(1 - m)]

I0十分, k↓ ⇒ Fo↑, Psmax↑ (FoFmax or Fo < Fmax)

コジイ・イチイガシ林: a = A/(I'/I0) + B, b = C/(I'/I0) + D

P = (kCFI0)/{(1 - m) + kAI0} + {D/Bk - CI0/{(1 - m} + kAI0

ln[{(1 - m) + kAI0 + KBI0}/{(1 - m) + kAI0 + kBI0·e-kF}]
森林光合成速度推定可能(= 層別の光合成速度の積算)

(Boysen Jensen 1923, 門司・佐伯 1950)

物質生産過程

物質生産と再生産過程を基盤に、発芽・成長・開花・結実等の時期変化を調べ植物群落の動的性格を示す
一年生植物の生産過程
process

F: 光合成系  C: 非光合成系
Ps (総生産量) - CR (呼吸) = Pn (純生産量)

多年生植物の生産過程
process

G: 次年度に残った光合成系の部分
n: 非光合成系部分の枯死割合
ΔF, ΔG: 次年度新生部分
t: ある年

生態系の平衡

Def. 生態系内で生体量・種数・個体数が平衡に達した状態
一般に、生態系内NPPは増加から減少に転じ、やがてほぼ0
極相状態 → GPP上限 ⇒ GPP ≈ R (平衡状態)

⇒ 純生産量 = 0: 生体量、個体数はもちろん、共存種数さえ増加困難
NBP: 非生物的要因(撹乱)、生物的要因(病気、帰化種侵入等) ≠ 平衡

P: 生態系の総生産量    R: 生態系の総呼吸量(消費量)

生態系生産量、呼吸量 → 季節、天候等で変化

長期的傾向: P/R = 1 平衡状態 → 安定生態系 ⇔ P/R ≠ 1 変動

P/R > 1 生産的 → 発達 ⇔ P/R < 1 消費的 → 衰退

Ex.                     P/R > 1 農地(R ≈ 0.5) (g/m2/day)
Ex. P/R ≈ 1 沙漠(P, R = 0.2)-海岸(0.5)-湖(1)-沼(6)-草原(10)-森林(50)
Ex.                                                             P/R < 1 汚水(R = 20)

群集遷移: 初期 = P/R > 1 → 減少 → 極相 ≈ 1

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