(2023年11月2日更新) [ 日本語 | English ]
[研究史, 分布, 噴火噴出物 (テフラ , 溶岩), 火山地形, 各火山, 遷移]
火山学 volcanology: 火山、溶岩、マグマ等の地質学的現象を研究
火山 volcano: 地殻深部にあったマグマが水中を含む地表(近く)に移動しできる地形 火成活動: マグマ発生・移動を伴う現象全般マグマが地表に表れないもの含む(火山活動 ⊂ 火成活動) 火山活動 volcanic activity: 地下マグマや火山ガスが地表に達し、地上に放出される際に生じる動的作用
噴火現象 volcanic phenomenon: マグマが地表近くに達し起こる全現象 火山灰噴出・溶岩流出 + 温泉、変質、鉱化、火成岩体貫入等
噴気孔 fumarole: 噴気孔ガス fumarolic gas (=火山ガス)噴出する孔 前駆(先駆)地震: 活動噴火活動に先立って発生する地震活動 火山性地殻変動Vesvio Volcano (Rittmann 1936) 火山活動状態
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温泉 spa= 神湯、薬湯万葉集に5温泉詠まれる
日本三古湯 = 伊予の湯(道後) + 牟婁の湯(白浜) + 有間の湯(有馬) 火山活動に関係する温泉多
Ex. 登別 - 倶多楽火山 + 断層摩擦熱 Ex. フォッサマグナ帯 温泉・冷泉・鉱泉温泉: 地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(除, 炭化水素主成分とする天然ガス) (温泉法)
日本: > 25°C.合州国 > 21.1°C. ドイツ > 20°C 遊離CO2、総鉄イオン、水素イオン、ヨウ素、総硫黄、ラドン 冷泉 cold (mineral) spring: 低温度でも温泉と同様の療養効果成分を含む水鉱泉 mineral spring (or well): 地下から噴出し、療養効果成分含む温水 地中から湧出する温水・鉱水の泉水で、多量の固形物質、またはガス状物質、もしくは特殊物質を含むか、泉質が、源泉周囲年平均気温より常に著しく高い (温泉分析法指針)
泉温: 鉱泉が地上に湧出した時か採取時の温度 |
世界哲学も関連したりする欧州: ギリシア・ローマ時代-19世紀 (from Greek and Rome to 19th century in Europe)
水成説(論) vs 火成説(論), 隆起火口説 vs 堆積説 |
岩石学進歩: 偏光顕微鏡の発達。分類(Lowinson-Lessinp, 1897): e.g., ultra-basic, basic, neutral, acidic 日本1868:_____三原山・磐梯山等の噴火調査1892-1925: 濃美地震 - 震災予防調査会 小藤文次郎 - 日本の主火山調査 1926-1945: 各地の大学が開設 1946-:____ 昭和新山・三原山の大噴火 - 火山学会再建 こういうのは徐々に作るもの |
マグマの起源と物理的特性 origin and physical characteristics of magma Def. マグマ(岩漿) magma: 溶けた岩石 = [液相 + 固相 + 気相] の混合物 → マグマ溜りの存在推定 珪酸塩溶融体(45-75% SiO2) = 粘性 → 噴火現象・火山体の形決定 → 噴出時温度 = 900-1200°C (流体) 地質学的方法包有物の熱変成の受け方
低圧変成である
揮発性ガス噴出 → 軽い成分とガスの混合物噴出 → 重い成分のマグマ噴出 地球物理学的方法傾動観察 → 地殻変動図4.14. ハワイ火山観測所(HVO)における傾動変化 (Decker & Kinoshita 1971)。傾斜1 μrad(マイクロラジアン)の増加は山頂部の隆起約8 mmに相当する。● 山頂噴火、○ 山腹噴火 (人工)地震観測 アラスカ半島Katmai Volcanoでの観測 - P波減衰 アラスカ、カトマイ火山地域で地震波の解析から推定されたマグマ溜り(窪田・ベルグ 1967) 火山構造種々の火山モデルハワイ火山の推定断面図 マントル上部で生じたマグマが地下深所の通路に供給される。上昇したマグマは、地下数kmのマグマ溜りを充たし、山頂カルデラおよびリフトゾーンから流出する。数字は、地震波(P波)の速度 (km/sec)。 |
図2.1. 地震波速度からみた内部構造とマグマの移動経路をもとにしたマグマの移動・上昇過程概念図 マグマ粘性 velocity of magma粘性 viscocity: 流体の流動性の程度 ↔ 流動性1) シリカ(SiO2): 主にシリカ(SiO2)の割合により粘性は決まる
粘性: 玄武岩質マグマ < 安山岩質マグマ < デイサイトマグマ・流紋岩質マグマ
粘性測定法
ハワイの溶岩は温度下がっても粘性余りあがらない
● 昭和新山 (SiO2 70%) |
マグマの主な上昇地域とその原動力岩石の融点: 融点の異なる鉱物の混合物 ? 融点に幅ソリダス: 溶け始める温度 → [数百Kの幅] → リギダス: 溶けきる温度 → 日本の火山分布 活動中の火山: 現在800余(宇井1997) → 中新世 (Miocene) 以降で最も活発な活動は中央海嶺1. ホットスポット hotspot熱源 + 岩石組成 → 低密度岩石上昇流(マントルプルーム) → 火山活動(玄武岩質マグマ)表7.3. 地域別爆発指数(morphologic explosion index) (鈴木 1975)
Rittman
鈴木
地域 2. 島弧 island arc (ark)活動的大陸線 = 環太平洋域に世界の62%の火山(地震エネルギーの8割)島弧は爆発指数高い 沈降帯・島弧: 圧力解放 → 粘性摩擦発熱, → 揮発性成分供給(= 岩質多様) → 対流上昇
大陸地殻 = 沈降帯の火山活動による
マントルプルーム = 頭部 + 茎部 3. 大地溝帯 great rift valley(中央)海嶺: プレート拡大(= 圧力解放) → 補償( = 対流上昇) → 橄欖岩が減圧融解 → 玄武岩質マグマ海洋地殻 = 玄武岩質マグマ → 海水と反応し変成(含水鉱物を含む様になる) |
プレート拡大速度によらず海洋地殻は組成・厚さ一定 → マントル温度・組成が定な証拠 総マグマ生成率 = 21 km³/yr 図4.14. 弧状列島の地震学的横断面。○: 震源、▽: 地震観測点、Qs: S波によるQの値。横線部は推定される液体の薄い層。ScS, ScSpはいずれも地震波の種類を示す(岡田 1977) 火山帯 volcanic belt= 火山脈(旧) ☛ 世界 (distribution of active volcanoes in the world)Def. 火山が集中的に分布する帯状となる地域 日本 = 東日本火山帯 + 西日本火山帯 東日本火山帯: 太平洋プレートが日本列島へ沈み込みこむことに起因
= 千島 + 那須 + 鳥海 + 富士 + 乗鞍(御嶽) (現在使わない区分) = 大山(白山) + 霧島(琉球) (現在使わない区分) |
噴火活動: 火山噴火原動力 = マグマ中に溶け込む揮発性成分
マグマ性噴火 (magmatic eruption)炭酸飲料の栓を開けた時と同じ現象 = 地下深く高圧下でマグマに溶けた揮発成分が上昇に伴う圧力低下で解離 → 急激な体積膨張 → 噴火高流動性マグマ気泡移動しやすくマグマから容易に抜け出られ、マグマが爆発的に噴出することは稀高粘性マグマ気泡移動しにくく、特に地表付近で気泡濃集しマグマ液体部分を裁断する。この過程が連鎖的に進行すると爆発的噴火となり、爆発に伴い粉砕されたマグマ片が噴出するマグマ水蒸気爆発 (phreatomagmatic explosion)高温のマグマが地下水や浅海の海水に接触し、急激に気化し爆発
常温常圧下の水1 cm³は、1000°Cで約4500 cm³ → 急激に膨張 |
水蒸気爆発 (phreatic explosion)地下マグマ中水蒸気か地下水が熱せられ生じた水蒸気が蓄積し圧力を増し、水蒸気等の気体と火山体破片を爆発的に放出する現象 = 火山灰にマグマ本体の物質含まない→ マグマを地表に放出する通常噴火と異なり、激烈な爆発で山体崩壊を起こす可能性 図98. 重力場における流紋岩質マグマ中の水の平衡曲線。実線は水の飽和曲線、破線はそれぞれマグマ中の等水蒸気圧曲線を示す。ゴランソン(1937)の曹長石溶触媒体1000°Cの実験に基づいて(ケネディ 1955) |
陸上噴火図. 火山地形 0. 現在の地形で定義 (Schneider K 1911)→ 成因を考慮しない (死語化, 日本の観光地で見ることがある)トロイデ(鐘状火山), コニーデ(成層火山), アスピーテ(楯状火山), ホマーテ(臼状火山), ベロニーテ(火山岩尖), マール, カルデラ, ペジオニーテ(溶岩台地), ラピリ台地(火砕岩台地) → 形成過程異なるが侵食等により類似地形となることがある Ex. 成層火山だが侵食で平坦化した偽アスピーテ 1. 過去に噴火した火山名をつける理解し易いが人により注目項目異なる = 分類様々 (→ Table)2. 噴火の高さ・軽石等で分類a) 噴出物サイズ・物性等の組み合わせb) 噴出物の物性 i) 噴出物の物性 ii) 噴火の高さ 表6.1. 陸上火山の分類(体) (中村 1975 加筆) 単成火山(1輪廻火山): 一度の噴火で活動停止 中心火山
爆裂火口a explosion crater
火山灰丘ash cone (tuff cone)
溶岩流b lava flow, coulee 割目火山等
地割れ火口d eruption fissure 中心火山
成層火山a stratovolcano (composite volcano, Macdonald 1972) 割目火山等
溶岩台地1d lava plateau |
主な噴火形式アイスランド式 Icelandic = 玄武岩流 basaltic flood, basaltic flow 割目噴火: 玄武岩質マグマが直線状の割目の群から勢いよく短時間に大量噴出する 噴火 → 溶岩台地 Ex. デカン高原 → 氷床, 後氷期火山地帯, 広域割目火山, 中心噴火の火山(盾状火山・成層火山等)が見られるアイスランド後氷期火山(トラリンソン 1960): 中心火口余りなく割目噴 ハワイ式 (盾状火山) ハワイ島火山と歴史時代に流出した溶岩流が典型(マクドナルド 1955) Ex. ハワイ特徴: 中心火口からNE-SW方向と割目火口を通り麓から噴火 プリニー式_________________ブルカノ式______ストロンボリ式 → 成層火山、砕屑丘等 ブルカノ式 vulcanian: 火口に塞がる既存岩体を水蒸気圧で吹き飛ばす → マグマが直接噴火(非溶岩)。andesite等。1回の噴出量多く休止期長い
熱雲 glowing cloud (nuee ardente): 700-1000°C, 7-10 m/sec, 火山ガス、ガラス、岩石片等混合物。噴出物余り出現しない(Pelee, s.s.)
カルデラ caldera径 > 1 kmの火山性陥没地形 → 通常、爆発活動のみで形成不可 ↔ 火口 craterと区別侵食カルデラ: 普通の火山体 → 風化浸食で火口が大きく広がる Ex. 湯河原カルデラ(伊豆) 陥没カルデラ: 溶岩等大量噴出 → マグマ溜まり埋める形で地表山体陥没 Ex. 箱根カルデラ, 芦ノ湖 爆裂カルデラ(≈ 大火口): 山体の一部が吹き飛ばされU字型の窪地形成 Ex. 磐梯山 外輪山 caldera rim, somma: カルデラを縁取る環状の尾根中央火口丘: カルデラ内側に生じた新しい火山体 火口原 crater basin, caldera basin: 大火口・カルデラ内部で平坦になる所 水中噴火熱水噴出孔 hydrothermal vent: 地熱による熱水噴出する亀裂
数百度 + 強酸性
食物連鎖: 細菌が出発点 (陸上生態系と全く異なる) 1988 深海2000: 沖縄トラフ- 220度の噴出孔発見 |
(s.l.) 火砕物(pyloclastic matrial)が一団となり、主に重力により駆動され高速で地表を流下する現象 (s.s.) 高温の本質火砕物質とガスの混合物の高速流 → 火山灰流、軽石流、岩滓流、熱雲を含む 火山灰流(灰流) ash flow: 固形物質の50%以上が火山灰 軽石流 pumice flow: 軽石塊多。石英安山岩-流紋岩質のも多く、中-大規模火砕流であることが多い 岩滓流 scoria flow: 岩滓多。安山岩-石英安山岩質のもの多く,中規模火砕流であることが多い 熱雲 glowing cloud, glowing avalanche, nuee ardente: 比較的低発泡度の本質火山物質からなる小規模火砕流
Ex. 浅間山1783年(天明3年)噴出物: 熱雲 + 他の火砕流 → 溶岩流 (荒牧 1968) |
Ex. フィリピンピナツボ山1991.6.15: 12 km離れたモラザとビラール集落 → 火砕流(+ 泥流)で完全に埋まる 火砕サージ surge: 火砕流流送に伴なう活発な乱流により発生火砕流本体から離れ先端部の本体表面を包む → より気体に富み見かけ密度と粘性の低い流れ 火砕流本体より広がり薄く細粒の火砕物を堆積 火砕流のタイププレー型熱雲________________________スフリエール型熱雲大規模な軽石流・火山灰流 |
山体崩壊と岩屑雪崩山体崩壊Ex. セントヘレンズ山1980: 大規模地滑りで山頂部を含む3 km³崩れ落ちる = 岩屑雪崩Ex. 雲仙普賢岳1792: マグニチュード5クラスの直下型地震が引き金となり眉山溶岩ドームの一部崩落 Ex. 磐梯山
岩屑雪崩堆積物従来、泥流堆積物と識別不可 - 以下の2岩相から構成されることで識別可 |
岩屑ブロック: 山体崩壊により供給源から地滑り運動によって運ばれてきた火山体の破片 水分を含んだ泥物質または火砕物が斜面を流下する現象 火山泥流: 火砕物流下現象 (laharはJava火山帯で呼ばれる言葉) 表. 火山泥流発生原因 (Modified after Blong 1984) A. 火山活動に伴って発生する一次泥流
水蒸気爆発と火山泥流 |
噴火階級 eruption scale = 強度 intensityと規模 magnitude 規模 magnitude: 噴出マグマの体積(重量) 火山爆発指数 volcanic explosivity index, VEI: レベル = 0-8に区分
噴出テフラ総量(m³)、噴煙柱高(km)、記載等データ(噴火タイプや継続時間等)を総合し決定
噴出マグマ総重量による区分 → VEIを溶岩噴出にも拡張したもの |
強度 intensity: 単位時間あたりに噴出したマグマ量 激度 violence: 爆発時の圧力、または噴出物の初速 散布力 dispersal: 噴出物が飛散した面積 破壊力 destructibility: 破壊された面積 死者数 body count
→ 独立のパラメータではない = 互いに関係をもつ _____降灰厚さ 多量: > 1 mm 【外出控える・運転控える】 やや多量: 0.1 mm - 1 mm 【マスク等で防護。徐行運転】 少量: < 0.1mm 【窓閉める。フロントガラス除灰】 |
1. 火山ガス(噴火口ガス) volcanic gas地表に噴出されるマグマ中の揮発成分二次的に空気の混入のある場合を除くと、火山ガス中にはO2、SO3は検出されない 2. 溶岩 lava溶岩化学組成。主にシリカ(SiO2)の割合により粘性は決まる。粘性は左から右に向かって高くなる
岩石名 玄武岩* 玄武岩 安山岩 石英安山岩 流紋岩 a. パホイホイ溶岩 pahoehoe lava= 縄状溶岩 ropy lava: 溶岩流中粘性最低 - 溶岩気泡殆ど球状= 表面が太い縄を束ねた様な形で固まっている溶岩 Ex. 富士山、三原山 → 溶岩トンネル → プレッシャーリッジ: 溶岩流表面殻が周りより1-5 m押し上げられできた丘。割目から2次的溶岩流出が見られることもある(パホイホイ溶岩に多)
伊豆大島三原山 1777-78年安永溶岩 b. アア溶岩 aa lava
クリンカで表面を覆われた玄武岩溶岩 - 揮発性成分多く持つマグマが噴出する噴火初期に形成多 溶岩ローブ lava lobe: アア溶岩から派生した樹枝状地形。特徴的構造を持つ沢山の割目
塊状溶岩(比較的連続性に富むもの) c. 塊状溶岩 block lava噴出時粘性はアアより大 → 表面は早く固結するが内部は暫く流動 塊状溶岩(破砕度の大きいもの)図5.5. 溶岩流の内部構造を示す模式図(Macdonald 1972) 溶岩流中の気泡流: 溶岩流の流れる方向に向く = 溶岩の通過路が分かる ビスコス溶岩流 viscus lavaflow: 流理構造や含まれる岩飼塊の流れた方向が分かる |
水中溶岩 (枕状溶岩 pillow lava): 陸上との形状差に注目
周辺にある水の冷却効果 → 独特の構造発達 急冷却が顕著 = 放射状接合存在 ハイアロクラスタイト: ガラス質の細片 → 楕円体と楕円体の間 水中自破砕溶岩: 割目に水侵入 → 爆発的破砕 図5.7. 水中溶岩流
d. 円頂丘 dome (lava dome)3. 火山砕屑物(火砕物) (pyroclastic materials)火山活動により地表に放出された破片状の全ての固体物質 (火山学, pyroclastic material, pyroclastics)砕屑物質が火山活動によるもの (一般的な意味, volcanoclastic material) テフラ tephra 噴火により空中を飛行し地表に堆積した全ての火山砕屑物 (Wentworth et al. 1932) 分類
火山岩塊 block________> 64 mm d (or > 32)
軽石(浮石) pumice: シリカ・ガス成分多 = 発泡・淡色 火山弾 volcanic bomb: マグマの飛沫が跳ね飛ばされ落下したもの
紡錘状火山弾: 空中で冷え紡錘状となる
牛糞状火山弾: 固結せず落下し衝撃で潰れた
Ex. 有珠山: 大型低気圧通過に伴う噴出物堆積パターン変化 → 上空と地上で風向異なる |
テフラ tephra: 短時間に広範囲分布。個々に特徴もち識別同定比較的容易。直接・間接に年代測定対象となる
過去の時間・空間の良い指標(遺物、遺構、地層、地形等の新旧関係や年代同定に応用) 示標テフラ: 既に噴出年代が明らかにされたテフラ火山ガラス・遊離結晶等のテフラ粒子特徴、鉱物組成、屈折率等 → 露頭・遺跡土層断面テフラを比較同定 鍵層: 短時間に堆積し、かつ、他の層と比べ特徴のある岩相を示す層Ex. 火山灰層・化石層 1971 Smith W: Low of superposition1944 Thorarinsson S: テフロクロノロジー提唱
火山砕屑物、特に降下火山砕屑に基づく編年のこと
支笏火山噴出物 + 美々貝塚 |
日本: 第四紀後期テフラ層は数百枚ある
広域テフラ: 日本列島の大部分(各地方)を覆うテフラ。10層以上 |
北海道のテフラ北海道の地表を覆うテフラとその特徴 (奥村 1991)
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表. 支笏湖火山噴出物層序(Minato et al. 1972)。砂質ローム: 雑多な性質示すが、火山噴出物の様に風化すると思えず、レス(黄土, s.l.)型地層。風成岩の一種
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陸上噴火爆裂火口 explosion crater: 爆発的火山活動によって生じた火口成層火山 stratovolcano: 山頂火口からの溶岩流出と火山砕屑物の放出が交互に行われ、積み重なり形成 溶岩ドーム (溶岩円頂丘) lava dome, tholoid: 高粘性溶岩マグマが地表付近まで上昇 → 急傾斜側面持つ丘状地形形成 溶岩が地表に出現 → 溶岩流 潜在溶岩ドーム(潜在溶岩円頂丘): 溶岩自体は地表に現れていない楯状火山 shield volcano: 低粘性溶岩 → 緩やかな傾斜の火山 Ex. ハワイのマウナロア 溶岩台地 lava plateau: 極流動性(極低粘性)溶岩流出のみ→ 平坦な台地形成 Ex. インド、デカン高原 |
マール maar: 水蒸気爆発火口 → 噴出物火口周辺に堆積(丘形成ない) 砕屑丘(火砕丘): 爆発噴出物が火口周辺に多量に堆積 → スコリア丘、軽石丘、火山灰丘 Ex. 向山(伊豆新島) 火山性湖火口湖 crater lake: 火口に水がたまる Ex. 御岳二ノ池、三ノ池カルデラ湖 caldera lake: カルデラに水がたまる Ex. 摩周湖・洞爺湖 火口原湖: カルデラの一部に水がたまる マール湖: マールに水がたまる 堰止湖: 噴出溶岩や山体崩壊 - 河川等堰止められ形成 Ex..中善寺湖・新山沼 |
マグマが地表面へ出たもの = 主に溶岩流として放出
地塁と地溝地溝 (地溝帯, リフト) graben, rift: ほぼ平行に位置する断層に区切られ、峡谷の形状をなす地塊および地形 → 正断層地塁 horst: 沈降せず山地・台地となった部分 溶岩流 (lava flow)マグマが火口から粘性流体とし噴出し固結した時、その最大厚さ(T)を長さ(l)で割った比(アスペクト比, T/l) < 1/8となるもの噴出時溶岩温度 = 800-1200°C程度 溶岩ドーム(溶岩円頂丘): アスペクト比 > 1/8溶岩地形 (lava topography)溶岩トンネル (溶岩洞/洞窟、溶岩チューブ) lava tunnel (風穴 wind cave, s.l.)溶岩表面冷却 = 固結溶岩 → (内部)玄武岩性溶岩: 低熱伝導伝 → 下は長時間溶融状態溶岩が流動 固結表皮残し内部溶岩流れ去る → 跡に空洞生じ溶岩流(lava flow)に沿いトンネル形成 (パホイホイ溶岩に多) トンネル天井溶岩崩れると深竪穴(天窓, スカイライト)ができたりする 風穴、氷穴等は、溶岩トンネルに成因を持ち、トンネル内の状態でそれぞれに呼ばれる。ただし、風穴の成因が火山活動とは限らない。 古くから、作物種子、蚕卵の貯蔵に使用青木ヶ原溶岩に21 → 富士山溶岩中最多 地学的観点から国指定天然記念物となっている風穴が多い 富士風穴、富岳風穴、竜宮風穴、万野風穴、本栖風穴、駒門風穴 累石風穴 (風穴, s.s.): 溶岩岩塊や岩屑が堆積し、岩塊や岩屑の小さな隙間から夏季でも冷風噴き出す。地形的には崖錐末端にあたる斜面脚部(山裾)、特に日射量が少ない北-東斜面脚部に発達する。これに応じ植物群集が局所的に特殊になる。道外では、福島県中山風穴、秋田県長走風穴の国指定天然記念物を筆頭に、大半が貴重な「風穴植生」として保護される |
低粘性(=高流動性)玄武岩質溶岩に空洞でき天井から滴り溶岩氷柱形成 溶岩石筍 lava stalagmite: 滴った溶岩が空洞床に積重なり形成。綺麗に重なると塔の様に見える スパイラクル(水蒸気噴気孔) spiracle: 岩中に上に向かい開いたラッパ状の竪穴型爆発孔 [樹林帯等に溶岩流流れる → 噴気孔を形成したスパイラクル] 溶岩が生木を包み込み急冷し、非結晶ガラス質を含む細結晶の緻密な固殻(クラスト)・急冷周縁相(チルドマージン)を作り、樹型殻に囲まれ形が残る
溶岩樹型型スパイラクル(溶岩樹型型溶岩水蒸気噴気孔) tree mold lava spiracle: 樹型殻部 ≤ 30% 溶岩樹型分類: 井戸型・石柱型・傾斜型・横臥型・流木型・不動岩型・管状型等様々 スパッターコーン(ホルニト) sputtered-cone: 溶岩流内部の溶融状態溶岩が火山ガスと共に千切れ噴出 → 破片堆積し生じた丘溶岩塚 lava tumulus: (パホイホイ)溶岩流表面部分が固まっても、内部はパイプ状になっており、末端付近の表面が押し上げられる作用により楕円状やドーム状の形を示す小丘となったもの。溶岩流が緩慢に流れる時、溶岩が次々と殻の下に流込み、表面殻を持ち上げたりすることで形成 |
三島溶岩三島: 玄武岩 → 石材利用(昔) = 三島石 (小浜石)楽寿園内至る所に見られる岩 → 14000年前の富士山噴火で流出した溶岩
富士山から南へ流下した溶岩流は流動性高く約40 km下の三島まで到達し固結 楽寿園 (国指定天然記念物・名勝)6万m²に及ぶ楽寿園は、小浜池を中心とする富士山の基底溶岩流の末端にある熔岩地形と、その溶岩中から数ヶ所にわたって地下水が湧出している現象が天然記念物指定された。あわせて特殊地形・地質に人工を加え生み出された固有の美観が、名勝として指定された。しかし、昭和30年代から環境変化の激しい国土の中で湧水現象が変化しつつあり、現在その方策を検討中である。 明治23年(1890)に小松宮彰仁王別邸がここに築かれ、明治44年李王世殿下の別邸、昭和に入って個人所有となったが、昭和27年(1952)三島市立公園「楽寿園」として市民に公開された (平成9年11月 三島市教育委員会) |
鞍馬燈籠鞍馬岩石ででき、鉄分多く含み酸化が激しい。鞍馬石の燈籠では日本でも最大級のもので昭和27 (1952)年当時、このあたりの土地1300坪100万円相当の価格に評価されたらしい愛染院跡の溶岩塚 lava tumulus三島溶岩は粘性の低い玄武岩質溶岩で、富士山から約40 km流下してきたものである。愛染院跡には、この繰り返しによって、溶岩堆積がいっそう強まり、小高い溶岩塚が形成された。この溶岩塚は三島溶岩流の末端であること、また岩石や火山活動の研究に貴重であることから指定して保存を図ることになった。 愛染院は、室町時代に三島神社別当職を勤めたともいわれ旧市内随一の大寺院と推定され、当時その愛染院庭園の一部といわれるが確証はない (平成8年2月 三島市教育委員会, 市指定天然記念物) (09-11-18 楽寿園) |
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