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(2023年10月2日更新) [ 日本語 | English ]

地質年代 (Geological timescale)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

(Minato 1953, Ijiri 1956)

古生物学 (paleontology)

  1. 生物自身を理解し動植物や無機的環境に生物が及ぼす影響を知るため、古生物生活様式を明らかにする
  2. 古生物や古生物群集の存続をもたらした地質時代の様々な生物や群集全体の生活条件を復元する

→ 研究材料は生物化石でありその化石を含んだ岩石である化石化の問題(塚田 1974)
斉一観説 uniformitarianism theory: 現代と地質時代の自然現象が同じ作用で一様に行われるという仮定

個体古生態学
群集古生態学(biocoenoses - thanatocoenoses)

問題点 1: 堆積現場付近の現生生物群集の定量. 2: 堆積物中(湖底や海底表面泥土)の遺骸群集の統計. 3: 調査結果の統計学的信頼性. 4: 堆積速度. 5: 採集地点環境測定

古植物学 (paleobotany)

19 c: ヨーロッパ(ドイツ)で発展 → 後期にほぼ古植物学として確立
20 c初期: 顕微鏡技術発達 + 薄層切片技術発達 → 日本に古植物学伝わる 目的: 古植物学 = 植物学 + 地質学
  1. 植物相、分布、植生とその遷移
  2. 古生態と古環境の解析
  3. 分類と系統 → 背景: プレートテクトニクス

[| 年代学 | 化石 fossil | 大絶滅 |P 国際年代層序表 ]

索引
主な課題
  1. プレカンブリア紀 = 生命誕生
  2. 初期陸上植物 = 陸上植物進化
  3. 種子植物進化(特に被子植物)
植物進化と動物進化は同時に起こるわけではない。植物の方が動物よりも若干早く変化することが多い

古生態学 (paleoecology)

生物 ⇔ 環境: 生物が生きた時代復元

様々な要因に分け分類し複合形成する。特に制限要因を調べるのが方法的に簡明
Ex. 貝化石化: 砂(土)上に生存する貝(表棲者)より、砂中生存貝(内棲者)の方が化石化しやすい

制限要因 limiting factor

物理的 physical / 化学的 chemical / 生物的 biological + 社会的 social
Ex. シジミガイ - 汽水域に住む
Ex. カキ Ostrea (Devonian) - sessile benthos: 種により塩濃度選好性が異なる
環境適応性 → 示相 phase を得る
古生態学では、仮定の上にたつ仮定が数多く存在する 環境勾配 environmental gradient

種数変化 / 個体数変化 / 種構成変化
種多様性 species diversity: 中間的群集が最も多様(中規模仮説)

年代学 (chronology)


通常、相対・絶対年代relative and absolute ageを上手に結合し年代判定
  1. 理化学分析をしサンプルそのものの年代を求める方法
  2. サンプルを発見した環境の年代を理化学分析によって求める方法
  3. サンプルの様相からの編年による方法

→ 相対年代では満足できないものがあるのでabsolute rate併用

絶対年代absolute rate

数字で表わされる年代
1. 年輪年代学 dendrochronology
2. 放射性物質半減期: 質量分析器mass spectrometerで測定 a. 炭素年代測定 carbon dating, 14C年代測定carbon 14 dating, radio carbon 14C: 半減期5560(5730)年
14C空気中含有量一定時は正確 ↔ 気候変化で14C比率変化 = 誤差
AMS法 (accelerator mass spectrometry, 加速器質量分析)

1970年代末: 加速器でC14を直接数えるAMS法提案
1 mg程度の試料量で30-60分で測定可能となる
6万年前まで測定

b. カリウム(ポタシウム)・アルゴン法: K鉱物分布広く広範に使用可

放射性元素半減期利用し、百万-数億年程度の年代確認可能
溶岩年代測定に極めて有効 (他 ⇒ )

c. フィッション・トラック法fission-track (fission = 原子核分裂 / track = 分裂時2分した核破片が飛び散った飛跡)

地層が含む岩石中放射性元素核分裂利用 - 地層形成絶対時代を測定
飛跡出来ると同時に周囲原子の電子が反発しあい更に大きな傷跡 → 全鉱物が幾らか含むウラン(U235:U238 = 0.7:99.3)は、その鉱物生成後一定で核分裂しフィッション・トラック残し、傷跡多い程年代経過。高精度で500-1500(2000)万年前の人類遺跡・火山灰年代が測定可能となる

. 放射性物質半減期利用した絶対年代測定(精度・確度年々上がる)

方法 (測定基礎放射性崩壊系列, 半減期 yr) 測定同位元素 = 適用可能年代
U-Pb法 (92U23882Pb206, 4.51×109), (U235→Pb207, 7.13×108), (90Th232 → Pb208 1.41 × 1010), U238, Pb206 = 107-1011
Pb-Pb法 (同上), Pb206, Pb207 = 107-1011
Rb-Sr法 (37Rb8738Sr87 4.8×1010), Rb87, Sr87 = 108-1012
K-Ar法 (19K4018Ar40 1.26×109), K40, Ar40 = 105-1010
C14 (6C147N14), C14 = 6×104-現在

暦年較正: δ13C同位体分別後のBP年代で較正必要な場合
  • データベース較正
    < 12000BP: オーク、セコイア、モミの年代明確な年輪の14C年代測定値
    ⇒ Database: IntCal13(北半球), SHCal13(南半球), Marine13(海洋)
  • 確率法 high-probability density range method
アイソクロン法 (等時線, isochron): 系が閉じてから経過年後の親核種と娘核種の含有量関係は直線

全岩アイソクロン法
鉱物アイソクロン法

3. 熱蛍光法(thermoluminescence, TL法):
石英はある温度に達すると熱蛍光発生
TL強度 → 石英晶出時か加熱に強度リセットされた時以降、周辺環境から受けた放射線量(天然蓄積線量)

年間放射線量一定(仮定)
石英晶出又は加熱時以降年数 = [TL年代値 = 天然蓄積線量/年間線量]

天然蓄積線量は、人工的に放射線を石英に付加し得た放射線量とTL強度の関係式から逆算
年間線量は堆積物中放射性元素のU, トリウム, K含有量、含水比、及び宇宙線から算定

土器等、放射性炭素年代測定法が利用できない場合によく利用
河川堆積物等へ応用

4. 電子スピン共鳴法(electron spin resonance, ESR): 不対電子検出する分光法の一種 → 物質中不対電子濃度がESR信号強度として認識
ESR信号強度は、物質生成時または加熱等により強度がリセットされた時以降、周辺環境から受けた放射線量(総被曝線量)と相関

放射線年間線量一定(仮定) ⇒ [ESR年代値 = 総被曝線量/年間線量]
総被曝線量は、人工的に放射線を試料に付加し得た放射線量とESR信号強度の関係式から逆算される
年間線量は堆積物中放射性元素のU, Th, K含有量、含水比、宇宙線から算定

5. 古地磁気(層序)法: 過去地磁気読取り、既知地磁気の特徴的変動と照合
地質学的時間では、磁北は様々な規模・周期で変動(時にN極が南極側指す)。堆積物中にマグネタイト磁性鉱物含まれ、ある一定温度以下で、その時の磁北を示したまま固化したり、鉱物微粒子が堆積時に当時の磁北に向き定方向に配列(残留磁化)
→ 地磁気変動捉えれば地層年代推定可能
堆積層残留磁化方向測定 - 方位明らかな定方位試料である必要

弥生時代中期以降2000年は地磁気永年変化判明し照合可能

堆積年代推定法

泥炭層堆積に要した年数を推定 → 湿原の歴史わかる
  1. 14C測定: 出土材に含まれるものを測定
  2. 火山灰層見つけ噴出年代を特定 = tephrochlonology
  3. 堆積した(針葉樹)年輪測定 = 年輪年代学 dendrochronology
  4. 花粉分析 = pollen analysis

(era)


様々な年代区分法があるが、生態学で使うにはこれかな、という部分を書き抜く。-zoicの形でわかるよう動物進化を基準に区分。当然、各地質時代期間は、研究者により算定異なる

区分 「代 era」 > 「紀period」 > 「世 epoch (続 series)」 > 「


隠生代* Cryptozoic time = 冥王代 + 始生代 + 原生代

地球誕生(4.6 Bya)-可視生物出現(0.542 Bya)
= 先カンブリア代 (precambrian)

冥王代* Hadean 地球誕生-38億年前

岩石(殆ど)残っていない - 月による研究

始生代* Archaean (太古代 Arcaheozoic) 38億-25億年前

Corycium (最古化石)

原生代* Proterozoic 25億-5億4200万年前

最古無脊椎動物群・生痕


顕生代 Phanerozoic time = 古生代 + 中生代 + 新生代
古生代 Paleozoic 5億4400万-2億5000万年前
古生層土壌 (古生代堆積層)

母材: 礫・砂・泥岩等、固結堆積岩の互層
上層粒径により性質異なり傾斜地に多く分布し侵食防止必要

カンブリア紀 Cambrian (0.542-0.4883 Bya)
オルドビス紀 (0.4883-0.4437 Bya)
シルル紀 (0.5883-0.416 Bya)
デボン紀 (0.416-0.367 Bya)
石炭紀 (0.367-0.289 Bya)
ペルム紀 (0.29-0.251 Bya)
中生代 Mesozoic 2億5000万-6500万年前
中生層土壌 (中生代堆積層)
三畳紀 Triassic (0.251-0.195 Bya)

母材: 礫・砂・泥岩の互層 (固結堆積岩, 地力保全基本調査分類)

ジュラ紀 Jurassic (0.195-0.135 Bya)
白亜紀 Cretaceous (0.14-0.065 Bya)
新生代 Cainozoic (6500万年前-現代)
第三紀 Tertiary = 古第三紀 + 新第三紀
第三紀層土壌 (第三紀堆積層)

母材: 礫・砂・泥岩の互層 (半固結堆積岩, 地力保全基本調査分類)
母材風化したものは有機物含量少なく保水力低

第四紀 Quaternary
第四紀洪積土 (洪積世堆積土)

礫・砂・粘土層等互層で一般に砂層多い。母材は非固結堆積岩

第四紀沖積土

水に運ばれ堆積(水積)した母材(非固結堆積岩)が土壌化
河成沖積土: 壌質-粘質 (多くは水田)
湖成沖積土: 泥炭・黒泥土存在
海成沖積土: 海岸平野部に堆積 (低地は水田、帯状高所は畑利用)

植物変遷を基準とした代区分 (ないわけではないようだ)
古植代 Paleophytic era: 先カンブリア紀-二畳紀前半 - 隠花植物が大勢
中植代 Mesophytic era: 二畳紀前半-白亜紀中期 - 裸子植物全盛
新植代 Neophytic era: 白亜紀中期-現代

一般に植物組成の変化は動物に先行して起こるので、植物による区分は動物による区分に先行する

隠生代 (Cryptozoic)


= 先カンブリア代 (46億-5.4億年前)
= 原生代 (Proterozoic)・始生代(太古代) (Arcaheozoic)・冥王代 Hadean

冥王代 (創成時代) Hadean 46-40 Bya

始生代 Arcaheozoic > 25億年

Def. 始生界: 始生代に形成された地層

火山岩類多 → 地殻変動(複数回) → 変成岩(Ex. 結晶片岩)

原生代地層と共に世界各地の楯状地に分布

30-35億年: バクテリア (菌類・藍藻様化石) - 酸化生成物

原生代 Proterozoic 25億-5.42億年前

日本最古地層: 飛騨外縁帯オルドビス紀 → コノドン化石発見(無顎類)
岩石: 花崗片麻岩(正片麻岩)岩体 (島根県津和野町) (木村他 2019)

25億年前貫入・固結 → 18.3億年前変成作用
(それまで)上麻生礫岩中の礫が20.5億年前(堆積したのはジュラ紀)

全球凍結仮説 (hypothesis of snowball Earth)
Def. 全球凍結: 赤道を含む全表面が凍結した状態の地球
原生代: 複数回(少なくとも3回)あった
  1. 大陸分裂: 海岸線増し河川活動↑
  2. 海中Ca2+濃度↑ ∵ 河川が岩石削り海中Ca2+濃度↑
  3. 温室効果↓: Ca2+がCO2と結合し地中に取り込まれ温室効果↓
⇒ 大規模火山活動があると全球凍結解除
生物は火山活動の盛んな地熱の高い地域で生き延びた(仮説)

1回目: 24-22億年前 → 凍結解除後に真核生物出現
2/3回目: 7億、6億年前 → 多細胞生物出現

エディアカラ生物群 the Ediacara (or Ediacaran) biota

化石

古生代 (Paleozoic)


石灰・石灰岩

カンブリア紀 Cambrian 545-505 Mya

三葉虫類 [温暖化]

Archaeocyathus (古杯類), Redlichia (三葉虫), Paradoxides (三葉虫)

三葉虫類から: Olenellian(前期) - Paradoxidian(中期) - Olenidian(後期)

シルル(シルリア, 志留利亜)紀 Silurian 588-416 Mya

= オルドビス紀 + ゴトランド紀
オルドビス紀 Ordovician 588.3-443.7 Mya
Orthoceras, Didymograptus
最古の魚筆石類・オウム貝類 [温暖]
Tremadocian (Gasconadian) 485.4-477.7 Mya
Arenig (Arenigian) 477.7-470 Mya
Llandeilian 466-460.9
Caradocian 460.9-449.5 Mya
Ashgillian 449.5-443.7 Mya
カレドニア造山運動 (Caledonian orogeny): シルル紀終期-デボン紀初

= 3大陸(ローレンシア、バルティカ、アバロニア)衝突

現アパラチア山脈: 石炭紀地向斜堆積物供給源 = 大西洋側
ノルウェー・スコットランド: 〃 = 西方

⇒ 北大西洋大陸: 当時は大西洋に大陸存在

ゴトランド紀 Gotlandian 444-416 Mya

シルル(シルリア, 志留利亜)紀 Silurian

= ゴトランド紀 Gotlandian + オルドビス紀 Ordovician
ゴトランド紀 Gotlandian 4.4370-4.1600 Bya
Monograptus, Psilophyton
最古陸生植物(4億年前 = 植物上陸)
筆石類・三葉虫類衰退
Ludlovian Downtonian
Wenlockian Salopian
Llandoverian Valentian

デボン紀 Devonian (4.16-3.67 Bya)

Halysites, Leptanea, Megalodon, Phacops, Cephalaspis, Ichtyostega
魚の時代
サンゴ類カブトウオ出現
堅頭類出現最古の森林[温暖 → 寒冷化]
造山運動
Gedinnian(Lochkovian, Helderbergian) ゲジニアン 416.0–411.2 Mya
Coblenzian
Eiferian 393.3-387.7 Mya
Givetian: 387.7-382.7 Mya: 北上山地根茂田帯根茂田コンプレックス
Frasnian: 382.7-372.2 Mya: 岩手県大船渡市日頃市町長安寺
Famennian 372.2-358.9 Mya: 旧赤砂岩 old red sandstone、大量絶滅
デボン紀フローラ
= 陸上植物繁栄 デボン紀堆積物
海成層 s.l. ⇔ 陸成層: 古生代赤色岩中に化石出現
デボン紀化石分布: デボン紀上部と下部では大きな違い
Psyilophyton出現は速い → Lycopsida, Pteridospermsシダ状種子植物, およびArticulatae繁栄
デボン紀下部 Lower Devonian: Psylophyton
1859 カナダ東部デボン紀下部
1917 Rhynia含む化石群 – 樹高1 mでapical sporangia有するが葉がない
デボン紀上部 Upper Devonian
Rhynia, Psilophyton: シーゲニアン Siegenian (411-407 mya)
Rhacophyton, Sphenopteris: デボン紀末期

石炭紀 Carboniferous 367-289 Mya

日本 北海道石炭分布 ≠ 石炭紀
Stenodictya, 昆虫類爬虫類出現, 主要石炭生成(化石)

北米を元に細区分
Pennsylvanian ペンシルベニア紀 (石炭紀後半)

Moscovian: Desmatodon, [陸地高温多湿]
Kasimovian
Gzhelian ≈ Stephanian

--- 3億2300万年前 ---
Mississippian (前半)

Tournaisian: Productus
Viséan: Zaphrenis, 紡錘虫類・サンゴ類
Serpukhovian ≈ Namurian: Lepidodendron, 造山運動
Bashkirian

Dinantian 359-326 Mya (欧州を元に細区分)
Silesian 326-299 Mya

Namurian 331-319 Mya
Westphalian 315-307 Mya
Stephanian 307.5-299 Mya

二畳紀 (ペルム紀) Permian 2.9-2.51 Bya

植物、両生類・爬虫類(巨大)
フズリナ (Yabeina), Eryops, Seymouria, Gigantopteris
稜角石類・紡錘虫類発展。三葉虫理・四射サンゴ等古生代生物衰退
[気候激変] 氷河発達(南半球)
Cisuralian 3.0-2.73 Bya

Asselian 299-294 Mya Sakamarian 294-290 Mya
Artinskian 290-284 Mya
Kungurian 284-273 Mya: Rotliegendes (赤底統)

Guadalupian 2.73-2.59 Bya

Roadian 273-267 Mya Wordian 267-264 Mya
Capitanian 264-260 Mya

Lopingian 2.59-2.51 Bya (欧州を元に細区分) (☛ P/T境界)

Wuchiapingian 269-254 Mya

Zechstein (苦灰統): 新赤砂岩 New Red Sandstone

= Changhsingian + Wuchiapingian

Changhsingian 254-252 Mya

Lower Permian
図. 下部二畳紀植物分布。□ アンガラ植物群 Angara flora, [●ヨーロッパ Europe, △ 北米 North America] = 欧米植物群 Euramerica flora, ▲ カタイシア植物群 Cathaysia flora (東部アメリカを含む), ○ ゴンドワナ植物群 Gondwana flora
石炭紀上部からTriassic下部にかけては化石が、時間的にも空間的にも連続し産出する

化石

中生代 (Mesozoic)


三畳紀 (トリアス紀) Triassic 251-195 Mya

フローラ ≈ デボン紀 (+ 砂漠形成 → 拡大)、テーチス海 Thethys Sea
前期
Olenekian 2.512-2.472 Bya
Induan 2.519-2.512 Bya
中期
Anisian 2.472-2.42 Bya
Ladinian (殻灰統 Muschelkalk) 2.42-2.37 Bya
後期
Carnian (カルン期) 2.37-2.27 Bya
Norian (ノール期) 2.27-2.85 Bya
Rhaetian (レート期, 上畳統 Keuper) 2.85-2.13 Bya: 新赤砂岩 New Red Sandstone
Skytian (斑砂統 Buntsandstein)

Ceratites, Entomonotis, Halobia
菊面石類恐竜類の出現

太平洋
2億年前 = 超大陸パンゲアと対をなす超海洋パンサラッサとして存在
過去に存在が推定されているプレート(磁気模様等から推定)

ファラロンプレート: 現在のファンデフカ・ココス・ナスカプレート
クラプレート(アメリカ先住民語"all gone"より): アラスカ・アリューシャンに沈み込んでいた
イザナギプレート: 千島・ユーラシアに沈み込んだ → 日本誕生に関連(中央構造線の起源)

テチス海 (Tethys Sea)
テチス動物群

紡錘虫類・四放サンゴ類(ペルム紀)
一部アンモナイト類・厚歯二枚貝 (中生代)
貨幣石 (古第三紀)

ゴンドワナフローラ

ゴンドワナ大陸 (Gondwana Continent)
Gondwana
図. 500 m等深線による食違い少ない三畳紀の大陸 (Smith et al. 1994)
斜線部: 中生代粗粒玄武岩, A: 先カンブリア斜長石, L: 下部ジュラ系海成層南限, M&U: 中部・上部ジュラ系海成層南限

不整合直上に礫層 = 氷成層(タルキール層) – 大陸氷層
→ ゴンドワナ大陸より大きなパンゲア大陸存在(三畳紀)
→ 白亜紀・ジュラ紀にインド洋形成 (当時の造山論では否定的)

ジュラ紀 Jurassic

1.95-1.35 Bya (化石豊富 → 石狩炭田)
黒ジュラ Lias
ドイツのジュラ紀前期地層は帯黒

Hildoceras, Ichthyosaurus
サンゴ類・菊石類最古の被子植物

Hettangian 2.1-2.0 Bya
Sinemurian 2.0-1.9 Bya
Pliensbachian 1.9-1.8 Bya
Toarcian 1.8-1.7 Bya: 海洋無酸素化
褐ジュラ Dogger
ジュラ紀中期地層は帯褐色

Trigonia, Oppelia, Stegozaurus
菊石類恐竜類の発展
[高温・乾燥]

Bajocian 170-168 Mya
Bathonian 168-166 Mya
白ジュラ Malm
ジュラ紀後期地層・化石は白色が多

Perisphinctes, Lycoptera, Archaeoptelyx, Triconodon
鳥類・哺乳類出現

Callovian 166.1-163.5 Mya
Oxfordian 163.5-157.3 Mya
Kimmeridgian 157.3-152.1 Mya
Tithonian 152.1-145.0 Mya

= Portlandian (Portland Group), 南東英国

カルーKaroo超層群
石炭紀-ジュラ紀。南アフリカの2/3の分布面積
南アフリカの2/3の分布面積
地層: 緩い盆状構造 + 中心部最上位に洪水玄武岩溶岩乗る

+ 溶岩(ゴンドワナ分裂時に活動) = ドラケンスバ-グ山脈
相当層は南米・豪州・印度・南極に分布 → ゴンドワナ大陸に堆積

下部 = 氷河堆積物を含む → ゴンドワナ大陸は極近く
中部 = 温暖な浅海性 → 石炭を伴う(南ア火力発電主燃料)
上部 = さらに温暖 → 両生類(ゴンドワナの特徴)・一部哺乳類要素

白亜紀 Cretaceous 140-65 Mya

大海進の時代
多くの"失われた輪 missing ring" - 少なくとも中期は植物進化の中心
以降第三紀Tertiaryまで変化(進化)はゆっくり進む
白亜紀後期late Cretaceous: 隆起により陸上増加 → 気候変化(砂漠↑)
→ 植物分布変化 = 被子植物多様化と繁栄 (Alps-Pacific orogeny)

[北海道]: ウラボシ科、ゼンマイ科、シダ類、球果類、ソテツ類仲間、ナンヨウスギ、ショウナンボク、コウヨウザン、プラタナス、ポプラ、カツラ、クルミ [シダ植物と古タイプ裸子植物出現し始める]

親潮古陸 (国際深海掘削計画, IPOD 1977)

白亜紀陸地 → 30-20 Mya: 海面下となる → 現日本海溝付近

古白亜紀 Palaeo-Cretaceous
Aptian 125.0-112 Mya
Zeocomian

Trigonia, Plicatounio, Hibolites, Manchurichtys
箭石類発展

Albian 112.0-996 Mya
新白亜紀 Neo-Cretaceous
Cenomanian 99.6-93.5 Mya

Inoceramus, Nipponites, Gaudryceras, Tyranosaurus
菊石類・恐竜類等中生代動物滅亡
[次第に寒冷化]
造山運動

Turonian 93.5-89.3 Mya
Senonian 89.3-65.5 Mya
Danian ダニアン 66.0-61.6 Mya

極地

スピッツベルゲン島
新生代(第三紀): 化石 - 温暖
中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀)の層みつかる

アンモナイト・二枚貝・シダ植物・裸子植物化石 - 温和

古生代: 汎世界動物化石・植物化石(シダ植物) - 温和
南極大陸
東半球 = 楯状地 : 陥没帯(ロス・ウェッデール地溝) : 西半球 = 褶曲帯
楯状地: ゴンドワナ大陸の一部

先カンブリア紀の花崗岩・片麻岩
花崗岩の上: 古生代後期-中生代初期地層 - 植物幹・爬虫類化石

陥没帯: 造山帯
⇒ 両極には温暖な時期があった

新生代 (Cainozoic)


廃止 (IUGS 2009)

第三紀 Tertiary

64.3-26.0 Mya
大陸移動に伴うフローラの地域差起こる →
北半球中部以北では熱帯(亜熱帯)性植物減少。落葉広葉樹が主構成要素
(現在) 共通種
北半球三大陸間: ブナ、ナラ、シナノキ、カエデ
北米-東亜: ユリノキ、スズカケノキ、カヤ、イヌガヤ、ツガザクラ
東亜: メタセコイア、イチョウ

造山運動

アルプス造山運動
新生代第三紀が主 - 早い地域では中生代三畳紀から

アルプス山脈 (地中海地域)-ヒマラヤ山脈 + 環太平洋

古第三紀 Palaeogene (Paleo-tertiary)

6500(7000)万年前-2500(2000)万年前 (K-Ar): 温暖 → 寒冷
属レベル分類可 → 分布は現在と比較的異なる

Nummulites, Amynodon, Unitatherium
原始哺乳類発達, 鳥類
昆虫類多様化

暁新世 Palaeocene 65.5万-55.8 Mya
始新世 Eocene 55.0-38.0 Mya
北海道: ノグルミ、ハンノキ、サワシバ、ハシバミ、クリ、プラネラ、ケヤキ、カツラ、カエデ、ウリノキ、カシ、ビロウ、バショウ、メタセコイヤ、スイショウ、ラクウショウ、イヌガヤ、マツ(Abies, Picea, Tsuga 亜高山地帯の花粉) [常緑広葉樹主体。若干針葉樹。現在の南九州以南林相に似る]
漸新世 Oligocene 33.7-23.8 Mya
北海道: クルミ科、カンバ科、ニレ科、カツラ科、マンサク科、カエデ科、バショウ、コモチシダ、イヌワラビ、コウヤワラビ、ゼンマイ、メタセコイヤ、スイショウ、ラクウショウ [落葉広葉樹主としたメタセコイヤ交える針広混交林]

新第三紀 Neogene (Neo-tertiary)

2500万-200万年前 (K-Ar, Rb-Sr)
北半球における第三紀植物相の遷移
種レベルで分類可。分布は現在とかなり近い
1. ヨーロッパ要素, 2. コルシカ要素, 3. 東亜要素, 4. 北米東部要素, 5. 北米西部要素, 6. 寒帯要素
気候変化の際に、植物移動は砂漠、海、山脈等でさえぎられる

特に氷河のため1-2-5-6は移動困難となり絶滅に近い状況となる
現植生を考えるときに歴史的成立背景を考慮すべきだが、この時代はその上でもっとも重要な時期

Segarites, Lepidocylina, Bunolophodon

近代哺乳類発達 [温暖 → 寒冷化]

中新世 Miocene 2300万-500万年前
哺乳類発達: シナノムカシイルカ(長野県) 1500万年前

北海道: ヤナギ, ポプラ, サワグルミ, クルミ, ハンノキ, カンバ, クマシデ, ハシバミ, アサダ, ブナ, ニレ, ケヤキ, カツラ, トチノキ, ナナカマド, サンザシ, カエデ, ウリノキ, メタセコイヤ, スイショウ, モミ, ハリモミ, ツガ, アスナロ属 [温帯落葉広葉樹林主体。高山に針葉樹。現日本自生種より中国中部や北米東部自生種の近縁種多]

[中期] (2000万年前)
やや温暖: ノグルミ, サワグルミ, ハンノキ, クマシデ, ナラ, クリ, ケヤキ, シンジュノキ(× シンジュ), Acer, ウバメガシ, ツバキ, ナツメ, メタセコイヤ, スイショウ, コウヨザン, タイワンスギ, イヌカラマツ, クロマツ, モミ, ハリモミ, ツガ, トガサワラ属 [落葉広葉樹林]
後期(1500万年前)
Salix, ドロノキ, クルミ, サワグルミ, ミヤマハンノキ, ダケカンバ, ウダイカンバ, シラカンバ, ブナ, カツラ, ニレ, イタヤカエデ, ハリギリ, シナノキ, マメ科, バラ科, ホウノキ科, フウ, シンジュノキ, ナツメ, タイワンスギ, メタセコイヤ, Picea, Abies (A. firmaとは同定できない), Tsuga [メタセコイヤ絶滅。落葉広葉樹林と共に針葉樹増加。現在の森林に似ており, 殆ど出来あがった]
silicified wood 松石: 3-5千万年前の植物が、水底に運ばれ埋没後、珪酸質の液が滲み込んだものを珪化木 silicified wood という。北九州の炭田では、炭層中に珪化木が含まれ、これを松石(松炭)と呼ぶ。昭和初期、福岡市外亀山炭坑の地下300 mの所から長い木のままで発見されたものの一部
鮮新世 Pliocene 5-2.58(1.6) Mya: 寒冷化 - 日本は朝鮮半島とつながる

パナマ地峡形成、ヒマラヤ山脈上昇著しい

ピアセンジアン Piacenzian (3.6-2.588 Mya)
ザンクリアン Zanclean (5.332-3.6 Mya)

第四紀 Quaternary

258,8(180) Kya-現在: Homo出現が基準 「人類の時代
多種現存 (分布・群集種構成 ≠ 現在) + 第三紀要素消滅・絶滅 (花粉学)
更新世 Pleistocene (≈ 洪積世 Diluvium)
180万(160)万-1万年前 (≈ 北半球氷河時代)

Palaeoloxodon 人類発展[気候帯形成]

氷河更新世 glacial pleistocene: 10万年周期氷期サイクルが顕著に現れ始めた更新世後半90-100万年以降
北海道: Abies, Picea最多 + Tsuga, Pinus, Larix, Juglans, Salix, Alnus, Tilia, Fraxinus, Pterocarya, Fagus, Ilex, Acer, Zelkoba出る

最寒冷期 → 垂直分布は現在より1000-1500 m低 (針広混交林だが、寒暖の反復に対応しつつ現在の森林相に近づく)

第四紀初期 early Quaternary = 氷河期 → 赤道付近に植物集中

各大陸で個別に種分化

. 中部ヨーロッパ晩氷期-後氷期分類 (Brinkmann 1959; Woldstedt & Duphoron 1974)
地質的分類 (時代, 年) 気候 Ex. 植生 先史的分類
最終氷期最盛期 Last Glacial Maximum (20-1.5 Kya)

ウルム氷期終わり (ボンメル氷河進出)

最古ドリアス期 Oldest Dryas (18.5-17 Kya) 寒冷(極地的) Ex. ツンドラ
ベーリング期 Bølling oscillation (14.7-14.1 Kya) 僅かに温暖化

Ex. カンバ伴うツンドラ

古ドリアス期 (12.9-11.5 Kya) 寒冷 Ex. ツンドラ
アレレード期 Allerød oscillation (11.8-10.8 Kya) 一時的高温

Ex. カンバ・マツ伴う比較的疎林

若ドリアス期 Younger Dryas (10.8-1.03 Kya) 寒冷

Ex. カンバ伴うツンドラ。旧石器時代終わり

↑ ウルム Würm (70-10 Kya)-晩氷期 (15-11.7 Kya)
↓ 完新世 (1.17 Kya-現在) Ex. マツ・カンバ林 中石器時代始まり

古ボレアル期 Preboreal (10.3-9.7 Kya) 温暖化(冷涼、大陸的)
ボレアル期 Boreal (早温暖期) (9.7-7.5 Kya) 温暖乾燥

Ex. ハシバミ最盛期伴うカンバ-マツ林

アトランチック期 Atlantic (中温暖期) (7.5-5 Kya) 温暖湿潤(海洋性)

完新世最温暖期 Ex. ナラ混合林 新石器時代始め以来の開墾

サブボレアル期 Subboreal (晩温暖期) (5-2.5 Kya)、一部乾燥期間(大陸的)

Ex. ブナ、トウヒ伴うナラ混合林 青銅時代

サブアトランチック期 Subatlantic (後温暖期) (2.5 Kya- 現在)

現在の適湿-湿潤気候(海洋性) Ex. ブナ、ナラ、トウヒ
鉄器時代(Iron Age)-有史時代の開墾

第四紀時代区分 編年 (× 103, 気候) バルト海古地理
更新世 Pleistocene (= 洪積世 Diluvium, 旧称) 2.58-0.01 Mya
前期 (氷期 glacial stage, 間氷期 interglacial stage)
ドナウ氷期(寒冷期) Donau I, II (I 600-585, II 550-540 Kya)

ワール暖期 (W) シシリア海進
テゲレン暖期 (W) カラブリア海進 Calabrian
エブロン寒期(Weybourne, 北欧) (K)
フェルゲン寒期 (K)

ギュンツ氷期 Günz (470-330 Kya, K) ① (①-④: 欧州アルプス四大氷期)
中期
ギュンツ・ミンデル間氷期 Günz-Mindel (330-300 Kya, W) ミラチア海進

万県動物群 ⇒ 日本: スイギュウ・オオカミ・アナグマ・ヒョウ・ニホンジカ・イノシシ・サル

ミンデル氷期 (300-230, K) ②
ミンデル・リス間氷期 Mindel-Riß (230-180 Kya, W) チレニア海進
リス Riß (200-130) ③

日本山岳地帯: 氷河 Ex. 日高山脈: トヨニ氷期、ポロシリ氷期

ウルム(ヴュルム)氷期 Würm (110-12 Kya) ④
= ウィスコンシン氷期 Wisconsin (北米) (110-10 Kya)

アルプス第4紀4(6)氷期中の最新氷期
氷河極大期(最寒冷期)Last Glacial Maximum (LGM)は2.5-1.4万年前

→ 4氷期のうち最も小さい(推定)

1) 最終氷期末期の急激な温暖化 → 北米ローレンタイド氷床から大量融水

→ 氷床末端アガシー湖(カナダ南部の現ウィニペグ湖周辺)に注いだ後、湖東側の氷床張り出す → ミシシッピー川を経てメキシコ湾に流入

2) 氷床後退に伴うアガシー湖東側の氷崖崩壊

アガシー湖からの多量の淡水はセントローレンス川を通り北大西洋に流入 → 海洋表層の低塩分(低密度)化 = 深層水形成を弱める + メキシコ湾流(暖流)北上を弱める
→ 寒冷化進行 = ヤンガードライアス・イベント

3) 1000年後にローレンタイド氷床が前進し再びアガシー湖堰き止め、融水の北大西洋流入が止まり終焉

氷河縮小期確認 (ダンスガード-オシュガー振動) - 亜間氷期存在推定
リス・ウルム間氷期 Riss-Würm (130-115 Kya, W)

モナストリア海進

古ウルム亜氷期 (44/46 Kya, K)
ゲトワイゲル間氷期 (29, W)
主ウルム亜氷期 (26, K)
パウドルフ間氷期 (25, W)

Ex. 関東江古田: 3枚の泥炭層(III 2.36 Kya, V, VI)

V 11.84 ⇒ 新ドリアス期
VI 28.77 (6-8°C↓) = 針葉樹(第3泥炭)層 ⇒ 主ウルム第1亜氷期

花粉分析: イチイ、アオモリトドマツ、カラマツ、イラモミ、トウヒ、チョウセンマツ、コメツガ、ハンノキ、サワシバ、ブナ、シナノキ、キタヨシ、カキツバタ等 ⇒ 針葉樹林

後期
ウルム氷期(Würm)後期

新ドリアス期 (若ドリアス期) younger Dryas time (10.8-1.03 Kya, K)

最終氷期-完新世移行期(1.2-1.1万年前の寒冷期) = 最終氷期終焉
デンマーク花粉帯IIIに対応 → デンマーク: 寒冷化で再びDryas octopetala遷移起る

ベーリング期 (13)
アレレード期 (11, W)
最古期 (14, K) ランゲランド氷堆積
旧ドリアス期 (12) レニングラード氷堆積
ドリアス期 (15) ボンメル氷堆積

Last glacial • 新人遺跡
… 氷河
██ 裸地
██ ツンドラ・砂漠
██ 森林性ツンドラ
██ 禾本/ヨモギ草原
██ 亜寒帯針葉樹林
██ 湿性草地/河畔林
██ 落葉広葉樹林
██ 針広混交林
██ 常緑広葉樹林
└─┘ 結氷限界
🐘 ナウマンゾウ化石産地

. 最終氷期(2万年前)の日本および周辺の植生
晩氷期 (15-11.7 Kya)
完新世 Holocene (≈ 沖積世/沖積統 Allbium, 旧称)
1万年前-現在: 後氷期 postglacial = 最終氷期終焉後(欧州大陸氷床消滅)

W, Homo

先ボレアル期 (9, K) ヨルジア海
ボレアル期 (7.5, K) アンシルス湖

高温期(ヒプシサーマル hypsithermal, climatic optimum) 7-5 Kya

アトラント期 (4.5, W) リットリナ海
亜ボレアル期 (2.5, K) リムネア海
亜アトラント期 (W) マイア海

現在の地殻運動

1. 活褶曲
東北日本 → IS [この2つの境] → 西南日本
東日本断層 – 現在の地形(山地、盆地、半島、海岸、平野)に良く対応
向斜(平地) – 背斜(山)
2. 造盆地運動
関東造盆地運動: 第4紀 = 1200 m
新第3紀 = 3000-4000 mの基盤堆積
上昇(隆起)・沈降が地形形成の基盤
crust motion
3. 傾動運動
傾動 tilt: 断層により地塊の片方が大きく隆起し地表が傾く運動
Ex. 濃尾(中部)傾動運動: 第四紀以降-現在 濃尾平野一帯

養老断層境: 西側(養老山地側)上昇 + 東側(濃尾平野側)沈降
平野部: 西側沈降 + 東側(三河高原側)上昇 → 全体が西へ傾く

tilt
図. 濃尾平野地域東西断面(桑原 1968): 西側ほど沈降し地層が厚く堆積する

曲降盆地
crust motion
Ex. 中国山地

4. 曲降盆地 down (warped) basin
地盤が下方に湾曲し下降(曲降)し作られた盆地
= 山地(山間)盆地, s.s.
= 構造盆地, s.l.: 山地内にあるテクトニック盆地
5. 地塊 block
地塊山地/地塊盆地 Ex. 東海湖–古琵琶湖(第3紀) → 近畿に発達
段丘の時代(中-後期洪積世)
Quaternary
武蔵野台地: 台地を斜めに削った台地
Quaternary

ローム種分けにより堆積順序(= 海面変化の順序)分かる
I, II, III, IV段丘もやはり沖積跡がみられる
I, II: 化石発見(×)
ローム層(関東ローム層)
火山灰は粘土化

温暖 = 間氷期
60 m__40 m__20 m_____現在
____________↗ ↘ ↗
____寒冷__間氷期は5回ある

I. 屏風が浦層
II. 陸化、火山灰降下
III. 下末吉層 – 海進
IV. 2と同様
Quaternary
下末吉海侵以来の海面変動と堆積物、地形面発達の説明モデル。年数と海面高度はEmilianiの水温変化曲線、その他日本の実例を考慮し考案
造盆地運動 (前期洪積世)
海水準位置変化 – 気候変化原因。百万年–2百万年
Ex. 大阪の層部 – ボーリングの結果層体が分かる

大阪地域: Ma = 海成粘土層 1-8, Tuff(火山灰層) → 陸成
中心部ほど湾曲大きい
基盤岩質: 砂、礫、粘土、泥炭、火山灰 Quaternary

更新世
Quaternary
  ---------------------------------------------------------------------------

中位段丘: カラマツLarix針葉樹林帯であった → 寒冷
さらに平野部に山からの沈殿物が堆積し盆地化。さらには盆地を埋める

活構造運動
Quaternary
中-後期洪積世 海水面
沖積世
(前期沖積世 - 地殻の運動)
下末吉段丘 cf. 関東平野
現在の地殻運動: 過去と比較し劣らない激しい運動 – 河岸段丘の出来方
人新世 (Anthropocene)
= 人類の時代: ヒトによる生態系改変・気候変動の影響は極めて大

→ 完新世の次の地質時代を表す言葉とし提唱

2009 人新世検討作業部会(AWG), IUGS内発足
2016 AWG: 人新世 ≠ 完新世 - 人新世始まり

地球に影響与える人間活動の劇的増加(大加速)が始まった20世紀中頃


氷期サイクル

氷期-間氷期 glacial-interglacial periods
氷期: 極域中心に中緯度地域まで氷床発達した寒冷な時期 ↔ 間氷期: 氷床縮小した温暖な時期
原因(予測): 天文学的要因(ミランコビッチサイクル)、CO2フィードバック、アルベドフィードバック等フィードバック機構
ダンスガード-オシュガー振動 Dansgaard-Oeschger cycle, D-O cycle
数百-数千年周期気候変動: グリーンランド氷床コア酸素同位体比変動で見い出された氷期内の気候変動

↙ 亜間氷期 interstadial = 温暖: 数十年間で数度の急激な温暖化 ↖
__亜氷期stadial = 寒冷: 500-2000年かけての緩やかな寒冷化_

24 D-Oサイクル確認 → 他の雪氷コアや海底コアでも報告
ハインリッヒイベン トHeinrich events: 発生機構未解明

ローレンタイド氷床から北大西洋への氷山群流出による氷山付着岩石が北大西洋に広く散布されたこと
ハインリッヒイベント → 海洋循環変動: 北大西洋深層水(NADW)形成 + メキシコ湾暖流北上(仮説)
急激な温暖化

ミランコビッチ・サイクル Milankovitch cycle
1930年代: ユーゴ天文学・数学者ミリューシャン・ミランコビッチ
氷期サイクルを含む周期数万年以上の気候変動サイクル → 1960代以降: 氷床コア・海底コア酸素同位体比等から証拠 = 再評価
地球運動3要素[ = 軌道離心率(周期10万年, 40万年) + 地軸傾斜(周期4.1万年) + 地軸歳差運動(周期2.3万年,1.9万年)]変動に伴い地球が受ける太陽日射エネルギー変化に起因した気候変動サイクル
10万年周期問題(10万年周期の謎) 100 kyr problem
ミランコビッチ・サイクル中の地球公転軌道の離心率変化 = 10万年周期 → 氷期サイクル発現周期と一致
離心率変化に起因した日射量変化 → 氷期サイクルのような大規模気候変動を起こす日射量変動生じない
→ 謎: 地球システムに日射量変動を増幅するフィードバック機構? (未解明) = 「10万年周期問題」
縄文海進 Jomon marine transgression: 日本の海水面上昇(8/7-4千年前)
温暖湿潤 平均1-2°C(現在)↑ → 海面現在より0-3 (or 3-5 m)m↑ ⇒

貝塚(shell midden)分布 - 海岸線沿い(内陸)に多 → 海進説
8000年前開始 + 縄文前期(6000年前)ピーク

氷期の低海面期に形成した深河谷に海進入し堆積物で埋め立てられる

縄文の森, 縄文人
イノシシ小型化、オオヤマネコ、オオカミ

Ex. 関東地方(有楽町層): 東京周辺は現在より100 m以上低かった

|---- ヨシ泥炭層
|---- シジミ → 河口等の淡水、海水の入る所 (海汽水、中汽水)
|---- カキ → 高汽水 (ほぼ海水)
|======= 5000-6000年 ===== 海中(貝化石) – 海炭線の海進
|---- カキ (化石)
|---- シジミ (化石)
|---- 泥炭層 *
|======= 1万年前 ========
1万年前: 現在の青森程度(現平均 – 7°C, 寒冷)の温度 (植生から判断)
5-6万年前: 現在の紀伊程度の温度 – 海底動植物化石から判断される(海水の温度差がわかる)
* 特徴 = 樹木構成内容から森林状態復元(樹木・花粉化石多) + 14C放射線年代測定(他法も利用)

北海道: やや暖かくなるにつれ山地広葉樹林は平野低山に広く繁栄
バルト海 Bulte Sea古地理 (BP200)
I バルト氷河期 Baltic Ice Lake (> 1万-7000年)
氷縞粘度 → 対比により編年を知る
II ヨルジア海
ヨルジア Yoldia = 2枚貝。現在北氷洋、南極海に生存(±0°C付近に生存)

海水準上昇
浅海砂層:                                     底質: 砂, 深度型
化石(二枚貝、鯨、Yoldia arctica): 狭範温度型 – 相

III アンシルス湖
アンシルス = コザラ貝 → 海水準↓: -5000年には200 mm底。70 mの湖面
IV リットリナ海 Littnina Sea (リットニナ = タマキビ)
プラント・オパール分析法
プラント・オパール = 土中植物微小化石
栽培可能植物分布確認に応用

イネ: 水田跡は確認されていない

風張遺跡(三内丸山古墳の東): 3000年前の米粒 岡山県南溝手遺跡: イネ花粉 – 縄文中期まで遡れる 福岡県板付遺跡: イネ花粉

ヒエ: 三内丸山古墳: 4000年前住居跡で確認

惑星科学 (planetary sicence)


≈ 天文学 astronomy
宇宙観察 – 光学的方法: 屈折・反射望遠鏡、スペクトル写真分析
1931 Jansky, 米: 空からくる電波を発見
1944 Reber: 白馬座方向等、定まった箇所から強い電波来ることを確認

電波望遠鏡発達

1957 ソ 人工衛星スプートニク1, 2号
1958 米 人工衛星エクスプローラー
1959 ソ 月ロケット(ルナ2号月面到着, 3号月裏面撮影)
1961 ソ 有人宇宙船ボストーク(地球を一周)
1962 米 マリナー2号金星観測, テルスター1号欧米間TV宇宙中継
1965 米 マリナー4号火星接近、写真電送
1966 ソ ルナ9号月面軟着陸
1969 米 アポロ11号月面着陸、月面歩行
1972 米 パイオニア10号木星接近後に人工天体
1975 ソ 金星9号金星軟着陸
1976 米 バイキング8, 9号火星軟着陸
Hertzsprung, E. (1873-1967), Russell, H.N. (1877-1957): 独立に発見

ヘルツスプルンク・ラッセル図 (Hertzsprung-Russell figure, H-R figure) = 恒星の質量・光度関係 mass-luminosity relation

Astronomy
H-R図

パルサー pulsar

宇宙の起源

宇宙年齢 = 137.7億年(推定誤差1%, WMAP衛星測定)
ビッグバン理論 big bang theory, BB theory
大爆発説: 最初の1点が突然膨張始める
仮定: 宇宙膨張中 → 過去の宇宙は現在より小 → 究極的に1点になる時存在
BB理論より導かれる予測
  1. 最も古い星でも宇宙年齢より絶対に若い
  2. H, He原子核大部分 = BB直後の超高温・高密度中合成 → H/He [重量] = 74/26 [元素合成第1段階]
  3. 宇宙バックグランド放射(背景放射) background radiation (BBの名残) = 宇宙全体満たすマイクロ波存在
    宇宙の晴れ上がり transparent to radiation (宇宙誕生から38万年後)
1963 ペンジアス・ウィルソン(NJ, 米): 通信衛星からのマイクロ波(λ = 0.1 mm-10 cm)受信に関する研究

通信雑音除去中に宇宙マイクロ波背景放射検出 → 実証: 宇宙が過去に高温・高密度状態存在

インフレ(ーション)宇宙論 inflationary universe theory (1981 佐藤)

初期宇宙進化モデル
無 → ゆらぎ → トンネル効果(宇宙の始まり)
宇宙のインフレ cosmic inflation: 初期宇宙が指数関数的な急膨張(インフレ)を起こした

宇宙

150億光年(認識できる範囲) → 銀河1011
星団 star cluster
散開星団(銀河星団) open clusters (galactic clusters)
球状星団 globular clusters
宇宙線 cosmic rays
宇宙速度 astronomical velocity
天文単位 astronomical unit
第1宇宙速度 first astronomical velocity, v1

物体が惑星周囲の公転に必要な最低速度(地球 ca 8 km/s)
G = 万有引力, M = 惑星質量, r = 惑星半径 → v1 = √(GM/r)

第2宇宙速度(脱出速度) second astronomical velocity (escape velocity, escape speed)
惑星引力を振切り宇宙空間脱出に必要な速度, v2
地表面(r = re)と無限遠(r = ∞)間の力学的エネルギー保存の法則から求まる
力学的エネルギー保存則を質量mの物体に適用

(1/2)mv22GmM/re = (1/2)mV2 ≥ 0 (V ≥ 0)
v2 = √(2GM/re) = √(2gre)

mg = GmM/re2g = GM/re2 (re = 惑星半径 [m], M = 惑星質量 [kg], G = 万有引力定数)

各惑星の脱出速度

脱出速度      月 水星 金星 地球 火星 木星 土星
kms-1          2.4  4.3  10.4 11.2   5.1  61.0 36.7
104 kmh-1  0.86 1.6  3.74 7.78 1.84  22.0 13.2
分子運動速度 ∝ T1/2 + m-1/2 → 軽分子ほど運動速度大 = 脱出速度より大 = 分子は宇宙空間に散逸

Ex. 脱出速度の小さな惑星(月・水星・火星等) → 大気希薄
Ex. 脱出速度の大きな惑星(木星や土星) → 軽気体(H, He)も留まる = 惑星はH, Heが主成分
[太陽系(宇宙)で最も多く存在する元素は水素・ヘリウム]

第3宇宙速度 third astronomical velocity: 太陽重力振り切り、太陽系外宇宙へ飛び出せる最低速度
星雲(銀河系外星雲) nebula (pl. nebulae)
= 小宇宙, 島宇宙 island universe: 各種の天体の1大集団

楕円状星雲 ------------------> 渦状星雲spiral nebula
____________________↘ 棒渦状星雲
星雲群: 複数星雲のクラスター

局部超銀河団: 半径6千万光年 > 局部銀河群: 半径300万光年, 30個の銀河
> 銀河(系) (天の川) the Galaxy (galactic system), the Milky Way (system), the Milky Way Galaxy

= 銀河系星雲 galactic nebula: アンドロメダ星雲等、20個の局部星雲群からなる

恒星(1011個) fixed stars + 星間ガス + 宇宙塵 → 円盤状空間作る
内側ほど大きな角速度で回転
→ 恒星間の相対位置は時間と共に変化
planet
太陽: 中心から3万光年離れる
250 km/secで銀河系回転

準恒星状天体
コンパクト銀河: 数個の銀河で構成 + 銀河団に準ずる高い銀河数密度
渦巻銀河(らせん銀河) spiral galaxy
活動銀河 active galaxy

(宇宙 the cosmos, the universe): 星の進化

宇宙論 cosmology

1924 Eddington AS
1937 Gamov, G. (1904-1968): 星の進化に関する仮説
1937 Weizsäcker (1912-), Bethe, H.A. (1906-): 水素原子核融合

→ 熱核反応 → ヘリウム生成 → 恒星誕生エネルギー源 宇宙誕生から3億年後 - 最初の星が誕生

1942 Schönberg & Chandrasckher S: Gamov説の修正
1948 Alpher RA, Bethe H & Gamov G: Phys. Rev. 73: 803, αβγ論文

原子宇宙: 極度高温、高密度状態 = 全物質が中性子
膨張最初の5分: 物質完全にイオン化 - 陽子・中性子・電子の混合物
数分後: 陽子・中性子結合可能な温度となる → H2, H3, He3, He4生成

宇宙物質: H, Heが大部分を占める – Feより重い元素は著しく少ない

1) 偶数核(陽子数、中性子数どちらも偶数からなる核)は奇数核に比べ多
2) 魔法数 magic number: 陽子数か中性子数が2, 8, 20, 28, 50, 82, 126は、周りの元素に比べ多く存在
魔法数の原子核は安定 – 殻構造 shell structure

1952 Schwarzchild K (1873-) & Sandage AR (1926-): 新星進化モデル

星間物質 = 宇宙雲(ガス状) + 宇宙塵(小粒子) → 濃密に集合 → [恒星誕生]
→ 収縮: 自分の重力エネルギーによる → 星中心部温度高 → 数百万度に達する → 核融合反応

1H1 ┐ ↗e+(γ) ↗v(γ)          
     1H22He32He4 + 21H1
1H1 ┘  1H1↗   2He3
              ↗(γ)  ↗ve+    ↗(γ)     ↗(γ)     ↗ve+
C12 → N13 → C13 → N14 → O15 → N15 → C12 + He4
      H1↗                   H1↗    H1↗                H1
上段: 1) p-p反応 → 下段 2) C-Nサイクル

→ HをHeに変える反応により、開放されたエネルギーに伴う放射圧と気体圧が重力と釣り合う
→ 星の収縮停止: 主系列上の星 Ex. 太陽寿命 = 100億年と推定

中心部で作られた原子エネルギーが放射エネルギーの形で表面に運ばれ宇宙空間に放出される
星中心部: H → He反応によりHeに占められHが欠乏

→ 反応が中心から外側へ移行 → 核反応↑ = 星の明るさ↑[巨星]

2He44Be86C128O1610Ne20→ ……… (*→)
 2He42He42He42He4↗    2He42He4↗ ……

(→*) … 12Mg24, 14Sb28, 16S32, 18Ar36, 20Ca40, ···→ 26Fe36, 28Ni60

脈動変光星: 不安定状態な星となると膨張収縮を繰り返す
白色矮星: 核反応エネルギー欠乏 → 重力抵抗力減り収縮し余熱で光る(Adams & Eddington 1920発見)
超新星 super nova: 質量の大きな星はエネルギー収支が不安定となり爆発を起こしたもの

放出された物質(H-Feまで)は星間物質となる

中性子星 neutron star: 超新星爆発で残った中心部(パルサー pulser が中性子星である可能性)

1) 定常説: 宇宙には始めもなければ終わりもない

→ 問題: 放射性元素存在し続けることは説明できない
閉じた宇宙 closed universe ↔ 開いた宇宙 open universe

2) 膨張宇宙 expanding universe 説
赤方偏移 red shift: 光波のドップラー効果 → 長波長にずれる

Ex. 重力による赤方偏位 gravitational red shift

Law. ハッブルの法則 Hubble's law (1929, Hubble EP 1889-1953, 米)
v = H0r ⇒ 赤方変位は星間距離に比例

r: 天体までの距離
v: 天体が遠ざかる速さ (後退速度)
H0: ハッブル定数 (比例定数)

NASA人工衛星WMAP観測: H0 = 71 ± 4 km/s/Mpc

tuniverse (宇宙年齢, ハッブル時間, 特性膨張時間) =

r/v = 1/H0 ≈ 137億年 (物質密度や宇宙定数により変化)
銀河の後退速度は銀河からの光のスペクトルの赤方偏移を調べ決定
距離決定困難 → ハッブル定数不確定の原因
30 km/sec/100万光年: 100億光年先3 × 105 km/sec = 光速 → 光は地球に届かない = 宇宙の地平線
クエーサ quasar: 光学望遠鏡では恒星のような点光源に見えるが、非常に大きな赤方偏移を持つ天体

全星雲は距離に正比例する速度で地球から離れつつある → 宇宙は膨張中
→ 100億年前、宇宙の物質は1点に集まっていた → 宇宙膨張
宇宙原理: 宇宙の等方性(全方向で関係成立)と一様性(いずれの位置でも関係成立)は常に成立する
Def. 赤方偏移, zλ/λ0 – 1 = v/c = H0r/c
Ex. 2つの銀河間の距離(l0)とその間を伝わる光の波(波長λ0)

v = H0l0 (Hubble's law),
δl (δtの間に増大する距離) = vδt = H0l0δt
δl/l0 = H0δt
光が距離l0を伝わるのに要する時間 τ = l0/c (c: 光速)
Δl/l0 = (v/c)l0/l0 = v/c

Ex. 光源S, 周期T0の波長λ0の光波

観測者Oから光源Sが速度vで後退 → T = T0 + vT0/c = (1 + v/c)T0

光源Sで光が放たれたときの波長はλ0 = cT0
→ 観測者Oに達した時の波長λ = cT

Def. 波長比, λ/λ0 = 1 + zλ/λ0 = T/T0 = 1 + v/c = 1 + z

z = v/cλ/λ0 = l/l0, l = l0 + Δl

Eq. アインシュタインの重力場方程式: R = -8πGT

R: 空間曲率, G: 定数, T: 物資エネルギー(運動量)
→ 物質(質量)が存在すると「空間歪む」 →

Def. シュワルツシルド半径, rg ≡ 2GM/c2, G = 6.7 × 1011 m3/kg/s2

→ (1/2)mc2 = GmM/rg

Def. シュワルツシルド面: 半径rgの球面

→ この面の内側は光も物質も出られない = 事象の地平線


宇宙生物学 (astrobiology)

フェルミのパラドクス (Fermi paradox)
1950 同僚との昼食時の会話

みんな、どこにいるのだろう ⇒ (フェルミ推定)
宇宙年齢と膨大な恒星数は宇宙人が広く存在することを示唆 → 数宇宙人は地球に到達しているはず
⇔ 矛盾 ⇔ 人類は一度も宇宙人に会っていない

ドレイク方程式 (Drake equation)

太陽系 the solar system


45億6千7百万年 (恒星 = 太陽 the sun)
惑星 planet
水星(a) → 金星(a) → 地球(a) → 火星(a)    (小惑星群(b))
mercury   venus       earth         mars       planetoids, asteroids

木星(c) → 土星(c) → 天王星(d) → 海王星(d, e)冥王星
jupiter       saturn      uranus         neptune          plute

(a) 岩石惑星(地球型惑星): 質量小、密度大(4.0-5.5 g/cm3) – 相対的に金属元素多

ハビタブルゾーン habitable zone: 生命が生存可能な惑星

(b) 1600以上の小天体。セレスceres最大 = 直径780 km
(c) 巨大ガス惑星: 質量大、密度小(0.7-2.5 g/cm3) – H, He等軽元素多
(d) 巨大氷惑星
(e) Adams JC 1819-1892 (英), Le Verrier UJJ (1811-1877, 仏): 軌道計算から独立に海王星存在予言(1846)

→ Galle JG 1812-1910, 独: 1846.9.23 海王星発見

Def. (2006.8.24 国際天文学連合総会策定定義) 惑星
  1. 太陽の周りを回る
  2. 十分な質量を持ち、自己重力が固体に働く他の力を上回った重力平衡形状(≈ 球状形)となる
  3. その軌道近くでは他の天体を掃き散らし、それだけが際だって目立つ → 従来太陽系第9番惑星とされていた冥王星が惑星から除外される(太陽系惑星は8個となる)
Law. ボーデの法則 Bode's law (惑星距離の法則)

Rn = 0.4 + 0.3 × 2n (Rn: 太陽との距離 (地球1), n = –∞, 0, 1, ···, 8)

Def. 衛星 satellite: 惑星周囲を公転している星

Ex. ガニメデ ganymede: 木星最大の衛星。半径2550 km (水星より大)

Def. 彗星 comets: 太陽の周囲を公転するが軌道は長楕円 (周期彗星)、放物線・双曲線となる (非周期彗星)

質量は地球の10万分の1-100万分の1

Def. 流星 meteors, shooting stars: 微塵が地球大気に入り大気摩擦で発光
Def. 隕石 meteorites: 流星中で地上に達する = 概ね火成岩

自形結晶が成長。石基 → 長時間かかり冷却
母惑星 → 破壊(惑星内部のものが隕石) → 破片

a) 石質隕石 aerolites, stone meteorites: コンドリュール chondrule – 直径1 mm位の球粒

球粒隕石 (コンドライト chondrite) (85%)

普通球粒隕石 - 球粒の表面が滑らかでない (変成受けた)
炭素質球粒隕石 - 球粒の表面が滑らか (不変成)

非球粒隕石 (エコンドライト achondrite) - 変質 (9%)

b) 石鉄(質)隕石 siderolites, stony iron
c) 鉄質隕石(隕鉄) siderites, iron meteorites (6%)

(惑星)探査機 space probe

惑星や衛星の観測・調査を目的
金星探査機
1962 マリナー2号(米): 金星から35000 km通過 → 磁場や放射線帯がない
1970 ベネラ7号(ソ連): 金星着陸に初成功
1978 パイオニアビーナス(米)
1989 マゼラン(米): 開口合成レーダーによって金星表面の詳細な地図作成
火星探査機
1965-73 マリナー4/5/7/9/10号 (米): 火星衛星となり7329画像を地球に送信
1971-73 Mars2-7号(ソ連)
1975 Viking1, 2号(米): 火星着陸初成功 → 生物存在する兆候を調査
1988 フォボス1, 2号(ソ連): 火星衛星フォボス探査
1996 マーズグローバルサーベイヤー(米)
1996 マーズパスファインダー(米)

着陸させたローバー(探査車)で表面を移動し地表調査

1998 のぞみ(日, 宇宙科学研究所): 2004に火星軌道投入(失敗)

→ 火星周回し火星大気・磁場等を観測

外惑星探査機
1972- Pioneer 10: 1973木星接近観測 →

1983太陽系外に飛び出し初の太陽系外人工天体

1973- Pioneer 11: 1974木星接近 →

1979土星に接近し環や衛星を観測 + 宇宙人宛メッセージ搭載

1977- ボイジャー1, 2号: 1979木星接近 → 1980,8.1土星接近

2号: 1986天王星探査 →
1989海王星最接近(海王星と衛星トリトン観測データを地球に送信)

1994 Clementine (NASA/BMDO): 小惑星探査機
2009 Kepler (NASA)

太陽 the sun

コロナ: 太陽の大気 (ジオコロナ: 地球の大気で輝いている部分)
フラウンホーファ線 Fraunhofer lines (von Fraunhofer J, 1787-1826, 独光学機器製作者)

1802 Wollaston WH (1766-1828, 英): 太陽光スペクトル中に複数の暗線の存在報告
1814 von Fraunhofer: Wollastonとは別に暗線発見 → 系統的研究 → 570を越える暗線
Kirchhoff GR (1824-1887, プロイセン) & Bunsen RW (1811-1899, 独)

各暗線 = 太陽上層に存在する様々な元素や地球大気中酸素等で吸収されたスペクトル

惑星

食 eclipse: 太陽-地球-衛星が一直線上に並ぶ位置関係で、地球の陰になる部分 = 衛星が食に入った状態
食期間: 食に入っている期間

本影: 太陽エネルギーが全く得られない地球の陰の部分 → 衛星から太陽が全く見えない状態
半影: 太陽エネルギーが得られる地球の陰の部分 (金環食 annular eclipse)

火星
火星氷床 Martian ice cap: 火星の北極と南極に存在するグリーンランドと同程度の大きさの氷床
氷床の厚さは両極とも3000 m程度(最近の観測)
両氷床ともH2O氷でできている説が有力

CO2氷CO2 ice: CO2ガスが凝結した氷 = ドライアイス → 以前は火星極冠はCO2氷と考えられた
CO2雪CO2 snow: CO2ガスが大気中で凝結した雪 → H2O雪: 水蒸気が大気中で凝結した雪
火星両極では、冬にCO2雪が降り積もるか、表面に着霜し極冠の白い部分の面積が増すと推定される

北極氷床: 表面に半時計回りの渦巻き状の溝が存在するドーム状氷床
南極氷床: 表面はデブリで覆われており複雑な地形

隕石と月


地殻・大気・海水: 全てマントルから = 地球と同起源 → 地球内部構造と関連

meteorite
鉄質隕石 Fe, Ni (6%)
→ かつて溶けた

a) 隕石 meteorite
年齢: 45億年に集中 → 地球生成年代と一致

球粒: 橄欖岩、斜方輝石 – 塩基性岩石、高温
石基: 含水珪酸塩鉱物 – 炭化水素、有機化合物(生命?)、低温

→ 球粒・石基は生成段階異なる

地殻対応性隕石はまだ発見されていない

鉄質隕石(隕鉄): 母惑星、層状構造 – Fe/Ni合金

1500°C – 1100 (γ型結晶) – 740 (α型結晶) – 380
_____→ → → → → → → → → → → → →
______________→ → → → → → → → →
→ 結晶の大きさ ∝-1 冷却速度
░░▒░░▒ ウイットアンテッテン構造 → 100万年に2-4°C冷却
░░▒░░▒
░░▒░░▒
Fe, Ni → 溶けてから固結まで2-3億年: 母惑星は6-7と推定(今後増える)
129Xe年齢: 129I → 129Xe: 半減期1720万年 = 地球と隕石より発見
元素(129I) → 始原惑星(129Ne) → 母惑星のできるまで1.4-2.9億年

meteorite
*: 石質 45億年
→ 炭水化合物
(生命?)

元素 - 始原惑星
元素__________________2-3億年
隕鉄、鉄質固体地殻の形成__3億年
隕石(岩石として)_________45億年
→ 45億年前地殻はなかった
b) 月
地形は海・生物に覆われていない: 観察容易 + 表面変化少
岩石、鉱物研究

meteorite地球

海 black stone – 玄武岩 = 30-35億年
陸 white stone – 斜長岩 = 40-45億年 + 山脈・谷

meteorite

月質学
├─────→┤ 隕石
├──────┼────→┤ 月
├──────┼─────┼──────→ 地球
│  隕石段階  │  月段階  │   地球段階
起源: 地球との関係から見た
  1. 兄弟説: 地球の周囲でほぼ同時に出来た (否定的)
  2. 親子説: 地球から分裂して出来た
    (証拠) アポロ11号が採取した月の石の成分は、地球とほぼ同じ
  3. 捕獲説: 太陽系の他の場所で誕生し地球に捕獲された (否定的)
  4. ジャイアント・インパクト説 giant-impact hypothesis (有力): 地球マントルとコアが分離直後(地球形成から1000万-1億年)に、火星程度の天体が衝突し地球マントルの一部を蒸発 → 放出蒸発物質は月軌道周辺で再び凝固し集積

    1946 Daly RA: 仮説提唱
    1975 Hartmann W & Davis DR: 再提唱

月の岩石: 月のマグマ活動により形成

最古の岩石 = 45億年 = 地球・太陽系年齢と一致
橄欖岩、トロクトライト = 地球の岩石と同じ
月の海(黒っぽい部分) = 玄武岩質(地球とほとんど同じ、38-30億年)
月の高地(白っぽい部分) = 斜長岩、斑糲岩(> 41億年、KとPが無い) 花崗岩未発見

月のマグマオーシャン (マグマの海) = 創生期に表面から数100 kmの深さに渡り融解

→ 軽い斜長岩が表層に浮かび上がる + 重い橄欖石や輝石が沈降・集積し地殻形成
→ 質量小さいため急速冷却 → 25億年程前に火山活動終息

地球と月の年代区分対比 (コパール 1965)
  月                   年数(109年) 地球
                       の対数      (太陽系の始まり)
  インプリウム代       60
  アルキメデス紀
  アペニン紀
  プロセラルム代                    最古の陸地: 46億年
  エラトステネス代     40          先カンブリア紀
  コペルニクス代始まり 20          海洋代(海地形確定):
                                   30億年
  現世代 クレーター
    テオフィルス
    クレーター成生      0
                       -0.20       カンブリア紀
                       -0.40       シルル-デボン紀
                       -0.60       二畳紀
                       -0.80       三畳紀
                                   ジュラ紀
                       -1.00       白亜紀
      アリスタルクス
      クレーター生成               第三紀始まり

月地震 M2-3 → 月の地震と地球の地震の性質は異なる?
人工地震: 何十億年前かの割目、内部ずたずた?

地球の大進化
  隕石段階  始源地球の形成        始源月
            ↓→母惑星(鉄質隕石)  月地殻形成
  月段階    層状構造の形成
            始源地殻 ⇔ 大気・海水
  原生代
  始源大地  大陸地殻
                                         ↑ 大地向斜
  古生代                                 ↓ 地殻安定期
  中生代
  新生代                                  ↕ 大陸地殻崩壊

開かれた地球 (open earth)


地球誕生 ≠ 孤立的事象 (自然科学史 近代)
  1. 惑星・小惑星公転軌道 ≈ 円
  2. 惑星・小惑星公転面殆ど一致
  3. 太陽・惑星・衛星自転面も公転面に近い
  4. 太陽・惑星・衛星の公転・自転方向は、殆ど全てが西→東 (若干例外)
  5. 太陽系質量の99.9%は太陽に集中 ↔ 角運動量の96.6%は惑星占める
  6. 惑星・小惑星軌道半径 → ボーデの法則成立
  7. 9惑星は地球型惑星と木製型惑星の違い明瞭 - 境に小惑星群存在
Laplace Pierre-Simon 1749-1827, 仏 (天文学・統計学): 宇宙体系解説
星雲説 nebular hypothesis = カント(Kant)・ラプラス説

= 低温起源説: 冷たい星雲が回転凝集し熱を持つ
→ 太陽周囲を回る星間物質が固まり惑星形成
渦乱流説 (Weizsäcker)

遭遇説 encounter theory: 微惑星説 + 潮汐説
Moulton FR 1872-1952
Chamberlin TC 1843-1928
微惑星説 planetesimal hypothesis (1906 Moulton, Chamberlin)

太陽とすれ違った恒星の潮汐力により太陽の物質が空間に飛散し凝集し惑星系となる

Jeans, Sir James Hopwood 1877-1946, 英
Jeffreys, Harold 1891-1989
潮汐説 tidal hypothesis (1916 Jeans, Jeffereys 現在否定): 高温起源説

太陽近くを恒星通過 → 引力で太陽と恒星からガス離され戻れず中間に残ったガスが固まり惑星形成
地球: 高温 → 冷却 ⇒ ガス → 液体 → 固体

Schmidt, Otto Yulyevich 1891-1956, 露: 隕石説 (1944)
Urey, Harold Clayton 1893-1981, 米: 宇宙塵説 (1952)
隕石説(宇宙塵説)

原始太陽が宇宙塵雲に遭遇し粒子を捕獲し、粒子が回転・凝集し惑星・衛星・隕石に成長
地球: 冷えた個体粒子の集まり → 崩壊熱 → 共融融解物 = 様々な岩石

地球年齢測定

放射性元素半減期: 所々の溶岩が表面で固まってから現在までの時間経過

冷え固まった溶岩は放射性元素について閉じたシステム
岩石が含む親元素-子元素比率 ⇒ 時間推定(K-Ar法、Rb-Sr法等)
半減期により求められる年齢

太陽      地球      地球最古の岩石*  地球生命の起源
50億年  45億年  39.62億年             31-35億年

*カナダ北西部アキャスタ川 片麻岩

ジオイド geoid

地球をとりまく重力等のポテンシャル面の内で、大洋地域ではその平均海水面と一致するもの
→ 大洋平均海水面を陸地内部に延長した基準面 – 地表付近の起伏、物質分布に応じ僅かな起伏

Ex. アルプス、ヒマラヤ等大山脈では40-50 cmの膨れ

地球楕円体 terrestrial ellipsoid: ジオイド形に最も近い(=近似面持つ)楕円体

表. 地球の定数
赤道半径, a = 6378.388 km vs 極半径, b = 6356.912 km

平均半径, r = 6371.221 km → 扁平率, f = (ab)/a = 1/297

体積, V = 1.083·1012 km3 vs 質量, M = 5.9761·1027 g ⇒

平均密度, ρ = 5.517 g·cm-3

重力 極, gP = 983.221 g·cm-2 vs 赤道, gE = 978.049 ·cm-2

×103                                     6
█                                          4
██            陸地の平均高度  2
████████████████ 
████                                 -2
██████  海の平均深度    -4
████████████████  -6
██                                      -8
                                         -10
図. 地殻表面の高度分布。高さ
の頻度の極大は、大陸と大洋
に相当 - 2地域は質的に異なる
(Sverdrup et al. 1942)

高度の分布集中

2山型 →
陸地 = 0-1000 m ↔
海底 = 4000-5000 m
→ 陸地-海底で地殻の性質異なる

標準重力 (正規重力): ジオイド上の緯度φでの重力gravity, g(φ)

g(φ) = α(1 + β·sin2φγ·sin22φ),

α = 978.049 gal (赤道での重力),
β = 0.0052884,
γ = 0.0000059 (定数)

重力は赤道最小、両極最大
差 5 gal [1 gal = 1 cm/s2, 1 mgal = 10-3 gal]

→ 重力補正 gravity correction
  1. 地形補正: 測定点周囲地形が平坦でない効果を補正
  2. フリーエア補正: 0高度面 - 測定点間質量 := 0 → Δg (m/s2) = 3.1·10-6 h (m)
  3. ブーゲ補正Bouguer correction: 0高度面-測定点間質量も除去補正 → ジオイド面より下の物質分布推定
    陸地: Δg (m/s2) = 1.13·10-6 h (m), 代表岩石密度 2.67 g/cm3から
    海上: Δg (m/s2) = 0.42·10-6 h (m), 岩石を海底面までの海水で置換
    高度補正 g0、地形補正 g0'、ブーゲ補正 g0'': g = g0 + g0' + g0''
Def. 重力異常 gravity anomaly, Δg = gg(j) earth

→ ブーゲ補正 = ブーゲ異常
→ フリーエア補正 = フリーエア異常
ブーゲ異常 Bouguer anomaly, ΔgB: > 0 ↔ 正の異常, < 0 → 負
ジオイド面より下にある物質の密度分布状態反映
Ex. 花崗岩質層 = 密度小 ↔ 玄武岩質層 = 大
Ex. 負の重力異常: アルプス-ヒマラヤ山系、コージエラ山系 → 花崗岩質

アイソスタシー (地殻均衡) isostasy: 地殻がマントルに浮く = ジオイド面上山体質量により負の重力異常緩和

earth Pratt: 密度差が高さの差に現れる
Airy: 高い所は深くに根を降ろす
→ Airy説支持される
大規模(大山脈レベル以上)で成り立つ [日本列島は概ね成り立つ]

地球の質量・密度
単位質量に働く引力, F = kM/R2

M: 地球質量   R: 半径   K: 万有引力定数 (6.670·10-8 dyne cm2/g2)

∴ 地球の質量, M = 5.98 × 1027 g
地球体積 = 1.083·1027 cm3 → 平均密度 = 5.52 g/cm3
地殻構成岩石密度 ≈ 2.8 g/cm3 → 地球内部に著しく密度の大きな物質存在

古地磁気 palaeomagnetism

岩石、堆積物等に記録される過去の地磁気
地磁気発達により地表への放射線到達量減少 - 生物浅海で生息し光合成
ダイナモ理論(効果・作用) (geo)dynamo theory
1600 Gilbert, William 1544-1963: De Magnete

地磁気の起源は地球内部 = 地球全体が本質的に磁石

1919 Larmor, Sir Joseph 1857-1942: 太陽磁場をダイナモ理論で説明
1950≈ Elsasser, Walter Maurice 1904-1991

地球の流体外核の中で誘導される電流により地磁気形成

1950≈ Bullard, 1907-1980: 地磁気成因論

双極子dipole磁場: Fe, Ni等電気伝導度高い物質存在
熱対流等により流動 → 自己励起発電機系となる → 磁場発生

岩石磁気: 岩石全体として磁性帯びる(主に磁鉄鉱) 火山岩(溶岩): 高温のため磁性失った後、冷却過程(キューリー点575°Cで磁化)で強磁性体となる

地球磁場中で磁化 → 岩石磁化方向は地球磁場と一致(= 平行)

堆積岩: 堆積過程で地球磁場方向に整列 – 岩石全体が一定方向磁性 (沈殿残留磁気 residual magnetism)
→ 磁場変化しても岩石磁気は長期間もとのまま → 岩石冷却か沈殿堆積時の地球磁場が分かる
Japan Ex. 中生代-古生代: 磁北は現在の赤道付近

各地点の相対位置に変化なければ磁極位置は同一地点に集中 → そうならない!
→ 大陸間の相対位置変化 = 大陸移動

Ex. 東北-西南日本が相対的に回転 = 元は弓状ではない
磁気層位学: 海洋底は陸上より単純構造で複雑さはない

N-S逆転: 縞模様(長さ不規則) = 特定時期示す目印

地温勾配 geothermal gradient

太陽輻射: 地中深く及ばず、地表面から数10 m下で一定
太陽輻射及ばない深さ → 温度は深さと共に増 = 地温勾配, dT/dh (°C/100 m) ≈ 3 (5を越える場合ある)
熱源: 地表下方に存在 → 地温勾配発生 = 熱流heat flow量決める

熱流量: 単位時間あたりに単位断面積を通過する熱量 Hs = k·dT/dh, k: 熱伝導率

世界平均(ほぼ均一) 1.4 × 10-6 cal/cm2/sec → 日本: 変化大 – 平均の1/2-2倍の範囲 [熱源分布関与]

熱: 放射性元素(U, Th, K)崩壊による – 詳細不明

地球内部 (earth interior)


研究方法: 地球トモグラフィー
人工(昔は自然)地震: 地震波速度変化 → 不連続面存在 = 組成変化

本来は資源探査目的で研究進む(深さ100 km程度限界) Ex. 油田探査

人工衛星・宇宙探査機
層形成説
均質集積起源説: 地球形成時は均質 →

元素批准の違いにより相分離 - 層形成

分別集積起源説: 地球形成過程で同時に作られた

折衷的な説も作られている

1) 地殻: 隕石より推測 → 石質隕石 ≈ マントル(鉄質隕石成分 ≈ 地殻成分)

44億年前: 地殻形成始まる
41億年前: 海陸ができる
27億年前: (始生代) 大陸ができる

地表付近: 大陸では堆積岩等のためVp最小
↓ コンラッド不連続面(C面) Conrad discontinuity
__大陸地域の地殻中で認められる
↓ 大陸地殻 continental crust: 50 km程度
____→ 高い山地 = 厚 ↔ 低地 = 薄
__上部 Vp = 5.5-6.5 km/s
____→ 花崗岩質 = 花崗岩質層 granitic layer
__下部 Vp = 7 km/s
____ρ = 3 gr/cm3 → 玄武岩質 = 玄武岩質層 basaltic layer
↓ 海洋地殻 oceanic crust: 10 km程度
↓ 海洋では即座に Vp = 7 → 花崗岩質層が薄いか欠ける
モホロビッチ不連続面(モホ面, M面) Mohorovitch discontinuity: 地殻-マントル境界面

earth
地殻構造

→ 不連続面存在 = モホ面

上部 Vp < 7 km/s
直下部 Vp = 8.2 km/s

大陸で地表から30-40 km (若い造山帯50-70 km)、海洋で海底面から5-6 km

earth
図. 地殻の構造モデル
大陸地域の岩質層と大洋地域の玄武岩質層には疑問の余地ない

→ 大陸地域の玄武岩質層はまだ問題 + マントル上層部は榴輝岩質だという説もある

2) マントル (earth's) mantle
earth 地殻下で厚さ2900 km (地球体積の82%、重さの68%)
低速度層: 地表から100 km前後にvP低くなる部分(B層上部) → 部分的溶融(= 液体) → マグマ(火成岩)

→ プレート移動はこの位置から起こる: A層変化の要因はB層以下からくる

高速度境界: 深さ ≈660 kmで急に地震波速度早くなる = マントルは固体

→ 地震はこれより上部で発生

→ マグマの起原: 玄武岩: 橄欖岩、輝石。エクロジマイト: 輝石、ざくろ石

Fe, Ni主成分?: 隕石はマントル成分に近い。橄欖岩等は地球特有

玄武岩質(3.2) ⇔ エクロジマイト (3.4) [高温だと玄武岩のまま]

P-S差 = 圧力・温度差により鉱物が転移 (P波変化等により判明)

石英 SiO2 → (高圧、ρ = 2.7) coes 石 → (ρ = 3.2) Stishov 石
→ → → → → → → → → → → → → → → → → → → → →
Si:O = 1:0.4__SiとOの結合が変化_______Si:O = 1:0.6
マントルで起こる変化

橄欖岩 (MgFe)2SiO4 斜方晶形 → (ρ = 3.22) 尖晶岩 (ρ = 3.5) MgAl2O4 立方晶形
輝石 MgSiO4 → 2MgO + SiO2
B Si, O2 → C → D Fe, Mg, Na, etc.

スーパープリューム: マントル中の対流 (詳細不明)
3) 核 core: 密度大きな液体(10-13 g/cm3)。体積16%、質量31%を占める

外核(半径3480 km): S波のみ伝播

温度: [仮定] 地球内部温度は断熱圧縮による温度上昇のみで決定
Ex. 苦土橄欖岩融点 1900°C at 1 atm → 4.7°C/atm上昇 → 中心部温度 = 6000°C (2500°C)

内核 (1222 km)

水と大気の起源

太陽系の起源と密接な関係
気体の平均分子運動速度, Vm = √(3RT/μ)

R: 気体定数, T: 絶対温度, μ: 分子量

惑星表面温度高 → 分子速度大 → 太陽に近い惑星ほど大気消失
軽い分子(特に水素) → 惑星から脱出しやすい

海水(大気)の生成・存在条件

の起源 origin of sea
地球: 窒素・酸素は大気に残る (水素・ヘリウムは大気中に残らない)

惑星形成段階でH2O取り込まれる(温度制限あり) – 太陽との距離
惑星で火山活動活発: 一定規模、大きいほど活発
惑星が生成物(特にガス)引き止める引力持つ
温室効果
大気 ⇔ (平衡) 海水

                                 正イオン  負イオン, H2O
マントル → マグマ → 火成岩 + 揮発成分(火山ガス)
                    ↓             ↓                   ↓
       -----→ 海水 +            堆積分 + 大気(N2)

Na, Mg, Caは火成岩、Cl-, CO32-, SO42-は火山ガス(揮発成分)由来
マントルの水(海水、海深度 3800 km

蛇紋岩: 深部マントルが構造的弱線に沿って上昇 → MgSiO5(OH)4, MgSi4O10(OH)2

(海水: マントル厚30-70 km部分含む水に相当 = マントル含水量の10%)
マントル → 地殻 → 水・大気: 地殻構成と大気・海水生成は平行に進む
造山運動に伴い海水もマントルより形成 → 海水は段階的増加(今後も?)
火成岩 + ガス → 海水 + 堆積物 + 大気

元素の存在度: H, He, O (圧倒的に多い), Ne, C, Si, Mg, Fe: 8大元素

惑星と比較 → 内惑星: 水金地火 = N2, CO2, H2O ↔ 外惑星: 木土 = H2, H2O, NH3, CH4

始生代: 生物により地球独特大気生成 N2, O2, H2O

大気変化: 火山ガス → (冷却) pH 0.3 (CO2)

沈積 CaCO3 ⇔ 海水中CO2 ⇔ 大気中CO2
海水存在: 大気中CO2一定に保つ → 初期の海水・大気CO2は微量 → 数億年で数%増加。地球の脈動に従ってある時期に段階的に増加

大気・海水の存在: 大気 ⇄ CO2, H2O ⇄ 海水

温室効果 greenhouse effect: 太陽エネルギー保つ(0-100°C)

大気中O2: 現大気中 200 mb分圧(今は遥かに多い) ⇔ 火山ガス = O2ない
  1. 火山ガス中H2OにUV照射し作られたO2は0.2 mbだがO2はUVを吸収しユーレー効果(O2制限)によりH2Oの分解制限が起こる
  2. 藻類 10 m水深が生存限界。2.0 mb
  3. 発酵・呼吸: ≥ 2.0 mb → O2からO3(オゾン)形成され、UVより吸収される
  4. O2分圧20 mbに高まる。陸上生活でもUV強度安全(鱗・甲羅等必要)
  5. O3による酸化: デボン紀 = 赤色砂岩 + O2増加
    → 地表付近でO2生成不可能 → O3の存在する高さ上昇
  6. CO2減少: 温室効果下がる。大森林滅亡
    地球上生物は地球で誕生: 受動的なだけではなく地球に作用し、地球を他の惑星と比べ独特なものとする
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