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(2024年9月17日更新) [ 日本語 | English ]

ヒノキ科 (Cupressaceae Bartlett)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

エングラー体系 Engler's syllabus (植物分類学)
Coniferae (Pinophyta) マツ目
木本: 昔はヒノキ科とスギ科は分けた(今は一緒になったりならなかったり)

スギ科(属): 葉・果鱗は対生か3輪生 ⇔ ヒノキ科

葉-枝間に節間ない - 葉は枝ごと落下 ⇔ マツ科
Cryptomeria D. Don (スギ)
Thuja L. (クロベ)
Thujopsis Sieb. et Zucc. (アスナロ)
Chamaecyparis Spach (ヒノキ)
Juniperus L. (ビャクシン)
Taxodium Rich. (ヌマスギ)

☛ 1-2種 (1-2 species): x = 11

木曽五木 (The Kiso five trees)

木曽: 江戸時代尾張藩 藩有林
利用: 江戸城築城、造船、土木用材等 - 木材資源枯渇 →

留山・留木制度(停止木制度): 指定地域での指定木伐採禁止

↓ ヒノキ(最重要材, 最初) →
↓ 1708 アスナロ、サワラ(誤伐採防止) +
↓ 1708 コウヤマキ(重要材) →
↓ 1718 ネズコ
罰則: 木一本首一つ、枝一本腕一つ
クリ・マツ・カラマツ・ケヤキ・トチ・カツラも追加保護指定

1749(寛延2)-明治2 白木改番所を馬籠峠に設置: 伐採取締目的
森林再生成功 → 他藩に普及

留山・留木・明山・巣山

留山: 禁伐林 1665 木曽上松に設置 1687 22000 ha
留木: 禁伐指定樹木 Ex. 木曽五木
明山: 留木を除く需要材(薪炭材・林産物)採取許可
巣山: 鷹狩用のタカを狩る山 - 村民入林禁止 - 間接的に森林保育

ヒノキ Chamaecyparis obtusa

木曽ヒノキ材 = 尾州材

アスナロ Thujopsis dolabrata
コウヤマキ Sciadopitys verticillata
ネズコ(クロベ) Thuja standishii
サワラ Chamaecyparis pisifera

三大美林

木曽ヒノキ
津軽ヒバ
秋田スギ: 米代川流域

Cryptomeria D. Don (スギ)


現生1種
C. japonica var. sinensis Miq.: 中国南部(植栽の可能性)

稀にC. fortunei Hooibr. ex Billain (カワイスギ)としている

花粉分析
最終氷期: 寒冷期(70/20 kya)除き成育

寒冷期: 伊豆半島、若狭湾、隠岐、屋久島周辺に残存 →
温暖期(10 kya) = 分布拡大(日本海側・東海) → 二次林化(人間活動)

スギ (C. japonica (Thunb. ex L. f.) D. Don)
杉/椙/倭木
生活型: 常緑針葉高木 - 最大樹高60 m、胸高周囲15 mに達する
分布: 日本固有(自生: 本州(北限 青森西海岸) - 四国 - 九州(屋久島)

植栽: 神社等 + 造林(道南部 = 全て植栽)

1967 利尻島1 ha造林(最北端)

球果: 雌雄同株 = 雄球花(雄花, 5- 8 mm l) + 雌球花(雌花, 4-5 mm φ)
オモテスギ(f. japonica)とウラスギ(f. radicans)
ウラスギ(アシウスギ) f. radicans (Nakai) Sugim. et Muroi

日本海型 - 太平洋型と比べ …
伏条更新: 下部大枝が雪圧にも折れず下垂し接地部分から発根し更新
→ 挿木容易 + 幹下部で不定芽発達

かながわの名木100選

箱根神社の矢立のスギ

平安時代に、征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷平定に、また陸奥守源頼義が安倍氏追討に際してこのスギに表矢を献納したと伝えられている。幹は真直ぐに高く伸びて樹勢も旺盛である。

樹高 35 m。胸高周囲 6.0 m。樹齢 約1200年(伝承) ⇒ 巨木

樹齢3000年に達するものもあると言われる。
Hakone1 Hakone2
[1/2] 2021年8月21日、箱根神社にて

秩父杉 (☛ 高千穂神社の秩父杉)

秩父杉と狛犬

(天然記念物と国指定重要文化財)
当宮は、鎌倉バう負の信仰が厚く文治年間 源頼朝の代参として秩父の豪族 畠山重忠公が天下泰平の御祈願に参詣した
重定公手植えの杉は「秩父杉」と号けて今なお社頭に高く聳え千古の歴史を伝えている
目通(二〇尺. 9 m)  高さ(一八〇尺. 55 m)  樹齢(約八〇〇年)
尚 鎌倉幕府寄進の社宝鉄製の狛犬一対は世に優れたる鎌倉時代の名作として国の重要文化財に指定されている (高千穂神社. 2024/12/19)

ヤクスギ(屋久杉)

屋久島(Yakushima Island)標高500 m以上の山地に自生するスギ(s.l.)
その中でも樹齢1000年以上のスギ(s.s.) (< 1000 tr = 小杉)

縄文杉: 樹齢2000-7200年、周長16.4 m
紀元杉: 樹齢3000年、周長8.1 m、標高1230 m
翁杉: 樹齢2000年 - 2010年9月10日幹折れ(倒木)、標高1000 m
ウィルソン株 Wilson stump: 樹齢2000年、周長13.8 m - 切株(高さ 4 m)

豊臣秀吉: 京都方広寺大仏殿造営のため伐採命
Wilson AH (1876-1930), 英、植物学: 1914 世界に紹介

Chamaecyparis Spach (ヒノキ)


C. obtusa (Siebold et Zucc.) Endl. (ヒノキ)
= 檜木/檜/桧/扁柏 (ホンヒ/ヒバ, 俗称)
常緑針葉樹: 15-30 m h (≤ 50 m h, ≤ 2.5 m φ)
分布: 日本固有(福島以南-四国-九州-屋久島)

多雪不適 - 太平洋側に多 (☛ 幣立神宮の桧)

利用: 檜皮屋根(高耐久性(葺替30-40年毎)、建築材

Ex. 檜皮葺: 伊勢神宮、出雲大社本殿、厳島神社、清水寺、善光寺

天神木の「首ッ玉」
日の宮の天神木は、悠久一万五千年の命脈を保つ世界一の巨桧である。この根に立った十代目が崇神の世で、九代目が天照の世の鏡コブが見える。そして十一代目が今の神木。この三木に帰一してこそ世界平和がある。

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2024年12月19日、高千穂幣立神宮

C. pisifera (Siebold et Zucc.) Siebold et Zucc. (サワラ)
C. nootkatensis (D.Don) Spach (アメリカヒノキ)
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